JP2010150390A - プレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ及び炭素繊維布帛強化プラスチック成形品 - Google Patents

プレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ及び炭素繊維布帛強化プラスチック成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】炭素繊維布帛の目開きや目曲がりによる強度低下及び電磁波シールド性の低下を抑えた炭素繊維布帛強化プラスチック成形品及びその成形品を製造するために適した炭素繊維布帛プリプレグを提供する。
【解決手段】炭素繊維布帛に熱硬化性樹脂を含浸させた炭素繊維布帛プリプレグ2と、該炭素繊維布帛プリプレグ2の片面に貼着された金属箔3と、からなるプレス加工用炭素繊維布帛プリプレグ1及び該プレス加工用炭素繊維布帛プリプレグ1をプレス加工して賦形する炭素繊維布帛強化プラスチック成形品。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭素繊維布帛を強化材として樹脂の中に複合させたプレス加工用炭素繊維布帛プリプレグ及び該炭素繊維布帛プリプレグをプレス加工した強化プラスチック成形品に関する。このような強化プラスチック成形品は、電子機器の部品、部材若しくは筐体、車両部材、航空機部材、建築部材等に好ましく用いられる。
ノートパソコン、携帯電話、携帯情報端末に代表されるように携帯型電子機器の普及が進むにつれて、薄型で軽量の製品が、市場で強く要望されてきている。これに伴い、製品を構成する筐体や内部部材には、薄肉性、軽量性を有するとともに、高剛性を有することが要求されている。
携帯型電子機器の筐体には、比剛性が高く、軽量であるところからマグネシウム合金を成形したものが多く使用されている。また、車両部材においても、ボディや内装の軽量化、転がり抵抗の低減などの目的で、マグネシウム合金を成形した製品の使用が増えてきている(例えば、特許文献1、2等参照。)。
しかし、一般にマグネシウム合金を用いた成形品は、溶融させたマグネシウム合金を金型内に流し込む鋳造法によって製造されているため、薄型化には限界があった。そこで、より薄型・軽量化することを目的に炭素繊維を使用した電子機器の筐体が提案されてきている(例えば、特許文献3、4等参照)。
特開2008−049379号公報 特開2001−334356号公報 特開2005−150668号公報 特開2007−110138号公報
ところが、硬化した炭素繊維プリプレグは塑性降伏域を持たず完全弾性体として挙動するため、複雑形状の形成は困難であり、予め平板状に成形した炭素繊維強化プラスチック積層体をモールド部材に接着固定して使用されており、このため積層体にモールド部材を溶着固定するための孔をあける必要があるという問題があった(例えば、特許文献3参照。)。
また、炭素繊維プリプレグを使用した炭素繊維強化プラスチック成形品による筐体は携帯型電子機器等の用途に最適であるが、従来から使用されている炭素繊維強化プラスチック製筐休は複数枚の一方向引き揃え炭素繊維プリプレグの方向を組合せて構成しているため、厚さが厚くなると共にコスト増になっていた。
このため、炭素繊維布帛を使用したプリプレグによる筐体が検討されているが、電子機器用筐体の複雑形状に賦形した場合に(例えば、プレス加工等による成形)、製品形状の延ばされる部分を中心に炭素繊維の目が開く目開きや炭素繊維の目が曲がる目曲がりが発生するという問題があった。これは外観上の問題だけでなく、電磁シールド性にも悪影響を及ぼしていた。
そこで、本発明の目的は、炭素繊維布帛の目開きや目曲がりによる電磁波シールド性の低下を抑えた炭素繊維布帛強化プラスチック成形品及びその成形品を製造するために適した炭素繊維布帛プリプレグを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、炭素繊維布帛に熱硬化性樹脂を含浸し乾燥(セミキュア)させた後、片面に金属箔を張り付けた金属箔張り炭素布帛プリプレグが、金型を用いてプレス成形して賦形した際にも、炭素繊維布帛の目開きや目曲がりのない炭素繊維布帛プラスチック成形品の製造に適したものであることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
すなわち、本発明のプレス加工用炭素繊維布帛プリプレグは、炭素繊維布帛に熱硬化性樹脂を含浸させた炭素繊維布帛プリプレグと、該炭素繊維布帛プリプレグの片面に貼着された金属箔と、からなることを特徴とするものである。
また、本発明の炭素繊維布帛強化プラスチック成形品は、炭素繊維布帛プリプレグを金型に載置し、プレス加工して、炭素繊維布帛プリプレグに金型形状を賦形した炭素繊維布帛強化プラスチック成形品であって、炭素繊維布帛プリプレグが、本発明の金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグであることを特徴とするものである。
本発明のプレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ及び炭素繊維布帛強化プラスチック成形品によれば、薄肉性、軽量性を有するとともに、高剛性を有する炭素繊維布帛強化プラスチック成形品が得られるだけでなく、電子機器用筐体等の複雑形状に賦形した場合でも繊維の目開きや目曲がりがなく、意匠性に優れ、電磁シールド性にも優れた筐体を提供することができる。
以下、本発明のプレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグについて図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のプレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグの断面図を示したものである。このプレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ1は、炭素繊維布帛プリプレグ2と、その片面に貼着された金属箔3と、から構成されるものである。
ここで、本発明に使用される炭素繊維布帛プリプレグ2は、炭素繊維布帛に熱硬化性樹脂を含浸し乾燥(セミキュア)させて得られるものである。ここで、炭素繊維布帛は、炭素繊維を原糸として用いた織布等の繊維製品のことをいい、炭素繊維強化プラスチック成形品に用いられるものであれば特に限定されるものではない。そして、このような炭素繊維を用いた炭素繊維布帛は、例えば、平織り、綾織、朱子織り等による織布を好ましく用いることができるものである。
ここで、炭素繊維布帛に用いる炭素繊維としては、この種の強化繊維として用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、PAN系やピッチ系の炭素繊維が挙げられ、例えば、東レ株式会社製のトレカ系、東邦テナックス株式会社製の炭素繊維等が挙げられる。この炭素繊維の引張弾性率は、230GPa以上、好ましくは400GPa以上のものであることが好ましい。
また、本発明の炭素繊維布帛プリプレグ2に使用される熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、変性ポリイミド樹脂等を用いることができ、エポキシ樹脂を主成分とする樹脂組成物が好適に使用される。以下、エポキシ樹脂を用いた樹脂組成物の構成を例に挙げて説明する。
ここで用いるエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、硬化促進剤等を必須成分とするものである。ここで、エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル系の変性エポキシ樹脂及びその臭素物等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
このとき、エポキシ樹脂用硬化剤としては、公知のエポキシ樹脂用の硬化剤を使用可能である。例えば、脂肪族アミン系硬化剤、脂環族アミン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノールノボラック、ジシアンジアミド、三フッ化硼素アミン錯塩等が例示され、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
さらに、ここで用いるエポキシ樹脂用硬化促進剤としては、公知のエポキシ樹脂用の硬化促進剤を使用することができ、例えば、イミダゾール類、BF錯体、3級アミン類、トリフェニルホスフィン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
これらのエポキシ樹脂組成物における各成分は、それぞれ樹脂組成物中に、エポキシ樹脂が60〜96質量%、エポキシ樹脂用硬化剤が0.5〜35質量%、エポキシ樹脂用硬化促進剤が0.01〜5質量%であることが好ましい。
また、このエポキシ樹脂組成物のその他の成分として、エラストマー成分を配合することにより、金属箔との接着性や樹脂のフロー抑制に有効である。エラストマー成分の配合量はエポキシ樹脂100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがより好ましい。
エラストマーは、常温でゴム状弾性を有するものであればよく、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム、ビニル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
そして、上記した各成分をメチルエチルケトン/セロソルブ、メチルエチルケトン/トルエン等の溶剤を用いて適宜希釈することによりエポキシ樹脂組成物を製造することができる。
このような樹脂組成物を用いたプリプレグの樹脂含有率については30〜70質量%が好ましい。樹脂分が30質量%以下では、樹脂分が不足して、かすれた状態になり外観上好ましくない、また70質量%以上では樹脂フローの制御が困難となるため目開きや目曲がりが発生する可能性が高く、適当ではない。
また、この炭素繊維布帛プリプレグ2は、所望の成形品を形成するための材料に要求される特性に応じて適宜選択すればよい。本願発明における効果を発揮するためには、プレス加工により成形され、得られた成形品の強度も十分に有するものであって、その厚さが10〜200μmであることが好ましく、100〜160μmであることがより好ましい。また、このプリプレグの引張り強度は400N/mm以上であることが好ましい。
そして、本発明のプレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ1は、上記のような炭素繊維布帛プリプレグ2の片面に金属箔3を貼着することにより構成されるものであり、この金属箔は金型とプリプレグ間の緩衝効果を果たし、成形ガイドとして繊維の織りを保持する作用を生じるものである。これによって、炭素繊維布帛プリプレグの加工の際に目曲がりや目開きを生じることがないようにすることができるものであり、このような作用を発揮するために金属箔には接着力、強度、伸びが求められる。
具体的には、金属箔と炭素繊維布帛プリプレグの接着力は0.2kN/m以上、3kN/m未満が好ましい。0.2kN/m未満では、金属箔と炭素繊維布帛プリプレグとの間でズレや剥れが発生する可能性があるため、成形ガイドとして機能しなくなるおそれがあり、3kN/m以上では金属箔と炭素繊維布帛プリプレグ間の接着力が強すぎて金型とプリプレグ間の緩衝作用が得られなくなるため好ましくない。また、金属箔の強度は、引っ張り強さが250N/mm以上であることが好ましく、さらに好ましくは400N/mm以上である。引っ張り強さが250N/mmより小さいと、炭素繊維の引っ張り応力により成形品に反りが発生するおそれがあるためである。さらに、金属箔の伸びは10%以上であることが好ましい。伸びが10%より小さいとプレス加工性に劣るため好ましくない。
この金属箔3の厚さは、金属箔の材質等によっても異なるが、通常10〜100μm、好ましくは10〜50μm、より好ましくは20〜30μmの範囲であることが望ましい。金属箔の厚さが100μmを超える場合には、重量が増し、箔が肉厚化することで、薄型化、小型軽量化を達成するのが困難となる。その結果、薄型で小型軽量化を指向する利用者やメーカーの要望に十分に応えることができなくなるおそれがある。一方、金属箔の厚さは薄ければ薄いほど望ましいが10μm未満の場合には、工業的に入手困難であることに加えて成形後の強度が十分でなくなるおそれもある。
また、この金属箔3としては、ステンレス箔、マグネシウム箔、チタン箔、ニッケル箔、亜鉛、リン青銅箔、冷間圧延鋼板(SPCC)箔等が挙げられ、ステンレス箔であることが強度、加工性の点で好ましく、さらに、そのなかでも光輝焼鈍処理を行ったステンレス箔はプレス加工時の加工性がよく、より好適に使用することができる。上記ステンレス箔の材質は、特に制限されるものではないが、圧延処理に用いるステンレス薄板として最も広く使用されており、さらに高強度を有してなる、SUS304系、SUS316系などのステンレス鋼を原板とし、その後に圧延加工を行って得られたものが望ましい。
上記金属箔は、さらにコロナ処理、易接着処理等の公知の手段を用いて炭素繊維布帛プリプレグの接着面側に表面処理を行い、接着性の改良を行なうことができる。上記表面処理としては、金属表面を改良する従来公知の処理としてブラスト処理、酸洗い、彫刻ロール転写等が利用できるほか、金属箔の表面に接着剤との密着性に優れた金属被膜や金属酸化物被膜を設けることも可能である。
本発明のプレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ1は、上記で説明した炭素繊維布帛プリプレグと金属箔を熱圧着することによって製造することができる。熱圧着の方法としては、金属と樹脂とを圧着することができるものであれば特に限定されるものではなく、熱ラミネート、熱プレス等が好ましく挙げられる。例えば、熱ラミネート法を採用する場合は、ロール温度100℃の熱ロールで圧力1MPaの条件で好適に作成できる。
ここで、炭素繊維布帛プリプレグ2は、金型成形時の溶融粘度を調整するために予備硬化をしておいてもよい。このプリプレグの備える樹脂成分の溶融粘度は1000〜10000ポイズが好ましい。溶融粘度はフローテスター CFT100C(株式会社島津製作所製、商品名)で130℃定温法における測定結果より求められる。
この溶融粘度が1000ポイズより低いと樹脂のフローが大きく布帛の目開きや目曲がりが発生しやすくなってしまい、溶融粘度が10000ポイズを超えるとプレス加工時の複雑な形状への追従性が悪くなる。
次に、炭素繊維布帛強化プラスチック成形品のプレス加工を用いた製造方法について、図2を参照しながら説明する。
まず、図2(a)に示したように、本発明の金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ1を金型4,5の固定側に載置する。次に、金型4,5を型締めし、型締め状態で3〜300秒、好ましくは5〜180秒程度保持し、炭素繊維布帛プリプレグ1に金型形状を賦形する(図2(b))。次に、可動側を0.1〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.0mm程度後退させ、型締め圧を緩めた状態で、10〜300秒、好ましくは40〜180秒程度保持してアニーリングを行う(図2(c))。
ここで、金型表面温度は、プリプレグ樹脂の融点(一般に、70℃〜120℃)を超える温度、好ましくは融点プラス50〜70℃程度に加熱されていることが肝要である。加熱硬化を終えたプレス成形品6は、金型2,3から取り外し、必要に応じてポストキュアを行った後、プレス成形の行われる環境下でさらに冷却し、トリミング型7により外形加工を行い、最終的な炭素繊維布帛強化プラスチック成形品8とする。
このように、プリプレグの表面に金属箔を有することの第1の利点は、炭素繊維布帛の目開きや目曲がりの抑制に効果があることである。炭素布帛を基材とするプリプレグを単独で使用し、金型を用いたプレス成形を行った場合、製品形状の延ばされる部分を中心に繊維の目開きや目曲がりといった現象が発生することが問題となっており、金属箔の存在がこれを抑制できるものである。
本発明によれば、金属箔の存在により、炭素繊維布帛強化プラスチック成形品を製造する際に、炭素繊維布帛プリプレグはその張りを保った状態で金型に載置され、プレス成形時における基材の局所的な変形が抑制される。このため、成形時に、炭素繊維布帛プリプレグを金型の型面に沿って均一に賦形させることができる。これにより、繊維目が開くことが抑制され、成形品の見栄えを向上することができる。
そして、プリプレグの表面に金属箔を有することの第2の利点は、電磁シールド性に優れていることにある。
KEC法による電磁シールド性評価の結果、金属箔を使用した場合、1GHzでは60dB以上のシールド性が得られるが、炭素繊維布帛単独では50dB程度である。本発明の構成では80dB以上のシールド性が得られるため、高周波ノイズ耐性の良好な筐体を得ることができる。また、炭素繊維布帛の目曲がりや目開きがあると、電磁波の漏洩によりシールド性が劣る傾向にあるが、本発明による成形方法によれば、線維目が開くことが抑制されるため、より好適なシールド性を有する成形品を得ることができる。
さらに、プリプレグの表面に金属層を有することの第3の利点は、筐体組み付け時に有用なボスの付加が可能であることにある。はんだ付けをはじめとする溶接技術を適用することにより、成形品の内側に組み付け用のボスを付加する事が可能となり、筐休の組み立てが容易になる。
さらに、本発明では、プレス加工により筐体を一体的に成形できるので、従来のように、炭素繊維強化プラスチック積層体にモールド部材を溶着固定するための孔をあける必要がなくなり、作業性が向上し、筐体の厚さも薄く加工できるという利点もある。
以下、本発明を実施例及び比較例により説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(参考例1)
[炭素繊維布帛プリプレグの作成]
カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴムのニポール1072(日本ゼオン社製、商品名) 36質量部、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂のYDB−400(東都化成社製、商品名;エポキシ当量400) 18.5質量部、臭素化ノボラック型エポキシ樹脂のBREN S(日本化薬社製、商品名;エポキシ当量284) 18.5質量部、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン(アミン当量62) 6.9質量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.2質量部、水酸化アルミニウム 20質量部及び老化防止剤のN,N´−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン 1質量部を、メチルエチルケトン/トルエン=6/4の混合溶剤に溶解希釈し、これを炭素繊維布帛W−1103(東邦テナックス株式会社製、商品名)に含浸、180℃で3分間乾燥することで、樹脂質量比率40%、厚さ150μmの炭素繊維布帛プリプレグを製造した。
(実施例1)
ステンレス箔(SUS304、厚さ50μm)の表面に、参考例1で作成した炭素繊維布帛プリプレグ(厚さ150μm)と離型フィルム(サン・アルミニウム工業株式会社製、商品名:セパニウム)を重ね合わせ120℃の熱ロールを使用し、0.5MPaでラミネーションをしてステンレス箔張り炭素繊維布帛プリプレグシートを製造した。
このプリプレグシートをステンレス箔の面を内側にして150℃に加熱した金型でプレス加工により長さ80mm×幅50mm×厚さ4mmの携帯機器の蓋体を成形した。取り出し後、150℃で30分の後硬化を行い、トリミング型にて外形加工を行い、炭素繊維布帛強化プラスチック成形品を製造した。
(実施例2)
ステンレス箔(SUS430、厚さ50μm)の表面に、参考例1で作成した炭素繊維布帛プリプレグ(厚さ150μm)と離型フィルム(サン・アルミニウム工業株式会社製、商品名:セパニウム)を重ね合わせ120℃の熱ロールを使用し、0.5MPaでラミネーションをしてステンレス箔張り炭素繊維布帛プリプレグシートを作成した。このシートをステンレス箔の面を内側にして150℃に加熱した金型でプレス加工により長さ80mm×幅50mm×厚さ4mmの携帯機器の蓋体を成形した。取り出し後、150℃で30分の後硬化を行い、トリミング型にて外形加工を行い、炭素繊維布帛強化プラスチック成形品を製造した。
(比較例1)
参考例1で作成した炭素繊維布帛プリプレグ(厚さ150μm)と離型フィルム(サン・アルミニウム工業株式会社製、商品名:セパニウム)を表裏に重ね合わせて150℃に加熱した金型で実施例1と同形の携帯機器の蓋体を成形した。取り出し後、150℃で30分の後硬化を行い、トリミング型にて外形加工を行い、炭素繊維布帛強化プラスチック成形品を製造した。
(比較例2)
炭素繊維布帛プリプレグを使用せずに、ステンレス箔(SUS430、厚さ50μm)をプレス加工で実施例1と同形の携帯機器の蓋体を成形した。
(比較例3)
参考例1で作成した炭素繊維布帛プリプレグ(厚さ150μm)の繊維の一交点に隙間を開け、擬似的に目開き形状として、ステンレス箔(SUS304、厚さ50μm)の表面に、離形フィルム(セパニウム、サンアルミニウム社製品)を重ね合わせ120℃の熱ロールを使用し、0.5MPaでラミネーションをしてステンレス箔張り炭素繊維布帛プリプレグシートを作成した。
実施例及び比較例で製造された炭素繊維布帛強化プラスチック成形品について、その目曲がり及び目開きによる外観観察と、シールド性について試験を行い、評価を行った。その評価結果を表1に示した。
Figure 2010150390
(評価方法)
外観:織り目の曲がり度合い及び開き度合いを目視にて下記基準により評価した。
目曲がり:10cm長に対して生じたズレが3mm以上を×、3mm未満を○とした。
目開き:繊維間が繊維の幅以上の空隙を生じていた場合を×、繊維の幅より小さい場合は○とした。
シールド性:KEC法(関西電子振興センターの定める近傍電界に対するシールド効果の測定方法)による、1GHzにおける電磁波の減衰度を測定した。なお、図5は、実施例及び比較例の炭素繊維布帛プリプレグ又はステンレス箔におけるシールド性(減衰性能)を示した図である。この図5において、実施例2の減衰性能は、実施例1の結果と重なるため省略した。
以上の結果から、本発明のプレス加工用炭素繊維布帛プリプレグが、炭素繊維布帛強化プラスチック成形品の加工において、炭素繊維の目曲がりや目開きを効果的に抑制することができ、また、シールド性にも優れたものであることがわかった。
本発明の金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグの断面図である。 本発明の成形品の製造工程を示した図である。 実施例における目曲がりの判定基準を示した図である。 実施例における目開きの判定基準を示した図である。 実施例及び比較例における周波数とシールド性(減衰性能)との関係を示した図である。
符号の説明
1…プレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ、2炭素繊維布帛プリプレグ、3…金属箔、4…上型、5…下型、6…プレス成形品、7…トリミング型、8…炭素繊維布帛強化プラスチック成形品

Claims (6)

  1. 炭素繊維布帛に熱硬化性樹脂を含浸させた炭素繊維布帛プリプレグと、該炭素繊維布帛プリプレグの片面に貼着された金属箔と、からなることを特徴とするプレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ。
  2. 前記金属箔の厚さが10〜100μmであることを特徴とする請求項1記載のプレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ。
  3. 前記金属箔が、ステンレス箔であることを特徴とする請求項1又は2記載のプレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ。
  4. 前記炭素繊維布帛プリプレグの厚さが10〜200μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のプレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ。
  5. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のプレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグ。
  6. 炭素繊維布帛プリプレグを金型に載置し、プレス加工して、炭素繊維布帛プリプレグに金型形状を賦形した炭素繊維布帛強化プラスチック成形品であって、
    前記炭素繊維布帛プリプレグが、請求項1乃至5のいずれか1項記載のプレス加工用金属箔張り炭素繊維布帛プリプレグであることを特徴とする炭素繊維布帛強化プラスチック成形品。
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