JP4802802B2 - 電子機器用筐体 - Google Patents

電子機器用筐体 Download PDF

Info

Publication number
JP4802802B2
JP4802802B2 JP2006085202A JP2006085202A JP4802802B2 JP 4802802 B2 JP4802802 B2 JP 4802802B2 JP 2006085202 A JP2006085202 A JP 2006085202A JP 2006085202 A JP2006085202 A JP 2006085202A JP 4802802 B2 JP4802802 B2 JP 4802802B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
resin layer
fiber reinforced
reinforced resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006085202A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006297929A (ja
Inventor
雅登 本間
知行 篠田
健一 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2006085202A priority Critical patent/JP4802802B2/ja
Publication of JP2006297929A publication Critical patent/JP2006297929A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4802802B2 publication Critical patent/JP4802802B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Casings For Electric Apparatus (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、金属/繊維強化樹脂複合材料からなる電子機器用筐体に関し、とくに金属層と繊維強化樹脂層との接着性を向上し、目標とする特性を確実に発揮可能な電子機器用筐体に関する。
電子機器、とりわけ、ノートパソコン、携帯電話、携帯情報端末に代表されるような携帯電子機器の普及が促進されるにつれて、薄型で軽量の製品が、市場で強く要望されている。これに伴い、製品を構成する電子機器筐体においても、薄肉性、軽量性を有するとともに、内部の電子部品の保護する観点から高剛性を満足することが、強く要求されている。また、IT産業の発展に伴い、身の回りに多種多様な電子機器が溢れ、電磁波ノイズにより引き起こされる電子機器類の誤作動が深刻な問題としてクローズアップされるようになり、電子機器には電磁波シールド性が重要視されている。
ここで、金属(例えば、チタン合金やアルミニウム合金等)と繊維強化樹脂を積層・接着一体化した複合材料は、金属が有する優れた耐衝撃性、導電性、電磁波シールド性等と、繊維強化樹脂が有する優れた軽量性、高い力学特性の両方を発現し得る材料として知られている。
しかしながら、単に金属層と繊維強化樹脂層とを積層・接着して構成した金属/繊維強化樹脂複合材料は、金属層と繊維強化樹脂層との間で層間剥離が生じるおそれがあり、電子機器筐体として用いた場合、電子機器の繰り返し開閉操作や、落下、衝突などの使用環境、携帯環境において、破損を引き起こすことが想定される。とくに金属層がチタン合金等の難接着金属からなる場合には、高い頻度で層間剥離が生じる可能性がある。
そこで、金属層と繊維強化樹脂層を接着一体化する際に、接着性を向上させるために、ケミカルエッチングなどの表面処理を施す方法が知られているが、これらの処理工程は一般的に生産性の悪化、製造コストの高額化をまねく結果となる。
また、金属層の接着性を向上するために、陽極酸化皮膜を形成したりする表面処理も提案されているが(例えば、特許文献1、特許文献2)、金属と接着剤との接着性は向上するものの、接着剤と繊維強化樹脂との接着性は必ずしも向上されない。さらに、接着剤自体を高靱性化する手法も提案されているが(例えば、特許文献3、特許文献4)、接着剤層内での破壊は抑制されるものの、接着剤層と繊維強化樹脂層との界面の耐剥離強度等は必ずしも向上されない。
特開2002−129387号公報 特開平7−252687号公報 特開昭58−189277号公報 特開2004−263104号公報
そこで本発明の課題は、とくに電子機器用筐体を金属/繊維強化樹脂複合材料から構成する場合に、金属層と繊維強化樹脂層との接着性を向上することにより、各層それぞれの優れた特性をともに発揮させつつ両層間での剥離等の問題を解消でき、全体として優れた特性を発現可能な電子機器用筐体を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明に係る電子機器用筐体は、金属層と繊維強化樹脂層が中間樹脂層を介して接着一体化された金属/繊維強化樹脂複合材料から構成された電子機器用筐体であって、前記中間樹脂層が、平均粒径3〜10μmの熱可塑性樹脂の粒子およびイミダゾールシラン化合物を含有し、前記中間樹脂層と前記繊維強化樹脂層との境界部が、前記粒子を構成する熱可塑性樹脂と前記繊維強化樹脂層の強化繊維とが混在した混合層を形成していることを特徴とするものからなる。
また、前記熱可塑性樹脂の粒子は、粒子同士の融着等により少なくとも部分的に連続相の形態で前記中間樹脂層内に存在していることが好ましい。
また、繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂と中間樹脂層の母材樹脂とが同種の樹脂(望ましくは、同一の樹脂)からなることが好ましい。例えば、繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂と中間樹脂層の母材樹脂が同種あるいは同一の熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)からなることが好ましい。
前記金属層としては種々の金属を採用し得るが、筐体の剛性向上の観点から、チタン合金が好ましく用いられる。このようにチタン合金等の難接着金属を含む層からなる場合に、本発明による効果はとくに大きい。チタン合金は比強度、比弾性率が高く、力学特性に優れるため、チタン合金を使用することにより、剛性向上の他に軽量化効果も併せて得られる。金属層の形状は、とくに限定されず、単なる層形状(板形状)の場合もあるし、筐体の要求形状に沿った複雑な形状の場合もあり、いずれの場合にも本発明の適用が可能である。
また、前記繊維強化樹脂層の強化繊維としても種々の強化繊維を使用し得るが、とくに炭素繊維は比強度、比弾性率が高く力学特性に優れているだけでなく、導電性を有しているため、炭素繊維を強化繊維として含む層に構成すると、繊維強化樹脂層自体も電磁波シールド性を発現できるため、電子機器用筐体全体としてより優れた特性が得られやすく、かつ、その特性も制御しやすくなる。
本発明に係る電子機器用筐体としては、電子機器用の筐体に使用されるものであれば特に限定されず、あらゆる分野におけるあらゆる形態の電子機器用筐体を含む。
このような本発明に係る電子機器用筐体においては、中間樹脂層が所定範囲の粒径の熱可塑性樹脂粒子を含有することにより、熱可塑性樹脂粒子が中間樹脂層の所定の厚みを確保するためのスペーサ的な役割を果たし、金属層と繊維強化樹脂層との間に所定厚みの中間樹脂層が確実に介在されることになる。そして、中間樹脂層に熱可塑性樹脂粒子が配合されていることにより、中間樹脂層自体の高靱性化も可能になる。
この中間樹脂層を介して金属層と繊維強化樹脂層が接着一体化されるが、中間樹脂層がイミダゾールシラン化合物を含有していることにより、金属との接着性が向上され、難接着金属に対しても、良好な接着性を発現できるようになって、中間樹脂層と金属層間の接着性が大幅に向上される。
また、中間樹脂層は平均粒径3〜10μmという微小粒径の熱可塑性樹脂粒子を含有しているので、繊維強化樹脂層との界面近傍においては、熱可塑性粒子が繊維強化樹脂層の強化繊維間に侵入していき、中間樹脂層と繊維強化樹脂層との境界部を、熱可塑性樹脂粒子と繊維強化樹脂層の強化繊維とが混在した混合層形成された形態とされている。このような形態において、例えば、熱可塑性樹脂粒子の融点以上の温度で中間樹脂層と繊維強化樹脂層を同時成形すれば、粒子同士は融着等により容易に少なくとも部分的に連続相の形態に連なる。このような形態を現出しているので、融着等により少なくとも部分的に連続相の形態になった熱可塑性樹脂が、中間樹脂層と繊維強化樹脂層との界面において、中間樹脂層と繊維強化樹脂層の両方にまたがって存在することになり、いずれの層からみても、互いにアンカー効果を発揮することになる。このアンカー効果により、中間樹脂層と繊維強化樹脂層との接着性も、確実にかつ大幅に向上されることになる。
そして、金属層と繊維強化樹脂層が、中間樹脂層を介して、剥離を生じることのない強固な接着力で接着一体化されることにより、金属層が有する優れた耐衝撃性等と、繊維強化樹脂層が有する優れた軽量性、力学特性を共に安定して発現させることが可能になり、かつ、全体として優れた電磁波シールド性を発現でき、目標とする所定の特性が安定して確実に発揮されることになる。さらに、最表層が繊維強化樹脂層である場合には、該繊維強化樹脂層の最表層に撥水処理が施され、撥水層が形成されていることが好ましい。本発明の電子機器用筐体が高湿度もしくは温水に曝された場合、繊維強化樹脂層が吸湿もしくは吸水することにより、金属と繊維強化樹脂との接着性が劣化する懸念があるが、撥水層を形成することにより、吸湿もしくは吸水を抑制し、接着性の劣化を防ぐことができるためである。
さらに、電子機器筐体はボス、リブ、ヒンジなどの複雑形状を有する場合が多く、前記金属/繊維強化樹脂複合材料の単一の成形工程で製造するのは、労力と生産性の点において不利となる場合もある。そのような場合には、複雑形状を有する部品や構造体を、別の材料で成形し、それらを一体化することが好ましい。すなわち、金属/繊維強化樹脂複合材料の繊維強化樹脂層(I)に、熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)が接合されてなることが好ましい。ここで、熱可塑性樹脂(A)は、射出成形などの成形方法でより複雑形状の部材を、量産性よく製造できる観点から好ましく選択される。従って、部材(I)は製造が容易な単純な板形状が好ましく、部材(II)は枠体、立ち壁、ボス、リブ、ヒンジ、台座などの複雑な形状であることが好ましい。
前記部材(I)と部材(II)の一体化手法として、ボルト、リベット、ビスなどの機械接合や、接着剤を使用する接合方法をとることも可能であるが、電子機器の量産性をより高める観点から、熱可塑性樹脂(B)からなる接着層を介して接合する、いわゆるホットメルト接着方法を用いることが好ましい。ここで、接着強度をさらに高める観点から、前記熱可塑性樹脂(B)は、部材(I)の最外層である繊維強化樹脂層と接着されていることがより好ましい。また、前記接着層において、熱可塑性樹脂(B)が前記繊維強化樹脂層(I)を構成するマトリックス樹脂と凸凹形状を有して接合されていることが好ましく、熱可塑性樹脂(B)が前記繊維強化樹脂層(I)を構成する強化繊維束に含浸されていることがさらに好ましく、かつその最大含浸長さが10〜1000μmであれば、より好ましい。
このように、本発明に係る電子機器用筐体によれば、所定粒径の熱可塑性樹脂粒子とイミダゾールシラン化合物を含有した中間樹脂層を介して金属層と繊維強化樹脂層を接着一体化し、中間樹脂層と繊維強化樹脂層との境界部が、粒子を構成する熱可塑性樹脂と繊維強化樹脂層の強化繊維とが混在した混合層を形成するようにしていることにより、接着性を大幅に向上でき、層間剥離を生じずに優れた力学特性、電磁波シールド性等の特性発現できる金属/繊維強化樹脂複合材料からなる電子機器用筐体を実現できる。
また、金属の接着表面にケミカルエッチングや陽極酸化処理などの特別な表面処理等を施さずに優れた接着性を発現させることができるので、電子機器用筐体を、高い生産性をもって、安価にかつ容易に製造できるようになる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る電子機器用筐体を示している。図1において、1は電子機器用筐体全体を示しており、この電子機器用筐体1は、枠体21と天板22とからなり、本実施態様では、この天板22が金属/繊維強化樹脂複合材料から構成されている。この天板22は、例えば、図2〜図4に示すように構成される。図2に示す構造においては、両表面に金属層2が配置され、内層に繊維強化樹脂層3が配置され、金属層2と繊維強化樹脂層3との間に、金属層2と繊維強化樹脂層3を接着一体化する中間樹脂層4が介在されている。また、図3に示す構造においては、内層に金属層2が配置され、両表面に繊維強化樹脂層3が配置され、金属層2と繊維強化樹脂層3との間に、金属層2と繊維強化樹脂層3を接着一体化する中間樹脂層4が介在されている。また、図4に示す構造においては、片側表面に金属層2が配置され、もう一方の表面に繊維強化樹脂層3が配置され、金属層2と繊維強化樹脂層3との間に、金属層2と繊維強化樹脂層3を接着一体化する中間樹脂層4が介在されている。なかでも、最外層に繊維強化樹脂層3が配置されてなる図3および図4の形態が、後工程で別の部材と接合する観点から好ましい。
前記中間樹脂層4には、所定粒径(平均粒径3〜10μm)の熱可塑性樹脂粒子とイミダゾールシラン化合物が含有されている。繊維強化樹脂層3は、強化繊維とマトリックス樹脂(例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂)からなる複合材料で構成されている。
本発明において、前記熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、EVA樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびPPS系樹脂の群より選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。とくにポリアミド系樹脂は、熱硬化性樹脂との接着性が優れるためより好ましい。
このような中間樹脂層4と金属層2および繊維強化樹脂層3との接着構造の例を、図5、図6に示す。図6の方が、本発明による例である。
図5に示す例においては、金属層2と、強化繊維(群)5および熱硬化性マトリックス樹脂6を含む繊維強化樹脂層3との間に、熱硬化性樹脂7を母材樹脂とし熱可塑性樹脂8(熱可塑性樹脂連続相8a、熱可塑性樹脂粒子相8b)を含む接着樹脂層としての中間樹脂層4が介在されている。中間樹脂層4に所定粒径の熱可塑性樹脂粒子が配合されることにより、該粒子がスペーサの役割を果たし、中間樹脂層4の所望の厚みを確保し、金属層2と繊維強化樹脂層3との間に望ましい層間厚みを確保できる。また、熱可塑性樹脂粒子を配合することで、中間樹脂層4を高靱性化でき、含有粒子は、例えば、クラックに対するピン止め効果も発揮できる。この中間樹脂層4に含有されていた前記所定粒径の熱可塑性樹脂粒子は、例えば図示の如く、融着等により少なくとも部分的に連続相の形態(線状あるいは膜状の連続相形態)を有する熱可塑性樹脂連続相部分8aと、実質的に粒子の形態のまま残された熱可塑性樹脂粒子相部分8bとの混在形態とされる。このように熱可塑性樹脂粒子が連続相の形態で中間樹脂層4に含有されていることにより、金属層2と繊維強化樹脂層3との接着性が向上する。特に、金属層2に、繊維強化樹脂層3から引き剥がすような剥離モードの応力が加わった時には、中間樹脂層4内の熱可塑性樹脂粒子が連続相8aの形態を有するため、中間樹脂層4を構成する熱硬化性母材樹脂7に対するアンカーとして作用し、接着性が向上すると考えられる。ここで、繊維強化樹脂層3を構成する熱硬化性マトリックス樹脂6と中間樹脂層4を構成する熱硬化性母材樹脂7は同一の樹脂組成であってもよいし、それぞれ異なる熱硬化性樹脂であってもよい。
また、前記中間樹脂層4を構成する熱硬化性樹脂7は、イミダゾールシラン化合物を含有している。このイミダゾールシラン化合物を含むことにより、中間樹脂層4と金属層2、とくにアルミニウム合金等の難接着金属を含む金属層2との接着性が向上する。また、高温高湿度暴露後の接着性の低下が抑えられ、耐環境暴露特性も向上できる。イミダゾールシラン化合物の熱硬化性樹脂への配合量は、樹脂組成物重量対比0.1重量%以上2.0重量%以下であることが好ましい。すなわち、イミダゾールシラン化合物の混合量が、0.1重量%未満では、接着性向上の効果が小さいため好ましくない。2.0重量%を越えると、特に熱硬化性樹脂にエポキシ樹脂を用いた場合などに、イミダゾールシラン化合物が硬化剤もしくは硬化促進剤としても作用してしまうため、過剰に硬化が促進してしまうため好ましくない。この場合、イミダゾールシラン化合物をエタノールなどの有機溶媒に溶融した溶液を、金属の接着表面に塗布、乾燥して表面処理を施して使用することも好ましい使用形態のひとつである。このように、本発明におけるイミダゾールシラン化合物の使用目的は、特に金属層2への接着性の向上が目的であり、熱硬化性樹脂の硬化剤もしくは硬化促進剤もしくは金属の防錆として使用するものではない。
図6は、本発明による形態例を示している。すなわち、図6に示す電子機器用筐体11においては、中間樹脂層12が、繊維強化樹脂層3との境界部において、繊維強化樹脂層3の強化繊維5と、熱可塑性樹脂粒子、とくに連続相の熱可塑性樹脂8aとが混在している混合層12bを偏在して形成している。混合層12bよりも金属層2寄りの部分は、実質的に図2に示した中間樹脂層4と同等の形態を有している。このように強化繊維5と熱可塑性樹脂連続相8aが混在することにより、熱可塑性樹脂連続相8aが強化繊維群5に対してアンカーとして作用し、中間樹脂層12と繊維強化樹脂層3との接着性が大幅に向上する。各熱可塑性樹脂連続相8aは、複数の強化繊維5と接触していることがより好ましい。
この中間樹脂層12の厚みは、例えば15μm以上150μm以下であることが好ましく、かつ、混合層12bの最大厚みが10μm以上100μm以下であることが好ましい。図5に中間樹脂層12の厚みをTa,強化繊維群5との熱可塑性樹脂連続相8aとの混合層12bの厚みをTpfを示す。Ta、Tpfは複合材料の断面を光学顕微鏡、CCDを用いた顕微鏡、SEM、TEMにより観察することにより測定することができる。
中間樹脂層12の厚みTaが15μm未満では、中間樹脂層12が薄すぎて、層が破壊しやすいため好ましくない。一方、150μmより厚い場合には、中間樹脂層12が厚すぎるために、中間樹脂層12の重量が増加し、複合材料としての軽量化が損なわれるため好ましくない。
さらに強化繊維5と熱可塑性樹脂連続相8aとが混在している混合層12bの厚みTpfは10μm未満でも構わないが、10μm以上であることにより、より接着性が向上するため好ましい。一方、100μmより厚いと厚すぎるために、中間樹脂層12の重量が増加するため好ましくない。また、熱可塑性樹脂連続相8aを強化繊維間に100μmより厚く混在させることは、成形の観点から非常に困難になるおそれがあるため好ましくない。
中間樹脂層12内に配合される熱可塑性樹脂粒子に関しては、前記のような連続形状の連続相と平均粒径が3μm以上10μm以下の粒子形状が混在していることが好ましい。中間樹脂層12は、熱硬化性樹脂からなる母材樹脂7と熱可塑性樹脂粒子から構成されるが、この熱可塑性樹脂粒子は、平均粒径3μm以上10μm以下の粒子形状で、熱硬化性樹脂に混合されている。3μm以上10μm以下の粒子形状にすることにより、成形前に中間樹脂層12をフィルム形状などにする加工が容易であること、さらに硬化、成形工程において、該熱可塑性樹脂粒子が強化繊維間に介在しやすくなり、成形後に強化繊維と熱可塑性樹脂粒子とが混在している層12bを形成しやすくなる。このため、混合した熱可塑性樹脂粒子が一部は連続形状の連続相を形成し、残りが粒子形状のままである、共存状態とすることが好ましい。
なお、本発明における中間樹脂層12を構成する樹脂組成物そのものは、ASTM D 5045−96「Standard Test Methods for Plane−Strain Fracture Toughness and Strain Energy Release Rate of Plastic Materials」に基づいて測定した歪みエネルギー開放率(Strain Energy Release Rate)GICが、400J/m2 以上1000J/m2 以下であることが好ましい。GICが400J/m2 未満では、歪みエネルギー開放率が低すぎるため、中間樹脂層12の破壊が比較的容易に進むため好ましくない。中間樹脂層12内の熱可塑性樹脂粒子が連続形状の連続相で混在することにより、GICを向上させることができる。また、該熱可塑性樹脂粒子の熱硬化性樹脂への混合量を増加させることにより、GICを向上させることが可能である。一方、GICを1000J/m2 よりも大きくするためには、より多くの熱可塑性樹脂粒子を混合する必要があるが、熱可塑性樹脂粒子の混合量が多すぎると、樹脂組成物のフィルム形状などへの加工が困難になること、また中間樹脂層の耐熱性もしくは弾性率の低下の懸念があるため好ましくない。
前記熱可塑性樹脂を融着等により少なくとも部分的に連続相とするために、熱可塑性樹脂粒子の融点(あるいは、軟化点)以上の温度で成形することが好ましい。粒子を強化繊維間に入り込ませるために、中間樹脂層12と繊維強化樹脂層3の成形を同時に行うか、もしくは、硬化後の繊維強化樹脂を用いる場合には、粒子の粒径以上の表面粗さまで接着表面をブラスト処理する方法も採用できる。
前記熱可塑性樹脂の融点もしくは軟化点としては、200℃以下であることが好ましい。本発明においては、該熱可塑性樹脂の融点もしくは軟化点以上の温度および適切な加圧条件において、複合材料を成形することによって、中間樹脂内の熱可塑性樹脂を一度溶融もしくは軟化させることにより、該熱可塑性樹脂を容易に連続相の形態で混在させることができる。熱可塑性樹脂の融点もしくは軟化点が200℃よりも高い場合には、複合材料の成形温度も200℃より高くする必要があり、成形温度が高くなりすぎるため好ましくない。ここで言う成形温度とは、繊維強化樹脂層および中間樹脂層を構成する熱硬化性樹脂を硬化させる温度のことを意味する。
本発明において、金属層を構成する金属としては、電子機器筐体の軽量性を保ちつつ所定の特性を発揮させるものであれば、特に限定されるものではなく、各種要求特性に応じて選択すればよいが、軽量と高剛性、高強度を両立する観点から、チタン合金やアルミニウム合金が好ましい。
また、本発明において、前記強化繊維群を構成する強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維や、アラミド繊維、ポリアミド系合成繊維などの有機繊維、およびそれら2種類以上を組み合わせて使用することができるが、かかる強化繊維としては、とくに炭素繊維が好ましい。炭素繊維は比重が小さく、高強度、高弾性率であるため、比強度、比弾性率が大きく、本発明に係る電子機器用筐体の複合材料を軽量化、高強度化、高弾性率化できるため、好ましく使用できるだけでなく、炭素繊維は導電性を有するため、繊維強化樹脂層自体にも電磁波シールド性を付与することができるため、また、筐体全体としての剛性や電磁波シールド性を向上できるため好ましい。
図1に示されるように、本発明の電子機器筐体1は、金属/繊維強化樹脂複合材料からなる部材(天板)22と、別の部材(枠体)21とからなる。ここで、複雑な形状を生産性よく製造する目的で、部材22は面形状であり、部材21は3次元形状を有している。ここで、面形状とは、その投影面積の過半部分が平面形状もしくは、なだらかな曲面形状を意味する。一方、3次元形状とは、縦、横、高さの各方向に厚み変化を伴う形状を意味し、構造上の機構部分や、デザイン上の幾何学形状部分、さらには意図的に形成した突起、凹みなども含む。図1の成形体に代表される枠体(フレーム)や、図示していない立ち壁、ヒンジ、ボス、リブ、台座(部品、ロゴなどを載せる基礎)などがこれに相当し、部材22よりも量産性、生産性に優れた方法にて製造される。
部材21の材料としては、特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、セメント、コンクリート、あるいはそれらの繊維強化品、木材、金属材料、紙材料などを用いることができるが、成形性の観点から熱可塑性樹脂(A)をマトリックス樹脂とした成形材料が好ましく用いられ、さらに力学特性を高める目的では、短繊維状の強化繊維を熱可塑性樹脂組中に均一に分散させた熱可塑性樹脂組成物を用いることが量産性、成形性と、軽量性、力学特性が両立できてより好ましい。
ここで使用される熱可塑性樹脂(A)は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PENp)、液晶ポリエステル等のポリエステル系樹脂や、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂などであってもよい。とりわけ、耐熱性、耐薬品性の観点からはPPS樹脂が、成形体外観、寸法安定性の観点からはポリカーボネート樹脂やスチレン系樹脂が、成形体の強度、耐衝撃性の観点からはポリアミド樹脂がより好ましく用いられる。さらに、これらの2種以上をポリマアロイ、ポリマブレンドとすることも、剛性と強靱性を両立でき耐衝撃性にも優れることから好ましい。
本発明の電子機器筐体では、部材22と部材21とを接合して一体化する際に、優れた接着効果を得ることが好ましい。従って、部材21に熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)を使用し、部材22と前記熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)との接合界面に接着層を介して接合することが好ましい。ここで接着層としては、アクリル系、エポキシ系、スチレン系などの一般公知な接着剤を使用することもできるが、より生産性を高める目的として熱可塑性樹脂を使用することができる。そのため、部材22の繊維強化樹脂層(I)の接着面である最外層に、部材21を構成する熱可塑性樹脂(A)と親和性の良い熱可塑性樹脂(B)で接着層を形成させることで、接着剤を必要とせず、かつ熱融着により高い接着強度を得ることができ好ましい。
ここで、部材22の最外層が繊維強化樹脂層(I)であると、金属層よりも高い接着強度が期待できるため好ましい。そのためには、繊維強化樹脂のマトリックス樹脂(熱硬化性樹脂)と、接着層の熱可塑性樹脂(B)とが、その界面において凸凹形状を有して接合されていることが好ましい。とりわけ、強化繊維束のうち、多数本の強化繊維群が、熱可塑性樹脂(B)から形成される接着層に包含される接合形態の場合に、優れた接着強度が得られるためより好ましい。
図7に、本発明における繊維強化樹脂層(I)と熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)との好ましい接合形態のイメージ図を示す。図7は接合面を厚み方向に切断した断面図である。接着層は、熱可塑性樹脂(B)が強化繊維束へ含浸することによって形成される。この凸凹形状の中で、接着層の最大厚み36は、10〜1,000μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましく、40〜100μmであることが更に好ましい。また、強化繊維を包含する接着層の最大厚み、すなわち最大含浸長さ37は、接着層33の熱可塑性樹脂(B)に接している一番外側の強化繊維の外郭線35を基準にした距離であり、接着強度の観点から10〜1000μmであることが好ましく、20〜200μmがより好ましく、40〜100μmであることがとりわけ好ましい。
部材22と部材21の接合構造および、接着層厚みは接合部分の断面を光学顕微鏡、CCDを用いた顕微鏡、SEM、TEMにより観察することにより測定することができる。この操作に当たり、強化繊維束の強化繊維の一部が脱落する場合があるが、観察に影響がない範囲であれば、問題はない。試験片は、観察のコントラストを調整するために、必要に応じ、染色を施してもよい。
本発明の一体化成形体を製造する際の、一体化手法も特に制限はなく、接着剤を使用する手法やボルトやねじを使用する手法、熱可塑性の部材と一体化する場合には熱溶着、振動溶着、超音波溶着、レーザー溶着、インサート射出成形、アウトサート射出成形などが好ましく使用され、成形サイクルの観点からアウトサート成形、インサート成形が好ましく使用される。
具体例として、図1を用いて説明する。本発明により、図4に断面図を示した中間樹脂層を介して金属層と繊維強化樹脂層を接着一体化して得られた天板22を、射出成形の金型の樹脂を射出する側が繊維強化樹脂層(I)となる様にセットして、短繊維状の強化繊維を含む熱可塑性樹脂(例えばポリアミド樹脂)を射出成形することにより、天板22に熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)である枠体21を形成一体化することが可能である。本例において、天板22を成形する際に、低融点ポリアミド樹脂を、強化繊維樹脂層に含浸させておくことで、高い接着強度を発現できる。熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)である枠体21を形成する射出成形温度は200℃以上でもよい。
このようにして、成形した上記例の電子機器用筐体の断面図を図8に示す。厚み方向中央の2本の並線の間は、繊維強化樹脂層(I)3を一部省略したものである。本図では前記繊維強化樹脂層(I)3の繊維は一方向のみ示されているが、織物であったり、一方向に引き揃えられたものが複数層、異なる配向方向を持ち積層したものであったり、またその層間に発泡樹脂などの軽量な芯材を有するサンドイッチ構造体であっても良い。このように、前記繊維強化樹脂層(I)3の片面には、金属層2が接合され、もう一方の面には、枠体(フレーム)や、立ち壁、ヒンジ、ボス、リブ、台座(部品、ロゴなどを載せる基礎)などの熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)21が接合された構造である。本構造において、前述のように、金属層2と繊維強化樹脂層(I)3の間には、中間層12が配され、繊維強化樹脂層(I)3と熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)21の間には符号36で示される接着厚みを有する接着層が配されることにより、それぞれが強固に接合されることにより、接着性を大幅に向上でき、層間剥離を生じずに優れた力学特性、電磁波シールド性等の特性発現できる金属/繊維強化樹脂複合材料からなる電子機器用筐体を実現できるのである。
実施例に基づき、本発明が更に具体的に説明される。実施例中に示される配合割合(%)は、別途特定している場合を除き、全て重量%に基づく値である。本発明の実施例に使用した成分を以下に示す。
参考例1
ジャパンエポキシレジン(株)製“エピコート(登録商標)828”(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)40重量%、住友化学工業(株)製“スミ−エポキシ(登録商標)”ELM−434(4官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂)60重量%からなるエポキシ樹脂100重量部に対し、硬化剤として住友化学工業(株)製“スミキュア(登録商標)”S(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン)40重量部を混練してエポキシ樹脂のマトリックスを調整した。さらに、調整されたエポキシ樹脂100重量部に対し、日鉱マテリアルズ(株)製イミダゾールシラン1重量部、東レ(株)製“トレパール(登録商標)”SP−500(ポリアミド樹脂粒子)20重量部をニーダーにて70℃で1時間混合し、エポキシ樹脂組成物を取り出した。得られた樹脂組成物をリバースロールコータを用いて、離型紙上に塗布して樹脂フィルム(S)を作製した。樹脂フィルムの目付(単位面積あたりの樹脂量)は50g/m2とした。
参考例2
ポリアミド樹脂(東レ(株)製CM8000、4元共重合ポリアミド6/66/610/12、融点130℃)のペレットを、350×350mmのサイズ、目付50g/mの樹脂フィルム(P)に加工した。
(実施例)
図1を用いて説明することで、本実施例をより明確に説明できる。
エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂)が、一方向に配列された炭素繊維群に含浸したプリプレグ(東レ(株)製“トレカ(登録商標)”プリプレグP3052S−12、東レ(株)製“トレカ(登録商標)”T700S使用、炭素繊維含量67重量%、繊維重さ125g/m2)から、所定の形状となるように350×350mmのサイズでプリプレグシートを切り出した。また、樹脂フィルム(S)についても同様に所定の形状に切り出し、以下の積層する工程において、離型紙を除去して樹脂フィルムとして使用した。
プリプレグを用いた積層は、繊維方向を基準に、0度/90度/フィルム(S)/金属シート/フィルム(S)/90度/0度/フィルム(P)となるように、順次積層した。金属シートには神戸製鋼所(株)製“神戸チタン”KS15−3−3−3(チタン合金、厚み0.13mm)を用いた。次に、離型フィルムとして東レデュポン(株)製“テドラー(登録商標)”フィルムを、積層体の上下に配置して、SUS製のプレス成形用の平板にセットし、180℃で2時間、0.5MPaの面圧をかけてエポキシ樹脂を硬化させた。硬化終了後、室温で冷却した後、“テドラー(登録商標)”フィルムを除去して、金属/繊維強化樹脂複合材料のサンドイッチ板を成型した。このサンドイッチ板から、所定サイズ(繊維方向を長手方向として300×280mmの天板22)を切り出した。
得られたサンドイッチ構造体を、射出成形金型の樹脂を射出する側にフィルム(P)が表面存在する側を配置してインサートし、長繊維ペレット(東レ(株)製TLP1146S、炭素繊維含量20重量%、ポリアミド樹脂マトリックス)を用いて、サンドイッチ構造体の外周に、ボスリブ部、ヒンジ部を有する枠体21を形成するようにアウトサート射出成形を行った。射出成形は、日本製鋼所(株)製J350EIII射出成形機を用いて行い、シリンダー温度は280℃とした。得られた電子機器筐体1においては、熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)が、強固に一体化していた。
天面であるサンドイッチ構造体の厚みは0.8mm、JIS K 7112(1999)の5に記載のA法(水中置換法)に基づき、密度を測定したところ2.0、ISO 178に基づき、引張試験装置“インストロン”(登録商標)5565型万能材料試験機(インストロン・ジャパン(株)製)にて、試験速度は、1.27mm/分にて、曲げ弾性率を測定したところ75GPaであった。
得られた一体化成形品は、薄型で剛性感に優れた電子機器用筐体であり、金属/繊維強化樹脂複合材料の層間および、繊維強化樹脂複合材料/射出成形材料の層間では界面剥離を生ぜず、母材破壊(破壊面に炭素繊維が剥き出した状態で認められる)という強固な接着強度を示す。この一体化成形体から、サンドイッチ構造体と射出成形との接合部分を切り出し、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。まず、金属/繊維強化樹脂複合材料の層間では、熱可塑性樹脂粒子が繊維強化樹脂層の強化繊維間に進入し、部分的に連続層を形成している状態が確認された。次に、繊維強化樹脂複合材料/射出成形材料の層間では、連続した強化繊維群で強化されたマトリックス樹脂と、熱可塑性樹脂からなる接着層との界面はが凸凹形状を有していることが認められた。炭素繊維群が、熱可塑性樹脂層に包含されている厚みを測定すると30μmであった。このことから、一体化成形品は図8のような接合形態であることが確認された。
(比較例)
実施例のプリプレグを用いた積層において、フィルム(S)を
使用しない以外は、同様の条件で金属/繊維強化樹脂複合材料のサンドイッチ板を成型した。このサンドイッチ板から、所定サイズ(繊維方向を長手方向として300×280mmの天板22)を切り出す際に、一部の成形品は、金属/繊維強化樹脂複合材料の層間に剥離が見られインサート成形に供することができなかった。
また、剥離のなかったサンドイッチ構造体を、射出成形金型にインサートし、長繊維ペレット(東レ(株)製TLP1146S、炭素繊維含量20重量%、ポリアミド樹脂マトリックス)を用いて、同様に一体化成形体とした。得られた一体化成形品についても、金属/繊維強化樹脂複合材料の層間で容易に界面剥離を生じ、電子機器用筐体として使用に耐えるものではなかった。
本発明の一実施態様に係る電子機器用筐体の分解斜視図である。 図1の天板の断面構成の一例を示す拡大部分断面図である。 図1の天板の断面構成の別の例を示す拡大部分断面図である。 図1の天板の断面構成の別の例を示す拡大部分断面図である。 電子機器用筐体の金属層と繊維強化樹脂層の接着部の構成例を示す拡大部分断面図である。 電子機器用筐体の金属層と繊維強化樹脂層の接着部の別の構成例を示す拡大部分断面図である。 電子機器用筐体の繊維強化樹脂層と熱可塑性樹脂からなる部材との接着部の構成例を示す拡大部分断面図である。 電子機器用筐体の各層の接着部の構成例を示す拡大部分断面図である。
符号の説明
1、11、11a 電子機器用筐体
2 金属層
3 繊維強化樹脂層
4、12 中間樹脂層
5 強化繊維(群)
6 繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂
7 中間樹脂層の母材樹脂
8 熱可塑性樹脂
8a 熱可塑性樹脂連続相
8b 熱可塑性樹脂粒子相
12a 金属層寄りの中間樹脂層部分
12b 混合層
21 枠体
22 天板
31a マトリックス樹脂(熱硬化性樹脂)に包含される強化繊維
31b 接着層(熱可塑性樹脂(B))に包含される強化繊維
32 マトリックス樹脂(熱硬化性樹脂)
33 接着層(熱可塑性樹脂(B))
34 マトリックス樹脂(熱硬化性樹脂)と熱可塑性樹脂(B)との界面
35 外郭線
36 接着層の最大厚み
37 最大含浸長さ

Claims (12)

  1. 金属層と繊維強化樹脂層が中間樹脂層を介して接着一体化された金属/繊維強化樹脂複合材料から構成された電子機器用筐体であって、前記中間樹脂層が、平均粒径3〜10μmの熱可塑性樹脂の粒子およびイミダゾールシラン化合物を含有し、前記中間樹脂層と前記繊維強化樹脂層との境界部が、前記粒子を構成する熱可塑性樹脂と前記繊維強化樹脂層の強化繊維とが混在した混合層を形成していることを特徴とする電子機器用筐体。
  2. 前記熱可塑性樹脂の粒子は、融着等により少なくとも部分的に連続相の形態で前記中間樹脂層内に存在している、請求項1に記載の電子機器用筐体。
  3. 繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂と中間樹脂層の母材樹脂とが同種の樹脂からなる、請求項1または2に記載の電子機器用筐体。
  4. 前記同種の樹脂が熱硬化性樹脂からなる、請求項に記載の電子機器用筐体。
  5. 前記繊維強化樹脂層が炭素繊維を含む層からなる、請求項1〜のいずれかに記載の電子機器用筐体。
  6. 前記金属層がチタンを含む金属からなる、請求項1〜のいずれかに記載の電子機器用筐体。
  7. 最表層の繊維強化樹脂層の表面に撥水層が形成されている、請求項1〜のいずれかに記載の電子機器用筐体。
  8. 前記金属/繊維強化樹脂複合材料の繊維強化樹脂層(I)に、熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)が接合されてなる、請求項1〜のいずれかに記載の電子機器筐体。
  9. 前記部材(II)が、前記繊維強化樹脂層(I)の最外層と熱可塑性樹脂(B)からなる接着層を介して接合されてなる、請求項に記載の電子機器筐体。
  10. 前記接着層において、熱可塑性樹脂(B)と、前記繊維強化樹脂層(I)を構成するマトリックス樹脂とが凸凹形状を有して接合されてなる、請求項に記載の電子機器筐体。
  11. 前記接着層を構成する熱可塑性樹脂(B)が、前記繊維強化樹脂層を構成する強化繊維束に含浸し、その最大含浸長さが10〜1000μmである、請求項9または10のいずれかに記載の電子機器筐体。
  12. 前記部材(II)が枠体、立ち壁、ボス、リブ、ヒンジ、台座のいずれかの部位である、請求項8〜11のいずれかに記載の電子機器筐体。
JP2006085202A 2005-03-25 2006-03-27 電子機器用筐体 Expired - Fee Related JP4802802B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006085202A JP4802802B2 (ja) 2005-03-25 2006-03-27 電子機器用筐体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005088656 2005-03-25
JP2005088656 2005-03-25
JP2006085202A JP4802802B2 (ja) 2005-03-25 2006-03-27 電子機器用筐体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006297929A JP2006297929A (ja) 2006-11-02
JP4802802B2 true JP4802802B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=37466569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006085202A Expired - Fee Related JP4802802B2 (ja) 2005-03-25 2006-03-27 電子機器用筐体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4802802B2 (ja)

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100941830B1 (ko) * 2007-05-03 2010-02-11 유명기 전자제품 케이스 및 그 제조방법
JP5071214B2 (ja) * 2008-04-14 2012-11-14 富士通株式会社 電子機器筐体および電子機器筐体の製造方法
JP5471267B2 (ja) * 2009-10-07 2014-04-16 トヨタ自動車株式会社 異種材複合体
JP5743477B2 (ja) * 2010-09-29 2015-07-01 キヤノン株式会社 放射線撮影用装置
ES2586734T3 (es) 2010-12-02 2016-10-18 Toray Industries, Inc. Método para producir un material compuesto metálico, y chasis para equipo electrónico
US11299619B2 (en) 2011-07-01 2022-04-12 The Boeing Company Composite structure having an inorganic coating adhered thereto and method of making same
CN103481590A (zh) * 2012-06-12 2014-01-01 明安国际企业股份有限公司 能防止电磁波干扰的纤维强化产品的制造方法
JP5998815B2 (ja) * 2012-10-03 2016-09-28 富士通株式会社 機器ケースおよびその製造方法
WO2015088074A1 (ko) * 2013-12-11 2015-06-18 김진규 모바일 단말기 보호커버용 사출성형 직물 및 이의 제조방법
CN104010456B (zh) * 2014-06-13 2017-02-01 锤子科技(北京)有限公司 一种电子设备壳体
CN104320931A (zh) * 2014-11-03 2015-01-28 联想(北京)有限公司 电子设备及其壳体的制备方法
JP5976908B1 (ja) 2015-09-04 2016-08-24 レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド 筐体用部材及び電子機器
JP6327280B2 (ja) 2016-03-29 2018-05-23 マツダ株式会社 金属部材と熱硬化樹脂部材との接合方法およびその方法において使用される金属部材、熱硬化樹脂部材および熱可塑性樹脂シート
JP6555360B2 (ja) * 2016-10-04 2019-08-07 三菱ケミカル株式会社 プリプレグ、プリプレグ積層体、および繊維強化複合材料
JP6953438B2 (ja) * 2016-12-28 2021-10-27 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 金属−繊維強化樹脂材料複合体、その製造方法及び接着シート
JP6986704B2 (ja) 2017-02-28 2021-12-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 筐体、電子機器および筐体の製造方法
TW201903013A (zh) * 2017-03-31 2019-01-16 日商新日鐵住金化學股份有限公司 金屬-纖維強化樹脂材料複合體及其製造方法
JP6905428B2 (ja) * 2017-09-08 2021-07-21 矢崎総業株式会社 給電装置
CN109037503A (zh) * 2018-10-31 2018-12-18 福建巨电新能源股份有限公司 一种聚合物锂离子电池用碳复合膜
JP2021102302A (ja) * 2019-12-25 2021-07-15 レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド 筐体用部材及び筐体用部材の製造方法
WO2021215200A1 (ja) * 2020-04-23 2021-10-28 積水化学工業株式会社 繊維強化部材及び接合構造体
JP6947956B1 (ja) * 2020-04-23 2021-10-13 積水化学工業株式会社 繊維強化部材及び接合構造体
KR20230032169A (ko) * 2021-08-30 2023-03-07 삼성전자주식회사 전자 장치 하우징 및 이를 포함하는 전자 장치
EP4294136A1 (en) 2021-08-30 2023-12-20 Samsung Electronics Co., Ltd. Electronic device housing, and electronic device including same

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI304321B (en) * 2002-12-27 2008-12-11 Toray Industries Layered products, electromagnetic wave shielding molded articles and method for production thereof
JP4175174B2 (ja) * 2003-05-15 2008-11-05 東レ株式会社 コンポジット材料及びその製造方法
JP4372461B2 (ja) * 2003-06-09 2009-11-25 日鉱金属株式会社 新規イミダゾールシラン化合物、その製造方法およびその利用

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006297929A (ja) 2006-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4802802B2 (ja) 電子機器用筐体
JP6992512B2 (ja) 一体化成形体及びその製造方法
EP3352543B1 (en) Housing
JP7295376B2 (ja) 金属-繊維強化樹脂材料複合体及びその製造方法
JP4774839B2 (ja) 繊維強化複合材料の製造方法
WO2019235299A1 (ja) 一体化成形体及びその製造方法
KR101596821B1 (ko) 클래스 a 표면처리를 가지는 경량 고강성 복합물
US10571963B2 (en) Housing
WO2012073775A1 (ja) 金属複合体の製造方法および電子機器筐体
JP6932926B2 (ja) 筐体
JP2006044262A (ja) 中空成形体およびその製造方法
US10509443B2 (en) Housing
JP6728607B2 (ja) 電子機器筐体
WO2021200008A1 (ja) 繊維強化プラスチック成形体
JP6736859B2 (ja) 電子機器筐体
JP6728606B2 (ja) 電子機器筐体
JP7088433B1 (ja) プリプレグ、成形体および一体化成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110725

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140819

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees