JP2010147443A - 積層板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハジキを防止し、絶縁層の表面を従来よりも光沢のある平滑面に形成することができる積層板の製造方法を提供する。
【解決手段】基材1に熱硬化性樹脂組成物2を含浸させ半硬化状態にしてプリプレグ3を作製し、内層回路基板5にプリプレグ3を重ね、さらにこのプリプレグ3に保護フィルム7を仮接着する。保護フィルム7をプリプレグ3に密着させたまま加熱することによって内層回路基板5とプリプレグ3を一体化する。保護フィルム7をプリプレグ3から剥離する。保護フィルム7のプリプレグ3に重ねる面のRaが0.3μm以下であり、Rzが3μm以下であり、保護フィルム7に日東電工(株)製「ポリエステル粘着テープNo.31B」を貼り合わせて圧着したものを23℃、65%RHの雰囲気下において20時間放置した後に剥離速度300mm/分の条件でT型剥離試験を行った場合に測定される剥離力が100〜5000mN/50mmである。
【選択図】図1
【解決手段】基材1に熱硬化性樹脂組成物2を含浸させ半硬化状態にしてプリプレグ3を作製し、内層回路基板5にプリプレグ3を重ね、さらにこのプリプレグ3に保護フィルム7を仮接着する。保護フィルム7をプリプレグ3に密着させたまま加熱することによって内層回路基板5とプリプレグ3を一体化する。保護フィルム7をプリプレグ3から剥離する。保護フィルム7のプリプレグ3に重ねる面のRaが0.3μm以下であり、Rzが3μm以下であり、保護フィルム7に日東電工(株)製「ポリエステル粘着テープNo.31B」を貼り合わせて圧着したものを23℃、65%RHの雰囲気下において20時間放置した後に剥離速度300mm/分の条件でT型剥離試験を行った場合に測定される剥離力が100〜5000mN/50mmである。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種電子機器に用いられるプリント配線板等の積層板の製造方法に関するものである。
従来よりプリント配線板は様々な方法で製造されている(例えば、特許文献1参照。)。図3はこれらの方法のうちの一例を示すものであり、この方法では、ポリエチレンテレフタレート(PET)等で形成されたフィルム基材10にエポキシ樹脂組成物を塗布し半硬化状態にして得られたフィルム付き接着シート15が用いられている。そしてプリント配線板を製造するにあたっては、まず図3(a)(b)のように内層回路4が表面に形成された内層回路基板5に前記フィルム付き接着シート15の接着シート16の部分を重ね、これをラミネートすることによって仮接着する。次いでフィルム基材10を接着シート16から剥離した後、図3(c)のように無加圧の状態で硬化炉11(オーブン)で加熱することによって内層回路基板5と接着シート16を一体化する。その後、これを図3(d)のように硬化炉11から取り出し、接着シート16の硬化により形成された絶縁層12に対して図3(e)のようにレーザ加工による穴あけ・デスミアを行い、さらに外層の回路8を形成することによって、バイアホール13で層間接続が行われた図3(f)のような多層のプリント配線板を得ることができるものである。
特許第3861537号公報
しかしながら、図3に示すような従来の製造方法にあっては、図3(c)のようにフィルム基材10を剥離した状態で加熱しているので、接着シート16の表面が硬化収縮したり、内層回路基板5の内層回路4の凹凸によるうねりが発生したりするなどして、接着シート16の硬化により形成される絶縁層12の表面が荒れてしまうという問題がある。具体的には、絶縁層12の表面にハジキが生じ、平滑性が損なわれ、光沢が失われてしまうという問題がある。そしてこのように絶縁層12の表面が荒れていると、ライン幅の狭いファインパターン(微細パターン)を形成するのが困難であり、またファインパターンを狭ピッチで形成した場合には絶縁性を十分に確保することができなくなる。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ハジキを防止し、絶縁層の表面を従来よりも光沢のある平滑面に形成することができる積層板の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る積層板の製造方法は、基材1に熱硬化性樹脂組成物2を含浸させ半硬化状態にしてプリプレグ3を作製し、内層回路4が表面に形成された内層回路基板5又は金属箔6に前記プリプレグ3を重ね、さらにこのプリプレグ3に保護フィルム7を重ねてラミネートすることによって仮接着する工程と、保護フィルム7をプリプレグ3に密着させたまま加熱することによって内層回路基板5又は金属箔6とプリプレグ3を一体化する工程と、保護フィルム7をプリプレグ3から剥離する工程とを有すると共に、前記保護フィルム7のプリプレグ3に重ねる面の平均表面粗さ(Ra)が0.3μm以下であり、十点平均粗さ(Rz)が3μm以下であり、前記保護フィルム7のプリプレグ3に重ねる面に日東電工(株)製「ポリエステル粘着テープNo.31B」を貼り合わせて圧着したものを23℃、65%RHの雰囲気下において20時間放置した後に剥離速度300mm/分の条件でT型剥離試験を行った場合に測定される剥離力が100〜5000mN/50mmであることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1において、基材1として、無機系又は有機系の基材であって織布又は不織布であるものを用いると共に、熱硬化性樹脂組成物2として、エポキシ樹脂組成物を用いることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、保護フィルム7として、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選ばれるもので形成されたものを用いることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、保護フィルム7として、プリプレグ3に重ねる面に対してフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選ばれるものによる表面処理が施されたものを用いることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項において、保護フィルム7の剥離によって露出したプリプレグ3の表面に回路8を形成することを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る積層板の製造方法によれば、保護フィルムをプリプレグに密着させたまま加熱することによって、プリプレグで形成される絶縁層の表面が荒れるのを防止して、この絶縁層の表面を従来よりも光沢のある平滑面に形成することができるものである。また絶縁層には基材が含まれていることによって、熱膨張係数が低く、剛性の高い積層板を得ることができるものである。
請求項2に係る発明によれば、積層板の耐熱性及び長期信頼性を得ることができるものである。
請求項3に係る発明によれば、保護フィルムを容易にプリプレグから剥離することができ、この剥離に伴って絶縁層の表面が荒れるのを防止することができるものである。
請求項4に係る発明によれば、保護フィルムを容易にプリプレグから剥離することができ、この剥離に伴って絶縁層の表面が荒れるのを防止することができるものである。
請求項5に係る発明によれば、絶縁層の表面が平滑で光沢を有していることによって、ファインパターンを狭ピッチで形成するのが容易であり、またこのように狭ピッチであってもファインパターン間の絶縁性を十分に確保することができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る積層板の製造方法の一例を示すものであり、この方法では、プリプレグ3、保護フィルム7、内層回路基板5(コア材)を用いる。
プリプレグ3は、基材1に熱硬化性樹脂組成物2を含浸させ、これを乾燥して半硬化状態(Bステージ状態)にすることによって作製することができる。
ここで、基材1としては、無機系又は有機系の基材であって織布又は不織布であるものを用いるのが好ましい。具体的には、無機系織布としては、ガラスクロスである日東紡(株)製「WEA1116」(厚み0.08mm)や「WEA1078」(厚み0.04mm)等を例示することができ、無機系不織布としては、ガラス不織布、日本バイリーン(株)製「キュムラスEPM−4025」等を例示することができ、有機系織布としては、アラミド織布等を例示することができ、有機系不織布としては、アラミド不織布、帝人(株)製「テクノーラT−330」等を例示することができる。このような基材1を用いると、積層板の耐熱性及び長期信頼性を得ることができるものである。
また熱硬化性樹脂組成物2としては、エポキシ樹脂組成物を用いるのが好ましい。エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤等を混合し、さらに溶媒を加えることによってエポキシ樹脂ワニスとして調製することができる。ここで、エポキシ樹脂としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等を用いることができ、また硬化剤としては、フェノール樹脂等を用いることができ、また硬化促進剤としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール等を用いることができ、また溶媒としては、メチルエチルケトン等を用いることができる。さらに必要に応じてレベリング剤等を用いることができる。このような熱硬化性樹脂組成物2を用いると、積層板の耐熱性及び長期信頼性を得ることができるものである。
保護フィルム7としては、硬化炉11による加熱時に溶融・変形等が起こらないものであり、後述する所定の剥離力を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVOH、PVA)、シリコン、テフロン(登録商標)(PTFE)等を用いることができる。中でも保護フィルム7としては、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選ばれるもので形成されたものを用いるのが好ましい。これにより、保護フィルム7を容易にプリプレグ3から剥離することができ、この剥離に伴って絶縁層12の表面が荒れるのを防止することができるものである。
ただし、保護フィルム7としては、次のようなT型剥離試験を行った場合に測定される剥離力が100〜5000mN/50mmであるものを用いる。このT型剥離試験は、保護フィルム7(幅25mm)のプリプレグ3に重ねる面に日東電工(株)製「ポリエステル粘着テープNo.31B」(ポリエステルフィルムにアクリル系粘着剤を設けて形成されたもの)を貼り合わせて圧着したものを23℃、65%RHの雰囲気下において20時間放置した後に、上記雰囲気下において剥離速度300mm/分の条件で保護フィルム7を剥離することによって行うものである。そして上記剥離力は、保護フィルム7を10mmから30mmまで剥離している間に測定された測定値を平均化したものである。保護フィルム7の剥離力が100mN/50mm未満であると、加熱時において保護フィルム7がプリプレグ3から剥離するものであり、逆に保護フィルム7の剥離力が5000mN/50mmを超えると、加熱後において保護フィルム7をプリプレグ3から剥離することができないものである。
後述のように保護フィルム7はプリプレグ3に重ねて用いるが、このとき保護フィルム7のプリプレグ3に重ねる面の平均表面粗さ(Ra)は0.3μm以下であり、かつ十点平均粗さ(Rz)は3μm以下である。このようにRa及びRzを設定しておくと、より平滑性の高い面を保護フィルム7からプリプレグ3に転写することができ、絶縁層12の表面の平滑性を高めることができるものである。しかし、Raが0.3μmを超えたり、Rzが3μmを超えたりすると、平滑性の低い面が保護フィルム7からプリプレグ3に転写され、絶縁層12の表面の平滑性を高めることができないものである。
また保護フィルム7としては、プリプレグ3に重ねる面に対してフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選ばれるものによる表面処理(離型処理)が施されたものを用いるのが好ましい。この表面処理は、保護フィルム7のプリプレグ3に重ねる面にフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選ばれるものの溶液又は懸濁液をスプレー又はコーティングすることによって施すことができる。このように、あらかじめ表面処理が施された保護フィルム7を用いると、保護フィルム7の剥離性が高められているので、後述の保護フィルム7の剥離時(図1(d)参照)において保護フィルム7を容易にプリプレグ3から剥離することができ、この剥離に伴って絶縁層12の表面が荒れるのを防止することができるものである。この効果はまた、保護フィルム7自体を作製する場合に、保護フィルム7を形成する樹脂にフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選ばれるものを一緒に練り込んでフィルム化したり、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アルキッド系樹脂又はポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムを貼り合わせたりすることによって得ることができる。また保護フィルム7のプリプレグ3に重ねる面に対しては、プリプレグ3との密着性もある程度確保するため、アクリル系、メタクリル系又はウレタン系の微粘着剤が部分的に又は微量コーティングされていてもよい。この場合、微粘着剤により形成される層の厚みは20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
内層回路基板5としては、内層回路4が表面に形成されたものであれば特に限定されるものではない。例えば、銅張積層板等の金属張積層板を用い、サブトラクティブ法等を使用して作製されたものを内層回路基板5として用いることができる。
そして積層板を製造するにあたっては、まず図1(a)(b)のように内層回路基板5にプリプレグ3を重ね、さらにこのプリプレグ3に保護フィルム7を重ねて、真空ラミネータを用いてラミネートすることによって仮接着する。このときの温度は80〜160℃、圧力は0.1〜1.0MPa、時間は15〜180秒に設定することができる。なお、図1では内層回路基板5の両側にプリプレグ3を重ねるようにしているが、片側のみにプリプレグ3を重ねるようにしてもよい。
次いで、保護フィルム7をプリプレグ3に密着させたまま、図1(c)のように硬化炉11で加熱することによって内層回路基板5とプリプレグ3を一体化する。このときの加熱は、加圧の状態で行ってもよいし、無加圧の状態で行ってもよい。また、このときの温度は150〜200℃、時間は20〜180分に設定することができる。保護フィルム7をプリプレグ3から剥離した状態で加熱すると、プリプレグ3で形成される絶縁層12の表面は荒れてしまうが、図1(c)のように保護フィルム7をプリプレグ3に密着させたまま加熱すると、プリプレグ3で形成される絶縁層12の表面は荒れることなく、従来よりも光沢のある平滑面に形成することができるものである。
その後、一体化された内層回路基板5とプリプレグ3を硬化炉11から取り出し、図1(d)のように保護フィルム7をプリプレグ3から剥離する。
次に、保護フィルム7の剥離によって図1(d)のように露出したプリプレグ3の表面に回路8をセミアディティブ法やフルアディティブ法等を使用して形成する。すなわち、プリプレグ3の硬化により形成された絶縁層12に対して図1(e)のようにレーザ加工による穴あけ・デスミアを行い、さらに外層の回路8を形成することによって、バイアホール13で層間接続が行われた図1(f)のような多層のプリント配線板を積層板として得ることができるものである。また、このようにして得られたプリント配線板を内層回路基板5として用いると、さらに多層のプリント配線板を得ることができる。
図2は本発明に係る積層板の製造方法の他の一例を示すものであり、この方法では、既述のプリプレグ3、保護フィルム7のほか、内層回路基板5の代わりに銅箔等の金属箔6を用いる。
そして積層板を製造するにあたっては、まず図2(a)(b)のように金属箔6にプリプレグ3を重ね、さらにこのプリプレグ3に保護フィルム7を重ねて、真空ラミネータを用いてラミネートすることによって仮接着する。このときの温度は80〜160℃、圧力は0.1〜1.0MPa、時間は15〜180秒に設定することができる。
次いで、保護フィルム7をプリプレグ3に密着させたまま、図2(c)のように硬化炉11で加熱することによって金属箔6とプリプレグ3を一体化する。このときの加熱は、加圧の状態で行ってもよいし、無加圧の状態で行ってもよい。また、このときの温度は150〜200℃、時間は20〜180分に設定することができる。保護フィルム7をプリプレグ3から剥離した状態で加熱すると、プリプレグ3で形成される絶縁層12の表面は荒れてしまうが、図2(c)のように保護フィルム7をプリプレグ3に密着させたまま加熱すると、プリプレグ3で形成される絶縁層12の表面は荒れることなく、従来よりも光沢のある平滑面に形成することができるものである。
その後、一体化された金属箔6とプリプレグ3を硬化炉11から取り出し、図2(d)のように保護フィルム7をプリプレグ3から剥離する。
次に、保護フィルム7の剥離によって図2(d)のように露出したプリプレグ3の表面及び裏面に回路8をセミアディティブ法、フルアディティブ法、サブトラクティブ法等を使用して形成する。すなわち、プリプレグ3の硬化により形成された絶縁層12に対して図2(e)のようにレーザ加工による穴あけ・デスミアを行い、さらに回路8を形成することによって、スルーホール14で層間接続が行われた図2(f)のようなプリント配線板を積層板として得ることができるものである。また、このようにして得られたプリント配線板を内層回路基板5として用いると、さらに多層のプリント配線板を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、保護フィルム7の剥離によって露出した絶縁層12の表面が平滑で光沢を有していることによって、この表面にファインパターンを狭ピッチで形成するのが容易であり、またこのように狭ピッチであってもファインパターン間の絶縁性を十分に確保することができるものである。具体的には、ライン幅/間隙が10μm/10μm程度であっても問題なくファインパターンを形成することができる。しかも絶縁層12には基材1が含まれていることによって、熱膨張係数が低く、剛性の高い積層板を得ることができるものである。なお、レーザ加工による穴あけ後のデスミア処理で絶縁層12の表面は荒れるが、レーザ加工前の絶縁層12の表面の平滑性及び光沢性が十分高いので、デスミア処理による荒れはほとんど問題にならない。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
基材1として、日東紡(株)製ガラスクロス「WEA1078」(厚み0.04mm)を用いた。
熱硬化性樹脂組成物2として、エポキシ樹脂組成物を用いた。エポキシ樹脂組成物は、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂である大日本インキ化学工業(株)製「N690」11質量部、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂である大日本インキ化学工業(株)製「850S」74質量部、トリアジン環を有するフェノール樹脂である大日本インキ化学工業(株)製「LA3018」15質量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールである四国化成工業(株)製「2E4MZ−CN」0.06質量部、レベリング剤である大日本インキ化学工業(株)製「F470」0.15質量部を混合し、固形分が65質量%となるように、さらにメチルエチルケトンを加えることによってエポキシ樹脂ワニスとして調製した。
プリプレグ3は、上記の基材1に熱硬化性樹脂組成物2を含浸させ、これを160℃、5分間の条件で加熱乾燥して半硬化状態(Bステージ状態)にすることによって作製した。
保護フィルム7として、東洋紡績(株)製「K1571」、東洋紡績(株)製「TN200」、東洋紡績(株)製「TX002」、東洋紡績(株)製「E7165」、住軽アルミ箔(株)製「アルミ離型シート」を用いた。下記[表1]において各実施例及び比較例で用いた保護フィルム7の欄に「○」を付けている。
内層回路基板5として、パナソニック電工(株)製「R−1566」を用い、サブトラクティブ法を使用して表面に内層回路4が形成されたものを用いた。
そして、実施例1、2及び比較例1〜3については、まず図1(a)(b)のように内層回路基板5にプリプレグ3を重ね、さらにこのプリプレグ3に保護フィルム7を重ねて、ニチゴー・モートン(株)製「加圧式真空ラミネータV130」を用いてラミネートすることによって仮接着した。このときの温度は110℃、圧力は0.2MPa、時間は30秒に設定した。
次いで、保護フィルム7をプリプレグ3に密着させたまま、図1(c)のように無加圧の状態で硬化炉11で加熱することによって内層回路基板5とプリプレグ3を一体化した。このときの温度は160℃、時間は45分に設定した。
その後、一体化された内層回路基板5とプリプレグ3を硬化炉11から取り出し、図1(d)のように保護フィルム7をプリプレグ3から剥離して、これをサンプルとした。
一方、比較例4については、まず内層回路基板5にプリプレグ3を重ねて、ニチゴー・モートン(株)製「加圧式真空ラミネータV130」を用いてラミネートすることによって仮接着した。このときの温度は110℃、圧力は0.2MPa、時間は30秒に設定した。
次いで、無加圧の状態で硬化炉11で加熱することによって内層回路基板5とプリプレグ3を一体化した。このときの温度は160℃、時間は45分に設定した。
その後、一体化された内層回路基板5とプリプレグ3を硬化炉11から取り出して、これをサンプルとした。
そして、実施例1、2及び比較例1〜4のサンプルについて、オリンパス(株)製レーザ顕微鏡「OLS3000」を用い、半導体レーザ波:408nm、測定ピッチ:0.1μm、測定範囲:0.012mm2(平面)の条件で、サンプルの絶縁層の平均表面粗さ(Ra)及び十点平均粗さ(Rz)を測定した。その結果を下記[表1]に示す。
また、実施例1、2及び比較例1〜4のサンプルについて、目視により外観を観察した。その結果を下記[表1]に示す。なお、「○」は絶縁層12の表面が光沢のある平滑面であるものを示し、「×」は絶縁層12の表面にハジキがみられるものを示す。
1 基材
2 熱硬化性樹脂組成物
3 プリプレグ
4 内層回路
5 内層回路基板
6 金属箔
7 保護フィルム
8 回路
2 熱硬化性樹脂組成物
3 プリプレグ
4 内層回路
5 内層回路基板
6 金属箔
7 保護フィルム
8 回路
Claims (5)
- 基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させ半硬化状態にしてプリプレグを作製し、内層回路が表面に形成された内層回路基板又は金属箔に前記プリプレグを重ね、さらにこのプリプレグに保護フィルムを重ねてラミネートすることによって仮接着する工程と、保護フィルムをプリプレグに密着させたまま加熱することによって内層回路基板又は金属箔とプリプレグを一体化する工程と、保護フィルムをプリプレグから剥離する工程とを有すると共に、前記保護フィルムのプリプレグに重ねる面の平均表面粗さ(Ra)が0.3μm以下であり、十点平均粗さ(Rz)が3μm以下であり、前記保護フィルムのプリプレグに重ねる面に日東電工(株)製「ポリエステル粘着テープNo.31B」を貼り合わせて圧着したものを23℃、65%RHの雰囲気下において20時間放置した後に剥離速度300mm/分の条件でT型剥離試験を行った場合に測定される剥離力が100〜5000mN/50mmであることを特徴とする積層板の製造方法。
- 基材として、無機系又は有機系の基材であって織布又は不織布であるものを用いると共に、熱硬化性樹脂組成物として、エポキシ樹脂組成物を用いることを特徴とする請求項1に記載の積層板の製造方法。
- 保護フィルムとして、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選ばれるもので形成されたものを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
- 保護フィルムとして、プリプレグに重ねる面に対してフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選ばれるものによる表面処理が施されたものを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層板の製造方法。
- 保護フィルムの剥離によって露出したプリプレグの表面に回路を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層板の製造方法。
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WO2017122820A1 (ja) * | 2016-01-15 | 2017-07-20 | 日立化成株式会社 | Frp前駆体、積層板、金属張積層板、プリント配線板、半導体パッケージ、及びそれらの製造方法 |
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JPWO2017122820A1 (ja) * | 2016-01-15 | 2018-11-01 | 日立化成株式会社 | Frp前駆体、積層板、金属張積層板、プリント配線板、半導体パッケージ、及びそれらの製造方法 |
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