JP2010147720A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、撮影者により常時観察されること無しに定点撮影が長時間行われる際に、太陽光が撮影画面内に直接入射しない撮像装置を提供することである。
【解決手段】 被写体像を光電変換して撮像信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子への入射光量を調整する入射光量調整手段と、前記入射光量調整手段の光学特性変化条件を算出する光学特性変化条件算出手段と、装置の撮影方向を移動させる撮影方向移動手段と、前記光学特性変化条件算出手段から算出された光学特性変化条件に基づいて前記入射光量調整手段が入射光にて光学特性変化しないように前記撮影方向移動手段の制御を行う撮影方向制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、入射光量調整手段又はカラーフィルターを備えた撮像装置に関するものである。
従来、監視システムやビデオカメラ等に使用されているレンズユニットには、被写体輝度を適正値に制御する目的で入射光量調整手段が付帯されている。
この入射光量調整手段は、1つもしくは複数の光量調整羽根を用いて光軸開口径を増減することで光量を調整する構造となっている。
また、一般的には、光量調整羽根のほかに光量調整用光学フィルターが光軸中に挿抜可能な構造で配置されている。
この光量調整用光学フィルターとしては、Neutral Density フィルター(以下、NDフィルターと称す)と呼ばれる減光フィルターが多く使用されている。
NDフィルターは、ニュートラル・グレイからくる呼称で、色に関して中性であり使用の有無によって色相に関して影響を及ぼさないフィルターである。
その使用目的の多くは、光量調整羽根が小絞りとなった場合の制御性の安定度を高めることでハンチングを防止する目的と、さらには小絞り時の光学的回折現象による解像度の低下を防止することを目的として使用される。
また、これら光量調整羽根や光量調整用光学フィルターは、一般的にプラスチック材料で作られていることがほとんどである。
例えば、光量調整羽根は、通常ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)またはポリエチレンナフタレート(以下、PEN)等の材料を黒色に着色したものである。
そして、光量調整羽根は、シート状に成形加工した後で表面につや消し塗装を施し、その後プレス加工等で羽根形状にしている。
また、光量調整用フィルターは、通常トリアセチルセルロース(TAC)材料に有機色素または顔料を混入して光学的フィルター特性を持たせたものである。
又は、光量調整用フィルターは、光量調整羽根と同一材料のPETまたはPENを透明シート状に成形加工した後に、蒸着法にてその表面に無機質膜を形成させ、この無機質膜に光学的フィルター特性を持たせるようにしたものである。
どちらの光量調整用フィルターも、最終的にそれぞれシート形状に成形加工した後に、プレス加工にて必要なフィルター形状に型抜きされている。
しかし、入射光量調整手段がプラスチック材料で作られているレンズユニットでは、強い直射日光が降り注ぐ快晴時などの撮影シーンにおいて、太陽光がレンズ画角内に直接入射した場合に、入射光量調整手段に形状変形や破壊が発生する。
その場合、入射光量調整機能が適切に働かなくなる問題が多く発生するといった問題をかかえている。
ここで、この問題が発生するメカニズムを簡単に示すと、一般的な監視カメラやビデオカメラに使用されているレンズの大半は、前玉レンズの開口径が入射光量調整装置部分の光軸開口径より大きく設計されている。
これは、より多くの光線を集光し、低照度シーン撮影時であっても明るい映像を撮影可能にすることを目的としている。
このため、前玉レンズが受光した光束は、光量調整装置の光軸開口部ではその何倍にもなって集光されることになる。
その結果、明るさを明るくする効果と共に太陽光線に含まれる熱線も同様に集光されることで、入射光量調整手段の温度を上昇させてしまうこととなる。
この現象は、強い直射日光が降り注ぐ快晴時などの撮影シーンにおいて、太陽光がレンズ画角内に直接入射した場合には更に顕著になる。
さらに、入射光量調整手段は、被写体輝度を適正値にするように制御がなされるため、高輝度シーンでは、光量調整羽根が光軸中に挿入され太陽光を遮光するような位置に配置されるため、光束が集光による加熱の対象物となってしまう。
さらに、その温度上昇は、光量調整羽根および光量調整用光学フィルターに形状変形を及ぼしたり、溶解により破壊するほどの高温度にまで達することとなる。
そこで、上記に挙げた問題点を解決するために、例えば、特許文献1では、以下の光量調整装置を提案している。
特許文献1の光量調整装置は、開口面積を調整するプラスチック製光量調整羽根と、この光量調整羽根により形成される開口に対して移動可能に配置されたプラスチック製光量調整用フィルターとを備えている。
そして、光量調整用フィルター材料の熱収縮率を光量調整羽根材料の熱収縮率に対して、100℃以上から210℃以下の温度範囲において熱収縮率の小さい材料を使用することで、光量調整装置の形状変形を少しでも長い時間発生させないようにしている。
特開2003−140226号公報
しかしながら、上記に挙げた改善案のごとく、プラスチック製の光量調整装置を構成する材料の熱収縮率を適正化することで、形状変形が発生するまでの時間をある程度まで長く改善出来たとする。
しかしながら、さらに、入射光量調整手段の形状変形や破壊を発生させる要素としては、前述の集光による温度上昇で達する温度条件のほかに、高温にさらされている時間条件が挙げられる。
この点において、監視カメラでは、ビデオカメラに比べその運用方法の特徴上、問題が発生する可能性が高くなる傾向にある。
例えば、一般的にビデオカメラでは、撮影者自らがカメラを持ち、目標とする被写体に対し意識を持ってレンズを向けて撮影をするといった使用方法がとられている。
一方、監視カメラにおいては、カメラ撮影方向を自在に移動できるパン・チルト機構を具備したものがあり、ビデオカメラのように撮影者自らがカメラを持ち、目標とする被写体にレンズを向けて撮影をするといった運用方法ではない。
監視カメラにおいては、ローカルエリアネットワーク等からの遠隔操作によりカメラから離れた場所から、パン・チルト機構を制御することでレンズ方向を移動して被写体を撮影するといった運用がおこなわれている。
このように、ビデオカメラと監視カメラでは、その撮影運用方法が大きく異なることから、太陽光がレンズ画角内に直接入射するといったシーンの発生頻度もまた大きく異なっている。
ビデオカメラの場合には、故意に太陽を狙うように撮影をおこなわない限り問題が発生することは希である、
仮に誤って撮影をした場合においても、即座に撮影方向を移動し画角から太陽を外すことが出来ることから、高温にさらされている時間も短時間で回避することが出来るので、入射光量調整手段の形状変形や破壊等の問題にはなりにくい。
これに対して、監視カメラの場合には、パン・チルト機構により撮影方向を移動した後は、その場所での定点撮影を長時間行うことが一般的である。
また、撮影中も撮影者は、撮影画面を常時観察していることは希である。
いつ発生するか分からない有事に対する監視目的でのカメラの運用方法としては、撮影画像は一旦ハードディスク(HDD)やテープ等の記録媒体への録画がなされる。
そして、有事の際にはその発生日時の該当シーンまで戻って再生確認を行うといった使用がなされるため、太陽光がレンズ画角内に直接入射していた場合でも、これを撮影者が即座に検出することが出来ない。
従って、監視カメラの場合には、長時間そのまま放置されることとなり、入射光量調整手段の形状変形や破壊等の問題が発生してしまう確率が高くなると考えられている。
本発明は、上記のごとき実情の問題点を解決する為になされたものである。
つまり、監視カメラにおいて、撮影者により常時観察されること無しに定点撮影が長時間行われる際に、太陽光がレンズ画角内に直接入射することが発生した場合でも、入射光量調整手段の形状変形や破壊の問題の発生を防止することができる。
これにより、撮影管理者が不在のために適正露光制御が正しく処理されない問題発生が検出されないまま、不適切な撮影画像が記録媒体に長時間録画されてしまい、有事の際の犯人の姿を捉えるべき証拠記録能力の消失の問題発生を防止できる。
よって、監視カメラに要求される信頼性の高い撮像装置を達成できる。
上記課題を解決するために、第1の本発明は、被写体像を光電変換して撮像信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子への入射光量を調整する入射光量調整手段と、前記入射光量調整手段の光学特性変化条件を算出する光学特性変化条件算出手段と、装置の撮影方向を移動させる撮影方向移動手段と、前記光学特性変化条件算出手段から算出された光学特性変化条件に基づいて前記入射光量調整手段が入射光にて光学特性変化しないように前記撮影方向移動手段の制御を行う撮影方向制御手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の本発明は、被写体像を光電変換して撮像信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子への入射光量を調整する入射光量調整手段と、前記入射光量調整手段の光学特性変化条件を算出する光学特性変化条件算出手段と、装置の撮影倍率を変更させる撮影倍率変更手段と、前記光学特性変化条件算出手段から算出された光学特性変化条件に基づいて前記入射光量調整手段が入射光にて光学特性変化しないように前記撮影倍率変更手段の制御を行う撮影倍率制御手段と、を備えたことを特徴とする。
第3の本発明は、被写体像を光電変換して撮像信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子に入射する波長帯域を制御するカラーフィルターと、前記カラーフィルターの光学特性変化条件を算出する光学特性変化条件算出手段と、装置の撮影方向を移動させる撮影方向移動手段と、前記光学特性変化条件算出手段から算出された光学特性変化条件に基づいて前記カラーフィルターが入射光にて光学特性変化しないように前記撮影方向移動手段の制御を行う撮影方向制御手段と、を備えたことを特徴とする。
第4の本発明は、被写体像を光電変換して撮像信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子に入射する波長帯域を制御するカラーフィルターと、前記カラーフィルターの光学特性変化条件を算出する光学特性変化条件算出手段と、装置の撮影倍率を変更させる撮影倍率変更手段と、前記光学特性変化条件算出手段から算出された光学特性変化条件に基づいて前記入射光量調整手段が入射光にて光学特性変化しないように前記撮影倍率変更手段の制御を行う撮影倍率制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、撮影者により常時観察されること無しに定点撮影が長時間おこなわれる際に、入射光量調整手段、カラーフィルターの光学特性変化が発生する条件検出を撮像装置自らが行える。
本発明によれば、撮影者により常時観察されること無しに定点撮影が長時間おこなわれる際に、太陽光がレンズ画角内に直接入射することが発生しても、問題が発生する条件検出をカメラ自らが行える。
PAN、TILT駆動機構、ズーム変倍機構を制御し回避することで、入射光量調整手段、カラーフィルターの光学特性変化の問題の発生を防止できる。
本発明において、光学特性変化とは、入射光量調整手段、カラーフィルターの形状変形、退色、形状変形や退色から起こる破壊を意味する。
また、本発明によれば、撮影管理者が不在のために適正露光制御が正しく処理されない問題の発生が検出されないまま、不適切な撮影画像が記録媒体に長時間録画されてしまう問題起こらない。
よって、有事の際の犯人の姿を捉えるべき証拠記録能力の消失の問題発生を防止できる。
入射光量調整手段又は/及びカラーフィルターに光学特性変化が発生すると検出された場合の、問題発生回避を行う本発明の実施例1を、図1〜図7を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1の撮像装置(監視カメラ)の機能構成を示すブロック図である。
図2は、撮像装置と被写体状況(太陽)の関係を表わす関係説明図である。
図3〜図5は、問題シーンの発生状況と回避動作を表す動作説明図である。
図6、図7は、問題発生検出と問題回避動作を表わすフローチャートである。
まず、本実施例の機能構成について説明する。
図1の機能構成は大きく分けて、カメラ制御部10、雲台装置20、撮影手段としてのレンズユニット30の3つの機能部から構成されている。
カメラ制御部10は、マイコン11、光学特性変化検出情報記憶手段12、カメラ信号処理13、ビデオエンコーダ14、外部通信手段15、撮像素子16、タイミングジェネレータ17、発生ズーム範囲データ記憶手段18から構成される。
光学特性変化検出情報記憶手段12は、光学特性変化検出情報を記憶する手段である。
光学特性変化情報とは、入射光量調整手段又は/及びカラーフィルターの形状変形、退色、形状変形や退色が大きくなると起こる入射光量調整手段もしくはカラーフィルターの破壊、破損の情報を意味する。
各部の詳細説明をすると、撮像素子16は、レンズユニット30によって撮像面に結像された被写体像を光電変換して撮像信号に変換するCCDセンサー、CMOSセンサー等の撮像素子である。
本実施例のカラーフィルターは、撮像素子に入射する波長帯域を制御する機能を有するものである。
一般的に、撮像素子16のパッケージ内に封しされた構成で実現されている。
シリコンウェハ上に形成された受光素子の一つ一つの上に、光の3原色である赤、緑、青、または、補色のシアン、マゼンダ、イエロー、グリーンのカラーフィルターを直接形成される。
よって、オンチップカラーフィルターと呼ばれ、カラー画像の実現には無くてはならないものである。
しかし、カラーフィルターは、紫外線に対する耐光性が弱いため、太陽光線や蛍光灯などに長時間さらされる事で退色し、本来の色が再現されなくなってしまう問題が発生する。
特に、長時間連続して撮像する監視カメラ等の用途では、その発生頻度は高まるため、耐光性に優れたものが求められている。
カメラ信号処理手段13は、撮像素子16から出力された撮像信号に基づいて、輝度信号及び色信号を生成するとともに、色補正、ガンマ補正の信号処理、エフェクト処理、一連の映像信号処理が行なわれるカメラ信号処理回路である。
タイミングジェネレータ17は、画素読み出しタイミングを生成して、撮像素子16を駆動することで、所定の画像をカメラ処理回路13へ送出させるタイミング生成器である。
外部カメラ制御手段70は、カメラ操作を行う操作オペレータがカメラシステムから離れた場所からカメラ撮影方向の移動やズーム操作のカメラ制御遠隔指示を発行する制御手段である。
例えば、パソコンや専用コントローラで構成されている。
外部通信手段15は、外部カメラ制御手段70からのカメラ制御遠隔指示を、マイコン11に伝達する通信インタフェース手段である。
この外部通信手段15と外部カメラ制御手段70を接続する通信ラインには、RS−232C、RS−485、EtherNET、無線を使用することで、カメラ近傍に操作オペレータが居なくとも遠隔操作によりカメラシステム制御を行うことが出来る。
光学特性変化検出記憶手段12は、主として不揮発性メモリ等を用いて、太陽光による入射光量調整手段の光学特性変化の問題の発生条件を算出するために必要な情報を記憶する手段である。
光学特性変化検出記憶手段12は、太陽の軌道情報や、撮像装置(カメラ)から見た太陽の位置相関データや、カメラ設置環境情報や、光学特性変化発生輝度情報や、太陽の光源色温度情報を格納している。
ここで、位置相関データの取得、算出および保存に関する手順としては、撮像装置(監視カメラ)の設置位置情報と太陽の軌道位置情報に基いて行われる。
マイコン11が太陽光による入射光量調整手段又は/及びカラーフィルターの光学特性変化の問題の発生条件を算出するための光学特性変化条件算出手段に相当する。
これらの基データの取得方法だが、まず、カメラの設置位置情報は、予め、カメラの設置施工時点で確定するカメラの設置された場所の緯度情報、経度情報と設置角度情報を記憶しておくことで取得することが出来る。
もう一方の太陽の軌道位置情報は、時計とカレンダーから求められる日時データと、天文データから取得することが出来る。
この天文データの取得方法としては、予め記録媒体等に記録しておくことで行う方法や、また、外部通信手段15によりインターネット情報を参照することで逐次取得することが出来る。
マイコン11は、カメラ信号処理13、光学特性変化検出情報記憶手段12、外部通信手段15、ズーム範囲データ記憶手段18、及び後で説明する雲台装置20など、カメラシステム全体を構成する各機能の制御をおこなっている。
光学特性変化条件算出手段としてのマイコン11は、撮影方向移動手段としての雲台装置20の制御を行うの撮影方向制御手段に相当する。
カメラシステムは、レンズユニット30及びカメラ制御部10を含む撮像装置(監視カメラ)と雲台装置20から構成される。
また、マイコン11は、操作オペレータがPAN/TILT移動操作を行うことで発生したカメラ撮影方向の移動要求情報を取得し、この要求情報に基づいて、雲台部20を目標位置まで回転させるに必要なモーター制御情報の算出を行う。
そして、算出された情報に基づき、PANモータードライバ23、TILTモータードライバ24を駆動することで雲台の回転制御をおこなっている。
つづいて、雲台部20は、主としてPANモーター21、TILTモーター22、PANモータードライバ23、TILTモータードライバ24から構成されている。
そして、雲台部20は、支持部60を介してカメラ制御部10とレンズユニット30を支持している。
PANモーター21とPANモータードライバ23は、マイコン11からの回転指示に従い、図示していないPAN回転機構を駆動することによりカメラ撮影方向を水平(左右)方向に回転させている。
水平方向の位置情報の取得は、PANモーター21にステッピングモーターを使用し、その駆動パルス数をマイコン11にて積算処理することで、回転位置を相対的に算出している。
同様に、TILTモーター22とTILTモータードライバ24は、マイコン11からの回転指示に従い、図示していないTILT回転機構を駆動することによりカメラ撮影方向を垂直(上下)方向に回転させている。
垂直方向の位置情報の取得は、TILTモーター22にステッピングモーターを使用し、その駆動パルス数をマイコン11にて積算処理することで、回転位置を算出している。
また、例えば、上記水平及び垂直方向の位置情報の取得方法は、ステッピングモーターだけにこだわる事は無く、DCモーター等の任意の駆動手段を使用し、位置情報検出にはエンコーダー等を用いることで取得することも可能である。
本実施例の絞り羽根は、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)またはポリエチレンナフタレート(以下、PEN)等の材料を黒色に着色したものが使用される。
本実施例のNDフィルターは、トリアセチルセルロース(TAC)材料に有機色素または顔料を混入して光学的フィルター特性を持たせたものが使用される。
また、本実施例のNDフィルターは、絞り羽根と同一材料のPETまたはPENを透明シート状に成形加工した後に、蒸着法にてその表面に無機質膜を形成させ、この無機質膜に光学的フィルター特性を持たせるようにしたものでも良い。
入射光量調整手段(絞り機構)33は、絞り羽根、NDフィルターを含む機構である。
レンズユニット30は、レンズユニットの変倍調整を行うズームレンズ光学系32、入射光量を制限する絞り機構33、撮像素子16上に被写体焦点を合わせるためのフォーカスレンズ光学系34を備えている。
また、レンズユニット30は、駆動系として、ズームレンズ光学系32を駆動するズームモーター37、絞り機構33を駆動するIGメータ38、フオーカスレンズ光学系32を駆動するフォーカスモーター39を備えている。
さらに、レンズユニット30は、ズームモーター37、絞りIGメータ38、フォーカスモーター39をそれぞれ駆動するための駆動回路41、42、43を備えている。
さらに、レンズユニット30は、支持部60を介して雲台装置20により支持されている。
また、駆動回路41、42、43は、撮影倍率制御手段としてのマイコン11から直接制御される構成になっている。
撮像装置を所望の撮影画角に移動設定させ、被写体に合わせた適正露光制御とフォーカス合焦制御は、マイコン11から発生した各々のズーム駆動信号、絞り駆動信号、フォーカス駆動信号により駆動制御が行われている。
以上の構成により、入射光量調整手段又は/及びカラーフィルターに形状変形が発生すると検出された場合の、問題発生回避を行う。
次に、図2、図3〜図5用いて、撮像装置(監視カメラ)における問題発生シーンの説明と、本実施例の問題発生検出と問題回避機能の動作説明を行う。
図2は、地球から見た太陽の円軌道と、監視カメラの撮影方向との位置関係を表している。
ここで、図2中に示すように撮像装置(監視カメラ)が空を見上げる様に上方に向むけて、太陽軌道上にパンチルト位置を設定して撮影がなされていた場合を想定する。
カメラ操作者であるオペレータは、撮影画面を確認しながらパンチルト機能を制御し、移動させながら所望の撮影位置に停止させた場合に、その停止位置がカメラ設置位置から見たところの太陽軌道上であることを認識することは困難である。
その場所で定点観測を行ってしまう。
その後、時間が経過していくと設定時には撮影画面内に無かった太陽が、撮影画面内に進入し、その時間も長時間に及ぶため、入射光量を制限する絞り機構33が過熱されることで光学特性変化の問題が発生する。
この状況は、図3に示した監視カメラが撮影している被写体と撮影画面の関係図の通りである。
本実施例では、図3に示す様に、太陽光により監視カメラの絞り機構33に光学特性変化を及ぼす状況に陥る可能性がある場合には、事前にその発生検出を行う。
そして、図4に示すように、監視カメラの撮影倍率を広角側に移動させる制御を行うか、または、図5に示すようにパンチルト停止位置を太陽軌道上を除いた位置に移動停止させる制御をおこない、問題発生を未然に防ぐことを実現する。
本実施例において、入射光量調整手段33の光学特性変化とは、NDフィルター、絞り羽根の光学特性変化を意味する。
続いて、図6の太陽軌道情報による問題発生検出と問題回避動作を表わすフローチャートを用いて、処理の流れを説明する。
まず、ステップA1で、光学特性変化条件算出手段としてのマイコン11は、ズームレンズ光学系32の現在のズーム位置情報Znowを取得する。
続いて、ステップA2において、ズーム範囲データ記憶手段18に予め格納されている太陽が入射光量調整手段33に光学特性変化を及ぼすズーム劣化位置データZ1と、ステップA1で取得された現在のズーム位置情報Znowを比較する。
そして、現在のズーム位置が光学特性変化ズーム位置よりも望遠側に位置する関係、つまり、Znow>Z1の関係となっているかを判断する。
破壊に繋がる光学特性変化発生の関係条件が満足されていない場合には、ステップA1に戻り、現在のズーム位置情報Znowの取得を継続する。
また、一方、破壊に繋がる光学特性変化発生の画角関係条件が満足されていた場合には、続くステップA3に進み、さらに状況判断がおこなわれる。
ステップA3では、監視カメラの現在の撮影方向情報PTnowをPANおよびTILT回転機構の座標情報に基づいて算出する。
続く、ステップA4では、光学特性変化検出条件記憶手段12に記憶されている監視カメラの設置位置情報と太陽軌道位置情報を用いる。
時計とカレンダーから求められる日時データから現在の太陽の位置情報PTsunを監視カメラから見たPANおよびTILTの座標情報として算出する。
続く、ステップA5では、ステップA1〜A4で算出された3つの情報を使用する。
ステップA5では、現在のカメラ情報であるズーム位置情報Znow、カメラ撮影方向情報PTnow、太陽の位置情報PTsunに基づいて、太陽光により、監視カメラの絞り機構に光学特性変化を及ぼす条件を満たすかを判断する。
ここでの条件を満足しない場合には、処理をステップA1に戻し、この間の判定処理を繰り返し継続する。
一方、条件を満足した場合には、続く後処理(ステップA6)へと進み、ユーザーにより予め設定されてある問題発生の回避方法に関する選択条件に従い適切な回避処理を実施することとなる。
この状況が図3に示した様な監視カメラ撮影方向と太陽の位置関係となる。
回避方法の選択判断として、まず、ステップA6では、PANおよびTILT回転機構を移動制御することで問題回避を行う設定がなされていた場合には、続く、ステップA7に進む。
ステップA7では、ズーム位置情報Znow、カメラ撮影方向情報PTnow、太陽の位置情報PTsunに基づき、PANおよびTILT回転機構を制御し、太陽をカメラ撮影画面から外して、問題発生回避を行う。
この状況が図5に示した様なカメラ撮影方向と太陽の位置関係となる。
また、ステップA8で、撮影倍率変更手段としてのズームレンズ光学機構32を制御することで問題回避を行う設定がなされていた場合には、続く、ステップA9に進む。
ここでは、前処理で算出されたズーム位置情報Znowに基づきズームモーター37を制御する。
つまり、太陽が絞り機構33に破壊に繋がる光学特性変化を及ぼすズーム劣化位置Z1、もしくは、これより広角側へズームレンズ光学系32をズームモーター37にて移動することで問題発生を防止することができる。
この状況が図4に示した様なカメラ撮影方向と太陽の位置関係となる。
前述では、図6の太陽軌道情報による問題発生検出を説明してきたが、問題発生検出としては、また、図7に示す撮影被写体輝度と撮影被写体色温度による方法でも検出することも出来る。
光学特性変化条件算出手段としてのマイコン11は、レンズユニット30に入射する入射光から被写体輝度を算出する輝度算出手段に相当する。
光学特性変化条件算出手段としてのマイコン11は、レンズユニット30に入射する入射光から被写体色温度を算出する色温度算出手段に相当する。
一般的に、太陽光は、季節、時間、天候により様々な色温度を示すことがあるが、その中でも、入射光量調整手段の光学特性変化を発生させる際の太陽光は、快晴時で日中の時刻の照射光にある程度絞り込むことができる。
その他の朝焼けや日没前、曇り空や雨天時の照射光では、入射光量調整手段が破壊に繋がる光学特性変化を起こすまでの温度上昇を及ぼすことは無い。
光学特性変化検出条件として、太陽(光源)の輝度情報と併せて更に色温度情報を含めることで、検出精度を向上させることが出来る。
この動作を図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップB1で、マイコン11は、カメラ信号処理13から撮影被写体輝度情報Ynowを取得する。
続く、ステップB2では、光学特性変化検出条件記憶手段12から取得した形状変形発生輝度Y1と現在の輝度Ynowを比較する。
そして、光学特性変化が発生するY1<Ynowが成り立つと判断された場合には、次に、ステップB3において、カメラ信号処理13から撮影被写体の光源の色温度情報WBnowを取得する。
続く、ステップB4では、光学特性変化検出条件記憶手段12から光学特性変化を発生する太陽の色温度情報WBsunを取得し、前処理で取得した現在の被写体色温度情報WBnowと比較することで、色温度情報から光学特性変化発生条件を判定する。
このように、輝度情報と色温度情報から光学特性変化が発生すると検出された場合には、これより先の処理は、前述の太陽軌道情報による判定処置中のステップA6以降と同じ処理がなされることで、問題発生を防止することができる。
本実施例2では、図7のように、輝度情報から光学特性変化発生条件を判定する方法(ステップB1、B2)及び被写体色温度情報から光学特性変化発生条件を判定する方法(ステップB3、B4)の両方を行った。
本発明では、光学特性変化発生条件を被写体輝度情報のみから判定する方法(ステップB1、B2)であっても良い。
また、本発明では、光学特性変化発生条件を被写体色温度情報のみから判定する方法(ステップB3、B4)であっても良い。
また、本発明では、光学特性変化発生条件を実施例1、2の撮影方向移動手段の位置情報及び撮像装置の設置位置情報及び太陽の軌道情報及び被写体輝度情報及び被写体色温度情報の全てを用いて算出しても良い。
もちろん、本発明では、光学特性変化発生条件を実施例1、2の撮影方向移動手段の位置情報及び撮像装置の設置位置情報及び太陽の軌道情報及び被写体輝度情報及び被写体色温度情報の5つの情報のうち適宜を組合せて算出しても良い。
以上に述べた処理により、太陽光により監視カメラの絞り機構33に破壊に繋がる光学特性変化を及ぼす状況に陥ると検出された場合には、パンチルト停止位置を太陽軌道上を除いた位置に移動停止させる制御を行う。
または、太陽光により監視カメラの絞り機構33に破壊に繋がる光学特性変化を及ぼす状況に陥ると検出された場合には、監視カメラの撮影倍率を広角側に移動させる制御を行うことで、問題発生を未然に防ぐことができる。
また、本実施例では、カメラ撮影方向の移動操作時点では、太陽が監視カメラの撮影画面内に無かった状態で放置し、その後、時間経過とともに太陽が軌道上を移動し、撮影画面内に進入してきた場合を示した。
しかし、操作オペレータによるカメラ撮影方向の移動操作時点で、撮影画面内に太陽が入る位置に移動させようとした場合を想定する。
撮影画面内に太陽が入るという問題が発生すると算出されたパンチルト禁止範囲とズーム画角範囲には、操作オペレータの操作であっても移動させないといった操作制限の制御を行う。
操作制限の制御を行うことで、一瞬の太陽撮影も制限して問題発生に繋がる要素を無くすことが出来る。
図6、図7では、太陽光により監視カメラの入射光量調整手段(絞り機構)33に破壊に繋がる形状変形を及ぼす状況に陥ると検出された場合の解決方法をフローチャートで示した。
図6、図7のフローチャートは、太陽光により監視カメラの撮像素子16の手前設けられるカラーフィルターに破壊に繋がる光学特性変化を及ぼす状況に陥ると検出された場合の解決方法としても適用できる。
次に、本発明の実施例2は、監視カメラの入射光量調整手段又は/及びカラーフィルターに光学特性変化が発生した場合の、問題発生の自動検出とシステム管理者への通知を行う実施例である。
本発明の実施例2を図1と図8を用いて説明する。
図1は、実施例2の撮像装置(監視カメラ)の機能構成を示すブロック図を兼ねる。
図8は、問題発生の自動検出と管理者への通知動作を表わすフローチャートである。
まず、本実施例2の機能構成について説明する。
本実施例の機能構成としては、前述の実施例1にて説明した図1の機能構成に対して、カメラ異常発生時にシステム管理者へこの旨を通知する手段として音声出力手段71が追加された以外は、同じ機能構成で実現できる。
次に、図8の動作フローチャートを用いて、本実施例の問題発生の自動検出と操作者への通知動作機能の動作説明を行う。
まず、ステップC1において、入射光量調整手段又は/及びカラーフィルターの制御による撮影被写体の適正露光制御の状況を現在の露光値YSnowとして取得する。
続く、ステップC2では、目標とする露光値YSrefと前取得のYSnowを比較することで、現在の適正露光制御が正常におこなわれているかを判断する。
ここで、適正露光状態でない状況が発生した場合の説明を以下に行う。
続く、ステップC3において、不適正露光状態が継続して発生しているか、または一時的な輝度変化による一過性の不適正露光状態となったのかを判別する目的で、不適正露光カウンタのカウントによりフィルタリング処理を行う。
続く、ステップC4では、入射光量調整手段、カラーフィルターの光学特性変化が発生したことによる連続的な不適正露光状態なのか、または、入射光量調整手段、カラーフィルターに異常は無いが一過性の不適正露光状態なのかを切り分ける。
そのために、連続的でかつ長期的な異常状態かを故障判定閾値をもって判別する。
ステップC4において、異常状態であると判定された場合は、続く、ステップC5に進む。
ステップC5では、監視カメラの異常発生状況をシステム管理者への通知するかの設定確認を行い、通知有効設定であった場合には、ステップC6に進む。
ステップC6では、外部通信手段15を介してローカルエリアネットワークやRS232C、RS485で実現される通信ラインにより、システム管理者が操作する外部カメラ制御手段70へ警告音声と警告画面にて監視カメラの異常発生を通知する。
これにより、操作オペレータが常に監視するとは限らない24時間常時監視システムにおいても、問題解決への迅速な対応が可能になり、異常が発生したままこれを検出できずにそのまま長時間放置されてしまう問題発生を防止できる。
つまり、本実施例では、不適切な画像が録画され続けてしまうといった問題発生を未然に防止する機能を備えることで、監視カメラに要求される高い機能保障、信頼性を実現することができる。
本発明の実施例1の撮像装置の概要構成図およびブロック図である 本発明の実施例1の撮像装置と被写体状況の関係を表わす関係説明図である 本発明の実施例1の撮像装置の問題シーンの発生状況と回避動作を表す動作説明図である 本発明の実施例1の撮像装置の問題シーンの発生状況と回避動作を表す動作説明図である 本発明の実施例1の撮像装置の問題シーンの発生状況と回避動作を表す動作説明図である 本発明の実施例1の問題発生検出と問題回避動作を表わすフローチャートである 本発明の実施例1の問題発生検出と問題回避動作を表わすフローチャートである 本発明の実施例2の問題発生の自動検出と管理者への通知動作を表わすフローチャートである
符号の説明
10 カメラ制御部
11 マイコン
12 光学特性変化検出条件記憶手段
13 カメラ信号処理手段
14 ビデオエンコーダ
15 外部通信手段
16 撮像素子
17 タイミングジェネレータ
18 ズーム範囲データ記憶手段
20 雲台装置
21 PANモーター
22 TILTモーター
23 PANモータードライバ
24 TILTモータードライバ
30 レンズユニット
32 ズームレンズ光学系
37 ズームモーター
38 IGメーター
39 フォーカスモーター
41 ズームモーター駆動回路
42 IGメーター駆動回路
43 フォーカスモーター駆動回路
60 雲台支持部
70 外部カメラ制御手段
71 音声出力手段

Claims (10)

  1. 被写体像を光電変換して撮像信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子への入射光量を調整する入射光量調整手段と、前記入射光量調整手段の光学特性変化条件を算出する光学特性変化条件算出手段と、装置の撮影方向を移動させる撮影方向移動手段と、前記光学特性変化条件算出手段から算出された光学特性変化条件に基づいて前記入射光量調整手段が入射光にて光学特性変化しないように前記撮影方向移動手段の制御を行う撮影方向制御手段と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 被写体像を光電変換して撮像信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子への入射光量を調整する入射光量調整手段と、前記入射光量調整手段の光学特性変化条件を算出する光学特性変化条件算出手段と、装置の撮影倍率を変更させる撮影倍率変更手段と、前記光学特性変化条件算出手段から算出された光学特性変化条件に基づいて前記入射光量調整手段が入射光にて光学特性変化しないように前記撮影倍率変更手段の制御を行う撮影倍率制御手段と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
  3. 前記光学特性変化条件算出手段が算出する光学特性変化条件は、前記撮影方向移動手段の位置情報及び前記撮像装置の設置位置情報及び太陽の軌道情報に基づいて算出される請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記撮像素子に入射する入射光から被写体輝度を算出する輝度算出手段と、を備え、前記光学特性変化条件算出手段が算出する光学特性変化条件は、前記輝度算出手段により算出される被写体輝度情報に基づいて算出される請求項1又は2に記載の請求項撮像装置。
  5. 前記撮像素子に入射する入射光から被写体色温度を算出する色温度算出手段と、を備え、前記光学特性変化条件算出手段が算出する光学特性変化条件は、前記色温度算出手段により算出される被写体色温度情報に基づいて算出される請求項1又は2に記載の撮像装置。
  6. 被写体像を光電変換して撮像信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子に入射する波長帯域を制御するカラーフィルターと、前記カラーフィルターの光学特性変化条件を算出する光学特性変化条件算出手段と、装置の撮影方向を移動させる撮影方向移動手段と、前記光学特性変化条件算出手段から算出された光学特性変化条件に基づいて前記カラーフィルターが入射光にて光学特性変化しないように前記撮影方向移動手段の制御を行う撮影方向制御手段と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
  7. 被写体像を光電変換して撮像信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子に入射する波長帯域を制御するカラーフィルターと、前記カラーフィルターの光学特性変化条件を算出する光学特性変化条件算出手段と、装置の撮影倍率を変更させる撮影倍率変更手段と、前記光学特性変化条件算出手段から算出された光学特性変化条件に基づいて前記カラーフィルターが入射光にて光学特性変化しないように前記撮影倍率変更手段の制御を行う撮影倍率制御手段と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
  8. 前記光学特性変化条件算出手段が算出する光学特性変化条件は、前記撮影方向移動手段の位置情報及び前記撮像装置の設置位置情報及び太陽の軌道情報に基づいて算出される請求項6又は7に記載の撮像装置。
  9. 前記撮像素子に入射する入射光から被写体輝度を算出する輝度算出手段と、を備え、前記光学特性変化条件算出手段が算出する光学特性変化条件は、前記輝度算出手段により算出される被写体輝度情報に基づいて算出される請求項6又は7に記載の請求項撮像装置。
  10. 前記撮像素子に入射する入射光から被写体色温度を算出する色温度算出手段と、を備え、前記光学特性変化条件算出手段が算出する光学特性変化条件は、前記色温度算出手段により算出される被写体色温度情報に基づいて算出される請求項6又は7に記載の撮像装置。
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