JP2007142924A - ネットワークカメラ、カメラ装置およびカメラ保護方法 - Google Patents

ネットワークカメラ、カメラ装置およびカメラ保護方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、特別の装備が不要で、光量を高精度で検知でき、直射日光を代表とする強い日光によるカメラモジュールへの直接的なダメージをいち早く避けることができるネットワークカメラ、カメラ装置およびカメラ保護方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、対物レンズと、対物レンズを透過した光を受光する受光セルが設けられた撮像部13aと、撮像部13aからの出力信号をデータ化する画像データ生成部14とを備えたカメラ装置であって、撮像部13aからの出力信号を基に得られる輝度によって対物レンズが受光する光量を測定する光量判定手段14cと、カメラモジュール保護動作を行うレンズ駆動部15と、輝度を対物レンズが受光する光量の許容値と対応した閾値と比較し、閾値以上の輝度の場合にレンズ駆動部15にカメラモジュール保護動作をさせる動作要求判定手段17aが設けられたことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、強い日光に対して対物レンズ背後のカメラモジュールを保護することができるカメラ装置と、そのカメラ部を搭載して録画した画像を配信できるネットワークカメラに関する。
最近、多数の通信端末からIPネットワークを介してアクセスすると、画像を配信する画像配信装置、中でもカメラ部を搭載したネットワークカメラが広く普及してきている。ネットワークカメラは、例えばプロトコルHTTPで、WebサーバがIPネットワークを介して通信端末のWebブラウザと通信し、撮影した画像、場合によってはマイクとスピーカを使って音声も各通信端末に送信するものである。
ところで、ネットワークカメラを設置するとき、直射日光は勿論、少なくとも窓際などで晴天下の日光が直接当る場所に設置するのはできるだけ避けなければならない。なお、以下このような日光を、直射日光を代表とする強い日光、若しくは強い日光という。このような日光を避けなければならない第1の直接的な理由は、強い日光を浴びたとき、カメラモジュール、代表的には対物レンズ背後の撮像デバイスがこの光でダメージを受けるし、間接的な理由としては、カメラの周囲温度やカメラ本体が温度上昇し、これによって対物レンズや撮像デバイス等が熱変形し、2次的なピントずれを起こしたりするためである。このほか、ネットワークカメラは通常のカメラと異なり、風雨、塵埃等にも耐えなければならない。
このような温度上昇によるカメラへの影響を排除するために、温度センサを設けて温度を検知し、前面カバーを閉じるカメラが提案されている(特許文献1参照)。これによって、日光を浴びたことによる温度上昇で、カメラ本体、対物レンズ等が暖まって変形し、ピントずれが起こったり、太陽電池や二次電池の安全性が低下したり、光線漏れによるフィルムの露光などが防止できる。
しかし、特許文献1のカメラが日光を浴びて問題が生じるといっても、カメラモジュールに不可逆的なダメージを与えるほどの直接的なものではなく、温度上昇で間接的に本体が変形し、ピントがずれ、電池が劣化し、変形で漏れた光によってフィルムが露光するなどの不具合にすぎない。これはカメラを誰も日光へは向けないからである。
これに対し、ネットワークカメラの使用環境はかなり苛酷である。この装置の性質上、遠隔操作がほとんどで、遠隔地から太陽の位置まで考えて操作するのは難しい。また、通常、直射日光を避けて設置するように強く指示されているが、室外に野晒しの状態で設置されることも多い。例えば、スキー場、海水浴場、屋外駐車場等の日差しの強い環境に野晒しの状態で設置される。このような場合、温度の上昇による間接的な影響は勿論のこと、直射日光を代表とする強い日光そのものによるカメラモジュールに対する直接的なダメージが発生する。
特開平7−175128号公報
以上説明したように、特許文献1のカメラは、温度上昇によるカメラ本体や対物レンズの変形、電池の劣化、フィルムの露光などを避けるものである。そして、直接日光へカメラを向けることはない。偶然太陽の方向へカメラを向けることはあっても、瞬時に方向は
修正される。
しかし、ネットワークカメラは、遠隔操作のため太陽の位置が分り辛く、太陽の方向へカメラを向ける可能性が高い。しかも、日差しの強い海水浴場や駐車場に設置されたり、環境温度は低くても直射日光の強い冬のスキー場に設置されたりする。このとき、強い日光そのものによるカメラモジュールへの直接的なダメージが発生する。
ネットワークカメラは、十分耐久性を持つように設計されているが、使用方法と使用環境によっては直射日光等の強い日光のため、カメラモジュール自体がダメージを受けることが発生する。
例えば、ネットワークカメラの撮像部であるCCDやCMOS撮像素子の受光セルには色フィルタ(Red/Blue/Green)が貼り付けてあるが、直射日光を受けると変質(変色)し、色再現性が悪くなる。さらに、CCDやCMOS撮像素子の制御線が損傷を受け、画像に線が入って表示されるようなことも発生する。
また、ネットワークカメラの対物レンズの光軸から少しずれて直射日光が入射されたときには、撮像素子を支える鏡筒面にフォーカスされるというようなことも発生する。これはネットワークカメラが遠隔操作で方向を自在に変更でき、太陽も時刻によって位置を変化させることが原因である。鏡筒上で焦点を結ぶような状態が続くと、対物レンズを支えている鏡筒が局部的に不可逆的に変形し、画像も魚眼レンズで撮像したように歪み、焦点が合わなくなったりする。
そして、特許文献1のカメラのように、温度上昇を検知するために温度センサを設けるのはコストがかかる上に、直射日光を代表とする日光を直接検知するものではない。しかも、サーミスタ等の温度センサを使用した場合には検知精度がよくないために、カメラモジュールの保護が遅れ、ネットワークカメラの機能を損なってしまう。さらに、これらの問題はネットワークカメラに限られるものではなく、監視カメラやその他遠隔操作するカメラ装置でも同様である。
そこで本発明は、特別の装備が不要で、光量を高精度で検知でき、強い日光によるカメラモジュールへの直接的なダメージをいち早く避けることができるカメラ装置とネットワークカメラを提供することを目的とする。
このような問題を解決するために本発明は、対物レンズと、対物レンズを透過した光を受光する受光セルが設けられた撮像部と、撮像部からの出力信号をデータ化する画像データ生成部とを備えたカメラ装置であって、撮像部からの出力信号を基に得られる輝度によって対物レンズが受光する光量を測定する光量判定手段と、カメラモジュール保護動作を行うカメラモジュール保護動作手段と、輝度を対物レンズが受光する光量の許容値と対応した閾値と比較し、閾値以上の輝度の場合にカメラモジュール保護動作手段にカメラモジュール保護動作をさせる動作要求判定手段が設けられたことを特徴とする。
本発明のカメラ装置とネットワークカメラによれば、特別の装備が不要で、光量を高精度で検知でき、強い日光によるカメラモジュールへの直接的なダメージをいち早く避けることができる。
上記課題を解決するために本発明の第1の発明は、対物レンズと、対物レンズを透過し
た光を受光する受光セルが設けられた撮像部と、撮像部からの出力信号をデータ化する画像データ生成部とを備えたカメラ装置であって、撮像部からの出力信号を基に得られる輝度によって対物レンズが受光する光量を測定する光量判定手段と、カメラモジュール保護動作を行うカメラモジュール保護動作手段と、輝度を対物レンズが受光する光量の許容値と対応した閾値と比較し、閾値以上の輝度の場合にカメラモジュール保護動作手段にカメラモジュール保護動作をさせる動作要求判定手段が設けられたことを特徴とするカメラ装置であり、撮像部の出力の輝度によって判断するのでセンサ等の特別の装備が不要になり、光量を高精度で検知でき、直射日光を代表とする強い日光によるカメラモジュールへの直接的なダメージをいち早く避けることができる。
本発明の第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、カメラモジュール保護動作手段が、受光セル側の撮像部周辺を日光から保護するレンズ保護動作を行うことを特徴とするカメラ装置であり、直射日光を代表とする強い日光による撮像部周辺への直接的なダメージをいち早く避けることができる。
本発明の第3の発明は、第1または2の発明に従属する発明であって、輝度が、撮像部からの出力を基に重み付けして算出することを特徴とするカメラ装置であり、光量を高精度で検知でき、直射日光を代表とする強い日光によるカメラモジュールへの直接的なダメージをいち早く避けることができる。
本発明の第4の発明は、第2の発明に従属する発明であって、カメラモジュール保護動作手段によるレンズ保護動作が、対物レンズを本体内に移動して表面を覆う動作、または対物レンズカバーをスライドさせて対物レンズを覆う動作のいずれか一方であることを特徴とするカメラ装置であり、簡単な構成で、直射日光を代表とする強い日光によるカメラモジュールへの直接的なダメージをいち早く避けることができる。
本発明の第5の発明は、対物レンズと、対物レンズを透過した光を受光する受光セルが設けられた撮像部と、撮像部からの出力信号をデータ化する画像データ生成部とを、ネットワークに接続されたとき、録画した画像を送信できるネットワークカメラであって、撮像部からの出力信号を基に得られる輝度によって対物レンズが受光する光量を測定する光量判定手段と、カメラモジュール保護動作を行うカメラモジュール保護動作手段と、輝度を対物レンズが受光する光量の許容値と対応した閾値と比較し、閾値以上の輝度の場合にカメラモジュール保護動作手段にカメラモジュール保護動作をさせる動作要求判定手段が設けられたことを特徴とするネットワークカメラであり、撮像部の出力の輝度によって判断するのでセンサ等の特別の装備が不要になり、光量を高精度で検知でき、直射日光を代表とする強い日光によるカメラモジュールへの直接的なダメージをいち早く避けることができる。
本発明の第6の発明は、第5の発明に従属する発明であって、カメラモジュール保護動作手段が、受光セル側の撮像部周辺を日光から保護するレンズ保護動作を行うことを特徴とするネットワークカメラであり、直射日光を代表とする強い日光による撮像部周辺への直接的なダメージをいち早く避けることができる。
本発明の第7の発明は、第5または6の発明に従属する発明であって、輝度が、撮像部からの出力信号を基に重み付けして算出されることを特徴とするネットワークカメラであり、光量を高精度で検知でき、直射日光を代表とする強い日光によるカメラモジュールへの直接的なダメージをいち早く避けることができる。
本発明の第8の発明は、第6の発明に従属する発明であって、カメラモジュール保護動作手段によるレンズ保護動作が、対物レンズを本体内に移動して表面を覆う動作、または
対物レンズカバーをスライドさせて対物レンズを覆う動作のいずれか一方であることを特徴とするネットワークカメラであり、簡単な構成で、直射日光を代表とする強い日光によるカメラモジュールへの直接的なダメージをいち早く避けることができる。
本発明の第9の発明は、第5〜8のいずれかの発明に従属する発明であって、動作要求判定手段が、カメラモジュール保護動作時にカメラモジュール保護中である旨の通知を動作通知画面/メール生成手段によって送信することを特徴とするネットワークカメラであり、ユーザにカメラモジュール保護動作を行っている旨を通知することができ、ネットワークカメラの置かれている状態を直ちに報知することができる。
(実施例1)
本発明の実施例1におけるカメラ装置、とくにネットワークカメラについて説明する。そして、実施例1のカメラモジュール保護動作手段によるカメラモジュール保護は、カメラ装置をチルトさせることによって行うものである。なお、カメラ装置はネットワークカメラのほかに、監視カメラ等の遠隔操作するようなカメラで、強い日光を浴びる可能性のあるカメラを含む。
図1は本発明の実施例1におけるネットワークカメラのシステム構成図、図2(a)は本発明の実施例1におけるネットワークカメラの正面図、図2(b)は(a)のネットワークカメラの側面図、図3は本発明の実施例1におけるネットワークカメラの構成図、図4(a)は本発明の実施例1におけるカメラモジュールの保護前の状態とインジケータの拡大図、図4(b)は(a)のカメラモジュールの保護時の状態とインジケータの拡大図、図5は本発明の実施例1におけるネットワークカメラの光量測定の説明図、図6は本発明の実施例1におけるネットワークカメラのカメラモジュール保護のフローチャートである。
図1、図2(a)(b)において、1はインターネットやイントラネット等のTCP/UDP、IPで通信するIPネットワーク、2はカメラ部13(後述)で撮影した画像情報を録画して配信するネットワークカメラ(本発明のカメラ装置)、2aはネットワークカメラ本体、3はIPネットワーク1を介してネットワークカメラ2にアクセスすることができる通信端末である。
4はネットワークカメラのレンズ(本発明の対物レンズ)、4aは膨出カバー、5は膨出カバー4a内に設けられレンズ4を搭載してネットワークカメラ本体2aに回転可能に支持されてパン(水平方向)、チルト(垂直方向)を変更する球状曲面のパンチルト変更部である。
6はプライバシーモードを選択したときにネットワークカメラ2を撮像不可にするプライバシーモードスイッチであり、6aはレンズを日光から保護中であるか否かまたはプライバシーモードで目隠し状態にあるか否かを示すレンズ状態のインジケータである。7はパワースイッチである。
プライバシーモードは、プライバシーモードスイッチ6を手動で操作するか、IPネットワーク1からネットワークカメラ2を操作することによって、パンチルト変更部5をチルト方向に回転させ、レンズ4の視野を覆って画像の非公開状態にすることができる。このときインジケータ6aはカメラの動作中を示す青色の点灯状態から赤色の点灯状態に変化する。
同様に実施例1においては、直射日光を代表とする強い日光を受け、レンズ4を透過し
た撮像素子等の受光セルの受光量が所定の光量を越えた場合に、自動的にパンチルト変更部5をチルト方向に回転させて(レンズ保護動作)、レンズ4をネットワークカメラ本体2a内に隠す。そして、レンズ4背後の撮像部13a周辺が保護状態にあることを表示するために、インジケータ6aの青色を消し赤色を点灯する。なお、実施例1においては、カメラモジュール保護とプライバシー保護はいずれもレンズ4を覆うため、同一のインジケータ6aで保護状態を表示するが、それぞれ別のインジケータで表示するのでもよい。
続いて、図3に基づいてネットワークカメラ2の内部構成について説明する。図3において、11はネットワークカメラ2のIPネットワーク1との間のネットワークインターフェース(I/F)、12はWEBサーバであり、通信端末3のWebブラウザからの要求を受信し、ネットワークカメラ2で録画した画像情報を送信する。なお、プロトコルがHTTP以外の、例えばFTP、RTP等による場合はWEBサーバ12に代えて、これらのプロトコルで通信するサーバが搭載される。
13はレンズ4を搭載して受光した光を光電変換するカメラ部、13aはレンズ4を透過した光を受光するCCDあるいはCMOS撮像素子等(本発明の受光セル)の撮像部である。14は撮像部23からの出力信号であるR,G,B信号または補色信号を処理して、輝度信号Yと色差信号Cr,Cb信号を発生し、これらの信号をJPEG形式、MPEG形式等に圧縮する画像データ生成部である。
14aは画像データ生成部14に設けられ、撮像部13aからの出力信号であるR,G,B信号または補色信号を基に、演算で輝度信号Yと色差信号Cr,Cb信号を発生する画像信号処理手段である。画像信号処理手段14aでは、輪郭補正、γ補正処理等も行われる。14bは画像信号処理手段14aからの出力信号を所定のタイミングでキャプチャーし、これらの信号をJPEG形式、MPEG形式等に圧縮する画像信号圧縮手段、14cは画像信号処理手段14aで生成した輝度信号Yを基に1つの輝度を計算しこれと対応関係にある撮像部13aが受光した光量を測定する光量判定手段である。
なお、実施例1においては、光量判定手段14cは画像データ生成部14に設けられ、画像信号処理手段14aの出力である輝度信号Yを基に輝度を計算し光量を測定しているが、カメラ部13でR,G,B信号または補色信号とは別に輝度(スカラー値)を算出し、このデータが画像データ生成部14に送られる場合もあり、この場合、この輝度を基に撮像部13aで受光した光量を測定することもできる。この輝度を用いる場合、光量判定手段14cはカメラ部13に設けてもよい。
画像信号圧縮手段14bは代表的にはDCT処理したものを量子化し、符号化して出力する。15は撮像部13aに対するパン、チルト方向の回転をさせるための駆動信号を出力するレンズ駆動部であり、ズーム等の制御も行う。なお、実施例1のレンズ駆動部15は、パンチルト変更部5をチルトさせることによってカメラモジュール(レンズ)保護動作を行うもので、本発明におけるカメラモジュール保護動作手段である。
16はカメラ制御用のマイクロプロセッサにプログラムを読み込んでレンズ駆動部15を制御するカメラ制御部であり、17はCPUにプログラムを読み込んで各機能を奏する制御部、17aは光量判定手段14cの測定結果に基づいてカメラモジュール保護の要否を判断し、カメラモジュール保護動作を行う動作要求判定手段である。制御部17、動作要求判定手段17aは機能実現手段として構成される。
18は制御プログラムや各種データをメモリする内蔵の記憶部である。18aは受光した光量が所定の許容値を越えたか否かを判定するため、この許容値と対応した輝度の閾値を収めた光量閾値記憶手段である。18bは画像信号圧縮手段15からの出力をバッファ
する画像記憶手段、18cはカメラモジュール保護中である旨を通信端末3に通知しあるいは表示させるためのHTML等の表示情報を格納したWEB/メール情報記憶手段である。
19はインジケータ6aを青色または赤色に点灯させるためにLEDを選択して点灯させるLED処理手段、19aはLED処理手段19からの出力で青色または赤色に点灯するLED処理部である。LED処理手段19からの出力で青色または赤色に点灯したときは、記憶部内にその旨のフラグがセットされる。なお、プライバシーモードスイッチ6を手動で操作したり、IPネットワーク1から操作したりすることによって、ネットワークカメラ2を非公開状態にしたときも、LED処理手段19はLED処理部19aを青色から赤色に変化させる。このとき青色のフラグがOFFにされ、赤色のフラグがONとなる。
次に、20は表示情報/メール生成部であって、図1に示す通信端末3にHTTPでHTML等の表示情報を送信したり、SMTPでこれをメールで通知したりする。20aは表示情報/メール生成部20に設けられ、輝度が所定の閾値を越えたとき、通信端末3にレンズ動作通知画面の表示情報を送信したり、SMTPでレンズ動作通知メールを送信したりするレンズ動作通知画面/メール生成手段である。
そこで、ネットワークカメラ2における直射日光を代表とする強い日光からのカメラモジュール保護動作について説明する。日光がレンズ4に照射されたとき、直射日光下の照度は100000lx程度であり、雷雲、降雪中では2000lx程度である。このとき、CCDあるいはCMOS撮像素子等の撮像部13aが浴びる光束の輝度は、その反射率が0.1程度と仮定した場合、雷雲、降雪中では60cd/m2程度、直射日光下では、3000cd/m2程度となる。そして、この撮像部13aの受光セル表面の輝度は、撮像部13aからの出力信号を演算処理した輝度信号Yと一義的な対応関係にある。なお、撮像部13aの輝度はデバイスによっても異なる。
光量判定手段14cは画像信号処理手段14aが出力する輝度信号Yを基に光量と対応する輝度を測定する。例えば、輝度信号Yから受光セル全体が受光した光量と対応した1つの輝度を計算し、これを8ビットで表し、最小の0から最大の255までの256段階のレベルのいずれかに対応付ける。これはレンズ4や撮像部13aの受光セル表面に照射される光量と比例するものである。
動作要求判定手段17aは、光量判定手段14cが測定した256レベルのいずれかのレベルの輝度と光量閾値記憶手段18aに格納された閾値Kとの比較を行う。例えば、カメラモジュールを保護する必要のある直射日光は、256レベルのうち、一例として250以上とすれば十分であり、また直射日光に近い強い日光は一例として240以上などとすればよい。この閾値Kと比較することによって、レンズ4や撮像部13aに照射される光量が許容値内か否か(直射日光に代表される強い日光を浴びているか否か)を判定する。なお、8ビットでなく、精度は悪くなるが、4ビット等のレベルで判断するのでもよい。
この閾値Kとして、例えばK=240が光量閾値記憶手段18aに設定してあれば、動作要求判定手段17aは光量閾値記憶手段18aから閾値Kを読み出し、輝度信号Yと比較して、カメラモジュール保護動作が必要か否かを判断する。
Y≧240の場合には、レンズ4が直射日光を受けているか、あるいは窓際付近でレンズ4が太陽の方向を向いていると判断し、カメラモジュール保護動作を開始する。また、Y<240と判断された場合は、光量は問題ないから通常通り画像を録画する。なお、プ
ライバシーモードのときにもY<1となるが、このときカメラモジュール保護中である旨の通知は行わない。
ところで、受光する光量はCCDあるいはCMOS撮像素子等の受光セル面の各領域でそれぞれ異なる。そこで、実施例1においては、輝度、すなわち一定時間当りの輝度信号の平均値を図5のような6つの領域(ブロック)に分割して重み付けすることで計算している。図5において、デバイス中央のブロック6から出力される輝度信号の重み付けを最も高くし、その周囲のブロック5の重み付けを次に高くする。さらに、このブロック5の外側で領域全体との間の領域を4つに分割し、4つのL字状のブロック、ブロック1〜ブロック4とし、重み付けをブロック3,4の方(下方側)がブロック1,2より高くなるように設定する。これは太陽の位置を考慮したものである。従って、各ブロックの重み付けをw1〜w6としたときは、w6>w5>w3,4>w1,2の順になる。なお、w1+w2+w3+w4+w5+w6=1である。
そして、各ブロックの輝度(平均値)をs1〜s6とすると、全体を表す輝度S(平均値)は、S=s1×w1+s2×w2+s3×w3+s4×w4+s5×w5+s6×w6で得られる。なお、この領域の分割方法は実装(各デバイス)次第であり、様々の分割方法がある。本発明が輝度S算出のために上記分割方法に限られないことはいうまでもない。なお、上述したように、画像信号処理手段14aが出力する輝度信号Yではなく、カメラ部13から算出される輝度(スカラー値)をそのまま輝度Sとして使ってもよい。
動作要求判定手段17aは、光量判定手段14cの測定結果を受けると、カメラモジュール保護の要否を判定し、図4(a)の左図に示すように、まずレンズ駆動部15に対してパンチルト変更部5をチルト方向(実施例1では上方)に回転させる。これにより、レンズ4は膨出カバー4a内に移動し、視野が膨出カバー4aで隠され、日光が遮られて図4(b)の左図に示す状態となり、直射日光を代表とする強い日光からのカメラモジュール保護が可能になる。
これにより、実施例1の撮像部13aの受光セルには色フィルタ(Red/Blue/Green)が貼り付けてあるが、パンチルト変更部5を上方に回転させて日光を遮るため、色フィルタが直射日光で変質(変色)したりせず、色再現性が悪くなるようなことが起こらない。さらに、撮像部13aの制御線が日光で溶融などのダメージ(損傷)を受け、画像に線が入って表示されるようなこともない。
また、ネットワークカメラの対物レンズの光軸から少しずれて直射日光が入射されたときにも、パンチルト変更部5を上方に回転させて日光を遮るので、撮像素子を支える鏡筒面にフォーカスされるようなことは起こらない。従って、対物レンズを支えている鏡筒が熱で変形したり、画像が歪んだり、焦点が合わなくなったりすることがない。
そして、動作要求判定手段16aは、カメラモジュール保護の動作命令と同時に、LED処理手段19にインジケータ6aのLEDが青色に点灯されているのを赤色にするように命じる。これによってLED処理手段19は、LED処理部19aにカメラが動作中であることを示す青色から図4(b)の右図ように赤色に変化する。
さらに、動作要求判定手段16aは、レンズ動作通知画面/メール生成手段20aにカメラモジュール保護動作を行った旨を通信端末3に通知するように命じ、これを受け、レンズ動作通知画面/メール生成手段20aは、WEB/メール情報記憶手段18cからカメラモジュール保護動作を行った旨のHTML等のWEB表示情報を読み出して、通信端末3にプロトコルHTTPで送信する。同様に、レンズ動作通知画面/メール生成手段20aは、WEB/メール情報記憶手段18cからカメラモジュール保護動作を行った旨の
メール情報を読み出して、通信端末3にプロトコルSMTPで送信する。
以上説明したネットワークカメラ2が直射日光若しくはこれに近い強い日光を受光したときのフローチャートについて説明する。図6において、動作要求判定手段17aが一定時間おきのような所定のタイミングで光量判定手段14cが算出した輝度のレベルが閾値以上であるか否かを判定する(step1)。
step1において閾値より低い場合には、LEDの赤色と青色のどちらが点灯中であるかを判定し(sptep2)、青色が点灯中であればstep1に戻り、赤色が点灯中である場合には、これを消して青色を点灯させて(step3)、step1に戻る。
また、step1において閾値以上の場合も、LEDの赤色と青色のどちらが点灯中であるかを判断する(step4)。赤色が点灯中であれば(実施例1の場合、プライバシーモードで点灯しているときも含まれる)step1に戻り、青色が点灯中であれば、カメラモジュール保護動作を行う(step5)。レンズ駆動部15によってパンチルト変更部5をチルト方向に回転させ、レンズ4が膨出カバー4aで隠され、日光を遮って日光からのカメラモジュール保護が可能になる。
このカメラモジュール保護動作を行った後、LEDの点灯中の青色を消して赤色を点灯させ(step6)、レンズが直射日光に近い強い日光を受光したためカメラモジュール保護動作中である旨をユーザに通知するために、WEB表示用情報を送信するのか、メールを送信するのかを判断する(step7)。
メールを送信する場合は、レンズ動作通知画面/メール生成手段20aは、WEB/メール情報記憶手段18cからカメラモジュール保護動作を行った旨のメール情報を読み出して、通信端末3にプロトコルSMTPで通知する(step8)。また、WEB表示情報を送信する場合は、レンズ動作通知画面/メール生成手段20aは、WEB/メール情報記憶手段18cからカメラモジュール保護動作を行った旨のHTML等のWEB表示情報を読み出して、通信端末3にプロトコルHTTPで送信する(step9)。step8,9の後に、step1に戻って待機する。
このように実施例1のネットワークカメラ2は、照度を測定するためのセンサ等を装備することが不要で、このようなセンサよりも光量を高精度で検知でき、直射日光を代表とする強い日光によるカメラモジュールへの直接的なダメージをいち早く避けることができる。チルト動作を使うことによって構成を簡単にすることができる。
また、WEB表示情報かメールを送信することにより、ユーザにカメラモジュール保護動作を行っている旨を通知することができ、ネットワークカメラ2のおかれている状態をいち早く報知することができる。さらに、プライバシー保護と共に、カメラモジュール保護でも同じインジケータ6aを使って保護中である旨を表示するので、煩雑な構成になるのを避けることができる。
(実施例2)
本発明の実施例2におけるネットワークカメラについて説明する。実施例2のカメラモジュール保護動作手段によるカメラモジュール保護は、レンズカバーでレンズを覆うものである。図7(a)は本発明の実施例2におけるカメラモジュールの保護前の状態とインジケータの拡大図、図7(b)は(a)のカメラモジュールの保護時の状態とインジケータの拡大図である。実施例2においては図1〜図6を参照する。実施例1と同一符号は同一構成であるから、同一符号の詳細な説明は実施例1に譲って省略する。
図7(a)(b)において、8はレンズカバーである。レンズカバー8はパンチルト変更部5と膨出カバー4aの間に挟まれて摺動自在に設けられ、カメラモジュール保護動作時には図7(a)の左図の状態からレンズ4を覆うようにスライドして突出し(レンズ保護動作)、図7(b)の左図の状態となり、レンズ4を覆って日光を遮断するものである。このレンズカバー8が、実施例2における本発明のカメラモジュール保護動作手段である。なお、実施例2においては、レンズカバー8をスライドするだけでカメラモジュールの保護を行っているが、実施例1のチルトと組み合わせ、チルトと共にレンズカバー8をスライドさせるのでもよい。
また、プライバシーモードスイッチ6を手動で操作するか、IPネットワーク1から操作することによって、パンチルト変更部5をチルト方向に回転させ、レンズ4の視野を覆って画像の非公開状態にすることができるが、レンズカバー8を使って非公開状態にすることもできる。
実施例2のネットワークカメラは、照度を測定するためのセンサ等を装備することが不要で、このようなセンサよりも光量を高精度で検知でき、直射日光を代表とする強い日光によるカメラモジュールへの直接的なダメージをいち早く避けることができる。レンズカバー8を使うことによって、覆うという動作でユーザに安心感を与えることができる。チルトの回転を大きくするための構成が不要となる。
また、WEB表示情報かメールを送信することにより、ユーザにカメラモジュール保護動作を行っている旨を通知することができ、ネットワークカメラ2のおかれている状態をいち早く報知することができる。さらに、プライバシー保護と共に、カメラモジュール保護でも同じインジケータ6aを使って保護中である旨を表示するので、煩雑な構成になるのを避けることができる。
本発明は、強い日光によるカメラモジュールへの直接的なダメージを避けることができるカメラ装置、とくにネットワークカメラに適用できる。
本発明の実施例1におけるネットワークカメラのシステム構成図 (a)本発明の実施例1におけるネットワークカメラの正面図、(b)(a)のネットワークカメラの側面図 本発明の実施例1におけるネットワークカメラの構成図 (a)本発明の実施例1におけるカメラモジュールの保護前の状態とインジケータの拡大図、(b)(a)のカメラモジュールの保護時の状態とインジケータの拡大図 本発明の実施例1におけるネットワークカメラの光量測定の説明図 本発明の実施例1におけるネットワークカメラのカメラモジュール保護のフローチャート (a)本発明の実施例2におけるカメラモジュールの保護前の状態とインジケータの拡大図、(b)(a)のカメラモジュールの保護時の状態とインジケータの拡大図
符号の説明
1 IPネットワーク
2 ネットワークカメラ
2a ネットワークカメラ本体
3 通信端末
4 レンズ
4a 膨出カバー
5 パンチルト変更部
6 プライバシーモードスイッチ
6a インジケータ
7 パワースイッチ
8 レンズカバー
11 ネットワークインターフェース(I/F)
12 WEBサーバ
13 カメラ部
13a 撮像部
14 画像データ生成部
14a 画像信号処理手段
14b 画像信号圧縮手段
14c 光量判定手段
15 レンズ駆動部
16 カメラ制御部
17 制御部
17a 動作要求判定手段
18 記憶部
18a 光量閾値記憶手段
18b 画像記憶手段
18c WEB/メール情報記憶手段
19 LED処理手段
19a LED処理部
20 表示情報/メール生成部
20a レンズ動作通知画面/メール生成手段

Claims (10)

  1. 対物レンズと、前記対物レンズを透過した光を受光する受光セルが設けられた撮像部と、前記撮像部からの出力信号をデータ化する画像データ生成部とを備えたカメラ装置であって、前記撮像部からの出力信号を基に得られる輝度によって前記対物レンズが受光する光量を測定する光量判定手段と、カメラモジュール保護動作を行うカメラモジュール保護動作手段と、前記輝度を前記対物レンズが受光する光量の許容値と対応した閾値と比較し、前記閾値以上の輝度の場合にカメラモジュール保護動作手段にカメラモジュール保護動作をさせる動作要求判定手段が設けられたカメラ装置。
  2. 前記カメラモジュール保護動作手段が、前記受光セル側の撮像部周辺を日光から保護するレンズ保護動作を行う請求項1記載のカメラ装置。
  3. 前記輝度が、前記撮像部からの出力信号を基に重み付けして算出される請求項1または2記載のカメラ装置。
  4. 前記カメラモジュール保護動作手段によるレンズ保護動作が、前記対物レンズを本体内に移動して表面を覆う動作、または対物レンズカバーをスライドさせて前記対物レンズを覆う動作のいずれか一方であるこ請求項2記載のカメラ装置。
  5. 対物レンズと、前記対物レンズを透過した光を受光する受光セルが設けられた撮像部と、前記撮像部からの出力信号をデータ化する画像データ生成部とを、ネットワークに接続されたとき、録画した画像を送信できるネットワークカメラであって、前記撮像部からの出力信号を基に得られる輝度によって前記対物レンズが受光する光量を測定する光量判定手段と、カメラモジュール保護動作を行うカメラモジュール保護動作手段と、前記輝度を前記対物レンズが受光する光量の許容値と対応した閾値と比較し、前記閾値以上の輝度の場合にメラモジュール保護動作手段にカメラモジュール保護動作をさせる動作要求判定手段が設けられたネットワークカメラ。
  6. 前記カメラモジュール保護動作手段が、前記受光セル側の撮像部周辺を日光から保護するレンズ保護動作を行う請求項5記載のネットワークカメラ。
  7. 前記輝度が、前記撮像部からの出力信号を基に重み付けして算出される請求項5または6記載のネットワークカメラ。
  8. 前記カメラモジュール保護動作手段によるレンズ保護動作が、前記対物レンズを本体内に移動して表面を覆う動作、または対物レンズカバーをスライドさせて前記対物レンズを覆う動作のいずれか一方である請求項6記載のネットワークカメラ。
  9. 前記動作要求判定手段が、カメラモジュール保護動作時にカメラモジュール保護中である旨の通知を動作通知画面/メール生成手段によって送信することを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載されたネットワークカメラ。
  10. 撮像部からの出力信号を基に得られる輝度を測定し、前記輝度を前記対物レンズが受光する光量の許容値と対応した閾値と比較し、前記閾値以上の輝度の場合にカメラモジュール保護動作をするカメラ保護方法。
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