JP2010148159A - 制御装置、及び、制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】充電ケーブルを介した充電制御を実行する必要がない状況で、充電制御部に故障が発生しても、走行に支障を来すことがない制御装置を提供する。
【解決手段】起動信号の受信または充電ケーブル300の接続を検知すると、第一切替部RY1を制御し、第二蓄電装置190から各制御部へ電力供給すると共に、充電ケーブル300の接続を検知すると、第二制御部171bへ制御信号を送信する第一制御部171aと、第一制御部171aにより給電を受け、かつ、制御信号を受信すると、第一蓄電装置150を制御する蓄電制御部171に、充電ケーブル300からの電力を充電させる第二制御部171bと、第二蓄電装置190から蓄電制御部171への電力供給を切り替える第二切替部RY2と、充電ケーブル300の接続状態を示す信号と第一切替部RY1の状態を示す信号の双方が能動状態の場合にのみ第二切替部RY2を閉成する制御回路とを備える
【選択図】図3
【解決手段】起動信号の受信または充電ケーブル300の接続を検知すると、第一切替部RY1を制御し、第二蓄電装置190から各制御部へ電力供給すると共に、充電ケーブル300の接続を検知すると、第二制御部171bへ制御信号を送信する第一制御部171aと、第一制御部171aにより給電を受け、かつ、制御信号を受信すると、第一蓄電装置150を制御する蓄電制御部171に、充電ケーブル300からの電力を充電させる第二制御部171bと、第二蓄電装置190から蓄電制御部171への電力供給を切り替える第二切替部RY2と、充電ケーブル300の接続状態を示す信号と第一切替部RY1の状態を示す信号の双方が能動状態の場合にのみ第二切替部RY2を閉成する制御回路とを備える
【選択図】図3
Description
本発明は、車両に搭載された蓄電装置を充電するための制御装置、及び、制御方法に関する。
環境に配慮した車両として、電気自動車やハイブリッド車、燃料電池車などが近年注目されている。これらの車両には、走行駆動力を発生する電動機と、その電動機に供給される電力を蓄える高圧の蓄電装置とが搭載されている。ハイブリッド車には、動力源として電動機とともに内燃機関がさらに搭載され、燃料電池車には、車両駆動用の直流電源として燃料電池が搭載されている。
特許文献1に記載されているように、このような車両に搭載された車両駆動用の蓄電装置を、一般家庭の電源から直接充電することが可能な車両が知られている。例えば、家屋に設けられた商用電源のコンセントと車両に設けられた充電口とを充電ケーブルで接続することにより、一般家庭の電源から蓄電装置へ充電用の電力が供給される。このように車両外部の電源から車両に搭載された蓄電装置を直接充電することが可能な車両を「プラグイン車」と称する。
プラグイン車の規格は、アメリカ合衆国では「エスエーイー エレクトリック ビークル コンダクティブ チャージ カプラ」(非特許文献1)により制定され、日本では「電気自動車用コンダクティブ充電システム一般要求事項」(非特許文献2)により制定されている。
「エスエーイー エレクトリック ビークル コンダクティブ チャージ カプラ」及び「電気自動車用コンダクティブ充電システム一般要求事項」(非特許文献2)では、一例として、コントロールパイロットに関する規格が定められている。コントロールパイロットは、構内配線から車両へ電力を供給するEVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)の制御回路と車両の接地部とを車両側の制御回路を介して接続する信号ラインと定義されており、この信号ラインを介して通信されるパイロット信号に基づいて、充電ケーブルの接続状態や電源から車両への電力供給の可否、EVSEの定格電流などが判断される。
ハイブリッド車には、充電ケーブルを介して供給される電力によりモータ等に給電する高圧の蓄電装置を充電する蓄電制御部等の複数の電子制御装置(Electric Control Unit)(以下、「ECU」と記す。)が搭載されている。
例えば、エンジンを制御するエンジンECU(Electric Control Unit)と、モータを制御するモータECUと、高圧の蓄電装置の充電状態SOC(State of Charge)を管理し、ドライバのアクセル操作に基づいて車両の要求トルクを算出し、エンジンECU及びモータECUを制御するシステム制御部としてのプラグインハイブリッドECU(以下、「PIHV−ECU」と記す。)等である。
PIHV−ECUは、車両のシステムスイッチがオン操作されたことを検知すると、第一のリレーを閉成して低圧の蓄電装置から各ECUへの給電線に電力を供給し、各ECUを起動して走行可能な状態に立ち上げる。
さらに、PIHV−ECUは、車両のシステムスイッチがオフ操作されたことを検知した後に、充電ケーブルが接続されたことを検知すると、第一のリレーを閉成して低圧の蓄電装置から各ECUへの給電線に電力を供給するように構成されている。
上述の蓄電制御部も、第一のリレーを介した給電線に接続され、PIHV−ECUからの充電指令に基づいて、充電ケーブルから供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換部を制御して高圧の蓄電装置を充電する。
つまり、蓄電制御部は、システムスイッチがオフされた駐車時に、充電ケーブルを介して供給される電力により高圧の蓄電装置を充電するように構成されている。
特開2007−228695号公報
「エスエーイー エレクトリック ビークル コンダクティブ チャージ カプラ(SAE Electric Vehicle Conductive Charge Coupler)」、(アメリカ合衆国)、エスエーイー規格(SAE Standards)、エスエーイー インターナショナル(SAE International)、2001年11月
「電気自動車用コンダクティブ充電システム一般要求事項」、日本電動車両協会規格(日本電動車両規格)、2001年3月29日
しかし、上述した従来技術によれば、システム電源スイッチがオン操作され、充電ケーブルを介した充電制御を実行する必要がない状況であっても、第一のリレーを介して蓄電制御部に給電されていたため、不要な電力が蓄電制御部によって消費されるという問題があった。
また、システムスイッチがオン操作された状態で蓄電制御部に短絡等の故障が発生すると、安全上、第一のリレーが遮断され、車両の全制御部への給電が停止されるため、退避走行も不可能となり、立ち往生するという虞もあった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、充電ケーブルを介した充電制御を実行する必要がない状況で、蓄電制御部に故障が発生しても、走行に支障を来すことがない制御装置、及び、制御方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による制御装置の特徴構成は、車両に備わる第一蓄電装置の充電制御を行なう制御装置であって、外部から起動信号を受信する場合に、または、車両外部の電源に接続された充電ケーブルが車両に接続されたことを検知する場合に、第二蓄電装置から各制御部へ電力を供給する電力供給線を接続/非接続する第一切替部を制御し、第二蓄電装置から各制御部へ電力を供給制御するとともに、充電ケーブルが車両に接続されたことを検知する場合には、第二制御部へ制御信号を送信制御する第一制御部と、第一制御部による制御により給電を受ける場合で、かつ、制御信号を受信する場合に、第一蓄電装置を制御する蓄電制御部へ、充電ケーブルから供給される電力を充電制御させる第二制御部と、第二蓄電装置から蓄電制御部へ電力を供給する電力供給線を接続/非接続する第二切替部と、充電ケーブルの車両への接続状態を示す信号と、第一切替部が電力を供給する状態を示す信号を入力する場合に第二切替部を制御して、第二蓄電装置から蓄電制御部へ電力を供給制御する制御回路と、を備える点にある。
上述の構成によれば、第二蓄電装置から蓄電制御部へ電力を供給する電力供給線を接続/非接続する第二切替部を接続し、充電ケーブルの車両への接続状態を示す信号と、第一切替部の状態を示す信号の双方が能動状態であるときにのみ、つまり、充電制御が必要な場合のみ第二切替部を介して蓄電制御部に給電されるようになる。
その結果、充電ケーブルが車両へ接続され、且つ、第一切替部が閉成されている場合を除いて、蓄電制御部への給電が停止されるので、蓄電制御部に短絡事故が発生していても、第二切替部が開成されているので、車両の走行に支障を来すことが無くなるのである。
さらに、充電ケーブルの車両への接続状態を示す信号と、第一切替部の状態を示す信号に基づいて第二切替部を閉成するように制御回路を構成すればよく、ECUの回路変更や制御プログラムの変更を招くことなく、極めて迅速且つ安価に対応できるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、充電ケーブルを介した充電制御を実行する必要がない状況で、蓄電制御部に故障が発生しても、走行に支障を来すことがない制御装置を提供することができるようになった。
以下、本発明による制御装置の実施形態について説明する。
図1に示すように、車両外部の電源から車両に搭載された第一蓄電装置としての高圧の蓄電装置150を直接充電することが可能なプラグイン車の一例であるハイブリッド車1(以下、「プラグインハイブリッド車」と記す。)は、動力源としてエンジン100、第1MG(Motor Generator)110、第2MG(Motor Generator)120を備えている。そして、本発明による制御装置は、車両に備わる第一蓄電装置の充電制御を行なう。
プラグインハイブリッド車1は、エンジン100及び第2MG120の少なくとも一方からの駆動力によって走行可能なように、エンジン100、第1MG110及び第2MG120が動力分割機構130に連結されている。
第1MG110及び第2MG120は交流回転電機で構成され、例えば、U相コイル、V相コイル及びW相コイルを備える三相交流同期回転機が用いられる。
動力分割機構130は、サンギヤと、ピニオンギヤと、キャリアと、リングギヤとを含み、ピニオンギヤがサンギヤ及びリングギヤと係合する遊星歯車機構で構成されている。
ピニオンギヤを自転可能に支持するキャリアがエンジン100のクランクシャフトに連結され、サンギヤが第1MG110の回転軸に連結され、リングギヤが第2MG120の回転軸及び減速機140に連結され、図2に示すように、エンジン100、第1MG110、及び第2MG120の回転数が共線図上に直線で結ばれるように関係付けられている。
図3に示すように、プラグインハイブリッド車1には、システム制御部として機能し、車両の動力を統括制御するプラグインハイブリッドビークルECU(以下、「PIHV−ECU」と記す。)170、車両外部の電源から供給される電力によって蓄電装置150を充電する蓄電制御部としての充電制御部として機能する充電ECU171、エンジン100を制御するエンジンECU173、第1MG110及び第2MGを制御するモータECU172、各種の情報を運転席前部のパネルに表示するメータECU174、盗難防止機能を実現する防盗ECU175、スマートキーで車両のロックまたはロック解除を制御するスマートECU176等の制御部としての電子制御装置(以下、単に「ECU」と記す。)が搭載されている。
尚、図3では、充電制御部して機能する充電ECU171がECUの一つとして設けられているが、充電制御部の機能がPIHV−ECU170に組み込まれていてもよい。
各ECUは、CPUと、CPUで実行されるプログラムが格納されたROMと、制御情報が格納され、CPUのワーキングエリアとして使用されるRAM等が組み込まれたマイクロコンピュータと、その周辺回路等を備えている。
第二蓄電装置としての低圧(例えば、DC12V)の蓄電装置190から給電される第一給電系統180及び第二給電系統181の二系統の給電系統を介して、上述の各ECUに制御用の電力が供給される。
蓄電装置190と第二給電系統181の間には、システムスイッチとして機能するイグニッションスイッチIGSWと、イグニッションスイッチIGSWと並列接続された第一切替部の一例としての第一のリレーRY1が介装されている。
第一給電系統180に接続されたECUは、イグニッションスイッチIGSWの操作状態にかかわらず常時給電され、第二給電系統181に接続されたECUは、イグニッションスイッチIGSWがオン操作された後に給電され、イグニッションスイッチIGSWがオフ操作されると給電が停止する。
第一給電系統180に、防盗ECU175やスマートECU176等のECUが接続され、第二給電系統181に、PIHV−ECU170、充電ECU171、モータECU172、エンジンECU173等のパワートレーン系ECUと、メータECU174の他、ワイパーやドアミラー等のボディ系ECUが接続されている。
パワートレーン系ECUや充電ECU171は、CAN(Controller Area Network)バス185で相互に接続され、ボディ系のECUはLIN(Local Interconnect Network)バス186で相互に接続され、CANバス185とLINバス186とがゲートウェイ191を介して接続され、以って、各ECUに必要な制御情報が送受信可能に構成されている。
各ECUには、低圧の蓄電装置190から供給されるDC12Vの直流電圧から所定レベルの制御電圧(例えばDC5V)を生成するDCレギュレータが搭載され、DCレギュレータの出力電圧がマイクロコンピュータ等の制御回路に供給される。
PIHV−ECU170には、イグニッションスイッチIGSWの操作に対応して第一リレーRY1を制御するとともに、後述する充電ケーブルを介した高圧の蓄電装置150への充電制御等を実行するべく、第二給電系統181に加えて第一給電系統180からも給電されている。
PIHV−ECU170には、第一給電系統180から給電され、第一のリレーRY1を制御して第二給電系統181への給電状態を制御する第一制御部としての第一のマイクロコンピュータ170aと、第二給電系統181から給電され、車両システムを統括して制御する第二制御部としての第二のマイクロコンピュータ170bの二つのマイクロコンピュータが搭載され、両マイクロコンピュータがローカル通信ラインで接続されている。
PIHV−ECU170は、第一のリレーRY1が開放されている状態でイグニッションスイッチIGSWがオン操作されたことを検出すると、第一のリレーRY1を閉じて低圧の蓄電装置190から第二給電系統181への給電を開始し、第一のリレーRY1を閉じた状態に維持して給電状態を維持する。
この状態で第二給電系統181に接続された第二のマイクロコンピュータ170b、及び、各ECUが起動し、夫々所期の制御動作が実行される。
また、PIHV−ECU170は、第一のリレーRY1が閉じられている状態でイグニッションスイッチIGSWがオフ操作されたことを検出すると、CANバス185を介して他のECUにイグニッションスイッチIGSWがオフされたことを送信して、第二給電系統181に接続されている各ECUのシャットダウン処理を促す。
PIHV−ECU170は、CANバス185を介して各ECUのシャットダウン処理の終了を認識し、且つ、自身のシャットダウン処理を終えると、第一のリレーRY1を開成して第二給電系統181への給電を停止する。
シャットダウン処理とは、イグニッションスイッチIGSWのオフに伴って、駆動中の各種のアクチュエータの停止処理や、制御データのメモリへの退避処理等をいい、例えばエンジンECU172であれば、エンジン100の停止処理、空燃比等の各種の学習データを含むエンジン制御用のデータの不揮発性メモリへの退避処理をいう。各ECUには、必要に応じて第一給電系統180から常時給電されるSRAM、またはEEPROMがバックアップ用メモリとして搭載されているのである。
尚、イグニッションスイッチIGSWは、モーメンタリスイッチまたはオルタネートスイッチの何れの型式のスイッチであってもよく、モーメンタリスイッチを用いる場合には、PIHV−ECU170が現在の状態をフラグデータとしてRAMに保持し、そのスイッチの操作エッジでオンされたのかオフされたのかをフラグデータに基づいて判断すればよい。また、従来のキーシリンダにキーを挿入して回転操作する機械接点式のスイッチであってもよい。
PIHV−ECU170は、イグニッションスイッチIGSWがオン操作され、第一のリレーRY1を閉じた後、運転者のアクセル操作等に基づいて車両を走行制御する。
PIHV−ECU170は、高圧の蓄電装置150の充電状態(以下、「SOC(State Of Charge)」と記す。)を監視し、例えばSOCが予め定められた値よりも低くなると、エンジンECU172を介してエンジン100を始動し、動力分割機構130を介して駆動される第1MG110の発電電力を蓄電装置150に蓄える。
詳述すると、第1MG110によって発電された電力は、インバータを介して交流から直流に変換され、コンバータを介して電圧が調整された後に蓄電装置150に蓄えられる。このとき、エンジン100で発生した動力の一部は動力分割機構130及び減速機140を介して駆動輪160へ伝達される。
また、PIHV−ECU170は、SOCが所定範囲内にあるとき、蓄電装置150に蓄えられた電力または第1MG110により発電された電力の少なくとも一方を用いて第2MG120を駆動し、エンジン100の動力をアシストする。第2MG120の駆動力は減速機140を介して駆動輪160に伝達される。
さらに、PIHV−ECU170は、SOCが予め定められた値よりも高くなると、エンジンECU173を介してエンジン100を停止し、蓄電装置150に蓄えられた電力を用いて第2MG120を駆動する。
一方、車両の走行制動時等に、PIHV−ECU170は、減速機140を介して駆動輪160により駆動される第2MG120を発電機として制御し、第2MG120により発電された電力を蓄電装置150に蓄える。つまり、第2MG120は、制動エネルギーを電力に変換する回生ブレーキとして用いられる。
つまり、PIHV−ECU170は、蓄電装置150から出力される負荷電流と電圧と温度をモニタして蓄電装置150のSOCを管理し、車両の要求トルクと蓄電装置150のSOC等に基づいて、エンジン100、第1MG110及び第2MG120を制御する。尚、当該制御は、後述する第二マイクロコンピュータ170bにより行われる。
図1では、第2MG120による駆動輪160が前輪である場合を示しているが、前輪に代えてまたは前輪とともに後輪を駆動輪160としてもよい。
高圧の蓄電装置150は充放電可能な直流電源であり、例えば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池で構成されている。蓄電装置150の出力電圧は、例えば300V前後に設定されている。
蓄電装置150は、第1MG110及び第2MG120によって発電される電力に加えて、車両外部の電源から供給される電力により充電可能に構成されている。
蓄電装置150として、大容量のキャパシタを採用することも可能であり、第1MG110及び第2MG120による発電電力や車両外部の電源からの電力を一時的に蓄え、その蓄えた電力を第2MG120へ供給可能な電力バッファであればその構成が制限されるものではない。
図4に示すように、高圧の蓄電装置150がシステムメインリレー250を介して所定の直流電圧に調整するためのコンバータ200に接続され、コンバータ200の出力電圧が第1インバータ210及び第2インバータ220で交流電圧に変換された後に、第1MG110及び第2MG120に印加されるように構成されている。
コンバータ200は、リアクトルと、電力スイッチング素子である2つのnpn型トランジスタと、2つのダイオードとを含む。リアクトルは、蓄電装置150の正極側に一端が接続され、2つのnpn型トランジスタの接続ノードに他端が接続されている。2つのnpn方トランジスタは直列に接続され、各npn型トランジスタにダイオードが逆並列に接続されている。
npn型トランジスタとして、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を好適に用いることができる。また、npn型トランジスタに代えて、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等の電力スイッチング素子を用いることも可能である。
第1インバータ210は、互いに並列に接続されたU相アーム、V相アーム、及びW相アームを備えている。各相アームは、直列に接続された2つのnpn型トランジスタを含み、各npn型トランジスタにはダイオードが逆並列に接続されている。各相アームを構成する2つのnpn型トランジスタの接続ノードが、第1MG110の対応するコイル端に接続されている。
第1インバータ210は、コンバータ200から供給される直流電力を交流電力に変換して第1MG110へ供給し、或は、第1MG110により発電された交流電力を直流電力に変換してコンバータ200へ供給する。
第2インバータ220も、第1インバータ210と同様に構成され、各相アームを構成する2つのnpn型トランジスタの接続ノードが、第2MG120の対応するコイル端に接続されている。
第2インバータ220は、コンバータ200から供給される直流電力を交流電力に変換して第2MG120へ供給し、或は、第2MG120により発電された交流電力を直流電流に電力してコンバータ200へ供給する。
PIHV−ECU170は、イグニッションスイッチIGSWがオン操作されると、システムメインリレー250を閉じ、運転者のアクセル操作等に基づいて、例えば、コンバータ200の電力スイッチング素子を制御して蓄電装置150の出力電圧を所定レベルに昇圧し、第2インバータ220の各相アームを制御して第2MG120を駆動し、例えば、第1インバータ210の各相アームを制御して、第1MG110からの発電電力を直流電力に変換し、コンバータ200で降圧して蓄電装置150を充電する。
図1及び図4に示すように、プラグインハイブリッド車1には、車両外部の電源から蓄電装置150へ充電電力を供給するための充電ケーブル300を接続するための充電用インレット270を備えている。
充電用インレット270に接続された充電ケーブル300からの交流の給電線が、LCフィルタ280を介して、充電ECU171に備えた電力変換部171bに接続され、当該電力変換部171bで交流から直流に変換された電力により高圧の蓄電装置150が充電されるように構成されている。
尚、図1では、充電用インレット270が車体後部に設けられているが、車体前部に設けられるものであってもよい。
充電ケーブル300には、電力ケーブル310の一端側に外部電源、例えば家屋に設けられた電源コンセントと接続するプラグ320が設けられ、他端側に充電用インレット270と接続するコネクタ330が設けられている。
図1及び図5に示すように、充電ケーブル300には、当該電力ケーブル310を介して車両に給電可能な定格電流を示すパルス信号(以下、「コントロールパイロット信号」または「CPLT信号」と記す。)を生成する信号発信部362と、電力ケーブル310を断続するリレー361が組み込まれたCCID(Charging Circuit Interrupt Device)360が設けられている。
信号発信部362には、外部電源から供給される電力によって動作するCPU,ROM,RAM及び、コントロールパイロット信号を生成する発振部363とコントロールパイロット信号の信号レベルを検出する電圧検知部364等を備えている。
コネクタ330には、一端が接地されたスイッチ332が抵抗R2と直列接続された接続判定回路331が組み込まれ、接続判定回路331の出力がケーブル接続信号PISWとしてPIHV−ECU170に入力されている。
コネクタ330が充電インレット270に挿入されると、スイッチ322が閉じて、コネクタ330が挿入されたことがPIHV−ECU170で検知される。
充電ケーブル300のコネクタ330には、電力ケーブル310と接続された一対の電力端子ピンと、グランド端子ピン、及びコントロールパイロット信号を出力する信号ラインL1の端子ピンと、接続判定回路331の端子ピンが設けられている。
充電用インレット270には、コネクタ330に設けた各端子ピンと夫々接続する複数の端子ピンが設けられている。
図3及び図5に示すように、PIHV−ECU170に組み込まれた第一のマイクロコンピュータ170aには、イグニッションスイッチ信号と、CPLT信号が入力されている。
イグニッションスイッチIGSWがオフされた後、第二のマイクロコンピュータ171bがシャットダウン処理を終了して第一のリレーRY1をオフした状態で、第一のマイクロコンピュータ170aは低消費電力モードである待機状態に移行している。待機状態とは、第一のマイクロコンピュータ170aのCPUがストップ命令またはホールト命令を実行した状態である。
第一のマイクロコンピュータ170aが待機状態に移行しているときに、第一のマイクロコンピュータ170aの割込端子PIGに、イグニッションスイッチIGSW信号が入力されると、第一のマイクロコンピュータ170aは、待機状態から通常の動作状態に復帰し、第一のリレーRY1を閉じて第二給電系統181への給電を開始することにより、第二のマイクロコンピュータ170bを立ち上げる。
第二のマイクロコンピュータ170bは、第一のリレーRY1に対する制御信号をモニタして、イグニッションスイッチIGSWがオン操作されたことを検知すると、CANバスを介して各ECUにイグニッションスイッチIGSWがオンされた旨を送信し、上述した車両の要求トルクと蓄電装置150のSOC等に基づいて、エンジン100、第1MG110及び第2MG120を制御する。
尚、第二のマイクロコンピュータ170bは、後述する走行禁止フラグがセットされている場合には、安全のため走行を許可せず待機し、一方、後述する退避走行フラグがセットされている場合には、通常の走行は禁止され、少なくとも最寄の修理工場まで走行することが可能な低速走行のみを許可するように制御する。
一方、第一のマイクロコンピュータ170aが待機状態に移行しているときに、充電ケーブル300が接続され、第一のマイクロコンピュータ170aの割込端子WUにCPLT信号のエッジが入力されると、第一のマイクロコンピュータ170aは、待機状態から通常の動作状態に復帰し、第一のリレーRY1を閉じて第二給電系統181への給電を開始することにより、第二のマイクロコンピュータ170bを立ち上げる。
第二のマイクロコンピュータ170bは、第一のマイクロコンピュータ170aから出力される充電モード信号を受信すると、充電ECU171を制御して蓄電装置150の充電制御を開始する。
つまり、第一のマイクロコンピュータ170aは、充電ケーブル300が車両に接続されたことを検知する場合に、第一切替部RY1を制御し、第二蓄電装置190から各制御部へ電力を供給制御するとともに、第二のマイクロコンピュータ170bへ制御信号を送信制御する。
充電ECU171には、充電ケーブル300から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換部171bと、電力変換部171bを制御して、蓄電装置150への充電電圧を調整するマイクロコンピュータ171aを備えている。
電力変換部171bは、例えば、ダイオードブリッジによる整流回路と平滑化コンデンサを備えたAC/DC変換回路と、AC/DC変換回路から出力される直流電圧を適正な充電線圧に昇圧するDC/DC変換回路により構成されている。
第二給電系統181と充電ECU171との間には、AND回路183の出力端子がベースに接続されたトランジスタスイッチ回路SW3により駆動される第二切替部の一例としての第二のリレーRY2が設けられている。
つまり、第二切替部は、第二蓄電装置190から蓄電制御部171へ電力を供給する電力供給線を接続/非接続する。
AND回路183の一対の入力端子の一方には、インバータ回路182を介してケーブル接続信号PISW、つまり充電ケーブルの車両への接続状態を示す信号が入力され、他方には、第一のリレーRY1により制御される第二給電系統181の給電線電圧、つまり第一切替部が電力を供給する状態を示す信号が入力されている。
ケーブル接続信号PISWは、PIHV−ECU170の回路基板で、抵抗R12によって第二給電系統181の電源電圧にプルアップされている。充電ケーブル300が車両に接続されていない状態では、インバータ回路182の入力レベルがHレベルとなり、充電ケーブル300が車両に接続されると、抵抗R12と抵抗R2の分圧であるLレベルの信号が入力される。従って、充電ケーブル300が車両に接続されると、AND回路183の一対の入力端子の一方にHレベルの信号が入力される。
この状態で第一のマイクロコンピュータ170aにより第一のリレーRY1が閉成されて、他方の入力端子にHレベルの信号が入力されると、AND回路183の出力信号がHレベルになり、トランジスタスイッチ回路SW3が導通して第二のリレーRY2が閉成される。
一方、充電ケーブル300が外されると、AND回路183の一方の入力端子にLレベルの信号が入力されるため、トランジスタスイッチ回路SW3がオフして、第二のリレーRY2が開放される。
尚、AND回路183の他方の入力端子に入力される信号は第二給電系統181の給電線電圧に限るものではなく、第一のリレーRY1の制御信号が入力されるように構成してもよい。
つまり、インバータ回路182とAND回路183とトランジスタスイッチ回路SW3によって、充電ケーブルの車両への接続状態を示す信号と、第一のリレーの状態を示す信号の双方が能動状態であるときにのみ、第二のリレーを閉成する制御回路184が構成されている。
従って、イグニッションスイッチIGSWがオン操作されても、充電ケーブル300が接続されていない状態では、第二のリレーRY2は閉成されることはなく、充電ECU171に給電されることはない。
このような制御回路184がハードウェアで構成されているため、第二給電系統181から充電ECU171に直接給電されるように構成されている既存の車両であっても、PIHV−ECU170や充電ECU171の制御プログラムや周辺回路の大幅な変更を来さずに、速やか、且つ、安価に変更することができるようになる。
尚、AND回路183の他方の端子に入力される信号は、第二給電系統181の給電線電圧信号に限るものではなく、第一のリレーの状態を示す信号であれば他の信号であってもよい。例えば、第一のマイクロコンピュータ170aから出力される第一のリレーRY1に対する制御信号であってもよい。
PIHV−ECU170に組み込まれた第二のマイクロコンピュータ170bには、第一インタフェース回路1712及び第二インタフェース回路1714を介して、CPLT信号が入力されている。
第一インタフェース回路1712は、充電用インレット270から、ダイオードD1を介して入力されるコントロールパイロット信号の信号レベルを低下させる抵抗R7とスイッチSW1でなる第一降圧回路と、抵抗R8とスイッチSW2でなる第二降圧回路を備え、コントロールパイロット信号の信号レベルを検出するとともに、当該信号レベルを二段階に変化させるように構成されている。
第二インタフェース回路1714は、ダイオードD2を介して入力されるコントロールパイロット信号の信号レベルがマイナスレベルになると、第二のマイクロコンピュータ170bにローレベルの信号を入力し、コントロールパイロット信号の信号レベルがプラスレベルになると、第二のマイクロコンピュータ170bにハイレベルの信号を入力する抵抗回路(R9,R10,R11)と、バッファ回路と、電源E1(本実施形態ではDC5V)の電源電圧にプルアップされている抵抗R9を備え、コントロールパイロット信号のローレベルを検出するように構成されている。
以下、充電ケーブル300を介して蓄電装置150を充電するPIHV−ECU170の充電制御について説明する。
図6に示すように、第一のマイクロコンピュータ170aが待機状態に移行している場合に、時刻t0で充電ケーブル300が充電用インレット270に装着され、時刻t1で外部電源のコンセントにプラグ320が接続されると、信号発信部362から所定レベルの直流電圧V1(例えば、+12V)を示すCPLT信号が出力される。
CPLT信号の立ち上がりエッジが第一のマイクロコンピュータ170aの割込端子WUに入力されると、第一のマイクロコンピュータ170aは待機状態から通常の動作状態に復帰して、第一のリレーRY1を閉じて第二のマイクロコンピュータ170bを立ち上げ、第二のマイクロコンピュータ170bにHレベルの充電モード信号を出力する。
第二のマイクロコンピュータ170bは、第一のマイクロコンピュータ170aから入力された充電モード信号がHレベルであることを検出すると、充電制御の開始を示す旨の充電終了信号をハイレベルに設定して、第一のマイクロコンピュータ170aに出力する。
続いて、第二のマイクロコンピュータ170bは、第一インタフェース回路1712を介してA/D変換入力端子PCPLTに入力される直流電圧V1のCPLT信号を検出すると、時刻t2で、第二降圧回路のスイッチSW2をオンしてCPLT信号の電圧レベルをV1からV2(例えば、+9V)に降圧する。
信号発信部362は、CPLT信号がV1からV2に低下したことを電圧検知部364により検出すると、時刻t3で、発振部363から所定のデューティサイクルで所定周波数(例えば1KHz)のパルス信号を生成して出力するように制御する。当該パルス信号の信号レベルは±V1であるが、上限レベルは第二降圧回路により降圧されている。
図7(a),(b)に示すように、デューティサイクルは、外部電源から充電ケーブル300を介して車両へ供給可能な電流容量に基づいて設定される値で、充電ケーブル毎に予め設定されている。例えば、電流容量が12Aの場合には20%、電流容量が24Aの場合には40%に設定されている。
図6に戻り、第二のマイクロコンピュータ170bは、第二インタフェース回路1714を介してCPLT信号のデューティサイクルを検出して当該充電ケーブル300の電流容量を認識すると、時刻t4で、システムメインリレー250を閉じて(図4参照)、第二降圧回路のスイッチSW2をオンした状態でさらに第一降圧回路のスイッチSW1をオンして、CPLT信号の電圧レベルをV2からV3(例えば、+6V)に降圧する。
信号発信部362は、CPLT信号の信号レベルがV2からV3に低下したことを検出すると、リレー361を閉じて車両側に電力ケーブル310から交流電力を供給する。
第二のマイクロコンピュータ170bは、充電ケーブル300の電流容量に基づいて蓄電装置150のSOCを目標SOCまで充電するための充電電圧を設定し、充電ECU171に充電指令を出力する。
充電ECU171に組み込まれたマイクロコンピュータ171aは、充電指令に基づいて電圧変換部171bから所定の充電電圧が維持されるように制御する。
第二のマイクロコンピュータ170bは、蓄電装置150への充電電流と電圧と温度をモニタして蓄電装置150のSOCを算出し、時刻t5で、目標とするSOCになると、充電ECU171に充電停止指令を出力するとともに、システムメインリレー250を開放して(図4参照)、第一降圧回路のスイッチSW1をオフして、電圧レベルをV3からV2に昇圧する。
信号発信部362は、CPLT信号がV3からV2に上昇したことを検出すると、リレー361を開放して電力ケーブル310を介した車両側への交流電力の供給を停止する。
第二のマイクロコンピュータ170bは、時刻t6で、第二降圧回路のスイッチSW2をオフして、CPLT信号のレベルを当初のV1に戻し、第一のマイクロコンピュータ170aへLレベルの充電終了信号を出力してシャットダウン処理に入る。
第一のマイクロコンピュータ170aは、充電終了信号がLレベルに変化したことを検知すると、第一のリレーRY1を開放して第二給電系統181への給電を停止し、その後待機状態に戻る。
尚、第二のマイクロコンピュータ170bは、ケーブル接続信号PISWをモニタしており、充電制御中にケーブル接続信号PISWがHレベルに変わると、充電ケーブル300が車両から引き抜かれたと判断して、上述した時刻t5以降の充電終了処理を実行する。
図8には、以上説明したPIHV−ECU170の充電制御の概要が示されている。PIHV−ECU170は、イグニッションIGSWがオフされている状態で(SA1)、充電ケーブル300が接続されると(SA2)、第一リレーRY1をオンして、充電モードに移行する(SA3)。
尚、PIHV−ECU170は、後述の充電禁止フラグがセットされている場合には、ステップSA3に移行せず、充電制御を実行せず待機するよう制御する。
充電ECU171に充電指令を出力して(SA4)、上述の充電制御を実行し、目標とするSOCまで蓄電装置150が充電されると(SA5)、シャットダウン処理を実行して(SA6)第一リレーRY1をオフし(SA7)、待機状態に移行する(SA8)。
以上説明したように、PIHV−ECU170により、システムスイッチ(IGSW)が投入され、または、車両外部の電源に接続された充電ケーブル300が車両に接続されたことを検知すると、第一のリレーRY1を閉成して給電線181に電力を供給するとともに、車両に搭載された蓄電装置150の充電状態を管理するシステム制御部が構成されている。
そして、本発明による制御装置は、車両に備わる第一蓄電装置150の充電制御を行なう制御装置であって、外部(例えばIGSW)から起動信号(例えばIGSWが投入された旨を示す信号)を受信する場合に、または、車両外部の電源に接続された充電ケーブル300が車両に接続されたことを検知する場合に、第二蓄電装置190から各制御部(車両に搭載された各ECU等)へ電力を供給する電力供給線を接続/非接続する第一切替部RY1を制御し、第二蓄電装置190から各制御部へ電力を供給制御するとともに、充電ケーブル300が車両に接続されたことを検知する場合には、第二制御部(第二のマイクロコンピュータ170b)へ制御信号を送信制御する第一制御部(第一のマイクロコンピュータ170a)と、第一制御部による制御により給電を受ける場合で、かつ、制御信号を受信する場合に、第一蓄電装置150を制御する蓄電制御部171へ、充電ケーブル300から供給される電力を充電制御させる第二制御部と、第二蓄電装置190から蓄電制御部171へ電力を供給する電力供給線を接続/非接続する第二切替部RY2と、充電ケーブル300の車両への接続状態を示す信号と、第一切替部RY1が電力を供給する状態を示す信号を入力する場合に第二切替部RY2を制御して、第二蓄電装置190から蓄電制御部171へ電力を供給制御する制御回路184とを備える。
そして、PIHV−ECU170(第二制御部170b)は、充電ケーブル300が車両に接続されていない場合に、充電制御部171へ送信した所定の制御信号に対する応答を検知すると、第二のリレーRY2が故障していると判断する自己診断機能を備えている。
また、自己診断機能には、第二のリレーRY2が故障していると判断した場合に、電力変換部171bに過電流が流れていることを検知すると蓄電装置150への充電を禁止し、さらに、車両の走行を禁止する機能が含まれている。
PIHV−ECU170により実行される自己診断動作について説明する。
図9に示すように、PIHV−ECU170(第一制御部170a)は、イグニッションIGSWがオンされると(SB1)、第一のリレーRY1をオン制御する(SB2)。
図9に示すように、PIHV−ECU170(第一制御部170a)は、イグニッションIGSWがオンされると(SB1)、第一のリレーRY1をオン制御する(SB2)。
PIHV−ECU170は、充電ケーブル300が接続されているかを、ケーブル接続判定回路331からのケーブル接続信号PISWによりチェックして(SB3)、充電ケーブル300が接続されている場合は、安全のため、走行制御を禁止するように判定し、RAMに区画した制御フラグ領域に定義した走行禁止フラグをセットする(SB13)。当該走行禁止フラグがセットされていると、走行制御が禁止される。
PIHV−ECU170は、ステップSB3で、充電ケーブル300が接続されていないと判断すると、充電ECU171へ通信ラインを介して接続確認信号を送信する(SB4)。尚、PIHV−ECU170と充電ECU171間の通信は、CANバス185を用いても、CANバス185以外のローカル通信ラインを用いてもよい。
PIHV−ECU170は、充電ECU171からの応答信号の有無を所定時間監視する(SB5)。
通常、イグニッションIGSWがオンされる場合には、充電ケーブル300が接続されておらず、第二のリレーRY2が開成され、充電ECU171には制御電圧が印加されていないため、充電ECU171から応答信号が返信されることがない。
従って、所定時間経過しても応答信号が返信されなかった場合は、正常状態にあると判定して、RAMに区画した制御フラグ領域に定義した走行禁止フラグ及び充電禁止フラグをリセットして、以後の走行制御及び充電制御を許可する(SB15)。
所定時間経過するまでに充電ECU171から応答信号が返信された場合には、第二のリレーRY2の接点に溶着等の故障が発生して、充電ECU171に制御電圧が印加されていると判定する(SB6)。
充電ECU171には、電力変換部171b等に過電流が流れているか否かを電圧または電流に基づいて検知するモニタ回路が設けられ、充電制御部171は当該モニタ回路の出力に基づいて過電流を検知すると、PIHV−ECU170に異常発生情報を送信するように構成されている。
PIHV−ECU170は、充電ECU171に動作状態の確認信号を送信し(SB7)、充電ECU171から異常発生情報を受信すると(SB8)、以後の充電を禁止するように判定し、RAMに区画した制御フラグ領域に定義した充電禁止フラグをセットするとともに(SB9)、走行制御を禁止するように判定し、上述の走行禁止フラグをセットする(SB10)。
ステップSB8で、充電ECU171から、過電流が検出されず、正常である旨の情報を受信すると、RAMに区画した制御フラグ領域に定義した充電禁止フラグをリセットするとともに、上述の走行禁止フラグをリセットして、以後の走行制御及び充電制御を許可する(SB14)。
尚、この場合、走行禁止フラグとは別に定義された退避走行フラグをセットする。退避走行フラグがセットされると、通常の走行が禁止され、少なくとも最寄りの修理工場へ走行することが可能な低速走行のみが許可される。
PIHV−ECU170は、第一給電系統180から給電されているスタンバイ用のRAM、またはEEPROMに記憶するとともに(SB11)、メータECU174に診断コードを送信して自己診断を終了する(SB12)。
以上説明したとおり、本発明による制御方法は、車両に備わる第一蓄電装置150を充電する制御方法であって、以下のステップによりなる方法である。
つまり、外部から起動信号を受信する場合に、または、車両外部の電源に接続された充電ケーブル300が車両に接続されたことを検知する場合に、第二蓄電装置190から各制御部へ電力を供給する電力供給線を接続/非接続する第一切替部RY1を制御し、第二蓄電装置190から各制御部へ電力を供給制御するとともに、充電ケーブル300が車両に接続されたことを検知する場合には、第二制御ステップへ制御信号を送信制御する第一制御ステップと、第一制御ステップによる制御により各制御部が給電を受ける場合で、かつ、第一制御ステップから制御信号を受信する場合に、第一蓄電装置150を制御する蓄電制御部171へ、充電ケーブル300から供給される電力を充電制御させる第二制御ステップと、充電ケーブル300の車両への接続状態を示す信号と、第一切替部RY1が電力を供給する状態を示す信号を入力する場合に、第二蓄電装置190から蓄電制御部171へ電力を供給する電力供給線を接続/非接続する第二切替部RY2を制御して、第二蓄電装置190から蓄電制御部171へ電力を供給制御するステップである。
上述した実施形態では、蓄電装置150からシステムメインリレー250を介してDC/DCコンバータ200等の走行系の負荷回路と充電制御部の双方に出力ラインが接続される構成を説明したが、図4のA,Bの符号で示す接点とDC/DCコンバータ200の間にシステムメインリレー250を設けるとともに、接点A,Bと充電制御部171の間に充電用のリレーを設けてもよい。
この場合、PIHV−ECU170が、イグニッションスイッチIGSWがオン操作されたときにシステムメインリレー250をオンして走行系の負荷回路に給電するとともに、充電制御部171へ接続するリレーをオフすることにより、充電制御部171の異常による走行への影響を排除することができる。
さらに、PIHV−ECU170が、イグニッションスイッチIGSWのオフ中に充電ケーブル300が接続され、充電制御を行なうときに、充電制御部171へ接続するリレーをオンするように制御し、充電制御部171に異常が発生すると当該リレーをオフすることにより、蓄電装置150の異常放電等の事故を回避することができる。
上述した実施形態では、いずれも動力分割機構130によりエンジン100の動力を分割して駆動輪160と第一MG110とに伝達可能なシリーズ/パラレル型のハイブリッド車について説明したが、本発明は、その他の形式のハイブリッド車にも適用可能である。
例えば、第一MG110を駆動するためにのみエンジン100を用い、第二MG120のみで車両の駆動力を発生する、所謂シリーズ型のハイブリッド車や、エンジン100で生成した運動エネルギーのうち回生エネルギーのみが電気エネルギーとして回収されるハイブリッド車や、エンジン100を主動力として必要に応じてモータがアシストするモータアシスト型のハイブリッド車等にも、本発明は適用可能である。
さらに、エンジン100を備えずに電力で走行するモータのみを備えた電気自動車や、燃料電池を搭載した車両であっても、さらに蓄電装置を備えている燃料電池車であっても、プラグイン車両であれば本発明を適用することができる。
上述の実施形態は何れも一具体例であり、各部の具体的な回路構成、制御構成は、本発明の作用効果を奏する範囲で適宜変更設計可能である。
1:プラグインハイブリッド車
150:高圧の蓄電装置(第一蓄電装置)
170:システム制御部(PIHV−ECU)
170a:第一制御部(第一のマイクロコンピュータ)
170b:第二制御部(第二のマイクロコンピュータ)
171:蓄電制御部(充電制御部、充電ECU)
171b:電力変換部
180:第一給電系統
181:第二給電系統
184:制御回路
190:低圧の蓄電装置(第二蓄電装置)
300:充電ケーブル
IGSW:システムスイッチ(イグニッションスイッチ)
RY1:第一切替部(第一のリレー)
RY2:第二切替部(第二のリレー)
150:高圧の蓄電装置(第一蓄電装置)
170:システム制御部(PIHV−ECU)
170a:第一制御部(第一のマイクロコンピュータ)
170b:第二制御部(第二のマイクロコンピュータ)
171:蓄電制御部(充電制御部、充電ECU)
171b:電力変換部
180:第一給電系統
181:第二給電系統
184:制御回路
190:低圧の蓄電装置(第二蓄電装置)
300:充電ケーブル
IGSW:システムスイッチ(イグニッションスイッチ)
RY1:第一切替部(第一のリレー)
RY2:第二切替部(第二のリレー)
Claims (5)
- 車両に備わる第一蓄電装置の充電制御を行なう制御装置であって、
外部から起動信号を受信する場合に、または、車両外部の電源に接続された充電ケーブルが車両に接続されたことを検知する場合に、第二蓄電装置から各制御部へ電力を供給する電力供給線を接続/非接続する第一切替部を制御し、第二蓄電装置から各制御部へ電力を供給制御するとともに、充電ケーブルが車両に接続されたことを検知する場合には、第二制御部へ制御信号を送信制御する第一制御部と、
第一制御部による制御により給電を受ける場合で、かつ、制御信号を受信する場合に、第一蓄電装置を制御する蓄電制御部へ、充電ケーブルから供給される電力を充電制御させる第二制御部と、
第二蓄電装置から蓄電制御部へ電力を供給する電力供給線を接続/非接続する第二切替部と、
充電ケーブルの車両への接続状態を示す信号と、第一切替部が電力を供給する状態を示す信号を入力する場合に第二切替部を制御して、第二蓄電装置から蓄電制御部へ電力を供給制御する制御回路と、
を備える制御装置。 - 前記第二制御部は、前記充電ケーブルが車両に接続されていない場合に、前記蓄電制御部へ送信した所定の制御信号に対する応答を検知すると、前記第二切替部が故障していると判断する請求項1記載の制御装置。
- 前記第二制御部は、前記第二切替部が故障していると判断した場合に、前記充電ケーブルから供給される交流電力を直流電力に変換して前記第一蓄電装置へ出力する電力変換部に過電流が流れていることを検知すると前記第一蓄電装置への充電を禁止する請求項2記載の制御装置。
- 前記第二制御部は、さらに、車両の走行を禁止する請求項3記載の制御装置。
- 車両に備わる第一蓄電装置を充電する制御方法であって、
外部から起動信号を受信する場合に、または、車両外部の電源に接続された充電ケーブルが車両に接続されたことを検知する場合に、第二蓄電装置から各制御部へ電力を供給する電力供給線を接続/非接続する第一切替部を制御し、第二蓄電装置から各制御部へ電力を供給制御するとともに、充電ケーブルが車両に接続されたことを検知する場合には、第二制御ステップへ制御信号を送信制御する第一制御ステップと、
第一制御ステップによる制御により各制御部が給電を受ける場合で、かつ、第一制御ステップから制御信号を受信する場合に、第一蓄電装置を制御する蓄電制御部へ、充電ケーブルから供給される電力を充電制御させる第二制御ステップと、
充電ケーブルの車両への接続状態を示す信号と、第一切替部が電力を供給する状態を示す信号を入力する場合に、第二蓄電装置から蓄電制御部へ電力を供給する電力供給線を接続/非接続する第二切替部を制御して、第二蓄電装置から蓄電制御部へ電力を供給制御するステップよりなる制御方法。
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Cited By (2)
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JP2012105476A (ja) * | 2010-11-11 | 2012-05-31 | Suzuki Motor Corp | 車両の制御装置 |
JP2014089534A (ja) * | 2012-10-29 | 2014-05-15 | Fujitsu Ten Ltd | 制御装置および制御システム |
-
2008
- 2008-12-16 JP JP2008319057A patent/JP2010148159A/ja not_active Withdrawn
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