JP4074624B2 - パターン検査方法 - Google Patents
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Description
半導体デバイスの製造工程において、歩留まりを低下させる要因の一つとして、半導体ウェハ上に微細パターンをリソグラフィ技術で露光・転写する際に使用されるレチクルのパターン欠陥があげられる。すなわち、このレチクル自身に欠陥があると、多数の半導体デバイスに欠陥を転写することになり、歩留まりを大きく低下させることになる。
近年、LSIパターン寸法の微細化に伴って、検出しなければならない欠陥の最小寸法も微細化している。そのため、レチクルの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要になっている。
しかしながら、前記特許文献1記載の発明は、最近のこのような高度な要求に充分応えられるものではなかった。
任意の検査対象画素領域と該検査対象画素領域に対応する該参照画像の画素領域間の変動、及び該検査対象画素領域以外の画素領域における該光学画像とこれに対応する参照画像間の変動の非類似性を算出する変動非類似性算出ステップと、
前記変動非類似性算出ステップで求めた変動非類似性のデータを元に、該検査対象画素領域と比較する該光学画像内の他の画素領域に、比較対象画素領域として優先順位を設定する優先順位設定ステップと、
該検査対象画素領域と設計上同一のパターンを有する画素領域を、該光学画像の該比較対象画素領域から選定し、該検査対象画素領域の光学画像と、この選定された比較対照画素領域の光学画像を、前記ステップで決定された優先順位に従って相互比較することにより、欠陥を検出する比較検査ステップとを備えたことを特徴とする欠陥検出方法。
前記入出力関係を記述した連立方程式を最小二乗法で推定して前記連立方程式のパラメータを求める連立方程式解法ステップとからものとすることができる。
以下、この実施の形態において用いることのできる検査装置について、説明する。
以下図2に基づいて本実施の形態において用いることのできるマスク欠陥検査装置について説明する。
本マスク欠陥検査装置は、ホスト計算機を中心とした演算制御部200と、試料となるマスクのパターン画像を撮像する観測データ生成部210とからなっている。
マスクなどの試料213は、図示しないオートローダ機構によりステージ214上に自動的に搬送され、検査終了後に自動的に排出される。
ステージ214の上方に配置されている光源211から照射される光束は、照明光学系212を介して試料213を照射する。試料213の下方には、拡大光学系215及びセンサ回路216が配置されており、露光用マスクなどの試料213を透過した透過光は拡大光学系215を介してセンサ回路216のセンサ面に結像される。拡大光学系215は図示しない自動焦点機構により自動的に焦点調整がなされていてもよい。
センサ回路216には、TDIセンサのようなセンサが設置されている。ステージ214をX軸方向に連続的に移動させることにより、TDIセンサは試料213のパターンを撮像する。この撮像データは、被検査パターン画像データとして比較回路207に送られる。この被検査パターン画像データは例えば8ビットの符号なしデータであり、各画素の明るさの階調を表現している。
比較回路207では、試料213から得られる透過画像に対して、データ展開回路205と参照回路206で生成した検査基準パターン画像と、センサ回路216で生成された被検査パターン画像を取り込み、検査基準パターン画像を補正した後に所定のアルゴリズムに従って比較し、欠陥の有無を判定する。
また、上記装置では、試料から得られる画像として透過画像を取得する例を示したが、試料から反射されるパターンを撮像したいわゆる反射画像とすることもできる。このような装置は、図2において、照明光学系212と試料213との間に、ビームスプリッタを配置し、ビームスプリッタから導出される光を拡大光学系で集光してセンサ回路によって画像に変換することによって実現することができる。
最初に、処理の便宜のため画像を適当に領域分割する。例えば図3のように格子状の領域に8x8分割する。また、検査対象画素は図3の領域(6,4)に存在するものとする。ここで各領域毎に光学画像と参照画像との間の変動量をパラメータとして求める。
このステップでは、最初に、光学画像を2次元入力データ、参照画像を2次元出力データと見なして2次元入出力線形予測モデルを設定するプロセスである。この方法について説明する。ここでは、5×5画素の領域を用いた5×5次の2次元線形予測モデルを例にとって説明する。
式(1)におけるb00〜b44は、同定すべきモデルパラメータであり、ε(i,j)はノイズである。
次のステップは、前記ステップで設定した連立方程式を解することによってパラメータbを求めるステップである(モデルパラメータの同定)。
すなわち、式(1)をベクトルで表すと、
となるように、まとめられる。従って、参照画像と光学画像の座標i, jを走査して25組のデータを連立させればモデルパラメータbを同定できることになる。
実際には統計的観点から、式(3)のようにn(>25)組のデータを用意して、次のような最小2乗法に基づいて25次元の連立方程式を解き、αを同定する。
ここで、A=[x1,x2,…xn]T 、y=[y1,y2,…yn]T 、xk T α= yk (k=1,2,…n)である。
例えば、参照画像と光学画像がそれぞれ512×512画素であれば、5×5次のモデルの走査によって画像の周囲を2画素ずつ減らされるので、
ここで、変動量を評価する基準は、上記方法以外の方法を用いることが可能である。
例えば、参照画像と光学画像の差画像を求め、差画像の各画素値を1次元に並べて変動ベクトルP(x,y)とする等の方法が挙げられる。
また、変動類似性Qの定義として、前記式(5)以外の手法、すなわち、P(6,4)とP(x,y)の間のマハラノビス距離等の手法を用いることも可能である。
前記ステップで求められるQ(x,y)を小さい順に並べ、小さい順に優先順位を各領域に割り当てる。ただし、Q(x,y)が、あらかじめ用意されたしきい値よりも大きい領域は比較不適として優先順位を割り当てない(図4参照)。これによって、処理時間の短縮を図ることができる。ここで、x、yは、前記図3で示した格子状の領域(図3においては、8×8の領域)の行方向及び列方向の数であり、図3においてはx、y=8である。
まず、検査対象画素近傍と同じ図形パターンを、最大k個探し出す。このステップは、検査対象画素のパターンデータと同一のパターンデータを有する画素を、CAD等の設計データから求め、この領域に対応する比較対象領域について、前述の優先順位決定ステップで決定された順番に、各領域を検索する。ここで、領域(x,y)から検査対象画素近傍と同じ図形パターンを検索するには、例えば次のような方法がある。領域(x,y)に属する点を1/8画素単位で全て列挙する。この点列を注目点列{Cn}とする。Ci(i=0,..,n)を中心として15×15画素の矩形領域を参照画像から抜き出し、検査対象画素を中心として参照画像から抜き出された15×15画素の矩形領域との間で、両矩形に属する画素間の累積2乗差異を算出し、累積2乗差異が予め定められたしきい値以下であれば同じパターンとみなし、点列{Dm}に加える。点列{Dm}の中にシティブロック距離でDiとDjが7画素以下であるような点Di,Dj(i<j)が存在すればDjを点列{Dm}から削除する。このようにして最終的に得られた点列を{Em}とする。この{Em}に含まれる点が領域(x,y)から検索された、検査対象画素近傍と同じ図形パターンの中心座標である。さらに、{Em}の先頭からk+1番目以降の要素を削除する。このようにして得られた図形パターンの中心点列を{Fl}(l≦k)とする。
そして、Hが予め定められたしきい値以上であれば欠陥、そうでなければ非欠陥と判定する。このしきい値は、どの程度の欠陥まで検出したいかによって、ユーザーが必要に応じて決定することができる。
また、上記方法において、検査対象の光学画像としては、透過画像であっても良いし、反射画像であっても良い。また、上記画素領域は、パターンのピッチ相当の領域であっても良いし、センサの1フレーム領域であっても良い。
202…信号伝送路
203…ステージ制御回路
204…データメモリ
205…データ展開回路
206…参照回路
207…比較回路
210…駆動装置
211…光源
212…照明光学系
213…試料
214…ステージ
215…拡大光学系
216…センサ回路
Claims (3)
- 検査対象であるレチクルのパターンを撮像して形成した光学画像と、該パターンの設計データに基づいて形成した参照画像を用いて比較検査するパターン検査方法であって、
任意の検査対象画素領域と該検査対象画素領域に対応する該参照画像の画素領域間の変動、及び該検査対象画素領域以外の画素領域における該光学画像とこれに対応する参照画像間の変動の非類似性を算出する変動非類似性算出ステップと、
前記変動非類似性算出ステップで求めた変動非類似性のデータを元に、該検査対象画素領域と比較する該光学画像内の他の画素領域に、比較対象画素領域として優先順位を設定する優先順位設定ステップと、
該検査対象画素領域と設計上同一のパターンを有する画素領域を、該光学画像の該比較対象画素領域から選定し、該検査対象画素領域の光学画像と、この選定された比較対照画素領域の光学画像を、前記ステップで決定された優先順位に従って相互比較することにより、欠陥を検出する比較検査ステップとを備えたことを特徴とする欠陥検出方法。 - 前記変動非類似性を算出するステップが、光学画像、及び参照画像に対して2次元線形予測モデルを用いた入出力関係を記述する連立方程式を生成する連立方程式生成ステップと、
前記入出力関係を記述した連立方程式を最小二乗法で推定して前記連立方程式のパラメータを求める連立方程式解法ステップとからなることを特徴とする請求項1に記載の欠陥検出方法。 - 前記優先順位設定ステップにおいて、任意の他の比較対象領域の変動非類似性が所定のレベルを超えた場合には、当該領域を比較対象外の画像と設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の欠陥検出方法。
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