JP5300670B2 - パターン検査装置及びパターンを有する構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1に開示がされた技術によれば、本来検査対象とすべきでない領域までもが検査対象領域に含まれてしまうので、検査結果に対する信頼性が低下してしまうおそれがある。
しかしながら、特許文献2、3に開示がされた技術は比較的大きな領域を検査することを考慮したものであるため、近年の微細化されたパターンに生じた微細な欠陥を高分解能で検出することができないおそれがある。また、形状、大きさの異なるパターンが存在することや、パターンの形状、大きさが変更され得ることが考慮されておらず、検出データと参照データとを比較して欠陥を検出する際の検査アルゴリズムにおけるS/N比(欠陥部を含むパターンのデータから欠陥部のデータだけを検出する際のS/N比)が不足するおそれがある。そのため、充分な検出感度が得られず欠陥検出能力が不足するおそれがある。
図1は、本実施の形態に係るパターン検査装置を例示するためのブロック図である。
図2は、パターン検査装置に設けられたテンプレートマッチング部、比較部を例示するためのブロック図である。
図1に示すように、パターン検査装置1には、検出データ作成部2、参照データ作成部3、テンプレートマッチング部4、欠陥検出部5が設けられている。
検出データ作成部2は、被検査体100に形成されたパターンの光学画像に基づいて検出データを作成する。
光源21は、検査光21aを出射する。光源21としては、白色光、単色光、コヒーレント光などを出射する各種光源を用いることができる。この場合、微細なパターンの検査を行うためには、波長の短い検査光21aを出射可能なものとすることが好ましい。そのようなものとしては、例えば、波長が266nmの検査光21aを出射するYAGレーザ光源などを例示することができる。ただし、レーザ光源に限定されるわけではなく、パターンの大きさなどに応じて適宜変更することができる。
投影光学系24は、被検査体100からの検査光21aを検出部25の受光面に導くとともに受光面上に結像させる。
また、図1に例示をした投影光学系24は、被検査体100を透過した検査光21aを検出部25に導くものであるが、被検査体100により反射された検査光21aを検出部25に導くものとすることもできる。
変換部26は、検出部25から出力された電気信号をA/D変換する。また、A/D変換された電気信号を図形解釈することで検出データを作成する。
参照データ作成部3は、データ格納部31に格納された設計データなどに基づいて参照データを作成する。すなわち、参照データ作成部3は、被検査体に形成されたパターンに関する参照データを作成する。
データ格納部31は、パターンの形成に用いられる作画データや作画データに変換する前の設計データなどを格納する。
データ作成部33は、ビットパターンに展開されたデータを図形解釈することで参照データを作成する。この際、検出データの分解能に合わせて参照データが作成される。
抽出部34は、位置検出部27から提供された載置部23の位置情報に基づいて、参照データから対象となる部分の参照データを抽出する。すなわち、載置部23の位置情報から載置部23に保持された被検査体100の検査領域に関する位置情報を取得し、検査領域の位置(検出部25によるデータの取り込み位置)に合せて参照データから対象となる部分の参照データを抽出する。
なお、可変テンプレートに関する詳細は後述する。
欠陥検出部5には、複数の比較部51〜5nと、論理和演算部6とが設けられている。また、比較部51〜5nには、総和演算部7、総和差演算部8、判定部9がそれぞれ設けられている。
総和演算部7においては、演算領域を任意に設定することができるようになっている。そして、画素の選定1201〜120nを総和演算部7にそれぞれ入力することで、任意に設定された演算領域におけるデータの総和が演算できるようになっている。また、検出データ側において任意に設定された演算領域におけるデータの総和と、参照データ側において任意に設定された演算領域におけるデータの総和と、がそれぞれ演算されるようになっている。
判定部9は、演算された総和差を所定の閾値を用いて判定することにより欠陥部を検出する。また、所望の閾値1301〜130nを判定部9に入力することで、閾値の値を変更することができるようになっている。
また、判定部9は、閾値と共に、テンプレートマッチング部のマッチング結果である判定有効フラグに基づき、欠陥判定の有効性を判定している。
なお、比較部に関する詳細は後述する。
図3は、可変テンプレートについて例示をするためのブロック図である。なお、図3は、一例として、テンプレートマッチング部4に設けられた可変テンプレート41の場合を例示するためのブロック図である。
図3に示すように、可変テンプレート41には、遅延回路10、バッファ部11、二値化部12、マッチング部13、論理積演算部16が設けられている。
遅延回路10は、参照データ作成部3から提供された参照データの電気信号の波形を変えずに伝達に一定の時間遅れを作る。
バッファ部11は、遅延回路10を介して入力された参照データをN×N画素のデータとして蓄積する。
バッファ部11に蓄積されたN×N画素のデータは、二値化部12において異なる値の閾値を用いて二値化され、N×N画素の各画素に対応する画素マッチング部130〜13N−1にそれぞれ提供される。なお、閾値は、テンプレートマッチング部4に設けられた可変テンプレート41〜4n毎に変更することができるようになっている。
論理演算部14a、14bにおける論理は任意に設定することができるようになっている。すなわち、論理演算部14a、14bにおける論理を任意に設定することで、テンプレートを構成する画素における論理を任意に設定することができる可変テンプレートが構成されるようになっている。
例えば、論理演算部14aにおいては、「当該画素の値>閾値T1、当該画素の値≦閾値T1、演算不要」のいずれかが選択、設定されるようになっている。また、論理演算部14bにおいては、「当該画素の値>閾値T2、当該画素の値≦閾値T2、演算不要」のいずれかが選択、設定されるようになっている。そして、二値化部12から提供されたデータが、設定された論理により判定されるようになっている。
論理積演算部16は、各画素マッチング部130〜13N−1における論理積演算部15のマッチング結果をさらに論理積演算し、マッチングがされた場合には「テンプレートマッチング結果」を出力する。「テンプレートマッチング結果」は、後述する欠陥検出部5に設けられた判定部9に「判定有効フラグ」として入力される。
図4は、比較部について例示をするためのブロック図である。なお、図4は、一例として、欠陥検出部5に設けられた比較部51を例示するためのブロック図である。
前述したように、比較部51には、総和演算部7、総和差演算部8、判定部9が設けられている。そして、図4に示すように、総和演算部7には、バッファ部17a、17b、選択部18a、18b、総和演算部19a、19bが設けられている。
前述したように、「判定有効フラグ」は、テンプレートマッチング部4においてマッチングがされた際に出力される。そのため、「判定有効フラグ」が判定部9に入力された場合に閾値判定の結果が有効となるようにすることで、テンプレートによるマッチングがされたパターンに対する閾値判定が行えるようになっている。
まず、図示しない搬送装置や作業者などにより被検査体100が載置部23に載置される。次に、光源21から検査光21aを出射させる。光源21から出射した検査光21aは、照明光学系22により被検査体100の検査領域に導かれるとともに照射部分の大きさが制御される。そして、載置部23に載置された被検査体100の検査が行われる位置を図示しない移動手段などにより相対的に変化させる。
図5は、テンプレートマッチングを例示するための模式図である。
図5に例示をしたものは、2種類のパターン、すなわち、パターン140とパターン150とに対してテンプレートを設定し、テンプレートマッチングを行う場合を例示するものである。
図5(a)に示すパターン140の参照データ(抽出部34により抽出された参照データ)は、遅延回路10を介してバッファ部11に入力される。入力された参照データはN×N画素のデータとして蓄積される。バッファ部11に蓄積されたN×N画素のデータは、二値化部12において異なる値の閾値を用いて二値化され、N×N画素の各画素に対応する画素マッチング部130〜13N−1にそれぞれ提供される。
この場合、図5(e)に示すように、中央部分の4つの画素151aについては「当該画素の値>閾値T1’」と設定し、周辺の画素151bについては「当該画素の値≦閾値T2’」と設定することで可変テンプレート4bを構成する。
そして、図5(f)に示すような可変テンプレート4bを用いたマッチングが行われ、マッチングがされた場合には「テンプレートマッチング結果」が出力される。「テンプレートマッチング結果」は、欠陥検出部5に設けられた判定部9に「判定有効フラグ」として入力される。
このように可変テンプレート4a、4bを用いるようにすれば、図5(g)に示すように2種類のパターン140、150が存在するデータであっても、パターン140とパターン150とを同時にテンプレートマッチングすることができる。
欠陥検出部5に入力された検査データは、N×N画素のデータとしてバッファ部17aに蓄積される。バッファ部17aに蓄積された検査データは選択部18aに入力され、当該画素に関するデータを選択するか否かの設定(画素の選定)に従ってデータが選択される。そして、総和演算部19aにより選択されたデータの総和が演算される。
図6に例示をしたものは、2種類のパターン、すなわち、パターン140とパターン150とに対する総和演算領域を設定する場合を例示するものである。
図6(a)に示すパターン140の場合には、ホール部分とその周辺に位置する画素に関するデータを選択するような「画素の選定」を行うようにすることができる。この場合、「画素の選定」が行われた領域が、図6(b)に示す総和演算領域142となる。また、図6(c)に示すように、パターン140のホール部分とその周辺が総和演算領域142に含まれることになる。
図6(d)に示すパターン150の場合には、ホール部分とその周辺に位置する画素に関するデータを選択するような「画素の選定」を行うようにすることができる。この場合、「画素の選定」が行われた領域が、図6(e)に示す総和演算領域152となる。また、図6(f)に示すように、パターン150のホール部分とその周辺が総和演算領域152に含まれることになる。
総和差演算部8により演算された総和差は判定部9に入力され、判定部9において所定の閾値を用いた判定が行われることで欠陥部が検出される。なお、所望の閾値を判定部9に入力することで、閾値の値を変更することができるようになっている。
また、判定部9にはテンプレートマッチング部4に設けられた論理積演算部16からの「判定有効フラグ(テンプレートマッチング結果)」が入力されるようになっている。前述したように、「判定有効フラグ」は、テンプレートマッチング部4においてマッチングがされた際に出力される。そのため、「判定有効フラグ」が判定部9に入力された場合に閾値判定の結果が有効となるようにすることで、テンプレートによるマッチングがされたパターンに対する閾値判定が行えるようになっている。
図7(a)はパターン140と総和演算領域142とを例示するための模式図、図7(b)は参照データに関する断面プロファイルを例示するための模式図、図7(c)は検出データに関する断面プロファイルを例示するための模式図、図7(d)は参照データに関する断面プロファイルと検出データに関する断面プロファイルとの差を例示するための模式図である。
テンプレートによるマッチングがされたパターン140に対して、図7(b)に示すように総和演算領域142内における参照データの断面プロファイル(総和)が演算される。また、図7(c)に示すように総和演算領域142内における検査データの断面プロファイル(総和)が演算される。そして、図7(d)に示すように、参照データの断面プロファイルと検出データの断面プロファイルとの差を演算することで断面プロファイルの差、すなわち欠陥部に対応する電気信号成分が検出される。そして、検出された電気信号成分を閾値を用いて判定することで欠陥部を検出する。
また、論理を任意に設定することができる可変テンプレートが複数設けられているので、パターンの形状、大きさなどに合せてテンプレートを任意に設定することができる。そのため、検査対象となるパターンに合せて適切なテンプレートを容易に設定することができる。
また、パターンの形状、大きさなどに合せて総和演算領域を任意に設定することができる。そのため、検査対象となるパターンに合せて適切な広さを有する領域を任意に設定することができる。その結果、例えば、検査対象領域を必要以上に広くすることにより生じ得る検査データ、参照データの出力のばらつきやそれに起因するノイズ成分などの低減を図ることができるので、欠陥検出のS/N比を向上させることができる。
また、テンプレート、総和演算領域、閾値をそれぞれ任意に設定することができるので、例えば、フォトマスクやウェーハのレイヤに合せて検査レシピを設定し、レイヤ毎に適切な検査感度の設定をすることが可能となる。
比較部55には、総和演算部57、総和差演算部8、判定部9が設けられている。そして、総和演算部57には、バッファ部17a、17b、データ変換部56a、56b、選択部18a、18b、総和演算部19a、19bが設けられている。
図4に例示をした比較部51とはデータ変換部56a、56bがさらに設けられている点が異なる。
図8に示すように、データ変換部56a、56bは、バッファ部17a、17bと選択部18a、18bとの間に設けられている。データ変換部56a、56bは、所定の値以下のデータを所定の定数のデータに変換する機能を有する。例えば、所定の閾値以下となったデータを閾値と同じ値を有するデータに変換する機能を有するものとすることができる。
本実施の形態に係るパターンを有する構造体の製造方法においては、前述した本実施の形態に係るパターン検査装置、パターン検査方法を用いることができる。例えば、構造体の表面にパターンを形成する工程と、本実施の形態に係るパターン検査装置やパターンの検査方法を用いてパターンを検査する工程と、を有するものを例示することができる。
表面に微細なパターンが形成されるものとしては、ウェーハ(半導体装置)、フラットパネルディスプレイのパネル、リソグラフィ工程において用いられるフォトマスクやレチクル、MEMS分野におけるマイクロマシーン、精密光学部品などを例示することができる。ただし、これらのものに限定されるわけではなく、表面に微細なパターンが形成されるものの製造に対して広く適用させることができる。
半導体装置の製造方法は、洗浄工程、熱処理工程、不純物導入工程、拡散工程、平坦化工程、成膜・レジスト塗布・露光・現像・エッチング・レジスト除去などにより基板(ウェーハ)表面にパターンを形成する工程などの複数の工程を繰り返すことにより実施される。ここで、本実施の形態に係るパターンを有する構造体の製造方法(ここでは半導体装置の製造方法)においては、基板(ウェーハ)表面に形成されたパターンの検査を行う検査工程において前述した本実施の形態に係るパターン検査装置、パターン検査方法を用いるようにすることができる。
なお、前述した本実施の形態に係るパターン検査装置、パターン検査方法以外は、各工程における既知の技術を適用することができるのでそれらの例示は省略する。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、パターン検査装置1が備える各要素の形状、寸法、数、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (5)
- 被検査体に形成されたパターンの光学画像に基づいて検出データを作成する検出データ作成部と、
前記パターンに関する参照データを作成する参照データ作成部と、
テンプレートを構成する画素における論理を任意に設定することができる可変テンプレートを複数有し、異なる論理設定がされた複数の前記可変テンプレートを用いて前記参照データに関するマッチング判定を行うテンプレートマッチング部と、
前記マッチング判定の結果に基づいて、前記検出データと、前記参照データと、を比較して検出された欠陥部の判定結果の有効性を判断する欠陥検出部と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。 - 前記欠陥検出部は、
前記検出データを構成する画素を任意に選択することで第1の演算領域を設定する第1の選択部と、
前記参照データを構成する画素を任意に選択することで第2の演算領域を設定する第2の選択部と、
前記第1の演算領域における前記検出データの総和と、前記第2の演算領域における前記参照データの総和と、の差を演算する総和差演算部と、
前記演算された総和差に基づいて欠陥部の検出を行うとともに、前記テンプレートマッチング部からの前記マッチング判定の結果が入力され、前記マッチング判定の結果に基づいて前記欠陥部の判定結果の有効性を判断する判定部と、
を有することを特徴とする請求項1記載のパターン検査装置。 - 前記欠陥検出部は、前記複数の可変テンプレートに対応する総和差演算部と欠陥部の判定を行う判定部を有し、前記マッチング判定の結果に基づいて前記欠陥部の判定結果の有効性を判断すること、を特徴とする請求項2記載のパターン検査装置。
- 前記可変テンプレートにおける論理、前記第1の演算領域、前記第2の演算領域、前記欠陥部の判定における閾値、からなる群より選ばれた少なくとも1つの設定データを格納した設定データ格納部をさらに備えたこと、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のパターン検査装置。
- 構造体の表面にパターンを形成する工程と、
前記パターンを検査する工程と、
を備え、
前記パターンを検査する工程において、
前記パターンの光学画像に基づいて検出データを作成し、
前記パターンに関する参照データを作成し、
テンプレートを構成する画素における論理を任意に設定することができる可変テンプレートを用いて前記参照データに関するマッチング判定を行い、
前記検出データと、前記参照データと、を比較して欠陥部を検出するにあたり、
前記欠陥部の検出において、
前記検出データを構成する画素を任意に選択することで第1の演算領域を設定し、
前記参照データを構成する画素を任意に選択することで第2の演算領域を設定し、
前記第1の演算領域における前記検出データの総和と、前記第2の演算領域における前記参照データの総和と、の差を演算し、
前記演算された総和差に基づいて欠陥部の判定を行うこと、
を特徴とするパターンを有する構造体の製造方法。
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