本発明の請求項1記載の発明は、第1環境用の第1吸気口と第1吐出口および第2環境用の第2吸気口および第2吐出口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた第1環境用の第1の送風ファンおよび第2環境用の第2の送風ファンと、前記本体ケース内において第1環境の空気と第2環境の空気との熱交換を行う熱交換器と、前記第1、第2の送風ファンの制御を行う制御装置を備え、前記制御装置は、発熱体収納装置より供給される電源電圧の複数の系統電圧の一つである第1系統電圧を検出してこの第1系統電圧に応じた第1、第2の送風ファンを制御し、また前記複数の系統電圧の他方である第2系統電圧を検出して、この第2系統電圧に応じて第1、第2の送風ファンを制御することを特徴としたものであり、制御装置は前記第1系統電圧および第2系統電圧を判別して直流電源の系統電圧を監視しながら送風ファンをそれぞれの系統電圧に応じた動作をさせるという作用を有する。
また、請求項2記載の発明は、第1系統電圧を判定する第1系統電圧判定値および第2系統電圧を判定する第2系統電圧判定値にヒステリシスを設けて複数の系統電圧を判定することを特徴とするものであり、判定値にヒステリシスを設けたので直流電源に重畳されたあるいは誘起された電気的ノイズに惑わされることなく系統電圧の判定ができるという作用を有する。
また、請求項3記載の発明は、一旦、第1系統電圧判定値を検出し予め設定した時間が経過した後に再び第1系統電圧判定値を判断することにより第1系統電圧を判定する第1系統電圧判定手段を設け、また、一旦、第2系統電圧判定値を検出し予め設定した時間が経過した後に再び第2統電圧判定値を判断することにより第2系統電圧を判定する第2系統電圧判定手段を設けたことにより、電源電圧の安定した状態で複数の系統電圧を判定することを特徴とするものであり、時間をかけることにより直流電源の電圧が安定した状態で直流電源に重畳されたあるいは誘起された電気的ノイズに惑わされることなく系統電圧の判定ができるという作用を有する。
また、請求項4記載の発明は、第1系統電圧を検出する手段として電源電圧とこの電源電圧から生成した比較器用安定化電源から作られた基準電圧となる第1系統電圧判定値とを比較する第1比較器からなる第1系統電圧比較判定手段を設け、また、第2系統電圧を検出する手段として電源電圧と前記比較器用安定化電源から作られた基準電圧となる第2系統電圧判定値とを比較する第2比較器からなる第2系統電圧比較判定手段を設けて、複数の系統電圧を判定することを特徴とするものであり、直流電源に重畳されたあるいは誘起された電気的ノイズに惑わされることなく精度の高い直流電源の系統電圧の判定ができるという作用を有する。
また、請求項5記載の発明は、第1系統電圧を検出する手段として、電源電圧とこの電源電圧から生成した比較器用安定化電源から作られた基準電圧となる第1系統電圧下限判定値とを比較する第1下限電圧比較器と、電源電圧と前記比較器用安定化電源から作られた基準電圧となる第1系統電圧上限判定値とを比較する第1上限電圧比較器からなる第1系統電圧比較判定手段を設け、また、第2系統電圧を検出する手段として、電源電圧と前記比較器用安定化電源から作られた基準電圧となる第2系統電圧下限判定値とを比較する第2下限電圧比較器と、電源電圧と前記比較器用安定化電源から作られた基準電圧となる第2系統電圧上限判定値とを比較する第2上限電圧比較器からなる第2系統電圧比較判定手段を設けて、複数の系統電圧を判定することを特徴とするものであり、それぞれの系統電圧の判定値に幅を持たせたことにより直流電源に重畳されたあるいは誘起された電気的ノイズに惑わされることなく系統電圧の判定ができるという作用を有する。
また、請求項6記載の発明は、第1系統電圧を検出する第1系統電圧検出回路と第1系統電圧判定値を判断する判断回路との間に第1絶縁素子を設け、また、第2系統電圧を検出する第2系統電圧検出回路と第2系統電圧判定値を判断する前記判断回路との間に第2絶縁素子を設けて、複数の系統電圧を判定することを特徴とするものであり、直流電源を直接監視する検出回路と絶縁された判断回路を設けることにより、直流電源に重畳されたあるいは誘起された電気的ノイズの耐性を持たせて系統電圧の判定ができるという作用を有する。
また、請求項7記載の発明は、電源電圧を第1電源系統電圧あるいは第2電源系統電圧と判断したことを明示するための報知手段を設けたことを特徴とするものであり、設置した基地局の直流電源の系統電圧の判断結果を報知することができるので正しく直流電源の系統電圧を判断しているのか施工時などの作業者が認知することができるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1において、ビルディング1の屋上2には携帯電話の基地局3が設けられている。携帯電話の基地局3は箱状のキャビネット4とこのキャビネット4内に設けた複数の通信装置5と前記キャビネット4の前面開口部にドアのごとく開閉自在に設けた発熱体収納装置用冷却装置6とにより構成されている。
前記発熱体収納装置用冷却装置6は、図2に示すように、外気(第1環境)用の第1吸気口7と第1吐出口8およびキャビネット4内(第2環境)用の第2吸気口9および第2吐出口10を有する本体ケース11と、この本体ケース11内に設けられた外気(第1環境)用の第1の送風ファン12およびキャビネット4内(第2環境)用の第2の送風ファン13と、前記本体ケース11内において外気(第1環境)の空気とキャビネット4内(第2環境)の空気との熱交換を行う熱交換器14とを備えている。
また、発熱体収納装置用冷却装置6は、第1の送風ファン12と第2の送風ファン13を制御する制御装置15を備えている。
また、図3に示すように、送風ファンとしての第1の送風ファン12と第2の送風ファン13は制御装置15に接続され、制御装置15は、前記通信装置5とともにキャビネット4に供給される外部電源16を変換した直流電源17に接続される。
そして、制御装置15は、第1の送風ファン12と第2の送風ファン13を別々に運転させるインバーター18と、これらインバーター18を制御するメイン基板19とから構成される。
メイン基板19は、図4に示すようにインバーター18へ運転指示を行う運転指示手段20と、直流電源17の直流電圧V1を監視して、運転指示手段20を動作させる電圧監視手段21とから構成される。
そして、同図に示すように、電圧監視手段21は、直流電源17の直流電圧V1として第1系統電圧を検出して第1の送風ファン12と第2の送風ファン13を動作させる閾値としての第1系統電圧判定値22を有する検出回路として第1検出回路23と、第2系統電圧を検出して第1の送風ファン12と第2の送風ファン13を動作させる閾値としての第2系統電圧判定値24を有する検出回路として第2検出回路25に接続される。
また、電圧監視手段21は、前記第1系統電圧判定値22に反応して動作した第1検出回路23に連動して動作する第1タイマー26と前記第2系統電圧判定値24に反応して動作した第2検出回路25に連動して動作する第2タイマー27とを有し、電圧判定手段28を経由して供給される直流電圧V1、すなわち系統電圧を判別する系統電圧判断手段29に接続され、その判別に応じて、運転指示手段20への指示を出すソフトウェア切り換え手段30を有するものである。
また、図5に示すように、第1検出回路23、第2検出回路25は、それぞれ直流電源17を二つの抵抗器で分圧して入力するシャントレギュレーター31、32とその出力に接続した第1絶縁素子、第2絶縁素子としてのフォトカプラ33、34で構成し、「Hi」「Lo」の信号を電圧監視手段21へ送信するように構成するものである。
すなわち、第1検出回路23は、第1系統電圧判定値22が前記二つの抵抗器に印加されたときにシャントレギュレーター31の閾値2.5Vを越えるように抵抗器の分圧比を設定したもので、その閾値を越えたときにシャントレギュレーター31の出力は、「Lo」となり、フォトカプラ33の入力側の発光ダイオード点灯させるものである。そして、電圧監視手段21へ「Lo」の信号を伝達するように構成する。同様に、第2検出回路25は、第2系統電圧判定値24が前記二つの抵抗器に印加されたときにシャントレギュレーター32の閾値2.5Vを越えるように抵抗器の分圧比を設定したもので、その閾値を越えたときにシャントレギュレーター32の出力は、「Lo」となり、フォトカプラ34の入力側の発光ダイオード点灯させるものである。そして、電圧監視手段21へ「Lo」の信号を伝達するように構成する。
そして、一般に直流電源17の電圧は、系統電圧として24Vと48Vが用いられることから、本実施の形態では、その一方である第1系統電圧を24Vとし、その他方である第2系統電圧を48Vとして、第1系統電圧判定値22を17V、第2系統電圧判定値24を37Vとしている。
上記構成において、図6(a)に示すように直流電源17の投入により直流電圧V1が上昇してくると第1検出回路23の出力が第1系統電圧判定値22の17Vを超えて「Hi」から「Lo」に転じる。更に上昇を続けるが、例えば電源投入による各通信機器の動作により負荷変動などで、一旦、直流電圧V1が減少となり第1系統電圧判定値22の17Vを下回ると「Lo」から「Hi」に戻り、再び直流電圧V1が上昇し第1系統電圧判定値22の17Vを超えると「Hi」から「Lo」に再び転じ、以降、第1系統電圧判定値22の17Vを下回らない限り、第1検出回路23の出力は「Lo」を維持する。一方、第2検出回路25の出力は、第2系統電圧判定値24の37Vを超えるまでは「Hi」を維持し、超えると「Lo」に転じる。その後、直流電圧V1が第2系統電圧判定値24の37Vを下回ると第2検出回路25の出力は「Hi」となり、再び直流電圧V1が上昇し第2系統電圧判定値24の37Vを超えると「Hi」から「Lo」に再び転じ、以降、第2系統電圧判定値24の37Vを下回らない限り、第2検出回路25の出力は「Lo」を維持する。
ここで、図6(a)に示すA部、すなわち直流電圧V1が第1系統電圧判定値22を超える際に起こる第1検出回路23の出力の変化について詳細な説明を付け加えると、通信装置5では携帯電話の通信量に応じて数十アンペア以上流れる電流が変動し、この電流の変動により基地局内に供給される通信装置5や発熱体収納装置用冷却装置6の直流電源V1の電圧に変動が生じ直流電圧に重畳されるリプル電圧、あるいは、通信装置が1GHzや2.5GHzといった数GHzもの高周波信号を処理する際に止むを得ず発生する高周波成分の電気的ノイズにより発熱体収納装置用冷却装置の電源線に発生する高周波成分の誘起電圧といった電気的ノイズにより、図6(b)に示すA部の拡大図のように、直流電圧V1は脈動してしまう。そのため、短い期間に第1系統電圧判定値22を超えたり下回ったりして、第1検出回路23の出力は「Hi」と「Lo」を交互に頻繁に繰り返しているので、「Hi」から「Lo」あるいは「Lo」から「Hi」の論理の変化が発生する。そこで本実施の形態のように第1のタイマー26により予め設定した時間T1(ここでは1秒とする)後に、第1検出回路23の出力を電圧判定手段28にて確認し、「Hi」であれば第1系統電圧判定値22を下回っている、「Lo」であれば第1系統電圧判定値22を超えていると判定することが極めて有効である。また、図6(a)に示すB部、すなわち直流電圧V1が第1系統電圧判定値22を超える際に起こる第1検出回路23の出力の変化についても同様に判定をすることなる。
同様に、第2系統電圧判定値24を超えるC部と第2系統電圧判定値24を下回わるD部でも、図6(c)に示すように直流電圧V1が脈動する現象が発生するので、第2タイマー27により予め設定した時間T1(ここでは1秒とする)後に、第2検出回路25の出力を電圧判定手段28にて確認し、「Hi」であれば第2系統電圧判定値24を下回っている、「Lo」であれば第2系統電圧判定値24を超えていると判定することが有効である。
上述の状態において、第1検出回路23の出力の判定が「Lo」で第2検出回路25の出力の判定が「Hi」の場合に、この直流電源V1は第1系統電圧の24Vであると系統電圧判断手段29で判断される。また、第1検出回路23の出力の判定が「Lo」で第2検出回路25の出力の判定が「Lo」の場合に、この直流電源V1は第2系統電圧の48Vであると系統電圧判断手段29で判断される。
そして、系統電圧判断手段29の判断による第1系統電圧の24Vあるいは第2系統電圧の48Vに応じて、前記ソフトウェア切り換え手段30によりインバーター18の駆動用ソフトウェア(図示せず)を第1統電圧の24Vあるいは第2系統電圧の48Vに応じたソフトウェアに切り換えて、第1の送風ファン12および第2の送風ファン13を第1系統電圧の24Vあるいは第2系統電圧の48Vに応じた最適な駆動を行う。
以上、本実施形態においては、上述したごとく、第1検出回路23および第2検出回路25の出力の論理が変化すると予め設定した時間が経過した後に、直流電圧V1が安定した状態で系統電圧を正しく判断する簡単な構成で複数の系統電圧を検知する制御装置を備えることができるので、制御装置を複数の系統電圧にて共用することが可能となり大幅にコストダウンした発熱体収納装置用冷却装置を提供でき、また、直流電圧V1が安定した状態で系統電圧を正しく判断することで直流電圧V1に重畳されたリプル電圧あるいは発生する高周波成分の誘起電圧といった電気的ノイズの影響を受け難い電気的ノイズの耐性を持たせた回路とすることで、発熱体収納装置用冷却装置6の継続的な冷却動作を提供することができ、さらに、絶縁素子としてフォトカプラを使用したことにより電気的ノイズの耐性を持たせた回路を合わせて提供することができる。
なお、本実施の形態のように系統電圧が一方の24Vと他方の48Vの二つに対応するためにインバーター18の許容電流値が一方に対して他方が1/2倍となることから、インバータ−18を含めた共用化が難しい場合もある。そのような場合は、制御装置15はインバータ−18とそれを制御するメイン基板19とから構成されているので、メイン基板19のみを共用化して複数の系統電圧に対応することもでき、同様にコストダウンを図ることができる。この場合、実装されているインバーター18が系統電圧24V専用では、直流電源V1の系統電圧が48Vと判断されると、前記ソフトウェア切り換え手段30によりインバーター18の運転を中止するとともにインバーター18への給電をリレー(図示せず)などにより遮断し、インバーター18の破壊を防ぎ、また、実装されているインバーター18が系統電圧48V専用では、直流電源V1の系統電圧が24Vと判断されると、前記ソフトウェア切り換え手段30によりインバーター18の運転を中止し、インバーター18の破壊を防げば良い。
(実施の形態2)
実施の形態1と同一構成部分については、理解を容易にするために、同一符号を用い、その詳細な説明を簡略化する。
図7に示すように、電圧監視手段21に第1検出回路23および第2検出回路25の出力が接続され、この電圧監視手段21は、供給される直流電圧V1、すなわち系統電圧を判別する系統電圧判断手段29に接続され、その判別に応じて、運転指示手段27への指示を出すソフトウェア切り換え手段30を有するものである。
また、図8に示すように、第1検出回路23、第2検出回路25は、それぞれ直流電源17を二つの抵抗器で分圧して入力される第1比較器35および第2比較器36とその基準電圧すなわち第1系統電圧判定値22と第2系統電圧判定値24が直流電源17に接続したDC/DCコンバーター37により生成された前記第1比較器35および第2比較器36の比較器用安定化電源(ここでは+12V)37と前記第1比較器35および第2比較器36の出力との間に設けた二つの抵抗器により分圧して前記第1比較器35および第2比較器36に入力され、これら第1比較器35および第2比較器36の出力に接続した第1絶縁素子、第2絶縁素子としてのフォトカプラ33、34で構成し、「Hi」「Lo」の信号を電圧監視手段21へ送信するように構成するものである。ここで、前記第1比較器35および第2比較器36の出力と動作電圧(ここでは+12V)との間に二つの抵抗器を用いて基準電圧を設けたのは前記第1比較器35および第2比較器36の基準電圧にヒステリシスを設けるためで、本実施例では例えば1Vとして説明する。
すなわち、第1検出回路23は、第1系統電圧判定値22が前記直流電源17に接続された二つの抵抗器に印加されたときに前記第1比較器35の基準電圧を超えるように抵抗器の分圧比を設定したもので、その閾値を越えたときに第1比較器35の出力は、「Lo」となり、フォトカプラ33の入力側の発光ダイオード点灯させるものである。そして、電圧監視手段21へ「Lo」の信号を伝達するように構成する。同様に第2検出回路25は、第2系統電圧判定値24が前記直流電源17に接続された二つの抵抗器に印加されたときに前記第2比較器36の基準電圧を超えるように抵抗器の分圧比を設定したもので、その閾値を越えたときに第2比較器36の出力は、「Lo」となり、フォトカプラ34の入力側の発光ダイオード点灯させるものである。そして、電圧監視手段21へ「Lo」の信号を伝達するように構成する。
上記構成において、図9(a)に示すように直流電源17の投入により直流電圧V1が上昇してくると第1検出回路23の出力が第1系統電圧判定値22の17Vを超えて「Hi」から「Lo」に転じる。更に上昇を続けるが、例えば電源投入による各通信機器の動作により負荷変動などで、一旦、直流電圧V1が減少となり第1系統電圧判定値22の17Vにヒステリシス1Vを減じた16Vを下回ると「Lo」から「Hi」に戻り、再び直流電圧V1が上昇し第1系統電圧判定値22の17Vを超えると「Hi」から「Lo」に再び転じ、以降、第1系統電圧判定値22の17Vを下回らない限り、第1検出回路23の出力は「Lo」を維持する。一方、第2検出回路25の出力は、第2系統電圧判定値24の37Vを超えるまでは「Hi」を維持し、超えると「Lo」に転じる。その後、直流電圧V1が第2系統電圧判定値24の37Vにヒステリシス1Vを減じた36Vを下回ると第2検出回路25の出力は「Hi」となり、再び直流電圧V1が上昇し第2系統電圧判定値24の37Vを超えると「Hi」から「Lo」に再び転じ、以降、第2系統電圧判定値24の37Vを下回らない限り、第2検出回路25の出力は「Lo」を維持する。
ここで、図9(a)に示すA部、すなわち直流電圧V1が第1系統電圧判定値22を超える際に起こる第1検出回路23の出力の変化について詳細な説明を付け加えると、図9(b)に示すA部の拡大図のように、脈動した直流電圧V1の第1系統電圧判定値22を超えて第1検出回路23の出力が「Hi」と「Lo」に転じるが第1比較器35のヒステリシスにより第1系統電圧判定値22を1V以上下回らないために第1検出回路23の出力に変化が生じない。同様に図9(b)に示すB部の拡大図においても第1系統電圧判定値22に対し第1比較器35のヒステリシス1Vを下回った所で第1検出回路23の出力が「Lo」から「Hi」に転じるが、直流電圧V1の脈動でも第1系統電圧判定値22を超えることがないので第1検出回路23の出力に変化が生じない。同様に、図9(c)に示すC部およびD部の拡大部においても、直流電圧V1が第2系統電圧判定値24を超える際に起こる第2検出回路25の出力も容易に論理が反転しない。
上述の状態において、第1検出回路23の出力の判定が「Lo」で第2検出回路25の出力の判定が「Hi」の場合に、この直流電源V1は第1系統電圧の24Vであると系統電圧判断手段29で判断される。また、第1検出回路23の出力の判定が「Lo」で第2検出回路25の出力の判定が「Lo」の場合に、この直流電源V1は第2系統電圧の48Vであると系統電圧判断手段29で判断される。
そして、系統電圧判断手段29の判断による第1系統電圧の24Vあるいは第2系統電圧の48Vに応じて、前記ソフトウェア切り換え手段30によりインバーター18の駆動用ソフトウェア(図示せず)を第1統電圧の24Vあるいは第2系統電圧の48Vに応じたソフトウェアに切り換えて、第1の送風ファン12および第2の送風ファン13を第1系統電圧の24Vあるいは第2系統電圧の48Vに応じた最適な駆動を行う。
以上、本実施形態においては、上述したごとく、第1検出回路23および第2検出回路25に用いた第1比較器35および第2比較器36の基準電圧にヒステリシスを設けたことにより、重畳されたリプル電圧あるいは発生する高周波成分の誘起電圧が見られる直流電圧V1の状態で系統電圧を正しく判断する簡単な構成で複数の系統電圧を検知する制御装置を備えることができるので、制御装置を複数の系統電圧にて共用することが可能となり大幅にコストダウンした発熱体収納装置用冷却装置を提供でき、また、重畳されたリプル電圧あるいは発生する高周波成分の誘起電圧が見られる直流電圧V1の状態で系統電圧を正しく判断する電気的ノイズの影響を受け難い電気的ノイズの耐性を持たせた回路とすることで、発熱体収納装置用冷却装置6の継続的な冷却動作を提供することができ、さらに、絶縁素子としてフォトカプラを使用したことにより電気的ノイズの耐性を持たせた回路を合わせて提供することができる。
なお、本実施の形態のように系統電圧が一方の24Vと他方の48Vの二つに対応するためにインバーター18の許容電流値が一方に対して他方が1/2倍となることから、インバータ−18を含めた共用化が難しい場合もある。そのような場合は、制御装置15はインバータ−18とそれを制御するメイン基板19とから構成されているので、メイン基板19のみを共用化して複数の系統電圧に対応することもでき、同様にコストダウンを図ることができる。この場合、実装されているインバーター18が系統電圧24V専用では、直流電源V1の系統電圧が48Vと判断されると、前記ソフトウェア切り換え手段30によりインバーター18の運転を中止するとともにインバーター18への給電をリレー(図示せず)などにより遮断し、インバーター18の破壊を防ぎ、また、実装されているインバーター18が系統電圧48V専用では、直流電源V1の系統電圧が24Vと判断されると、前記ソフトウェア切り換え手段30によりインバーター18の運転を中止し、インバーター18の破壊を防げば良い。
(実施の形態3)
実施の形態1および実施の形態2と同一構成部分については、理解を容易にするために、同一符号を用い、その詳細な説明を簡略化する。
図10に示すように、電圧監視手段21は、直流電源17の直流電圧V1として第1系統電圧を検出して第1の送風ファン12と第2の送風ファン13を動作させる閾値としての第1系統電圧下限判定値38を有する検出回路として第1検出回路23と、第1系統電圧上限判定値39を有する検出回路として第2検出回路25と、第2系統電圧を検出して第1の送風ファン12と第2の送風ファン13を動作させる閾値としての第2系統電圧下限判定値40を有する検出回路として第3検出回路41と、第2系統電圧上限判定値42を有する検出回路として第4検出回路43に接続される。
また、この電圧監視手段21は、供給される直流電圧V1、すなわち系統電圧を判別する系統電圧判断手段29に接続され、その判別に応じて、運転指示手段27への指示を出すソフトウェア切り換え手段30を有するものである。
また、図11に示すように、第1検出回路23、第2検出回路25、第3検出回路41および第4検出回路43は、それぞれ直流電源17を二つの抵抗器で分圧して入力される第1下限電圧比較器44、第1上限電圧比較器45、第2下限電圧比較器46および第2上限電圧比較器47とその基準電圧すなわち第1系統電圧下限判定値38、第1系統電圧上限判定値39、第2系統電圧下限判定値40および第2系統電圧上限判定値42が直流電源17に接続した比較器用安定化電源(ここでは+12V)37と回路グランドとの間に設けた二つの抵抗器により分圧して前記第1下限電圧比較器44、第1上限電圧比較器45、第2下限電圧比較器46および第2上限電圧比較器47に入力され、これら第1下限電圧比較器44、第1上限電圧比較器45、第2下限電圧比較器46および第2上限電圧比較器47の出力に接続した第1の絶縁素子、第2の絶縁素子、第3の絶縁素子、第4の絶縁素子としてのフォトカプラ33、34、48、49で構成し、「Hi」「Lo」の信号を電圧監視手段21へ送信するように構成するものである。
すなわち、第1検出回路23は、第1系統電圧下限判定値38が前記直流電源17に接続された二つの抵抗器に印加されたときに前記第1下限電圧比較器44の基準電圧を超えるように抵抗器の分圧比を設定したもので、その閾値を越えたときに第1下限電圧比較器344の出力は、「Lo」となり、フォトカプラ33の入力側の発光ダイオード点灯させるものである。そして、電圧監視手段21へ「Lo」の信号を伝達するように構成する。同様に第2検出回路25は、第1系統電圧上限判定値39が前記直流電源17に接続された二つの抵抗器に印加されたときに前記第1上限電圧比較器45の基準電圧を超えるように抵抗器の分圧比を設定したもので、その閾値を越えたときに第1上限電圧比較器45の出力は、「Lo」となり、フォトカプラ34の入力側の発光ダイオード点灯させるものである。そして、電圧監視手段21へ「Lo」の信号を伝達するように構成する。同様に第3検出回路41は、第2系統電圧下限判定値40が前記直流電源17に接続された二つの抵抗器に印加されたときに前記第2下限電圧比較器46の基準電圧を超えるように抵抗器の分圧比を設定したもので、その閾値を越えたときに第2下限電圧比較器46の出力は、「Lo」となり、フォトカプラ48の入力側の発光ダイオード点灯させるものである。そして、電圧監視手段21へ「Lo」の信号を伝達するように構成する。同様に第4検出回路43は、第2系統電圧上限判定値42が前記直流電源17に接続された二つの抵抗器に印加されたときに前記第2上限電圧比較器47の基準電圧を超えるように抵抗器の分圧比を設定したもので、その閾値を越えたときに第2上限電圧比較器47の出力は、「Lo」となり、フォトカプラ49の入力側の発光ダイオード点灯させるものである。そして、電圧監視手段21へ「Lo」の信号を伝達するように構成する。
そして、一般に直流電源17の電圧は、系統電圧として24Vと48Vが用いられることから、本実施の形態では、その一方である第1系統電圧を24Vとし、その他方である第2系統電圧を48Vとして、第1系統電圧下限判定値38を16V、第1系統電圧上限判定値39を17V、第2系統電圧下限判定値40を36Vおよび第2系統電圧上限判定値42を37Vとしている。
上記構成において、図12に示すように直流電源17の投入により直流電圧V1が上昇してくると第1検出回路23の出力が第1系統電圧下限判定値38の16Vを超えて「Hi」から「Lo」に転じる。更に上昇を続け、第2検出回路25の出力が第1系統電圧上限判定値39の17Vを超えて「Hi」から「Lo」に転じる。更に上昇を続けるが、例えば電源投入による各通信機器の動作により負荷変動などで、一旦、直流電圧V1が減少となり第1系統電圧上限判定値39の17Vを下回ると第2検出回路25の出力が「Lo」から「Hi」に戻り、更に直流電圧V1が減少を続け第1系統電圧下限判定値38の16Vを下回ると第1検出回路23の出力が「Lo」から「Hi」に戻る。再び直流電圧V1が上昇し、第1系統電圧下限判定値38の16Vを超えると第1検出回路23の出力は「Hi」から「Lo」に再び転じ、更に上昇を続け、第1系統電圧上限判定値39の17Vを超えると第2検出回路25の出力は「Hi」から「Lo」に再び転じ、以降、第1系統電圧上限判定値39の17Vを下回らない限り、第2検出回路25の出力は「Lo」を維持する。一方、第3検出回路41の出力は、第2系統電圧下限判定値40の36Vを超えるまでは「Hi」を維持し、超えると「Lo」に転じる。更に、直流電圧V1の上昇が続き第2系統電圧上限判定値42の37Vを超えると第4検出回路43の出力は「Hi」から「Lo」に転じる。その後、直流電圧V1が減少して第2系統電圧上限判定値42の37Vを下回ると第4検出回路43の出力は「Hi」となり、更に減少が続き、第2系統電圧下限判定値40の36Vを下回ると第3検出回路41の出力は「Hi」となる。再び直流電圧V1が上昇し第2系統電圧下限判定値40の36Vを超えると第3検出回路41の出力は「Hi」から「Lo」に再び転じ、更に上昇を続け、第2系統電圧上限判定値42の37Vを超えると第4検出回路43の出力は「Hi」から「Lo」に再び転じ、以降、第2系統電圧上限判定値42の37Vを下回らない限り、第4検出回路43の出力は「Lo」を維持する。
ここで、図12(a)に示すA部、すなわち直流電圧V1が第1系統電圧下限判定値38および第1系統電圧上限判定値39を超える際に起こる第1検出回路23および第2検出回路25の出力の変化について詳細な説明を付け加えると、図12(b)に示すA部の拡大図のように、直流電圧V1は脈動しているため、短い期間に第1系統電圧下限判定値38および第1系統電圧上限判定値39を超えたり下回ったりして、第1検出回路23および第2検出回路の出力は「Hi」と「Lo」を交互に頻繁に繰り返している。また、直流電圧V1が第1系統電圧下限判定値38および第1系統電圧上限判定値39を下回る際に起こる第1検出回路23および第2検出回路25の出力の変化を見てみると、図12(b)に示すB部の拡大図のように、直流電圧V1は脈動しているため、短い期間に第1系統電圧下限判定値38および第1系統電圧上限判定値39を超えたり下回ったりして、第1検出回路23および第2検出回路25の出力は「Hi」と「Lo」を交互に頻繁に繰り返している。同様に、直流電圧V1が第2系統電圧下限判定値40および第2系統電圧上限判定値42を超える際に起こる第3検出回路41および第4検出回路43の出力の変化を見てみると、図12(c)に示すC部の拡大図のように、直流電圧V1は脈動しているため、短い期間に第2系統電圧下限判定値40および第2系統電圧上限判定値42を超えたり下回ったりして、第3検出回路41および第4検出回路43の出力は「Hi」と「Lo」を交互に頻繁に繰り返している。また、直流電圧V1が第2系統電圧下限判定値40および第2系統電圧上限判定値42を下回る際に起こる第3検出回路41および第4検出回路43の出力の変化を見てみると、図12(c)に示すD部の拡大図のように、直流電圧V1は脈動しているため、短い期間に第2系統電圧下限判定値40および第2系統電圧上限判定値42を超えたり下回ったりして、第3検出回路41および第4検出回路43の出力は「Hi」と「Lo」を交互に頻繁に繰り返している。
この様な電源電圧V1の変動により「Hi」「Lo」を交互に頻繁に繰り返す変化点を加味し、前記第2検出回路25の出力が「Hi」から「Lo」に変化した時点で直流電圧V1は第1系統電圧の24Vの電圧範囲となったと電圧監視手段21が第1の判定を行い、以降、前記第1検出回路23の出力が「Lo」から「Hi」に変化しない限り、電圧監視手段21はこの第1の判定を変えない。そして、前記第4検出回路43の出力が「Hi」から「Lo」に変化した時点で直流電圧V1は第2系統電圧の48Vの電圧範囲となったと電圧監視手段21が第2の判定を行い、以降、前記第3検出回路41の出力が「Lo」から「Hi」に変化しない限り、電圧監視手段21はこの第2の判定を変えない。また、この逆に前記第1検出回路23の出力が「Lo」から「Hi」に変化した時点で直流電圧V1は第1系統電圧の24Vの電圧範囲を下回ったと電圧監視手段21が第3の判定を行い、以降、前記第2検出回路25の出力が「Hi」から「Lo」に変化しない限り、電圧監視手段21はこの第3の判定を変えない。そして、前記第3検出回路41の出力が「Lo」から「Hi」に変化した時点で直流電圧V1は第2系統電圧の48Vの電圧範囲を下回ったと電圧監視手段21が第4の判定を行い、以降、前記第4検出回路43の出力が「Hi」から「Lo」に変化ない限り、電圧監視手段21はこの第4の判定を変えない。
上述の状態において、上記の第1の判定、第2の判定、第3の判定および第4の判定の組み合わせを使って、系統電圧判断手段29は電源電圧直流電圧V1の系統電圧を以下の様に判断する。すなわち、直流電圧V1が第1系統電圧の24Vの電圧範囲となったとする第1の判定時において、直流電圧V1は第2系統電圧の48Vの電圧範囲となったとする第2の判定が生じた場合には、直流電圧V1の系統電圧は第2系統電圧の48Vであると系統電圧判断手段29は判断する。また、直流電圧V1が第1系統電圧の24Vの電圧範囲となったとする第1の判定時において、直流電圧V1は第2系統電圧の48Vの電圧範囲を下回っているとする第4の判定が生じた場合には、直流電圧V1の系統電圧は第1系統電圧の24Vであると系統電圧判断手段29は判断する。それ以外の第1の判定、第2の判定、第3の判定および第4の判定の組み合わせが生じた場合は、直流電圧V1は想定されていない系統電圧であると系統電圧判断手段29は判断する。
そして、系統電圧判断手段29の判断による第1系統電圧の24Vあるいは第2系統電圧の48Vに応じて、前記ソフトウェア切り換え手段30によりインバーター18の駆動用ソフトウェア(図示せず)を第1統電圧の24Vあるいは第2系統電圧の48Vに応じたソフトウェアに切り換えて、第1の送風ファン12および第2の送風ファン13を第1系統電圧の24Vあるいは第2系統電圧の48Vに応じた最適な駆動を行う。
以上、本実施形態においては、上述したごとく、直流電圧V1の脈動により第1系統電圧上限判定値39、第1系統電圧下限判定値38、第2系統電圧上限判定値42および第2系統電圧下限判定値40付近での第1検出回路23、第2検出回路25、第3検出回路41および第4検出回路43の出力が「Hi」「Lo」を繰り返す不安定状態となるが、各検出回路の出力が「Hi」から「Lo」あるいは「Lo」から「Hi」へと論理が変化する変化点の組み合わせにより直流電圧V1の電圧の判定を行い、且つ、それら判定を組み合わせることにより、直流電圧V1が脈動した状態においても系統電圧を正しく判断する簡単な構成で複数の系統電圧を検知する制御装置を備えることができるので、制御装置を複数の系統電圧にて共用することが可能となり大幅にコストダウンした発熱体収納装置用冷却装置を提供でき、また、直流電圧V1の脈動により各系統電圧判定値付近での各検出回路の出力が「Hi」「Lo」を繰り返す不安定状態となるが、各検出回路の出力の「Hi」から「Lo」あるいは「Lo」から「Hi」の論理変化のみを直流電圧V1の電圧の判定とし、且つ、それら判定を組み合わせることにより、直流電圧V1が脈動した状態においても系統電圧を正しく判断することで直流電圧V1に重畳されたリプル電圧あるいは発生する高周波成分の誘起電圧といった電気的ノイズの影響を受け難い電気的ノイズの耐性を持たせた回路とすることで、発熱体収納装置用冷却装置6の継続的な冷却動作を提供することができ、さらに、絶縁素子としてフォトカプラを使用したことにより電気的ノイズの耐性を持たせた回路を合わせて提供することができる。
なお、本実施の形態のように系統電圧が一方の24Vと他方の48Vの二つに対応するためにインバーター18の許容電流値が一方に対して他方が1/2倍となることから、インバータ−18を含めた共用化が難しい場合もある。そのような場合は、制御装置15はインバータ−18とそれを制御するメイン基板19とから構成されているので、メイン基板19のみを共用化して複数の系統電圧に対応することもでき、同様にコストダウンを図ることができる。この場合、実装されているインバーター18が系統電圧24V専用では、直流電源V1の系統電圧が48Vと判断されると、前記ソフトウェア切り換え手段30によりインバーター18の運転を中止するとともにインバーター18への給電をリレー(図示せず)などにより遮断し、インバーター18の破壊を防ぎ、また、実装されているインバーター18が系統電圧48V専用では、直流電源V1の系統電圧が24Vと判断されると、前記ソフトウェア切り換え手段30によりインバーター18の運転を中止し、インバーター18の破壊を防げば良い。
(実施の形態4)
実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3と同一構成部分については、理解を容易にするために、同一符号を用い、その詳細な説明を簡略化する。
図13に示すように、図4の構成に加えて報知手段としてのLED50を制御装置15に備えたものである。
上記構成において、系統電圧判断手段29の直流電圧V1の系統電圧の判断に基づく結果をLED50を点滅あるいは点灯させる。すなわち、第1系統電圧の24Vと判断した場合にはこのLED50を点滅させ、第2系統電圧の48Vと判断した場合にはこのLED50を点灯させる。
以上、本実施形態においては、上述したごとく、系統電圧判断手段29の系統電圧の判断に基づきLED50を点滅あるいは点灯させ、それを視認することにより、設置した基地局の直流電源の系統電圧を報知することで正しく直流電源の系統電圧を判断しているのか施工時などの作業者が認知することができる発熱体収納装置用冷却装置を提供できる。