JP2010150775A

JP2010150775A - 建設機械のアタッチメント構造

Info

Publication number: JP2010150775A
Application number: JP2008328162A
Authority: JP
Inventors: Naohiro Yamakawa; 尚宏山川
Original assignee: Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
Current assignee: Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
Priority date: 2008-12-24
Filing date: 2008-12-24
Publication date: 2010-07-08

Abstract

【課題】アタッチメントの軽量化を図り、且つ、高応力発生部の部分的強度アップ及び品質信頼性の向上を図る。
【解決手段】高応力発生部を有するブーム又はアーム等のアタッチメント２１が搭載され、該アタッチメントは５枚の切板２６〜３０を互いに固着して形成されている。各切板２６〜３０の板厚は、個々に発生する応力の大きさに応じて設定されている。特に、高応力発生部を含む切板３０の板厚の厚さ寸法は、他の切板２６〜２９の板厚よりも厚く設定され、これにより、アタッチメントの軽量化と高強度化が実現する。
【選択図】図１

Description

本発明は建設機械のアタッチメント構造に関するものであり、特に、ブーム又はアーム等のアタッチメントの軽量化及び高強度化を実現する建設機械のアタッチメント構造に関するものである。

従来、此種建設機械は上下回動可能な作業機を具備し、該作業機はブーム、アーム等のアタッチメントと、該アタッチメントを駆動する油圧シリンダ等の油圧アクチュエータとから構成されている。図３は建設機械としての油圧ショベルを示す。同図に示すように、下部走行体１上には上部旋回体２が旋回可能に搭載され、更に、該上部旋回体２にはアタッチメントとしてのブーム３、アーム４及びバケット５、並びに駆動用油圧シリンダとしてのブームシリンダ６、アームシリンダ７及びバケットシリンダ８が設置されている。

前記ブーム又はアーム等のアタッチメントとしては、図４に具体例を示すように、分割型の構造体が知られている。同図において、アタッチメント（ブーム又はアーム）１１の先端部１２及び中間下縁部１３には夫々連結用ピン孔１４，１５が夫々開穿されている。又、アタッチメント１１は２本の分割ラインＬ_１，Ｌ_２により画成された３枚の切板１６，１７，１８を互いに固着して形成されている（例えば、特許文献１参照）。
特開平９−７８６２１号公報

従来の分割型のアタッチメント１１は、回動動作時に、先端部１２の連結用ピン孔１４外周縁部及び中間下縁部１３の連結用ピン孔１５外周縁部に大きな応力が発生する。特に、中間下縁部１３の連結用ピン孔１５の外周縁部（図４中における▲印の箇所参照）には、先端部１２の連結用ピン孔１４外周縁部よりも高い応力が発生する。

そのため、連結用ピン孔１５を有する切板１７には、高い応力に対応し得る所要の強度を確保すべく、図中の斜線で示すように、前記切板１７の全域に補強板を溶接にて固着し、これにより、アタッチメント１１は局所的な２重板構造に形成されている。

しかし、アタッチメント１１の前記切板１８全体を２重板構造に形成すると、該切板１７の面積が広いことと相俟って材料の使用量が２倍に増加し、その分だけアタッチメント１１全体の重量も増加する。更に、アタッチメント１１の回動動作時、補強板を固着した箇所に高い応力が発生して、該高応力発生部にヒビ等の溶接欠陥が生じて、アタッチメント１１の品質信頼性を低下させるという問題があった。

又、前記ヒビ等の溶接欠陥を解消させるためには、連結用ピン孔１５を有する切板１８全体の板厚を厚く形成すればよい。しかし、このように構成しても、前記同様に、切板１８の材料使用量が増加するため、それに応じてアタッチメント１１の重量も増加する。

そこで、アタッチメントの軽量化を図り、且つ、高応力発生部の強度及び品質信頼性を向上させるために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。

本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項１記載の発明は、複数枚の切板を互いに固着して形成され、且つ、高応力発生部を含むブーム又はアーム等のアタッチメントを搭載して成る建設機械のアタッチメント構造において、前記切板は複数枚数であり、各切板の板厚は各々に発生する応力の大きさに応じて設定され、前記高応力発生部を含む切板の板厚は、他の切板の板厚よりも厚く形成されていることを特徴とする建設機械のアタッチメント構造を提供する。

この構成によれば、アタッチメントは複数枚の切板により形成され、各切板の板厚は各々に発生する応力の大きさに応じて設定される。特に、高応力発生部を含む切板には高い応力が発生するが、他の切板よりも厚く形成することにより、高い応力に対応できる所要の強度が確保される。

請求項２記載の発明は、上記高応力発生部を含む切板の形状は、該高応力発生部全域を含む略三角形、矩形又は多角形であり、且つ、該略三角形、矩形又は多角形の面積が可能な限りが小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項１記載の建設機械のアタッチメント構造を提供する。

この構成によれば、高応力発生部を含む切板は、極力面積の小さい略三角形、矩形又は多角形、矩形又は多角形に形成されているので、高応力発生部に対応可能な強度を維持しつつ、当該切板を形成する材料の使用量が必要最小限に抑えられる。

請求項１記載の発明は、高応力発生部を含む切板のみを厚く形成できるので、局所的な強度が向上して、高応力発生部に対応し得る高剛性のアタッチメントが得られる。又、従来例のようにヒビ等の溶接欠陥が生じないので、アタッチメントの品質信頼性を向上させることができる。

更に、従来例に比して切板を細分化し、高応力発生部を含む当該切板のみを厚く形成することにより、材料の無駄な使用を無くすことができる。斯くして、アタッチメント全体の軽量化が図られ、このことはアタッチメントの運動性能の向上にも資することができる。

請求項２記載の発明は、高応力発生部を含む切板は、所要の強度を維持しながら材料使用量を必要最小限に抑制できるので、請求項１記載の発明の効果に加えて、強度向上を図りつつ、アタッチメント全体の一層の軽量化を実現させることができる。

本発明は、アタッチメントの軽量化を図り、且つ、高応力発生部の強度及び品質信頼性を向上させるという目的を達成するために、複数枚の切板を互いに固着して形成され、且つ、高応力発生部を含むブーム又はアーム等のアタッチメントを搭載して成る建設機械のアタッチメント構造において、前記切板の枚数が複数枚であり、各切板の板厚は各々に発生する応力の大きさに応じて設定され、前記高応力発生部を含む切板の板厚は、他の切板の板厚よりも厚く形成されていることにより実現した。

以下、本発明の好適な一実施例を図１及び図２に基づいて説明する。尚、本発明は、ブーム等のアタッチメントを搭載した建設機械であれば全て適用可能であるが、本実施例は、建設機械として油圧ショベルに適用している。

本実施例に係る油圧ショベルは、機体（上部旋回体）のフロント部にアタッチメントを搭載したものであって、アタッチメントを除いて、図３に例示した油圧ショベルと略同一の構造を有している。即ち、下部走行体上には上部旋回体が旋回可能に搭載され、且つ、該上部旋回体にブーム、アーム及びバケットと、これらを駆動するブームシリンダ、アームシリンダ及びバケットシリンダが搭載されている。

図１は、上記アタッチメントとしてブーム２１の分割型構造の具体例を示す。尚、ブーム２１の形状寸法などは図３のブームとは異なるものである。図１において、ブーム２１の先端部２２及び中間下縁部２３には、連結用ピン孔２４，２５が夫々開穿されている。又、ブーム２１は５枚の切板２６，２７，２８，２９，３０を互いに固着して構成されている。

符号Ｌ_１，Ｌ_２，Ｌ_３，Ｌ_４はブーム２１の分割ラインを示し、そのうち３本の分割ラインＬ_１，Ｌ_２，Ｌ_３は縦方向に延びて、先端側切板２６、中間前側切板２７、中間後側切板２８及び基端側切板２９の４枚に画成している。又、残りの分割ラインＬ_４は横方向に延びて、中間後側切板２８と中間下側切板３０の上下２枚に画成している。

これら５枚の各切板２６，２７，２８，２９，３０の板厚は、当該切板２６，２７，２８，２９，３０に夫々発生する各応力に応じた最適な厚さに設定されている。

本実施例では、連結用ピン孔２４，２５の外周縁部には他の部分に比べて大きな応力が発生し、特に、連結用ピン孔２５の外周縁部（図１における▲印の箇所参照）は連結用ピン孔２４の外周縁部よりも高い応力が発生する。

このため、連結用ピン孔２５を含む中間下側切板３０の板厚は、高い応力に対応すべく他の切板２６，２７，２８，２９，３０の板厚よりも厚く設定されている。更に、中間下側切板３０は略三角形、矩形又は多角形に形成され、高応力発生部を含む範囲で可能な限り、前記略三角形、矩形又は多角形の面積が小さくなるように設定されている。

このように本実施例では、ブーム２１の軽量化、部分的強度アップ及び溶接信頼性を図るために、ブーム２１を構成する切板２６，２７，２８，２９，３０の枚数が従来例に比して増加しているため、それらの面積が小さくなるように細分化されている。加えて、各々の切板２６，２７，２８，２９，３０は個々の強度に適合した板厚を有している。

特に、高応力発生部を含む中間下側切板３０の面積は、所要の強度を確保できる範囲で極力細分化して形成されている。このため、板材の無駄な使用を省いて、軽量化及び高剛性強化の双方が両立されている。

尚、上記実施例では、アタッチメントとしてブームに適用したが、本発明はブームに限定されるものではなく、アーム等の他のアタッチメント（中間ブーム及び中間アームを含む）に適用してもよい。例えば、図２の建設機械３４に搭載されているアーム３１、或いは、ブーム３２又は３３のように、上下一対の連結用ピン孔を有するアタッチメントに適用してもよい。

叙上の如く本発明によると、ブーム２１の分割ラインは従来例よりも多い４本であり、且つ、個々の切板２６，２７，２８，２９，３０は、各々に発生する応力に応じた板厚に設定されている。特に、高応力発生部を含む中間下側切板３０の板厚は、他の切板２６，２７，２８，２９の板厚よりも厚く形成されている。

斯くして、本発明に係るブーム２１は、高応力発生部のみを厚板の鉄材により形成できるので、高応力発生部の強度が局所的に向上し、以て、全体として高剛性のアタッチメント構造物が得られる。

又、従来例の２重構造の場合には、後方から構造物に施上するため、溶接施工及び品質の安定性も困難となる。之に対して本発明は１枚構造であるため、単体の状態で施工及び品質確認ができ、更に、ヒビ等の溶接欠陥が生じる恐れもなく、ブーム２１の品質信頼性が向上する。

更に、ブーム２１の分割個数の増加に加えて、高応力発生部を含む中間下側切板３０のみを厚く形成することにより、無駄な材料の使用量を最大限省略でき、ブーム２１全体の軽量化を図ることができる。

その結果として、ブーム２１の吊り性能及びサイクルタイム等の運動性能の向上に寄与することができる。又、軽量化構造のブーム２１は、カウンタウエイトの軽量化などの建設機械全体の一層の軽量及び高強度化にも寄与できる。

更に、高応力発生部を含む中間下側切板３０は、所要の強度を確保できる範囲内で、可能な限り面積が小さくなる略三角形、矩形又は多角形に形成されている。斯くして、中間下側切板３０は、高応力発生部に対応可能な強度を維持しつつ、材料使用量が必要最小限に抑えられている。従って、ブーム２１の材料使用量が更に少なくなり、ブーム２１全体の一層の軽量化が可能になる。

なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。

本発明に係る一実施例を示し、アタッチメント構造を説明する側面図。本発明にて適用可能な建設機械を示す側面図。従来例を示し、建設機械（油圧ショベル）の側面図。従来例に係る建設機械のアタッチメント構造を具体的に説明する側面図。

符号の説明

２１ブーム（アタッチメント）
２５連結用ピン孔
２６〜３０切板

Claims

複数枚の切板を互いに固着して形成され、且つ、高応力発生部を含むブーム又はアーム等のアタッチメントを搭載して成る建設機械のアタッチメント構造において、前記切板は複数枚数であり、各切板の板厚は各々に発生する応力の大きさに応じて設定され、前記高応力発生部を含む切板の板厚は、他の切板の板厚よりも厚く形成されていることを特徴とする建設機械のアタッチメント構造。
上記高応力発生部を含む切板の形状は、該高応力発生部全域を含む略三角形、矩形又は多角形であり、且つ、該略三角形、矩形又は多角形の面積が可能な限りが小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項１記載の建設機械のアタッチメント構造。