JP2010151478A - 周期性パターンのムラ検査方法及び検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】周期性パターンが形成された被検査基板60に照明光を最適角度で斜め照射し、周期性パターンにより生じる回折光を用いて検査するムラ検査方法において、撮像部60にて原撮像画像を取得し、この原撮像画像から周期性パターン領域を切り出す工程と、切り出された矩形計算領域内で積算値及びその比較基準値を求め、コントラスト比を求める工程と、コントラスト比分布画像を作成し、2値化処理・ラベリング処理を実施した後ムラ部面積、ムラ部評価値を算出する工程と、検査結果の判定を行う工程とを含む構成にした。
【選択図】図2
Description
ここで、周期性パターンとは、一定の間隔を有するパターンの集合体を称し、例えば、パターンが所定のピッチで配列したストライプ状の周期性パターン、または開口部のパターンが所定の周期で2次元的に配列したマトリクス状のパターン等に該当する。また、周期性パターンを有する被検査体としては、特に、半導体装置、撮像デバイス及び表示デバイス等を製造する際にフォトリソグラフィー処理の露光工程で用いられるフォトマスクが挙げられる。
フォトマスクのような周期性パターンにおけるムラ欠陥は、通常微細なピッチズレや位置ズレが規則的に配列していることが原因であることが多いため、個々のパターン検査では発見することが困難であるが、周期性パターンを広い領域において観察した時に初めて認識される欠陥である。
一方、半導体の微細化や、微細な表示と明るい画面の電子部品の増加に伴い、上述した周期性パターンの微細化、または開口部比率の増大傾向が進んでいる。そして、将来的には、より開口部の大きい、より微細形状の周期性パターンのムラ検査装置及びその方法が必要となる。すなわち、従来の光の振幅による光の強度(明るさ)の強弱のみの出力では限界がある。
かかる検査装置は、周期性パターンの正常部では開口部の形状・ピッチが一定となるため互いに干渉し一定の方向に回折光を生じる。それに対し、ムラ部では開口部の形状、ピッチが不規則になるため、形状、ピッチに応じて種々の方向に、種々の強さで回折光が生じる。
このような検査装置では、正常部とムラ部における回折光強度コントラストの違いから、ムラ部を検出する方式をとっている。しかし、この手法において得られる原撮像画像での回折光強度コントラストは微弱なものであり、実際のムラ検査・判定処理を行うためには原撮像画像に対して何らかの画像処理を適用し、ムラ部を強調させた上での抽出が必要となる。
ところで、周期性パターン、例えばフォトマスクにおいては、描画パターンの微細化が急速に進んでおり、特にCCD/CMOSイメージャー用フォトマスクにおいてはウエハへのパターン転写時におけるセルピッチが1μmに迫るほどの勢いで世代が進んでいる。
周期性パターン、例えばフォトマスクにおいては、前述したような矩形領域の境界部分において、数nmオーダーで、描画パターンの連続したピッチズレ、寸法ズレ及び位置ズレといったパターン変動が生じることが知られている。ムラ欠陥は、まさにこれらのパターン変動が原因となって生じるものであり、周期性パターン領域におけるムラ欠陥の発生様式、面内分布は、矩形領域形状に依存するといってもよい。従って、こうした矩形領域サイズや形状に着目したムラ欠陥の検出方法が要求されることになる。また、本検査の適用工程においてはプロセス起因の不定形状のムラ検出にも着目する必要もある。
以下に、本発明の適用する周期性パターンのムラ検査方法及び検査装置の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るムラ検査方法を適用したムラ検査装置の一例を示す構成図である。この図1では透過回折光を得るためのムラ検査装置の構成例を示すもので、本装置は外乱光や迷光を極力低減させた暗環境及び被検査基板への異物付着を防止するクリーン環境で稼動されることが望ましい。
ここで、被検査基板60の基板面には周期性パターンが形成されている。ここでいう基板面とは、被検査基板60の厚さ方向の一方に位置する面である。
被検査基板60上のアライメントマークを含む領域には、同軸落射形式で照明33の照明光が照射され、その観察画像がカメラ31により撮像される。
なお、照明制御装置34により、照明33の点灯/消灯制御及び照明光強度の調節ができるようになっており、実際の制御動作は処理・制御部100により実施される。また、本実施の形態ではカメラ31にはエリアCCDカメラが用いられ、レンズ32には同軸落射形式の固定倍率テレセントリックレンズが用いられ、そして照明33には高輝度スポット型の白色LEDが用いられている。
処理・制御部100では、情報処理手段101により透過照明部10、X−Y−θステージ部20、アライメント用撮像部30および撮像部40の動作管理及び制御を行う。また、アライメント用撮像部30のカメラ31は信号入力装置103を介して情報処理手段101に接続され、撮像部40のカメラ41は信号入力装置102を介して情報処理手段101に接続されている。
本発明に係る実施の形態1によるムラ検査方法は、図2に示すS1〜S10という一連のステップにより実施される。以下、各ステップの内容をステップ順に図2〜図9を参照して説明する。なお、被検査基板60の着脱等のオペレーション操作については、図1に示すフローから割愛する。
なお、矩形計算領域の指定方法について、切り出し画像横方向に対して積算を行う場合の例を図3に模式的に示す。切り出し画像に対して横方向に積算を行う場合には、切り出し画像の縦方向サイズと、矩形計算領域の縦方向サイズとを一致させる。縦方向に積算を行う場合でも同様である。また、図3に示すように、矩形計算領域中央部を注目画素ラインとし、これを矩形計算領域の基準位置とする。この矩形計算領域幅は、前述した描画装置における矩形領域サイズに合わせて設定するが、周期性パターンの描画に使用した描画装置毎に矩形積算領域幅を変えることができるように、検査レシピ等でその都度値を設定できるようにしてもよい。
なお、包絡線処理及び移動平均処理の実施目的は、画像上の濃淡グラデーション傾向に追従した比較基準値を導出することにある。以下、包絡線処理について、図5を参照して簡単に説明する。
まず、ステップS31において、積算値に対して包絡幅を定義し、包絡幅内にて積算値の最大値と最小値を求める。包絡幅は、図6に示すように、積算値曲線の左端部からを基点として定義し、曲線の右方向へ順次シフトさせながら、その都度、最大値及び最小値をサーチし求めていく。そして、次のステップS32において、サーチされた最大値を結ぶ曲線と最小値を結ぶ曲線を求め、最大値を結ぶ曲線を上側包絡データSaとし、最小値を結ぶ曲線を下側包絡データSbとして生成し、それぞれを導出する。次のステップS33では、上側包絡データSaと下側包絡データSbから、比較基準値So=(Sa+Sb)/2を計算する。
(コントラスト比)=(積算値/比較基準値)−1・・・・・・・・・・・(1)
本実施の形態では8ビット画像による計算を実施し、コントラスト比=0となる画素における部分、つまりムラ欠陥が存在しないベース部分に対して輝度値128を割当てるようにしてから以降の処理を実施する。
ステップS8で作成されたコントラスト比分布画像において、ステップS9における2値化処理結果を基にしてムラ部分の座標値とムラ領域を特定する。さらに、次のステップS11において、ムラ領域におけるコントラスト比の最大値と、ムラ領域の面積値との積を評価値と定義し、これを計算する。
(評価値)<Th_GRであれば、OKと判定し、
Th_GR≦(評価値)<Th_NGであれば、GRAYと判定し、
Th_NG≦(評価値)であれば、NGと判定する。
Claims (4)
- 周期性パターンを有する被検査体に照明光を照射し、前記周期性パターンにより生じる回折光で得られる2次元濃淡画像を解析し、該2次元濃淡画像の部分的に濃度が高い領域あるいは低い領域をムラ領域として特定することで周期性パターンのムラを検査する方法であって、
前記被検査体の前記2次元濃淡画像を撮像手段にて撮像し原撮像画像を作成する画像作成工程と、
前記原撮像画像上において前記原撮像画像よりも面積が小さい矩形計算領域を定義し、該矩形計算領域内における各画素の輝度値を縦、横方向に別個に積算し積算値を算出する積算値算出工程と、
前記積算値の比較基準値を計算し、該比較基準値と前記積算値との比を計算してコントラスト比データを求めるコントラスト比算出工程と、
前記積算値算出工程で定義した計算領域を前記原撮像画像上で走査することにより前記原撮像画像の全ての画素における輝度値に対して前記積算値算出工程及びコントラスト比算出工程の処理を行うことで2次元コントラスト比分布画像を作成するコントラスト比分布画像作成工程と、
前記2次元コントラスト比分布画像に対し別途設定したコントラスト比閾値との比較演算処理を行い、該比較演算処理により閾値範囲外のコントラスト比データを有する2次元コントラスト比分布画像を構成するドットにオブジェクト(例えば白ドットとして0)を割当て、それ以外のドットに背景(例えば黒ドットとして1)を割当てて2値画像を作成する2値画像作成工程と、
前記2値画像に対してラベリング処理を行い、互いに連結した図部分を連結画素部として抽出し、前記各々の連結画素部の面積値を計算し、さらに前記被検査体に対して定義される座標軸上において前記各々の連結画素部が位置する座標値を導出する座標値導出工程と、
コントラスト比分布画像作成工程で作成された2次元コントラスト比分布画像において前記座標値導出工程で導出された連結画素部位置と2次元コントラスト比分布画像を照合し前記連結画素部における最大のコントラスト比データを前記各々の連結画素部について求め、当該求められた各々の連結画素部における最大コントラスト比データと面積値との積を計算することにより前記各連結画素部についての評価値を計算する評価値計算工程と、
前記評価値に対し別途設定した閾値との比較演算処理を行い、該比較演算処理により閾値を上回る連結画素部をムラ部分と判定するムラ判定工程と、
を備えることを特徴とするムラ検査方法。 - 前記原撮像画像に対してデジタルフィルタにより膨張・収縮等のノイズ除去処理を行った後、前記画像作成工程以下の処理を実施することを特徴とする請求項1記載のムラ検査方法。
- 前記積算値に対して包絡幅を定義し、前記包絡幅内で積算値の最大値と最小値を求めるとともに前記包絡幅をシフトさせながら積算値の最大値と最小値をサーチし、前記サーチされた最大値を結ぶ曲線を上側包絡データSaとし、最小値を結ぶ曲線を下側包絡データSbとして導出し、この上側包絡データSaと下側包絡データSbとから前記比較基準値を求めることを特徴とする請求項1記載のムラ検査方法。
- 周期性パターンを有する被検査体に照明光を照射し、前記周期性パターンにより生じる回折光で得られる2次元濃淡画像を解析し、該2次元濃淡画像の部分的に濃度が高い領域あるいは低い領域をムラ領域として特定することで周期性パターンのムラを検査するムラ検査装置であって、
前記被検査体が載置され、X軸、Y軸及びθ軸方向に駆動する機構を具備する搬送手段と、
前記被検査体の所定領域に光を照射し当該所定領域を撮像して得られた画像に画像処理を行うとともに前記被検査体の被検査面内方向における位置決めを行う位置決め手段と、
前記照明光として可視光を発生する光源を具備する照明光源手段と、
前記照明光源手段からの照明光を導光し前記所定領域に照明光を照射するための照明ヘッド部と、
前記照明ヘッド部を支持し、かつ前記搬送手段に載置された前記被検査体上の一定領域に照明光を照射しつつ前記被検査体の被検査面に対する照明光の照射角度を前記被検査面と鉛直な方向に対する照明光照射角度を制御する照明ヘッド駆動手段と、
前記照明ヘッド部によって照明光が前記周期性パターンに照射されることにより生じる回折光を撮像する撮像手段と、
前記位置決め手段からの映像出力と前記撮像手段からの映像出力を画像情報とする画像入力手段と、
前記画像入力手段により得られた前記原撮像画像上において前記原撮像画像よりも面積が小さい矩形計算領域を定義し、該矩形計算領域内における各画素の輝度値を縦、横方向に別個に積算し積算値を算出する処理と、
前記積算値の比較基準値を計算し、該比較基準値と前記積算値との比を計算してコントラスト比データを求める処理と、
前記積算値算出処理で定義した計算領域を前記原撮像画像上で走査することにより前記原撮像画像の全ての画素における輝度値に対して前記積算値の算出処理と前記コントラスト比の算出処理を行うことで2次元コントラスト比分布画像を作成する処理と、
前記2次元コントラスト比分布画像に対し別途設定したコントラスト比閾値との比較演算処理を行い、該比較演算処理により閾値範囲外のコントラスト比データを有する2次元コントラスト比分布画像を構成するドットにオブジェクト(例えば白ドットとして0)を割当て、それ以外のドットに背景(例えば黒ドットとして1)を割当てて2値画像を作成する処理と、
前記2値画像に対してラベリング処理を行い、互いに連結した図部分を連結画素部として抽出し、前記各々の連結画素部の面積値を計算し、さらに前記被検査体に対して定義される座標軸上において前記各々の連結画素部が位置する座標値を導出する処理と、
前記コントラスト比分布画像の作成処理で作成された2次元コントラスト比分布画像において前記座標値の導出処理で導出された連結画素部位置と2次元コントラスト比分布画像を照合し前記連結画素部における最大のコントラスト比データを前記各々の連結画素部について求め、当該求められた各々の連結画素部における最大コントラスト比データと面積値との積を計算することにより前記各連結画素部についての評価値を計算する処理と、
前記評価値に対し別途設定した閾値との比較演算処理を行い、該比較演算処理により閾値を上回る連結画素部をムラ部分と判定する処理と、
を行い、かつ前記搬送手段、前記位置決め手段、前記照明光源手段、前記照明ヘッド部、前記照明ヘッド駆動手段及び前記撮像手段を制御する処理・制御手段と、
前記位置決め手段及び前記撮像手段で撮像した画像及び前記制御手段による処理結果を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とするムラ検査装置。
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