JP2010149711A - ガス発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハウジング内に間隙を設けることで、ガスの噴出を円滑とするとともに、小型化や軽量化も可能とすることができるガス発生装置を提供する。
【解決手段】ガス発生装置1の内側にはハウジング2が配置され、ハウジング2の内側にはガス発生剤7が収容された筒部材6が配置され、筒部材6内でガス発生剤7の燃焼により発生した膨張用ガスをハウジング2と筒部材6との間に設けた間隙S内に流入させてから、ハウジング2の外周面に穿たれた複数の貫通孔22から噴出させる。複数の貫通孔22の開口面積の総和は、間隙Sのハウジング2の径方向の断面積より大きく設定されている。
【選択図】図1
【解決手段】ガス発生装置1の内側にはハウジング2が配置され、ハウジング2の内側にはガス発生剤7が収容された筒部材6が配置され、筒部材6内でガス発生剤7の燃焼により発生した膨張用ガスをハウジング2と筒部材6との間に設けた間隙S内に流入させてから、ハウジング2の外周面に穿たれた複数の貫通孔22から噴出させる。複数の貫通孔22の開口面積の総和は、間隙Sのハウジング2の径方向の断面積より大きく設定されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、エアバッグの膨張のための膨張用などのガスを供給するガス発生装置に関する。
従来、ガス発生装置としては、外周面にガス噴出のための複数の開口を設けたハウジングの内部に、円筒状のカートリッジに収納した環状のガス発生剤をハウジングの軸方向に並列状に配置し、カートリッジの外周面とハウジングの内周面との間の間隙にはフィルター部材(冷却組立体)が配置したものが知られており、ハウジングの一端側に配置された点火器の作動時によって、点火器の熱が環状のガス発生剤で形成された中央通路を伝播し、ガス発生剤が燃焼してガスを発生させ、ガスはフィルター部材(冷却組立体)内を経由して複数の開口からハウジングの外方へ噴出されるものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
また、別の従来技術として、筒状のカートリッジとして、金属箔、引き延ばした金属、セルロース、ポリオレフィン等の収縮性等熱可塑性材料等からなるシート材料の包み部材を用いて、複数の環状に形成されたガス発生剤を包み込んだものをハウジングの内側に配置したものも知られている。(例えば、特許文献2参照。)
しかし、従来技術のガス発生装置においては、ハウジングの内周面とカートリッジの外周面との間にはフィルター部材(冷却組立体)が隙間なく配置されている。ガス発生剤によって発生したガスは、カートリッジを通過してフィルター部材内に流入するが、フィルター部材は流動抵抗が大きくガスの流動が阻害され、ガスの流動は、比較的流動抵抗の小さいハウジングのガス噴出用の開口へ向かって優先的に流動するため、ガス発生剤の外方へ円滑に噴出されないこともある。また、ガスの流れがハウジングの開口へ向かって優先的に流動するため、ガス発生剤の全長にわたってフィルター部材(冷却組立体)が有効にか活用できないこともある。また、従来技術のフィルターは嵩張るものであるため、ガス発生装置の小型化や軽量化の抑制も阻害されることも考えられる。
特開平6−191371号公報
登録実用新案第3039606号公報
解決しようとする課題は、ガス発生剤の燃焼により発生したガスを円滑にガス発生装置の外方に向けて円滑に噴出することができないことがあり、さらに、小型化や軽量化が困難なことである。
本発明の請求項1に係るガス発生装置においては、外周面にガス噴出のための複数の貫通孔が穿たれるとともに両端側が閉塞部材によって閉塞された円筒状のハウジングと、前記ハウジング内の軸方向に沿って配置された外径が前記ハウジングの内径より小径でかつ中央に開口部を有する筒状に形成されたガス発生剤と、前記ハウジングを両端を閉塞するいずれか一方の前記閉塞部材には前記ハウジングの内方側に向けて配設されるともに閉塞部材の外側まで延びる電源線が取り付けられた点火器と、からなるガス発生装置において、前記ハウジング内には外径が前記ハウジングの内径より小さくかつ内径が前記ガス発生剤の外径とほぼ同じかまたは若干大きくされるとともに外周に複数のガス放出用の開口が設けられた金属製の筒部材が配設され、前記開口は前記貫通孔とは重なり合わないようずらした位置に設けられ、前記ガス発生剤は前記筒部材の内部に収納された状態で前記ハウジング内に配置されており、さらに、前記筒部材の外周面と前記ハウジングの内周面との間には全体がほぼ均一な間隙部が形成されるよう前記ハウジング内に配設されることを主旨とする。
請求項1のガス発生装置においては、筒部材の外周面とハウジングの内周面との間はフィルター部材等を配置しない間隙部とする構成とした。さらに、筒部材は金属製とするとともに複数のガス放出用の開口が設けられており、ガス発生剤の燃焼により発生したガスはこの開口から間隙部へ流入して、このガスによって破壊や溶融されない強度を有するものである構成とした。こうすることにより、ガス発生剤の燃焼で発生したガスは、筒部材の開口から、一旦間隙部内に流入し、一端、この間隙内で、ほぼ均一な状態になってからハウジングの外周面に穿たれた貫通孔からガス発生装置の外方に向けて噴出されるので、フィルターを用いた場合に比較して、ガスはハウジングの外周面から円滑に噴出されることができる。さらに、ガス発生剤は燃焼時には燃焼残渣が発生し、ガスと一緒に開口から間隙部内に流出することもあるが、ハウジングの貫通孔と筒部材の開口とは重なり合わないようずらした位置に設けられているので、ガスがハウジングの内壁面に衝突してこの内壁面に燃焼残渣が付着し、効果的に燃焼残渣を捕集することができる。
本発明の請求項2に係るガス発生装置においては、請求項1に記載のガス発生装置に加えて、複数の前記ガス発生剤の前記開口部によって中央通路が形成され、前記中央通路の内側には前記点火器の作動による熱によって燃焼することで前記ガス発生剤に熱を伝播させる伝火剤が配置されていることを主旨とする。
請求項2のガス発生装置では、ガス発生剤の開口部によって形成される中央通路に、伝火剤を配置する構成としたので、点火器が作動すると、中央通路内で伝火剤が燃焼し、この燃焼熱がガス発生剤に伝播し、ガス発生剤の迅速かつ円滑な燃焼を可能にすることができる。
本発明の請求項3に係るガス発生装置においては、請求項2に記載の発明に加えて、前記中央通路には前記点火器の作動および前記伝火剤の燃焼によって発生する熱または衝撃力によって溶融または破壊可能な保持管が挿通され、前記伝火剤は前記保持管の内部に収容された状態で前記中央通路内に配置されていることを主旨とする。
請求項3のガス発生装置では、伝火剤は、伝火剤の燃焼によって発生する熱または衝撃力によって溶融または破壊可能な保持管の内部に収容された状態で中央通路内に配置される構成としたため、ガス発生装置の製造時において、予め、保持管の内部に伝火剤を収容した保持管の予備組付体を準備しておき、この予備組付体を中央通路に挿通することで、ガス発生装置の製造作業をより容易に行うことが可能とすることができる。
請求項4に係るガス発生装置においては、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明に加えて、前記ハウジングの外周面に穿たれた複数の前記貫通孔の開口面積の総和は、前記筒部材の外周面と前記ハウジングの内周面との間に形成される前記間隙部の前記ハウジングの径方向の断面積より大きいことを主旨とする。
請求項4のガス発生装置では、ハウジングの外周面に穿たれた複数の貫通孔の開口面積の総和は、筒部材の外周面とハウジングの内周面との間に形成された間隙部のハウジングの径方向の断面積より大きい構成とした。ガス発生剤の燃焼によって発生したガスは、一旦間隙部内に流入した後、貫通孔からガス発生装置の外方に噴出されるが、この際に、複数の貫通孔の開口面積の総和は間隙部のハウジングの径方向の断面積より大きく形成され、この間隙部内には、ガスの流れを阻害する要因がなく間隙部内にはガスがほぼ均一な状態に流入し、その後、ハウジングの複数の貫通孔から外方へ噴出されるので、より円滑なガスの噴出が可能となる。さらに、間隙部材には、嵩張るフィルター部材を配置する必要がないので、ハウジングの小径化や軽量化にも寄与することができる。
請求項5に係るガス発生装置においては、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明に加えて、前記筒部材は複数の層を備え、前記層間はガスが通過可能とされていることを主旨とする。
請求項5のガス発生装置では、筒部材を複数の積層を備えた構成としたので、ガス発生剤の燃焼で発生したガスは、複数の積層内を通過する際に、より効果的に残渣を捕捉することが可能となるばかりでなく、ガスは効果的に冷却されて、エアバッグ内に噴出されたような場合でも、過度に高温となるのを抑制することが可能となる。
本発明のガス発生装置は、筒部材内で発生したガス発生剤の燃焼ガスは、一旦、筒部材の外周面とハウジングの内周面との間に形成された間隙部に流入し、間隙部材内でほぼ均一な状態とされた後、ハウジングの外周面に形成された貫通孔からガス発生装置の外方に噴出されるので、ガス発生装置からのガスの噴出が円滑にすることができる。さらに、ガスが噴出するハウジングの貫通孔の開口面積の総和は、間隙部のハウジングの径方向の断面積より大きいので、貫通孔から噴出されるガスの流動抵抗を小さくして、より円滑な噴出が可能となる。さらに、従来のフィルター部材を省略することも可能なため、ガス発生装置の小型化や軽量化も可能とすることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1及び図2に従って説明する。
図1に示すガス発生装置1は、自動車が、他の自動車等の障害物や歩行者等と干渉した際に、通常は車室内外に折り畳んで配置された状態から展開膨張して、車室内の乗員や歩行者を拘束する図示しないエアバッグに、膨張用ガスを供給するものである。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1及び図2に従って説明する。
図1に示すガス発生装置1は、自動車が、他の自動車等の障害物や歩行者等と干渉した際に、通常は車室内外に折り畳んで配置された状態から展開膨張して、車室内の乗員や歩行者を拘束する図示しないエアバッグに、膨張用ガスを供給するものである。
図1(a)は、本発明の第1実施形態におけるガス発生装置1の軸方向の断面図を示す。図1(b)は、図1(a)の要部拡大図を示す。図2は、第1実施形態におけるガス発生装置1の部分破断斜視図を示す。
ガス発生装置1は、通常は折り畳まれて自動車の車室内の各所に配置される図示しないエアバッグの内部に配置されており、図1に示すように、外筒が両端が開口した円筒状の金属製のハウジング2で形成されている。ハウジング2の両端20,21は閉塞部材としての円柱状の金属製キャップ3,4で閉塞されている。金属製キャップ3,4は外周部の全周に亘って略V字状の凹溝30,40が形成されており、ハウジング2の両端の開口に挿嵌された状態で、凹溝30,40の位置でハウジング2を外周面側からかしめることによって、金属製キャップ3,4をハウジング2に対して固定して、ハウジング2の両端の開口を閉塞している。また、ハウジング2の外周面には、後述する膨張用ガスをガス発生装置1の外方に向けて噴出させるための複数の貫通孔22が穿たれている。
金属製キャップ3,4は、それぞれハウジング2の内側に向けた一端面31,41とハウジング2の外側に向けた他端面32,42とを備えている。また、一方の金属製のキャップ4には、ハウジング2の軸方向に沿って貫通口43が開口している。そして、この貫通口43には、点火器5が嵌挿されている。なお、点火器5と貫通口43とは、図示しないOリング等でシールされハウジング2の内側を密封状態にしている。さらに、一端面31,41には、キャップ3,4の外径より若干小径の突起34,44が形成され、金属製キャップ3,4の一端側31,41面に環状の段差部35,45を形成している。
点火器5の一端側50は、ハウジング2の内側に向けた状態で配置され、他端側51は、ハウジング2の外側に向けた状態で配置されており、他端側51には、図示しない衝突センサーまたは衝突予測センサーからの信号を受信して点火器5を作動させるための電源線52が連結されている。
ハウジング2の内側には、ハウジング2の軸方向に沿って、両端側が開口した金属製の筒部材6が配置されている。金属製の筒部材6の外径は、ハウジング2の内径よりやや小さく形成されており、金属製の筒部材6の外周面とハウジング2の内周面との間に間隙部Sを形成している。また、金属製の筒部材6の全長は、キャップ3,4のハウジング2の内側に面した一端面31,41との間の距離とほぼ同等かあるいはわずかに小さく設定されている。また、筒部材6の内径は、突起34,44とほぼ同等かわずかに大径とされて、両端側の開口が突起34,44よって形成された段差部35,45に係合することによって金属製の筒部材6がハウジング2の内部に支持されている。また、金属製の筒部材6の外周面には、後述する膨張用ガスを間隙部S内に向けて放出させるための複数の開口60が形成されている。なお、第1実施形態においては、間隙部Sは、金属製の筒部材6の外周面にほぼ均一となるようにに形成されている。
金属製の筒部材6の内側には、中央に開口部7aを有して筒状に形成されたガス発生剤7が筒部材6の軸方向に沿って配置されている。第1実施形態においては、ガス発生剤7は、中央に開口を備えた環状に形成されて、複数(個数は、ガス発生装置の全長や径を考慮して適宜決定すればよいが、10〜15個とするのが望ましい。)のガス発生剤7が筒部材6の内側の軸方向に沿って隣接するガス発生剤どうしが互いにほぼ密着するように並列状に配置されている。従って、ガス発生剤7の外径は、金属製のハウジング2の内径より小径とされている。ガス発生剤7は、燃焼することによりエアバッグを膨張させるための膨張用ガスを発生させるもので、例えば、硝酸塩を主成分とした薬剤を中央に開口を有する筒状または環状にプレス成形して形成したものである。そして、ガス発生剤7は中央に開口部7aを有することで、中央通路70を形成している。そして、点火器5の一端側50は、この中央通路70に面して配置されている。
中央通路70の内部には、円柱粒状の伝火剤8が充填されている。伝火剤8は、両端が封止された円筒状の保持管9内に保持されており、この保持管9が中央通路70に挿通されることによって伝火剤8を中央通路70内に保持している。保持管9は、伝火剤の燃焼によって発生する熱等のエネルギーによって溶融または破壊することができるような材料(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等の軽金属やポリアミド等の高分子材料)で形成されている。保持管9の軸方向の一端側面は、点火器5に面している。伝火剤8は、点火器5によって燃焼させられることにより、ガス発生剤7に熱を伝播させるもので、例えば、黒色火薬系の薬剤で、略円柱形の粒状に形成されている。また、保持管9は、伝火剤8の熱によって溶融や破壊されやすいように、孔や薄肉の脆弱部を設けても良い。
さらに、貫通孔22の形状は、ハウジング2の外周面に円形状に形成されており、その径はハウジング2の厚み方向ではほぼ一定の径になるように形成されている。さらに、複数の貫通孔22の開口面積の総和は、ハウジング2の径方向における間隙部Sの断面積より大きく設定されている。第1実施形態においては、ハウジング2の外周面には、直径Dが3.4mmの貫通孔22が12個穿たれており、その開口面積の総和は約108.9mm2となる。また、ハウジング2の内径A1を20mm,筒部材6の外径A2を16.6mmに設定されており、間隙部Sの寸法は1.7mmとなって、その断面積は約97.7mm2となる構成とした。
次に、第1実施形態におけるガス発生装置1が作動した時の状態を説明する。
図示されていない自動車に配置された衝突センサーまたは衝突予測センサーが、自動車の衝突を検知または予測すると、その信号を図示しないECUが受信する。ECUは図示しないエアバッグ装置に信号を発信する。その信号は、電源線52から点火器5に送られる。点火器5が作動すると保持管9内の伝火剤8が着火して燃焼を開始する。伝火剤8の燃焼の熱等のエネルギーによって保持管9は溶融または破壊され、伝火剤8の熱はガス発生剤7に伝播することとなり、ガス発生剤7が燃焼して、膨張用ガスが発生する。膨張用ガスは、筒部材6の開口60から間隙部S内に流入し、さらに、間隙部Sからは、貫通孔22を通過してハウジング2の外側に向けて噴出することとなる。
ここで、間隙部S内では、膨張用ガスの流動を阻害するものがないため、間隙部S内には円滑に流入し、間隙部S内全体でほぼ均一な状態になることができる。さらに、12個設けられた貫通孔22の開口面積の総和は、間隙部Sの断面積より大きく設定されているため、間隙部S内に流入した膨張用ガスは、間隙部S内で過剰に滞留することはなく、貫通孔22からハウジング2の外側へ向けて円滑に噴出される。この際、貫通孔22から噴出する膨張用ガスは、貫通孔22の開口面積の総和が間隙部Sの断面積より大きいため、噴出速度が適度に調整される。このため、膨張用ガスが流入して膨張するエアバッグの内圧も適度な圧力に保持することが可能となる。
なお、第1実施形態においては、筒部材6の複数の開口60の位置と、ハウジング2の複数の貫通孔22との位置とを、互いに重なり合わないように、開口位置をずらして設けている。こうすることにより、膨張用ガスは、筒部材6から間隙部S内に流入した際に、ハウジング2の内壁面に衝突した後に貫通孔22からハウジング2の外方に噴出される。このため、ガス発生剤7が燃焼して発生した膨張用ガスは、筒部材6の複数の開口60から直接ハウジング2の外方に向けて噴出されることが抑えられるため、ガス発生剤7の燃焼による残渣を効果的に捕集することができる。
また、ハウジング2の12個の貫通孔22は、ハウジング2の外周面にほぼ均等となるように、4個の貫通孔22をハウジング2の軸方向に一列に設け、この4個を一列とした貫通孔22を、ハウジング2の周方向に120°ずらして3列にわたって設けている。さらに、3列の貫通孔22の内、隣接する列において、貫通孔22の位置はハウジング2の周方向の同じ位置とならないようにオフセットした位置に設けている。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について図3及び図4に従って説明する。第2実施形態については、各所の材料等の基本的な部分は第1実施形態と同じであるため、第1実施形態と異なる点についてのみについて説明を行い、同一の部材については同じ部材番号を付して説明する。
次に、本発明を具体化した第2実施形態について図3及び図4に従って説明する。第2実施形態については、各所の材料等の基本的な部分は第1実施形態と同じであるため、第1実施形態と異なる点についてのみについて説明を行い、同一の部材については同じ部材番号を付して説明する。
図3は、本発明の第2実施形態におけるガス発生装置1の軸方向断面図の要部拡大図を示す。図4は、第2実施形態における部分破断斜視図を示す。
第2実施形態のガス発生装置1においては、金属製の筒部材11が第1実施形態とは異なる。第2実施形態における金属製の筒部材11は、複数の開口61,61’を有する金属板を巻き回して形成されており、第2実施形態では、3つの層11a,11b,11cを備えて形成されている。なお、開口61,61’は、金属板を巻き回した際に、一番外側でハウジング2の内壁面に面したの層11aに配置される開口61として、貫通孔22と重なり合わないよう位置をずらして配置すればよく、内側に配置される層11b,11cに配置される開口61‘は、ガスは通過可能な範囲で、配置位置は任意とすることができる。
なお、3つの層11a,11b,11cの層間は、ガスが通過可能に隙間を設けた状態とされている。
第2実施形態でにおいては、3つの層11a,11b,11cを有しているので、燃焼残渣は、この3つの層11a,11b,11c間でも捕集されるので、なお一層、燃焼残渣の捕集効率を高めることができる。
なお、第2実施形態においては、第1実施形態と同様に、貫通孔22の開口面積の総和は、間隙部Sの断面積より大きく設定されている。さらに、第2実施形態における、貫通孔22の個数、貫通孔22の直径D、ハウジングの内径、筒部材の直径の各所の寸法等は、第1実施形態と同じとした。また、貫通孔22の配置も第1実施形態と同じとした。
また、第2実施形態における筒部材11は、好ましくは、特開2008−273305号の公開公報に記載された積層体を 採用することができる。
第2実施形態のガス発生装置1においては、ガス発生剤7で発生した膨張用ガスは、複数(3層)の積層11a,11b,11cを通過して間隙部S内に流入するので、より一層のガス発生剤7の燃焼残渣の捕捉効果を発揮することができるとともに、膨張用ガスの冷却効果も期待することができるので、エアバッグの損傷を抑制することができ、積層の数や厚みを調整することで、エアバッグの内圧の調整も容易となる。
本発明のガス発生装置は、上記の実施形態に限られるものではなく、以下のように変形して実施することもできる。
(1)ハウジングの貫通孔は、四角形等の多角形や楕円形あるいは不定形の貫通孔とすることができる
(2)ハウジングの開口は、ハウジングの厚み方向で径を除変させるよう形成することができる。この場合、貫通孔の開口面積は、厚み方向で除変させた最も小径部分を開口面積とする。
(3)伝火剤は、保持管を省略して、直接中央通路内に配置してもよい。この場合、伝火剤の形状は、円柱筒状以外に、中央通路内に配置できる形状、大きさであれば任意の形状とすることが可能で、例えば、環状、角柱状等の形状とすることができる。
(4)ハウジングの内周面と筒状部材の外周面との間には、間隙が形成されていれば良く、筒状部材に替えて従来用いられているフィルター状部材を用いることもできる。
(5)第2実施形態で、積層は3層としたが、積層の数は任意に設定することが可能で、2層以上であれば良い。
(6)本発明におけるガス発生装置は、自動車のエアバッグに用いる以外に、自動車の車室内において、乗員を拘束するシートベルトのプリテンショナーにも用いることができる。
(1)ハウジングの貫通孔は、四角形等の多角形や楕円形あるいは不定形の貫通孔とすることができる
(2)ハウジングの開口は、ハウジングの厚み方向で径を除変させるよう形成することができる。この場合、貫通孔の開口面積は、厚み方向で除変させた最も小径部分を開口面積とする。
(3)伝火剤は、保持管を省略して、直接中央通路内に配置してもよい。この場合、伝火剤の形状は、円柱筒状以外に、中央通路内に配置できる形状、大きさであれば任意の形状とすることが可能で、例えば、環状、角柱状等の形状とすることができる。
(4)ハウジングの内周面と筒状部材の外周面との間には、間隙が形成されていれば良く、筒状部材に替えて従来用いられているフィルター状部材を用いることもできる。
(5)第2実施形態で、積層は3層としたが、積層の数は任意に設定することが可能で、2層以上であれば良い。
(6)本発明におけるガス発生装置は、自動車のエアバッグに用いる以外に、自動車の車室内において、乗員を拘束するシートベルトのプリテンショナーにも用いることができる。
ガスの噴出が円滑にできるとともに、小型化や軽量化も可能なガス発生装置を提供することができる。
1 ガス発生装置
2 ハウジング
3,4 キャップ(閉塞部材)
5 点火器
6,11 筒部材
7a ガス発生剤の開口部
11a,11b,11c 層
22 貫通孔
60,61 筒部材の開口
7 ガス発生剤
70 中央通路
8 伝火剤
9 保持管
A1 ハウジングの内径
A2 筒部材の外径
S 間隙部
2 ハウジング
3,4 キャップ(閉塞部材)
5 点火器
6,11 筒部材
7a ガス発生剤の開口部
11a,11b,11c 層
22 貫通孔
60,61 筒部材の開口
7 ガス発生剤
70 中央通路
8 伝火剤
9 保持管
A1 ハウジングの内径
A2 筒部材の外径
S 間隙部
Claims (5)
- 外周面にガス噴出のための複数の貫通孔が穿たれるとともに両端側が閉塞部材によって閉塞された円筒状のハウジングと、前記ハウジング内の軸方向に沿って配置された外径が前記ハウジングの内径より小径でかつ中央に開口部を有する筒状に形成されたガス発生剤と、前記ハウジングを両端を閉塞するいずれか一方の前記閉塞部材には前記ハウジングの内方側に向けて配設されるともに閉塞部材の外側まで延びる電源線が取り付けられた点火器と、からなるガス発生装置において、前記ハウジング内には外径が前記ハウジングの内径より小さくかつ内径が前記ガス発生剤の外径とほぼ同じかまたは若干大きくされるとともに外周に複数のガス放出用の開口が設けられた金属製の筒部材が配設され、前記開口とは前記貫通孔と重なり合わないようずらした位置に設けられ、前記ガス発生剤は前記筒部材の内部に収納された状態で前記ハウジング内に配置されており、さらに、前記筒部材の外周面と前記ハウジングの内周面との間には全体がほぼ均一な間隙部が形成されるよう前記ハウジング内に配設されることを特徴とするガス発生装置。
- 複数の前記ガス発生剤の前記開口部によって中央通路が形成され、前記中央通路の内側には前記点火器の作動による熱によって燃焼することで前記ガス発生剤に熱を伝播させる伝火剤が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のガス発生装置。
- 前記中央通路には前記点火器の作動および前記伝火剤の燃焼によって発生する熱または衝撃力によって溶融または破壊可能な保持管が挿通され、前記伝火剤は前記保持管の内部に収容された状態で前記中央通路内に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のガス発生装置。
- 前記ハウジングの外周面に穿たれた複数の前記貫通孔の開口面積の総和は、前記筒部材の外周面と前記ハウジングの内周面との間に形成される前記間隙部の前記ハウジングの径方向の断面積より大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のガス発生装置。
- 前記筒部材は複数の層を備え、前記層間はガスが通過可能とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のガス発生装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017502882A (ja) * | 2014-01-13 | 2017-01-26 | オートリブ エーエスピー,インコーポレイティド | 曲流路による膨張ガス濾過システム及び方法 |
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2008
- 2008-12-25 JP JP2008330228A patent/JP2010149711A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017502882A (ja) * | 2014-01-13 | 2017-01-26 | オートリブ エーエスピー,インコーポレイティド | 曲流路による膨張ガス濾過システム及び方法 |
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