JP2010150906A - 断熱防水構造及び断熱防水工法 - Google Patents

断熱防水構造及び断熱防水工法 Download PDF

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【課題】耐熱性に優れた樹脂発泡体を用いた構造物の断熱防水構造及び断熱防水工法を提供する。
【解決手段】断熱防水構造1は、構造物の下地面2に、少なくとも断熱材5及びゴム製シート6が積層されてなる。断熱材5は、芳香族ビニル単位とシアン化ビニル単位とからなる共重合体(A)、及び/又は芳香族ビニル単位と脂肪族カルボン酸誘導体単位とからなる共重合体(B)を含有する樹脂組成物を発泡させてなる。これにより、ゴム製シートを用いたシート防水において、耐熱性が要求される露出断熱接着工法を採用することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造物の下地面に適用される断熱防水構造及び断熱防水工法に関する。
従来より、コンクリート構造物の陸屋根やバルコニー、ベランダ、水槽類(蓄熱、受水、防火各槽など)において、断熱性及び防水性を付与するために、断熱材及び防水層が積層された断熱防水構造が適用されている。例えば、コンクリート構造物の陸屋根の下地面に、プライマーや接着剤などを介して断熱材が固定され、該断熱材に防水シートなどが貼り付けられて防水層が形成される構造が知られている(例えば、特許文献1から特許文献4)。
前述されたような断熱防水構造は、防水層にゴム製シートを用いるものがあり、一般に、シート防水と呼ばれている。シート防水には、断熱材や防水シートの固定に接着剤が用いられる接着工法と、ビスなどの留め具を用いて機械的に固定する機械式固定工法とがある。また、シート防水には、防水層が断熱防水構造の表層として露出されるものと、防水層の上にコンクリート板やウレタン舗装板などの保護層が積層されるものとがあり、一般に、前者が露出工法、後者が保護工法と称される。保護工法は、通常、歩行を目的としたコンクリート構造物の屋上やベランダなどに採用される。また、これら断熱防水構造の分類は、断熱材や防水シートの固定方法、保護層の有無によって、「露出断熱接着工法」、「保護断熱接着工法」、「露出断熱機械式固定工法」、「保護断熱機械式固定工法」に分類され得る。
断熱防水構造に用いられる断熱材として、架橋ポリエチレンフォーム、硬質ポリウレタンフォームが挙げられる。例えば、露出断熱接着工法では、夏場において、表皮となる防水シートの表面温度が最大で約80℃程度まで上昇するので、その防水シートから伝導される熱に対する耐熱性が要求される。
架橋ポリエチレンフォームは、前述された温度に耐え得る耐熱性を有するものの、断熱性が低く、また強度が低いというデメリットがある。硬質ポリウレタンフォームは、耐熱性が優れるものの、吸水性が高く、水が含浸した際に変形が大きいというデメリットがある。さらに、架橋ポリエチレンフォーム及び硬質ポリウレタンフォームとも、リサイクル性がなく、また、例えばポリスチレンフォームと比較して高価であるというデメリットがある。
一方、ポリスチレンフォームは、強度が高く、安価であり、リサイクル性もあるが、耐熱性に劣るというデメリットがある。
特開2006−57401号公報 特開2001−193230号公報 特開平9−228572号公報 特開平6−158800号公報
このような状況において、断熱防水構造に用いられる断熱材として、強度に優れ、安価でリサイクルが可能なポリスチレンフォームの利点と、耐熱性に優れた硬質ポリウレタンフォームの利点とを併せ持つものが待ち望まれている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性に優れた樹脂発泡体を用いた構造物の断熱防水構造及び断熱防水工法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述された課題を解決するために鋭意研究した結果、日照による加熱が大きい露出工法を採用した断熱防水構造が可能となる樹脂組成を見出し、その樹脂組成物を発泡させてなる発泡体を断熱材として用いることにより、本発明に係る断熱防水構造及び断熱防水工法を完成するに至った。
(1) 本発明は、構造物の下地面に、少なくとも断熱材及びゴム製シートが積層されてなる断熱防水構造であって、上記断熱材が、芳香族ビニル単位とシアン化ビニル単位とからなる共重合体(A)、及び/又は芳香族ビニル単位と脂肪族カルボン酸誘導体単位とからなる共重合体(B)を含有する樹脂組成物を発泡させてなるものである。
(2) 上記断熱材と上記ゴム製シートとが、水系接着剤、又はベンゼン、トルエン及びキシレンの総含有量が10%以下の溶剤系接着剤により接着固定されたものであってもよい。
(3) 上記ゴム製シートが、表皮として露出されたものであってもよい。
(4) 上記共重合体(A)及び上記共重合体(B)をそれぞれ構成する芳香族ビニル単位として、スチレン単位が好適である。
(5) 上記共重合体(A)を構成するシアン化ビニル単位として、アクリロニトリルが好適である。
(6) 上記共重合体(B)を構成する脂肪族カルボン酸誘導体単位として、メタクリル酸単位又は無水マレイン酸単位が好適である。
(7) 本発明に係る断熱防水工法は、構造物の下地面に、又は該下地面に中間層を介在させて、芳香族ビニル単位とシアン化ビニル単位とからなる共重合体(A)、及び/又は芳香族ビニル単位と脂肪族カルボン酸誘導体単位とからなる共重合体(B)を含有する樹脂組成物を発泡させてなる断熱材を固定する第1工程と、上記断熱材に、ゴム製シートを接着固定して積層する第2工程と、を含む。
このように本発明によれば、断熱防水構造を構成する断熱材を、芳香族ビニル単位とシアン化ビニル単位とからなる共重合体(A)、及び/又は芳香族ビニル単位と脂肪族カルボン酸誘導体単位とからなる共重合体(B)を含有する樹脂組成物を発泡させてなるものとしたので、ゴム製シートを用いたシート防水において、耐熱性が要求される露出断熱接着工法を採用することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る断熱防水構造1を示す部分断面図である。 図2は、断熱防水構造1の施工方法を説明するための図である。 図3は、断熱防水構造1の施工方法を説明するための図である。
以下、適宜図面が参照されて本発明の実施形態が説明される。なお、本実施の形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で本実施形態が適宜変更され得ることは言うまでもない。
図1は、本実施形態に係る断熱防水構造1を示す部分断面図である。図2及び図3は、断熱防水構造1の施工方法を説明するための図である。なお、各図においては、構造物の全体は示されておらず、断熱防水構造1が施工される下地面2の一部のみが示されている。
[断熱防水構造1]
断熱防水構造1は、構造物の下地面2に積層されてなる。構造物は、鉄筋コンクリート構造や鉄骨構造の建築物に代表されるものであるが、構造物の工法や形状などは特に限定されるものではない。また、構造物の下地面2は、陸屋根や屋上、バルコニー、外壁などの構造物の外面である。例えば、鉄筋コンクリート構造物の陸屋根を下地面2として、断熱防水構造1が施工される。下地面2は、施工の容易から平面であることが好ましいが、折れ板のような面形状や湾曲面であっても断熱防水構造1を施工することは可能である。
[下地面2]
下地面2には、プライマー3が塗布される。プライマー3は、下地面2と断熱材5との接着強度を高めるために、下地面2の表面に塗布されるものである。プライマー3として、例えば合成ゴム又は合成樹脂系のものであって、ローラ刷毛やゴムべらで塗布しやすく、接着剤4の品質を低下させないものが好適である。下地面2は、プライマー3が塗布される前に清掃又は洗浄されることが好ましい。プライマー3は必ずしも必要ではなく、下地面2と断熱材5との関係や、接着剤4の種類により、下地面2と断熱材5との接着強度が確保されるのであれば、省略されてもよい。
[接着剤4]
接着剤4は、下地面2に(プライマー3を介して)断熱材5を、また断熱材5とゴム製シート6を接着固定するためのものである。接着剤4として、環境面を考慮した場合、ポリマーセメント系、アスファルトエマルジョン系に代表される水系接着剤、又はベンゼンやトルエン、キシレンを極力含まない溶剤系接着剤が用いられることが好ましい。ベンゼンやトルエン、キシレンは、揮発性有機化合物であり常温常圧下で容易に気化される物質である。揮発性有機化合物は、容易に気化されるために環境問題の一因とされている。有機溶剤において、上述された物質以外にピリジンやクロロホルム、ヘキサンなど多種の化合物が挙げられる。ベンゼン、トルエン及びキシレンは、ベンゼン環にメチル基が0乃至2個付加されたものである。このため、ベンゼン、トルエン及びキシレンは非常に似通った性質を有する物質である。よって、溶剤としてベンゼン、トルエン及びキシレンは、相互に代用されることが可能である。一方で、溶剤系接着剤を使用する場合において、ベンゼン、トルエン及びキシレンの含有量が10%を超えると、断熱材5に接着剤4を塗布した際に、断熱材5の溶融変形等を引き起こす可能性があることから、ベンゼン、トルエン及びキシレンの含有量は、10%以下が好ましく、更に好ましくは8%以下であり、最適は6%以下である。
[断熱材5]
断熱材5は、断熱防水構造1において、主に断熱性能を確保する目的で用いられるものである。断熱材5は、芳香族ビニル単位とシアン化ビニル単位とからなる共重合体(A)、及び/又は芳香族ビニル単位と脂肪族カルボン酸誘導体単位とからなる共重合体(B)を含有する樹脂組成物を発泡させてなるものである。この樹脂組成物の詳細については後述される。断熱材5は、所定の厚みの平板形状の直方体であり、例えば、厚みが20〜100mm、縦横寸法が910mm×910mmのものが用いられる。このような一定形状の断熱材5が、下地面2に隙間無く敷き詰められて、接着剤4により下地面2に接着固定される。
以下、断熱材5に用いられる樹脂組成物が詳細に説明される。前述されたように、断熱材5は、芳香族ビニル単位とシアン化ビニル単位とからなる共重合体(A)、及び/又は芳香族ビニル単位と脂肪族カルボン酸誘導体単位とからなる共重合体(B)を含有する樹脂組成物を発泡させてなるものである。
共重合体(A)及び共重合体(B)を構成する芳香族ビニル単位としては、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等が挙げられる。これらのうち、工業的に安価である点から、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく、さらに安価であるスチレンが最も好ましい。
共重合体(A)を構成するシアン化ビニル単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等が挙げられる。これらのうち、工業的に安価である点から、アクリロニトリルが好ましい。
共重合体(B)を構成する脂肪族カルボン酸誘導体単位としては、一般的に脂肪族酸ハロゲン化物、脂肪族酸無水物、脂肪族カルボン酸、脂肪族エステル、脂肪族アミドからなる群より構成される。
前述された脂肪族カルボン酸誘導体単位のうち、芳香族ビニル単位と共重合可能な単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、プロピオル酸、クロトン酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、ソルビン酸、ヘプテン酸、ウンデシレン酸、リノレン酸、リノール酸、オレイン酸等の不飽和モノカルボン酸単位や、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物が一般的であり、重合の容易性及び加工性の観点から、不飽和カルボン酸単位であるメタクリル酸単位、又は不飽和カルボン酸無水物単位である無水マレイン酸単位等が好ましく、最も好ましくはメタクリル酸単位である。
本発明の樹脂組成物は、前述された共重合体以外に、必要に応じて、他の樹脂を併用してもよい。このような他の樹脂として、例えば、スチレンホモポリマー、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−αメチルスチレン−アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。
特に共重合体(B)については、スチレンポリマーと併用しても、成形加工性を損なうことなく、スチレンポリマー100%のポリスチレンフォームよりも耐熱性が向上されるので好ましい。
上記樹脂組成物には、共重合体(A)及び/又は共重合体(B)とからなる熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、塩素原子を含有しない発泡剤を3〜10重量部用いることができる。また、このような発泡剤として、物理系発泡剤、化学系発泡剤の1種又は2種以上を使用できる。塩素原子を有しないことにより、環境への負荷が低減されるので好ましいが、本発明の目的を達成するためには、必ずしも塩素原子を含有しないことは必要ではない。
物理系発泡剤としては、例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化イソプロピルなどの塩化アルキル類、1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,2−トリフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタンなどのフッ素化炭化水素、二酸化炭素、窒素、水、アルゴン、ヘリウムなどの無機ガス、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテルイソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、フラン、フラフール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのエーテル類、蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステルなどのカルボン酸エステル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチル−n−ブチルケトンなどのケトン類が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
化学系発泡剤としては、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビス−ベンゼンスルホニルヒドラジド、ヒドラゾジカルボンアミド、炭酸ナトリウム、アゾジカルボンアミド、テレフタルアジド、5−フェニルテトラゾール、p−トルエンスルホニルセミカルバジドなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混同して使用することができる。
前述された発泡剤のうち、オゾン層保護の観点から、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化イソプロピルなどの塩化アルキル類、二酸化炭素、窒素、水、アルゴン、ヘリウムなどの無機ガス類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類が好ましい。
また、前述された発泡剤のうち、断熱材5の軽量化、押出発泡の安定性を考慮すると、発泡剤としては、上記共重合体(A)及び/又は上記共重合体(B)を含有してなる熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、a)エーテル、塩化アルキルよりなる群から選ばれる1種以上を0.5〜10重量部と、b)炭化水素を0〜6重量部とを含有するものが好ましい。
エーテルとしては、前述されたエーテル類が挙げられるが、これらのうち、ジメチルエーテルが、押出発泡の際の押出圧力が低減され、安定して押出発泡体が製造されるので好ましい。エーテルの使用量としては、熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましく、より好ましくは1.5〜6重量部であり、さらに好ましくは3〜5重量部である。エーテルの使用量が上記範囲内であれば、樹脂組成物へのガス分散性がよく、発泡性がよい。
塩化アルキルとしては、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化イソプロピル等が挙げられる。これらのうち、塩化メチル、塩化エチルが、押出発泡の際の押出圧力が低減され、安定して押出発泡体が製造されるので好ましい。塩化アルキルの使用量としては、熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましく、より好ましくは1.5〜6重量部であり、さらに好ましくは3〜5重量部である。塩化アルキルの使用量が上記範囲内であれば、樹脂組成物へのガス分散性がよく、発泡性がよい。
炭化水素としては、前述された炭化水素が挙げられるが、沸点が低すぎると、押出発泡の際に樹脂組成物における蒸気圧が高くなり、高圧の樹脂組成物を制御することになるので、製造上問題となり、沸点が高すぎると、発泡剤が断熱材5の気泡中に液状で残留し、断熱材5の耐熱性を低下させる傾向にある。したがって、炭化水素としては、−50〜85℃の範囲に沸点を有する飽和炭化水素が好ましい。このような飽和炭化水素としては、プロパン、シクロプロパン、n−ブタン、i−ブタン、シクロブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、1,2−ジメチルブタン、シクロヘキサンなどが挙げられる。これらのうち、製造安定性の点から、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンが好ましい。炭化水素の使用量としては、0〜6重量部が好ましく、より好ましくは2〜5重量部である。炭化水素の使用量が上記範囲内であれば、発泡性、成形性が良好な発泡体が得られやすい傾向にある。
なお、本発明においては、樹脂組成物に難燃剤が添加されることが好ましい。難燃剤として、ハロゲン系難燃剤から選ばれる少なくとも1種が用いられることがさらに好ましい。また、リン酸エステル系化合物、窒素含有化合物を上記難燃剤と共存させてもよい。
また、本発明においては、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲内で、シリカ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤、帯電防止剤、着色剤などの添加物が用いられてもよい。
また、本発明においては、必要に応じて安定剤が用いられてもよい。本発明に使用される安定剤としては、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤などが挙げられる。
断熱材5は、上記樹脂組成物を用いて公知の押出発泡法により得られる。例えば、上記熱可塑性樹脂混合物を公知の押出機に供給して高温高圧下で加熱溶融してゲル状にし、押出機内に発泡剤を圧入して混練し、押出発泡に適した樹脂温度まで冷却し、高圧領域からスリットダイなどのダイを通して低圧領域に押出発泡して、板状の断熱材5を得る。
押出発泡の条件として、スリットダイにおける圧力は、3MPa以上であることが好ましく、より好ましくは4MPa以上である。発泡剤が気化しないように、また、樹脂組成物に十分溶解するように押出系内圧力を高圧に保持することは勿論である。スリットダイにおける圧力が上記範囲外であると、ガスの吹出し、ボイドの発生、押出系内の圧力変動による押出発泡体の断面プロファイルの変動が生じる傾向にある。
熱可塑性樹脂混合物に難燃剤などの添加剤を添加する手順として、例えば、熱可塑性樹脂混合物に対して難燃剤などを添加して混合した後、押出機に供給して加熱溶融し、さらに発泡剤を添加して混合する手順が挙げられるが、各種添加剤を熱可塑性樹脂混合物に添加するタイミングや混練時間は特に限定されない。
熱可塑性樹脂混合物の加熱温度は、そのガラス転移温度又は融点以上であればよいが、難燃剤などの影響による樹脂の分子劣化ができる限り抑制される温度が好ましい。溶融混練時間は、単位時間当たりの樹脂組成物の押出量や押出機の種類により異なるので一義的に規定することはできず、熱可塑性樹脂混合物と発泡剤や添加剤とが均一に分散混合されるに要する時間として適宜設定される。
樹脂組成物の加熱溶融手段としては、例えばスクリュー型の押出機などが挙げられるが、通常の押出発泡に用いられているものであれば特に制限されない。ただし、樹脂の分子劣化をできる限り抑えるためには、押出機のスクリュー形状を低剪断タイプのものとすることが好ましい。
押出発泡法は、例えば、押出成形用に使用される開口部が直線のスリット形状を有するスリットダイを通じて、高圧領域から低圧領域へ圧力開放して得られた押出発泡体を、スリットダイと密着または接して設置された成形金型、及び該成形金型の下流側に隣接して設置された成形ロールなどを用いて、断熱材5に成形する方法が用いられる。成形金型の流動面形状調整及び金型温度調整によって、所望の発泡体の断面形状、発泡体表面性、発泡体品質が得られる。
断熱材5の気泡構造として、均一気泡構造や大小気泡が混在した複合気泡構造が挙げられる。気泡の平均径は、主として0.05〜2.0mmであることが好ましい。気泡径は、例えば、押出発泡体の断面の一部をサンプリングし、それを走査型電子顕微鏡にて拡大撮影して得られた写真から平均気泡径をASTM D−3576に準じて測定することができる。気泡径は、必ずしもすべてが上記範囲内である必要はなく、少なくとも気泡径の平均値が上記範囲内であればよい。気泡径が上記範囲未満であれば、断熱材5の成形性が悪くなって、安定した製造が困難になる傾向にある。気泡径が上記範囲を超えると、断熱材5表面の外観が悪化する傾向にある。
断熱材5の発泡体密度は、20〜100kg/mであることが好ましい。発泡体密度が上記範囲内にあれば、平面圧縮強度に代表される面圧縮強度が発現される傾向にある。
なお、断熱材5の製造方法は押出発泡法に限定されず、例えば、予備発泡された発泡性ビーズを用いて成形金型で発泡成形を行う方法など、公知の他の方法が用いられてもよい。
[ゴム製シート6]
断熱材5には、接着剤4を介在させてゴム製シート6が積層される。ゴム製シート6は、主に防水性能を確保する目的で用いられるものであり、本断熱防水構造1において表皮として露出される。ゴム製シート6は、例えば、厚みが1〜3mm、幅が1000〜1500mmの帯状のものが断熱材5に隙間無く敷き詰められて、接着剤4により接着固定される。ゴム製シート6の継ぎ目は重ねられ、必要に応じてテープなどで目張りされる。ゴム製シート6は、加硫又は非加硫の合成ゴムからなり、具体的には、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンなどが挙げられる。
[仕上げ塗料7]
ゴム製シート6の表面には、仕上げ塗料7が塗布される。仕上げ塗料7は、構造物の外観の意匠に合わせて用いられるものである。構造物の外観から、ゴム製シート6の素材の色や質感が許容される場合には、仕上げ塗料7は省略されてもよい。なお、本発明において断熱防水構造の表皮とは、仕上げ塗料7のようにゴム製シート6に塗布されるものを含まない概念である。したがって、本断熱防水構造1における表皮は、ゴム製シート6により構成されることになる。
[断熱防水構造1の施工方法]
以下に断熱防水構造1の施工方法(断熱防水工法)が説明される。この施工方法は、一般にシート防水の露出断熱接着工法に分類されるものである。まず、鉄筋コンクリート構造物の陸屋根などの下地面2を清掃及び洗浄し、下地面2を十分に乾燥した後にプライマー3を塗布する。プライマー3を十分に乾燥させた後、図2に示されるように、接着剤4を塗布して断熱材5を敷き詰める。断熱材5は、下地面2の広さに応じて複数枚を用い、隣接する断熱材5同士を密着させてプライマー3上に並べる。断熱材5は、接着剤4が固化する前に載置して、下地面2(プライマー3)に接着固定する。下地面2が広範囲である場合には、下地面2(プライマー3)の一部分である所定範囲に接着剤4を塗布し、断熱材5を載置する作業を繰り返し行う。この工程が本発明に係る断熱防水工法の第1工程に相当する。
つづいて、図3に示されるように、断熱材5上に、接着剤4を塗布してゴム製シート6が敷き詰められる。ゴム製シート6は、下地面2の広さに応じて複数枚を用いる。例えば、一定幅の帯状のゴム製シート6を用いる場合には、隣接するゴム製シート6を一部重ね合わせて隙間なく敷き詰める。また、ゴム製シート6の継ぎ目はテープ等を張り付けて水密性を確保する。これにより、ゴム製シート6が断熱材5に接着固定される。下地面2が広範囲である場合には、複数枚の断熱材5が敷き詰められた面の一部分である所定範囲に接着剤4を塗布して、ゴム製シート6を敷く作業を繰り返し行う。この工程が本発明に係る断熱防水工法の第2工程に相当する。なお、前述された第1工程において使用される接着剤4と第2工程において使用される接着剤4とは、同一のものであっても異なるものであってもよい。
このようにして断熱層と防水層とからなる断熱防水構造1が施工される。断熱防水構造1では、断熱材5が断熱層として機能し、ゴム製シート6が防水層として機能する。断熱材5は、従来のポリスチレンフォームと比較して耐熱性に優れているので、ゴム製シート6が表皮として露出される露出工法を採用しても、日射による加熱により断熱材5が変形することがない。
なお、上記断熱防水構造1は、本発明に係る断熱防水構造の一例であり、例えば、防水層として、ゴム製シート6が複数枚積層されたり、断熱材5の下側にプライマー3以外のシートなどが敷かれたりしてもよい。また、断熱防水構造1は、断熱材5に積層されたゴム製シート6が表皮として露出される露出断熱接着工法であるが、本発明に係る断熱防水構造では、ゴム製シート6にコンクリート板や合成樹脂板が積層される保護断熱接着工法に適用されてもよい。さらに、断熱防水構造1は、下地面2と断熱材5及びゴム製シート6の固定に、必要に応じて、ビス等の固定金具を併用してもよい。
以下、上記断熱材5についての実施例について説明する。なお、本発明が以下の実施例に限定されないことは勿論である。また、以下の実施例においては、特に断られない限り、「%」は「重量%」を表すものとする。
以下に示す実施例1から実施例5、比較例1から比較例2で得られた各断熱材について、発泡体密度、平均セル径、80℃耐熱性、85℃耐熱性、90℃耐熱性を下記の方法に従って調べた。また、各断熱材を用いてゴム製シートとの積層構造を作製して簡易施工試験を行った。
(1)発泡体密度(kg/m
発泡体密度は、次の式に基づいて求め、単位をkg/mに換算して示した。
発泡体密度(g/cm)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm
(2)平均セル径(mm)
断熱材を幅方向(押出方向と直交する水平方向)に沿って垂直(厚み方向)に切断した断面、及び押出方向(幅方向と直交する水平方向)に沿って垂直(厚み方向)に切断した断面においてサンプリングし、そのサンプルを走査型電子顕微鏡にて50〜100倍に拡大して写真撮影した。得られた写真から平均セル径をASTM D−3576に準じて測定し、各気泡において、厚み方向のセル径(HD)と幅方向のセル径(TD)、押出方向のセル径(MD)とを測定して、各方向のセル径の積を3乗根した値を以下の式より算出した。
平均セル径=(HD×TD×MD)1/3
(3)80℃耐熱性、85℃耐熱性、90℃耐熱性(断熱材の体積変化率)
断熱材を温度23℃、湿度55%の恒温室にて10日間状態調整した後、厚み25mm×幅100mm×長さ300mmのサンプルを切り出して、80±2℃、85±2℃、90±2℃にそれぞれ設定した熱風乾燥機でそれぞれ24時間乾燥し、各温度における加熱前と加熱後の体積変化率を算出した。求められた体積変化率を以下の基準で判断した。
◎:体積変化率が1%以下である。
○:体積変化率が1%を超え、3%以下である。
△:体積変化率が3%を超え、5%以下である。
×:体積変化率が5%を超える。
(4)簡易施工試験
断熱材を成形後、温度23℃、湿度55%の恒温室にて10日間状態調整した後、厚み25mm×幅100mm×長さ900mmの断熱材を9本切り出した。この9本の各断熱材を、スレート板(厚み10mm)上において幅900mm×長さ900mmとなるように、せっこう系スチレンボンド1kg/mを用いて接着した。この幅900mm×長さ900mmとされた断熱材上に、下記接着剤を0.25kg/m塗布しゴム製シート(三ツ星ベルト株式会社、商品名:ネオルーフィングE)を接着させ、乾燥させた。接着剤が完全に固化されて、試験体とされる断熱材とゴム製シートとの積層構造体が得られた。この積層構造体において、断熱材とゴム製シートとの耐接着剤性試験(4−a)及び加熱試験(4−b)を実施し、それぞれについて下記に記される様な判断基準に基づき評価した。
〔使用接着剤〕
接着剤(1)/水系接着剤(三ツ星ベルト株式会社、商品名:ネオボンドAQ)
接着剤(2)/溶剤系接着剤(a)(トルエン/6%、工業用ガソリン/50%〜60%、イソプロピルアルコール/0〜10%、天然ゴム等/20%〜35%)
接着剤(3)/溶剤系接着剤(b)(トルエン/12%、工業用ガソリン/50%〜60%、イソプロピルアルコール/0〜10%、天然ゴム等/20%〜35%)
(4−a)耐接着剤性試験
断熱材とゴム製シートとの積層構造体を厚み方向(上記長さ方向に沿って垂直)に切断して断面構造を観察し、接着剤による断熱材の表面の厚み方向変形(断熱材のゴム製シートとの接触面側の厚み方向に対する変化)を以下の基準で判断した。
○:断熱材の表面の変形が2mm以内である。
△:断熱材の表面の変形が2mmより大きく、5mm以内である。
×:断熱材の表面の変形が5mmを超える。
(4−b)加熱試験
上記接着剤(2)を用いた試験体を、プレス機を用いた下記条件にて、ゴム製シートの表面温度を80℃として5時間加熱した後の試験体の状態を、以下の基準にて判断した。
○:断熱材の反り・膨れがない。
×:断熱材の反り・膨れがある。
〔プレス機を用いた測定条件〕
天板と天板に対向する底板とを備えたプレス機(山本鉄工所(株)製、型番:CTD2−75、幅1000mm×長さ2000mm)の底板面上の中央に、試験体をゴム製シート側が上面となるように置いた。下面にプレート状電気ヒータ(中野作成所製・井上電機商事(株)製、熱伝体プレート温調板)を有する天板の位置(高さ)を、ゴム製シート表面から該電気ヒータまでの高さが50cmとなるように調整した。その後、ゴム製シートの表面温度が80℃となるように電気ヒータで加熱した。
〔実施例1〕
共重合体(A)として、東洋スチレン株式会社製、商品名:トーヨーASを用い、共重合体(A)100重量部に対して、造核剤としてタルク(林化成株式会社製、商品名:タルカンパウダー)0.3重量部、添加剤としてステアリン酸カルシウム0.2重量部をドライブレンドし、得られた樹脂組成物を二段連結型押出機へ供給した。一段目押出機に供給した樹脂組成物を約230℃に加熱して溶融混練した後、発泡剤として、ジメチルエーテル(三井化学株式会社)5.0重量部を一段目押出機の先端付近で樹脂組成物に圧入した。その後、一段目押出機に連結された二段目押出機において樹脂組成物を混練しながら樹脂温度を約140℃付近まで冷却し、二段目押出機の先端に設けられたスリットダイより大気中へ押し出した。スリットダイにおける吐出量は47kg/時間、樹脂温度は130℃、スリット圧力は5.3MPaとした。吐出された樹脂を、成形金型及び成形ロールにより、厚さ約45mm×幅約140mmの断面プロファイルであって、表面にスキン層を有する断熱材を得た。得られた断熱材について、発泡体密度、平均セル径、80℃耐熱性、85℃耐熱性、90℃耐熱性を前述された方法に従って評価した。また、得られた断熱材を用いて簡易施工試験を行った。その結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例1における断熱材は、発泡体密度が35kg/m、平均セル径が0.4mmであった。また、80℃耐熱性は「◎」、85℃耐熱性は「◎」、90℃耐熱性は「△」であった。簡易施工試験における耐接着剤性の結果に関しては、接着剤(1)は「○」、接着剤(2)は「○」、接着剤(3)は「△」であり、加熱試験における試験体の状態は「○」であった。
Figure 2010150906
〔実施例2〕
発泡剤として、ジメチルエーテル3.0重量部、イソブタン(三井化学株式会社)3.0重量部を用い、造核剤としてタルク0.1重量部を用い、スリットダイにおける吐出量を45kg/時間、樹脂温度を132℃、スリット圧力を6.2MPaとした以外は、実施例1と同様にして断熱材を得た。得られた断熱材について、発泡体密度、平均セル径、80℃耐熱性、85℃耐熱性、90℃耐熱性を前述された方法に従って評価した。また、得られた断熱材を用いて簡易施工試験を行った。その結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例2における断熱材は、発泡体密度が40kg/m、平均セル径が0.2mmであった。また、80℃耐熱性は「◎」、85℃耐熱性は「◎」、90℃耐熱性は「△」であった。簡易施工試験における耐接着剤性の結果に関しては、接着剤(1)は「○」、接着剤(2)は「○」、接着剤(3)は「△」であり、加熱試験における試験体の状態は「○」であった。
〔実施例3〕
共重合体(B)として、PSJ株式会社製、商品名:G9001(メタクリル酸変性率7%)、ポリスチレン樹脂としてPSJ株式会社製、商品名:G9401を用い、共重合体(B)25重量部及びポリスチレン樹脂75重量部を混合して、樹脂混合物を得た。この熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、造核剤としてタルク(林化成株式会社製、商品名:タルカンパウダー)0.3重量部、添加剤としてステアリン酸カルシウム0.2重量部をドライブレンドし、得られた樹脂組成物を二段連結型押出機へ供給した。一段目押出機に供給した樹脂組成物を約230℃に加熱して溶融混練した後、発泡剤として、ジメチルエーテル2.0重量部、イソブタン4.0重量部を一段目押出機の先端付近で樹脂組成物に圧入した。その後、一段目押出機に連結された二段目押出機において樹脂組成物を混練しながら樹脂温度を約140℃付近まで冷却し、二段目押出機の先端に設けられたスリットダイより大気中へ押し出した。スリットダイにおける吐出量は50kg/時間、樹脂温度は130℃、スリット圧力は6.3MPaとした。吐出された樹脂を、成形金型及び成形ロールにより、厚さ約45mm×幅約140mmの断面プロファイルであって、表面にスキン層を有する断熱材を得た。得られた断熱材について、発泡体密度、平均セル径、80℃耐熱性、85℃耐熱性、90℃耐熱性を前述された方法に従って評価した。また、得られた断熱材を用いて簡易施工試験を行った。その結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例3における断熱材は、発泡体密度が32kg/m、平均セル径が0.3mmであった。また、80℃耐熱性は「◎」、85℃耐熱性は「○」、90℃耐熱性は「×」であった。簡易施工試験における耐接着剤性の結果に関しては、接着剤(1)は「○」、接着剤(2)は「○」、接着剤(3)は「△」であり、加熱試験における試験体の状態は「○」であった。
〔実施例4〕
共重合体(B)50重量部及びポリスチレン樹脂50重量部を混合して熱可塑性樹脂混合物とし、スリットダイにおける吐出量を52kg/時間、スリット圧力を6.0MPaとした以外は、実施例3と同様にして断熱材を得た。得られた断熱材について、発泡体密度、平均セル径、80℃耐熱性、85℃耐熱性、90℃耐熱性を前述された方法に従って評価した。また、得られた断熱材を用いて簡易施工試験を行った。その結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例4における断熱材は、発泡体密度が32kg/m、平均セル径が0.3mmであった。また、80℃耐熱性は「◎」、85℃耐熱性は「◎」、90℃耐熱性は「△」であった。簡易施工試験における耐接着剤性の結果に関しては、接着剤(1)は「○」、接着剤(2)は「○」、接着剤(3)は「△」であり、加熱試験における試験体の状態は「○」であった。
〔実施例5〕
樹脂組成を、共重合体(B)100重量部とし、スリットダイにおける吐出量を52kg/時間、樹脂温度を135℃、スリット圧力を6.2MPaとした以外は、実施例3と同様にして断熱材を得た。得られた断熱材について、発泡体密度、平均セル径、80℃耐熱性、85℃耐熱性、90℃耐熱性を前述された方法に従って評価した。また、得られた断熱材を用いて簡易施工試験を行った。その結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例5における断熱材は、発泡体密度が35kg/m、平均セル径が0.3mmであった。また、80℃耐熱性は「◎」、85℃耐熱性は「◎」、90℃耐熱性は「○」であった。簡易施工試験における耐接着剤性の結果に関しては、接着剤(1)は「○」、接着剤(2)は「○」、接着剤(3)は「○」であり、加熱試験における試験体の状態は「○」であった。
〔比較例1〕
ポリスチレン樹脂(PSジャパン株式会社、商品名:G9401)を用い、スリットダイにおける吐出量を50kg/時間、樹脂温度を123℃、スリット圧力を5.5MPaとしたほかは、実施例1と同様にして断熱材を得た。得られた断熱材について、発泡体密度、平均セル径、80℃耐熱性、85℃耐熱性、90℃耐熱性を前述された方法に従って評価した。また、得られた断熱材を用いて簡易施工試験を行った。その結果を表1に示す。
表1に示されるように、比較例1における断熱材は、発泡体密度が35kg/m、平均セル径が0.3mmであった。また、80℃耐熱性は「△」、85℃耐熱性は「×」、90℃耐熱性は「×」であった。簡易施工試験における耐接着剤性の結果に関しては、接着剤(1)は「○」、接着剤(2)は「△」、接着剤(3)は「×」であり、加熱試験における試験体の状態は「×」であった。
〔比較例2〕
市販の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体(古河電工株式会社、商品名:フォームエースSN3000W、厚み30mm、スキン層あり)を用いて、80℃耐熱性、85℃耐熱性、90℃耐熱性を前述された方法に従って評価した。また、簡易施工試験を行った。その結果を表1に示す。
表1に示されるように、比較例2では、80℃耐熱性は「○」、85℃耐熱性は「×」、90℃耐熱性は「×」であった。簡易施工試験における耐接着剤性の結果に関しては、接着剤(1)は「○」、接着剤(2)は「○」、接着剤(3)は「○」であり、加熱試験における試験体の状態は「○」であった。
1・・・断熱防水構造
2・・・下地面
3・・・プライマー
4・・・接着剤
5・・・断熱材
6・・・ゴム製シート
7・・・仕上げ塗料

Claims (7)

  1. 構造物の下地面に、少なくとも断熱材及びゴム製シートが積層されてなる断熱防水構造であって、
    上記断熱材が、芳香族ビニル単位とシアン化ビニル単位とからなる共重合体(A)、及び/又は芳香族ビニル単位と脂肪族カルボン酸誘導体単位とからなる共重合体(B)を含有する樹脂組成物を発泡させてなるものである断熱防水構造。
  2. 上記断熱材と上記ゴム製シートとが、水系接着剤、又はベンゼン、トルエン及びキシレンの総含有率が10%以下の溶剤系接着剤により接着固定されたものである請求項1に記載の断熱防水構造。
  3. 上記ゴム製シートが、表皮として露出されたものである請求項1又は2に記載の断熱防水構造。
  4. 上記共重合体(A)及び上記共重合体(B)をそれぞれ構成する芳香族ビニル単位が、スチレン単位である請求項1から3のいずれかに記載の断熱防水構造。
  5. 上記共重合体(A)を構成するシアン化ビニル単位が、アクリロニトリルである請求項1から4のいずれかに記載の断熱防水構造。
  6. 上記共重合体(B)を構成する脂肪族カルボン酸誘導体単位が、メタクリル酸単位又は無水マレイン酸単位である請求項1から4のいずれかに記載の断熱防水構造。
  7. 構造物の下地面に、又は該下地面に中間層を介在させて、芳香族ビニル単位とシアン化ビニル単位とからなる共重合体(A)、及び/又は芳香族ビニル単位と脂肪族カルボン酸誘導体単位とからなる共重合体(B)を含有する樹脂組成物を発泡させてなる断熱材を固定する第1工程と、
    上記断熱材に、ゴム製シートを接着固定して積層する第2工程と、を含むものである断熱防水工法。
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