JP2007274339A - 表面実装型圧電振動デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧電振動板の小形化を実現しながら、圧電振動板のベース保持台への接合強度を高め、耐落下衝撃性能を向上する。
【解決手段】 収納部10と、当該収納部の底面から上部に突出したセラミック材の保持台10cとを有し、前記保持台の上面には最上面が金からなる一対のメタライズの配線パターン12,13が形成されたベース1と、圧電振動板3と、これらを気密封止してなるキャップを有する表面実装型圧電振動デバイスであって、前記保持台の上面には前記圧電振動板の自由端である一端部に近い領域をセラミック材が露出した無電極部14,15とし、当該無電極部に隣接して前記圧電振動板の他端部側に配線パターン12,13が形成されており、シリコーン系の導電性樹脂接着剤が、前記保持台の無電極部と配線パターンに跨った状態で、圧電振動板と保持台を電気的機械的に接合している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミックベース上に圧電振動板が実装された圧電振動子や圧電発振器などの表面実装型圧電振動デバイスに関するものであって、特に表面実装型圧電振動デバイスのパッケージ構造を改善するものである。
従来、一般的な表面実装型圧電振動デバイスは、一面を開口させた箱型状体のセラミックベース(絶縁性ベース)と板状体のキャップとから構成されてなる。セラミックベースは、圧電振動板を搭載する収納部が形成されており、収納部底面の一側端部には、圧電振動板を搭載支持する一対の保持台が設けられている。この一対の保持台には、下記する圧電振動板の励振電極と導電性接合材を介して導通する配線パターンがメタライズ等の手法により形成され、最上面には金メッキが施されている。圧電振動板は、例えば、X軸方向の辺とZ'軸方向の辺とから構成される平面視矩形状のATカット水晶振動板からなる。この水晶振動板の長辺軸の指定は、一般的に、保持形態により選択されている。車載向けなどの耐衝撃性が求められるものでは、長辺側の両端を保持するために、長辺側の保持の影響が少ないZ'軸方向を長辺とするものが多い。これに対して、X軸方向を長辺とするものでは、長辺側の保持の影響を受けやすいので片端側で保持する一方、水晶振動板の励振電極を大きく形成することができるので、励振領域を広くし、直列共振抵抗を改善したり、周波数可変量を広くすることができる。ATカット水晶振動板等を用いた厚み振動系水晶振動子は、一般に水晶振動板の表裏面に一対の励振電極を正対向して形成し、当該励振電極に交流電圧を印加する構成である。つまり、水晶振動板の両主面には励振電極と、この励振電極を前記セラミックベースの保持台に形成された配線パターンと導通するための接続電極と、励振電極を接続電極に導通させるための引出電極が形成されている(例えば、特許文献1参照。)。このように構成された圧電振動板を前記セラミックベースの保持台上部に搭載し、圧電振動板の接続電極と保持台上面の配線パターンの間に導電性接合材を介在させて、これら電気的機械的に接合する。そして、圧電振動板が接合されたセラミックベースの開口部に前記キャップを搭載し、キャップの外周縁部とセラミックベースの開口面と接合することで、セラミックベースの収納部が気密封止される。
特開2003−17978号公報
近年、現在、電子機器の小型化が進んでおり、この小型化にともない上記したような圧電振動子や圧電発振器等の圧電振動デバイスも小型化が進められている。特に、前記圧電振動板の一端部を前記ベースの収納部の底面から隙間を設けながら、前記圧電振動板の対向する他端部を前記ベースの保持台に接合してなる片持ち保持構造のものでは、圧電振動板の保持領域を縮小化することもできるので、表面実装型圧電振動デバイスのさらなる小形化にも対応できる。しかしながら、セラミックベースに圧電振動板を接合するための配線パターン等の間隔も近接して形成されているのが現状である。このように片持ち保持構造での配線パターンでは、お互いの配線パターン間での短絡の問題や、圧電振動板の振動阻害要因をなくすため、導電性接合材の塗布量も少なくする必要があった。
加えて、近年の表面実装型圧電振動デバイスでは、支持部材をなくして小型化に対応させるとともに耐衝撃性能を高めるために、柔軟性の優れた導電性接合材により配線パターンに圧電振動板を直接接合する構成となっている。このように柔軟性の優れた導電性接合材として、近年、シリコーン系の導電性樹脂接着剤が非常に多く用いられ、普及しているのが現状である。しかしながら、シリコーン系の導電性樹脂接着剤では、セラミックベースに形成される配線パターンのうち導通性能を高めるために最上面に形成される金メッキ層との界面の接合強度が低下しやすいといった問題があった。特に、片持ち保持構造では、保持されない側の圧電振動板の端部が自由端であるため、落下などの衝撃が加わることで、配線パターンのうち前記自由端側の部分から導電性樹脂接着剤が剥離しやすいという問題があった。
以上により、小型化された表面実装型圧電振動デバイスのうち、圧電振動板を片持ち保持するとともにシリコーン樹脂系の導電性樹脂接着剤を用いる構成では、その塗布量を増やすこともできず、配線パターンへの接合強度が低下し、耐落下衝撃性能が著しく低下しやすいという問題があった。その結果、前記導電性樹脂接着剤が配線パターンから剥がれることで、環境温度変化によって周波数ジャンプが発生したり、周波数変動のばらつきが生じやすくなるといった問題も顕在化してきているのが現状である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧電振動板の小形化を実現しながら、圧電振動板のベース保持台への接合強度を高め、耐落下衝撃性能を向上するとともに、環境温度変化によって周波数ジャンプや周波数変動のばらつきが生じることのない、かつ環境温度変化による周波数の再現性を高めたより電気的特性の優れた表面実装型圧電振動デバイスを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の特許請求項1に示すように、収納部と、当該収納部の底面から上部に突出したセラミック材の保持台とを有し、前記保持台の上面には最上面が金からなる一対のメタライズの配線パターンが形成されたベースと、励振電極と、前記配線パターンと電気的機械的に接合される接続電極と、励振電極を接続電極に導通させるための引出電極が形成された圧電振動板と、ベースに搭載された圧電振動板を気密封止してなるキャップを具備してなり、前記圧電振動板の一端部を前記ベースの収納部の底面から隙間を設けながら、前記圧電振動板の対向する他端部を前記ベースの保持台に接合し片持ち保持してなる表面実装型圧電振動デバイスであって、前記保持台の上面には前記圧電振動板の一端部に近い領域をセラミック材が露出した無電極部とし、当該無電極部に隣接して前記圧電振動板の他端部側に配線パターンが形成されており、シリコーン系の導電性樹脂接着剤が、前記保持台の無電極部と配線パターンに跨った状態で、圧電振動板と保持台を電気的機械的に接合してなることを特徴とする。
上記構成により、電気的な抵抗値が少なく、経時的劣化の少ない金を最上面とした配線パターンを用いながら、柔軟性の優れたシリコーン系の導電性樹脂接着剤を組み合わせても、前記保持台の上面には前記圧電振動板の一端部に近い領域をセラミック材が露出した無電極部とし、当該無電極部に隣接して前記圧電振動板の他端部側に配線パターンが形成されており、シリコーン系の導電性樹脂接着剤が、前記保持台の無電極部と配線パターンに跨った状態で、圧電振動板と保持台を電気的機械的に接合しているので、圧電振動板と保持台との接合強度が飛躍的に向上する。
特に、前記保持台の上面は前記圧電振動板の一端部に近い領域をセラミック材が露出した無電極部としているので、この領域には配線パターンが存在せず、導電性樹脂接着剤の塗布位置が配線パターンの配列方向に多少ずれても、配線パターンのみで接合されることがないので、接合強度のばらつきが生じにくい。
結果として、小型化しても無電極部と配線パターンの配置形成が容易で安価な構成とすることができ、耐落下衝撃性能が優れた表面実装型圧電振動デバイスが得られる。前記導電性樹脂接着剤が配線パターンから剥がれ、環境温度変化によって周波数ジャンプが発生したり、周波数変動のばらつきが生じることもなくなる。
また、前記保持台の上面は前記圧電振動板の一端部に近い領域をセラミック材が露出した無電極部としているので、前記無電極部が歯止めとなって、保持台の上面端部に向かって導電性樹脂接着剤が流れ出しにくくなる。結果として、導電性樹脂接着剤が励振電極に近接して接合されることがなくなるので、圧電振動板の振動を阻害することがなく、直列共振抵抗値等の特性低下を招くことがない。
また、本発明の特許請求項2に示すように、上述の構成に加え、前記圧電振動板と保持台の間に直接挟まれて配置される導電性樹脂接着剤は、前記圧電振動板の接続電極が形成された領域内部のみに配置してなることを特徴とする。
上記構成により、上述の作用効果に加えて、前記圧電振動板と保持台の間に直接挟まれて配置される導電性樹脂接着剤は、前記圧電振動板の接続電極が形成された領域内部のみに配置しているので、環境温度の変化により、導電性樹脂接着剤が膨張・収縮したとしても、接続電極のみの同一面内で導電性樹脂接着剤が膨張・収縮し、導電性樹脂接着剤と接続電極の接続面積が当初設計に対して変動量が少ない。従って、導電性樹脂接着剤と圧電振動間での接触抵抗が当初設計に対して変動量が少なくなるので、周波数が変化する等の不具合がなくなる。つまり、環境温度によって発振周波数の再現性がばらつくことがなくなる。
また、本発明の特許請求項3に示すように、上述の構成に加え、配線パターンには、外部端子と接続される導電ビアが形成されており、前記導電性樹脂接着剤が、前記無電極部と前記導電ビアに跨った状態で、圧電振動板と保持台を電気的機械的に接合してなることを特徴とする。
上記構成により、上述の作用効果に加えて、配線パターンには、外部端子と接続される導電ビアが形成されており、前記導電性樹脂接着剤が、前記無電極部と前記導電ビアに跨った状態で、圧電振動板と保持台を電気的機械的に接合している。導電ビアが形成される配線パターンの領域には凹凸面が形成されやすい。このため、導電ビアの凹凸部領域の稜線部分と、配線パターンと無電極部の境界領域の稜線部分が導電性樹脂接着剤の接合強度を補う起点として機能するとともに、これらを跨った状態で導電性樹脂接着剤が接合される。結果として、別途アンカー部材を形成することなく、さらなる接合強度の向上が行える。
また、本発明の特許請求項4に示すように、上述の構成に加え、前記圧電振動板の接続電極の最上面は、クロム、ニッケル、銀、またはアルミのいずれかからなることを特徴とする。
上記構成により、上述の作用効果に加えて、前記圧電振動板の接続電極の最上面は、クロム、ニッケル、銀、またはアルミのいずれかからなるので、接続電極の上部にシリコーン系の導電性樹脂接着剤を接合しても接合強度が低下することがない。結果として、圧電振動板側の接合強度を向上させ、接続電極領域での電気的機械的接合状態が極めて安定化させることができる。特に、圧電振動板の接続電極では、保持台の配線パターンに比べて振動源に近いので、導電性樹脂接着剤との接合強度を低下や電気的接続領域の減少(接続抵抗の増大)による特性に対する影響度が高く、圧電振動板側の接合強度を向上させることで、圧電振動デバイスとしての特性安定によりいっそう寄与できる。
以上のように、本発明の表面実装型圧電振動デバイスによれば、圧電振動板の小形化を実現しながら、圧電振動板のベース保持台への接合強度を高め、耐落下衝撃性能を向上するとともに、環境温度変化によって周波数ジャンプや周波数変動のばらつきが生じることのない、かつ環境温度変化による周波数の再現性を高めたより電気的特性の優れた表面実装型圧電振動デバイスを提供することができる。
以下、本発明による好ましい実施の形態について図面に基づいて説明する。本発明による実施形態につき表面実装型の圧電振動デバイスとして表面実装型水晶発振器を例にとり図面とともに説明する。図1は本発明の実施の形態を示す圧電振動板を搭載する前の斜視図、図2は図1の平面図、図3は図2の圧電振動板を搭載した後の平面図、図4は図3のA−A線に沿った断面図である。表面実装型水晶発振器は、上部が開口した凹部を有するセラミックベース1と、当該セラミックベースの中に収納される集積回路素子2と、同じく当該セラミックベース中の上部に収納される圧電振動板3と、セラミックベースの開口部に接合されるキャップ(図示せず)とからなる。
セラミックベース1は全体として直方体で、アルミナ等のセラミックとタングステンあるいはモリブデン等の導電材料を適宜積層した構成であり、断面でみて凹形の収納部10を有する構成である。収納部10は第1の収納部10a(下部収納部)と第2の収納部10b(上部収納部)からなり、それぞれ圧電振動板3と集積回路素子2が収納される。収納部周囲には堤部11が形成されており、堤部11の上面は平坦であり、当該堤部上に周状の第1の金属層11a(封止用部材)が形成されている。当該第1の金属層11aの上面も平坦になるよう形成されており、タングステンあるいはモリブデン、ニッケル、金の順で金属膜層を構成している。タングステンあるいはモリブデンは厚膜印刷技術を活用してメタライズ技術によりセラミック焼成時に一体的に形成され、またニッケル、金の各層はメッキ技術により形成される。
セラミックベース側端部には上下方向に伸長する複数のキャスタレーションが形成されている。当該キャスタレーションは円弧状の切り欠きが上下方向に形成された構成である。なお、前記第1の金属層11aはセラミックベースの角部の堤部を上下に貫通接続する図示しない導電ビアにより、セラミックベース下面に形成された外部接続電極(図示せず)に電気的に導出されている。当該外部導出電極をアース接続することにより、後述の金属キャップが金属層11a、導電ビアを介して接地され、電子部品の電磁気的なシールド効果を得ることができる。なお、前述のとおり、当該導電ビアは周知のセラミック積層技術により形成することができる。
セラミックベース1内部において、下方面には前述のとおり集積回路素子2を収納する第1の収納部10aと、当該第1の収納部の底面から上部に突出し、後述する圧電振動板の端部を保持する保持台10cと、前記第1の収納部を介して前記保持台と対向位置する枕部10dが形成されており、前記第1の収納部10aの上方には、第2の収納部10bが形成されている。前記保持台10cの上面には、後述する圧電振動板3の一端部(自由端となる枕部10d側)に近い領域をセラミック材が露出した無電極部14,15を形成し、当該無電極部14,15に隣接して前記圧電振動板3の他端部側に一対の配線パターン12,13がセラミックベースの短辺方向に並んで形成されている。各配線パターン12,13は導電ビアBにより引き出され、最終的に外部端子へと導かれるように構成されている。また、前記第1の収納部10aの周辺部分で前記保持台と枕部の間には、集積回路素子2との配線パターン16aが複数並んで形成されている。このような構成のセラミックベースは周知のセラミック積層技術やメタライズ技術を用いて形成され、配線パターンは前述の金属層11a形成と同様にタングステンあるいはモリブデン等によるメタライズ層の上面にニッケルメッキ層、金メッキ層の各層が形成された構成である。
前記下部収納部に搭載される集積回路素子2は、圧電振動板3とともに発振回路を構成する1チップ集積回路素子であり、その一面には接続端子(図示せず)が複数形成されている。当該集積回路素子2は、例えば金などの金属バンプCを介して、集積回路素子の複数の接続端子と前記セラミックベースに形成された複数の接続パッド16aとを例えばフェイスダウンボンディング工法により接続される。
前記集積回路素子2の上方には所定の間隔を持って圧電振動板3が搭載される。圧電振動板3は例えば矩形状のATカット水晶振動板であり、その表裏面に対向して一対の矩形状励振電極31,32と、この励振電極を前記セラミックベースの保持台に形成された配線パターン12,13と導通するための接続電極33,34と、励振電極を接続電極に導通させるための引出電極35,36が形成されている。なお、これらの電極は、例えば、クロムの下地電極層と、銀または金の中間電極層と、クロムの上部電極層とから構成された積層薄膜、クロムの下地電極層と、銀または金の中間電極層と、ニッケルの上部電極層とから構成された積層薄膜、あるいはクロムの下地電極層と、銀の上部電極層とから構成された積層薄膜である。これら各電極は真空蒸着法やスパッタリング法等の薄膜形成手段により形成することができる。なお、クロムやニッケルの変わりにアルミの上部電極層、あるいは中間層が金の場合は銀の上部電極層を形成してもよい。
圧電振動板3とセラミックベース1との接合は、ペースト状であり銀フィラー等の金属微小片を含有するシリコーン系の導電樹脂接着剤Sを用いている。図3、図4に示すように、前記導電性樹脂接着剤Sは、前記無電極部14,15と前記配線パターン12,13に跨った状態で塗布されるとともに、前記導電性樹脂接着剤Sを前記圧電振動板3と前記保持台10cの間に介在させ硬化させることで、お互いを電気的機械的に接合している。以上により、前記圧電振動板3の一端部(自由端となる枕部10d側)をセラミックベース1の第1の収納部10aの底面から隙間を設けながら、前記圧電振動板3の対向する他端部を前記ベースの保持台10cに接合して、片持ち保持される。
このように構成することで、電気的な抵抗値が少なく、経時的劣化の少ない金を最上面とした配線パターン12,13を用いながら、柔軟性の優れたシリコーン系の導電性樹脂接着剤Sを組み合わせても、圧電振動板3と保持台10cとの接合強度が飛躍的に向上させることができる。特に、前記保持台の上面は前記圧電振動板の一端部(自由端となる枕部10d側)に近い領域をセラミック材が露出した無電極部14,15としているので、この領域には配線パターン12,13が存在せず、導電性樹脂接着剤Sの塗布位置が配線パターン12,13の配列方向に多少ずれても、配線パターン12,13のみで接合されることがないので、接合強度のばらつきが生じにくい。また、前記保持台の上面は前記圧電振動板の一端部(自由端となる枕部10d側)に近い領域をセラミック材が露出した無電極部14,15としているので、前記無電極部14,15が歯止めとなって、保持台の上面端部に向かって導電性樹脂接着剤Sが流れ出しにくくなる。結果として、導電性樹脂接着剤Sが励振電極32に近接して接合されることがなくなるので、圧電振動板3の振動を阻害することがなく、直列共振抵抗値等の特性低下を招くことがない。
セラミックベース1を気密封止するキャップ(図示せず)は、例えば、コバール等からなるコア材に金属ろう材(封止材)が形成された構成であり、より詳しくは、例えば上面からニッケル層、コバールコア材、銅層、銀ろう層の順の多層構成であり、銀ろう層がセラミックベースの第1の金属層と接合される構成となる。金属キャップの平面視外形はセラミックベースの当該外形とほぼ同じであるか、若干小さい構成となっている。
収納部10に集積回路素子2と圧電振動板3が格納されたセラミックベース1を前記金属キャップにて被覆し、金属キャップの封止材とセラミックベースの封止用部材を溶融硬化させ、気密封止を行うことで表面実装型圧電振動デバイスの完成となる。本実施の形態においては、封止用の金属リングを用いないシーム溶接による気密封止を行っており、前記金属キャップの長辺と短辺の稜部に沿ってシームローラを走行させることで、金属キャップに形成された銀ろう(封止材)とセラミックベース1の第1の金属層11a(封止用部材)を溶接させ、気密封止が行われる。
また、本形態では、図3、図4に示すように、前記無電極部14,15と各配線パターンの導電ビアBに跨った状態で、前記圧電振動板3と前記保持台10cの間に導電性樹脂接着剤Sを介在させ、前記圧電振動板3と保持台10cを電気的機械的に接合している。導電ビアBが形成される配線パターン12,13の領域には凹凸面が形成されやすい。このため、導電ビアBの凹凸部領域の稜線部分と、配線パターン12,13と無電極部14,15の境界領域の稜線部分が導電性樹脂接着剤Sの接合強度を補う起点として機能するとともに、これらを跨った状態で導電性樹脂接着剤Sが接合される(図4参照)。結果として、別途アンカー部材を形成することなく、さらなる接合強度の向上が行える。さらに、導電性樹脂接着剤Sの接合面積は、前記無電極部14,15と前記配線パターン12,13を半分程度に設定している。このため、導電性樹脂接着剤Sによる接合強度と電気的接続領域の確保がバランスよく行えるより好ましい形態となる。また、上述のように、前記無電極部14,15と前記配線パターン12,13を約半分程度に設定しながら、これらの境界部分のうち中央部分、あるいは端部等で導電性樹脂接着剤Sの塗布位置を定義化すれば、塗布位置決めがしやすくなる。
また、本形態では、図3、図4に示すように、前記圧電振動板3と保持台10cの間に直接挟まれて配置される導電性樹脂接着剤Sは、前記圧電振動板の接続電極33,34が形成された領域内部のみに配置している。このため、環境温度の変化により、導電性樹脂接着剤Sが膨張・収縮したとしても、接続電極33,34のみの同一面内で導電性樹脂接着剤Sが膨張・収縮し、導電性樹脂接着剤Sと接続電極33,34の接続面積が当初設計に対して変動量が少ない。従って、導電性樹脂接着剤Sと圧電振動3間での接触抵抗が当初設計に対して変動量が少なくなるので、周波数が変化する等の不具合がなくなる。つまり、環境温度によって発振周波数の再現性がばらつくことがなくなる。
また、本形態では、前記圧電振動板3の接続電極33,34の最上面(上部電極層)は、クロム、ニッケル、銀、またはアルミのいずれかからなるので、接続電極33,34の上部にシリコーン系の導電性樹脂接着剤Sを接合しても接合強度が低下することがない。結果として、圧電振動板側の接合強度を向上させ、接続電極33,34の領域内での電気的機械的接合状態が極めて安定化させることができる。
また、本形態では、図2に示すように、前記保持台10cの上面端部のうち、全ての端部に、セラミック材が露出した無電極部を有し、前記無電極部を介在しながら、保持台の上面に前記配線パターン12,13が形成されている。このため、前記集積回路素子2を搭載するために、ミーリング等のドライエッチングにより各配線パターンの汚染物を除去し、配線パターン面を活性化するための洗浄を実施したとしても、配線パターン12,13はセラミックベースの堤部の壁面に接することがないので、当該壁面を介して洗浄時の電極材料の飛散物によってお互いの配線パターンがショートする危険性がなくなる。
上述の実施形態の変形例について、図5、図6とともに説明する。図5、図6は、それぞれ本発明の実施形態の変形例を示す図である。なお、基本構成は上述の実施形態と同じであるので、同じ構成部分については同番号を用いるとともに、相違点のみを説明する。図5は、前記配線パターン12,13のうち、前記無電極部14,15に接する端部を非直線形状に形成している。例えば、配線パターン12については曲線状に形成しており、配線パターン13については凸凹状に形成している。このように構成することで、上記実施形態に比べて接合強度がさらに向上する。また、各配線パターン12,13は、その内部に導電ビアを形成しないでセラミックベースの端部へ引き出され、最終的に外部端子へと導かれるように構成されている。図6では、前記圧電振動板3の自由端側で、接続電極33,34に隣接する圧電振動板の素材(本形態では水晶材)が露出した部分にも前記導電性樹脂接着剤Sを接合した構成となっている。この構成は、電極の最上面(上部電極層)に金などのシリコーン系の導電性樹脂接着剤との接合強度が得られにくい材料を選択する場合に、その強度を補強するのに特に好ましい形態となっている。しかしながら、上述のクロム、ニッケル、銀、またはアルミなどの電極材料と組み合わせることも可能である。
上記実施形態では、封止用の金属リングを用いないシーム溶接による気密封止を例にしているが、封止用の金属リングを用いてもよく、レーザーや電子ビームなどのビーム封止や、低融点金属ろう材を用いた雰囲気加熱封止、封止材としてガラスを用いたガラス封止等であってもよい。また、集積回路素子とセラミックベースとの電気的接続は、フリップチップボンディング工法に限らず、ワイヤーボンディング工法などを採用してもよい。表面実装型圧電振動デバイスとして、水晶発振器を例にしたが、水晶振動子や他の圧電発振器、圧電振動子にも適用できる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施できるので、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求範囲によって示すものであって、明細書本文に拘束されるものではない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明の実施の形態を示す圧電振動板を搭載する前の斜視図。 図1の平面図。 図2の圧電振動板を搭載した後の平面図。 図3のA−A線に沿った断面図。 本発明の実施形態の変形例を示す圧電振動板を搭載する前の平面図。 本発明の実施形態の変形例を示す圧電振動板を搭載した後の断面図。
符号の説明
1 セラミックベース
2 集積回路素子
3 圧電振動板
S 導電性接合材

Claims (4)

  1. 収納部と、当該収納部の底面から上部に突出したセラミック材の保持台とを有し、前記保持台の上面には最上面が金からなる一対のメタライズの配線パターンが形成されたベースと、
    励振電極と、前記配線パターンと電気的機械的に接合される接続電極と、励振電極を接続電極に導通させるための引出電極が形成された圧電振動板と、
    ベースに搭載された圧電振動板を気密封止してなるキャップを具備してなり、
    前記圧電振動板の一端部を前記ベースの収納部の底面から隙間を設けながら、前記圧電振動板の対向する他端部を前記ベースの保持台に接合し片持ち保持してなる表面実装型圧電振動デバイスであって、
    前記保持台の上面には前記圧電振動板の一端部に近い領域をセラミック材が露出した無電極部とし、当該無電極部に隣接して前記圧電振動板の他端部側に配線パターンが形成されており、
    シリコーン系の導電性樹脂接着剤が、前記保持台の無電極部と配線パターンに跨った状態で、圧電振動板と保持台を電気的機械的に接合してなることを特徴とする表面実装型圧電振動デバイス。
  2. 前記圧電振動板と保持台の間に直接挟まれて配置される前記導電性樹脂接着剤は、前記圧電振動板の接続電極が形成された領域内部のみに配置してなることを特徴とする特許請求項1記載の表面実装型圧電振動デバイス。
  3. 配線パターンには、外部端子と接続される導電ビアが形成されており、前記導電性樹脂接着剤が、前記無電極部と前記導電ビアに跨った状態で、圧電振動板と保持台を電気的機械的に接合してなることを特徴とする特許請求項1、または特許請求項2記載の表面実装型圧電振動デバイス。
  4. 前記圧電振動板の接続電極の最上面は、クロム、ニッケル、銀、またはアルミのいずれかからなることを特徴とする特許請求項1乃至3のいずれか1つに記載の表面実装型圧電振動デバイス。

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