JP4612232B2 - ガス発生器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアバッグ用のガス発生器に関し、更に詳しくは、自動車用のエアバッグを膨張展開させるために好適なガス発生室及びフィルター室からなる2室構造のガス発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の衝突時に生じる衝撃から乗員を保護するためのエアバッグ用ガス発生器は、例えばインストルメントパネル内等に装着されたエアバッグモジュールに収容されている。このガス発生器は、衝突の際瞬時に衝突センサからの衝突検出信号によって多量の高温ガスを発生させ、エアバッグを展開させる。
【0003】
近年特に、安全性の向上とともに、エアバッグ装置を収容するインストルメントパネルのような収容スペースの意匠の自由度を上げるために、ガス発生器の性能向上に加えて、ガス発生器の小型化、軽量化が望まれるようになっている。
【0004】
従来から側突用エアバッグ装置に用いられてきたガス発生器の一例が、図3に示されている。このガス発生器は、ガス発生室53とフィルター室54とが仕切り板52によって区画された、直列2室構造のものである。この仕切り板52は、オリフィス55と称されるガス発生器の軸心上にある孔を持ち、且つその周縁には凹部が施されており、その凹部には図示しないOリングのようなシール部材が嵌合されている。また、この仕切り板52は、ハウジング51と称されるガス発生器の収容装置の外周周縁からその挿入箇所をかしめることによって固定されている。ガス発生室53にはガス発生剤57が充填され、フィルター室54には中空円筒状のフィルター材58が装着されている。ハウジング51におけるフィルター室54側端部は、蓋板56で閉鎖され、また、ハウジング51のガス発生室53側端部には、ガス発生室53内のガス発生剤57を着火燃焼させる点火手段59が装着されている。図3に示されているガス発生器においては、衝突時に図示しない衝突センサからの衝突検出信号によって点火手段59を通電発火させ、この火炎をガス発生室53内に噴出する。ガス発生室53内では、噴出された火炎によってガス発生剤57が着火燃焼され、多量の高温ガスが発生する。ガス発生室53内で発生した高温ガスは、仕切り板7のオリフィス55を覆うように仕切り板7に貼着されているバーストプレート60を所定内圧で破裂し、仕切り板52のオリフィス55を通過してフィルター室54へと流入する。そして高温ガスは、フィルター材58内に流入し、ここでスラグ捕集及びガス冷却を経て、ハウジング51の各ガス放出孔51aから図示しないエアバッグ内に放出される。エアバッグは、各ガス放出孔51aから放出される多量の清浄なガスによって急速に膨張展開される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3に示されているガス発生器においては、ガス発生室53を密封する目的でOリング等のシール部材を仕切り板52に嵌合させるために、仕切り板52の周縁に凹部を施す必要があった。このため、仕切り板52自体の厚みを薄くすることができず、ガス発生器全体の小型化、軽量化を妨げる一因となっていた。
【0006】
本発明は、仕切り板を薄くすることができ、小型化、軽量化を達成できる自動車用エアバッグに用いられるガス発生器を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の請求項1に記載のガス発生器は、両端が閉鎖される長尺円筒状のハウジングと、前記ハウジングの内部においてガス発生剤を収容するガス発生室とフィルター材が装着されたフィルター室とを区画する仕切り板とを備えたガス発生器であって、前記仕切り板は前記ハウジングをかしめて形成されるかしめ部に固定され、前記仕切り板の全周が前記ガス発生室側から溶接されていることを特徴とする。
衝突時にガス発生室で発生した高温のガスは圧力を増加させ、所定の圧力に達した後、一気にオリフィスを通過してフィルター室へと流入する。このとき仕切り板のフィルター室側周縁部がハウジングのかしめ部に固定されているため、ガス発生室内のガスの圧力によって仕切り板がフィルター室側にずれることが無い。ガスはフィルター室内の全体にわたって流れ、ここでフィルター材を通過して冷却及びスラグ捕集され、清浄なガスとして放出される。
一方、仕切り板のガス発生室側周縁部全周に溶接を施すことによって、ガス発生室内をガス発生室外から確実に密封することができる。外気に含まれる湿気によるガス発生剤等の機能低下を防ぐと共に、衝突時に発生するガスがオリフィスではなく仕切り板とハウジングの隙間を通過してフィルター材を介さずエアバッグ内に放出されることを防ぐことが可能である。
溶接によるシール効果を期待できるため、Oリング等のシール部材を仕切り板に嵌合する必要がなくなり、シール部材を嵌合させるための凹部を仕切り板周縁に施す必要もなくなる。従って、仕切り板自体の厚みを比較的薄くできてガス発生器全体の小型化、軽量化が可能となる。
また、本発明における溶接は、固定強度(即ち、仕切り板の溶接による固定強度)ではなくシール性の向上を目的としているため、通常強度向上のために用いられる溶接機のような、大規模な設備投資をする必要がない。
【0008】
請求項2に記載のガス発生器は、請求項1において、前記溶接がレーザー溶接であるものである。
仕切り板のガス発生室側周縁部全周にレーザー溶接による溶接を施すことで、ガス発生室を密封するシール効果に確実な信頼性を持たせることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態におけるガス発生器の一例について、図1及び図2を参照して説明する。本発明の実施形態におけるガス発生器は、主として自動車用のエアバッグを膨張展開させるもので、1つの点火器にてガス発生剤を燃焼させるものである。
【0010】
図1に示すガス発生器は、ハウジング1と、ハウジング1の一方の軸端部に装着される点火器23と、この点火器23に連接する伝火手段3と、ハウジング1をガス発生室2とフィルター室12とに区画する仕切り板7と、ガス発生室2内に中空空間17を画成する内筒材5と、この中空空間17の外周の環状空間27に装填されているガス発生剤4と、フィルター室12内に装着されたフィルター材10とを備えてなる。
【0011】
ハウジング1は、両端が開口する外筒材20と、外筒材20のガス発生室2側を閉鎖する蓋部材24と、フィルター室12側を閉鎖する蓋板11とで構成されている。このハウジング1は、蓋部材24と蓋板11とが外筒材20内の各開口側に嵌挿され、内部に密封空間を形成する構造である。ハウジング1は、蓋板11と蓋部材24とを各軸端部として両端を閉鎖した長尺円筒状とされている。このハウジング1の内部の密封空間は、仕切り板7によってガス発生室2とフィルター室12の2室に区画されている。
【0012】
仕切り板7には、図1に示されるように、ハウジング1の軸心上にオリフィス13が形成されている。このオリフィス13は、ガス発生室2とフィルター室12とを連通可能にするが、通常状態においては仕切り板7に貼着されるバーストプレート14によって閉鎖されている。
【0013】
このバーストプレート14は、切り込み14aの入ったアルミニウム等の金属箔によって形成され、ガス発生室2内の防湿と内圧調整の役割を果たす。これによって、衝突時以外の期間においても、ガス発生室2内に湿気が流入するのを防ぐことができる。また、この切り込み14aは、衝突時にガス発生室でガスが発生した際、バーストプレート14が突き破られ、ガスが円滑にフィルター室12に流入するように設けられたものである。
【0014】
外筒材20のフィルター室12側には、フィルター室12内と図示しないエアバッグとを連通する複数のガス放出孔8が、外筒材20の軸方向及び周方向に所定間隔ごとに形成されている。外筒材20のフィルター室12側端部は、蓋板11によって封鎖され、この蓋板11は外筒材20端部を内側方向にかしめることによって固定されている。
【0015】
フィルター材10は、例えば、メリヤス編み金網、クリンプ織り又は平織り金属線材の集合体によって中空円筒状に成形されている。このようにフィルター材10には軸中心に沿って中空部が設けられているため、ガス発生室2にて発生したガスをフィルター材10の軸方向全域にわたって導入することができる。このフィルター材10は、ハウジング1内の仕切り板7で区画されたフィルター室12に装着され、蓋板11と該仕切り板7との間にわたって位置している。そしてフィルター材10は、外筒材20との間で環状のガス通過空間9を形成している。
【0016】
ガス発生室2は、アルミニウム等の金属製の内筒材5によって中空空間17と環状空間27とに画成されている。中空空間17には蓋部材24と一体化された伝火手段3が延在し、環状空間27にはガス発生剤4が充填されている。内筒材5は、仕切り板7側端部において周辺外側に支持部材16を有し、その支持部材16とともに、外方向に広がるような段付加工が施されている。その内筒材5の仕切り板7側端部は、レーザー溶接等によって、仕切り板7に貼着されているバーストプレート14に接着されている。内筒材5の他端5aは、円筒形そのままの形状である。その内筒材5の他端5aから内筒材5内の中空空間17へ向けて、伝火手段3が挿入されている。また、内筒材5には、中空空間17と環状空間27とを連通する複数のガス通過孔15が形成され、内筒材5の軸方向及び周方向に所定間隔ごとに形成されている。この中空空間17は、ガス発生室2と同一軸上に形成され、ガス発生室2の軸方向長さの50%以上、好ましくは90%以上の長さで形成されている。このため環状空間27で発生したガスは、効率よく中空空間17内に流入するようになる。
【0017】
中空空間17内に延在する伝火手段3は、図1に示すように、中空空間17内をハウジング1の軸心と同心として軸方向に延びる伝火ノズル28と、蓋部材24内に構成される圧力燃焼部21とを備えている。
【0018】
伝火ノズル28は、ハウジング1の軸心と同心にして中空空間17内を軸方向へ延在されており、圧力燃焼部21と連通可能にされている。また、伝火ノズル28の内径は、圧力燃焼部21の内径より小さい寸法とされ、伝火ノズル28の延在長さLは、中空空間17内の任意の長さ寸法にされている。好ましくは、中空空間17内の1/3以上の長さに設定する。これによってガス発生剤4を漸進的に燃焼させることが可能となる。さらに、伝火ノズル28には、複数の伝火孔19が形成されている。各伝火孔19は、伝火ノズル28の軸方向及び周方向にわたって配置され、該伝火ノズル28内を中空空間17内に連通している。また、各伝火孔19は、圧力燃焼部21の近傍で孔間ピッチを小さくし、該圧力燃焼部21から離れるにつれて孔間ピッチが大きくなるように形成されている。これら各伝火孔19は、伝火ノズル28の外周に貼着される破裂プレート29によって閉鎖されている。破裂プレート29は、アルミニウム等の金属箔によって形成され、伝火ノズル28内を中空空間17内から密封している。
【0019】
圧力燃焼部21内には、第1伝火剤22が、点火器23の先端側を覆う状態で圧力燃焼部21内に装填されている。この第1伝火剤22は、点火器23の発火による火炎で着火燃焼され、着火燃焼によって発熱し、高温ガスを発生させる組成を含有するものである。
【0020】
また、図1に示すように、伝火ノズル28内には、第2伝火剤18が伝火ノズル28の軸方向にわたって装填されている。この第2伝火剤18は、第1伝火剤22の燃焼熱によって着火燃焼され、着火燃焼によって発熱する組成を有するものである。
【0021】
なお、この第1伝火剤22と第2伝火剤18は、同一組成のものを使用することも可能である。また、その組成を適宜調整することもできる。例えば、第1伝火剤22を、着火燃焼によって発熱する組成を含有するものとし、第2伝火剤18を、着火燃焼によって発熱し、高温ガスを発生させる組成を有するものとしてもよい。また、第1及び第2伝火剤22,18の両方を、着火燃焼によって発熱し、高温ガスを発生させる組成を有するものも採用することができる。
【0022】
伝火手段3に連接している点火器23は、図1に示すように、蓋部材24に装着されており、通電によって発火する。この点火器23は、圧力燃焼部21内に突出されており、衝突センサからの衝突検出信号に基づいて通電発火されて、火炎を圧力燃焼部21内に噴出する。
【0023】
図1に示すように、ガス発生室2の環状空間27に装填されるガス発生剤4は、燃焼によって高温ガスを発生させるもので、ハウジング1のガス発生室2内の軸方向にわたって装填されている。ガス発生剤4が充填された環状空間27を塞ぐためのドーナツ状で2層のクッション部材26が、内筒材5の他端5a周縁に設けられている。ハウジング1のガス発生室2側端部は、クッション部材26、Oリング25が嵌合された蓋部材24、伝火手段3、及び点火器23から構成されている。クッション部材26は外筒材20の外側周縁から、また、蓋部材24は外筒材20のガス発生室2側端部において内側方向へ、かしめることによって固定されている。
【0024】
ここで、図1に示されているガス発生器では、アジ化金属化合物を含有するガス発生剤の他に、含窒素有機化合物を含有するガス発生剤を採用しても安定した着火燃焼が可能である。含窒素有機化合物を含有するガス発生剤としては、テトラゾール系化合物、トリアゾール系化合物、アミド系化合物、グアニジン系化合物等の含窒素有機化合物を燃焼成分とするものを用いることができる。また、ガス発生剤は、ペレット状のものに限定されるものではなく、ディスク状、顆粒状、中空円柱状のものであってもよい。
【0025】
次に、図2を参照し、本実施形態における仕切り板7の特徴を説明していく。仕切り板7は、そのフィルター室12側周縁部がハウジング1の外筒材20を内側にかしめて形成されるかしめ部6に固定され、そのガス発生室2側周縁部全周にはレーザー溶接による溶接30が施されている。外筒材20のフィルター室12側周縁部には径内に突出する凸形状のかしめ部6が形成され、仕切り板7はそのかしめ部6に確実に固定されるため、衝突時に発生するガス発生室2内のガスの圧力によってフィルター室側に仕切り板がずれることが無い。一方、仕切り板7のガス発生室2側周縁部全周にレーザー溶接による溶接30を施すことで、ガス発生室2を確実に密封することができる。従って、外気に含まれる湿気によるガス発生剤4等の機能低下を防ぐと共に、衝突時に発生するガスがオリフィス13ではなく仕切り板7とハウジング1の隙間を通過してフィルター材10を介さずエアバッグ内に放出されることを防ぐことが可能である。
【0026】
溶接30によるシール効果を期待できるため、Oリング等のシール部材を仕切り板7に嵌合する必要がなくなる。よって、シール部材を嵌合させるための凹部を仕切り板7周縁に施す必要がなく、仕切り板7自体の厚みを比較的薄くできてガス発生器全体の小型化、軽量化が可能となる。
【0027】
また、この溶接30は、固定強度ではなくシール性の向上を目的としているため、通常強度向上のために用いられる溶接機のような大規模な設備投資をする必要がない。すなわち、仕切り板7とハウジング1との隙間を閉塞する程度に溶接することでシール効果が期待でき、強度向上を目的とした厚みのある溶接をする必要はない。
【0028】
このような構成のガス発生器は以下のようにして製造される。
【0029】
まず外筒材20の一端に蓋板11を嵌合し、その蓋板11は、外筒材20の一端を内側方向にかしめることによって固定される。次にフィルター材10を蓋板11に接するように、さらに仕切り板7をそのフィルター材10に接するように、外筒材20の他端から外筒材20内に順に設置する。その後、仕切り板7のフィルター室12側周縁部をハウジング1の外周周縁からかしめ、そうして形成された径内に突出する凸形状のかしめ部6によって仕切り板7がハウジング1にかみ合うように固定される。さらに、レーザー溶接によって仕切り板7のガス発生室2側周縁部全周に溶接30を施す。このようにして、蓋板11から仕切り板7にかけての空間が、フィルター室12として形成される。その仕切り板7のオリフィス13を閉鎖するため、バーストプレート14をガス発生室2側からオリフィス13を覆うように貼着させる。なお、バーストプレート14は、予めハウジング1の外部で仕切り板7に貼着させておくこともできる。その後、内筒材5を外筒材20の他端からガス発生室2内に挿入し、内筒材5の段付加工部を仕切り板7に貼着されたバーストプレート14に接するようにして、レーザー溶接等によって接着させる。内筒材5は、その接着によってガス発生室2内に固定される。内筒材5と外筒材20の間の環状空間27にガス発生剤4を充填し、ドーナツ状で2層のクッション部材26を用いて環状空間27を塞ぐ。さらに、蓋部材24と一体化された伝火手段3を、外筒材20の他端から内筒材5内の中空空間17に向けて挿入する。最後に、クッション部材26は外筒材20の外側周縁から、蓋部材24は外筒材20の他端において、内側方向へかしめることによって固定する。
【0030】
次に、図1に示されているガス発生器の作動について説明する。
【0031】
図示しない衝突センサが自動車の衝突を検出すると、ガス発生器の点火器23を通電発火させる。点火器23の発火による火炎は、圧力燃焼部21内に噴出され、第1伝火剤22を着火燃焼させる。この第1伝火剤22の燃焼によって、圧力燃焼部21内には、火炎等の熱及び高温ガスが発生し、これらの熱エネルギーにて第1伝火剤22を伝火ノズル28側へ瞬時に燃焼させる。
【0032】
圧力燃焼部21内に発生した熱、及び高温ガスは、伝火ノズル28内に伝播、流入して、伝火ノズル28内の第2伝火剤18を着火燃焼させる。このとき、伝火ノズル28の内径を圧力燃焼部21より小さい寸法としているので、圧力燃焼部21内で発生した熱、及び高温ガスは、伝火ノズル28の開口側に絞られる状態で集中され、瞬時に第2伝火剤18を着火燃焼させる。
【0033】
この第2伝火剤18の着火燃焼によって、伝火ノズル28内には火炎等の熱が発生し、第2伝火剤18の燃焼によって、破裂プレート29が破裂し、伝火ノズル28の各伝火孔19を中空空間17内に開口させる。これら各伝火孔19は、第2伝火剤18の軸方向への燃焼によって順次開口され、伝火ノズル28内で発生した火炎等の熱を順次、中空空間17内に噴出させる。また、この火炎等の熱は、図1に示す如く、伝火ノズル28の周方向にわたって中空空間17内に噴出される。そして、中空空間17内に噴出された火炎等の熱は、内筒材5に形成されたガス通過孔15から環状空間27に流入する。内筒材5のガス通過孔15から順次噴出される火炎等の熱によって、環状空間27に装填されているガス発生剤4が順次着火燃焼される。ここで、中空空間17が、ガス発生室2の略全長(ガス発生室3の軸方向長さの90%以上)にわたって形成されているため、環状空間27内に装填されているガス発生剤4が効率良く燃焼する。そして、ガス発生剤4の着火燃焼によって、発生した多量の高温ガスは、再度内筒材5に形成されたガス通過孔15を通過して中空空間17内に放出される。ここで、中空空間17が、ガス発生室2の略全長にわたって形成されているため、環状空間27で発生した高温ガスが効率良く中空空間17内に流入する。中空空間17内に流入したガスによって、ガス発生室2内の圧力が所定圧力に達すると、仕切り板7に貼着されたバーストプレート14が切り込み14aから破裂する。そしてガスは、オリフィス13を通過してフィルター室12内に流入する。このとき仕切り板7のフィルター室12側周縁部がハウジングのかしめ部6に確実に固定されているため、ガス発生室2内のガスの圧力によってフィルター室12側に仕切り板7がずれることは無い。
【0034】
また、圧力燃焼部21から伝火ノズル28内に流入した高温ガスは、圧力燃焼部21近傍の各伝火孔19から中空空間17内に逃がされる。これは、伝火孔19を、圧力燃焼部21近傍に対して孔間ピッチを小さくして多数形成することによって、高温ガスを伝火ノズル28内にこもらせることなく、素早く中空空間17内に流出させる構造としたからである。これによって、圧力燃焼部21内で発生する高温ガスの圧力等によって伝火ノズル28が破損等を起こすことを防止できる。
【0035】
フィルター室12内に流入した高温ガスは、フィルター室12のフィルター材10の中空部を経て、フィルター材10内に軸方向全域から流入し、ここでスラグ捕集と冷却とを経て、ガス通過空間9内に流出される。そして、清浄化されたガスは、各ガス放出孔8を通して図示しないエアバッグ内に放出される。図示しないエアバッグは、各ガス放出孔8から放出される清浄なガスによって急速に膨張展開される。
【0036】
このように、図1に示されるガス発生器によれば、点火器23の発火による火炎を、第1及び第2伝火剤22,18によってハウジング1内の軸方向へ伝播し、伝火ノズル28の各伝火孔19から火炎等の熱を中空空間17内に噴出させ、中空空間17の外周に装填されているガス発生剤4を順次燃焼させる。このようにして、点火器23、伝火手段3、さらにガス発生室2へと、順次燃焼が開始され、ガス発生剤4は順次燃焼していくため、発生するガス発生量が漸進的に多くなり、図示しないエアバッグを漸進的に膨張展開することが可能である。また、ガスがオリフィス13を通過してフィルター室12に流入するようにしているため、オリフィス13によって流入するガスの圧力を制御することができる。
【0037】
なお、本発明の実施形態におけるガス発生器では、図1及び図2に示すものに限定されず、例えば、次のような形態をとることができる。
(1)仕切り板7を挿入する前に、予めハウジング1にかしめ部6を施しておいてもよい。この場合、仕切り板7はハウジング1とかみ合うのではなく、そのかしめ部6に嵌合されて固定されることとなる。
(2)レーザー溶接以外の方法によって仕切り板7のガス発生室2側周縁部全周に溶接30を施してもよい。
(3)仕切り板7を固定するためのかしめ部6を2箇所設けてもよい。すなわち、仕切り板7のガス発生室2側周縁部全周に溶接30を施した後、仕切り板7のガス発生室2側もハウジング1の外周周縁からかしめてもよい。
(4)ガス発生室2全域にガス発生剤4を収容してもよい。
(5)フィルター室12の左右両側にガス発生室2を形成し、複数の点火器23を設けた構成であってもよい。この場合、ガス発生室2の構成は、前述のガス発生器におけるガス発生室2の構成であってもよい。またこの場合、フィルター室12は1室として、フィルター材10は左右両側のガス発生室2の共用としてもよい。また、フィルター室12を追加の仕切り板等によって区画し、各々のガス発生室2専用としてもよい。
(6)ガス発生剤4の燃焼をガス放出孔8で調整するようにしてもよい。また、ガス放出孔8には、ガス発生器の内圧を調整、及び/又は、防湿のために金属や樹脂等からなるシールテープやプレートを設けることもできる。
【0038】
【発明の効果】
本発明におけるガス発生器では、仕切り板のフィルター室側周縁部がハウジングのかしめ部に固定されているため、ガス発生室内のガスの圧力によってフィルター室側に仕切り板がずれることが無い。一方、仕切り板のガス発生室側周縁部全周に溶接を施すことによって、ガス発生室を確実に密封して外気を遮断するシール効果を期待することができるため、Oリング等のシール部材を仕切り板に嵌合する必要がなくなる。よって、仕切り板周縁にシール部材を嵌合させるための凹部を施す必要もなくなり、仕切り板自体の厚みを比較的薄くできてガス発生器全体の小型化、軽量化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるガス発生器を示す断面図である。
【図2】図1における仕切り板周縁部の一部の拡大断面図である。
【図3】従来技術によるガス発生器の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 ガス発生室
3 伝火手段
4 ガス発生剤
5 内筒材
6 かしめ部
7 仕切り板
10 フィルター材
12 フィルター室
23 点火器
30 溶接

Claims (2)

  1. 両端が閉鎖される長尺円筒状のハウジングと、
    前記ハウジングの内部においてガス発生剤を収容するガス発生室とフィルター材が装着されたフィルター室とを区画する仕切り板とを備えたガス発生器であって、
    前記仕切り板は前記ハウジングをかしめて形成されるかしめ部に固定され、
    前記仕切り板の全周が前記ガス発生室側から溶接されていることを特徴とするガス発生器。
  2. 前記溶接がレーザー溶接である請求項1に記載のガス発生器。
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