JP2010151278A - 車輪用軸受およびこれを備えた車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外方部材の肉厚の最適化を図って軽量・コンパクト化と低コスト化を図ると共に、軸受の耐久性の向上を図った車輪用軸受およびこれを備えた車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】外方部材7と内輪8がパイプ材から塑性加工によって形成され、外方部材7の外径7bに環状凹部29が形成され、この繋ぎ部31が外側転走面7aの曲率中心と略同心で所定の曲率半径Rからなる円弧状に形成されると共に、内輪8の大径側の内径面8dが内側転走面8aの曲率中心と略同心の円弧状に形成され、外方部材7と内輪8が略均等な肉厚に設定され、通常走行で考えられる旋回加速度の条件の下で、各転走面が受ける最大接触面圧が3000MPa以下の場合に、外方部材7の溝底部の肉厚Tmoと接触角方向の肉厚Tsoが、内輪8の肉厚Tmi、Tsiよりも大きく(Tmo≧Tmi、Tso≧Tsi)なるように設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車等の車両の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受、詳しくは、軽量・コンパクト化と低コスト化を図ると共に、軸受の耐久性の向上を図った車輪用軸受およびこれを備えた車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外方部材回転の両方式が一般的に採用されている。この車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
従来から、一般的な第1世代のアンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受として、図6に示すものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この車輪用軸受50は、内周に複列の円弧状の外側転走面51aが一体に形成された外方部材51と、外周に複列の外側転走面51a、51aに対向する円弧状の内側転走面52aが形成された一対の内輪52、52と、これら内輪52と外方部材51の両転走面間に保持器53を介して転動自在に収容された複列のボール54、54とを備え、内輪52の小径側端面52b、52bが突合せ状態で衝合して背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成している。そして、外方部材51の両端部にシール55、55が装着されると共に、内輪52の外径に摺接され、軸受内部に封入されたグリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等の異物が軸受内部に侵入するのを防止している。
また、アンギュラ玉軸受で構成された、図7に示す軽量化した車輪用軸受も知られている(例えば、特許文献2参照。)。この車輪用軸受59は、外方部材60と内輪61がパイプ材から冷間のローリング加工によって形成され、外方部材60の外径の中央部を凹ませて環状凹部56が形成され、内周に環状凸部57がフラット形状に形成されている。そして、外方部材60の外径と環状凹部56の繋ぎ部の曲率半径Rが、ボール54の半径をRwとした時、R=1.5〜1.8Rwの範囲となる円弧状に形成され、この部位が略均等な肉厚に設定されている。これにより、肩部58に亀裂が発生するのを防止し、かつ、旋回モーメント負荷時にボール54の接触楕円が肩部58を乗り上げてエッジロードが発生するのを防止することができ、軸受の耐久性を向上させることができる。ここで、エッジロードとは、角部等に発生する過大な応力集中のことで、早期剥離の要因の一つとなる事象を言う。
特開2007−120771号公報 特開2008−256073号公報
車両が走行時にスリップ等で縁石に側方からタイヤが衝突した際、こうした車輪用軸受50、59には衝撃的なモーメント荷重が負荷される。この場合、内輪52、61、また、外方部材51、60にも負荷されるが、特に、内輪52、61に対して外方部材51、60は軸心からの寸法が大きい分、このモーメント荷重が大きくなり、内輪52、61に比べ外方部材51、60の方が破損する割合が高い。
然しながら、車輪用軸受59では、外方部材60と内輪61は均等な肉厚に形成され、その肉厚が略均等に設定されているため、外方部材60が破損する恐れが高くなる。ここで、外方部材60と内輪61の肉厚を厚くして強度・剛性を高めれば良いが、これでは、軽量化に逆行すると共に、加工性が低下し、精度低下を招来して好ましくない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、外方部材の肉厚の最適化を図って軽量・コンパクト化と低コスト化を図ると共に、軸受の耐久性の向上を図った車輪用軸受およびこれを備えた車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列のボールとを備え、前記内輪の小径側端面が突合せ状態で衝合し、背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受において、前記外方部材と内輪がパイプ材から塑性加工によって形成され、前記外方部材の外径の中央部を凹ませて環状凹部が形成され、前記外径と環状凹部の繋ぎ部が前記外側転走面の曲率中心と略同心で所定の曲率半径からなる円弧状に形成されると共に、前記外方部材が略均等な肉厚に設定され、通常走行で考えられる旋回加速度の条件の下で、各転走面が受ける最大接触面圧が3000MPa以下の場合に、当該外方部材の溝底部の肉厚Tmoが、前記内輪の溝底部の肉厚Tmiよりも大きく(Tmo≧Tmi)なるように設定されている。
このように、背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受において、外方部材と内輪がパイプ材から塑性加工によって形成され、外方部材の外径の中央部を凹ませて環状凹部が形成され、外径と環状凹部の繋ぎ部が外側転走面の曲率中心と略同心で所定の曲率半径からなる円弧状に形成されると共に、外方部材が略均等な肉厚に設定され、当該外方部材の溝底部の肉厚Tmoが、内輪の溝底部の肉厚Tmiよりも大きく(Tmo≧Tmi)なるように設定されているので、軽量・コンパクト化と低コスト化を図ると共に、内輪の所定の強度を確保しつつ、外方部材の破損強度を高め、耐久性を向上させることができ、軸受の耐久性の向上を図った車輪用軸受を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記繋ぎ部の曲率半径Rが、前記ボールの半径をRwとした時、R=1.5〜1.8Rwの範囲になるように設定されていれば、肉厚が薄くなり剛性が低下することもなく、また、肉厚が厚くなり塑性加工の加工性が低下することもない。
また、請求項3に記載の発明のように、前記内輪の大径側の内径面が前記内側転走面の曲率中心と略同心の円弧状に形成され、当該内輪の肉厚が略均等になるように設定されると共に、前記外方部材の接触角方向の肉厚Tsoが、前記内輪の接触角方向の肉厚Tsiよりも大きく(Tso≧Tsi)なるように設定されていれば、車輪用軸受に衝撃的なモーメント荷重が負荷されても、外方部材の破損強度を高め、耐久性を向上させることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記外方部材の接触角方向の肉厚Tsoが、前記溝底部の肉厚Tmoよりも大きく設定(Tso>Tmo)されていれば、この種の薄肉形状の外方部材において、効果的に強度を高めることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記内輪の接触角方向の肉厚Tsiが、前記溝底部の肉厚Tmiよりも大きく設定(Tsi>Tmi)されていれば、この種の薄肉形状の内輪において、効果的に強度を高めることができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記外方部材と内輪が、パイプ材から冷間のローリング加工によって形成されていれば、肉厚を略均等にすることができると共に、形状、寸法を所定の精度に確保することができる。
また、本発明のうち請求項7に記載の発明は、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪と、このハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入され、ナックルに内嵌された前記請求項1乃至6いずれかに車輪用軸受とを備え、前記ハブ輪に等速自在継手の外側継手部材がセレーションを介して内嵌され、前記一対の内輪が前記ハブ輪の肩部と前記外側継手部材の肩部とで挟持され、所定の軸受予圧が付与されている。
このように、第1世代構造の車輪用軸受装置において、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪と、このハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された前記請求項1乃至6いずれかの車輪用軸受とを備え、前記ハブ輪に等速自在継手の外側継手部材がセレーションを介して内嵌され、前記一対の内輪が前記ハブ輪の肩部と前記外側継手部材の肩部とで挟持され、所定の軸受予圧が付与されているので、軸受剛性が高くなると共に、軸受の転がり疲労寿命が向上した駆動輪用の車輪用軸受装置となる。
また、請求項8に記載の発明のように、前記外方部材の接触角方向の作用線上で、前記外方部材の外径と前記ナックルとの間に空間が設けられ、または/および前記内輪の大径側の内径面が前記内側転走面の曲率中心と略同心の円弧状に形成され、接触角方向の作用線上で、前記大径側の内径面と前記ハブ輪の小径段部との間に空間が設けられていれば、軽量化を図ることができる。
また、請求項9に記載の発明のように、前記内輪の前記ハブ輪の小径段部との嵌合幅Aが、接触角方向の作用線と嵌合部との交点間距離Bよりも小さく、かつ前記複列のボール間ピッチPよりも大きく設定(P<A<B)されていれば、軽量化を図りつつハブ輪と内輪との間のクリープを防止するのに充分な嵌合力を確保することができる。
また、請求項10に記載の発明のように、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジの内径部と外径部から軸方向に延びる軸受嵌合部およびブレーキドラム部がそれぞれ形成されたハブドラムと、ハブドラムの軸受嵌合部に所定のシメシロを介して圧入内嵌された前記請求項1乃至6いずれかの車輪用軸受とを備え、前記射利ン用軸受が懸架装置のスピンドルの嵌合面に外嵌され、前記一対の内輪が前記スピンドルの肩部と固定ナットとで挟持され、所定の軸受予圧が付与されているので、第1世代構造の車輪用軸受装置において、軸受剛性が高くなると共に、軸受の転がり疲労寿命が向上した従動輪用の車輪用軸受装置となる。
また、請求項11に記載の発明のように、前記外方部材の接触角方向の作用線上で、前記外方部材の外径と前記ハブドラムとの間に空間が設けられ、または/および前記内輪の大径側の内径面が前記内側転走面の曲率中心と略同心の円弧状に形成され、接触角方向の作用線上で、前記大径側の内径面と前記スピンドルの嵌合面外径との間に空間が設けられていれば、軽量化を図ることができる。
本発明に係る車輪用軸受は、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列のボールとを備え、前記内輪の小径側端面が突合せ状態で衝合し、背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受において、前記外方部材と内輪がパイプ材から塑性加工によって形成され、前記外方部材の外径の中央部を凹ませて環状凹部が形成され、前記外径と環状凹部の繋ぎ部が前記外側転走面の曲率中心と略同心で所定の曲率半径からなる円弧状に形成されると共に、前記外方部材が略均等な肉厚に設定され、通常走行で考えられる旋回加速度の条件の下で、各転走面が受ける最大接触面圧が3000MPa以下の場合に、当該外方部材の溝底部の肉厚Tmoが、前記内輪の溝底部の肉厚Tmiよりも大きく(Tmo≧Tmi)なるように設定されているので、軽量・コンパクト化と低コスト化を図ると共に、内輪の所定の強度を確保しつつ、外方部材の破損強度を高め、耐久性を向上させることができ、軸受の耐久性の向上を図った車輪用軸受を提供することができる。
内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列のボールとを備え、前記内輪の小径側端面が突合せ状態で衝合し、背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受において、前記外方部材と内輪がパイプ材から塑性加工によって形成され、前記外方部材の外径の中央部を凹ませて環状凹部が形成され、前記外径と環状凹部の繋ぎ部が前記外側転走面の曲率中心と略同心で所定の曲率半径からなる円弧状に形成されると共に、前記内輪の大径側の内径面が前記内側転走面の曲率中心と略同心の円弧状に形成され、前記外方部材と内輪が略均等な肉厚に設定され、通常走行で考えられる旋回加速度の条件の下で、各転走面が受ける最大接触面圧が3000MPa以下の場合に、当該外方部材の溝底部の肉厚Tmoと接触角方向の肉厚Tsoが、前記内輪の溝底部の肉厚Tmiと接触角方向の肉厚Tsiよりもそれぞれ大きく(Tmo≧Tmi、Tso≧Tsi)なるように設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の車輪用軸受を示す拡大図、図3(a)は、図2の外方部材単体を示す縦断面図、(b)は、図2の内輪単体を示す縦断面図、図4は、本発明に係る外方部材の製造工程を示す説明図、図5は、本発明に係る車輪用軸受装置の他の実施形態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は第1世代構造をなし、ハブ輪1と、このハブ輪1に装着される車輪用軸受2とを備えている。ハブ輪1には等速自在継手3がトルク伝達自在に内嵌され、固定ナット4を介してハブ輪1と等速自在継手3が分離可能に一体化されている。
ハブ輪1は、アウター側の一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ5を有し、外周にこの車輪取付フランジ5から肩部1aを介して軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。このハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、鍛造後に熱処理はされず組織は生のままである。また、曲げ強度に対する疲労強度増加のために鍛造後に調質処理を行う方法や、肩部1aから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理をしても良い。
等速自在継手3は、外側継手部材15と継手内輪16とケージ17およびトルク伝達ボール18を備えている。外側継手部材15は、カップ状のマウス部19と、このマウス部19の底部となる肩部20と、この肩部20から軸方向に延びる軸部21を一体に有している。軸部21の外周にはハブ輪1のセレーション1cに係合するセレーション21aと、このセレーション21aの端部に雄ねじ21bが形成されている。
車輪用軸受2は、外方部材7と一対の内輪8、8と、両部材間に収容された複列のボール10、10とを備え、外方部材7が懸架装置を構成するナックル6に内嵌されると共に、一対の内輪8、8がハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、内輪8、8の小径側(正面側)端面8b、8bが突合せ状態で衝合され、所謂背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成している。また、外側継手部材15の肩部20が内輪8の大径側(背面)端面8cと衝合するまでハブ輪1に外側継手部材15がセレーション1c、21aを介して内嵌されると共に、一対の内輪8、8がハブ輪1の肩部1aと外側継手部材15の肩部20に挟持された状態で固定されている。さらに、雄ねじ21bに固定ナット4を所定の締付トルクで緊締することにより所定の軸受予圧が付与されている。これにより、軸受剛性が高くなると共に、軸受の転がり疲労寿命が向上した駆動輪用の車輪用軸受装置となる。
車輪用軸受2は、図2に拡大して示すように、外方部材7の内周に複列の円弧状の外側転走面7a、7aが形成されると共に、外周にこれら複列の外側転走面7a、7aに対向する円弧状の内側転走面8a、8aが一対の内輪8、8にそれぞれ形成されている。そして、両転走面間に保持器9、9を介して転動自在に複列のボール10、10が収容されると共に、外方部材7と内輪8との間に形成される環状空間の開口部にシール11、12が装着され、軸受内部に封入されたグリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等の異物が軸受内部に侵入するのを防止している。
アウター側のシール11は、外方部材7の両端部に形成された円筒状の嵌合部13に圧入される芯金22と、この芯金22に加硫接着等により一体に接合され、ニトリルゴム等のエラストマからなるシール部材23とからなる一体型のシールを構成している。芯金22は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面が略L字状に形成されている。また、シール部材23は、内輪8の肩部14に所定のシメシロを介して摺接される一対のラジアルリップ23a、23bを備えている。
インナー側のシール12は、断面略L字状に形成された環状のシール板24とスリンガ25とからなる、所謂パックシールを構成している。シール板24は、外方部材7の嵌合部13に圧入される芯金26と、この芯金26に一体に加硫接着されたシール部材27とからなる。芯金26は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面が略L字状に形成されている。また、シール部材27は、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ27aと、二股状に形成されたグリースリップ27bと中間リップ27cとを備えている。
一方、スリンガ25は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)やフェライト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面が略L字状に形成され、内輪8の肩部14に圧入される円筒部25aと、この円筒部25aから径方向外方に延びる立板部25bとからなる。そして、シール部材27のサイドリップ27aが立板部25bに摺接されると共に、グリースリップ27bと中間リップ27cが円筒部25aにそれぞれ摺接されている。
ここで、外方部材7および内輪8は、SUJ2等の軸受鋼やSCr420やSCM415等の浸炭鋼からなるパイプ材をプレス加工または冷間のローリング加工(以下、塑性加工という)によって形成されている。具体的には、図4(a)に示すように、鋼材バー32から所定の寸法に切断されたビレット33を熱間鍛造および旋削加工により素材となるパイプ材34に形成されるか、(b)に示すように、鋼管35を所定の寸法に切断して素材となるパイプ材36に形成されている。このような工程で製作されたパイプ材34、36が、(c)に示すように、外方部材7の場合、内周金型37に外挿された状態で、内周金型37と外周金型38との間に挟持されると共に、両金型37、38を互いに逆方向に回転させながら接近させることにより、パイプ材34、36が所定の形状・寸法に成形される。ここで、素材となるパイプ材34、36が両金型37、38によって薄肉化され、これに伴い、幅方向にも圧延されるが、外周金型38の鍔部38aで両端面を規制することにより、より高精度な外方部材7を製作することができる。
そして、SUJ2はズブ焼や高周波焼入れ、浸炭鋼は浸炭焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。外方部材7および内輪8の材質としてこれ以外にも、SUS440C等のステンレス鋼やS53C等の炭素鋼を例示することができる。
一方、炭素鋼の場合、少なくとも外方部材7においては複列の外側転走面7a、7aが高周波焼入れによる全体加熱によって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されると共に、内輪8においては内側転走面8aが高周波焼入れによる全体加熱によって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施される。そして、これらの両転走面7a、8aは、研削加工によって所定の寸法、精度に形成され、その後、必要に応じて超仕上げ加工が施される。
次に、図3を用いて、外方部材7および内輪8の構成について詳細に説明する。
外方部材7は、(a)に示すように、素材となるパイプ材から塑性加工により、内周に径方向内方に突出する環状凸部28と、この環状凸部28の両側に複列の円弧状の外側転走面7a、7aが形成されると共に、両端部にシール11、12の嵌合部13、13が形成される。そして、複列の外側転走面7a、7aをはじめ、嵌合部13は、塑性加工後の熱処理後に研削加工によって所定の寸法、精度に形成される。なお、塑性加工でバリが発生する両端面は加工後に旋削加工され、必要に応じてさらに熱処理後に研削加工が施される。これにより、生産性が向上して歩留まりが良く、また、低コスト化ができると共に、従来の軸受と同等の精度や密封性を確保することができる。
ここで、外側転走面7aから環状凸部28の肩高さを適切に確保するために、外方部材7の塑性加工時、環状凸部28の内径をフラット形状に形成すると共に、外方部材7の中央部を凹ませて環状凹部29を形成し肩部30に素材を充足させるようにしている。
また、外方部材7の外径7bと環状凹部29との繋ぎ部31の曲率半径Rが所定の範囲になるように設定され、外方部材7の接触角α方向の作用線上で、外方部材7の外径7bとナックル6との間に空間が設けられている。具体的には、繋ぎ部31と外側転走面7aの曲率中心とが略同一位置になるように設定されると共に、ボール10の半径をRwとした時、この曲率半径R=1.5〜1.8Rwの範囲に設定されている。これにより、この部位の肉厚が略均等に形成できると共に、肩部30に亀裂が発生するのを防止し、かつ、旋回モーメント負荷時にボール10の接触楕円が肩部30を乗り上げてエッジロードが発生するのを防止することができ、軸受の耐久性を向上させた車輪用軸受2を提供することができる。
なお、繋ぎ部31の曲率半径Rがボール10の半径Rwの1.5倍より小さい場合、肉厚が薄くなり剛性が低下してモーメント負荷時の応力に耐えられず、また、ボール10の半径Rwの1.8倍を超えた場合、肉厚が厚くなり塑性加工の加工性が低下するだけでなく、従来の鍛造成形品と大差ない形状となって軽量・コンパクト化に総じて寄与しなくなるためである。ここで、略均等とは、成形前のパイプ材の肉厚が均等であり、繋ぎ部31も円弧を形成する目的以外に特に塑性流動させることなく成形を行った結果得られた形状の肉厚の状態を意味し、繋ぎ部31の円弧を形成する際の材料の肉の変位により僅かに肉薄となったり肉厚となる状態は含むことを意味する。
一方、内輪8は、(b)に示すように、素材となるパイプ材から塑性加工により、外周に円弧状の内側転走面8aと、この内側転走面8aから軸方向に延びる円筒状の肩部14が形成される。ここで、この肩部14はアウター側のシール11のシールランド部、およびインナー側のシール12の嵌合面となり、塑性加工後の熱処理後に内側転走面8aと同時に総形砥石によって研削加工され、所定の寸法、精度に形成される。なお、外方部材7と同様、塑性加工でバリが発生する両端面は加工後に旋削加工され、必要に応じてさらに熱処理後に研削加工が施される。これにより、生産性が向上して歩留まりが良く、また、低コスト化ができると共に、従来の軸受と同等の精度や密封性を確保することができる。
一般的に、内輪の内側転走面は外方部材の外側転走面と異なり、内輪の内側転走面の曲率半径が外方部材の外側転走面の曲率半径よりも小さく設定されているが、車両の旋回走行時に各転走面が受ける接触面圧は、内輪の内側転走面はボールと凸同士の接触状態となるため、内輪の方が外方部材よりも高くなる。そのため、特に、薄肉の内輪および外方部材を使用した場合、旋回走行時に各転走面が受ける接触面圧により、外方部材の外径側と内輪の内径側のそれぞれ接触角方向の作用線上の応力が破損する限界値以下でなければならない。したがって、接触角方向の肉厚においては、内輪の肉厚と外方部材の肉厚が等しいか、僅かに内輪の方が外方部材に比べ肉厚になるように設定されている。
然しながら、通常走行で考えられる旋回G(加速度)の条件の下では、本出願人が検証した結果では、各転走面が受ける最大接触面圧が3000MPa以下の場合に、内輪の接触角方向の作用線上の内径側の方が応力振幅が充分小さく、例えば、SUS2等の軸受鋼では、焼入れ後研削加工なし品で疲労限値が610MPa以下である。また、車輪用軸受に衝撃的なモーメント荷重が負荷された場合に、内輪が破損しない限界値は、例えば、SUS2等の軸受鋼では、焼入れ焼戻し後の引張強度1800MPa以下となる。ここで、本実施形態では、このような強度を備えた内輪8で、外方部材7の接触角α方向の肉厚Tsoを内輪8の接触角α方向の肉厚Tsiよりも厚くなるように設定されている(Tso≧Tsi)。これにより、内輪8の所定の強度を確保しつつ、車輪用軸受2に衝撃的なモーメント荷重が負荷されても外方部材7の破損強度を高め、耐久性を向上させることができる。
また、外方部材7と内輪8の溝底部の肉厚Tmo、Tmiにおいても、外方部材7の溝底部の肉厚Tmoが、内輪8の溝底部の肉厚Tmiよりも厚くなるように設定されている(Tmo≧Tmi)。これにより、外方部材7の破損強度を高め、耐久性を向上させることができる。この種の薄肉形状の外方部材7および内輪8では、各転走面7a、8aの溝底部の肉厚Tmo、Tmiよりも、接触角方向の肉厚Tso、Tsiの方が強度に関しては支配的であるため、外方部材7の接触角α方向の肉厚Tsoが、溝底部の肉厚Tmoよりも大きく設定されている(Tso>Tmo)。同様に、内輪8の接触角α方向の肉厚Tsiが、溝底部の肉厚Tmiよりも大きく設定されている(Tsi>Tmi)。
因みに、本出願人は、車輪用軸受の従来形状品に対し、外方部材と内輪のうちどちらか一方を薄肉形状に組み替え、各剛性の比較試験を実施したところ、図6に示す従来形状に対し、外方部材の方を薄肉形状にした方が、内輪を薄肉形状にした時よりも剛性の低下割合が大きくなることが判った。すなわち、外方部材を薄肉化するに当り、外方部材の肉厚を内輪の肉厚よりも厚くする方が軸受剛性の低下を効果的に抑えることができ、操縦安定性を向上させることができる。さらに、回転側となる内輪を外方部材よりも薄肉化して軽量化を図った方が、回転による慣性力が減少し、車輪回転の加減速がスムーズになって操縦安定性を向上させることができる。
また、本実施形態では、内輪8の大径側の内径面8dが内側転走面8aの曲率中心と略同心の円弧状に形成され、内輪8の肉厚が略均等になるように設定されると共に、接触角α方向の作用線上で、この大径側の内径面8dとハブ輪1の小径段部1bとの間に空間が設けられ、図2に示すように、内輪8の嵌合部(ハブ輪1の小径段部1b)との嵌合幅Aが、接触角α方向の作用線と嵌合部との交点間距離Bよりも小さく、かつ車輪用軸受2の複列のボール10間ピッチPよりも大きく設定されている。これにより、軽量化を図りつつ、ハブ輪1と内輪8との間のクリープを防止するのに充分な嵌合力を確保することができる。ここで、クリープとは、嵌合シメシロ不足や嵌合面の加工精度不良等により軸受が周方向に微動して嵌合面が鏡面化し、場合によってはかじりを伴い焼付きや溶着する現象をいう。
図5に、本発明に係る車輪用軸受装置の他の実施形態を示す。この車輪用軸受装置も第1世代構造をなし、ハブドラム39と、このハブドラム39に内嵌される車輪用軸受2とを備えている。車輪用軸受2は、懸架装置のスピンドル40に外嵌され、固定ナット4を介して車輪用軸受2とスピンドル40が分離可能に一体化されている。なお、この実施形態は、前述したものと車輪用軸受2の構成は同じであり、その他同一部品や部位には同じ符号を付けて重複した説明を省く。
ハブドラム39は、アウター側の一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ5を有し、ハブフランジ5の外径部から軸方向に延びる円筒状のブレーキドラム部39aが形成されると共に、ハブフランジ5の内径部から軸方向に延びる円筒状の軸受嵌合部39bが形成されている。このハブドラム39はねずみ鋳鉄や球状黒鉛鋳鉄等の鋳鉄で形成されている。ブレーキドラム部39aにはブレーキシュー(図示せず)が押し付けられ、制動力が生じる。また、軸受嵌合部39bのインナー側の内径には、止め輪装着溝42が設けられ、止め輪41が装着されることで、軸受嵌合部39bに所定のシメシロを介して圧入された車輪用軸受2の抜け防止となっている。
スピンドル40は、インナー側に肩部43と、この肩部43から軸方向に延びる軸部44と、この軸部44の端部に雄ねじ21bがそれぞれ形成されている。このスピンドル40は、懸架装置の端部に、懸架装置とは別の部品としてねじ止め固定、または溶接等の接合手段で一体の部品として設けられている。
ハブドラム39に圧入された車輪用軸受2は、肩部43と衝合するまでスピンドル40
に外嵌されると共に、一対の内輪8、8がスピンドル40の肩部43と固定ナット4に挟持された状態で固定されている。さらに、雄ねじ21bに固定ナット4を所定の締付トルクで緊締することにより所定の軸受予圧が付与されている。これにより、軸受剛性が高くなると共に、軸受の転がり疲労寿命が向上した外方部材が回転する従動輪用の車輪用軸受装置となる。
ここで、本実施形態では、前述した実施形態と同様、外方部材7の溝底部の肉厚Tmoと接触角方向の肉厚Tsoが、内輪8の溝底部の肉厚Tmiと接触角方向の肉厚Tsiよりもそれぞれ大きく(Tmo≧Tmi、Tso≧Tsi)なるように設定されているので、内輪8の所定の強度を確保しつつ、車輪用軸受2に衝撃的なモーメント荷重が負荷されても外方部材7の破損強度を高め、耐久性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、一端部に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪と、このハブ輪に圧入された一対の内輪とを備えた第1世代構造の車輪用軸受装置、および一端部に車輪取付フランジを一体に有するハブドラムと、このハブドラムに圧入された一対の内輪とを備えた第1世代構造の車輪用軸受装置に適用できる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の車輪用軸受を示す拡大図である。 (a)は、図2の外方部材輪単体を示す縦断面図である。 (b)は、同上、内輪単体を示す縦断面図である。 本発明に係る外方部材の製造工程を示す説明図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の他の実施形態を示す縦断面図である。 従来の車輪用軸受を示す縦断面図である。 他の従来の車輪用軸受を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、14、20、30、43・・・肩部
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c、21a・・・・・・・・・・・セレーション
2・・・・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
5・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
6・・・・・・・・・・・・・・・・ナックル
7・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
7a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
7b・・・・・・・・・・・・・・・外径
8・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
8a・・・・・・・・・・・・・・・内側転走面
8b・・・・・・・・・・・・・・・小径側端面
8c・・・・・・・・・・・・・・・大径側端面
8d・・・・・・・・・・・・・・・大径側の内径面
9・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・・・・・ボール
11・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
12・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
13・・・・・・・・・・・・・・・嵌合部
15・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
16・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
17・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
18・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
19・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
21、44・・・・・・・・・・・・軸部
21b・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
22、26・・・・・・・・・・・・芯金
23、27・・・・・・・・・・・・シール部材
23a、23b・・・・・・・・・・ラジアルリップ
24・・・・・・・・・・・・・・・シール板
25・・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
25a・・・・・・・・・・・・・・円筒部
25b・・・・・・・・・・・・・・立板部
27a・・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
27b・・・・・・・・・・・・・・グリースリップ
27c・・・・・・・・・・・・・・中間リップ
28・・・・・・・・・・・・・・・環状凸部
29・・・・・・・・・・・・・・・環状凹部
31・・・・・・・・・・・・・・・繋ぎ部
32・・・・・・・・・・・・・・・鋼材バー
33・・・・・・・・・・・・・・・ビレット
34、36・・・・・・・・・・・・パイプ材
35・・・・・・・・・・・・・・・鋼管
37・・・・・・・・・・・・・・・内周金型
38・・・・・・・・・・・・・・・外周金型
38a・・・・・・・・・・・・・・鍔部
39・・・・・・・・・・・・・・・ハブドラム
39a・・・・・・・・・・・・・・ブレーキドラム部
39b・・・・・・・・・・・・・・軸受嵌合部
40・・・・・・・・・・・・・・・スピンドル
41・・・・・・・・・・・・・・・止め輪
42・・・・・・・・・・・・・・・止め輪装着溝
50、59・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
51、60・・・・・・・・・・・・外方部材
51a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
52、61・・・・・・・・・・・・内輪
52a・・・・・・・・・・・・・・内側転走面
52b・・・・・・・・・・・・・・小径側端面
53・・・・・・・・・・・・・・・保持器
54・・・・・・・・・・・・・・・ボール
55・・・・・・・・・・・・・・・シール
56・・・・・・・・・・・・・・・環状凹部
57・・・・・・・・・・・・・・・環状凸部
58・・・・・・・・・・・・・・・肩部
A・・・・・・・・・・・・・・・・内輪の嵌合部との嵌合幅
B・・・・・・・・・・・・・・・・接触角方向の作用線と嵌合部との交点間距離
P・・・・・・・・・・・・・・・・複列のボール間ピッチ
R・・・・・・・・・・・・・・・・曲率半径
Rw・・・・・・・・・・・・・・・ボールの半径
Tmi・・・・・・・・・・・・・・内輪の溝底部の肉厚
Tmo・・・・・・・・・・・・・・外方部材の溝底部の肉厚
Tsi・・・・・・・・・・・・・・内輪の接触角方向の肉厚
Tso・・・・・・・・・・・・・・外方部材の接触角方向の肉厚
α・・・・・・・・・・・・・・・・接触角

Claims (11)

  1. 内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、
    これら内輪と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列のボールとを備え、
    前記内輪の小径側端面が突合せ状態で衝合し、背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受において、
    前記外方部材と内輪がパイプ材から塑性加工によって形成され、前記外方部材の外径の中央部を凹ませて環状凹部が形成され、前記外径と環状凹部の繋ぎ部が前記外側転走面の曲率中心と略同心で所定の曲率半径からなる円弧状に形成されると共に、前記外方部材が略均等な肉厚に設定され、通常走行で考えられる旋回加速度の条件の下で、各転走面が受ける最大接触面圧が3000MPa以下の場合に、当該外方部材の溝底部の肉厚Tmoが、前記内輪の溝底部の肉厚Tmiよりも大きく(Tmo≧Tmi)なるように設定されていることを特徴とする車輪用軸受。
  2. 前記繋ぎ部の曲率半径Rが、前記ボールの半径をRwとした時、R=1.5〜1.8Rwの範囲になるように設定されている請求項1に記載の車輪用軸受。
  3. 前記内輪の大径側の内径面が前記内側転走面の曲率中心と略同心の円弧状に形成され、当該内輪の肉厚が略均等になるように設定されると共に、前記外方部材の接触角方向の肉厚Tsoが、前記内輪の接触角方向の肉厚Tsiよりも大きく(Tso≧Tsi)なるように設定されている請求項1または2に記載の車輪用軸受。
  4. 前記外方部材の接触角方向の肉厚Tsoが、前記溝底部の肉厚Tmoよりも大きく設定(Tso>Tmo)されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受。
  5. 前記内輪の接触角方向の肉厚Tsiが、前記溝底部の肉厚Tmiよりも大きく設定(Tsi>Tmi)されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受。
  6. 前記外方部材と内輪が、パイプ材から冷間のローリング加工によって形成されている請求項1乃至5いずれかに記載の車輪用軸受。
  7. 一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪と、このハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入され、ナックルに内嵌された前記請求項1乃至6いずれかの車輪用軸受とを備え、前記ハブ輪に等速自在継手の外側継手部材がセレーションを介して内嵌され、前記一対の内輪が前記ハブ輪の肩部と前記外側継手部材の肩部とで挟持され、所定の軸受予圧が付与されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  8. 前記外方部材の接触角方向の作用線上で、前記外方部材の外径と前記ナックルとの間に空間が設けられ、または/および前記内輪の大径側の内径面が前記内側転走面の曲率中心と略同心の円弧状に形成され、接触角方向の作用線上で、前記大径側の内径面と前記ハブ輪の小径段部との間に空間が設けられている請求項7に記載の車輪用軸受装置。
  9. 前記内輪の前記ハブ輪の小径段部との嵌合幅Aが、接触角方向の作用線と嵌合部との交点間距離Bよりも小さく、かつ前記複列のボール間ピッチPよりも大きく設定(P<A<B)されている請求項7または8に記載の車輪用軸受装置。
  10. 一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジの内径部と外径部から軸方向に延びる軸受嵌合部およびブレーキドラム部がそれぞれ形成されたハブドラムと、ハブドラムの軸受嵌合部に所定のシメシロを介して圧入内嵌された前記請求項1乃至6いずれかの車輪用軸受とを備え、前記射利ン用軸受が懸架装置のスピンドルの嵌合面に外嵌され、前記一対の内輪が前記スピンドルの肩部と固定ナットとで挟持され、所定の軸受予圧が付与されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  11. 前記外方部材の接触角方向の作用線上で、前記外方部材の外径と前記ハブドラムとの間に空間が設けられ、または/および前記内輪の大径側の内径面が前記内側転走面の曲率中心と略同心の円弧状に形成され、接触角方向の作用線上で、前記大径側の内径面と前記スピンドルの嵌合面外径との間に空間が設けられている請求項10に記載の車輪用軸受装置。
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