JP2010153417A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ESRおよびLCが小さい固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 陽極体表面に、誘電体皮膜、固体電解質層、カーボン層が順次形成されている固体電解コンデンサの製造方法であって、陽極体表面に、誘電体皮膜、固体電解質層を順次形成する第1工程と、カーボン粒子と、シランカップリング剤と、を含有するカーボン溶液を準備する第2工程と、前記固体電解質層が形成された素子を前記溶液に浸漬して引き上げる第3工程と、前記素子を温度25〜60℃且つ湿度30〜90%の雰囲気中で保持する第4工程と、を含む、固体電解コンデンサの製造方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、陽極体、誘電体皮膜、固体電解質層およびカーボン層を含む固体電解コンデンサの製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化に伴って、小型で大容量の高周波用のコンデンサが要求されるようになり、かかるコンデンサとして、タンタル、ニオブ、チタンまたはアルミニウムなどの弁金属の焼結体から形成される陽極体の表面を酸化して誘電体皮膜を形成し、この誘電体皮膜上に二酸化マンガン層または導電性高分子化合物層などから形成される固体電解質層を有する固体電解コンデンサが提案されている。かかる固体電解コンデンサは、誘電体皮膜が非常に薄いため、他の紙コンデンサ、フィルムコンデンサに比べて小型で大容量のコンデンサである。
しかし、上記固体電解コンデンサにおいては、陽極体表面に形成される誘電体皮膜と、この誘電体皮膜上に形成される固体電解質層との間の密着性の低下によるLC(Leak Current;漏れ電流)の増大、ESR(Equivalent Series Resistance;等価直列抵抗)の増大による信頼性の低下という問題がある。
かかる問題を解決するため、陽極体表面に誘電体皮膜を形成し、さらに、その表面をシランカップリング剤により処理した後、その表面に固体電解質層として導電性高分子化合物層を形成することにより、誘電体皮膜と固体電解質層との間にシランカップリング剤を介在させて誘電体皮膜と固体電解質層との間の密着性を向上させることが提案されている(たとえば、特許文献1から特許文献3を参照)。
しかし、上記特許文献1から特許文献3における固体電解コンデンサにおいても、固体電解質層とカーボン層との間、カーボン層と陰極引出層との間およびカーボン層内のカーボン粒子間の密着性が低く、導電性が低下し、ESRが増大するという問題があった。
また、固体電解質層が二酸化マンガンで形成されている固体電解コンデンサにおいて、固体電解質層にカップリング剤を含有させることにより、固体電解質層における二酸化マンガン粉末の分散性を向上させて、均一な固体電解質層を形成して、静電容量を向上させLCおよびESRを低減することが提案されている(たとえば、特許文献4および特許文献5を参照)。
しかし、上記特許文献4および特許文献5における固体電解コンデンサにおいても、固体電解質層とカーボン層との間、カーボン層と陰極引出層との間およびカーボン層内のカーボン粒子間の密着性が低く、導電性が低下し、ESRが増大するという問題があった。
特開平02−074021号公報 特開平04−073924号公報 特開平08−293436号公報 特開平11−074158号公報 特開平11−274009号公報
本発明は、ESRおよびLCが小さい固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、陽極体表面に、誘電体皮膜、固体電解質層、カーボン層が順次形成されている固体電解コンデンサの製造方法であって、陽極体表面に、誘電体皮膜、固体電解質層を順次形成する第1工程と、カーボン粒子と、シランカップリング剤と、を含有するカーボン溶液を準備する第2工程と、前記固体電解質層が形成された素子を前記溶液に浸漬して引き上げる第3工程と、前記素子を温度25〜60℃且つ湿度30〜90%の雰囲気中で保持する第4工程とを含む、固体電解コンデンサの製造方法である。
さらに本発明は、前記第3工程と第4工程をこの順に2回以上繰返すことが好ましい。
さらに本発明の前記溶液の溶媒は、グリコエーテル系溶媒を含むことが好ましい。
上記のように、本発明によれば、ESRおよびLCが小さい固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することができる。
本発明にかかる固体電解コンデンサの製造方法は、図1および図2を参照して、陽極体1表面に誘電体皮膜2を形成する工程と、誘電体皮膜2上に固体電解質層3を形成する工程と、固体電解質層3上にカーボン層4を形成する工程とを含み、該カーボン層4を形成する工程において、カーボン粒子4a及びシランカップリング剤4bを含有するカーボン溶液に、前記固体電解質層3が形成された素子を浸漬し引き上げた後、該素子を所定の温度及び湿度に調整した雰囲気で保持することを特徴とする。これにより、カーボン層4内のシランカップリング剤4bが雰囲気中の水分と加水分解反応し、シラノールが生成される。その結果、固体電解質層3とカーボン層4内のカーボン粒子4aとの結合、カーボン層4内のカーボン粒子4aと陰極引出層5との結合およびカーボン層4内のカーボン粒子4aとカーボン粒子4aの結合が強固になり、固体電解質層3とカーボン層4との密着性、カーボン層4と陰極引出層5との密着性およびカーボン層4内のカーボン粒子4a間の密着性が向上して、ESRが低減する。また、シランカップリング剤の加水分解反応が安定して得られるため、ESRのバラつきが改善される。
また、上記固体電解コンデンサの製造方法によって形成したカーボン層4は、シランカップリング剤4bが加水分解反応することにより、カーボン層4内のカーボン粒子4aとカーボン粒子4aの密着性が向上し、カーボン粒子4a間の隙間が小さくなり、固体電解質層の保護層としてより強固になる。また、製造工程におけるストレスにより生じるLCの原因箇所にシランカップリング剤4bの絶縁効果が作用する。その結果、LCを低く維持することができ、さらに耐熱性及び耐湿性が向上する。
図1および図2を参照して、上記固体電解コンデンサの製造方法を詳細に説明する。まず、陽極体1の表面に誘電体皮膜2を形成する工程において、タンタル、ニオブ、チタンまたはアルミニウムなどの弁金属の焼結体により形成される陽極体1の表面を酸化させて誘電体である皮膜(誘電体皮膜2)を形成する。この誘電体皮膜2を形成する方法には、特に制限はないが、たとえば陽極体1をリン酸水溶液中で陽極酸化を行なう方法が好ましく用いられる。
誘電体皮膜2上に固体電解質層3を形成する方法には、特に制限はないが、化学酸化重合法または電解酸化重合法が好ましく用いられる。ここで、化学酸化重合法は、モノマーを酸化重合する方法であり、陽極体の小さな細孔内まで固体電解質層である導電性高分子化合物層を形成できる点で優れた方法である。化学酸化重合法においては、必要に応じて酸化剤が用いられる。酸化剤としては、特に制限はないが、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、塩化第二鉄、塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化物、過酸化水素などの過酸化物などが用いられる。電解酸化重合は、アノードで起こる酸化反応を利用してモノマーをアノード上に酸化重合する方法であり、固体電解質層である導電性高分子化合物層の厚さおよび物性を制御し易い点で優れた方法である。
また、固体電解質層となる導電性高分子化合物層を形成するためのモノマーは、重合して導電性高分化合物を形成するものであれば特に制限はないが、チオフェン類、ピロール類およびアニリン類から選択される少なくともいずれかであることが好ましい。これらのモノマーを重合して得られるポリチオフェン類、ポリピロール類およびポリアニリン類から選択されるいずれかを含有する導電性高分子化合物層は、薄膜形成が可能で、導電性に優れるからである。ここで、チオフェン類とはチオフェンおよびその誘導体をいい、チオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−アルキルチオフェンなどが挙げられる。ピロール類とはピロールおよびその誘導体をいい、ピロール、N−メチルピロールなどが挙げられる。アニリン類とはアニリンおよびその誘導体をいい、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N−アルキルアニリンなどが挙げられる。
また、固体電解質層の形成において、導電性の発現および向上のために、モノマー重合の際に、ドーパントが添加される。ドーパントは、導電性高分子に容易に取り込まれその導電性を高めるものであれば特に制限はないが、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸またはそれらの塩が、導電性が高い観点から好ましく用いられる。
上記固体電解コンデンサの製造方法において使用されるシランカップリング剤4bには、特に制限はないが、固体電解質層3とカーボン層4との密着性、カーボン層4と陰極引出層5との密着性およびカーボン層4内のカーボン粒子4a間の密着性を大きくする観点ならびに誘電体皮膜2と固体電解質層3間に生じる応力の緩和を大きくする観点から、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランなどが好ましい。
前記カーボン粒子4a及びシランカップリング剤4bを含有するカーボン溶液には、バインダー樹脂を添加しても良い。前記バインダー樹脂は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラニン樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられる。中でもフェノール樹脂が、耐熱性に優れ、且つ安価な点で好ましく用いられる。
カーボン粒子4a及びシランカップリング剤4bを含有するカーボン溶液に用いる溶媒には、例えば、有機溶媒が用いられる。有機溶媒を用いることで、前記溶液中にバインダー樹脂を良好に溶解させてバインダー樹脂中にカーボン粒子4aを均一に分散させることができる。これにより、カーボン層4の電気伝導性を向上させることができる。この有機溶媒としては、前記バインダー樹脂を溶解し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、ブチルカルビトール、ブチルセロソルブ等のエーテル系溶媒、エタノール、メタノール、1−ブタノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコエーテル系溶媒が使用されることが好ましい。このうち、グリコエーテル系溶媒は、希釈安定性が良好であるため好適に用いられる。
固体電解質層3上にカーボン層4を形成する工程には、特に制限はないが、誘電体皮膜2上に固体電解質層3が形成された素子を、シランカップリング剤4bを含むカーボン溶液に浸漬することが、カーボン粒子およびシランカップリング剤4bが均一に分散したカーボン層が得られる観点から好ましい。
前記カーボン層4中のシランカップリング剤4bの加水分解反応させる工程として、前記カーボン粒子4a及びシランカップリング剤4bを含有する溶液に浸漬した素子を、所定の温度と湿度に調整した雰囲気中に保持することが、加水分解反応の安定性の点で好ましい。また、シランカップリング剤4bの加水分解反応を促進するためには、空気中に水分を適度に含んでいることが好ましく、温度25℃以上且つ湿度30%以上の雰囲気が好ましい。また、高温でのカーボン粒子4aの反応を防止するため、温度は60℃以下が好ましく、シランカップリング剤の一部を残留させることでLCを軽減することができるため、湿度は90%以下が好ましい。なお、当該工程は、シランカップリング剤4bの少なくとも一部が加水分解反応することでシラノールが生成されればよく、カーボン層4中のシランカップリング剤4bの全てが加水分解反応することを必要としない。
また、カーボン層4を形成した素子を上記雰囲気に保持する時間は10分〜60分が好ましく、シランカップリング剤を適度に加水分解することができる15分〜30分が特に好ましい。
前記工程の後、カーボン層4中に残留している溶媒を、熱処理により乾燥させることが好ましい。乾燥条件には特に制限は無いが、使用する溶媒の沸点及び乾燥効率の点から、60〜160℃であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、カーボン溶液に素子を浸漬する工程と、加水分解させる工程を、この順で複数回繰返した後、乾燥工程で処理することによってカーボン層4を形成しても良く、カーボン溶液に素子を浸漬する工程と、加水分解させる工程と、乾燥工程をこの順で複数回繰返すことによってカーボン層4を形成しても良い。
従来のカーボン層形成方法では、シランカップリング剤4bを加水分解反応させる工程を含まないため、カーボン溶液に素子を浸漬する工程と、乾燥させる工程をこの順で5回以上繰返す必要があった。本発明の製造方法においては、シランカップリング剤4bを加水分解させる工程を含んでいるため、カーボン溶液に素子を浸漬する工程と、加水分解させる工程を、この順で1回又は2回繰返すことで、充分な厚さのカーボン層を形成することができる。
本発明の製造方法において、カーボン粒子含有液におけるシランカップリング剤の含有量には、特に制限はないが、5重量%〜60重量%であることが好ましいが、特に10重量%〜40重量であることがより好ましい。
次に、カーボン層4上に銀ペーストを含有する陰極引出層5が形成され、この陰極引出層5に導電性接着剤6を介して陰極端子21を電気的に接続し、陽極リード部材10に陽極端子20を電気的に接続した後、コンデンサ素子8を外装樹脂7で被覆することにより、固体電解コンデンサが形成される。
(実施例1)
図1を参照して、一端面に陽極リード部材10が植立されたタンタル(Ta)焼結体で形成された3.3mm×3.2mm×1.0mmの直方体の陽極体1を0.02重量%リン酸水溶液中で電解酸化することにより誘電体皮膜2を形成した。
次に、この素子を、モノマーとしての3,4−エチレンジオキシチオフェン、ドーパントとしてのp−トルエンスルホン酸鉄(III)及び溶媒としての1−ブタノールを含む重合液に浸漬した後、化学酸化重合法により、誘電体皮膜2上に、導電性高分子化合物としてポリチオフェン類を含有する固体電解質層3を形成した。
次に、この素子を、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを10重量%と、導電性のカーボン粒子と、有機溶媒としてブチルカルビトール、1−ブタノール及びエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートならびにバインダーとしてフェノール樹脂を含むカーボン溶液を準備した。そして、前記素子を、前記溶液に5分間浸漬し、25℃、10%の雰囲気に調整した恒温恒湿槽で20分間処理した後、100℃以上の大気中で10分以上熱処理を行なう工程を2回繰り返して、固体電解質層3上に導電性のカーボン粒子4aとシランカップリング剤4bとを含有するカーボン層4を形成した。
次に、カーボン層4上に、銀ペーストを含有する陰極引出層5を形成して、コンデンサ素子8とした。さらに、陽極リード部材10に陽極端子20を電気的に接続し、陰極引出
層5に導電性接着剤6を介して陰極端子21を電気的に接続した後、コンデンサ素子8の外側をエポキシ樹脂で形成される外装樹脂7により被覆密閉して、外径寸法7.3mm×4.3mm×2.0mm、定格電圧25V、定格容量15μFの固体電解コンデンサを作製した。
(実施例2)
恒温恒湿槽内の湿度を30%にしたこと以外は実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例3)
恒温恒湿槽内の湿度を60%にしたこと以外は実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例4)
恒温恒湿槽内の湿度を90%にしたこと以外は実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例5)
恒温恒湿槽内の湿度を95%にしたこと以外は実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例6)
恒温恒湿槽内の温度を60℃にしたこと以外は実施例2と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例7)
恒温恒湿槽内の温度を60℃にしたこと以外は実施例4と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
固体電解質層を形成した素子を、シランカップリング剤を含有していないカーボン溶液に浸漬後、100℃以上の大気中で10分以上熱処理したこと以外は実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
上記実施例及び比較例で作製した、それぞれ460個の固体電解コンデンサについて、ESR(単位:mΩ)およびLC歩留まり(単位:%)の測定結果を表1に示す。ここで、ESRは、LCRメータ(リアクタンス−キャパシタンス−レジスタンス測定装置)を用いて測定した460個の固体電解コンデンサのESR値の平均をいう。LCの歩留まりは、定格電圧(25V)を印加して40秒後のLCが30μA以下であった固体電解コンデンサの個数を測定した個体電解コンデンサの総個数(460個)で除した百分率をいう。LCの測定および算出は、測定すべき固体電解コンデンサに1kΩの抵抗を直列につなぎ、その抵抗に対して並列に電圧計を接続して、測定された電圧を抵抗値で除してLCを求めることにより行なった。
表1より、シランカップリング剤を含有したカーボン溶液を使用し、シランカップリング剤を加水分解処理した実施例の固体電解コンデンサは、シランカップリング剤を含有しないカーボン液を用いた比較例の固体電解コンデンサと比較して、ESRが低く抑えられており、LCの歩留りが高いことが分かる。したがって、カーボン溶液にシランカップリング剤を含有させ、シランカップリング剤を加水分解処理することにより、固体電解コンデンサのERSを軽減し、LC歩留りを向上させることができる。
また、湿度30%以上の雰囲気で処理した実施例2〜5の固体電解コンデンサは、湿度10%の雰囲気で処理した実施例1の固体電解コンデンサと比較して、ESRを低く抑えられており、LC歩留りが高いことが分かる。したがって、湿度を30%以上にすることで、固体電解コンデンサのERSを軽減し、LC歩留りを向上させることができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。例えば、実施の形態及び実施例に記載の固体電解コンデンサは、弁作用金属の焼結体からなるコンデンサ素子を挙げたが、これに限らず、弁作用金属箔からなるコンデンサ素子にも適応することができる。
本発明にかかる一の固体電解コンデンサを示す模式断面図である。 本発明にかかる一の固体電解コンデンサの要部を示す模式断面図である。
符号の説明
1 陽極体、2 誘電体皮膜、3 固体電解質層、4 カーボン層、4a カーボン粒子、4b シランカップリング剤、5 陰極引出層、6 導電性接着剤、7 外装樹脂、8 コンデンサ素子、10 陽極リード部材、20 陽極端子、21 陰極端子。

Claims (3)

  1. 陽極体表面に、誘電体皮膜、固体電解質層、カーボン層が順次形成されている固体電解コンデンサの製造方法であって、
    陽極体表面に、誘電体皮膜、固体電解質層を順次形成する第1工程と、
    カーボン粒子と、シランカップリング剤と、を含有するカーボン溶液を準備する第2工程と、
    前記固体電解質層が形成された素子を前記溶液に浸漬して引き上げる第3工程と、
    前記素子を温度25〜60℃且つ湿度30〜90%の雰囲気中で保持する第4工程と、
    を含む、固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記第3工程と第4工程をこの順に2回以上繰返す請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記溶液の溶媒は、グリコエーテル系溶媒を含む請求項1乃至3のいずれか1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。

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