JP2010149910A - 合成樹脂製容器及び合成樹脂製容器の加飾方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 口筒部と、筒状の胴部と、口筒部の下端から胴部の上端に向けて拡径し、口筒部と胴部を連結するテーパー筒状の肩部を有する壜体状の合成樹脂製容器の胴部の周壁に対し、押圧状態で周方向にドラム、ローラ、若しくはスキージを移動させながら加飾層を後工程で胴部の外表面に積層するにあたって、容器として、肩部と胴部の境界から加飾層が積層される領域の上端縁に至る間の所定の高さ位置において、この領域の上端縁の左右中央に対向する位置から左右方向に延びる溝状リブを形成したものを用いる。
【選択図】図1
Description
引用文献1には合成樹脂製フィルム基材に接着層を積層したラベルを、ドラムやローラを押圧状態で胴部の周壁を周方向に移動させながら壜体状の容器の胴部の外表面に貼着すると云う、ラベルの貼着工程に係る技術的事項が記載されている。
また、印刷層を形成する印刷工程でも、印刷用のドラムやヘラ状のスキージを押圧状態で胴部の周壁に周方向に摺動させながら印刷層を形成する方法が一般的に採用されている。
しかしながら、設備や工程面での改良も自ずとその限界があり、たとえば容器の形状が少し変わると、またこの形状に合わせて設備や工程を変更する必要がある等の問題がある。
口筒部と、筒状の胴部と、口筒部の下端から胴部の上端に向けて拡径し、口筒部と胴部を連結するテーパー筒状の肩部を有する壜体状の合成樹脂製容器の胴部の周壁に対し、押圧状態で周方向にドラム、ローラ、若しくはスキージを移動させながら後工程で加飾層を前記胴部の外表面に積層するにあたって、
容器として、肩部と胴部の境界から加飾層が積層される領域の上端縁に至る間の所定の高さ位置において、この領域の上端縁の左右中央に対向する位置から左右方向に延びる溝状リブを形成したものを用いる、
と云うものである。
この際、ある時点で肩部領域での扁平化が限界に達し、部分的に反転状の陥没変形が発生し、この陥没変形が胴部の加飾層を形成する領域まで進行し、ドラム等が、加飾層が形成される胴部の周壁に部分的に密着状に接触することができず、ラベルでは皺、空気溜まりができてしまうことを見出した。
そして、上記本発明の主たる方法によれば、
テーパー筒状の肩部と胴部の境界から加飾層が積層される領域の上端縁に至る間の所定の高さ位置において、この領域の上端縁の左右中央に対向する位置から左右方向に延びる溝状リブを形成した容器を用いることにより、この溝状リブにより肩部で発生する部分的な反転状の陥没変形が胴部の周壁の加飾層が形成される領域まで進行することを効果的に止めることができ、これにより、ドラム等とスムーズに密着させることができ、後工程で高品位に加飾層を積層することが可能となる。
上記のように、容器の形状が多少変更しても加飾設備や加飾工程を変更することなく生産できるこことは、実際の工業生産上、開発コストや製造コストを抑えるための重要な要素である。
また、同様に横リブとしての機能と外観デザインを考慮しながら、溝状リブは横方向に直線状とすることもできるし、円弧状等の湾曲状に延設することもできる。
胴部の周壁に対し、押圧状態で周方向にドラム、ローラ、若しくはスキージを移動させながら後工程で合成樹脂製フィルムあるいは紙製の基材に接着層を積層したラベルを胴部の外表面に貼着する、ラベルの貼着工程における皺や空気溜まりの発生を効果的に抑制することができる。
使用する容器の胴部を扁平筒状とし、ラベルをこの胴部の扁平面側に貼着するものとし、ラベルの上端縁を上方に向かって凸の円弧状とし、溝状リブをラベルが貼着される領域の上端縁に沿って形成する、と云うものである。
たとえばスクリーン印刷では、スクリーンを介してへら状のスキージを押圧状態で胴部の周壁に対して摺動状に移動させながら、スクリーンから印刷インクを所定のパターンで絞り出して胴部の外表面に印刷層を形成するが、上記方法によれば、このような印刷工程での印刷層の形成をスムーズに高品位に達成することができる。
口筒部と、筒状の胴部と、口筒部の下端から胴部の上端に向けて拡径し、口筒部と胴部を連結するテーパー筒状の肩部を有し、胴部の外表面の所定位置に後工程で加飾層を積層した壜体状の合成樹脂製容器において、
肩部と胴部の境界から加飾層の上端縁に至る間の所定の高さ位置において、加飾層の上端縁の左右中央に対向する位置から左右方向に延びる溝状リブを形成する、と云うものである。
また、加飾層の上端縁の上方で左右方向に延びる溝状リブは肩部から胴部の上端部に至る領域での周壁の面剛性を大きくする機能を発揮するものであり、加飾層の積層工程における変形を抑制する機能を発揮するだけでなく、周壁の薄肉化が可能であり、また容器間の接触によるに周壁の変形を抑制することができるので製造ライン適性の高い容器とすることもできる。
特に、本発明の主たる加飾方法にあっては、
溝状リブにより、肩部で発生する部分的な反転状の陥没変形が胴部の周壁の加飾層が形成される領域まで進行することを効果的に止めることができ、これにより、ドラム等とスムーズに密着させることができ、後工程で高品位に加飾層を積層することができる。
図1、図2は本発明の合成樹脂製容器の加飾方法により後加工により加飾層11の一つであるラベル12を貼付するのに使用する合成樹脂製の容器の一実施例を示すものであり、図1(a)は正面図、図1(b)は(a)中のA−A線に沿った周壁の縦断面、そして図2は平面図である。
胴部4は図2に示されるように扁平筒状であり、正面壁4fと背面壁4bは緩やかに湾曲した扁平面側であり、側面壁4sは略平坦状である。
また、容器1の全高さは189mm、胴部4の横幅は68mmで容量が450mlのものである。
図1(b)にこの溝状リブ8の断面形状が拡大して示されている。
そして、図1の容器1の領域Rに、後述するように加飾層11の一つであるラベル12や印刷層13を積層することにより、本発明の合成樹脂製容器とすることができる。
図3に示される比較例1の容器101は、従来例の容器であり、図3(a)は正面図、図3(b)は(a)中のB−B線に沿った容器101の周壁の縦断面図であり、図1の容器1の溝リブ8の形成位置にアーク状の稜線108が形成されている。
このようにドラム31に吸着固定されたラベル12は、ドラム31の回転に応じて、図中、左側から右側方向に容器1の移動に同期しながら移動し、ドラム31の押圧力により、容器1の胴部4正面壁に図中、右端から左端方向に向けて周方向に順次、接着層12aを介して貼着される。
なお、ラベルの貼付工程では、ドラムの替わりにゴム状の部材を使用したローラ類を用いる場合、あるいはドラムとローラを併用することもできる。
そこで、これら空気溜まりや皺の発生原因、特にドラムの押圧力による容器の肩部から胴部にかけての周壁の変形態様に注目し、実施例、比較例1、2の容器について以下のような条件で押圧試験を実施すると共に、計算機による構造解析を実施した。
1)図5(a)、(b)に示されるように、容器1の正面壁4fと背面壁4bに一対の直径20mmの丸棒21を配設し、この一対の丸棒21で壜体を挟むようにして、図5(b)中の白抜き矢印の方向に押圧試験を実施し、肩部3から胴部4かけての周壁の変形態様を観察する。
2)同様な試験条件で計算機による構造(変形)解析を実施する。実際のラベル貼付工程おける変形を想定し、丸棒21による正面壁あるいは背面壁の押込み量が全体として10mmになるまでの周壁の変形態様をシュミレートした。
一対の丸棒21による押込み変位量を大きくしていくに従って、まず丸棒21が当接する胴部104及び肩部103の下端近傍で周壁の平坦化が進行し(図7(a)中、ハッチングで示した平坦化領域FA参照)、さらにこの平坦化がテーパー筒状の肩部103の上方に向かって進行するが、この平坦化の進行が限界まで達すると、肩部103で部分的な陥没状の反転変形が発生し、この反転変形が稜線108を超えて、胴部104の周壁の上端部、ラベル12が貼付される領域Rにまで進展する(図7(b)中、クロスハッチングで示した陥没反転領域CRA参照)。
さらに、押込み変位量を大きくすると、平坦化領域FAがテーパー筒状の肩部3の上方に向かって進行し、この平坦化の進行が限界まで達すると、肩部3で部分的な陥没状の反転変形が発生する(図6(b)中、クロスハッチングで示した陥没反転領域CRA参照)が、押込み変位量が10mmとなっても反転変形の進行は溝状リブ8により止まり、溝状リブ8の作用効果を確認することができた。
たとえば壜体状の容器の形状は上記実施例に限定されるものではなく、胴部が楕円筒状、長円筒状、矩形筒状の扁平筒状のもの、さらには円筒状のものとすることもできる。
また、図1の実施例では溝状リブをラベルが貼着される領域の上端縁に沿って形成するようにしたが、横リブとしての機能と外観デザインを考慮しながら、たとえば図8に示すように、緩やかな湾曲状とすることもできるし、さらには横方向に直線状とすることもできる。
この印刷工程は、スクリーン版35を介してへら状のスキージ36を、押圧状態で、クランプ32により移動する容器1の胴部の周壁に対して摺動状に移動させながら、スクリーン版35から印刷インクを所定のパターンで絞り出して胴部の外表面に印刷層を形成するものであるが、図1のような容器1を用いることにより、印刷層13の形成をスムーズに高品位に達成することができる。
2、102、202;口筒部
3、103、203;肩部
4、104、204;胴部
4f;正面壁、4s;側面壁、4b;背面壁
5、105、205:底部
8 ;溝状リブ
11;加飾層
12;ラベル
12a;接着層
12b;基材フィルム
13;印刷層
21;丸棒
31;ドラム
32;クランプ
35;スクリーン版
36;スキージ
108;稜線
208;段差状リブ
R ;領域
FA ;扁平化領域
CRA;陥没反転領域
Claims (5)
- 口筒部(2)と、筒状の胴部(4)と、前記口筒部(2)の下端から胴部(4)の上端に向けて拡径し、該口筒部(2)と胴部(4)を連結するテーパー筒状の肩部(3)を有する壜体状の合成樹脂製容器(1)の前記胴部(4)の周壁に対し、押圧状態で周方向にドラム、ローラ、若しくはスキージを移動させながら後工程で加飾層(11)を前記胴部(4)の外表面に積層するにあたって、前記容器(1)として、肩部(3)と胴部(4)の境界から前記加飾層(11)が積層される領域(R)の上端縁に至る間の所定の高さ位置において、該領域(R)の上端縁の左右中央に対向する位置から左右方向に延びる溝状リブ(8)を形成したものを用いることを特徴とする合成樹脂製容器の加飾方法。
- 加飾層(11)をラベル(12)とした請求項1記載の合成樹脂製容器の加飾方法。
- 使用する容器(1)の胴部(4)を扁平筒状とし、ラベル(12)を該胴部の扁平面側に貼着するものとし、前記ラベル(12)の上端縁を上方に向かって凸の円弧状とし、溝状リブ
(8) を前記ラベル(12)が貼着される領域(R)の上端縁に沿って形成する請求項2記載の合成樹脂製容器の加飾方法。 - 加飾層(11)を印刷層(13)とした請求項1記載の合成樹脂製容器の加飾方法。
- 口筒部(2)と、筒状の胴部(4)と、前記口筒部(2)の下端から胴部(4)の上端に向けて拡径し、該口筒部(2)と胴部(4)を連結するテーパー筒状の肩部(3)を有し、前記胴部(4)の外表面の所定位置に後工程で加飾層(11)を積層した壜体状の合成樹脂製容器であって、前記肩部(3)と胴部(4)の境界から前記加飾層(11)の上端縁に至る間の所定の高さ位置において、該加飾層(11)の上端縁の左右中央に対向する位置から左右方向に延びる溝状リブ(8)を形成したことを特徴とする合成樹脂製容器。
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-
2008
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