JP2010151606A - 画像検査装置、画像検査方法及びプログラム - Google Patents

画像検査装置、画像検査方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 検査対象の印刷装置で作成された紙出力画像を基準画像と比較し、比較結果から出力画質の合否を判定する際、印刷装置に特別な動作を行わせることなく、精度の向上を図る。
【解決手段】 検査対象の印刷装置、基準印刷装置によって検査用画像データを元に紙出力された画像をそれぞれ画像検査装置のスキャナで読取り、得た基準原稿画像データ、基準原稿画像データを比較する。その際、検査用画像データから所定の検査色の画像を抽出し、抽出した画像領域を検査色画像領域として決定し、決定した領域の画像色を検査対象、基準の各原稿画像データから抽出し、抽出した画像色を比較し、比較結果をデータ値として求め、求めたデータ値が所定の範囲内にあるか否かを判定し、判定結果により検査の合否信号を発生する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、プリンタや複合機(MFP)等の画像データを用いて紙媒体に画像を出力する印刷装置における出力画像を検査する画像検査装置に関し、より詳しくは、検査用画像データを元に基準と検査対象の印刷装置で行った紙出力を原稿に画像検査装置で同一条件の読取りを行い、読取画像同士を比較し、比較結果により合否を判定する画像検査装置、画像検査方法及び該画像検査方法をコンピュータに行わせるためのプログラムに関する。
今日、電子データ化された文書(画像)を紙媒体上に画像出力する印刷装置は、プリンタや複合機(MFP)として広く普及している。
この種の印刷装置は、印刷に用いる画像データが同じでも印刷装置の機器特性によって印刷後の画像における色調等の画質に変化が生じる。なお、画質を変化させる機器特性の違いは、機器間の機差或いは同一機でも経時的な変化によって起きる特性の相違である。
同じ画像データを元にして印刷した場合に、色調等の画質に変化が生じることは望ましくないので、こうした画質の検査は従来から行われており、印刷後の画像を基準画像と比較する方法により検査する手法は、例えば、下記特許文献1〜3の記載に示すことができる。
下記特許文献1には、印刷前のデジタル画像(基準画像)と印刷後の紙から読取ったデジタル画像(検査画像)との画像を比較し、比較結果を色調の制御に用いる。その際、検査画像上で選択される制御点の適性が検査画像データを解釈することにより判断され、この判断に従い適切な制御点を決定する方法が採用されている。
また、下記特許文献2には、基準画像と制御対象画像の画像データを印刷後の紙から読取り、読取った画像データを比較し、比較結果を色調の制御に用いる方法が示されている。ここでは、画像データを比較する画像上の点(代表点)が選択される。また、選択する代表点の決定方法は、基本的にユーザがコントロールパネルの表示画面で選択操作を行うことに基づいて決定する方法である。
また、下記特許文献3には、デジタル複写機等の画像処理装置において、原稿(カラーバランス調整用の原稿)の画像データをフルカラーで読取入力し、読取入力された画像データからカラー処理を経て得られる画像データを用いてフルカラーで印刷し、これを原稿として読取入力された画像データと、印刷出力前の元の読取入力画像データとを領域を指定して比較し、比較結果に従ってカラー処理の設定条件を調整する方法が示されている。
特開2005−342936号公報 特開2004−351814号公報 特許第3577128号公報
上記特許文献1〜3は、いずれも調整・制御対象の印刷装置が出力した紙から読取った画像データを基準の画像データと比較し、比較結果をカラー処理の調整・制御用のデータとして用いる方法であり、機器間の機差或いは同一機でも経時的な変化によって起きる特性の相違により出力に生じる画質の変化を抑制するために一定の効果を奏する。
ただ、上記特許文献1は、基準の画像データと比較する印刷装置が出力した紙から読取った画像データには読取特性の変動の影響を無くすことができず、精度が出難い。
また、上記特許文献2は、ユーザがコントロールパネルの表示画面上で目視による選択操作を行い、代表点を決定するので、画像濃度がばらついていても見落とす場合があり、適正な選択が行われないと精度が低下する可能性がある。
また、上記特許文献3は、原稿(カラーバランス調整用の原稿)の読取データを用いて、カラー処理の設定条件を調整するためのテスト印刷が必要であり、調整対象の印刷装置を通常の動作とは別の調整モードで動作させる必要があり、出力能力が低下する。
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑みてなされたもので、その解決すべき課題は、検査対象の印刷装置によって作成された紙出力画像を基準画像と比較し、比較結果から出力画質の合否を判定する際、印刷装置に特別な動作を行わせることなく、精度の向上を図ることにある。
本発明は、検査用画像データを元に検査対象の印刷装置によって作成された検査原稿画像を原稿読取手段によって読取り、読取った画像データを基準データと比較し、比較結果から合否を判定する合否判定手段を有する画像検査装置であって、原稿を読取り、原稿画像データを出力する原稿読取手段と、検査用画像データの記憶手段と、所定の検査色の画像を前記記憶手段の検査用画像データから抽出し、抽出した中の特定の画像領域を検査色画像領域として決定する検査画像領域決定手段と、検査用画像データを元に基準の印刷装置によって作成された基準原稿を前記原稿読取手段により読取り、出力される画像データにおける前記検査色画像領域から画像色を抽出する基準原稿画像色抽出手段と、検査用画像データを元に検査対象の印刷装置によって作成された検査原稿画像を前記原稿読取手段により読取り、出力される画像データにおける前記検査色画像領域から画像色を抽出する検査原稿画像色抽出手段と、前記基準画像色抽出手段で抽出した画像色と前記検査原稿画像色抽出手段で抽出した画像色を比較し、違いが所定の範囲内であるか否かにより合否を判定する合否判定手段と、を有したことを特徴とする。
本発明は、画像検査方法であり、検査用画像データを元に基準の印刷装置によって基準原稿画像を作成する工程と、検査用画像データを元に検査対象の印刷装置によって検査原稿画像を作成する工程と、検査用画像データを記憶手段に記憶する工程と、所定の検査色の画像を前記記憶手段の検査用画像データから抽出し、抽出した中の特定の画像領域を検査色画像領域として決定する検査画像領域決定工程と、基準原稿画像を作成する前記工程で作成された基準原稿画像を原稿読取手段により読取る工程と、読取った基準原稿画像データにおける前記検査色画像領域から画像色を抽出する基準画像色抽出工程と、検査原稿画像を作成する前記工程で作成された検査原稿画像を前記原稿読取手段により読取る工程と、読取った検査原稿画像データにおける前記検査色画像領域から画像色を抽出する検査原稿画像色抽出工程と、前記基準画像色抽出工程で抽出した画像色と前記検査原稿画像色抽出工程で抽出した画像色を比較し、違いが所定の範囲内であるか否かにより合否を判定する合否判定工程と、を有したことを特徴とする。
本発明は、検査用画像データを記憶手段に記憶する工程、所定の検査色の画像を前記記憶手段の検査用画像データから抽出し、抽出した中の特定の画像領域を検査色画像領域として決定する検査画像領域決定工程、検査用画像データを元に基準の印刷装置によって作成された基準原稿を原稿読取手段により読取らせ、出力される画像データにおける前記検査色画像領域から画像色を抽出する基準原稿画像色抽出工程、検査用画像データを元に検査対象の印刷装置によって作成された検査原稿画像を前記原稿読取手段により読取らせ、出力される画像データにおける前記検査色画像領域から画像色を抽出する検査原稿画像色抽出工程、前記基準画像色抽出工程で抽出した画像色と前記検査原稿画像色抽出工程で抽出した画像色を比較し、違いが所定の範囲内であるか否かにより合否を判定する合否判定工程の各工程をコンピュータに行わせるためのプログラムである。
本発明によると、検査用画像データにおいて所定の検査色(データ)を指定することにより検査色画像領域を決定し、決定した領域における印刷装置の紙出力に生じる画像色の違いが所定の範囲内であるか否かによって合否を判定する、という方法によって、判定の精度を向上することができ、しかも検査対象の印刷装置に特別な動作を行わせないために印刷動作が継続でき、出力のパフォーマンスを高めることができる。
以下、本発明に係る画像検査装置及び画像検査方法の実施形態を添付した図面を参照して説明する。ここでは、検査対象の印刷装置を複合機(MFP)とした形態について示す。
検査対象の印刷装置としてのMFPは、複写、ファクシミリ、プリンタ及びスキャナ機能等のほか、蓄積画像を再出力に利用するドキュメントボックス機能を複合して有する。また、この実施形態のMFPは、カラー印刷の出力ができる装置である。
これらの機能を利用して画像を処理する際に、対象が紙原稿の画像であれば、スキャナで原稿面の画像を読取り、画像データの入力が行われ、また対象が通信手段を介して外部機から入力される場合は、電子化処理された画像(印刷)データの形で入力が行われる。いずれの場合にも、入力された画像データは、各種の出力に適用できる汎用の画像データに処理される。この汎用画像データは、プロッタ出力に用いるか、或いは外部機(PC、ファクシミリ装置等)へのデータ送信に用いられる。
この実施形態で検査の対象となるのは、上記汎用画像データをソースとしプロッタ(印刷装置)によって紙(記録用紙)に出力された画像であり、出力画像には、印刷装置の機器特性の違いによる変化が表れるので、この変化により、印刷装置の機差或いは経時変化をとらえることができる。
検査方法は、検査対象の印刷装置によって紙出力された画像データを基準データと比較することによりその比較結果をデータ値として求め、求めたデータ値が所定の範囲内にあるか否かを判定し、判定結果により検査の合否信号を発し、また、判定結果を検査対象の印刷装置の調整の要/不要としてとらえ、必要な調整を行うことを指示する信号を発する。
本実施形態における検査方法の特徴点は、次の点にある。第1に、比較する紙出力された画像データ、基準データが、それぞれ検査対象の印刷装置、基準の印刷装置によって検査用画像データを元に紙出力された画像を画像検査装置のスキャナで読取った画像データであり、第2に、比較する両画像における検査領域を決定する方法として、上記検査用画像データから所定の検査色の画像を抽出し、抽出した画像領域を検査色画像領域として決定することであり、第3に、検査対象、基準それぞれの画像データから上記検査色領域として決定した領域の画像色を抽出し、抽出した画像色により上記画像データの比較を行うことである。
図1は、本実施形態の画像検査装置と検査対象のMFPよりなる画像検査システムの概略構成を示す図である。なお、同図の印刷装置及びMFPは、いずれもデータ処理系の構成を中心に示すものである。
「MFPの概要」
図1に示す検査対象のMFP100は、原稿画像をスキャナ1で読取るか或いはNIC(Network Interface Controler)12を介してPC(Personal computer)16等の外部機から画像に変換可能なデータ入力を受け、入力された画像をプロッタ9で画像出力に用いるデータとして処理する。なお、外部機から入力されるデータとしては、PC16のプリンタドライバにより作成された印刷データ、ファクシミリ(不図示)からの受信データ等が含まれる。
また、MFPのデータ処理系では、入力画像を大容量のHDD(Hard Disk Drive)5等の記憶手段に蓄積し、蓄積データを印刷出力や外部機へのデータ出力(送信)に再利用できるようにしている。
図1において、スキャナ1は、CCD(Charge Coupled Device)光電変換素子からなるラインセンサとA/Dコンバータとこれらの駆動回路を具備し、セットされた原稿をスキャンすることで得る原稿画像のRGB(R:RED,G:GREEN,B:BLUE)成分の濃淡情報から、RGB各8ビットのデジタル画像データを生成し出力する。
スキャナ補正部2は、スキャナ1からのデジタル画像データに対し予め定めた特性に統一する処理を施して出力する(後述する図2の説明、参照)。スキャナで原稿を読取り、入力される画像データは、スキャナの機器特性に依存しているので、この処理によって機器に依存する信号成分を抑制或いは除き、画像データを正規化する処理を行い、各種の出力に利用可能な汎用データに変換した後、後述するHDD5に蓄積する。
HDD5へ蓄積する際に、圧縮処理部3で必要に応じてデータ圧縮を行うことによって効率的にデータを扱うことも可能である。
圧縮してHDD5に蓄積したデータをプロッタ9で画像出力に用いる場合には、コントローラ6経由で圧縮された画像データを伸張処理部7で復元する。
プロッタ9で画像出力に用いるデータ処理は、伸張処理部7で圧縮データを復元した後、プリンタ補正部8で処理する。このとき、NIC12等で受信したデータについても、コントローラ6経由で汎用画像データに処理した後、蓄積画像データと同様の出力データ処理を行う。プリンタ補正部8は、対象の画像データに対し、画像の調整やユーザからの指示に従う処理を施す。なお、プリンタ補正部8については、図3を参照して後記で詳述する。
HDD(Hard Disk Drive)5は、デジタル画像データ及びデジタル画像データに付帯する書誌情報等の画像の管理情報を蓄積するための大容量の記憶装置である。この実施形態では、この大容量の記憶装置としては、HDD以外のデバイスも選択可能であり、近年容量が大きくなってきたフラッシュメモリを用いたシリコンディスクなども適用可能である。その場合、消費電力の面やアクセス速度の向上が期待できる。
コントローラ6は、MFP100のデータ処理系全体を制御する制御部で、内部にソフトウェア(プログラム)を動作させるCPU(Central Processing Unit)、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、プログラムを動作させるときのワークメモリとして使用するRAM(Random Access Memory)等をハードウェア構成要素として有する。
ROMに格納するプログラムの中に、後述する、MFP100に対する印刷要求に応じて行うプロッタ9の画像出力及び画像検査装置200で検査に利用する検査用画像データを該検査装置からの要求に応じて出力する動作を実行するためのプログラムを記録(記憶)しておくことで、CPUがこの動作の制御手段として機能する。
次に、上記MFP100の出力動作について、後述する画像検査装置200と関連する部分を中心に説明する。
“複写動作”
複写機能を利用してプロッタ9からの画像出力を行う場合、スキャナ1は、原稿50から画像データを読み取り、読取った画像データ(アナログ信号)をデジタルデータ(600dpi)に変換して出力する。スキャナ1からのデジタル画像データは、スキャナ補正部2で複写を含め各種の出力に利用可能な汎用データへと変換・補正が施される。
図2は、スキャナ補正部2の内部構成の1例を示す図である。
同図に示すように、スキャナ補正部2は、スキャナ1から入力した画像データimg(反射率リニア)に対し像域分離部21で黒文字エッヂ領域、色エッヂ文字領域、その他(写真領域)の3つの画素領域に画像を構成する画素を分離する。この像域を分離する処理は、例えば、特開2003−259115号公報に参照される方法を採用することで、画像データに像域分離信号として、黒エッヂ文字領域、色エッヂ文字領域、写真領域のいずれかの信号を画素毎に付与する。
スキャナγ部22は、画像データを反射率リニアから濃度リニアのデータに変換する。
フィルタ処理部23では、像域分離部21で得た像域分離信号によりフィルタ処理を切り換えて原稿画像の特性を保つ。即ち、黒エッヂ文字、色エッヂ文字の各文字領域では判読性を重視して鮮鋭化処理を行う。また、写真領域では、画像データ内の急峻な濃度変化をエッジ量として、エッジ量に応じて平滑化処理や鮮鋭化処理を行う。急峻なエッヂを鮮鋭化するのは、絵の中の文字を判読しやすくするためである。
色補正処理部24は、黒エッヂ文字領域以外では、R,G,Bデータを一次濃度マスキング法等でC,M,Yデータに変換する。画像データの色再現を向上させるために、C,M,Y(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー)データの共通部分をUCR(加色除去)処理してBk(Bk:ブラック)データを生成し、C,M,Y,Bkデータを出力する。ここで、黒エッヂ文字領域は、スキャナ1のRGB読み取り位置ずれで原稿の黒文字が色付くこと、或いはプロッタ9におけるYMCBkのプリント時に重ね位置ずれがあると判読性がよくないので、黒文字領域のみ輝度に相当する信号でBk単色データにて出力する。
文字γ部25では、文字部のコントラストを良くするために、色文字と黒文字にたいしてγを立たせている。
図1に戻ると、圧縮処理部3は、スキャナ補正部2の処理後のYMCBk各8bit画像データを圧縮処理して、汎用バスにデータを送出する。
圧縮後の画像データは、汎用バスを通って、コントローラ6に送られる。コントローラ6は、図示しない半導体メモリを持ち、送られたデータを蓄積するようになっている。
この実施形態では、後述する画像検査装置200によって行う画像検査に用いる検査用画像データを供給し、そのデータをコントローラ6の動作として行う。スキャナ入力画像を検査用画像データとして用いる場合、コントローラ6は、半導体メモリに蓄積されたスキャナ入力画像の指定された画像を検査用画像として、後記で図7,8を参照して説明するように、その検査用画像のデータから検査色画像領域(座標値)を抽出し(後記で詳述)、抽出した領域データを画像検査装置200側のコントローラ26に送信する。なお、MFP100は、検査用画像データを送信するだけで、画像検査装置200側で検査色画像領域の抽出処理を行う方法をとってもよい。また、検査色画像領域の抽出に用いる検査用画像データとして標準的なRGBデータを適用する場合には、色補正処理部24では、別途この色変換を行い、当該領域の抽出処理に用いるようにする。
本実施形態では、半導体メモリに蓄積されたスキャナ入力画像は、再利用できるようにHDD5に蓄積する。なお、ここでは、この入力画像データに対し圧縮を施すとしたが、汎用バスの帯域が十分に広く、蓄積するHDD5の容量が大きければ、非圧縮の状態でデータを扱っても良い。
次に、コントローラ6は、プロッタ9からの画像出力を行うために、汎用バスを介してHDD5に蓄積したスキャナ入力画像を伸張処理部7に送出する。伸張処理部7は圧縮処理されていた画像データを元のYMCBk各8bitデータに伸張し、プリンタ補正部8に送出する。プリンタ補正部8では、プロッタ9で画像出力に用いる画像データとしてYMCBkそれぞれ独立に変換・補正を施す。
図3は、プリンタ補正部22の内部構成の1例を示す図である。
同図に示すように、プリンタ補正部22は、伸張処理部7を経た画像データに対して、プロッタ9の周波数特性に応じてγ補正を行うプリンタγ部81と、ディザ処理・誤差拡散処理などの量子化を行い、階調補正を行う中間調処理部82と、画像データ内の急峻な濃度変化をエッジ量として検出するエッジ量検出部84を有する。
プリンタγ部81は、プロッタ9の周波数特性に応じて、プロッタ出力を標準化するために設定されたγ特性に従ってγ変換を行う。
中間調処理部82は、プロッタの階調特性やエッジ量に応じて、誤差拡散やディザ処理を用いて各色8bitから2bitへと画像データの変換を行う。この量子化処理をする際に、エッジ量検出部84の検出量に基づき、黒文字抽出の処理を行って、抽出した黒文字信号で黒文字のコントラストを強調することも可能である。この処理を加えることにより、文字の判読性が向上する。
プリンタ補正部8によってプロッタ9で画像出力に用いる画像データとして処理された画像データは、プロッタ9に送出される。
プロッタ9は、レーザービーム書き込みプロセスを用いた転写紙印字ユニットで、プリンタ補正部8から受取った2bitの画像データを書き込みに用いて、感光体に潜像を描画し、トナーによる作像/転写処理後、転写紙にコピー画像を形成し、複写動作を終える。
“プリンタ動作”
ネットワークを介してPC16からプリンタ機能を利用してプロッタ9からの画像出力を行う場合、コントローラ6は、NIC12を介して受信したデータから、画像及びプリントを指示するコマンドを解析し、解析結果に従って、印刷できる状態にビットマップ展開した画像データを生成する。
図4は、コントローラ6におけるネットワークに対する画像データの入出力処理に関連する構成を示す図である。
同図に示すように、コントローラ6は、CPU61、圧縮伸張処理部62、ページメモリ63、出力フォーマット変換部65、入力フォーマット変換部66、データi/f部68を有する。
コントローラ6は、PC16等の外部機から受信した画像及びプリントを指示するコマンドを画像出力に用いることができるデータとして受入れる。このとき、データi/f部68は、NIC12で受信したデータに示されるコマンドを解析し、解析結果に従ってJPEGやTIFF形式の汎用画像フォーマットで表されたRGB画像データを生成し、このフォーマットの画像データを入力フォーマット変換部66に出力する。入力フォーット変換部66では、RGBデータをCMYBkデータに色変換を行うと同時に、JPEGやTIFF形式から元の各色8bitデータへ戻し、ページメモリ63に展開し書き込む。
ページメモリ63に展開したYMCBk画像をプロッタ9からの画像出力に用いる場合に、ページメモリ63に展開したYMCBk画像をHDD5へ蓄積し、HDD5から蓄積したデータを読出し、プロッタ出力に用いる。この出力プロセスによる場合、画像データは、HDD5に蓄積する前に圧縮伸張処理部62で圧縮が掛けられ、HDD5に出力される。ただ、ページメモリ63に展開したYMCBk画像を直接プロッタ9からの画像出力に用いる場合には、画像データは、ページメモリ63から汎用バスに画像データimgとして出力し、後述のプロッタ出力用の画像処理を経てプリント出力に用いられる。
なお、HDD5から読出されるか或いは汎用バスから入力される圧縮が掛けられた画像データをPC16等の外部機に送信するときには、この送信データは、圧縮伸張処理部62にて、伸張して元の各色8bitデータに戻され、ページメモリ63に展開して、この画像データが出力フォーマット変換部65に出力される。出力フォーット変換部65では、C,M,Y,BkデータをRGBデータに色変換を行うと同時に、JPEGやTIFF形式の汎用画像フォーマットへのデータ変換などを行う。データi/f部68では、出力フォーマット変換部から受取るデータをNIC12で扱うことができるデータとして処理し、NIC12に出力する。
上記のように、コントローラ6は、ネットワーク経由で入力され、HDD5に蓄積する間の画像データの処理プロセスでプロッタ出力に用いることができるYMCBkデータへの変換を行う。つまり、HDD5に蓄積されたYMCBkデータ読出し、出力用の画像データを生成するプロッタ出力用の画像処理プロセス(伸張処理部7及びプリンタ補正部8の処理)は、基本的に上記複写動作におけるスキャナ入力画像のプロッタ出力に用いる画像データの処理におけると変わらない。なお、この処理プロセスの詳細については、先の複写動作の記述を参照する。
また、後述する画像検査装置200によって行う画像検査に用いる検査用画像データとして、ネットワーク経由で入力された画像を用いる場合、コントローラ6は、上記スキャナ入力画像におけると同様に、当該検査用画像データから検査色画像領域(座標値)を抽出し(後記で詳述)、抽出した領域データを画像検査装置200側のコントローラ26に送信する。
「画像検査装置」
画像検査装置200は、検査対象の印刷装置(ここでは、MFP100)で紙出力(プロッタ出力)された画像を検査原稿とし、これを画像データに変換し、この検査原稿画像データを基準原稿画像データと比較し、比較結果として求めたデータ値をもとに合否を判定するための手段を有する。
この実施形態では、検査原稿画像データと比較する基準原稿画像データも紙出力から生成する。よって、画像検査装置200は、図1の概略構成に示すように、紙出力から画像を読取るスキャナ21と、スキャナの読取データを汎用画像データに処理するスキャナ補正部22と、処理された汎用画像データを蓄積する際に用いる圧縮処理部23と、画像検査装置200全体を制御するとともに、原稿画像の入力処理(スキャナ21及びスキャナ補正部22の処理)を経て生成された検査原稿画像データと基準原稿画像データとを比較し、合否を判定する手段としても機能するコントローラ26と、画像検査において処理の対象となる画像等のデータを蓄積するHDD25を有する。
ところで、検査原稿からスキャナ21で読取った検査原稿画像データと比較される基準原稿画像データは、検査原稿の紙出力に用いた検査用画像データと同じデータを元に基準の印刷装置で紙出力された基準原稿から読取ったデータを用いる。この検査用画像データは、本実施形態では、従来法による場合のような特別な画像(例えば、いわゆる“色玉(カラーパッチ)”と呼ばれるテスト画像パターン)を用意することなく、任意の画像を用いることによって実施できる。
ただ、検査用画像データは、上記のように基準、検査の各原稿の作成に用いるので、検査用として定めた画像データは、基準原稿を紙出力した後に保存し、検査原稿の紙出力に用い、また検査画像領域の決定(後記で詳述)にも用いる。このため、ここでは、検査用画像データとして定めたデータをMFP100におけるHDD5に保管する。
例えば、当該画像検査によってMFP100のプロッタ出力系(HDD5からプロッタ9までの処理系)で生じる機器特性の経時変化をとらえる場合、先ず検査用画像データとして定めたデータでMFP100のプロッタ9を動作させ、紙出力を行う。このとき、この出力に用いた検査用画像データをHDD5に保管し、その後時間が経過し検査時において、保管した検査用画像データで再び紙出力を行う。このような出力を行い、得られた基準原稿と検査原稿を画像検査装置200のスキャナ21で読取り、それぞれ読取られた基準原稿画像データと検査用画像データを比較し、データ値の違いを検出することで、機器特性の経時変化をとらえることができる。
他方、同じ機種のMFP100の間の機差をとらえる場合、例えば、基準の機械、検査対象の機械双方で共有できる検査用画像データ(例えば、一方の機械に保持した検査用画像データを他方の機械からアクセスできるようにする)によって紙出力を行う。このような出力を行い、得られた基準原稿と検査原稿を画像検査装置200のスキャナ21で読取り、それぞれ読取られた基準原稿画像データと検査用画像データを比較することで、機差をデータ値の違いとしてとしてとらえることができる。
また、画像検査に用いる検査画像領域は、検査用画像データを元に決定され(後記で詳述)、この実施形態では、検査用画像データを保管するMFP100側で決定され、決定された領域データが画像検査装置200に提供される。
画像検査装置200のコントローラ26は、MFP100から提供される検査画像領域データを受取る通信手段を有する。ここでは、コントローラ26は、MFP100のコントローラ6との間に設けた通信手段でこのデータの授受を行っている。なお、この実施形態では、MFP100側で検査画像領域を決定する例を示すが、画像検査装置200側で検査画像領域を決定する構成を採用してもよく、この構成をとる場合には、検査用画像データを保持するMFP100が、画像検査装置200にこの検査用画像データを送信する必要がある。
コントローラ26は、画像検査装置200のデータ処理系全体を制御する制御部であり、内部にソフトウェア(プログラム)を動作させるCPU、プログラムを格納するROM、プログラムを動作させるときのワークメモリとして使用するRAM等をハードウェア構成要素として有する。
上記ROMに格納するプログラムの中に、後述する画像検査装置200に対する画像検査処理の要求に応じて行う検査及び基準それぞれの画像データの生成及び画像検査機能による処理(図8の処理フロー、参照)を実行するためのプログラムを記録(記憶)しておくことで、CPUがこれら処理の制御手段として機能する。なお、プログラムを記録する媒体としては、ROMに限らず、HDD、CD(Compact Disk)−ROM、MO(Magnet Optical Disk)等のディスク型を含む各種記憶媒体を用いることができる。
次に、上記の構成を有する画像検査装置200の動作を説明する。
“原稿画像の入力処理”
MFP100で検査用画像データを元に紙出力が行われた後、スキャナ21は、この紙出力画像70を原稿として画像を読取り、読取ったアナログRGB画像信号をデジタル画像データに変換してスキャナ補正部22に出力する。
スキャナ補正部22は、図5に内部構成の1例をブロック図で示すように、スキャナ21から入力した画像データimg(反射率リニア)に対し、スキャナγ部22gで、画像データを反射率リニアから濃度リニアのデータに変換する。フィルタ処理部22fでは、像域分離部(不図示)で得た像域分離信号によりフィルタ処理を切り換えて原稿画像の特性を保つ。即ち、写真領域では、画像データ内の急峻な濃度変化をエッジ量として、エッジ量に応じて平滑化処理や鮮鋭化処理を行う。急峻なエッヂを鮮鋭化するのは、絵の中の文字を判読しやすくするためである。また、色補正処理部22cは、前段から受取ったRGBデータを標準的なRGBデータに変換をする。標準的なデータに変換することにより、画像検査を容易にする。
圧縮処理部23は、スキャナ補正部22からのRGB各8bitの画像データを圧縮処理して、汎用バスにデータを送出する。圧縮後の画像データは、汎用バスを通って、コントローラ26に送られる。
コントローラ26は、図示しない半導体メモリを持ち、送られたデータを蓄積する。
本実施形態では、半導体メモリに蓄積されたスキャナ入力画像は、基準原稿画像データと検査用画像データとして画像検査処理に利用できるようにHDD25に蓄積する。なお、ここでは、この入力画像データに対し圧縮を施すとしたが、汎用バスの帯域が十分に広く、蓄積するHDD25の容量が大きければ、非圧縮の状態でデータを扱っても良い。
コントローラ26は、外部機(この実施形態ではMFP100)から送信されてくる検査画像領域データの受信や、画像検査の結果を外部機に送信する。
図6は、コントローラ26における外部機(MFP100)に対する検査画像領域データ等のデータ入出力に関連する構成を示す図である。
同図に示すように、コントローラ26は、CPU26p、圧縮伸張処理部26d、ページメモリ26mを有する。
コントローラ26は、検査対象の外部機や検査結果を利用する外部機とデータをやり取りする。この実施形態では、検査対象の外部機や検査結果を利用する外部機は、MFP100を想定しており、コントローラ26は、MFP100に対して検査画像領域データの受信及び画像検査結果を示すデータの送信を行う。
また、コントローラ26は、スキャナ入力を通して生成し、汎用バス経由で送られてくる画像データimg(基準原稿画像データと検査用画像データ)をHDD25に蓄積し、その後の画像検査処理時には、蓄積先のHDD25から読出し、圧縮伸張処理部26dで元の各色8bit画像データに伸張し、ページメモリ26mにビットマップ展開して、処理、操作に供する。さらに、MFP100から受信する上記した検査画像領域データ、或いは、画像検査装置200側で検査画像領域データを求める処理を行う方法が採用される場合に、MFP100から受信する検査用画像データ、並びに検査結果を示す書誌情報等の画像検査に係るデータは、コントローラ26のCPU26dによって処理された後、HDD25に蓄積される。これらのデータは、HDD25に蓄積する際には、圧縮伸張処理部26dで必要に応じて圧縮が掛けられる。
“画像検査機能”
画像検査装置200のコントローラ26が有する画像検査機能について詳細に説明する。
図7は、コントローラ26が有する画像検査機能の構成を示す図である。
同図において、入力画像の1つとして示す検査用画像データ82は、印刷(紙出力)の元になる画像データで、上記したように、この画像データを用いて基準原稿及び検査原稿が印刷される。検査用画像データ82は、デジタル画像で、画素ごとに画像面上の位置及び色の各データが特定され、この実施形態では操作者が検査用として任意に定めた画像を用いることができる。なお、用意される検査用画像データは、印刷の元になるデータであるため、非常に画像サイズが大きい場合があり、この場合には、表示用の画像データのように、縮小した画像データに処理するなど、元のデータにデジタル的な画像処理を施したものでもよい。
他の入力画像は、基準原稿画像データ81及び検査原稿画像データ83である。
基準原稿画像データ81は、基準の印刷装置で検査用画像データ82を用いて紙出力(印刷)し、この出力を基準原稿として、この原稿を画像検査装置200のスキャナ21で読取り、スキャナ補正部22で処理された画像データで、本実施形態では標準的なRGBデータとして処理された画像データである。
また、検査原稿画像データ83は、検査対象の印刷装置(本実施形態ではMFP100)で検査用画像データ82を用いて紙出力(印刷)し、この出力を検査原稿として、この原稿を基準原稿と同様に画像検査装置200で読取り、処理された画像データである。
画像検査機能は、検査画像領域決定手段261、色抽出手段(1)263、色抽出手段(2)265及び合否判定手段267を構成要素とする。
検査画像領域決定手段261は、検査用画像データ82を用いて検査画像領域を決める手段である。本実施形態では、検査用画像を構成する画素の色に着目して、検査用画像において特定される色を検査色とし、この検査色を持つ画素の位置によって定まる検査用画像上の領域(座標で表される)を検査画像領域として決定する。
色抽出手段(1)263は、基準原稿画像データ81における検査画像領域(検査画像領域決定手段261で決定)から画像色を抽出する手段である。
色抽出手段(2)265は、検査原稿画像データ83における検査画像領域から画像色を抽出する手段である。
合否判定手段267は、色抽出手段(1)263で抽出した画像色と色抽出手段(2)265で抽出した画像色を比較し、違いが所定の範囲内であるか否かにより合否を判定する手段である。
なお、検査画像領域決定手段261、色抽出手段(1)263、色抽出手段(2)265及び合否判定手段267については、後記処理フローの実施例中でさらに説明する。
“画像検査の処理フロー”
上記画像検査機能(図7、参照)が実行する処理を手順を追って説明する。
図8は、コントローラ26が有する画像検査機能によって実行する処理のフローを示す図である。
図8の処理フローによると、検査画像領域を決定するための手順として、先ず、検査色として抽出する色を指定する(ステップS101)。この処理は、検査用画像データ82から指定した色を有する画素を抽出し、その位置データを求めるために行う。指定する検査色を決定する方法としては、管理する色が検査用画像上の位置データによって予め定められている場合には、操作者は、当該画像上の定められている位置(座標)データを指示することにより、HDD25(この例では画像検査装置200側で処理)に保存された検査用画像データ82から色データを読出し、指定できる。
また、操作者の指示がなくても自動で色を決定する方法によっても実施することができる。自動で色を決定する方法として、検査用画像データ82のヒストグラムをとって出現頻度の多い色を選択することや、プリンタ機能による画像出力を要求しNIC12を介して入力された印刷コマンドを解析し、ビットマップ展開する前のデータに示される色を選択してもよい。なお、選択に当たり、黒色も色として扱ってもかまわない。
自動で色を選択する方法を採用した場合、直接色で指示するので、検査基準を安定させる効果がある。なお、色の決め方は、例えば、特開2004−351814号公報に記載されている方法を適用することによっても実施し得る。
次に、前段で指定された検査色に基づいて検査画像領域を決定する(ステップS102)。この処理は、検査画像領域決定手段261が行う処理で、指定された検査色の画像を検査用画像データ82から抽出し、抽出した中の特定の画像領域を検査色画像領域として決定する。ここでは、検査色画像領域を座標で表す。
指定された検査色の領域を抽出する際に、抽出した検査画像領域が所定の大きさ以上あることをチェックする。ただ、抽出する検査画像領域のサイズは、使用する印刷装置としてのMFP100と画像検査装置200の精度により異なるので、精度に応じて適当なサイズ(画素数)を選ぶ必要がある。
また、印刷装置としてのMFP100で印刷(紙出力)された画像は、紙面上において必ず同じ位置に印刷されるわけではなく、わずかなずれを生じ、さらに、これを原稿として画像検査装置200で読取る際にも、原稿に対するスキャナ21の読取り位置にずれが生じる。
このように、検査用画像データ82、基準原稿画像データ81及び検査原稿画像データ83それぞれの間では位置ずれが生じるので、位置ずれが生じても問題がないように、同一の検査色の領域をM×Nのサイズで抽出する。なお、このMとNは、注目画素(中心画素)を整数にするため奇数にする。
また、基準原稿画像データ81及び検査原稿画像データ83は、印刷(紙出力)時にプリンタ補正部8で階調処理が施されており、階調処理に影響されないように周辺画素と平均する処理を考慮に入れて、サイズを大きくしておいたほうがよい。
具体的な処理としては、検査用画像データ82において、指定された検査色を抽出し、抽出した検査色の画素を注目画素としてM×NのAND処理をする。M×NのAND処理によって、検査色を有する画素の集まりである、という結果が得られれば、このM×Nサイズの画像領域を検査画像領域として決定する。
例えば、図9のように検査色の注目画素Pcを抽出し、注目画素Pcの周りのM×N画像について、M×NのAND処理を行い、注目画素Pcの検査色を有する画素の集まりであるという処理結果が得られれば、注目画素Pcの周辺(M−1)/2及び(N−1)/2の大きさにわたる画像領域が、抽出した検査色の検査画像領域となる。なお、抽出した画像データの大きさがM+a、N+bのであれば、M×NのAND処理の結果の画像の大きさは、1+a、1+bとなる。ここに、a,bは注目画素を整数にするため偶数である。
このように検査画像領域を決めると、注目画素Pcの周辺も同一色であるから、上記の位置ずれが生じても、問題なく検査が出来るようになる。
検査画像領域の画像面上の位置(座標)は、M×NのAND処理の結果の領域であれば、どの位置であっても問題はないが、抽出した注目画素Pcが画像領域の中心である方が望ましい。検査領域を決定する際には、画像の面積などで決めるなどしてもよい。
また、抽出する検査画像領域を複数にすると、1枚の検査対象画像面内のばらつきを見ることが可能となるから、精度を保つためにも望ましく、この場合には、複数の画像領域が検査画像領域として選択され、それぞれの位置データにより領域が決定される。
図8の処理フローに戻ると、次に、ステップS102で決定された検査画像領域に基づいて基準原稿画像データ81から画像色を抽出する(ステップS103)。
この処理は、色抽出手段(1)263が行う処理で、検査画像領域における画像色を基準原稿画像データ81から抽出する。
ここでは、HDD25にRGB各8bitの画像データとして保存しておいた検査用画像データ82から検査画像領域の位置(座標)に対応する画像色データを抽出する。
抽出する際には、検査用画像データ82における検査画像領域の各画素データの1点ではなく周辺画素を読取り、周辺画素のデータと平均し得られるデータを抽出する。このように周辺画素データとの平均をとるのは、スキャナ補正部22における階調処理の影響やごみなどのノイズの影響を排除するためである。
さらに、本実施形態では、基準原稿画像データ81における検査画像領域の画像色として入力した画像データの適正検査を行う(ステップS104)。このデータの適正検査は、複数の検査画像領域の画像データを抽出することを前提として行うもので、複数の検査画像領域から読取った画像色データが、同一の値であるか否かの確認をする。確認方法は、複数の検査画像領域から読取った画像色データ値を比較し、比較結果が予め定めた所定の許容範囲内にあれば、同一とみなし正常なデータであると判断し、他方、所定の許容範囲内を外れれば、同一ではなく異常なデータであると判断する方法による。
この確認を行った結果、正常なデータであると確認された場合には、引き続き次の基準原稿画像データ81から画像色を抽出する処理に移行する。
他方、データ値が異常であると判断した場合には、画像検査の処理を中断し、この旨を操作者に通知する。
このように、本来同一であるべき複数の検査画像領域で抽出した画像色データの適正検査をすることで、基準原稿画像データ81を生成する過程やこれまでの画像検査過程で起きるエラーの影響を受けることなく、画像検査を実行することができる。
次に、ステップS102で決定された検査画像領域に基づいて検査原稿画像データ83から画像色を抽出する(ステップS105)。
この処理は、色抽出手段(2)265が行う処理で、検査画像領域における画像色を検査原稿画像データ83から抽出する。
色抽出手段(2)265が行う処理は、検査原稿画像データ83に対する処理である点以外は、画像色データの抽出方法は、上記色抽出手段(1)263が行う処理と同じである。よって、改めて説明をすることなく、先の記載を参照することとする。
ただ、検査画像領域の画像色として入力した画像データの適正検査を色抽出手段(1)263で行っているが、この色抽出手段(2)265では、入力した画像データの適正検査は行わなくてもよいので、この実施形態では、行わない。というのは、基準原稿画像データ81に対する画像データの適正検査をステップS104においてパスしているので、次のステップで行う合否判定の結果で実際上は、色抽出手段(2)265で起きているエラーを含めて異常を確認するからである。
次いで、検査対象の印刷装置(MFP100)で出力した検査原稿画像の合否を判定する(ステップS106)。
この処理は、合否判定手段267が行う処理で、ステップS105で検査原稿画像データ83から抽出した画像色データとステップS103で基準原稿画像データ81から抽出した画像色データとを比較することによりその比較結果をデータ値として求め、求めたデータ値が所定の範囲内にあるか否かを判定する処理である。
この判定の処理方法は、例えば、画像色データの比較は、検査画像領域ごとに対応する位置(座標)の画素単位で行い、また、合否の判定は、全ての画素について、色データの比較結果(例えば、差値)が所定の範囲内ならば正常であり合格とし、他方、どこか1つでも範囲外であれば異常であり、不合格とする。
なお、上記では、画像検査に用いる色データは、RGBとしたが、これに限らず、例えば、印刷用途の標準フォーマットであるPDF(Portable Document Format)/X3(ISO 15930−3)などの色空間を採用してもよい。
また、上記では、検査色を一色として複数画像領域の抽出を行う検査方法について説明したが、検査色の数を複数にしても実施することができる。例えば、海辺の画像があった場合に、空の色、海の色、砂浜の色の3点の色を検査色に指定することが可能である。この場合には、上述の処理を検査色の数だけ実施すればよい。
上記のように、検査用画像データ82を元に紙出力した基準原稿及び検査原稿を同じ画像検査装置200で読取り、読取った基準原稿画像データ81及び検査原稿画像データ83を用意し、検査色によって決定した検査用画像データ82上の原稿画像領域で基準原稿画像データ81及び検査原稿画像データ83から抽出した画像色データを比較する画像検査方法を採用することで、判定の精度を向上することができ、上記[発明が解決しようとする課題]で述べた従来技術の問題点を解消し得る。
また、検査用画像データは、検査に用いる紙出力される原稿として特別な画像(例えば、いわゆる“色玉(カラーパッチ)”と呼ばれるテスト画像パターン)を用いる必要がないので、検査対象の印刷装置に特別なデータを用意し、特別な動作を行わせなることがない。このため、印刷動作が継続でき、出力のパフォーマンスを向上することができる。
“画像検査結果の利用”
上記の画像検査は、基準原稿画像データ81及び検査原稿画像データ83の対応する位置の画像色データに生じた違いが許容範囲を超え、不合格となったことを検査結果として示す。この検査結果が不合格となる要因は、印刷装置の機差或いは経時変化等様々な要因によって起きるものであり、一定の因果関係を要因とする場合や偶発的な要因によるものもある。
前者の場合、一定の因果関係が解明されており、補正動作が可能であれば、正常な出力ができるように印刷装置の動作を制御することができる。例えば、検査結果として得た画像色データに生じた違いによって、画像濃度が中央値(目標値)より外れ、異常データであることが示されれば、この検査結果を補正用のデータとして検査対象である印刷装置(MFP100)のコントローラ6に送り、このデータを受取るコントローラ6は、プリンタ補正部8等で補正を行う。なお、濃度補正の制御動作は、印刷装置全般において従来から行われており(例えば、特開2002−301807号公報、参照)、上記異常データの送信をこの制御動作に適用することにより、本実施形態の画像検査結果を利用した制御を実施することができる。
さらに、検査結果が示す画像濃度が印刷品質を下回る濃度の異常な出力であり、使用するには不適当であると判断される場合には、異常な出力は、正常に出力された印刷紙とは別にしておくことが望ましい。特に偶発的な要因による異常に対して有効な手段となる。
そこで、異常と判断された印刷紙と正常な印刷紙を振り分ける制御を行うための制御信号として検査結果を印刷装置(MFP100)のコントローラ6に送信できるようにする。なお、印刷装置において異常な印刷物を振り分ける制御は、既存の技術であり(例えば、特許第4068210号公報、参照)、上記異常データの送信をこの振り分け制御動作に適用することにより、本実施形態の画像検査結果を利用した制御を実施することができる。
本発明の実施形態の画像検査装置と検査対象の印刷装置(MFP)よりなる画像検査システムの概略構成を示す図である。 図1のMFPにおけるスキャナ補正部の内部構成の1例を示すブロック図である。 図1のMFPにおけるプリンタ補正部の内部構成の1例を示すブロック図である。 図1のMFPにおけるコントローラにおけるネットワークに対する画像データの入出力動作の関連構成の1例を示すブロック図である。 図1の画像検査装置におけるスキャナ補正部の内部構成の1例を示すブロック図である。 図1の画像検査装置におけるコントローラにおける外部機(MFP)に対する画像データの入出力動作の関連構成の1例を示すブロック図である。 図1の画像検査装置におけるコントローラが持つ画像検査機能の構成を示す図である。 図1の画像検査装置におけるコントローラが実行する画像検査処理のフロー図を示す図である。 検査画像領域を決定する処理を説明する画像データの概念図である。
符号の説明
1,21・・スキャナ、2,22・・スキャナ補正部、3,23・・圧縮処理部、5,25・・HDD、6,26・・コントローラ、7・・伸張処理部、8・・プリンタ補正部、9・・プロッタ、12・・NIC、100・・MFP、200・・画像検査装置、261・・検査画像領域決定手段、263・・色抽出手段(1)、265・・色抽出手段(2)、267・・合否判定手段。

Claims (9)

  1. 検査用画像データを元に検査対象の印刷装置によって作成された検査原稿画像を原稿読取手段によって読取り、読取った画像データを基準データと比較し、比較結果から合否を判定する合否判定手段を有する画像検査装置であって、
    原稿を読取り、原稿画像データを出力する原稿読取手段と、
    検査用画像データの記憶手段と、
    所定の検査色の画像を前記記憶手段の検査用画像データから抽出し、抽出した中の特定の画像領域を検査色画像領域として決定する検査画像領域決定手段と、
    検査用画像データを元に基準の印刷装置によって作成された基準原稿を前記原稿読取手段により読取り、出力される画像データにおける前記検査色画像領域から画像色を抽出する基準原稿画像色抽出手段と、
    検査用画像データを元に検査対象の印刷装置によって作成された検査原稿画像を前記原稿読取手段により読取り、出力される画像データにおける前記検査色画像領域から画像色を抽出する検査原稿画像色抽出手段と、
    前記基準画像色抽出手段で抽出した画像色と前記検査原稿画像色抽出手段で抽出した画像色を比較し、違いが所定の範囲内であるか否かにより合否を判定する合否判定手段と、
    を有したことを特徴とする画像検査装置。
  2. 請求項1に記載された画像検査装置において、
    前記所定の検査色は、検査用画像データをもとに決定することを特徴とする画像検査装置。
  3. 請求項1又は2に記載された画像検査装置において、
    前記検査画像領域決定手段は、前記検査色画像領域として、前記基準原稿と検査原稿の間で読取時に起きる位置ずれにより生じる誤差を抑制できる所定値以上の大きさの領域を決定することを特徴とする画像検査装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像検査装置において、
    前記検査画像領域決定手段が、複数の検査色画像領域を決定する手段であり、
    前記複数の検査色画像領域で前記基準原稿画像色抽出手段によって抽出された画像色が同一であるか否かを判定する画像色判定手段と、
    前記画像色判定手段によって同一ではないと判定されたことを条件に検査を中止する手段をさらに有したことを特徴とする画像検査装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された画像検査装置において、
    前記合否判定手段の判定結果に従い、前記検査原稿に対する選別処理を行う原稿選別手段をさらに有したことを特徴とする画像検査装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された画像検査装置において、
    前記合否判定手段の判定結果に従い、前記検査原稿を作成した検査対象の印刷装置に対し、補正用のデータを送信するデータ送信手段をさらに有したことを特徴とする画像検査装置。
  7. 検査用画像データを元に基準の印刷装置によって基準原稿画像を作成する工程と、
    検査用画像データを元に検査対象の印刷装置によって検査原稿画像を作成する工程と、
    検査用画像データを記憶手段に記憶する工程と、
    所定の検査色の画像を前記記憶手段の検査用画像データから抽出し、抽出した中の特定の画像領域を検査色画像領域として決定する検査画像領域決定工程と、
    基準原稿画像を作成する前記工程で作成された基準原稿画像を原稿読取手段により読取る工程と、
    読取った基準原稿画像データにおける前記検査色画像領域から画像色を抽出する基準画像色抽出工程と、
    検査原稿画像を作成する前記工程で作成された検査原稿画像を前記原稿読取手段により読取る工程と、
    読取った検査原稿画像データにおける前記検査色画像領域から画像色を抽出する検査原稿画像色抽出工程と、
    前記基準画像色抽出工程で抽出した画像色と前記検査原稿画像色抽出工程で抽出した画像色を比較し、違いが所定の範囲内であるか否かにより合否を判定する合否判定工程と、
    を有したことを特徴とする画像検査方法。
  8. 検査用画像データを記憶手段に記憶する工程と、
    所定の検査色の画像を前記記憶手段の検査用画像データから抽出し、抽出した中の特定の画像領域を検査色画像領域として決定する検査画像領域決定工程と、
    検査用画像データを元に基準の印刷装置によって作成された基準原稿を原稿読取手段により読取らせ、出力される画像データにおける前記検査色画像領域から画像色を抽出する基準原稿画像色抽出工程と、
    検査用画像データを元に検査対象の印刷装置によって作成された検査原稿画像を前記原稿読取手段により読取らせ、出力される画像データにおける前記検査色画像領域から画像色を抽出する検査原稿画像色抽出工程と、
    前記基準画像色抽出工程で抽出した画像色と前記検査原稿画像色抽出工程で抽出した画像色を比較し、違いが所定の範囲内であるか否かにより合否を判定する合否判定工程と、
    の各工程をコンピュータに行わせるためのプログラム。
  9. 請求項8に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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