JP2009071928A - フォトカプラの劣化検出手段および電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フォトカプラを単に絶縁手段としてオープンループで使用する場合においても、また、フォトカプラの発光ダイオードに流す電流を減少させて動作させるテストモードとすることなく、通常の動作中においても、フォトカプラの劣化を検出することができるフォトカプラの劣化検出手段および電力変換装置を提供する。
【解決手段】 フォトカプラの出力電圧と予め設定された閾値とを比較する比較器31と、該比較器の出力信号DGとフォトカプラのドライブ信号DPに基づいてフォトカプラが劣化しているか否かを判定する劣化判定手段33とを備え、前記劣化判定手段33は、前記フォトカプラのドライブ信号DPがアクティブで、前記フォトカプラの出力電圧DGが前記閾値より低いときに、フォトカプラの劣化と判定する。
【選択図】図1
【解決手段】 フォトカプラの出力電圧と予め設定された閾値とを比較する比較器31と、該比較器の出力信号DGとフォトカプラのドライブ信号DPに基づいてフォトカプラが劣化しているか否かを判定する劣化判定手段33とを備え、前記劣化判定手段33は、前記フォトカプラのドライブ信号DPがアクティブで、前記フォトカプラの出力電圧DGが前記閾値より低いときに、フォトカプラの劣化と判定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、負荷に電力を供給するパワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化を検出するフォトカプラの劣化検出手段およびフォトカプラの劣化検出手段を備えた電力変換装置に関する。
従来のフォトカプラの劣化検出手段は、絶縁トランスの二次側から一次側にフォトカプラを介して帰還をかけ、直流電源出力の安定化を図るスイッチング電源装置において、発光ダイオードに流れる電流値からフォトカプラが劣化して寿命が近いことを判定している(例えば、特許文献1参照)。
また、受信回路内にフォトカプラの負荷抵抗の値を選択可能とする第1のスイッチ手段を設け、送信回路内にフォトカプラの順電流の値を選択可能とする第2のスイッチ手段を設け、通信制御回路は、診断時において第1,第2の各スイッチ手段をオン/オフに駆動すると共に、診断通信を実行しその受信状況から受信回路または送信回路のフォトカプラが劣化したかどうかを判断するように構成しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
また、受信回路内にフォトカプラの負荷抵抗の値を選択可能とする第1のスイッチ手段を設け、送信回路内にフォトカプラの順電流の値を選択可能とする第2のスイッチ手段を設け、通信制御回路は、診断時において第1,第2の各スイッチ手段をオン/オフに駆動すると共に、診断通信を実行しその受信状況から受信回路または送信回路のフォトカプラが劣化したかどうかを判断するように構成しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
図11は、従来技術のフォトカプラの劣化検出手段を適用したスイッチング電源装置である。図11において、PHはフォトカプラ、LEDはフォトカプラPHの発光ダイオード、QはフォトカプラPHのフォトトランジスタ、102は制御IC、Q1はMOSFET、Tはトランスである。
フォトカプラPHの発光ダイオードLEDに発光ダイオード電流IDが流れると、発光ダイオードLEDが発光し、発光した光がフォトカプラPHのパッケージ内を伝送してフォトトランジスタQに到達し、フォトトランジスタQにフォトトランジスタ電流ICが流れる。
フォトトランジスタQが制御IC−102からフォトトランジスタ電流ICを引き込むと、制御IC−102はフォトトランジスタ電流ICに対応したPWM信号をMOSFET−Q1に供給し、MOSFET−Q1をPWM信号に応じたパルス幅で高周波のスイッチングを実行させ、一次直流電圧VD1をトランスTの一次巻線LPを介して断続する。
トランスTの一次巻線LPに発生した高周波のパルス電源がトランスTの二次巻線LSに誘導し、ダイオードD6、平滑コンデンサC2およびチョークコイルLOで整流・平滑ならびにリップルが除去されて直流出力電圧VD2が発生する。
発光ダイオード電流ID→フォトトランジスタ電流IC→PWM信号発生→MOSFET−Q1のスイッチング→トランスTの一次巻線LPに高周波のパルス電源が発生→トランスTの二次巻線LSに高周波のパルス電源の誘導→パルス電源の整流・平滑、リップルのフィルタリング→直流出力電圧VD2の発生を繰り返して直流出力電圧VD2が安定してフィードバック系が形成される。
フォトカプラPHの発光ダイオードLEDに発光ダイオード電流IDが流れると、発光ダイオードLEDが発光し、発光した光がフォトカプラPHのパッケージ内を伝送してフォトトランジスタQに到達し、フォトトランジスタQにフォトトランジスタ電流ICが流れる。
フォトトランジスタQが制御IC−102からフォトトランジスタ電流ICを引き込むと、制御IC−102はフォトトランジスタ電流ICに対応したPWM信号をMOSFET−Q1に供給し、MOSFET−Q1をPWM信号に応じたパルス幅で高周波のスイッチングを実行させ、一次直流電圧VD1をトランスTの一次巻線LPを介して断続する。
トランスTの一次巻線LPに発生した高周波のパルス電源がトランスTの二次巻線LSに誘導し、ダイオードD6、平滑コンデンサC2およびチョークコイルLOで整流・平滑ならびにリップルが除去されて直流出力電圧VD2が発生する。
発光ダイオード電流ID→フォトトランジスタ電流IC→PWM信号発生→MOSFET−Q1のスイッチング→トランスTの一次巻線LPに高周波のパルス電源が発生→トランスTの二次巻線LSに高周波のパルス電源の誘導→パルス電源の整流・平滑、リップルのフィルタリング→直流出力電圧VD2の発生を繰り返して直流出力電圧VD2が安定してフィードバック系が形成される。
次に、フォトカプラPHの劣化と直流出力電圧VD2の関係について説明する。例えば、発光ダイオード電流IDが1mA、フォトトランジスタ電流ICも1mAでフォトカプラPHの初期の電流伝達比CTR(Current Transfer Ratio)が100%(IC×100/ID)の時、直流出力電圧VD2が24Vになるように、制御IC−102およびシャントレギュレータ4が設定されているとする。
フォトカプラPHの劣化は、電流伝達比CTRの低下となって現れ、直流出力電圧VD2(=24V)に保持するのに必要なフォトトランジスタ電流IC(=1mA)を流すために、発光ダイオード電流IDが1mAから増加する現象で捉えられる。
このように、従来のスイッチング電源装置のフォトカプラの劣化検出手段は、フォトカプラがフィードバック系を形成する要素であって、フォトカプラが劣化すると、直流出力電圧を一定に保持するのに必要なフォトトランジスタ電流を流すために、発光ダイオードに流れる電流が増加することを利用して、フォトカプラの劣化を検出している。
フォトカプラPHの劣化は、電流伝達比CTRの低下となって現れ、直流出力電圧VD2(=24V)に保持するのに必要なフォトトランジスタ電流IC(=1mA)を流すために、発光ダイオード電流IDが1mAから増加する現象で捉えられる。
このように、従来のスイッチング電源装置のフォトカプラの劣化検出手段は、フォトカプラがフィードバック系を形成する要素であって、フォトカプラが劣化すると、直流出力電圧を一定に保持するのに必要なフォトトランジスタ電流を流すために、発光ダイオードに流れる電流が増加することを利用して、フォトカプラの劣化を検出している。
また、図12は、従来技術のフォトカプラの劣化検出手段を適用した通信装置である。
通信装置202において、203は通信媒体201を介して送られた信号を受ける受信回路で、内部に信号絶縁用のフォトカプラPC1を有している。204は通信媒体201へ信号を送りだす送信回路で、内部に信号絶縁用のフォトカプラPC2を有している。205は受信回路203と送信回路204との動作を制御する通信制御回路である。
受信回路203において、R1はフォトカプラPC1の順電流(IF1)を設定するための抵抗、R2,R3はフォトカプラPC1の負荷抵抗、SW1は第1のスイッチ手段で、このスイッチ手段SW1を駆動することにより、負荷抵抗の値を選択できるようになっている。
送信回路204において、R4はフォトカプラPC2の負荷抵抗、R5,R6はフォトカプラPC2の順電流(IF2)を設定するための抵抗、SW2は第2のスイッチ手段で、このスイッチ手段SW2を駆動することにより、フォトカプラPC2の順電流の値を選択できるようになっている。
通信制御回路5において、251はフォトカプラの劣化診断を行う時において、第1,第2の各スイッチ手段をオン/オフに駆動するスイッチ駆動手段、252はフォトカプラの劣化診断時において、診断通信を実行しその受信状況から受信回路または送信回路のフォトカプラが劣化したかどうかを判断する劣化判断手段である。
通常の動作時においては、 通信制御回路205内のスイッチ駆動手段251は、第1のスイッチ手段SW1をオフ状態に、第2のスイッチ手段SW2をオン状態に駆動している。
通信装置202において、203は通信媒体201を介して送られた信号を受ける受信回路で、内部に信号絶縁用のフォトカプラPC1を有している。204は通信媒体201へ信号を送りだす送信回路で、内部に信号絶縁用のフォトカプラPC2を有している。205は受信回路203と送信回路204との動作を制御する通信制御回路である。
受信回路203において、R1はフォトカプラPC1の順電流(IF1)を設定するための抵抗、R2,R3はフォトカプラPC1の負荷抵抗、SW1は第1のスイッチ手段で、このスイッチ手段SW1を駆動することにより、負荷抵抗の値を選択できるようになっている。
送信回路204において、R4はフォトカプラPC2の負荷抵抗、R5,R6はフォトカプラPC2の順電流(IF2)を設定するための抵抗、SW2は第2のスイッチ手段で、このスイッチ手段SW2を駆動することにより、フォトカプラPC2の順電流の値を選択できるようになっている。
通信制御回路5において、251はフォトカプラの劣化診断を行う時において、第1,第2の各スイッチ手段をオン/オフに駆動するスイッチ駆動手段、252はフォトカプラの劣化診断時において、診断通信を実行しその受信状況から受信回路または送信回路のフォトカプラが劣化したかどうかを判断する劣化判断手段である。
通常の動作時においては、 通信制御回路205内のスイッチ駆動手段251は、第1のスイッチ手段SW1をオフ状態に、第2のスイッチ手段SW2をオン状態に駆動している。
受信回路203において、フォトカプラPC1の負荷抵抗は抵抗R2とR3の直列抵抗で構成されており、コレクタ電流Ic1は、(R2+R3)の負荷抵抗値に応じて流れ、通信媒体201を介して送られたデータを電圧信号に変換する。コンパレータU4は、フォトカプラPC1の出力端に得られた電圧信号を入力し、データの変化を検出する。検出されたデータの変化は、通信制御回路5に受信データとして取り込まれる。
送信回路204において、第2のスイッチ手段SW2はオン状態にあり、フォトカプラPC2の順電流IF2は、並列接続される抵抗R5,R6の並列抵抗値で決定される。この状態で通信制御回路205から送信データが出力されると、フォトカプラPC2内で順電流IF2に応じた光信号となり、データ絶縁が行われ通信ドライバU2を経て通信媒体201にデータが出力される。通信媒体201に出力された送信データは、受信回路203において読み返され、通信制御回路205は出力したデータと、読み返したデータとを照合チェックして、動作が正常に行われたか監視している。
フォトカプラの劣化診断を行う時には、スイッチ駆動手段251は、フォトカプラPC1かPC2かのいずれの劣化診断を行うかによって、第1のスイッチ手段SW1および第2のスイッチ手段SW2を、オン状態あるいはオフ状態に駆動すると共に診断通信を実行することとなる。
ここで、受信回路203において、第1のスイッチ手段SW1がオン状態に駆動されると、フォトカプラPC1の負荷抵抗は抵抗R2だけとなり、コンパレータU4側から見たフォトカプラPC1のCTRは、通常の動作時の、R2/(R2+R3)倍に減少したのと等価となる。
また、送信回路204において、第2のスイッチ手段SW2がオフ状態に駆動されると、抵抗R5だけを通ってフォトカプラPC2の順電流IF2が流れることとなるので、この順電流IF2はR6/(R5+R6)倍に減少し、通信ドライバU2側から見たフォトカプラPC2のCTRが、通常動作時のR6/(R5+R6)倍に減少したのと等価になる。
送信回路204において、第2のスイッチ手段SW2はオン状態にあり、フォトカプラPC2の順電流IF2は、並列接続される抵抗R5,R6の並列抵抗値で決定される。この状態で通信制御回路205から送信データが出力されると、フォトカプラPC2内で順電流IF2に応じた光信号となり、データ絶縁が行われ通信ドライバU2を経て通信媒体201にデータが出力される。通信媒体201に出力された送信データは、受信回路203において読み返され、通信制御回路205は出力したデータと、読み返したデータとを照合チェックして、動作が正常に行われたか監視している。
フォトカプラの劣化診断を行う時には、スイッチ駆動手段251は、フォトカプラPC1かPC2かのいずれの劣化診断を行うかによって、第1のスイッチ手段SW1および第2のスイッチ手段SW2を、オン状態あるいはオフ状態に駆動すると共に診断通信を実行することとなる。
ここで、受信回路203において、第1のスイッチ手段SW1がオン状態に駆動されると、フォトカプラPC1の負荷抵抗は抵抗R2だけとなり、コンパレータU4側から見たフォトカプラPC1のCTRは、通常の動作時の、R2/(R2+R3)倍に減少したのと等価となる。
また、送信回路204において、第2のスイッチ手段SW2がオフ状態に駆動されると、抵抗R5だけを通ってフォトカプラPC2の順電流IF2が流れることとなるので、この順電流IF2はR6/(R5+R6)倍に減少し、通信ドライバU2側から見たフォトカプラPC2のCTRが、通常動作時のR6/(R5+R6)倍に減少したのと等価になる。
このように、フォトカプラPC1のCTRおよびフォトカプラPC2のCTRを、片方ずつ等価的に、減少した状態にして、診断通信を送信回路4を経て送信し、この送信データを受信回路203を経て読み返す。
劣化判断手段252は、受信回路203を経て読み返したデータが正常であれば、フォトカプラPC1またはフォトカプラPC2のCTRが通常の動作時より減少した状態でも正常に受信できるので、そのフォトカプラの劣化はないと判断する。これに対して、受信データが異常であればフォトカプラの劣化が検出されたと判断する。
第1のスイッチ手段SW1がオン状態に駆動されたか、また、第2のスイッチ手段SW2がオフ状態に駆動されかによって、フォトカプラPC1の劣化か、フォトカプラPC2の劣化かが区別できる。
このように、従来の通信装置におけるフォトカプラの劣化検出手段は、一定時間が経過するごとにあるいは通信媒体に接続されている上位の計算機からの指令を受けて、発光ダイオードに流す電流を減少させ、正常に動作しなくなったことを確認することによりフォトカプラの劣化を検出するのである。
劣化判断手段252は、受信回路203を経て読み返したデータが正常であれば、フォトカプラPC1またはフォトカプラPC2のCTRが通常の動作時より減少した状態でも正常に受信できるので、そのフォトカプラの劣化はないと判断する。これに対して、受信データが異常であればフォトカプラの劣化が検出されたと判断する。
第1のスイッチ手段SW1がオン状態に駆動されたか、また、第2のスイッチ手段SW2がオフ状態に駆動されかによって、フォトカプラPC1の劣化か、フォトカプラPC2の劣化かが区別できる。
このように、従来の通信装置におけるフォトカプラの劣化検出手段は、一定時間が経過するごとにあるいは通信媒体に接続されている上位の計算機からの指令を受けて、発光ダイオードに流す電流を減少させ、正常に動作しなくなったことを確認することによりフォトカプラの劣化を検出するのである。
特許文献1のスイッチング電源装置のフォトカプラの劣化検出手段は、フォトカプラがフィードバック系を形成する要素であって、フォトカプラが劣化すると、直流出力電圧を一定に保持するのに必要なフォトトランジスタ電流を流すために、発光ダイオードに流れる電流が増加することを利用して、フォトカプラの劣化を検出しているので、フォトカプラを単に絶縁手段としてオープンループで使用する場合には、フォトカプラが劣化しても発光ダイオードに流れる電流が増加することはなく、フォトカプラの劣化を検出できないという問題があった。
また、特許文献2の通信装置の劣化判断手段は、一定時間が経過するごとにあるいは通信媒体に接続されている上位の計算機からの指令を受けて、発光ダイオードに流す電流を減少させ、正常に動作しなくなったことを確認することによりフォトカプラの劣化を検出するので、フォトカプラの発光ダイオードに流す電流を減少させて動作させることができない場合においては、フォトカプラの劣化を検出できず、また、通常の動作中ではフォトカプラの劣化を検出できないという問題があった。
また、特許文献2の通信装置の劣化判断手段は、一定時間が経過するごとにあるいは通信媒体に接続されている上位の計算機からの指令を受けて、発光ダイオードに流す電流を減少させ、正常に動作しなくなったことを確認することによりフォトカプラの劣化を検出するので、フォトカプラの発光ダイオードに流す電流を減少させて動作させることができない場合においては、フォトカプラの劣化を検出できず、また、通常の動作中ではフォトカプラの劣化を検出できないという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、フォトカプラを単に絶縁手段としてオープンループで使用する場合においても、また、フォトカプラの発光ダイオードに流す電流を減少させて動作させるテストモードとすることなく、通常の動作中においても、フォトカプラの劣化を検出することができるフォトカプラの劣化検出手段および電力変換装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化検出手段において、フォトカプラの出力電圧と予め設定された閾値とを比較する比較器と、該比較器の出力信号とフォトカプラのドライブ信号に基づいてフォトカプラが劣化しているか否かを判定する劣化判定手段とを備え、前記劣化判定手段は、前記フォトカプラのドライブ信号がアクティブで、前記フォトカプラの出力電圧が前記閾値より低いときに、フォトカプラの劣化と判定することを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明は、パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化検出手段において、フォトカプラの出力電圧と予め設定された閾値とを比較する比較器と、該比較器の出力信号とフォトカプラのドライブ信号に基づいてフォトカプラが劣化しているか否かを判定する劣化判定手段とを備え、前記劣化判定手段は、前記フォトカプラのドライブ信号がアクティブで、前記フォトカプラの出力電圧が前記閾値より低いときに、フォトカプラの劣化と判定することを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフォトカプラの劣化検出手段において、前記劣化判定手段は、前記フォトカプラのドライブ信号と前記比較器の出力信号との排他的論理和に基づいてフォトカプラの異常と判定することを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のフォトカプラの劣化検出手段において、前記比較器は、絶縁機能を有していることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のフォトカプラの劣化検出手段において、前記比較器は、絶縁機能を有していることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、直流母線電圧をスイッチングして負荷に電力を供給するパワースイッチング素子と、前記パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラと、制御演算を行い、スイッチング信号を発生し、該スイッチング信号を前記フォトカプラのドライブ信号として出力する制御部と、前記フォトカプラの劣化を検出するフォトカプラの劣化検出手段とを備えた電力変換装置において、前記フォトカプラの劣化検出手段は、フォトカプラの出力電圧と予め設定された閾値とを比較する比較器と、該比較器の出力信号と前記フォトカプラのドライブ信号に基づいてフォトカプラが劣化しているか否かを判定する劣化判定手段とを備え、前記フォトカプラのドライブ信号がアクティブで、前記フォトカプラの出力電圧が前記閾値より低いときに、フォトカプラの劣化と判定することを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電力変換装置において、前記劣化判定手段は、前記フォトカプラのドライブ信号と前記比較器の出力信号との排他的論理和に基づいてフォトカプラの異常と判定することを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の電力変換装置において、前記比較器は、絶縁機能を有していることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の電力変換装置において、前記比較器は、絶縁機能を有していることを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の電力変換装置において、前記制御部は、前記フォトカプラの劣化をテストするテストパターンを発生するテストパターン発生手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の電力変換装置において、負荷に電力を供給する電力供給線の線間電圧を検出する線間電圧検出回路と、前記線間電圧が予め設定された値以上の場合には、診断実施不可信号を出力する診断実施可否判定手段とを備え、前記診断実施不可信号が出力されると、前記テストパターン発生手段は、テストパターンを発生しないことを特徴とするものである。
また、請求項9に記載の発明は、請求項4ないし8のいずれかに記載の電力変換装置において、前記直流母線電圧の負側に接続された複数のパワースイッチング素子をそれぞれ駆動するフォトカプラの劣化検出は、一つの劣化検出手段で行なうことを特徴とするものである。
本発明によると、フォトカプラを単に絶縁手段としてオープンループで使用する場合においても、フォトカプラの劣化を検出することができ、フォトカプラの発光ダイオードに流す電流を減少させるテストモードとすることなく、通常の動作中においても、フォトカプラの劣化を検出することができる。
また、請求項2および請求項5に記載の発明によると、フォトカプラのドライブ信号と前記比較器の出力信号との排他的論理和に基づいて判定するので、フォトカプラの劣化以外の異常も同時に検出することができる。
また、請求項3および請求項6に記載の発明によると、比較器が絶縁機能を有しているので、高電圧をスイッチングするパワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化を検出することができる。
また、請求項7に記載の発明によると、制御部20は、テストパターン発生手段を備え、電力変換装置が負荷に電力を供給していないときに、テストパターンを発生させて、パワースイッチング素子を駆動することができるので、パワースイッチング素子を個別に、一つずつ順次オンさせるように、テストパターンを発生させることにより、負荷であるモータ3に電流を流すことなく、フォトカプラの劣化を検出することができる。
また、請求項8に記載の発明によると、負荷であるモータが回転しているときは、テストパターンを発生しないので、パワースイッチング素子が破壊されることはないという効果がある。
また、請求項9に記載の発明によると、母線電圧の負側にソースを接続した複数のパワースイッチング素子をそれぞれ駆動するフォトカプラの劣化検出を、一つの劣化検出手段30nで行うことができるので、劣化検出手段の数を削減でき、コストダウンが可能になるという効果がある。
また、請求項2および請求項5に記載の発明によると、フォトカプラのドライブ信号と前記比較器の出力信号との排他的論理和に基づいて判定するので、フォトカプラの劣化以外の異常も同時に検出することができる。
また、請求項3および請求項6に記載の発明によると、比較器が絶縁機能を有しているので、高電圧をスイッチングするパワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化を検出することができる。
また、請求項7に記載の発明によると、制御部20は、テストパターン発生手段を備え、電力変換装置が負荷に電力を供給していないときに、テストパターンを発生させて、パワースイッチング素子を駆動することができるので、パワースイッチング素子を個別に、一つずつ順次オンさせるように、テストパターンを発生させることにより、負荷であるモータ3に電流を流すことなく、フォトカプラの劣化を検出することができる。
また、請求項8に記載の発明によると、負荷であるモータが回転しているときは、テストパターンを発生しないので、パワースイッチング素子が破壊されることはないという効果がある。
また、請求項9に記載の発明によると、母線電圧の負側にソースを接続した複数のパワースイッチング素子をそれぞれ駆動するフォトカプラの劣化検出を、一つの劣化検出手段30nで行うことができるので、劣化検出手段の数を削減でき、コストダウンが可能になるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。また、同一名称には極力同一符号を付け重複説明を省略する。
図1は、本発明のフォトカプラの劣化検出手段の概要を説明する図である。図1において、23はパワースイッチング素子、24および40はフォトカプラ、25はゲートドライブ用電源、26は反転バッファ、27は抵抗器、30は劣化検出手段、31は比較器、32は基準電圧、33は劣化判定手段である。
パワースイッチング素子23を駆動するための回路は、以下のとおりである。
反転バッファ26の入力端子は、フォトカプラのドライブ信号DPを入力し、反転バッファ26の出力端は、フォトカプラ24の発光ダイオードのカソードに接続し、フォトカプラ24の発光ダイオードのアノードは、抵抗器27を直列接続して制御用電源VLに接続する。フォトカプラ24のフォトトランジスタのコレクタはゲートドライブ用電源25の正電位側に接続し、フォトカプラ24のフォトトランジスタのエミッタはパワースイッチング素子23のゲートに接続し、ゲートドライブ用電源25の負電位側GGはパワースイッチング素子23のソースに接続する。
パワースイッチング素子23を駆動するための回路は、以下のとおりである。
反転バッファ26の入力端子は、フォトカプラのドライブ信号DPを入力し、反転バッファ26の出力端は、フォトカプラ24の発光ダイオードのカソードに接続し、フォトカプラ24の発光ダイオードのアノードは、抵抗器27を直列接続して制御用電源VLに接続する。フォトカプラ24のフォトトランジスタのコレクタはゲートドライブ用電源25の正電位側に接続し、フォトカプラ24のフォトトランジスタのエミッタはパワースイッチング素子23のゲートに接続し、ゲートドライブ用電源25の負電位側GGはパワースイッチング素子23のソースに接続する。
つぎに、パワースイッチング素子23を駆動する動作について説明する。
(オン動作)
パワースイッチング素子23をオンにするときは、フォトカプラのドライブ信号DPを“H”(論理1)とすると、反転バッファ26の出力端子は、“L”となり、フォトカプラ24の発光ダイオードに電流が流れる。その電流値は、制御用電源VLの電圧と抵抗器27の抵抗値によって決まる。フォトカプラ24の発光ダイオードに電流が流れると、フォトカプラ24のフォトトランジスタに電流が流れる。フォトカプラ24のフォトトランジスタに流れる電流値は、フォトカプラ24の発光ダイオードに流れる電流値に比例し、その比例係数がCTR(電流伝達率)である。
フォトカプラ24のフォトトランジスタに電流が流れると、パワースイッチング素子23のゲート回路に電流が流れ、パワースイッチング素子23はオンとなる。
通常は、フォトカプラ24のフォトトランジスタが飽和した状態で、パワースイッチング素子23のゲート回路に電流を流すように設計しているので、フォトカプラ24(のフォトトランジスタ)の出力電圧DGは、略ゲートドライブ用電源25の電圧VGとなる。
(オン動作)
パワースイッチング素子23をオンにするときは、フォトカプラのドライブ信号DPを“H”(論理1)とすると、反転バッファ26の出力端子は、“L”となり、フォトカプラ24の発光ダイオードに電流が流れる。その電流値は、制御用電源VLの電圧と抵抗器27の抵抗値によって決まる。フォトカプラ24の発光ダイオードに電流が流れると、フォトカプラ24のフォトトランジスタに電流が流れる。フォトカプラ24のフォトトランジスタに流れる電流値は、フォトカプラ24の発光ダイオードに流れる電流値に比例し、その比例係数がCTR(電流伝達率)である。
フォトカプラ24のフォトトランジスタに電流が流れると、パワースイッチング素子23のゲート回路に電流が流れ、パワースイッチング素子23はオンとなる。
通常は、フォトカプラ24のフォトトランジスタが飽和した状態で、パワースイッチング素子23のゲート回路に電流を流すように設計しているので、フォトカプラ24(のフォトトランジスタ)の出力電圧DGは、略ゲートドライブ用電源25の電圧VGとなる。
(オフ動作)
パワースイッチング素子23をオフにするときは、フォトカプラのドライブ信号DPを“L”(論理0)とすると、反転バッファ26の出力端子は、“H”となり、フォトカプラ24の発光ダイオードの電流が遮断される。フォトカプラ24の発光ダイオードの電流が遮断されると、フォトカプラ24のフォトトランジスタに流れる電流も遮断される。
フォトカプラ24のフォトトランジスタの電流が遮断されると、パワースイッチング素子23のゲート回路の電流も遮断され、パワースイッチング素子23はオフとなる。
このようにして、フォトカプラのドライブ信号DPを制御して、パワースイッチング素子23をオン/オフする。
パワースイッチング素子23をオフにするときは、フォトカプラのドライブ信号DPを“L”(論理0)とすると、反転バッファ26の出力端子は、“H”となり、フォトカプラ24の発光ダイオードの電流が遮断される。フォトカプラ24の発光ダイオードの電流が遮断されると、フォトカプラ24のフォトトランジスタに流れる電流も遮断される。
フォトカプラ24のフォトトランジスタの電流が遮断されると、パワースイッチング素子23のゲート回路の電流も遮断され、パワースイッチング素子23はオフとなる。
このようにして、フォトカプラのドライブ信号DPを制御して、パワースイッチング素子23をオン/オフする。
つぎに、本発明の劣化検出手段30の動作について説明する。
本発明の劣化検出手段30は、フォトカプラ24のドライブ信号DPとフォトカプラ24の出力電圧DGを入力し、ゲートドライブ用電源25の負電位側GGを基準点として出力電圧DGを予め設定された閾値と比較して、フォトカプラ24の劣化を検出し、劣化信号SDを出力する。
本発明の劣化検出手段30は、比較器31、基準電圧32、および劣化判定手段33で構成している。
比較器31は、フォトカプラ24の出力電圧DGを入力し、基準電圧32を閾値として比較し、比較信号PHを劣化判定手段33に出力する。劣化判定手段33は、フォトカプラのドライブ信号DPと比較器31の比較信号PHを入力し、フォトカプラが劣化しているか否かを判定して、劣化信号SDを出力する。
比較器31は、フォトカプラ24の出力電圧DGが基準電圧32よりも高い場合には比較信号PHを“H”(論理1)にし、フォトカプラ24の出力電圧DGが基準電圧32よりも低い場合には “L”(論理0)にして出力する。
劣化判定手段33は、フォトカプラのドライブ信号DPが“H”(論理1)のときに、比較器31の比較信号PHが“L”(論理0)だったら、劣化信号SDを“H”(論理1)にして出力する。
本発明の劣化検出手段30は、フォトカプラ24のドライブ信号DPとフォトカプラ24の出力電圧DGを入力し、ゲートドライブ用電源25の負電位側GGを基準点として出力電圧DGを予め設定された閾値と比較して、フォトカプラ24の劣化を検出し、劣化信号SDを出力する。
本発明の劣化検出手段30は、比較器31、基準電圧32、および劣化判定手段33で構成している。
比較器31は、フォトカプラ24の出力電圧DGを入力し、基準電圧32を閾値として比較し、比較信号PHを劣化判定手段33に出力する。劣化判定手段33は、フォトカプラのドライブ信号DPと比較器31の比較信号PHを入力し、フォトカプラが劣化しているか否かを判定して、劣化信号SDを出力する。
比較器31は、フォトカプラ24の出力電圧DGが基準電圧32よりも高い場合には比較信号PHを“H”(論理1)にし、フォトカプラ24の出力電圧DGが基準電圧32よりも低い場合には “L”(論理0)にして出力する。
劣化判定手段33は、フォトカプラのドライブ信号DPが“H”(論理1)のときに、比較器31の比較信号PHが“L”(論理0)だったら、劣化信号SDを“H”(論理1)にして出力する。
つぎに、比較器31の具体的な回路例について説明する。
図2は、本発明のフォトカプラの劣化検出手段の構成要素の比較器の具体的な回路例である。図2において、40はフォトカプラ、41は定電圧ダイオード、42、および44は抵抗器、43はコンデンサ、45は反転バッファである。
抵抗器42の一端は定電圧ダイオード41のカソードおよびコンデンサ43の一端に接続し、抵抗器42の他端はフォトカプラ24aの出力電圧DGを入力し、コンデンサ43の他端はゲートドライブ用電源25aの負電位側GGおよびフォトカプラ40の発光ダイオードのカソードに接続する。定電圧ダイオード41のアノードはフォトカプラ40の発光ダイオードのアノードに接続する。
フォトカプラ40のフォトトランジスタのエミッタは制御用電源のグランドGLに接続し、フォトカプラ40のフォトトランジスタのコレクタは抵抗器44の一端および反転バッファ45の入力に接続し、反転バッファ45は比較信号PHを出力する。抵抗器44の他端は制御用電源VLに接続する。
フォトカプラ40は、比較機能および絶縁機能として機能する。また、定電圧ダイオード41は比較器の閾値電圧として機能するが、その電圧は定電圧ダイオード41の定格電圧よりもフォトカプラ40の発光ダイオードの順方向電圧分が加算された値となるので、定電圧ダイオード41の定格電圧は、基準電圧32よりもフォトカプラ40の発光ダイオードの順方向電圧分だけ低い電圧のものを選択すればよい。
フォトカプラ24の出力電圧DGは、抵抗器42とコンデンサ43で構成されるフィルタを介して、閾値電圧と比較されることになる。この抵抗器42とコンデンサ43で構成されるフィルタの時定数は、フォトカプラのドライブ信号DPが変化する周期よりも十分小さな値とする。抵抗器42は、フォトカプラ40の発光ダイオードに流れる電流の制限するためのものである。
図2は、本発明のフォトカプラの劣化検出手段の構成要素の比較器の具体的な回路例である。図2において、40はフォトカプラ、41は定電圧ダイオード、42、および44は抵抗器、43はコンデンサ、45は反転バッファである。
抵抗器42の一端は定電圧ダイオード41のカソードおよびコンデンサ43の一端に接続し、抵抗器42の他端はフォトカプラ24aの出力電圧DGを入力し、コンデンサ43の他端はゲートドライブ用電源25aの負電位側GGおよびフォトカプラ40の発光ダイオードのカソードに接続する。定電圧ダイオード41のアノードはフォトカプラ40の発光ダイオードのアノードに接続する。
フォトカプラ40のフォトトランジスタのエミッタは制御用電源のグランドGLに接続し、フォトカプラ40のフォトトランジスタのコレクタは抵抗器44の一端および反転バッファ45の入力に接続し、反転バッファ45は比較信号PHを出力する。抵抗器44の他端は制御用電源VLに接続する。
フォトカプラ40は、比較機能および絶縁機能として機能する。また、定電圧ダイオード41は比較器の閾値電圧として機能するが、その電圧は定電圧ダイオード41の定格電圧よりもフォトカプラ40の発光ダイオードの順方向電圧分が加算された値となるので、定電圧ダイオード41の定格電圧は、基準電圧32よりもフォトカプラ40の発光ダイオードの順方向電圧分だけ低い電圧のものを選択すればよい。
フォトカプラ24の出力電圧DGは、抵抗器42とコンデンサ43で構成されるフィルタを介して、閾値電圧と比較されることになる。この抵抗器42とコンデンサ43で構成されるフィルタの時定数は、フォトカプラのドライブ信号DPが変化する周期よりも十分小さな値とする。抵抗器42は、フォトカプラ40の発光ダイオードに流れる電流の制限するためのものである。
つぎに、この回路の動作を説明する。
フォトカプラ24の出力電圧DGが、(定電圧ダイオード41の定格電圧+フォトカプラ40の発光ダイオードの順方向電圧分)よりも高くなると、フォトカプラ40の発光ダイオードに電流が流れ、フォトカプラ40のフォトトランジスタがオンする。すると、反転バッファ45の入力は“L”(論理0)となり、反転バッファ45の出力すなわち比較信号PHは“H”(論理1)となる。
フォトカプラ24が劣化すると、フォトカプラ24のフォトトランジスタを流れる電流が減少して出力電圧DGが、低下する。
フォトカプラ24の出力電圧DGが、(定電圧ダイオード41の定格電圧+フォトカプラ40の発光ダイオードの順方向電圧分)とりも低くなると、フォトカプラ40の発光ダイオードに電流が流れ、フォトカプラ40のフォトトランジスタがオフする。すると、反転バッファ45の入力は“H”(論理1)となり、反転バッファ45の出力すなわち比較信号PHは“L”(論理0)となる。
このようにして、図2に示す比較器は、フォトカプラ24の出力電圧DGが、予め設定された閾値である基準電圧32よりも高くなると、比較信号PHを“H”(論理1)にして出力する。
基準電圧32は、パワースイッチング素子23を駆動できる電圧の限界値以上にする。
フォトカプラ24の出力電圧DGが、(定電圧ダイオード41の定格電圧+フォトカプラ40の発光ダイオードの順方向電圧分)よりも高くなると、フォトカプラ40の発光ダイオードに電流が流れ、フォトカプラ40のフォトトランジスタがオンする。すると、反転バッファ45の入力は“L”(論理0)となり、反転バッファ45の出力すなわち比較信号PHは“H”(論理1)となる。
フォトカプラ24が劣化すると、フォトカプラ24のフォトトランジスタを流れる電流が減少して出力電圧DGが、低下する。
フォトカプラ24の出力電圧DGが、(定電圧ダイオード41の定格電圧+フォトカプラ40の発光ダイオードの順方向電圧分)とりも低くなると、フォトカプラ40の発光ダイオードに電流が流れ、フォトカプラ40のフォトトランジスタがオフする。すると、反転バッファ45の入力は“H”(論理1)となり、反転バッファ45の出力すなわち比較信号PHは“L”(論理0)となる。
このようにして、図2に示す比較器は、フォトカプラ24の出力電圧DGが、予め設定された閾値である基準電圧32よりも高くなると、比較信号PHを“H”(論理1)にして出力する。
基準電圧32は、パワースイッチング素子23を駆動できる電圧の限界値以上にする。
このようにして、パワースイッチング素子23を駆動するフォトカプラ24の劣化を検出するので、テストモードなどの特定モードにすることなく、常時、フォトカプラ24の劣化を検出できる。
また、フォトカプラ40が絶縁機能を有していることで、高い電圧をスイッチングするパワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化を検出することができる。
また、フォトカプラ40が絶縁機能を有していることで、高い電圧をスイッチングするパワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化を検出することができる。
また、劣化判定手段33は、フォトカプラのドライブ信号DPと比較器31の比較信号PHとの排他的論理和(XOR)を劣化信号SDとして出力することが好ましい。フォトカプラのドライブ信号DPが“L”(論理0)のときに、比較器31の比較信号PHが“H”(論理1)だった場合は、フォトカプラの劣化とは限らないが、フォトカプラの異常と考えられるので、こうすることにより、フォトカプラの劣化以外の異常も同時に検出することができる。
本実施例は、本発明の劣化検出手段を電力変換装置のパワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化検出に適用した例である。
実際の電力変換装置には様々な機能や手段が内蔵されているが、図には本発明に関係する機能や手段のみを記載し説明することとする。
まず、本発明の電力変換装置の第1の例について概略を説明する。
図3は、本発明のフォトカプラの劣化検出手段を適用した電力変換装置の第1の例の概要を説明する図である。本実施例の電力変換装置は、三相交流の商用電源を入力して、電力変換し、三相電力をモータに供給する例としているが、これらに限定するものではない。
図3において、1は商用電源、2は電力変換装置、3はモータ、20は制御演算部、21は整流器、22は平滑コンデンサ、23aはパワースイッチング素子、24aはフォトカプラ、30aは劣化検出手段、52はテストパターン発生手段である。
実際の電力変換装置には様々な機能や手段が内蔵されているが、図には本発明に関係する機能や手段のみを記載し説明することとする。
まず、本発明の電力変換装置の第1の例について概略を説明する。
図3は、本発明のフォトカプラの劣化検出手段を適用した電力変換装置の第1の例の概要を説明する図である。本実施例の電力変換装置は、三相交流の商用電源を入力して、電力変換し、三相電力をモータに供給する例としているが、これらに限定するものではない。
図3において、1は商用電源、2は電力変換装置、3はモータ、20は制御演算部、21は整流器、22は平滑コンデンサ、23aはパワースイッチング素子、24aはフォトカプラ、30aは劣化検出手段、52はテストパターン発生手段である。
電力変換装置2は、制御演算部20、整流器21、平滑コンデンサ22、パワースイッチング素子23a、フォトカプラ24a、および劣化検出手段30aで構成されている。
整流器21は、商用電源1を整流し、平滑コンデンサ22で平滑して直流母線電圧とする。
制御演算部20は、制御演算を行い、スイッチング信号を発生し、そのスイッチング信号をフォトカプラのドライブ信号(DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、DPwn)としてフォトカプラ24aおよび劣化検出手段30aへ出力する。
フォトカプラ24aはそのドライブ信号(DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、DPwn)を絶縁してパワースイッチング素子を駆動するゲート信号(DGup、DGvp、DGwp、DGun、DGvn、DGwn)としてパワースイッチング素子23aに出力する。
パワースイッチング素子23aは、そのゲート信号(DGup、DGvp、DGwp、DGun、DGvn、DGwn)に基づいて、前記直流母線電圧をスイッチングして、負荷であるモータ3へ電力を供給する。
劣化検出手段30aは、フォトカプラ24aの出力信号であるパワースイッチング素子23aのゲート信号(DGup、DGvp、DGwp、DGun、DGvn、DGwn)の電圧を予め設定された閾値電圧と比較した信号と、フォトカプラ24aのドライブ信号(DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、DPwn)とに基づいてフォトカプラの劣化を検出し、劣化検出信号(SDup、SDvp、SDwp、SDun、SDvn、SDwn、)を制御演算部20へ出力する。
本発明の電力変換装置の第1の例は、このような構成となっている。
整流器21は、商用電源1を整流し、平滑コンデンサ22で平滑して直流母線電圧とする。
制御演算部20は、制御演算を行い、スイッチング信号を発生し、そのスイッチング信号をフォトカプラのドライブ信号(DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、DPwn)としてフォトカプラ24aおよび劣化検出手段30aへ出力する。
フォトカプラ24aはそのドライブ信号(DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、DPwn)を絶縁してパワースイッチング素子を駆動するゲート信号(DGup、DGvp、DGwp、DGun、DGvn、DGwn)としてパワースイッチング素子23aに出力する。
パワースイッチング素子23aは、そのゲート信号(DGup、DGvp、DGwp、DGun、DGvn、DGwn)に基づいて、前記直流母線電圧をスイッチングして、負荷であるモータ3へ電力を供給する。
劣化検出手段30aは、フォトカプラ24aの出力信号であるパワースイッチング素子23aのゲート信号(DGup、DGvp、DGwp、DGun、DGvn、DGwn)の電圧を予め設定された閾値電圧と比較した信号と、フォトカプラ24aのドライブ信号(DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、DPwn)とに基づいてフォトカプラの劣化を検出し、劣化検出信号(SDup、SDvp、SDwp、SDun、SDvn、SDwn、)を制御演算部20へ出力する。
本発明の電力変換装置の第1の例は、このような構成となっている。
つぎに、本発明の電力変換装置の第1の例の特徴部分であるA部について詳細に説明する。
図4は、図3のA部の詳細図である。
図4において、23up、23vp、23wp、23un、23vn、23wnは、パワースイッチング素子である。図3におけるパワースイッチング素子23aは、パワースイッチング素子23up、23vp、23wp、23un、23vn、および23wnをまとめて表したものである。
また、24up、24vp、24wp、24un、24vn、24wnは、フォトカプラである。図3におけるフォトカプラ24aは、フォトカプラ24up、24vp、24wp、24un、24vn、および24wnをまとめて表したものである。
また、25up、25vp、25wp、25un、25vn、25wnは、ゲートドライブ用電源である。図3には図示していない。
また、26up、26vp、26wp、26un、26vn、26wnは、反転バッファである。図3には図示していない。
また、27up、27vp、27wp、27un、27vn、27wnは、抵抗器である。図3には図示していない。
また、30up、30vp、30wp、30un、30vn、30wnは、劣化検出手段である。
劣化検出手段30aは、パワースイッチング素子23upを駆動するフォトカプラ24upの劣化を検出する劣化検出手段30up、パワースイッチング素子23vpを駆動するフォトカプラ24vpの劣化を検出する劣化検出手段30vp、パワースイッチング素子23wpを駆動するフォトカプラ24wpの劣化を検出する劣化検出手段30wp、パワースイッチング素子23unを駆動するフォトカプラ24unの劣化を検出する劣化検出手段30un、パワースイッチング素子23vnを駆動するフォトカプラ24vnの劣化を検出する劣化検出手段30vn、およびパワースイッチング素子23wnを駆動するフォトカプラ24wnの劣化を検出する劣化検出手段30wnで構成している。
すなわち、劣化検出手段30aは、劣化検出手段30up、劣化検出手段30vp、劣化検出手段30wp、劣化検出手段30un、劣化検出手段30vn、および劣化検出手段30wnをまとめて表している。
図4は、図3のA部の詳細図である。
図4において、23up、23vp、23wp、23un、23vn、23wnは、パワースイッチング素子である。図3におけるパワースイッチング素子23aは、パワースイッチング素子23up、23vp、23wp、23un、23vn、および23wnをまとめて表したものである。
また、24up、24vp、24wp、24un、24vn、24wnは、フォトカプラである。図3におけるフォトカプラ24aは、フォトカプラ24up、24vp、24wp、24un、24vn、および24wnをまとめて表したものである。
また、25up、25vp、25wp、25un、25vn、25wnは、ゲートドライブ用電源である。図3には図示していない。
また、26up、26vp、26wp、26un、26vn、26wnは、反転バッファである。図3には図示していない。
また、27up、27vp、27wp、27un、27vn、27wnは、抵抗器である。図3には図示していない。
また、30up、30vp、30wp、30un、30vn、30wnは、劣化検出手段である。
劣化検出手段30aは、パワースイッチング素子23upを駆動するフォトカプラ24upの劣化を検出する劣化検出手段30up、パワースイッチング素子23vpを駆動するフォトカプラ24vpの劣化を検出する劣化検出手段30vp、パワースイッチング素子23wpを駆動するフォトカプラ24wpの劣化を検出する劣化検出手段30wp、パワースイッチング素子23unを駆動するフォトカプラ24unの劣化を検出する劣化検出手段30un、パワースイッチング素子23vnを駆動するフォトカプラ24vnの劣化を検出する劣化検出手段30vn、およびパワースイッチング素子23wnを駆動するフォトカプラ24wnの劣化を検出する劣化検出手段30wnで構成している。
すなわち、劣化検出手段30aは、劣化検出手段30up、劣化検出手段30vp、劣化検出手段30wp、劣化検出手段30un、劣化検出手段30vn、および劣化検出手段30wnをまとめて表している。
電力変換装置におけるパワースイッチング素子23aの構成は、以下に示すとおりである。
パワースイッチング素子23upとパワースイッチング素子23unとを直列接続し、パワースイッチング素子23upのドレインを直流母線の正側Vpに、パワースイッチング素子23unのソースを母線電圧の負側Vnに接続して、U相アームを構成し、パワースイッチング素子23upとパワースイッチング素子23unとの接続点を負荷への出力点Uとする。
また、パワースイッチング素子23vpとパワースイッチング素子23vnとを直列接続し、パワースイッチング素子23vpのドレインを直流母線の正側Vpに、パワースイッチング素子23vnのソースを母線電圧の負側Vnに接続して、V相アームを構成し、パワースイッチング素子23vpとパワースイッチング素子23vnとの接続点を負荷への出力点Vとする。
また、パワースイッチング素子23wpとパワースイッチング素子23wnとを直列接続し、パワースイッチング素子23wpのドレインを直流母線の正側Vpに、パワースイッチング素子23wnのソースを母線電圧の負側Vnに接続して、W相アームを構成し、パワースイッチング素子23wpとパワースイッチング素子23wnとの接続点を負荷への出力点Wとする。
パワースイッチング素子23upとパワースイッチング素子23unとを直列接続し、パワースイッチング素子23upのドレインを直流母線の正側Vpに、パワースイッチング素子23unのソースを母線電圧の負側Vnに接続して、U相アームを構成し、パワースイッチング素子23upとパワースイッチング素子23unとの接続点を負荷への出力点Uとする。
また、パワースイッチング素子23vpとパワースイッチング素子23vnとを直列接続し、パワースイッチング素子23vpのドレインを直流母線の正側Vpに、パワースイッチング素子23vnのソースを母線電圧の負側Vnに接続して、V相アームを構成し、パワースイッチング素子23vpとパワースイッチング素子23vnとの接続点を負荷への出力点Vとする。
また、パワースイッチング素子23wpとパワースイッチング素子23wnとを直列接続し、パワースイッチング素子23wpのドレインを直流母線の正側Vpに、パワースイッチング素子23wnのソースを母線電圧の負側Vnに接続して、W相アームを構成し、パワースイッチング素子23wpとパワースイッチング素子23wnとの接続点を負荷への出力点Wとする。
各パワースイッチング素子の駆動回路は、すべて同じ構成とし、実施例1と同じ構成にしているので、その代表として、パワースイッチング素子23upの駆動回路についてのみ説明する。
パワースイッチング素子23upの駆動回路は、反転バッファ26upの入力端子は、フォトカプラ24upのドライブ信号DPupを入力し、反転バッファ26upの出力端は、フォトカプラ24upの発光ダイオードのカソードに接続し、フォトカプラ24upの発光ダイオードのアノードは、抵抗器27upを直列接続して制御用電源VLに接続する。フォトカプラ24upのフォトトランジスタのコレクタはゲートドライブ用電源25upの正電位側に接続し、フォトカプラ24upのフォトトランジスタのエミッタはパワースイッチング素子23upのゲートに接続し、ゲートドライブ用電源25upの負電位側GGupはパワースイッチング素子23upのソースに接続する。
劣化検出手段30upは、フォトカプラ24upのドライブ信号DPupとフォトカプラ24upの出力電圧DGupを入力し、ゲートドライブ用電源25upの負電位側GGupを基準点として出力電圧DGupを予め設定された閾値と比較して、フォトカプラ24upの劣化を検出して劣化信号SDupを出力する。
パワースイッチング素子23upを駆動する動作、および本発明の劣化検出手段30upの動作については、実施例1と同じであるので、説明は省略する。
パワースイッチング素子23upの駆動回路は、反転バッファ26upの入力端子は、フォトカプラ24upのドライブ信号DPupを入力し、反転バッファ26upの出力端は、フォトカプラ24upの発光ダイオードのカソードに接続し、フォトカプラ24upの発光ダイオードのアノードは、抵抗器27upを直列接続して制御用電源VLに接続する。フォトカプラ24upのフォトトランジスタのコレクタはゲートドライブ用電源25upの正電位側に接続し、フォトカプラ24upのフォトトランジスタのエミッタはパワースイッチング素子23upのゲートに接続し、ゲートドライブ用電源25upの負電位側GGupはパワースイッチング素子23upのソースに接続する。
劣化検出手段30upは、フォトカプラ24upのドライブ信号DPupとフォトカプラ24upの出力電圧DGupを入力し、ゲートドライブ用電源25upの負電位側GGupを基準点として出力電圧DGupを予め設定された閾値と比較して、フォトカプラ24upの劣化を検出して劣化信号SDupを出力する。
パワースイッチング素子23upを駆動する動作、および本発明の劣化検出手段30upの動作については、実施例1と同じであるので、説明は省略する。
このように、負荷に電力を供給するパワースイッチング素子を駆動するフォトカプラのすべてに独立して、それぞれ劣化検出手段を設けているので、個別にフォトカプラの劣化を検出することができるので、電力変換装置のパワースイッチング素子がドライブ電流不足により破壊されることを事前に回避することができる。
また、フォトカプラ40が絶縁機能を有していることで、高い電圧をスイッチングするパワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化を検出することができる。
また、フォトカプラ40が絶縁機能を有していることで、高い電圧をスイッチングするパワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化を検出することができる。
また、制御部20は、テストパターン発生手段52を備え、電力変換装置2が負荷に電力を供給していないときに、テストパターンを発生させて、パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化を検出してもよい。
テストパターン発生手段52は、パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化をテストするテストパターンを発生する。
テストパターンは、パワースイッチング素子を個別に、一つずつ順次オンさせるように、フォトカプラのドライブ信号DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、およびDPwnを発生する。
また、テストパターン発生手段52は、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子すべてを同時にオンさせるように、フォトカプラのドライブ信号DPun、DPvn、およびDPwnを発生させてもよい。
劣化検出手段30aすなわち、劣化検出手段30up、30vp、30wp、30un、30vn、および30wnは、フォトカプラ24aすなわち、フォトカプラ24up、24vp、24wp、24un、24vn、および24wnの劣化を検出する。
テストパターン発生手段52は、パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化をテストするテストパターンを発生する。
テストパターンは、パワースイッチング素子を個別に、一つずつ順次オンさせるように、フォトカプラのドライブ信号DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、およびDPwnを発生する。
また、テストパターン発生手段52は、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子すべてを同時にオンさせるように、フォトカプラのドライブ信号DPun、DPvn、およびDPwnを発生させてもよい。
劣化検出手段30aすなわち、劣化検出手段30up、30vp、30wp、30un、30vn、および30wnは、フォトカプラ24aすなわち、フォトカプラ24up、24vp、24wp、24un、24vn、および24wnの劣化を検出する。
パワースイッチング素子を個別に、一つずつ順次オンさせるように、テストパターンを発生させることにより、負荷であるモータ3に電流を流すことなく、フォトカプラの劣化を検出することができ、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子すべてを同時にオンさせるように、テストパターンを発生させることにより、それぞれのパワースイッチング素子を駆動するフォトカプラすべてを同時にテストすることもできる。
本実施例が、実施例2と異なる点は、母線電圧の負側Vnにソースを接続したパワースイッチング素子23un、23vn、および23wnをそれぞれ駆動するフォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化検出を、一つの劣化検出手段で行う点である。
図5は、本発明のフォトカプラの劣化検出手段を適用した電力変換装置の第2の例の概要を説明する図である。図5において、30bは、劣化検出手段である。
図5が図3と異なる点は、劣化検出手段の構成が異なっている点である。
劣化検出手段30bは、フォトカプラ24aの出力信号であるパワースイッチング素子23aのゲート信号(DGup、DGvp、DGwp、DGun、DGvn、DGwn)の電圧を予め設定された閾値電圧と比較した信号と、フォトカプラ24aのドライブ信号(DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、DPwn)とに基づいてフォトカプラの劣化を検出し、劣化検出信号(SDup、SDvp、SDwp、SDn)を制御演算部20へ出力する。
図5は、本発明のフォトカプラの劣化検出手段を適用した電力変換装置の第2の例の概要を説明する図である。図5において、30bは、劣化検出手段である。
図5が図3と異なる点は、劣化検出手段の構成が異なっている点である。
劣化検出手段30bは、フォトカプラ24aの出力信号であるパワースイッチング素子23aのゲート信号(DGup、DGvp、DGwp、DGun、DGvn、DGwn)の電圧を予め設定された閾値電圧と比較した信号と、フォトカプラ24aのドライブ信号(DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、DPwn)とに基づいてフォトカプラの劣化を検出し、劣化検出信号(SDup、SDvp、SDwp、SDn)を制御演算部20へ出力する。
先ず、劣化検出手段30bの構成について説明する。
図6は、図5のB部の詳細図である。図6において、30nは、フォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化を検出する劣化検出手段である。
パワースイッチング素子23un、23vn、および23wnのソースは、直流母線電圧の負側Vnを介して、共通になっており、ゲートドライブ用電源25up、25vp、および25wpの負電位側GGun、GGvn、GGwnも、直流母線電圧の負側Vnを介して、共通になっているので、パワースイッチング素子23un、23vn、および23wnをそれぞれ駆動するフォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化検出は、一つの劣化検出手段で行うことができる。
また、パワースイッチング素子23un、23vn、および23wnのゲートドライブ用電源25up、25vp、および25wpも、一つのゲートドライブ用電源で共有することができる。
劣化検出手段30bは、パワースイッチング素子23upを駆動するフォトカプラ24upの劣化を検出する劣化検出手段30up、パワースイッチング素子23vpを駆動するフォトカプラ24vpの劣化を検出する劣化検出手段30vp、およびパワースイッチング素子23wpを駆動するフォトカプラ24wpの劣化を検出する劣化検出手段30wp、ならびにパワースイッチング素子23un、23vn、および23wnをそれぞれ駆動するフォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化を検出する劣化検出手段30nで構成している。
すなわち、劣化検出手段30bは、劣化検出手段30up、劣化検出手段30vp、劣化検出手段30wp、および劣化検出手段30nをまとめて表している。
劣化検出手段30up、30vp、および30wpに関しては実施例2と同じであるので、説明は省略する。
図6は、図5のB部の詳細図である。図6において、30nは、フォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化を検出する劣化検出手段である。
パワースイッチング素子23un、23vn、および23wnのソースは、直流母線電圧の負側Vnを介して、共通になっており、ゲートドライブ用電源25up、25vp、および25wpの負電位側GGun、GGvn、GGwnも、直流母線電圧の負側Vnを介して、共通になっているので、パワースイッチング素子23un、23vn、および23wnをそれぞれ駆動するフォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化検出は、一つの劣化検出手段で行うことができる。
また、パワースイッチング素子23un、23vn、および23wnのゲートドライブ用電源25up、25vp、および25wpも、一つのゲートドライブ用電源で共有することができる。
劣化検出手段30bは、パワースイッチング素子23upを駆動するフォトカプラ24upの劣化を検出する劣化検出手段30up、パワースイッチング素子23vpを駆動するフォトカプラ24vpの劣化を検出する劣化検出手段30vp、およびパワースイッチング素子23wpを駆動するフォトカプラ24wpの劣化を検出する劣化検出手段30wp、ならびにパワースイッチング素子23un、23vn、および23wnをそれぞれ駆動するフォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化を検出する劣化検出手段30nで構成している。
すなわち、劣化検出手段30bは、劣化検出手段30up、劣化検出手段30vp、劣化検出手段30wp、および劣化検出手段30nをまとめて表している。
劣化検出手段30up、30vp、および30wpに関しては実施例2と同じであるので、説明は省略する。
劣化検出手段30nは、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのドライブ信号DPun、DPvn、およびDPwnのいずれかが“H”(論理1)となったときに、“H”(論理1)になるドライブ信号DPnと、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのそれぞれの出力電圧DGup、DGvp、およびDGwpとを入力し、パワースイッチング素子23un、23vn、および23wnのゲートドライブ用電源25up、25vp、および25wpの負電位側GGun、GGvn、GGwnのいずれかを基準点GGnとして、出力電圧DGup、DGvp、およびDGwpを予め設定された閾値と比較し、フォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化を検出し、劣化信号SDnを出力する。
本実施例では、パワースイッチング素子23wnのゲートドライブ用電源25wpの負電位側GGwnを、基準点GGnとしている。
本実施例では、パワースイッチング素子23wnのゲートドライブ用電源25wpの負電位側GGwnを、基準点GGnとしている。
図7は、直流母線電圧の負側に接続された複数のパワースイッチング素子をそれぞれ駆動するフォトカプラの劣化検出を一つの劣化検出手段で行う場合の回路例の概要を説明する図である。
劣化検出手段30nは、比較器31n、基準電圧32、および劣化判定手段33で構成する。
比較器31nは、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのそれぞれの出力電圧DGup、DGvp、およびDGwpを入力し、パワースイッチング素子23wnのゲートドライブ用電源25wpの負電位側GGwnを基準点GGnとして、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのそれぞれの出力電圧DGup、DGvp、およびDGwpを予め設定された閾値である基準電圧32と比較して、出力電圧DGup、DGvp、およびDGwpのいずれかが予め設定された閾値である基準電圧32よりも高かったら、比較信号PHnを“H”(論理1)にして劣化判定手段33に出力する。
劣化検出手段30nは、比較器31n、基準電圧32、および劣化判定手段33で構成する。
比較器31nは、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのそれぞれの出力電圧DGup、DGvp、およびDGwpを入力し、パワースイッチング素子23wnのゲートドライブ用電源25wpの負電位側GGwnを基準点GGnとして、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのそれぞれの出力電圧DGup、DGvp、およびDGwpを予め設定された閾値である基準電圧32と比較して、出力電圧DGup、DGvp、およびDGwpのいずれかが予め設定された閾値である基準電圧32よりも高かったら、比較信号PHnを“H”(論理1)にして劣化判定手段33に出力する。
つぎに、比較器31nの具体的な回路例について説明する。
図8は、図7における比較器(タイプ2)の具体的な回路例である。図8において、28un、28vn、および28wnは抵抗器、29up、29vp、および29wpはダイオード、41nは定電圧ダイオード、46はトランジスタである。
比較器31nは、抵抗器28un、28vn、28wn、および44、ダイオード29up、29vp、および29wp、フォトカプラ40、反転バッファ45、トランジスタ46で構成する。
ダイオード29upのアノードを入力端DGunに接続し、ダイオード29upのカソードは抵抗器28unの一端に接続する。ダイオード29vpのアノードを入力端DGvnに接続し、ダイオード29vpのカソードは抵抗器28vnの一端に接続する。ダイオード29wpのアノードを入力端DGwnに接続し、ダイオード29wpのカソードは抵抗器28wnの一端に接続する。
抵抗器28unの他端、抵抗器28vnの他端、および抵抗器28wnの他端、トランジスタ46のコレクタ、およびトランジスタ46のベースをそれぞれ接続し、基準電圧の入力端とする。
トランジスタ46のエミッタはフォトカプラ40の発光ダイオードのアノードに接続し、フォトカプラ40の発光ダイオードのカソードは基準点GGnとする。
フォトカプラ40のフォトトランジスタのエミッタは制御用電源のグランドGLに接続し、フォトカプラ40のフォトトランジスタのコレクタは抵抗器44の一端および反転バッファ45の入力に接続し、反転バッファ45は比較信号PHnを出力する。抵抗器44の他端は制御用電源VLに接続する。
このようにして、比較器31nを構成している。
定電圧ダイオード41nは、基準電圧として機能する。定電圧ダイオード41nのカソードは、基準電圧の入力端、すなわち、抵抗器28un、抵抗器28vn、抵抗器28wn、トランジスタ46のコレクタ、およびトランジスタ46のベースがそれぞれ接続された点に接続し、定電圧ダイオード41nのアノードは、基準点GGnに接続する。
図8は、図7における比較器(タイプ2)の具体的な回路例である。図8において、28un、28vn、および28wnは抵抗器、29up、29vp、および29wpはダイオード、41nは定電圧ダイオード、46はトランジスタである。
比較器31nは、抵抗器28un、28vn、28wn、および44、ダイオード29up、29vp、および29wp、フォトカプラ40、反転バッファ45、トランジスタ46で構成する。
ダイオード29upのアノードを入力端DGunに接続し、ダイオード29upのカソードは抵抗器28unの一端に接続する。ダイオード29vpのアノードを入力端DGvnに接続し、ダイオード29vpのカソードは抵抗器28vnの一端に接続する。ダイオード29wpのアノードを入力端DGwnに接続し、ダイオード29wpのカソードは抵抗器28wnの一端に接続する。
抵抗器28unの他端、抵抗器28vnの他端、および抵抗器28wnの他端、トランジスタ46のコレクタ、およびトランジスタ46のベースをそれぞれ接続し、基準電圧の入力端とする。
トランジスタ46のエミッタはフォトカプラ40の発光ダイオードのアノードに接続し、フォトカプラ40の発光ダイオードのカソードは基準点GGnとする。
フォトカプラ40のフォトトランジスタのエミッタは制御用電源のグランドGLに接続し、フォトカプラ40のフォトトランジスタのコレクタは抵抗器44の一端および反転バッファ45の入力に接続し、反転バッファ45は比較信号PHnを出力する。抵抗器44の他端は制御用電源VLに接続する。
このようにして、比較器31nを構成している。
定電圧ダイオード41nは、基準電圧として機能する。定電圧ダイオード41nのカソードは、基準電圧の入力端、すなわち、抵抗器28un、抵抗器28vn、抵抗器28wn、トランジスタ46のコレクタ、およびトランジスタ46のベースがそれぞれ接続された点に接続し、定電圧ダイオード41nのアノードは、基準点GGnに接続する。
つぎに、比較器31nの動作について説明する。
入力端DGun、DGvn、DGwnのいずれか電圧が、(定電圧ダイオード41nの定格電圧+ダイオードの順方向電圧)よりも高くなると、トランジスタ46に電流が流れて、フォトカプラ40の発光ダイオードに電流が流れ、フォトカプラ40のフォトトランジスタがオンする。すると、反転バッファ45の入力は“L”(論理0)となり、反転バッファ45の出力すなわち比較信号PHnは“H”(論理1)となる。
入力端DGun、DGvn、DGwnのいずれか電圧が、(定電圧ダイオード41nの定格電圧+ダイオードの順方向電圧)よりも高くなると、トランジスタ46に電流が流れて、フォトカプラ40の発光ダイオードに電流が流れ、フォトカプラ40のフォトトランジスタがオンする。すると、反転バッファ45の入力は“L”(論理0)となり、反転バッファ45の出力すなわち比較信号PHnは“H”(論理1)となる。
劣化判定手段33は、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのドライブ信号DPun、DPvn、およびDPwnのいずれかが“H”(論理1)となったときに、“H”(論理1)になるドライブ信号DPnと、比較信号PHnとを入力し、ドライブ信号DPnが“H”(論理1)のときに、比較信号PHnが“L”(論理0)であったら、劣化信号SDnを出力する。
このようにして、母線電圧の負側Vnにソースを接続したパワースイッチング素子23un、23vn、および23wnをそれぞれ駆動するフォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化検出を、一つの劣化検出手段30nで行う。
このようにして、母線電圧の負側Vnにソースを接続したパワースイッチング素子23un、23vn、および23wnをそれぞれ駆動するフォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化検出を、一つの劣化検出手段30nで行う。
本実施例によれば、実施例2に加えて、母線電圧の負側Vnにソースを接続したパワースイッチング素子23un、23vn、および23wnをそれぞれ駆動するフォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化検出を、一つの劣化検出手段30nで行うことができるので、劣化検出手段の数を削減でき、コストダウンが可能になるという効果がある。
また、劣化判定手段33は、フォトカプラのドライブ信号DPと比較器31の比較信号PHとの排他的論理和(XOR)を劣化信号SDとして出力することが好ましい。フォトカプラのドライブ信号DPが“L”(論理0)のときに、比較器31の比較信号PHが“H”(論理1)だった場合は、フォトカプラの劣化とは限らないが、フォトカプラの異常と考えられるので、こうすることにより、フォトカプラの劣化以外の異常も同時に検出することができる。
また、実施例2と同様に、制御部20は、テストパターン発生手段52を備え、電力変換装置2が負荷に電力を供給していないときに、テストパターンを発生させて、パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化を検出してもよい。
テストパターン発生手段52は、パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化をテストするテストパターンを発生する。
テストパターンは、パワースイッチング素子を個別に、一つずつ順次オンさせるように、フォトカプラのドライブ信号DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、およびDPwnを発生するが、本実施例においては、DPun、DPvn、およびDPwnのいずれかを発生させるときは、DPnを同時に発生させる。
また、テストパターン発生手段52は、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子すべてを同時にオンさせるように、フォトカプラのドライブ信号DPun、DPvn、およびDPwnを発生させてもよいが、本実施例においては、この時も、DPnを同時に発生させる。
劣化検出手段30up、30vp、および30wpは、フォトカプラ24up、24vp、および24wpの劣化を検出し、劣化検出手段30nは、フォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化を検出する。
テストパターン発生手段52は、パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化をテストするテストパターンを発生する。
テストパターンは、パワースイッチング素子を個別に、一つずつ順次オンさせるように、フォトカプラのドライブ信号DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、およびDPwnを発生するが、本実施例においては、DPun、DPvn、およびDPwnのいずれかを発生させるときは、DPnを同時に発生させる。
また、テストパターン発生手段52は、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子すべてを同時にオンさせるように、フォトカプラのドライブ信号DPun、DPvn、およびDPwnを発生させてもよいが、本実施例においては、この時も、DPnを同時に発生させる。
劣化検出手段30up、30vp、および30wpは、フォトカプラ24up、24vp、および24wpの劣化を検出し、劣化検出手段30nは、フォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化を検出する。
実施例2と同様に、パワースイッチング素子を個別に、一つずつ順次オンさせるように、テストパターンを発生させることにより、負荷であるモータ3に電流を流すことなく、フォトカプラの劣化を検出することができ、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子すべてを同時にオンさせるように、テストパターンを発生させることにより、それぞれのパワースイッチング素子を駆動するフォトカプラすべてを同時にテストすることもできる。
ただし、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子すべてを同時にオンさせるように、テストパターンを発生させる場合には、比較器31nは、図9に示す比較器(タイプ3)に代える必要がある。比較器31nは、フォトカプラ24un、24vn、および24wnの出力電圧DGun、DGvn、およびDGwnのいずれか所定の値以上であれば、比較信号PHnが“H”(論理1)となるので、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのいずれか一つまたは二つが劣化していても検出できない。
図9は、比較器(タイプ3)の具体的な回路例である。図9において、31mは比較器(タイプ3)である。比較器31mが比較器31nと異なる点は、比較器31mにはダイオード29up、29vp、および29wpがなく、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのそれぞれの出力電圧DGun、DGvn、およびDGwnが直接、抵抗器28un、28vn、および28wnの一端に接続されている点である。
こうすることにより、出力電圧DGun、DGvn、およびDGwnの和が、所定の電圧となったときに、比較器31mの出力である比較信号PHnが“H”(論理1)となる。
したがって、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのいずれか一つが劣化している場合でも検出できる。
しかし、比較器31mでは、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子を一つずつ順次オンさせて、フォトカプラの劣化を検出することはできない。
ただし、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子すべてを同時にオンさせるように、テストパターンを発生させる場合には、比較器31nは、図9に示す比較器(タイプ3)に代える必要がある。比較器31nは、フォトカプラ24un、24vn、および24wnの出力電圧DGun、DGvn、およびDGwnのいずれか所定の値以上であれば、比較信号PHnが“H”(論理1)となるので、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのいずれか一つまたは二つが劣化していても検出できない。
図9は、比較器(タイプ3)の具体的な回路例である。図9において、31mは比較器(タイプ3)である。比較器31mが比較器31nと異なる点は、比較器31mにはダイオード29up、29vp、および29wpがなく、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのそれぞれの出力電圧DGun、DGvn、およびDGwnが直接、抵抗器28un、28vn、および28wnの一端に接続されている点である。
こうすることにより、出力電圧DGun、DGvn、およびDGwnの和が、所定の電圧となったときに、比較器31mの出力である比較信号PHnが“H”(論理1)となる。
したがって、フォトカプラ24un、24vn、および24wnのいずれか一つが劣化している場合でも検出できる。
しかし、比較器31mでは、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子を一つずつ順次オンさせて、フォトカプラの劣化を検出することはできない。
電力変換装置においては、通常の運転を行う場合には、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子は、すべてが同時にオンすることはないので、劣化検出手段30nの比較器は、比較器(タイプ3)、すなわち比較器31mのみで構成することはできない。比較器31mは、パワースイッチング素子23un、23vn、および23wnすべてを同時にオンさせるテストパターンを発生させる場合にのみ、有効である。
本実施例が、実施例3と異なる点は、電力変換装置が、負荷に電力を供給する電力供給線の線間電圧を検出する線間電圧検出回路と、検出された線間電圧に基づいて診断実施可否判定手段とを備えた点である。
図10は、本発明のフォトカプラの劣化検出手段を適用した電力変換装置の第3の例の概要を説明する図である。図10において、50は線間電圧検出回路、51は診断実施可否判定手段、52はテストパターン発生手段である。
線間電圧検出回路50は、負荷に電力を供給する電力供給線の線間電圧を検出し、線間電圧値Vuv、Vvw、およびVwuを診断実施可否判定手段51に出力する。
診断実施可否判定手段51は、線間電圧値Vuv、Vvw、およびVwuを入力し、線間電圧値Vuv、Vvw、およびVwuのいずれかが予め設定された値以上の場合には、診断実施不可信号TINHを制御演算部20のテストパターン発生手段52へ出力する。
テストパターン発生手段52は、電力変換装置2が負荷に電力を供給していないときに、パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化をテストするテストパターンを発生する。また、テストパターン発生手段52は、診断実施不可信号TINHを入力すると、テストパターンの発生を行わない。
テストパターン発生手段52は、パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化をテストするテストパターンを発生する。
テストパターンは、パワースイッチング素子を個別に、一つずつ順次オンさせるように、フォトカプラのドライブ信号DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、およびDPwnを発生する。本実施例においても実施例3同様、DPun、DPvn、およびDPwnのいずれかを発生させるときは、DPnを同時に発生させる。
また、テストパターン発生手段52は、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子すべてを同時にオンさせるように、フォトカプラのドライブ信号DPun、DPvn、およびDPwnを発生させてもよい。本実施例においても実施例3同様、DPnを同時に発生させる。
劣化検出手段30up、30vp、および30wpは、フォトカプラ24up、24vp、および24wpの劣化を検出し、劣化検出手段30nは、フォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化を検出する。
図10は、本発明のフォトカプラの劣化検出手段を適用した電力変換装置の第3の例の概要を説明する図である。図10において、50は線間電圧検出回路、51は診断実施可否判定手段、52はテストパターン発生手段である。
線間電圧検出回路50は、負荷に電力を供給する電力供給線の線間電圧を検出し、線間電圧値Vuv、Vvw、およびVwuを診断実施可否判定手段51に出力する。
診断実施可否判定手段51は、線間電圧値Vuv、Vvw、およびVwuを入力し、線間電圧値Vuv、Vvw、およびVwuのいずれかが予め設定された値以上の場合には、診断実施不可信号TINHを制御演算部20のテストパターン発生手段52へ出力する。
テストパターン発生手段52は、電力変換装置2が負荷に電力を供給していないときに、パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化をテストするテストパターンを発生する。また、テストパターン発生手段52は、診断実施不可信号TINHを入力すると、テストパターンの発生を行わない。
テストパターン発生手段52は、パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化をテストするテストパターンを発生する。
テストパターンは、パワースイッチング素子を個別に、一つずつ順次オンさせるように、フォトカプラのドライブ信号DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、およびDPwnを発生する。本実施例においても実施例3同様、DPun、DPvn、およびDPwnのいずれかを発生させるときは、DPnを同時に発生させる。
また、テストパターン発生手段52は、直流母線の負側に接続されているパワースイッチング素子すべてを同時にオンさせるように、フォトカプラのドライブ信号DPun、DPvn、およびDPwnを発生させてもよい。本実施例においても実施例3同様、DPnを同時に発生させる。
劣化検出手段30up、30vp、および30wpは、フォトカプラ24up、24vp、および24wpの劣化を検出し、劣化検出手段30nは、フォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化を検出する。
また、テストパターン発生手段52は、診断実施不可信号TINHを入力すると、テストパターンの発生を行わない。すなわち、フォトカプラのドライブ信号DPup、DPvp、DPwp、DPun、DPvn、およびDPwnは発生しない。
負荷であるモータ3が回転しているときに、テストパターンを発生すると、モータ3の誘起電圧により、パワースイッチング素子に短絡電流が流れ、その短絡電流によってパワースイッチング素子が破壊されることがある。
例えば、線間電圧値Vuvが、U相が正電位、V相が負電位であったとする。その状態で、パワースイッチング素子23unをオンすると、U相からパワースイッチング素子23unを通り、パワースイッチング素子23vnのフリーホイールダイオードを通ってV相に短絡電流が流れる。
その短絡電流がパワースイッチング素子の許容値を超えると、パワースイッチング素子は破壊される。
したがって、そのパワースイッチング素子の許容電流値および負荷のインピーダンスに基づいて、診断実施不可信号TINHを出力する線間電圧値を設定しておけばよい。
他の相に関しても同様である。
負荷であるモータ3が回転しているときに、テストパターンを発生すると、モータ3の誘起電圧により、パワースイッチング素子に短絡電流が流れ、その短絡電流によってパワースイッチング素子が破壊されることがある。
例えば、線間電圧値Vuvが、U相が正電位、V相が負電位であったとする。その状態で、パワースイッチング素子23unをオンすると、U相からパワースイッチング素子23unを通り、パワースイッチング素子23vnのフリーホイールダイオードを通ってV相に短絡電流が流れる。
その短絡電流がパワースイッチング素子の許容値を超えると、パワースイッチング素子は破壊される。
したがって、そのパワースイッチング素子の許容電流値および負荷のインピーダンスに基づいて、診断実施不可信号TINHを出力する線間電圧値を設定しておけばよい。
他の相に関しても同様である。
本実施例では、実施例3と同様に、母線電圧の負側Vnにソースを接続したパワースイッチング素子23un、23vn、および23wnをそれぞれ駆動するフォトカプラ24un、24vn、および24wnの劣化検出を、一つの劣化検出手段で行う例を示しているが、実施例2と同様に、各パワースイッチング素子にそれぞれ劣化検出手段を備えてもよい。
診断実施不可信号TINHを入力すると、テストパターン発生手段52がテストパターンの発生を行わない動作以外の動作は、実施例3、または実施例2と同様であるので、省略する。
診断実施不可信号TINHを入力すると、テストパターン発生手段52がテストパターンの発生を行わない動作以外の動作は、実施例3、または実施例2と同様であるので、省略する。
本実施例によれば、実施例3の効果に加えて、負荷であるモータ3が回転しているときは、テストパターンを発生しないので、パワースイッチング素子が破壊されることはないという効果がある。
パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラのフォトトランジスタの出力電圧と予め設定された閾値とを比較することによってフォトカプラの劣化を検出することができるので、モータを制御するモータ制御装置、インバータ、可変周波数電源装置という用途にも適用できる。
1 商用電源
2 電力変換装置
3 モータ
20 制御演算部
21 整流器
22 平滑コンデンサ
23、23a、23up、23vp、23wp、23un、23vn、23wn パワースイッチング素子
24、24a、24up、24vp、24wp、24un、24vn、24wn、40 フォトカプラ
25、25up、25vp、25wp、25un、25vn、25wn ゲートドライブ用電源
26、26up、26vp、26wp、26un、26vn、26wn、45 反転バッファ
27、27up、27vp、27wp、27un、27vn、27wn、28un、28vn、28wn、42、44 抵抗器
29up、29vp、29wp ダイオード
30、30a、30b、30up、30vp、30wp、30un、30vn、30wn 劣化検出手段
31、31up、31vp、31wp、31n 比較器
32 基準電圧
33 劣化判定手段
41、41n 定電圧ダイオード
43 コンデンサ
46 トランジスタ
50 線間電圧検出回路
51 診断実施可否判定手段
2 電力変換装置
3 モータ
20 制御演算部
21 整流器
22 平滑コンデンサ
23、23a、23up、23vp、23wp、23un、23vn、23wn パワースイッチング素子
24、24a、24up、24vp、24wp、24un、24vn、24wn、40 フォトカプラ
25、25up、25vp、25wp、25un、25vn、25wn ゲートドライブ用電源
26、26up、26vp、26wp、26un、26vn、26wn、45 反転バッファ
27、27up、27vp、27wp、27un、27vn、27wn、28un、28vn、28wn、42、44 抵抗器
29up、29vp、29wp ダイオード
30、30a、30b、30up、30vp、30wp、30un、30vn、30wn 劣化検出手段
31、31up、31vp、31wp、31n 比較器
32 基準電圧
33 劣化判定手段
41、41n 定電圧ダイオード
43 コンデンサ
46 トランジスタ
50 線間電圧検出回路
51 診断実施可否判定手段
Claims (9)
- パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラの劣化検出手段において、
フォトカプラの出力電圧と予め設定された閾値とを比較する比較器と、該比較器の出力信号とフォトカプラのドライブ信号に基づいてフォトカプラが劣化しているか否かを判定する劣化判定手段とを備え、前記劣化判定手段は、前記フォトカプラのドライブ信号がアクティブで、前記フォトカプラの出力電圧が前記閾値より低いときに、フォトカプラの劣化と判定することを特徴とするフォトカプラの劣化検出手段。 - 前記劣化判定手段は、前記フォトカプラのドライブ信号と前記比較器の出力信号との排他的論理和に基づいてフォトカプラの異常と判定することを特徴とする請求項1に記載のフォトカプラの劣化検出手段。
- 前記比較器は、絶縁機能を有していることを特徴とする請求項1に記載のフォトカプラの劣化検出手段。
- 直流母線電圧をスイッチングして負荷に電力を供給するパワースイッチング素子と、前記パワースイッチング素子を駆動するフォトカプラと、制御演算を行い、スイッチング信号を発生し、該スイッチング信号を前記フォトカプラのドライブ信号として出力する制御部と、前記フォトカプラの劣化を検出するフォトカプラの劣化検出手段とを備えた電力変換装置において、
前記フォトカプラの劣化検出手段は、フォトカプラの出力電圧と予め設定された閾値とを比較する比較器と、該比較器の出力信号と前記フォトカプラのドライブ信号に基づいてフォトカプラが劣化しているか否かを判定する劣化判定手段とを備え、前記フォトカプラのドライブ信号がアクティブで、前記フォトカプラの出力電圧が前記閾値より低いときに、フォトカプラの劣化と判定することを特徴とする電力変換装置。 - 前記劣化判定手段は、前記フォトカプラのドライブ信号と前記比較器の出力信号との排他的論理和に基づいてフォトカプラの異常と判定することを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
- 前記比較器は、絶縁機能を有していることを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、前記フォトカプラの劣化をテストするテストパターンを発生するテストパターン発生手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
- 負荷に電力を供給する電力供給線の線間電圧を検出する線間電圧検出回路と、前記線間電圧が予め設定された値以上の場合には、診断実施不可信号を出力する診断実施可否判定手段とを備え、前記診断実施不可信号が出力されると、前記テストパターン発生手段は、テストパターンを発生しないことを特徴とする請求項7に記載の電力変換装置。
- 前記直流母線電圧の負側に接続された複数のパワースイッチング素子をそれぞれ駆動するフォトカプラの劣化検出は、一つの劣化検出手段で行なうことを特徴とする請求項4ないし8のいずれかに記載の電力変換装置。
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---|---|---|---|
JP2007235322A JP2009071928A (ja) | 2007-09-11 | 2007-09-11 | フォトカプラの劣化検出手段および電力変換装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10365319B2 (en) | 2014-02-03 | 2019-07-30 | Denso Wave Incorporated | Apparatus for determining deterioration of photocoupler |
CN112986783A (zh) * | 2021-03-19 | 2021-06-18 | 深圳群芯微电子有限责任公司 | 一种光电耦合器的试验测试系统及测试方法 |
CN115980502A (zh) * | 2023-03-20 | 2023-04-18 | 宁波群芯微电子股份有限公司 | 一种光耦驱动能力测试方法及系统 |
-
2007
- 2007-09-11 JP JP2007235322A patent/JP2009071928A/ja active Pending
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