JP2010148308A - 界磁子及び界磁子の製造方法 - Google Patents

界磁子及び界磁子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010148308A
JP2010148308A JP2008325464A JP2008325464A JP2010148308A JP 2010148308 A JP2010148308 A JP 2010148308A JP 2008325464 A JP2008325464 A JP 2008325464A JP 2008325464 A JP2008325464 A JP 2008325464A JP 2010148308 A JP2010148308 A JP 2010148308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
field
magnetic body
axial direction
field magnet
magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008325464A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinari Asano
能成 浅野
Atsushi Kito
敦之 木藤
Shin Nakamasu
伸 中増
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2008325464A priority Critical patent/JP2010148308A/ja
Publication of JP2010148308A publication Critical patent/JP2010148308A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

【課題】界磁磁石の厚みと、界磁磁石と軸方向に接する磁性体の厚みの寸法精度を低減する界磁子を提供する。
【解決手段】界磁子1は、界磁部分15と固定部20,50を備えている。界磁部分15は界磁磁石10と磁性体11を有している。界磁磁石10の表面10aは回転軸Pに垂直な断面で傾斜している。固定部20,50は界磁部分を軸方向で挟む一対の表面を有している。一対の表面は回転軸Pに平行な方向に連結される。回転軸Pに垂直な断面において、界磁磁石10及び磁性体11の少なくともいずれか一方は他方へと相対的に付勢される。
【選択図】図1

Description

本発明は界磁子及び界磁子の製造方法に関し、特にアキシャルギャップ型の界磁子に関する。
特許文献1,2には、界磁磁石と磁性体とが回転軸に沿った軸方向で積み重なっている界磁子が記載されている。
特開2008−22663号公報 特開2006−174552号公報
特許文献1に記載の技術では、軸方向における界磁磁石の厚み誤差と軸方向における磁性体の厚み誤差が積算されて、界磁磁石及び磁性体の組の軸方向における厚みに誤差が生じる。従って、界磁磁石及び磁性体の組についての寸法精度に比べて、界磁磁石と磁性体の各々についてより高い寸法精度が必要であった。
特許文献2に記載の技術では、積層構造を有する界磁磁石と、強磁性体によるロータプレートとが、軸方向に傾斜した面を境界として積み重なっている。但しロータプレートはロータ軸に固定されていているので、界磁磁石の各々に対して寸法精度を調節することはできない。よって当該技術においても上記の必要性がある。
そこで、本発明は、界磁磁石及び磁性体の各々が必要とする寸法精度を低減できる界磁子を提供することを目的とする。
本発明にかかる界磁子の第1の態様は、所定の軸(P)に沿う軸方向へと界磁磁束を発生させるアキシャルギャップ型の界磁子であって、各々が、前記軸において相互に対面する一対の表面(10a,10b)を有し、前記一対の表面のうち前記軸において一方側に位置する一の表面(10a)が前記軸に垂直な基準面に対して傾斜している界磁磁石(10)と、前記一方側から前記一の表面と重ね合わされて前記界磁磁石に設けられ、前記軸に垂直な面内で前記界磁磁石へと向かって相対的に付勢される第1の磁性体(11)とを有し、前記軸の周りで相互に離間して環状に配置された複数の界磁部分と、前記軸方向で前記界磁部分を挟む一対の面(25a,35a)と、前記一対の面を連結する連結部(21,31,22,32;12)とを有し、前記複数の前記界磁部分を相互に固定する固定部(20,30)とを備える。
本発明にかかる界磁子の第2の態様は、第1の態様にかかる界磁子であって、前記一対の表面のうち他の表面(10b)が前記基準面に対して前記一の表面(10a)と反対側に傾斜しており、前記界磁部分(15)は、前記表面のうち他の表面(10b)と重ね合わされて、前記軸(P)について他方側から前記界磁磁石(10)に設けられる第2の磁性体(13)を更に有し、前記他の表面は前記基準面に対して前記一の表面と反対側に傾斜している。
本発明にかかる界磁子の第3の態様は、第1の態様にかかる界磁子であって、前記界磁部分は、前記表面のうち他の表面(10b)と重ね合わされて、前記軸について他方側から前記界磁磁石(10)に設けられる第2の磁性体(13)を更に備え、前記他の表面は前記一の表面(10a)と平行である。
本発明にかかる界磁子の第4の態様は、第1乃至第3の何れか一つの態様にかかる界磁子であって、前記固定部(20,30)は、前記軸(P)に垂直な方向において、前記第1の磁性体(11)及び前記界磁磁石(10)の何れか一方を他方へと付勢する付勢部(24,34)を備える。
本発明にかかる界磁子の第5の態様は、第4の態様にかかる界磁子であって、前記付勢部(24,34)は前記界磁磁石(10)を付勢する。
本発明にかかる界磁子の第6の態様は、第1乃至第3の何れか一つの態様にかかる界磁子であって、前記軸方向から見て、前記一の表面(10a)のうち前記軸方向において前記一方側に位置する部分が前記第1の磁性体(11)からはみ出し、前記一の表面のうち前記軸方向において前記他方側に位置する部分が前記第1の磁性体に含まれる。
本発明にかかる界磁子の第7の態様は、第1乃至第5の何れか一つの態様にかかる界磁子であって、前記軸(P)に沿って見て、前記第1の磁性体(11)の外輪郭及び前記界磁磁石(10)の外輪郭のいずれか一方は他方に囲まれる。
本発明にかかる界磁子の第8の態様は、第1乃至第7の何れか一つの態様にかかる界磁子であって、前記部材(12)は、前記軸(P)を中心とした周方向で隣り合う前記界磁部分の相互間に設けられた第3の磁性体である。
本発明にかかる界磁子の第9の態様は、第1乃至第8の何れか一つの態様にかかる界磁子であって、前記界磁磁石(10)は、前記一の前記表面(10a)と連続して前記基準面に平行な端面(10c)と、前記端面に連続して前記軸に平行な側面とを有する。
本発明にかかる界磁子の第10の態様は、第1乃至第9のいずれか一つの態様にかかる界磁子であって、前記基準面に対する前記一の表面(10a)の最大傾斜方向は前記軸(P)を中心とした径方向であって、前記軸方向における前記一対の表面(10a,10b)の間の距離は前記軸(P)側に比べて前記軸とは反対側の方が大きい。
本発明にかかる界磁子の第11の態様は、第1乃至第9のいずれか一つの態様にかかる界磁子であって、前記基準面に対する前記一の表面(10a)の最大傾斜方向は前記軸(P)を中心とした周方向であって、前記軸方向における前記一対の前記表面(10a,10b)の間の距離は前記周方向の一方向に向かって増大する。
本発明にかかる界磁子の第12の態様は、第1乃至第11のいずれか一つの態様にかかる界磁子であって、前記界磁部分は前記第1の磁性体(11)と前記界磁磁石(10)との間に介在する潤滑油を更に有する。
本発明にかかる界磁子の第13の態様は、第12の態様にかかる界磁子であって、前記潤滑油は冷凍装置又は空気調和機用の圧縮機に用いられる冷凍機油である。
本発明にかかる界磁子の製造方法の第1の態様は、第4の態様にかかる界磁子を製造する製造方法であって、着磁前の界磁磁石(10)たる硬磁性体に対して前記第1の磁性体(11)が軸方向に重ね合わされた前記界磁部分の複数に対して前記固定部(20,30)を設けた上で、前記硬磁性体を着磁する。
本発明にかかる界磁子の第1の態様によれば、固定部を除いた状態で、界磁部分と第1の磁性体が軸方向又は相対的に互いに向かい合う方向に付勢されることによって、界磁部分と第1の磁性体が表面の傾斜に沿って移動し、以って界磁部分の軸方向における厚みが変化する。
連結部は一対の面の間の軸方向における距離を規定する。界磁磁石及び第1の磁性体には相対的に互いに向き合う方向に付勢されている。
よって、固定部を界磁部分に設けることで、界磁部分の厚みを一対の面の間の距離と等しくできる。従って、界磁部分及び第1の磁性体の軸方向における厚みについての必要な寸法精度を広くしたとしても、界磁部分の軸方向における厚みの精度を維持できる。
本発明にかかる界磁子の第2の態様によれば、界磁部分に対して軸方向に力を作用させた場合に、第1の磁性体が界磁磁石に作用させる力の軸に垂直な成分と第2の磁性体が界磁磁石に作用させる力の軸に垂直な成分との向きが相互に同じ向きに沿う。よって、第1の磁性体及び第2の磁性体の軸に垂直な方向における相対位置を固定して軸方向に力を作用させた場合に、界磁磁石が軸に垂直な方向で移動しやすく、以って厚みを調整しやすい。
本発明にかかる界磁子の第3の態様によれば、一対の表面の間の距離が一定なので、界磁磁石は表面のいずれの位置でも均一な磁束を発生できる。
本発明にかかる界磁子の第4の態様によれば、第1の磁性体が前記軸に垂直な方向で相対的に前記界磁磁石へと向かって付勢される状態を付勢部が実現できる。
本発明にかかる界磁子の第5の態様によれば、第1の磁性体を固定し、界磁磁石を滑らして界磁部分の厚みを調整できる。
本発明にかかる界磁子の第6の態様によれば、第1の磁性体及び界磁磁石の間には相互に軸に垂直な方向で相互に引き付け合う磁気作用が働く。よって、第1の磁性体が前記軸に垂直な方向で相対的に前記界磁磁石へと向かって付勢される状態を上記磁気作用が実現できる。従って、付勢部を設ける必要がないので、製造コストを低減できる。
本発明にかかる界磁子の第7の態様によれば、第1の磁性体と界磁磁石の相対位置が変化しても、第1の磁性体と界磁磁石とが重なっている面積が変化しにくく、界磁磁石が発生させる界磁磁束が変化しにくい。
本発明にかかる界磁子の第8の態様によれば、q軸インダクタンスを向上させる既設の第3の磁性体を部材として用いることができるので、専用の部材を用いる必要がない。よって製造コストを低減できる。
本発明にかかる界磁子の第9の態様によれば、界磁磁石が一の表面から連続して軸に平行な側面を有する構造であれば一の表面と側面とがなす角が鋭角になり得る。本界磁子にかかる第9の態様によれば、端面と側面とが成す角が略90度であり、一の表面と端面とが成す角は鈍角であって、いずれも鋭角を避けることができる。よって、これらの角における界磁磁石の強度及び磁束を向上できる。
本発明にかかる界磁子の第10の態様によれば、軸とは反対側に向かうに従って界磁磁束を増大させることができる。軸側で界磁磁束を増大させるよりも、軸とは反対側で界磁磁束を増大させるほうが大きいトルクで発生させることができる。
本発明にかかる界磁子の第11の態様によれば、本界磁子と軸方向に対向させて電機子を配置したときに、電機子に対して界磁子が回転する回転電機が構成される。そして、電機子に対する界磁子の回転方向を一対の表面の距離が大きい方から小さい方へと向かう方向とする使用方法をとることにより、電機子からの磁束が当該距離の大きい部分に対して逆磁界として印加される。よって、当該逆磁界に起因する界磁磁石の減磁に対して耐性が高い。
本発明にかかる界磁子の第12の態様によれば、第1の磁性体に対して界磁磁石が滑りやすい。
本発明にかかる界磁子の第13の態様によれば、界磁子を用いた回転電機を圧縮機に搭載した場合に、専用の潤滑油を用いる必要がない。
本発明にかかる界磁子の製造方法の第1の態様によれば、着磁前の硬磁性体と第1の磁性体との間に磁気作用が生じないので、第1の磁性体と硬磁性体との相対位置を変化させやすく、以って軸方向における界磁部分の厚みを調整しやすい。
第1の実施の形態.
図1は第1の実施の形態にかかる界磁子の概念的な構成の一例を示す斜視図である。図2は回転軸Pを中心とした径方向に沿った界磁子の断面(但し回転軸Pを対称軸とする一方側のみ)を示している。界磁子1は複数の界磁部分15と、複数の磁性体12と、固定部20,50とを有している。なお、図1においては、界磁部分15と、固定部20,50とが回転軸Pに沿う軸方向(以下、単に軸方向と呼ぶ)分離されて示されている。実際には図2に示すように、これらが軸方向で接して組み立てられる。
複数の界磁部分15は回転軸Pの周りで相互に離間して環状に配置されている。界磁部分15の各々は、界磁磁石10と、磁性体11とを備えている。
界磁磁石10は例えばネオジム、鉄、ホウ素を主成分とした希土類磁石であって、回転軸Pの周りで環状に配置されている。界磁磁石10は例えば板状のリング部材を周方向で複数(ここでは6つ)に分割した際の、その分割された個々の形状を有している。また界磁磁石10は軸方向に着磁される。回転軸Pを中心とした周方向(以下、単に周方向と呼ぶ)で隣り合う界磁磁石10が軸方向の一方に呈する磁極は互いに異なっている。
界磁磁石10は軸方向で対向する一対の表面10a,10bを有している。軸方向の一方側に位置する表面10aは上述した磁極を発生させる磁極面を呈する。表面10aは回転軸Pに垂直な基準面に対して傾斜している。ここでは、表面10aの最大傾斜方向が径方向に沿っている。表面10bについては特に限定されないが、例えば回転軸Pに垂直な基準面に平行である。
磁性体11は軟磁性体であって、軸方向において一方側に位置する界磁磁石10の表面10aに設けられている。軸方向に沿って見て磁性体11は例えば界磁磁石10の形状と同様の形状を有しており、界磁磁石10の一方の表面10aに重ね合わされて配置される。この磁性体11によって界磁磁石10の動作点を向上することができる。また、磁性体11は界磁磁石10よりも導電率が低いことが望ましく、例えば圧粉磁心や、軸方向に直交する方向に積層された電磁鋼板からなる。これによって界磁子1と共に回転電機を構成する電機子(図示せず)からの回転磁界に起因した渦電流を低減することができ、以って渦電流による加熱を抑制できるので、界磁磁石10の熱減磁を抑制できる。
磁性体12は軟磁性体であって、周方向において隣り合う界磁部分15の二者の間にそれぞれ配置される。磁性体12は例えば略直方体形状を有し、その長手方向が径方向に沿うように配置される。磁性体12は必須の要素ではないが、界磁子1のq軸インダクタンスを向上させることができる。よって、d軸インダクタンスとq軸インダクタンスの差を大きくでき、以って上記回転電機のリラクタンストルクを有効に利用できる。
上述したような界磁部分15によれば、界磁部分15に対して軸方向の両側から互いに向き合う力を加えることによって、界磁磁石10と磁性体11とは表面10aの傾斜に沿って相互に相対的に移動する。より具体的に図3を参照して説明する。図3は一の界磁部分15のみを示す概念的な斜視図である。例えば界磁部分15に対して軸方向の上記力を加えることによって、界磁磁石10が磁性体11に対して表面10aの最大傾斜方向(ここでは径方向)に沿って相対的に移動する。より具体的に、軸方向において界磁磁石10は磁性体11に対して相対的に磁性体11側へと、表面10aの最大傾斜方向において界磁磁石10は磁性体11に対して磁性体11とは反対側に移動する。この移動によって界磁部分15の軸方向における厚み(以下、単に厚みと呼ぶ)が低減する。
また、例えば回転軸Pに垂直な面において、界磁磁石10及び磁性体11のいずれか一方を他方側へと力を加えることによっても、界磁磁石10と磁性体11とは表面10aの傾斜に沿って相互に相対的に移動する。例えば回転軸Pに垂直な面で径方向に沿って界磁磁石10を磁性体11側へと力を加えると、界磁磁石10が磁性体11に対して径方向に沿って移動すると共に、軸方向において界磁磁石10は磁性体11に対して磁性体11とは反対側へと移動する。この移動によって、界磁部分15の厚みが増大する。
以上のように、界磁部分15に対して力を加えて、界磁磁石10と磁性体11とを表面10aの傾斜に沿って相互に相対的に移動させることで、複数の界磁部分15の厚みを個別に調整することができる。従って、軸方向に複数の部材(界磁磁石10及び磁性体11)が重なって構成される界磁部分15の各々において、各部材の厚みの寸法精度を低減しつつも、界磁部分15の寸法精度を向上できる。
また、本界磁子1においては、固定部20,50を取り付けることで、界磁部分15の厚みを調整しつつ、複数の界磁部分15を相互に固定することができる。以下に説明する。
特に図2を参照して、固定部20,50の一組は、界磁部分15を軸方向で挟む一対の表面20a,50aを有している。より具体的な固定部20,50の一例について図1,2を参照して説明する。
固定部20は、内周部21と、外周部22と、複数の連結部23と、付勢部24とを備えている。内周部21は界磁部分15に対して回転軸P側に位置する部分210と、部分210から径方向に延在して、軸方向の一方側から界磁部分15(より具体的には磁性体11)と接する突部211とを有している。磁性体11と接する突部211の表面が上記表面20aに相当する。外周部22は界磁部分15に対して回転軸Pとは反対側に位置する部分220と、部分220から径方向に延在して軸方向の一方側から界磁部分15(より具体的には磁性体11)と接する突部221とを有している。磁性体11と接する突部221の表面も上記表面20aに相当する。
また図1,2においては、磁性体11は径方向における両端で段差を有し、該段差に突部211,221が嵌っている。これは必須の要件ではなく、磁性体11が当該段差を有していなくてもよいし、突部211,221が径方向で相互に連結しており、これらが磁性体11を軸方向で覆っていてもよい。但し、磁性体11が上記段差を有し、これに突部211,221が嵌っていることが望ましい。なぜなら、軸方向における磁性体11側で本界磁子1と対向する図示せぬ電機子を配置した場合に、磁性体11と電機子との間の間隙を小さくして、界磁子1と電機子との間の磁気抵抗を低減できるからである。
連結部23は内周部21と外周部22とを径方向で連結する。そして、内周部21、外周部22、連結部23で囲まれる領域に、界磁部分15及び磁性体12が周方向において交互に配置される。
付勢部24は回転軸Pに垂直な面において界磁磁石10及び磁性体11のいずれか一方を他方へと付勢する。例えば図1,2では、付勢部24は界磁磁石10を回転軸P側へと付勢する。付勢部24は外周部22に設けられた板バネとして例示されている。
磁性体11は固定部20によって回転軸Pに垂直な面における位置が固定されている。例えば内周部21と連結部23が回転軸Pに垂直な方向でそれぞれ磁性体11と接触することによって磁性体11が固定される。なお、磁性体11は付勢部24によって界磁磁石10を介して回転軸P側に付勢されるので、外周部22は回転軸Pに垂直な面において磁性体11と接触していなくてもよい。
固定部50は例えばリング状且つ板状の部材であって、軸方向の他方側から界磁部分15(より具体的には界磁磁石10)と接している。界磁磁石10と接する固定部50の表面が上記表面50aに相当する。また固定部50は部分210,220及び連結部23の少なくともいずれか一つと軸方向で接触している。言い換えると、部分210,220及び連結部23のうち固定部50と接する部材は表面20a,50aを軸方向で連結している。この部材が軸方向における表面20a,50aの距離を規定する。
なお、固定部50は所定の厚みを有する磁性体であることが望ましい。固定部50の厚みを所定の値に設定することで、界磁磁石10に流入出する磁束を部分的に界磁磁石10同士で短絡させることができる。これによって、例えば磁性体11側に第1固定子として電機子(図示せず)を、界磁磁石10側に第2固定子として磁性体(図示せず)を、それぞれ界磁子1と軸方向で対向して配置した場合に、界磁子1から第2固定子に流れる磁束を低減できる。よって、本界磁子1と第1固定子と間の間隙及び界磁子1と第2固定子との間の間隙として機械精度で要求される最小の値を採用したとしても、界磁子1と第1固定子との間に働くスラスト力と、界磁子1と第2固定子との間に働くスラスト力とを効率的に相殺できる。
また、固定部50の厚みを十分に確保し、固定部50をバックヨークとして機能させてもよい。
上述したような構成の界磁子1によれば、界磁部分15に対して固定部20,50を取り付けることで、界磁部分15の厚みを所定の規定値へと調整できる。以下に、具体的に説明する。
界磁部分15に対して軸方向の両側から、固定部20,50(より具体的には部分210,220及び連結部23の少なくとも何れか一つと固定部50)を軸方向で接触させて、固定部20,50を界磁部分15に取り付ける。この状態における表面20a,50aの間の軸方向における距離(以下「固定部の軸方向内寸」と称す)Lが、固定部20,50を取り付ける前の界磁部分15の厚さ(つまり軸方向における寸法)よりも小さいならば、界磁部分15を挟んで固定部20,50を互いに軸方向で接触させる際に、界磁磁石10及び磁性体11は相互に軸方向で密着した状態で、径方向で相互に離れて移動する。しかし付勢部24は界磁磁石10を径方向において回転軸P側へと付勢しているので、この移動を、界磁部分15の厚さが固定部の軸方向内寸Lに一致した状態で止めることができる。
逆に、固定部の軸方向内寸Lよりも界磁部分15の厚さが小さければ、界磁部分15を挟んで固定部20,50を互いに軸方向で接触させる際に、付勢部24によって界磁磁石10及び磁性体11が相互に軸方向で密着した状態で、径方向で相互に近づいて移動する。この移動は、界磁部分15の厚さが固定部の軸方向内寸Lに一致することで止まる。このようにして複数の界磁部分15の厚みがその各々で個別に、しかも並行して調整され、当該厚みと固定部の軸方向内寸Lとが一致する。
以上のように、固定部20,50を界磁部分15に取り付けることで、界磁部分15の相互間を固定できるとともに界磁部分15の厚みを、固定部の軸方向内寸Lと一致させることができる。
なお、付勢部24は界磁磁石10を付勢していたが、例えば外周部22と連結部23とが回転軸Pに垂直な面において界磁磁石10と接してこれを固定し、付勢部24が磁性体11を回転軸Pに垂直な面内で界磁磁石10へと付勢してもよい。かかる態様では付勢部24が内周部21に設けられる。つまり、界磁磁石10であれ、磁性体11であれ、径方向において厚さが大きい側から小さい側へと付勢することになる。また、連結部23が回転軸Pに垂直な面において磁性体11及び界磁磁石10と接し、付勢部24が回転軸Pに垂直な面内で、界磁磁石10を磁性体11側へと、磁性体11を界磁磁石10側へとそれぞれ付勢してもよい。かかる態様では付勢部24が内周部21、外周部22の両方に設けられる。
但し、付勢部24は界磁磁石10を付勢することが望ましい。この場合、固定部20,50の取り付け前後で回転軸Pに垂直な面における磁性体11は、その位置を変えずに固定できる。よって、本界磁子1と軸方向において磁性体11側で対向する図示せぬ電機子を配置した場合に、磁性体11と電機子の相対位置を固定できる。磁性体11は実質的に界磁子1の磁極面として機能するので、軸方向に垂直な面内での界磁子1と当該電機子との相対位置の精度を損なうことなく、両者を軸方向で対向させることができる。
なお、界磁磁石10は固定部20,50を取り付けた後に着磁されることが望ましい。言い換えると、着磁されて界磁磁石10になる硬磁性体と、磁性体11の一組に対して固定部20,50を設けた上で、当該硬磁性体を着磁することが望ましい。これは、固定部20,50を取り付けるに際して、磁性体11と硬磁性体(着磁前の界磁磁石10)との間には磁気作用が生じないので、これらの相対的な位置を変化させやすく、以って界磁部分15の厚みを調整しやすいからである。
なお、界磁部分15を軸方向で挟む一対の表面20a,50aを、軸方向に連結する部材として、部材210,220及び連結部23を例示したが、磁性体12が表面20a,50aを軸方向に連結してもよい。かかる界磁子の一例が図4,5に示されている。図4は周方向に沿った断面を、図5は径方向に沿った断面を示している。
図4に示すように、固定部は、上端部25と、下端部35と、内周部21と、外周部22と、付勢部24とを備えている。内周部21と外周部22とはそれぞれ上述した部材210,220の説明が妥当する。付勢部24は例えば外周部22に設けられ、界磁磁石10を付勢している。
上端部25と、下端部35とは界磁磁石15を軸方向について互いに反対方向から挟む。上端部25と下端部26は例えば板状のリング形状を有している。図4,5においては界磁磁石15と接する上端部25の表面が表面25aで示され、界磁磁石15と接する下端部35の表面が表面35aで示されている。そして、表面25a,35aが磁性体12によって軸方向で連結される。上端部25と下端部26とは例えばボルトやレーザ溶接等の任意の手段によって軸方向で相互に固定されている。
かかる固定部であれば、表面25a,35aの間の軸方向における距離が磁性体12によって規定される。
第2の実施の形態.
図6は第2の実施の形態にかかる界磁子1の概念的な構成を示す斜視図である。図7は回転軸Pを中心とした径方向に沿った界磁子の断面を示している。界磁子1は複数の界磁部分15と、複数の磁性体12と、固定部20,30とを備えている。なお、図6においては、複数の界磁部分15と磁性体12との組と、固定部20,30が軸方向において相互に分離して示されている。
界磁部分15は第1の実施の形態にかかる界磁部分15と比較して磁性体13を更に備えている。
界磁磁石10の表面10bは回転軸Pに垂直な基準面に対して表面10aとは反対側に傾斜している。
磁性体13は軟磁性体であって、軸方向における界磁磁石10の表面10bに設けられている。軸方向に沿って見て磁性体11は例えば界磁磁石10の形状と同様の形状を有しており、界磁磁石10の表面10bに重ね合わされて配置される。磁性体13によって界磁磁石10の動作点を向上することができる。さらに、磁性体13は界磁磁石10よりも導電率が低いことが望ましく、例えば圧粉磁心や、軸方向に直交する方向に積層された電磁鋼板からなる。これによって渦電流を低減することができ、以って渦電流による加熱を抑制できるので、界磁磁石10の熱減磁を抑制できる。
かかる界磁部分15によれば、界磁部分15に対して軸方向の両側から互いに向き合う力を加えることによって、界磁磁石10と磁性体11,13とは表面10a,10bの傾斜に沿って相互に相対的に移動する。より具体的に図8を参照して説明する。図8は一の界磁部分15を示す概念的な斜視図である。
界磁部分15に対して軸方向の両側から力を加えた場合に、界磁磁石10と磁性体11,13とは表面10a,10bの傾斜に沿ってそれぞれ相対的に移動する。このとき、磁性体11が界磁磁石10に作用させる力の、回転軸Pに垂直な成分と、磁性体13が界磁磁石10に作用させる力の、回転軸Pに垂直な成分との向きが互いに同じ向きに沿う。よって、界磁磁石10が磁性体11,13に対して回転軸Pに垂直な方向で移動しやすく、以って界磁部分15の厚みを低減しやすい。
また回転軸Pに垂直な面において、磁性体11,13に対して界磁磁石10を磁性体11,13側へと相対的に力を加えることによっても、界磁磁石10と磁性体11,13とは表面10a,10bの傾斜に沿ってそれぞれ相対的に移動する。これによって、界磁部分15の厚みが増大する。よって、第1の実施の形態と同様に、界磁部分15の各々において、各部材(界磁磁石10、磁性体11,13)の厚みの寸法精度を低減しつつも界磁部分15の寸法精度を向上できる。
固定部30は、内周部31と、外周部32と、連結部33と、付勢部34とを備えている。固定部20,30の一組は界磁部分15を軸方向で挟む。図7においては、固定部30が界磁部分15と軸方向で接する表面を表面30aで示している。固定部30は第1の実施の形態で述べた固定部20と同様の形状を有しているので、詳細な説明は省略する。
固定部20,30が界磁部分15に取り付けられた状態で、内周部21,31の組、外周部22,32の組及び連結部23,33の組の少なくともいずれか一つは軸方向で互いに当接している。当該組のうち軸方向で当接する組が表面20a,30aの軸方向における距離を規定する。あるいは、磁性体12が設けられる場合であれば、磁性体12が表面20a,30aを連結していてもよい。なお、表面20a,30aの間の軸方向における距離が第1の実施の形態で述べた固定部の軸方向内寸に相当する。
付勢部34は回転軸Pに垂直な面において界磁磁石10及び磁性体13のいずれか一方を他方へと付勢する。例えば付勢部34は外周部33に設けられて、界磁磁石10を付勢している。付勢部24,34は少なくともいずれか一方が設けられていればよく、図6,7においては、付勢部24が設けられていない。
かかる固定部20,30を界磁部分15に取り付ける。固定部の軸方向内寸が固定部20,30を取り付ける前の界磁部分15の厚みよりも小さければ、界磁部分15を挟んで固定部20,30を互いに軸方向で接触させる際に、界磁磁石10及び磁性体11,13が相互に軸方向で密着した状態で、界磁磁石10が磁性体11,13に対して径方向で相対的に離れて移動する。しかし、付勢部34は界磁磁石10を径方向において回転軸P側へと付勢しているので、この移動を、界磁部分15の厚みが固定部の軸方向内寸に一致した状態でとめることができる。
逆に、固定部の軸方向内寸よりも界磁部分15の厚みが小さければ、界磁部分15を挟んで固定部20,50を互いに軸方向で接触させる際に、付勢部34によって界磁磁石10及び磁性体11,13が相互に軸方向で密着した状態で、界磁磁石10が磁性体11,13に対して径方向で相対的に近づいて移動する。この移動は界磁部分15の厚みが固定部の軸方向内寸に一致することで止まる。
以上のように、第1の実施の形態と同様にして界磁部分15を相互に固定すると共に、界磁部分15の厚みがその各々で個別に、しかも並行して調整され、当該厚みが固定部の軸方向内寸に一致する。即ち、界磁部分15とステータの対向部分の相対位置関係をつねに同一にすることが可能である。
なお、付勢部24,34は必ずしも界磁磁石10を付勢する必要はない。但し、第1の実施の形態と同様に、付勢部24,34が界磁磁石10を付勢することによって、磁性体11,13と、これと軸方向でそれぞれ対向する電機子との位置関係を固定できる。磁性体11,13は実質的に界磁子1の磁極面として機能するので、軸方向に垂直な面内での界磁子1とこれらの電機子との相対位置の精度を損なうことなく、これらを軸方向で対向させることができる。
また、上述した態様では、界磁磁石10の表面10a,10bは回転軸Pを中心とした基準面に対して互いに反対方向に傾斜しているとして説明したが、表面10bが表面10aと平行であってもよい。かかる界磁子が図9に示されている。図9は径方向に沿った断面を示している。
このような界磁部分15に対して軸方向の両側から互いに向き合う力を加える軸方向の力が印加されると、磁性体11が界磁磁石10に加える力の、回転軸Pに垂直な成分と、界磁磁石10が磁性体13に加える力の、回転軸Pに垂直な成分とが、互いに同じ方向に沿う。従って、例えば回転軸Pに垂直な面における磁性体11の位置を固定して、界磁部分15に軸方向の力を加えると、界磁磁石10及び磁性体11,13がそれぞれ表面10a,10bの傾斜に沿って滑る。この移動によって、界磁部分15の厚みが低減する。
また、回転軸Pに垂直な面において、磁性体11,13のいずれか一方を他方側へと付勢することによって、界磁磁石10及び磁性体11,13はそれぞれ表面10a,10bの傾斜に沿ってすべる。この移動によって、界磁磁石15の厚みが増大する。以上のように、軸方向における界磁部分15の厚みを調整できる。
図9に示す一例では、固定部20が回転軸Pに垂直な面における磁性体11の位置を固定し、付勢部34が磁性体13を付勢している。付勢部34は、固定部20,30を界磁部分に取り付けるに際して、磁性体11に対して界磁磁石10及び磁性体13の径方向において付勢している。
かかる固定部20,30を界磁部分15に取り付ける。固定部の軸方向内寸が固定部20,30を取り付ける前の界磁部分15の厚みよりも小さければ、界磁部分15を挟んで固定部20,30を互いに軸方向で接触させる際に、界磁磁石10及び磁性体11,13が相互に軸方向で密着した状態で、界磁磁石10が磁性体11,13に対して径方向で相対的に離れて移動する。しかし、付勢部34は界磁磁石10を径方向において回転軸P側へと付勢しているので、この移動を、界磁部分15の厚みが固定部の軸方向内寸に一致した状態でとめることができる。
逆に、固定部の軸方向内寸よりも界磁部分15の厚みが小さければ、界磁部分15を挟んで固定部20,50を互いに軸方向で接触させる際に、付勢部34によって界磁磁石10及び磁性体11,13が相互に軸方向で密着した状態で、界磁磁石10が磁性体11,13に対して径方向で相対的に近づいて移動する。この移動は界磁部分15の厚みが固定部の軸方向内寸に一致することで止まる。
また表面10a,10bが互いに平行なので界磁磁石10の厚みが一定である。従って、界磁磁石10は表面10a,10bのいずれの位置でも、ひいては磁性体11,13のいずれの位置でも均一な磁束を発生できる。さらに、界磁磁石10の厚みを一定とできるので、製造方法にかかわらず磁石の密度を上げることで、エネルギー積を向上させることもできる。
なお、第2の実施の形態では、界磁部分は1つの界磁磁石と、これを軸方向の両側から挟む2つの磁性体とを有しているが、これに限らず、一つの磁性体と、これを軸方向の両側から挟む2つの界磁磁石とを備えていてもよい。
また本界磁子1に対して、軸方向における一方側には第1固定子として電機子(図示せず)を対向させ、他方には第2固定子として電機子巻線を有さない電機子を対向させて回転電機を構成してもよい。かかる回転電機においては、第1固定子と界磁子1との間に働くスラスト力と、第2固定子と界磁子1との間に働くスラスト力を相殺することができる。
第3の実施の形態.
第3の実施の形態にかかる界磁子は第1及び第2の実施の形態にかかる界磁子と付勢部を除いて同一である。図10は第3の実施の形態にかかる界磁子の概念的な構成の一例を示す斜視図である。
付勢部24,34は例えば外周部22,32にそれぞれ設けられている。付勢部24,34はそれぞれ例えば軸方向から見て弧状かつ帯状の形状を有し、当該弧状の両端が外周部22,32とそれぞれ連続している。かかる形状によっても、付勢部24,34は界磁磁石10又は磁性体11を付勢することができる。また、付勢部24,34と外周部22,32との間に空隙が形成されるので、固定部20,30に印加される応力を緩和することができる。
第4の実勢の形態.
第4の実施の形態にかかる界磁子の構成は第1及び第2の実施の形態にかかる界磁子と付勢部を除いて同一である。第4の実施の形態にかかる界磁子においては、付勢部は設けられていなくてもよい。第1乃至第3の実施の形態において付勢部が磁性体と界磁磁石との間に与える付勢力は、第4の実施の形態において磁性体と界磁磁石との間に働く磁気吸引力が実現する。
例えば図2を参照して、表面10aのうち軸方向において磁性体11側(換言すれば表面20aに近い側)に位置する部分が、軸方向から見て磁性体11からはみ出している。また表面10aのうち軸方向において磁性体11とは反対側(換言すれば表面20aに遠い側)に位置する部分が軸方向から見て磁性体11に含まれている。
かかる位置関係によれば、磁性体11と界磁磁石10との間に働く磁気吸引力によって、回転軸Pに垂直な面において、磁性体11は界磁磁石10側へと、界磁磁石10は磁性体11側へと、それぞれ相対的に付勢される。従って、第1及び第2の実施の形態で説明した付勢部の機能を、磁性体11と界磁磁石10との間に働く磁気吸引力が実現する。よって、付勢部を省略できる、あるいは付勢部が界磁磁石10又は磁性体11へ与える付勢力を小さくできる。
また、界磁磁石10及び磁性体11との間に作用する磁気吸引力が強い場合は、固定部20,50を界磁部分15に取り付けるときに界磁磁石10と磁性体11との間の相対的な移動を妨げる場合がある。かかる困難を低減するために、磁性体11と界磁磁石10との間に潤滑油を介在させるとよい。これによって磁性体11と界磁磁石10との間の相対的な移動を促進できる。また本界磁子1が冷凍装置又は空気調和機の圧縮機用の電動機を構成する場合であれば、当該潤滑油として冷凍機油を採用することが望ましい。専用の潤滑油を用いる必要がないからである。
第5の実施の形態.
第5の実施の形態の構成は第1乃至第3の実施の形態にかかる界磁子と同一である。第5の実施の形態では、界磁部分として好ましい複数の態様について述べる。
図11は軸方向に沿って見た界磁部分15の概念的な構成の一例を示している。軸方向から見て、磁性体11の外輪郭及び界磁磁石10の外輪郭のいずれか一方は他方に囲まれる。
かかる界磁部分15によれば、界磁磁石10と磁性体11との相対位置を傾斜に沿ってずらした場合に、界磁磁石10と磁性体11との接触面積が変化しにくいので、界磁部分15が電機子へと供給する磁束の量が変化しにくい。よって、複数の界磁部分15において、それぞれ磁性体11に対して界磁磁石10が移動する量が異なっていたとしても、複数の界磁部分15が発生する界磁磁束同士を均一化できる。
図12は周方向に沿って見た界磁部分の概念的な構成の他の一例を示している。界磁磁石10は、表面10aと連続して回転軸Pに垂直な面に平行な端面10cと、端面10cに連続して回転軸Pに平行な側面10dとを有している。
界磁磁石10が表面10aから連続して回転軸Pに平行な側面を有する構造(例えば図2を参照)であれば表面10aと側面とがなす角が鋭角になり得る。一方、図12に示す界磁磁石10によれば、端面10cと側面10dとが成す角が略90度であり、表面10aと端面10cとが成す角は鈍角であって、いずれも鋭角を避けることができる。よって、これらの角における界磁磁石10の強度及び磁束を向上できる。
次に、表面10aの最大傾斜方向及び界磁磁石の厚みに関して述べる。例えば図2を参照して、表面10aの最大傾斜方向が径方向に沿っており、軸方向における界磁磁石10の厚みが、回転軸P側に比べて、回転軸Pとは反対側の方が厚い。
かかる界磁部分15によれば、回転軸Pとは反対側に向かうに従って界磁磁束を増大させることができる。回転軸P側で界磁磁束を増大させるよりも、回転軸Pとは反対側で界磁磁束を増大させるほうが、回転電機として大きいトルクを発生させることができる。
また、表面10aの最大傾斜方向が周方向に沿っており、軸方向における界磁磁石10の厚みが、周方向の一方向に向かって増大していてもよい。
界磁子1と軸方向に対向させて電機子を配置したときに、電機子に対して界磁子1が回転する回転電機が構成される。そして、電機子に対する界磁子1の回転方向が、界磁磁石10の厚みが大きい方を始点として小さい方へと向かうとする使用方法を採用する場合、電機子からの磁束が当該厚みの大きい部分に対して逆磁界として印加される。よって、当該逆磁界に起因する界磁磁石の減磁に対して耐性が高い。
なお、表面10aの最大傾斜方向が周方向に沿う場合、付勢部24(34)は連結部23(33)に設けられるとよい。これによって、固定部20,50(30)を界磁磁石15に取り付ける前後で、界磁磁石10と磁性体11(13)の周方向における移動を許すことができる。
第6の実施の形態.
第6の実施の形態では磁性体11,13を積層鋼板で形成した場合について述べる。図13は積層鋼板を用いて形成した場合の磁性体11を示す概念的な構成図である。図13では軸方向に沿って見た磁性体11が示されている。図14は周方向に沿って見た一枚の積層鋼板を示している。実際は、鋼板の1枚1枚の打抜き面は、鋼板の面に略垂直に現れ、磁性体11,13の積層面は、微小な段差となって現れるが、図では、省略して、斜面としている。
磁性体11は周方向に積層された複数の積層鋼板を有する。また、図13に示すように、一枚の積層鋼板は径方向に傾斜した面を有している。かかる磁性体11は、表面10aの最大傾斜方向が径方向に沿った界磁磁石10に設けられる。
表面10aの最大傾斜方向に対して垂直な方向で積層鋼板を打ち抜いて、打ち抜いた積層鋼板を積層して磁性体11を形成することで、表面10aの傾斜に接して積層鋼板を積層しやすい。通常、打ち抜く方向に沿った積層鋼板の厚みは薄いからである。
かかる観点によれば、表面10aの最大傾斜方向が周方向である場合は、積層鋼板を径方向に積層して磁性体11を形成することが望ましい。かかる磁性体11が図15に示されている。図15は軸方向から見た磁性体11を示している。径方向に沿って見た、当該磁性体11を構成する一枚の積層鋼板は図14と同様であるので図示を省略する。
第1の実施の形態に係る界磁子の概念的な構成の一例を示す斜視図である。 界磁子の径方向に沿った断面を示す概念的な図である。 界磁部分の概念的な構成を示す斜視図である。 界磁子の概念的な構成の他の一例を示す断面図である。 界磁子の概念的な構成の他の一例を示す断面図である。 第2の実施の形態に係る界磁子の概念的な構成の一例を示す斜視図である。 界磁子の径方向に沿った断面を示す概念的な図である。 界磁部分の概念的な構成を示す斜視図である。 界磁子の他の一例の径方向に沿った断面を示す概念的な図である。 第3の実施の形態に係る界磁子の概念的な構成の一例を示す斜視図である。 軸方向に沿って見た界磁部分の他の一例を示す概念的な図である。 軸方向に沿って見た界磁部分の他の一例を示す概念的な図である。 軸方向に沿って見た磁性体11の構成の一例を示す図である。 周方向に沿って見た磁性体11を構成する一枚の積層鋼板の一例を示す図である。 軸方向に沿って見た磁性体11の構成の他の一例を示す図である。
符号の説明
1 界磁子
10 界磁磁石
11〜13 磁性体
15 界磁部分
20,30,50 固定部
20a,25a,30a,35a,50a 表面

Claims (14)

  1. 所定の軸(P)に沿う軸方向へと界磁磁束を発生させるアキシャルギャップ型の界磁子であって、
    各々が、
    前記軸において相互に対面する一対の表面(10a,10b)を有し、前記一対の表面のうち前記軸において一方側に位置する一の表面(10a)が前記軸に垂直な基準面に対して傾斜している界磁磁石(10)と、
    前記一方側から前記一の表面と重ね合わされて前記界磁磁石に設けられ、前記軸に垂直な面内で前記界磁磁石へと向かって相対的に付勢される第1の磁性体(11)と
    を有し、前記軸の周りで相互に離間して環状に配置された複数の界磁部分と、
    前記軸方向で前記界磁部分を挟む一対の面(25a,35a)と、前記一対の面を連結する連結部(21,31,22,32;12)とを有し、前記複数の前記界磁部分を相互に固定する固定部(20,30)と
    を備える、界磁子。
  2. 前記一対の表面のうち他の表面(10b)が前記基準面に対して前記一の表面(10a)と反対側に傾斜しており、
    前記界磁部分(15)は、前記表面のうち他の表面(10b)と重ね合わされて、前記軸(P)について他方側から前記界磁磁石(10)に設けられる第2の磁性体(13)を更に有し、
    前記他の表面は前記基準面に対して前記一の表面と反対側に傾斜している、請求項1に記載の界磁子。
  3. 前記界磁部分は、前記表面のうち他の表面(10b)と重ね合わされて、前記軸について他方側から前記界磁磁石(10)に設けられる第2の磁性体(13)を更に備え、
    前記他の表面は前記一の表面(10a)と平行である、請求項1に記載の界磁子。
  4. 前記固定部(20,30)は、前記軸(P)に垂直な方向において、前記第1の磁性体(11)及び前記界磁磁石(10)の何れか一方を他方へと付勢する付勢部(24,34)を備える、請求項1乃至3の何れか一つに記載の界磁子。
  5. 前記付勢部(24,34)は前記界磁磁石(10)を付勢する、請求項4に記載の界磁子。
  6. 前記軸方向から見て、前記一の表面(10a)のうち前記軸方向において前記一方側に位置する部分が前記第1の磁性体(11)からはみ出し、前記一の表面のうち前記軸方向において前記他方側に位置する部分が前記第1の磁性体に含まれる、請求項1乃至3の何れか一つに記載の界磁子。
  7. 前記軸(P)に沿って見て、前記第1の磁性体(11)の外輪郭及び前記界磁磁石(10)の外輪郭のいずれか一方は他方に囲まれる、請求項1乃至5の何れか一つに記載の界磁子。
  8. 前記部材(12)は、前記軸(P)を中心とした周方向で隣り合う前記界磁部分の相互間に設けられた第3の磁性体である、請求項1乃至7の何れか一つに記載の界磁子。
  9. 前記界磁磁石(10)は、前記一の前記表面(10a)と連続して前記基準面に平行な端面(10c)と、前記端面に連続して前記軸に平行な側面とを有する、請求項1乃至8の何れか一つに記載の界磁子。
  10. 前記基準面に対する前記一の表面(10a)の最大傾斜方向は前記軸(P)を中心とした径方向であって、前記軸方向における前記一対の表面(10a,10b)の間の距離は前記軸(P)側に比べて前記軸とは反対側の方が大きい、請求項1乃至9の何れか一つに記載の界磁子。
  11. 前記基準面に対する前記一の表面(10a)の最大傾斜方向は前記軸(P)を中心とした周方向であって、前記軸方向における前記一対の前記表面(10a,10b)の間の距離は前記周方向の一方向に向かって増大する、請求項1乃至9の何れか一つに記載の界磁子。
  12. 前記界磁部分は前記第1の磁性体(11)と前記界磁磁石(10)との間に介在する潤滑油を更に有する、請求項1乃至11の何れか一つに記載の界磁子。
  13. 前記潤滑油は冷凍装置又は空気調和機用の圧縮機に用いられる冷凍機油である、請求項12に記載の界磁子。
  14. 請求項4に記載の界磁子を製造する製造方法であって、
    着磁前の界磁磁石(10)たる硬磁性体に対して前記第1の磁性体(11)が軸方向に重ね合わされた前記界磁部分の複数に対して前記固定部(20,30)を設けた上で、前記硬磁性体を着磁する、界磁子の製造方法。
JP2008325464A 2008-12-22 2008-12-22 界磁子及び界磁子の製造方法 Pending JP2010148308A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008325464A JP2010148308A (ja) 2008-12-22 2008-12-22 界磁子及び界磁子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008325464A JP2010148308A (ja) 2008-12-22 2008-12-22 界磁子及び界磁子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010148308A true JP2010148308A (ja) 2010-07-01

Family

ID=42568137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008325464A Pending JP2010148308A (ja) 2008-12-22 2008-12-22 界磁子及び界磁子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010148308A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015159461A1 (ja) * 2014-04-14 2015-10-22 株式会社日立産機システム アキシャルエアギャップ型電動機
CN107492962A (zh) * 2017-08-31 2017-12-19 杭州中豪电动科技股份有限公司 一种盘式电机的磁钢固定结构

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015159461A1 (ja) * 2014-04-14 2015-10-22 株式会社日立産機システム アキシャルエアギャップ型電動機
TWI552486B (zh) * 2014-04-14 2016-10-01 Hitachi Industry Equipment Systems Co Ltd Axial air gap motor
CN106415994A (zh) * 2014-04-14 2017-02-15 株式会社日立产机系统 轴向气隙型电动机
JPWO2015159461A1 (ja) * 2014-04-14 2017-04-13 株式会社日立産機システム アキシャルエアギャップ型電動機
JP2018110528A (ja) * 2014-04-14 2018-07-12 株式会社日立産機システム アキシャルエアギャップ型電動機
US10536042B2 (en) 2014-04-14 2020-01-14 Hitachi Industrial Equipment Systems Co., Ltd. Axial air gap type electric motor
CN107492962A (zh) * 2017-08-31 2017-12-19 杭州中豪电动科技股份有限公司 一种盘式电机的磁钢固定结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5108236B2 (ja) モータ用ロータ
JP2019140892A (ja) 磁石及び回転電機
US8890386B2 (en) Rotor and motor
JP2010130818A (ja) 界磁子の製造方法
JP2010130819A (ja) 界磁子及び界磁子の製造方法
JP2008245488A (ja) リング状磁石及びその製造方法、並びにモータ
JP6065568B2 (ja) 着磁装置
JP4687687B2 (ja) アキシャルギャップ型回転電機及び界磁子
JP2007189783A (ja) 回転電機のステータ、その製造方法、そのステータに使用する分割コア及びその分割コア締結用ハウジング
JP5790426B2 (ja) ロータ
JP4568639B2 (ja) ステータ
JP5277743B2 (ja) 回転電機
CN114930698A (zh) 磁场产生装置以及磁性齿轮
JP2010148308A (ja) 界磁子及び界磁子の製造方法
JP5292953B2 (ja) アキシャルギャップ型モータ
JP5708706B2 (ja) 回転電機
JP5920025B2 (ja) ロータの着磁装置及びロータの着磁方法
JP2008022664A (ja) 界磁子及び回転電機
JP2009060754A (ja) ステータ用コア、ステータ、その組立方法およびモータ
JP5151183B2 (ja) アキシャルギャップ型回転電機及び圧縮機
JP2008187863A (ja) アキシャルギャップ型回転電機及び圧縮機
JP2010148309A (ja) 界磁子及び界磁子の製造方法
JPH10336998A (ja) 磁気継手
JP5611405B1 (ja) 回転電機
JP2010268650A (ja) アキシャルギャップ型回転電機