JP2010150186A - 木材保存用防腐剤および木材処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、木材保存用防腐剤に関する。さらに詳しく言えば、殺菌効果を有する3’−イソプロピル−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドおよび/または3’−イソプロポキシ−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドを含有させ、その高い防腐効果により、経済性を高めるとともに、環境に与える負荷を軽減した木材保存用防腐剤、さらには3’−イソプロピル−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドおよび/または3’−イソプロポキシ−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドとトリアゾール系化合物を含有させ、その相乗効果により防腐効果と経済性をさらに高めるとともに、環境に与える負荷を軽減した木材保存用防腐剤に関する。
木材は様々な分野で利用されている有用な材料であるが、木材腐朽菌により腐朽劣化し、重大な強度低下を招くという欠点を有している。そこで、種々の木材腐朽菌による劣化を防ぐため、従来から各種の無機および有機系防腐剤が用いられて来た。しかしながらこのような薬剤は、高濃度の使用により、人体への影響、環境に対する負荷が大きいことが問題点として指摘され、より効果が高く、経済性に優れ、環境に与える負荷が低い薬剤が求められている。
本発明で有効成分として用いる3’−イソプロピル−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリド(以下、化合物Aと略記することがある。)および3’−イソプロポキシ−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリド(以下、化合物Bと略記することがある。)は、酸アニリド系殺菌剤に属する。酸アニリド系殺菌剤に関しては、古くから多くの文献があり、例えば、特公昭53−9739号公報(特許文献1)は稲紋枯病防除のためのo−トリフルオロメチル−m’−イソプロポキシ安息香酸アニリドを、特公昭53−12973号公報(特許文献2)は農園芸用殺菌剤として2−メチルベンズアニリド誘導体を、特公昭55−41202号公報(特許文献3)は農業または園芸用殺菌剤として特定の構造を有するベンズアミド誘導体を、特開昭60−197603号公報(特許文献4)は、ナミダタケ防除剤としてのo−トリフルオロメチル−m’−イソプロポキシ安息香酸アニリドを、特公昭63−38966号公報(特許文献5)は木材防腐防黴剤として特定の構造を有する2−置換ベンズアニリド系化合物を、特開平1−143804号公報(特許文献6)は、農園芸用殺菌剤として特定の構造を有する3’−イソプロピルベンズアニリド誘導体を、特公昭48−1171号公報(特許文献7)は、殺菌剤組成物として、特定の構造を有する酸アニリド誘導体を、特公昭50−10376号公報(特許文献8)は、病害から植物を保護するための組成物として、特定の構造を有するフラン−3−カルボキシアミド誘導体を、特許第2825745号明細書(特許文献9)は木材防腐剤として特定の構造を有するジメチルフランカルボキシアニリド誘導体を、特許第2951772号明細書(特許文献10)、特許第3083659号明細書(特許文献11)は木材用防腐組成物もしくは木材防腐剤として2,5−ジメチルフラン−3−カルボキシアニリドを開示している。
しかしながら、化合物Aおよび化合物Bについては、これらの文献に何ら開示されておらず、合成例、木材腐朽菌への活性等について全く記載が無い。
しかしながら、化合物Aおよび化合物Bについては、これらの文献に何ら開示されておらず、合成例、木材腐朽菌への活性等について全く記載が無い。
本発明の課題は、より一層効果が高く、経済性に優れ、環境に対する負荷が小さい木材保存用防腐剤および木材処理方法を提供することにある。
本発明者らは、各種の木材腐朽菌に対する有効な防腐成分に関して広範に鋭意検討を行った。その結果、化合物Aおよび/または化合物Bを有効成分として含有させることで、極めて低薬量にて優れた防腐効果が得られることを見出した。さらには、化合物Aおよび/または化合物Bとトリアゾール系殺菌剤を有効成分として含有させることで、両者の効果に相乗効果が認められ、より一層低薬量にて優れた防腐効果が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の木材保存用防腐剤および木材処理方法を提供するものである。
(1)次式
(式中、Rはイソプロピル基またはイソプロポキシル基を表す。)
で示される5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボキシアニリド誘導体。
(2)前記(1)に記載の3’−イソプロピル−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドおよび/または3’−イソプロポキシ−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドを有効成分として含有することを特徴とする木材保存用防腐剤。
(3)さらに、トリアゾール系殺菌剤を含有する前記(2)に記載の木材保存用防腐剤。
(4)トリアゾール系殺菌剤が、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、およびテトラコナゾールから選ばれる1以上の殺菌剤である前記(3)に記載の木材保存用防腐剤。
(5)さらに、他の抗生物性化合物を含む前記(2)〜(4)のいずれかに記載の木材保存用防腐剤。
(6)抗生物性化合物が、銅化合物から選択されるものである前記(5)に記載の木材保存用防腐剤。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の防腐剤を用いて処理を行うことを特徴とする木材保存処理方法。
(1)次式
で示される5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボキシアニリド誘導体。
(2)前記(1)に記載の3’−イソプロピル−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドおよび/または3’−イソプロポキシ−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドを有効成分として含有することを特徴とする木材保存用防腐剤。
(3)さらに、トリアゾール系殺菌剤を含有する前記(2)に記載の木材保存用防腐剤。
(4)トリアゾール系殺菌剤が、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、およびテトラコナゾールから選ばれる1以上の殺菌剤である前記(3)に記載の木材保存用防腐剤。
(5)さらに、他の抗生物性化合物を含む前記(2)〜(4)のいずれかに記載の木材保存用防腐剤。
(6)抗生物性化合物が、銅化合物から選択されるものである前記(5)に記載の木材保存用防腐剤。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の防腐剤を用いて処理を行うことを特徴とする木材保存処理方法。
本発明は木材保存用防腐剤として有用な新規な5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリド誘導体、その誘導体を用いた木材保存用防腐剤および木材処理方法を提供する。
本発明の木材保存用防腐剤は各種の木材腐朽菌に対して極めて低薬量にて優れた防腐効果を有し、経済性に優れ、環境に対する負荷が小さい。
本発明の木材保存用防腐剤は各種の木材腐朽菌に対して極めて低薬量にて優れた防腐効果を有し、経済性に優れ、環境に対する負荷が小さい。
本発明における5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリド誘導体とは、3’−イソプロピル−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリド(化合物A)および3’−イソプロポキシ−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリド(化合物B)であり、化合物Aおよび化合物Bは、公知の方法によって製造することができ、好適には以下に反応式を示す方法により製造することができる。
上記反応式中、Xは塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲン原子を表すが、好適には塩素原子である。Rはイソプロピル基またはイソプロポキシ基を表す。原料化合物1は、公知の方法により製造される公知の5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸を塩化チオニル、オキザリルクロライド等でハロゲン化して得ることができる。原料化合物2は公知の方法により製造される公知の3−イソプロピルアニリンまたは3−イソプロポキシアニリンを使用することができる。
上記反応式により、不活性溶剤中、脱ハロゲン化水素剤存在下、原料化合物1を原料化合物2と反応させることにより、化合物AまたはBを得ることができる。
不活性溶剤の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、酢酸エチル、ヘキサンまたはこれらの混合溶媒が使用できる。
脱ハロゲン化水素剤の例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等が使用できる。
反応温度としては、0℃から溶媒の沸点までの温度を選択することができるが、好適には室温〜150℃の温度が選択される。
反応時間は、特に限定されないが、好適には0.5〜3時間程度である。
反応時間は、特に限定されないが、好適には0.5〜3時間程度である。
本発明における木材保存用防腐剤は、上記5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボキシアニリド誘導体を有効成分として含有するものである。また、本発明における木材保存用防腐剤は、さらにトリアゾール系殺菌剤を有効成分として併用することができる。
本発明において併用するトリアゾール系殺菌剤は、市販されているものを用いることができる。トリアゾール系殺菌剤の例としては、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ディニコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フクキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール等が挙げられるが、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、およびテトラコナゾールが好ましい。
本発明における木材保存用防腐剤を実際に使用する際には、他の何らの成分を加えず、そのまま使用しても良いが、通常は、固体担体、液体担体、またはガス担体と混合し、必要が有れば界面活性剤、その他の製剤用補助材を添加して、油剤、乳剤、可溶化剤、水和剤、懸濁剤、フロアブル剤、粉剤等に製剤化して施用する。
これらの製剤の調製に使用可能な溶剤の例としては、トルエン、キシレン、メチルナフタレン系溶剤等の芳香族有機溶媒、ジクロロメタン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール系溶剤、ケロシン、N−メチルピロリドン、リン酸エステル、安息香酸エステル等が挙げられる。
製剤化に使用される界面活性剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、または両性イオン系の界面活性剤を使用することができる。
製剤化に使用される界面活性剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、または両性イオン系の界面活性剤を使用することができる。
これらの製剤には、有効成分(化合物Aおよび/または化合物Bあるいは化合物Aおよび/または化合物Bとトリアゾール系殺菌剤の合計量)が通常0.01〜90質量%、好ましくは0.1〜50質量%含有される。また、化合物Aおよび/または化合物Bとトリアゾール系殺菌剤を混合して使用する場合、これらの製剤での化合物Aおよび/または化合物Bとトリアゾール系殺菌剤の混合比率は質量比で、通常1:100〜100:1、好ましくは、1:10〜10:1である。
また、本発明における木材保存用防腐剤を木材に施用する際の濃度は、通常0.1〜500g/m3、好ましくは、1〜100g/m3である。
また、本発明における木材保存用防腐剤を木材に施用する際の濃度は、通常0.1〜500g/m3、好ましくは、1〜100g/m3である。
本発明の木材保存用防腐剤は、他の抗生物性化合物と組み合わせて使用することにより、さらに、薬剤の抗生物効果を増強したり作用スペクトルを拡大することができる。これらの抗生物性化合物による木材処理は、本発明による防腐剤処理の前処理または後処理として行うことも可能であるが、本発明の木材保存用防腐剤に添加したものを製剤化し、同時に木材処理を行うことが省力化のため有用である。
かかる目的で用いることのできる抗生物性化合物の好適な例として、銅化合物が挙げられる。銅化合物の例としては、硫酸銅、塩化銅、リン酸銅、水酸化銅、炭酸銅、塩基性炭酸銅、塩基性酢酸銅、塩基性リン酸銅、塩基性塩化銅、酸化銅、亜酸化銅、酢酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、ステアリン酸銅、オクタン酸銅、安息香酸銅、クエン酸銅、乳酸銅、酒石酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、これらの化合物を水溶性の状態に安定化した錯体等、およびこれらの化合物の水和物が挙げられる。
本発明の木材保存用防腐剤として、前記の銅化合物を含有する製剤を処方する場合、銅化合物と化合物Aおよび/またはBの配合比率は質量比で、通常10:1〜1000:1、好ましくは、20:1〜500:1である。こうした製剤を水希釈可能な製剤として処方する場合は、通常、銅化合物を安定な溶液とするため、従来知られているアンモニウム系化合物やアミン系化合物が使用可能である。具体的には、アンモニア、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ポリアリルアミン等が挙げられる。また、pH調整のために、各種の炭酸塩化合物、カルボン酸化合物、あるいは鉱酸をさらに添加して使用することも可能であり、具体的には、硼酸、ナフテン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、安息香酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、マロン酸、グルコン酸、セバシン酸、シクロヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、およびこれらの水和物等が使用可能である。
本発明の木材保存用防腐剤にて、抗生物効果を増強したり作用スペクトルを拡大する目的で、組み合わせて使用される他の抗生物性化合物の好適な例としては、アゾキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン等のストロビン類;ジクロロフルアニド(エウパレン)、トリフルアニド(メチルレウパレン)、シクロフルアニド、フォルペット、フルオロフォルペット等のスルオンアミド類;カルベンダジム(MBC)、ベノミル、フベリタゾール、チアベンダゾールまたはこれらの塩類のようなべンズイミダゾール類;チオシアナトメチルチオベンゾチアゾール(TCMTB)、メチレッビスチオシアネート(MBT)等のチオシアネート類;ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロライド、ベンジル−ジメチル−ドデシル−アンモニウムクロライド、ジデシル−ジメチル−アンモニウムクロライド、N−アルキルベンジルメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩;C11〜C14−4−アルキル−2,6−ジメチルモルホリン同族体(トリデモルフ)、(±)−シス−4−[3−(t−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル]−2,6−ジメチルモルホリン(フェンプロピモルフ,ファリモルフ)等のモルホリン誘導体;o−フェニルフェノール、トリブロモフェノール、テトラクロロフェノール、ペンタクロロフェノール、3−メチル−4−クロロフェノール、ジクロロフェノール、クロロフェンおよびこれらの塩類等のフェノール類;3−ヨード−2−プロピニル−n−ブチルカルバメート(IPBC)、3−ヨード−2−プロピニル−n−ヘキシルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルシクロヘキシルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルフェニルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニル−n−ブチルカルバメート、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール(IF−1000)、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルボナート(サンプラス)、1−[(ジヨードメチル)スルホニル]−4−メチルベンゼン(アミカル)等の有機ヨード化合物;ブロノポル等の有機ブロモ誘導体;N−メチルイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−N−メチルイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−N−オクチルイソチアゾリン−3−オン、N−オクチルイソチアゾリン−3−オン(オクチリノン)等のイソチアゾリン類;シクロペンタイソチアゾリン等のベンズイソチアゾリン類;1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(またはそのナトリウム塩、鉄塩、マンガン塩、亜鉛塩等)、テトラクロロ−4−メチルスルホニルピリジン等のピリジン類;スズ、銅、亜鉛のナフテート、オクトエート、2−エチルヘキサノエート、オレエート、ホスフェート、ベンゾエート等の金属石鹸類;Cu2O、CuO、ZnO等のオキシド類;トリブチルスズナフテネート、t−ブチルスズオキシド等の有機スズ誘導体;トリス−N−(シクロヘキシルジアゼニウムジオキシン)−トリブチルスズまたはK塩類、ビス−(N−シクロヘキシル)ジアゾニウム−ジオキシン銅またはアルミニウム等の金属化合物;ジアルキルジチオカルバメートのNaまたはZn塩、テトラメチルジウラムジサルファイド(TMTD)等のカルバメート類;2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル(クロロタロニル)等のニトリル類;テクタマー、ブロノポル、ブルミドックス等の活性ハロゲン原子を有する微生物剤;2−メルカプトベンゾチゾール類、ダゾメット等のベンズチアゾール類;8−ヒドロキシキノリン等のキノリン類;ベンジルアルコールモノ(ポリ)ヘミフォルマール、オキサゾリジン、ヘキサヒドローs−トリアジン、N−メチロールクロロアセトアミド等のホルムアルデヒドを生成する化合物;八ホウ酸ナトリウム四水和物、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物;フッ化ナトリウム、ケイフッ化ナトリウム等のフッ素化合物;アジノフォス−エチル、アジノフォス−メチル、1−(4−クロロフェニル)−4−(O−エチル、S−プロピル)ホスホリルオキシピラゾル(TIA−230)、クロロピリフォス、テトラクロロビンホス、クマフォス、デトメン−S−メチル、ジアジノン、ジクロルボス、ジメトエート、エトプロフォス、エトリムフォス、フェニトロチオン、ピリダフェンチオン、ヘプテノフォス、パラチオン、パラチオン−メチル、プロペタンホス、フォサロン、フォキシム、ピリムフォス−エチル、ピリミフォス−メチル、プロフェノフォス、プロチオフォース、スルプロフォス、トリアゾフォスおよびトルクロルフォン等のリン酸エステル類;アルジカーブ、ベニオカーブ、BPMC(2−(1−メチルプロピル)フェニルメチルカルバメート、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、イソプロカルブ、メトミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロメカルブ、プロポクスルおよびチジカルブ等のカルバメート類;アレトリン、アルファメトリン、エンペントリン、プロフルトリン、トラロメトリン、メトフルトリン、フェノトリン、イミプロトリン、シフェノトリン、フタルスリン、ピレトリン、プラレトリン、フラメトリン、ジメフルトリン、プロフルスリン、テフルスリン、バイオアレスリン、エスビオスリン、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、デカメトリン、シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、ペルメトリン、レスメトリン、フェンプロパトリン、フェンフルトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルムトリン、フルバリネート、エトフェンプロックス等のピレスロイド類;アセタミプリド、イミダクロプリド、チアクロプリド、ニテンピラム、クロチアニジン、ジノテフラン、チアメトキサム、ニテンピラム等のネオニコチノイド類が挙げられる。
また、式
(式中、R1、R2、R3、およびR4は炭素窒素結合によって連結されている炭素原子数20までの有機置換基であり、Xn-は無機系または有機系の価数nのアニオンであり、nは1、2、または3である。)
で示される第四級アンモニウム化合物も、本発明の目的で用いることのできる抗生物性化合物の好適な例として挙げられる。具体的には、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ラウリルトチメチルアンモニウム、塩化セチルトチメチルアンモニウム、塩化オクタデシルピコリニウム、塩化オクチルジデシルピリジニウムアンモニウム、臭化ラウリルイソキノリニウム等が挙げられる。
で示される第四級アンモニウム化合物も、本発明の目的で用いることのできる抗生物性化合物の好適な例として挙げられる。具体的には、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ラウリルトチメチルアンモニウム、塩化セチルトチメチルアンモニウム、塩化オクタデシルピコリニウム、塩化オクチルジデシルピリジニウムアンモニウム、臭化ラウリルイソキノリニウム等が挙げられる。
これらの抗生物性化合物による木材処理は、本発明の木材保存用防腐剤による木材処理の前処理または後処理として行うことも可能であるが、前述の銅化合物の場合のように、本発明の木材保存用防腐剤に添加したものを製剤化し、同時に木材処理を行うことが省力化のため有用である。本発明の木材保存用防腐剤として、これらの抗生物性化合物を含有する製剤を処方する場合、抗生物性化合物と化合物Aおよび/またはBの配合比率は、使用する抗生物性化合物が有する効力に応じて様々な比率で使用されるが、質量比で、通常0.01:1〜1000:1、好ましくは、0.1:1〜500:1である。
また、これらの抗生物性化合物は単独で用いても組み合わせて用いてもよい。
また、これらの抗生物性化合物は単独で用いても組み合わせて用いてもよい。
[木材腐朽菌]
本発明の木材保存用防腐剤が有効に作用する木材腐朽菌には以下の菌種が含まれる。コニオフォラ・プテアナ(イドタケ)(Coniophora puteana)、トラメテス・ベルシコラー(カワラタケ)(Trametes versicolor)、ポスティア・プラセンタ(Postia placenta)、ポスティア・バポラリア(Poria vaporaria)、ポリア・バイランティー(Poria vaillantii)、グロエオフィリウム・セピアリウム(Gloeophylium sepiarium)、グロエオフィリウム・アドラタム(Gloeophylium adoratum)、グロエオフィリウム・アビエティナム(Gloeophylium abietinum)、グロエオフィリウム・トラベウム(Gloeophylium trabeum)、グロエオフィリウム・プロタクタム(Gloeophylium protactum)、レンティナス・レピドウス(Lentinus lepideus)、レンティナス・エドデス(Lentinus edodes)、レンティナス・シアチフォルメス(Lentinus cyathiformes)、レンティナス・スクアロロサス(Lentinus squarrolosus)、パキシラス・パヌオイデス(Paxillus panuoides)、ホミトプシス・パルストリス(オオウズラタケ)(Fomitopsis palustris)、プレウロタス・オストレアタス(Pleurotus ostreatus)、ドンキオポリア・エクスパンサ(Donkioporia expansa)、セルプウラ・ラクリマンス(Serpula lacrymans)、セルプウラ・ヒマントイデス(Serpula himantoides)、グレノスポラ・グラフィー(Glenospora graphii)、ホミトプシス・リラシノギルバ(Fomitopsis lilacino-gilva)、ペレニポリア・テフロポラ(Perenniporia tephropora)、アントロディア・キサンタ(Antrodia xantha)、アントロディア・バイランティー(Antrodia vaillantii)を含む担子菌類、クラドスポリウム・ヘルバラム(Cladosporium herbarum)を含む不完全菌類、ケトミウム・グロブサム(Chaetomiumu globsum)、ケトミウム・アルバアレナラム(Chaetomium alba-arenulum)、ペトリエラ・セティフェラ(Petriella setifera)、トリチュラス・スピラリス(Trichurus spiralis)、フミコウラ・グリセラ(Humicola grisera)を含む子嚢菌類。
本発明の木材保存用防腐剤が有効に作用する木材腐朽菌には以下の菌種が含まれる。コニオフォラ・プテアナ(イドタケ)(Coniophora puteana)、トラメテス・ベルシコラー(カワラタケ)(Trametes versicolor)、ポスティア・プラセンタ(Postia placenta)、ポスティア・バポラリア(Poria vaporaria)、ポリア・バイランティー(Poria vaillantii)、グロエオフィリウム・セピアリウム(Gloeophylium sepiarium)、グロエオフィリウム・アドラタム(Gloeophylium adoratum)、グロエオフィリウム・アビエティナム(Gloeophylium abietinum)、グロエオフィリウム・トラベウム(Gloeophylium trabeum)、グロエオフィリウム・プロタクタム(Gloeophylium protactum)、レンティナス・レピドウス(Lentinus lepideus)、レンティナス・エドデス(Lentinus edodes)、レンティナス・シアチフォルメス(Lentinus cyathiformes)、レンティナス・スクアロロサス(Lentinus squarrolosus)、パキシラス・パヌオイデス(Paxillus panuoides)、ホミトプシス・パルストリス(オオウズラタケ)(Fomitopsis palustris)、プレウロタス・オストレアタス(Pleurotus ostreatus)、ドンキオポリア・エクスパンサ(Donkioporia expansa)、セルプウラ・ラクリマンス(Serpula lacrymans)、セルプウラ・ヒマントイデス(Serpula himantoides)、グレノスポラ・グラフィー(Glenospora graphii)、ホミトプシス・リラシノギルバ(Fomitopsis lilacino-gilva)、ペレニポリア・テフロポラ(Perenniporia tephropora)、アントロディア・キサンタ(Antrodia xantha)、アントロディア・バイランティー(Antrodia vaillantii)を含む担子菌類、クラドスポリウム・ヘルバラム(Cladosporium herbarum)を含む不完全菌類、ケトミウム・グロブサム(Chaetomiumu globsum)、ケトミウム・アルバアレナラム(Chaetomium alba-arenulum)、ペトリエラ・セティフェラ(Petriella setifera)、トリチュラス・スピラリス(Trichurus spiralis)、フミコウラ・グリセラ(Humicola grisera)を含む子嚢菌類。
本発明の木材保存用防腐剤が有効に作用する木材変色菌には以下の菌種が含まれる。オーレオバシディウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、スクレロフ・ピティオフィラ(Scleroph pithyophila)、スコプウラ・フィコミセス(Scopular phycomyces)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ペニシリウム・バリアビル(Penicillium variabile)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、トリコデルマ・リグノラム(Trichoderma rignorum)、ダクティレウム・フサリオイデス(Dactyleum fusarioides)を含む不完全菌類。カラトシステス・ミナー(Caratocystis minor)を含む子嚢菌類。ムコール・スピノサス(Mucor spinosus)を含む接合菌類。
[処理対象]
本発明の木材保存用防腐剤は、様々な木製物質の処理剤として利用可能であり、木材、木片、木粉、合板、単板積層材、ファイバーボード、パーティクルボード、木質加工品、モミ、藁、竹材等の処理において好ましい効果を得ることができる。
本発明の木材保存用防腐剤は、様々な木製物質の処理剤として利用可能であり、木材、木片、木粉、合板、単板積層材、ファイバーボード、パーティクルボード、木質加工品、モミ、藁、竹材等の処理において好ましい効果を得ることができる。
[木材保存用防腐剤としての適用]
本発明の木材保存用防腐剤は、製材、木材、木材加工品および建造物の処理に使用できる。例えば、土台、大引、根太、床板、胴縁、間柱、床下地板、筋かい、垂木、屋根下地板、浴室軸組および床組材、外構部材、ログハウス、バルコニー、テラス、門塀、東屋、ぬれ縁、デッキ材等の屋外建築用部材、枕木、電柱、基礎杭、道路用防音壁、橋梁等の土木用等に用いられる。木材の形状は、丸太、板材、角材、棒材、合板、単板積層材、チップボード等のいずれにも適用できる。
本発明の木材保存用防腐剤を用いる処理は、上記の対象物に対し、通常の腐朽対策として施されている方法と同様の方法で施すことができる。木材処理としては、塗布、吹き付け、浸漬、加圧、穿孔処理等が、合板、単板積層材に対する処理としては、単板処理、接着剤混入処理、成板処理等が通常行われ、これらのいずれにも適用できる。
本発明の木材保存用防腐剤は、製材、木材、木材加工品および建造物の処理に使用できる。例えば、土台、大引、根太、床板、胴縁、間柱、床下地板、筋かい、垂木、屋根下地板、浴室軸組および床組材、外構部材、ログハウス、バルコニー、テラス、門塀、東屋、ぬれ縁、デッキ材等の屋外建築用部材、枕木、電柱、基礎杭、道路用防音壁、橋梁等の土木用等に用いられる。木材の形状は、丸太、板材、角材、棒材、合板、単板積層材、チップボード等のいずれにも適用できる。
本発明の木材保存用防腐剤を用いる処理は、上記の対象物に対し、通常の腐朽対策として施されている方法と同様の方法で施すことができる。木材処理としては、塗布、吹き付け、浸漬、加圧、穿孔処理等が、合板、単板積層材に対する処理としては、単板処理、接着剤混入処理、成板処理等が通常行われ、これらのいずれにも適用できる。
以下に本発明を実施例にてより詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
[化合物の調製]
合成例1:化合物A
5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボニルクロライド(ナミキ商事株式会社)1.0gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(和光純薬工業株式会社)0.66mlを加えた。3−イソプロピルアニリン(東京化成工業株式会社)0.64gを加え、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。冷却後、塩化メチレン20mlを加え、1N NaOH 40ml、1N HCl 40ml、飽和食塩水40mlで洗浄後、Na2SO4で脱水して、エバポレーターにて濃縮した。得られた反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル/ヘキサン系溶媒にて再結晶を行い、3’−イソプロピル−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドの無色結晶1.1gを取得した。
融点;103〜105℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.56−6.99(5H,m),6.40(1H,s),3.00−2.83(1H,m),2.36(3H,s),1.29(3H,s),1.21(3H,s)。
合成例1:化合物A
5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボニルクロライド(ナミキ商事株式会社)1.0gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(和光純薬工業株式会社)0.66mlを加えた。3−イソプロピルアニリン(東京化成工業株式会社)0.64gを加え、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。冷却後、塩化メチレン20mlを加え、1N NaOH 40ml、1N HCl 40ml、飽和食塩水40mlで洗浄後、Na2SO4で脱水して、エバポレーターにて濃縮した。得られた反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル/ヘキサン系溶媒にて再結晶を行い、3’−イソプロピル−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドの無色結晶1.1gを取得した。
融点;103〜105℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.56−6.99(5H,m),6.40(1H,s),3.00−2.83(1H,m),2.36(3H,s),1.29(3H,s),1.21(3H,s)。
合成例2:化合物B
5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボニルクロライド0.9g、トリエチルアミン0.56ml、3−イソプロポキシアニリン(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.60gを用い、合成例1と同様の反応および後処理を行い、3’−イソプロポキシ−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドの淡黄色結晶1.0gを取得した。
融点;86〜89℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.50−6.62(5H,m),6.40(1H,s),4.70−4.43(1H,m),2.37(3H,s),1.37(3H,s),1.30(3H,s)。
5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボニルクロライド0.9g、トリエチルアミン0.56ml、3−イソプロポキシアニリン(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.60gを用い、合成例1と同様の反応および後処理を行い、3’−イソプロポキシ−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドの淡黄色結晶1.0gを取得した。
融点;86〜89℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.50−6.62(5H,m),6.40(1H,s),4.70−4.43(1H,m),2.37(3H,s),1.37(3H,s),1.30(3H,s)。
合成例3:比較化合物1(特許第2825745号開示化合物)
2,5−ジメチルフラン−3−カルボニルクロライド(シグマアルドリッチジャパン株式会社)1.0g、トリエチルアミン0.88mlおよび3−イソプロピルアニリン0.85gを用い、合成例1の場合と同様の反応および後処理操作を行い、3’−イソプロピル−2,5−ジメチルフラン−3−カルボン酸アニリドの淡黄色結晶1.2gを取得した。
融点;81〜84℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.43−6.92(5H,m),6.09(1H,s),2.98−2.75(1H,m),2.58(3H,s),2.28(3H,s),1.29(3H,s),1.22(3H,s)。
2,5−ジメチルフラン−3−カルボニルクロライド(シグマアルドリッチジャパン株式会社)1.0g、トリエチルアミン0.88mlおよび3−イソプロピルアニリン0.85gを用い、合成例1の場合と同様の反応および後処理操作を行い、3’−イソプロピル−2,5−ジメチルフラン−3−カルボン酸アニリドの淡黄色結晶1.2gを取得した。
融点;81〜84℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.43−6.92(5H,m),6.09(1H,s),2.98−2.75(1H,m),2.58(3H,s),2.28(3H,s),1.29(3H,s),1.22(3H,s)。
合成例4:比較化合物2(特許第2825745号開示化合物)
2,5−ジメチルフラン−3−カルボニルクロライド1.0g、トリエチルアミン0.88mlおよび3−エチルアニリン0.85gを用い、合成例1の場合と同様の反応および後処理操作を行い、3’−エチル−2,5−ジメチルフラン−3−カルボン酸アニリドの白色結晶1.1gを取得した。
融点;113〜115℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.47−6.95(4H,m),6.09(1H,s),2.66(3H,q),2.58(3H,s),2.28(3H,s),1.25(3H,t)。
2,5−ジメチルフラン−3−カルボニルクロライド1.0g、トリエチルアミン0.88mlおよび3−エチルアニリン0.85gを用い、合成例1の場合と同様の反応および後処理操作を行い、3’−エチル−2,5−ジメチルフラン−3−カルボン酸アニリドの白色結晶1.1gを取得した。
融点;113〜115℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.47−6.95(4H,m),6.09(1H,s),2.66(3H,q),2.58(3H,s),2.28(3H,s),1.25(3H,t)。
合成例5:比較化合物3(特許第3083659号開示化合物)
2,5−ジメチルフラン−3−カルボニルクロライド1.0g、トリエチルアミン0.88mlおよび3−メチルアニリン0.85gを用い、合成例1の場合と同様の反応および後処理操作を行い、3’−メチル−2,5−ジメチルフラン−3−カルボン酸アニリドの白色結晶1.1gを取得した。
融点;100〜102℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.48−6.09(5H,m),2.36(3H,s),2.60(3H,s),2.28(3H,s)。
2,5−ジメチルフラン−3−カルボニルクロライド1.0g、トリエチルアミン0.88mlおよび3−メチルアニリン0.85gを用い、合成例1の場合と同様の反応および後処理操作を行い、3’−メチル−2,5−ジメチルフラン−3−カルボン酸アニリドの白色結晶1.1gを取得した。
融点;100〜102℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.48−6.09(5H,m),2.36(3H,s),2.60(3H,s),2.28(3H,s)。
合成例6:比較化合物4(特開昭53−9739号、特開昭60−197603号および特公昭63−38966号開示化合物)
2−トリフルオロメチル安息香酸クロライド(シグマアルドリッチジャパン株式会社)1.0g、トリエチルアミン0.70mlおよび3−イソプロポキシアニリン0.76gを用い、合成例1の場合と同様の反応および後処理操作を行い、3’−イソプロポキシ−2−トリフルオロメチル安息香酸アニリドの淡黄色結晶1.4gを取得した。
融点;103〜106℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.88−6.64(9H,m),4.69−4.42(1H,m),1.37(3H,s),1.30(3H,s)。
2−トリフルオロメチル安息香酸クロライド(シグマアルドリッチジャパン株式会社)1.0g、トリエチルアミン0.70mlおよび3−イソプロポキシアニリン0.76gを用い、合成例1の場合と同様の反応および後処理操作を行い、3’−イソプロポキシ−2−トリフルオロメチル安息香酸アニリドの淡黄色結晶1.4gを取得した。
融点;103〜106℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.88−6.64(9H,m),4.69−4.42(1H,m),1.37(3H,s),1.30(3H,s)。
合成例7:比較化合物5(特公昭63−38966号開示化合物)
2−メチルベンゾイルクロライド(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.77g、トリエチルアミン0.70mlおよび3−イソプロポキシアニリン0.76gを用い、合成例1の場合と同様の反応および後処理操作を行い、3’−イソプロポキシ−2−メチル安息香酸アニリドの無色結晶1.3gを取得した。
融点;87〜90℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.49−6.62(9H,m),4.69−4.43(1H,m),2.47(3H,s),1.36(3H,s),1.30(3H,s)。
2−メチルベンゾイルクロライド(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.77g、トリエチルアミン0.70mlおよび3−イソプロポキシアニリン0.76gを用い、合成例1の場合と同様の反応および後処理操作を行い、3’−イソプロポキシ−2−メチル安息香酸アニリドの無色結晶1.3gを取得した。
融点;87〜90℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.49−6.62(9H,m),4.69−4.43(1H,m),2.47(3H,s),1.36(3H,s),1.30(3H,s)。
合成例8:比較化合物6(特公昭53−12973号開示化合物)
2−メチルベンゾイルクロライド(シグマアルドリッチジャパン株式会社)1.0g、トリエチルアミン0.88mlおよび3−イソプロピルアニリン0.85gを用い、合成例1の場合と同様の反応および後処理操作を行い、3’−イソプロピル−2−メチル安息香酸アニリドの淡褐色結晶1.5gを取得した。
融点;80〜83℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.53−6.92(9H,m),3.07−2.70(1H,m),2.51(3H,s),1.30(3H,s),1.23(3H,s)。
2−メチルベンゾイルクロライド(シグマアルドリッチジャパン株式会社)1.0g、トリエチルアミン0.88mlおよび3−イソプロピルアニリン0.85gを用い、合成例1の場合と同様の反応および後処理操作を行い、3’−イソプロピル−2−メチル安息香酸アニリドの淡褐色結晶1.5gを取得した。
融点;80〜83℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.53−6.92(9H,m),3.07−2.70(1H,m),2.51(3H,s),1.30(3H,s),1.23(3H,s)。
合成例9:比較化合物7
3−フランカルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.28g、3−イソプロピルアニリン0.34gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl(東京化成工業株式会社)0.53gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−3−フランカルボン酸アニリドの淡黄色結晶0.34gを取得した。
融点;88〜91℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;8.01−6.70(8H,m),3.05−2.75(1H,m),1.25(3H,s),1.20(3H,s)。
3−フランカルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.28g、3−イソプロピルアニリン0.34gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl(東京化成工業株式会社)0.53gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−3−フランカルボン酸アニリドの淡黄色結晶0.34gを取得した。
融点;88〜91℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;8.01−6.70(8H,m),3.05−2.75(1H,m),1.25(3H,s),1.20(3H,s)。
合成例10:比較化合物8
2−メチル−3−フランカルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.32g、3−イソプロピルアニリン0.34gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl0.53gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−2−メチルフラン−3−カルボン酸アニリドの淡黄色油状化合物0.34gを取得した。
1HNMR(CDCl3)δppm;7.43−6.52(7H,m),2.97−2.66(1H,m),2.63(3H,s),1.29(3H,s),1.21(3H,s)。
2−メチル−3−フランカルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.32g、3−イソプロピルアニリン0.34gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl0.53gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−2−メチルフラン−3−カルボン酸アニリドの淡黄色油状化合物0.34gを取得した。
1HNMR(CDCl3)δppm;7.43−6.52(7H,m),2.97−2.66(1H,m),2.63(3H,s),1.29(3H,s),1.21(3H,s)。
合成例11:比較化合物9
4−メチルチアゾール−5−カルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.36g、3−イソプロピルアニリン0.34gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl0.53gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸アニリドの無色ガム状化合物0.40gを取得した。
1HNMR(CDCl3)δppm;8.73(1H,s),7.54−6.98(5H,m),3.07−2.84(1H,m),2.79(3H,s),1.30(3H,s),1.22(3H,s)。
4−メチルチアゾール−5−カルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.36g、3−イソプロピルアニリン0.34gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl0.53gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸アニリドの無色ガム状化合物0.40gを取得した。
1HNMR(CDCl3)δppm;8.73(1H,s),7.54−6.98(5H,m),3.07−2.84(1H,m),2.79(3H,s),1.30(3H,s),1.22(3H,s)。
合成例12:比較化合物10
2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.39g、3−イソプロピルアニリン0.34gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl0.53gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸アニリドの淡黄色油状化合物0.45gを取得した。
1HNMR(CDCl3)δppm;7.42−6.98(5H,m),2.99−2.75(1H,m),2.71(6H,s),1.29(3H,s),1.22(3H,s)。
2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.39g、3−イソプロピルアニリン0.34gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl0.53gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸アニリドの淡黄色油状化合物0.45gを取得した。
1HNMR(CDCl3)δppm;7.42−6.98(5H,m),2.99−2.75(1H,m),2.71(6H,s),1.29(3H,s),1.22(3H,s)。
合成例13:比較化合物11
2−メチル−4−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.46g、3−イソプロピルアニリン0.30gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl0.47gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−2−メチル−4−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸アニリドの淡黄色油状化合物0.54gを取得した。
1HNMR(CDCl3)δppm;7.78−7.00(5H,m),2.99−2.79(1H,m),2.75(3H,s),1.29(3H,s),1.22(3H,s)。
2−メチル−4−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.46g、3−イソプロピルアニリン0.30gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl0.47gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−2−メチル−4−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸アニリドの淡黄色油状化合物0.54gを取得した。
1HNMR(CDCl3)δppm;7.78−7.00(5H,m),2.99−2.79(1H,m),2.75(3H,s),1.29(3H,s),1.22(3H,s)。
合成例14:比較化合物12
2,5−ジメチルピロール−3−カルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.35g、3−イソプロピルアニリン0.34gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl0.53gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−2,5−ジメチルピロール−3−カルボン酸アニリドの淡褐色結晶0.17gを取得した。
融点;126〜129℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.46−6.00(6H,m),2.97−2.74(1H,m),2.54(3H,s),2.22(3H,s),1.29(3H,s),1.21(3H,s)。
2,5−ジメチルピロール−3−カルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.35g、3−イソプロピルアニリン0.34gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl0.53gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−2,5−ジメチルピロール−3−カルボン酸アニリドの淡褐色結晶0.17gを取得した。
融点;126〜129℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.46−6.00(6H,m),2.97−2.74(1H,m),2.54(3H,s),2.22(3H,s),1.29(3H,s),1.21(3H,s)。
合成例15:比較化合物13
1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.49g、3−イソプロピルアニリン0.34gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl0.53gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸アニリドの無色結晶0.34gを取得した。
融点;131〜134℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.99−6.97(6H,m),3.97(3H,s),3.07−2.76(1H,m),1.30(3H,s),1.22(3H,s)。
1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社)0.49g、3−イソプロピルアニリン0.34gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下、WSCI/HCl0.53gを加えた後、室温で1時間撹拌後、1時間リフラックスを行い反応させた。その後、合成例1の場合と同様の後処理操作を行い、3’−イソプロピル−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸アニリドの無色結晶0.34gを取得した。
融点;131〜134℃、
1HNMR(CDCl3)δppm;7.99−6.97(6H,m),3.97(3H,s),3.07−2.76(1H,m),1.30(3H,s),1.22(3H,s)。
実施例1:
化合物AおよびB、比較化合物1〜13の1%w/vジメチルスルホオキシド溶液をそれぞれ調製した。この薬剤をジメチルスルホオキシドで希釈し、所定量を滅菌後のポテトデキストロース寒天培地に十分混合し、直径90mmのシャーレ内に15ml注ぎ込み、室温に放置した。なお、コントロールとして、ジメチルスルホオキシドのみを添加したポテトデキストロース寒天培地も同様に作成した。培地が固まった後、あらかじめ培養しておいた代表的な木材腐朽菌であるオオウズラタケ(Fomitopsis palustris)のコロニーから、菌糸を直径5mmのコルクボーラーで培地ごとくり抜き試験培地の中央に接種した。シャーレを25℃にて培養し、7日目に接種源から広がったコロニーの直径を測定し、下記式によってコントロールのコロニーの直径と比較した菌の生育阻害率を求め、阻害度として表した。結果を表1に示す。化合物A及びBのオオウズラタケに対する効果はこれまで開示されてきた化合物に比べ明らかに強いものであった。
化合物AおよびB、比較化合物1〜13の1%w/vジメチルスルホオキシド溶液をそれぞれ調製した。この薬剤をジメチルスルホオキシドで希釈し、所定量を滅菌後のポテトデキストロース寒天培地に十分混合し、直径90mmのシャーレ内に15ml注ぎ込み、室温に放置した。なお、コントロールとして、ジメチルスルホオキシドのみを添加したポテトデキストロース寒天培地も同様に作成した。培地が固まった後、あらかじめ培養しておいた代表的な木材腐朽菌であるオオウズラタケ(Fomitopsis palustris)のコロニーから、菌糸を直径5mmのコルクボーラーで培地ごとくり抜き試験培地の中央に接種した。シャーレを25℃にて培養し、7日目に接種源から広がったコロニーの直径を測定し、下記式によってコントロールのコロニーの直径と比較した菌の生育阻害率を求め、阻害度として表した。結果を表1に示す。化合物A及びBのオオウズラタケに対する効果はこれまで開示されてきた化合物に比べ明らかに強いものであった。
実施例2:
化合物AおよびB、シプロコナゾール(和光純薬工業株式会社)、エポキシコナゾール(和光純薬工業株式会社)、テトラコナゾール(和光純薬工業株式会社)の1%w/vジメチルスルホオキシド溶液をそれぞれ調製した。この薬剤をジメチルスルホオキシドで希釈し、所定量を滅菌後のポテトデキストロース寒天培地に十分混合し、直径90mmのシャーレ内に15ml注ぎ込み、室温に放置した。なお、コントロールとして、ジメチルスルホオキシドのみを添加したポテトデキストロース寒天培地も同様に作成した。培地が固まった後、あらかじめ培養しておいた代表的な木材腐朽菌であるカワラタケ(Trametes versicolor)のコロニーから、菌糸を直径5mmのコルクボーラーで培地ごとくり抜き試験培地の中央に接種した。シャーレを25℃にて培養し、7日目に接種源から広がったコロニーの直径を測定し、上記式によってコントロールのコロニーの直径と比較した菌の生育阻害率を求め、実測生育阻害率として表した。結果を表2に示す。活性成分の混合物の理論有効率(理論生育阻害率)は、下記コルビーの式[R. S. Colby, Weeds 15, 20-22 (1967)]を用いて求め、実測有効率(理論生育阻害率)と比較した。この結果は、化合物AおよびBとトリアゾール系殺菌剤とに相乗効果があることを明白に示している。
化合物AおよびB、シプロコナゾール(和光純薬工業株式会社)、エポキシコナゾール(和光純薬工業株式会社)、テトラコナゾール(和光純薬工業株式会社)の1%w/vジメチルスルホオキシド溶液をそれぞれ調製した。この薬剤をジメチルスルホオキシドで希釈し、所定量を滅菌後のポテトデキストロース寒天培地に十分混合し、直径90mmのシャーレ内に15ml注ぎ込み、室温に放置した。なお、コントロールとして、ジメチルスルホオキシドのみを添加したポテトデキストロース寒天培地も同様に作成した。培地が固まった後、あらかじめ培養しておいた代表的な木材腐朽菌であるカワラタケ(Trametes versicolor)のコロニーから、菌糸を直径5mmのコルクボーラーで培地ごとくり抜き試験培地の中央に接種した。シャーレを25℃にて培養し、7日目に接種源から広がったコロニーの直径を測定し、上記式によってコントロールのコロニーの直径と比較した菌の生育阻害率を求め、実測生育阻害率として表した。結果を表2に示す。活性成分の混合物の理論有効率(理論生育阻害率)は、下記コルビーの式[R. S. Colby, Weeds 15, 20-22 (1967)]を用いて求め、実測有効率(理論生育阻害率)と比較した。この結果は、化合物AおよびBとトリアゾール系殺菌剤とに相乗効果があることを明白に示している。
実施例3:
蒸留水を溶媒として、塩基性炭酸銅16重量%、モノエタノールアミン40重量%、安息香酸5重量%を含む木材保存薬剤を調製した。この木材保存薬剤に、少量のエタノールにあらかじめ溶解した化合物A、Bおよびエポキシコナゾールを、所定の濃度になるように添加した。
木材保存剤の実験室での腐朽評価用プロトコル(オーストララシアン木材保存委員会)(PROTOCOLS FOR ASSESSMENT OF WOOD PRESERVATIVES, LABORATORY DECAY(THE AUSTRALASIAN WOOD PRESERVATION COMMITTEE))に準拠し、この木材保存薬剤を所定濃度になるように蒸留水で希釈し、試験体ラジアタパイン辺材(20×20×20mm)に加圧注入した後、風乾し、プロトコルに従って耐侯操作を行った。この試験体をプロトコルに従い生育させたイドタケ(Coniophora puteana)の菌叢上に設置し、25℃で12週間腐朽させた後、試験前後の試験体の腐朽による質量減少率を測定した。なお、結果は1条件につきいずれも試験体9個を用いて平均値を算出したものである。結果を表3に示す。化合物AおよびBを用いることにより、低薬量にて効果の高い木材保存用防腐剤が得られ、さらにトリアゾール系殺菌剤を同時に配合することで、極めて低薬量にて効果の高い木材保存用防腐剤が得られることが明らかとなった。
蒸留水を溶媒として、塩基性炭酸銅16重量%、モノエタノールアミン40重量%、安息香酸5重量%を含む木材保存薬剤を調製した。この木材保存薬剤に、少量のエタノールにあらかじめ溶解した化合物A、Bおよびエポキシコナゾールを、所定の濃度になるように添加した。
木材保存剤の実験室での腐朽評価用プロトコル(オーストララシアン木材保存委員会)(PROTOCOLS FOR ASSESSMENT OF WOOD PRESERVATIVES, LABORATORY DECAY(THE AUSTRALASIAN WOOD PRESERVATION COMMITTEE))に準拠し、この木材保存薬剤を所定濃度になるように蒸留水で希釈し、試験体ラジアタパイン辺材(20×20×20mm)に加圧注入した後、風乾し、プロトコルに従って耐侯操作を行った。この試験体をプロトコルに従い生育させたイドタケ(Coniophora puteana)の菌叢上に設置し、25℃で12週間腐朽させた後、試験前後の試験体の腐朽による質量減少率を測定した。なお、結果は1条件につきいずれも試験体9個を用いて平均値を算出したものである。結果を表3に示す。化合物AおよびBを用いることにより、低薬量にて効果の高い木材保存用防腐剤が得られ、さらにトリアゾール系殺菌剤を同時に配合することで、極めて低薬量にて効果の高い木材保存用防腐剤が得られることが明らかとなった。
Claims (7)
- 請求項1に記載の3’−イソプロピル−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドおよび/または3’−イソプロポキシ−5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボン酸アニリドを有効成分として含有することを特徴とする木材保存用防腐剤。
- さらに、トリアゾール系殺菌剤を含有する請求項2に記載の木材保存用防腐剤。
- トリアゾール系殺菌剤が、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、およびテトラコナゾールから選ばれる1以上の殺菌剤である請求項3に記載の木材保存用防腐剤。
- さらに、他の抗生物性化合物を含む請求項2〜4のいずれかに記載の木材保存用防腐剤。
- 抗生物性化合物が、銅化合物から選択されるものである請求項5に記載の木材保存用防腐剤。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の防腐剤を用いて処理を行うことを特徴とする木材保存処理方法。
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