JP2010147145A - プリント配線板とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、絶縁信頼性が良好であるとともに、ビア孔の内壁との密着性の高い耐食膜スパッタ層を容易にビア孔の内壁に形成することが可能であり、且つ高密度化することが可能であり、さらに生産性が良いプリント配線板とその製造方法を提供することを課題とするものである。
【解決手段】
配線板13または配線板9の表裏面11にPETフィルム7を貼着し、表裏面11に形成される導体回路6同士および表裏面11に形成される導体回路6と配線板9の中間に配置された配線板基材1の対向面12に形成された導体回路6とを導通させるべき所定位置にビア孔2、10を形成し、スパッタリングによりビア孔2、10の内壁にNiCrMoスパッタ層を形成し、PETフィルム7除去した後に、ビア孔2、10に銅めっき5を充填するとともに、配線板13および配線板9の表裏面11に導体回路6を形成することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】
配線板13または配線板9の表裏面11にPETフィルム7を貼着し、表裏面11に形成される導体回路6同士および表裏面11に形成される導体回路6と配線板9の中間に配置された配線板基材1の対向面12に形成された導体回路6とを導通させるべき所定位置にビア孔2、10を形成し、スパッタリングによりビア孔2、10の内壁にNiCrMoスパッタ層を形成し、PETフィルム7除去した後に、ビア孔2、10に銅めっき5を充填するとともに、配線板13および配線板9の表裏面11に導体回路6を形成することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、特に携帯電話やディスプレイなどに組み込まれている導体回路が形成されたプリント配線板とその製造方法に関するものである。
このプリント配線板は、一層の配線板、または予め対向面に導体回路が形成された配線板基材を複数積層することにより形成された配線板の表裏面に、導体回路を形成することにより形成されている。一層の配線板からなるプリント配線板は、一般的に樹脂フィルムからなる上記配線板の表裏面に形成される導体回路同士を導通させるべき所定位置に、ドリル、レーザー等によって上記表裏面間を貫通するスルーホールビア(ビア孔)を形成し、アディティブ法(回路パターン形成法)またはサブトラクティブ法(回路パターン形成法)等によって導体回路を形成するとともに、上記スルーホールビアに上記表裏面の導体回路同士を導通させる銅めっきを充填して形成されたものが知られている。一方、多層型のプリント配線板は、上記配線板の表裏面に形成される導体回路同士を導通させるべき所定位置および上記表裏面に形成される導体回路と上記対向面に形成された導体回路とを導通させるべき所定位置に、ドリル、レーザー等によってスルーホールビアおよびブラインドビア(ビア孔)を形成し、アディティブ法またはサブトラクティブ法等によって導体回路を形成するとともに、スルーホールビアおよびブラインドビアに上記表裏面の導体回路同士および上記表裏面の導体回路と上記対向面の導体回路を導通させる銅めっきを充填して形成されたものが知られている。
ところで、上記プリント配線板は、ドリルやレーザー等により上記ビア孔を形成した際に、上記ビア孔の内壁に傷が生じ、使用時に、銅の電極間の電位差と周囲雰囲気中から導体回路の界面に水が吸着し電離が発生して、陽極側において導体回路および銅めっきの銅が銅イオンとなって溶出し、この溶出した銅イオンが陰極側で析出する。そして、デンドライト状に還元析出した銅が上記ビア孔の内壁の傷から配線板基材を構成する樹脂フィルムの繊維を介して陰極から陽極に向かって進むイオンマイグレーションを発生させるために、絶縁抵抗が低下するという問題点があった。
この問題に対して、特許文献1に記載の発明においては、傷を有するビア孔の内壁に還元剤を塗布することにより、電離した金属イオンをビア孔の内壁の傷から上記樹脂フィルムの繊維に入り込む前に上記還元剤により金属として、上記金属イオンが繊維に進入することを防ぐ方法が提案されている。このプリント配線板は、図5に示すように、配線板17にビア孔14を形成した後に、1,2,3トリヒドロキシベンゼン等の還元剤15が付着したピン18をビア孔14に挿入することにより、ビア孔14の内壁に還元剤15を塗布し、この還元剤15を乾燥した後に、還元剤15を塗布したビア孔14に、導電性を有する金属と有機物を混殿してペースト状にした導電ペースト16を挿入して硬化させ、アディティブ法またはサブトラクティブ法により配線板17の表裏面に導体回路を形成することにより形成されている。
特開1999−289158号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明にあっては、ビア孔間の絶縁信頼性はあるものの、ピンを挿入して還元剤を塗布することから、ピンを挿入可能な内径に上記ビア孔を形成する必要があり、上記ビア孔の内径を100μm以上に形成する必要があった。そのため、上記ビア孔間のピッチを狭めることが困難であり、近年の電子機器の小型化に伴い要求されているプリント配線板の高密度化が困難であるという問題点があった。また、還元剤層とビア孔の内壁との接着力が弱く、引き抜き強度が劣るという問題点があった。さらに、上記還元剤を乾燥させる工程および上記導電ペーストの挿入、硬化させる工程を有するため、製造に時間を有し、生産性が悪いという問題点もあった。
本発明は、従来技術の問題点を解決すべくなされたもので、絶縁信頼性が良好であるとともに、ビア孔の内壁との密着性の高い耐食膜スパッタ層を容易にビア孔の内壁に形成することが可能であり、且つ高密度化することが可能であり、さらに生産性が良いプリント配線板とその製造方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法は、帯状の樹脂フィルムからなる配線板の表裏面にマスキングシートを貼着し、次いで、表裏面に形成される導体回路同士を導通させるべき所定位置に上記表裏面を貫通するビア孔を形成し、次いで、スパッタリングにより上記ビア孔の内壁に耐食性を有する耐食膜スパッタ層を形成し、上記マスキングシートを除去した後に、上記ビア孔に上記表裏面の導体回路同士を導通させる銅めっきを充填するとともに上記配線板の上記表裏面に上記導体回路を形成することを特徴とするものである。
ここで、本明細書中において、樹脂フィルムとは、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂及びポリエーテルエーテルケトン樹脂のうちの少なくとも一種以上の樹脂によって形成されたフィルムを意味するものである。
そして、請求項2に記載のプリント配線板の製造方法は、予め対向面に導体回路が形成されて積層された複数の配線板基材からなる帯状の配線板の表裏面にマスキングシートを貼着し、次いで、上記配線板の表裏面に形成される導体回路同士を導通させるべき所定位置に上記表裏面を貫通するビア孔を形成するとともに、上記表裏面に形成される導体回路と上記対向面に形成された導体回路とを導通させるべき所定位置に1層以上の上記配線板基材を貫通するビア孔を形成し、次いで、スパッタリングにより上記ビア孔の内壁に耐食性を有する耐食膜スパッタ層を形成し、上記マスキングシートを除去した後に、上記ビア孔に上記表裏面の導体回路同士および上記表裏面の導体回路と上記対向面の導体回路とを導通させる銅めっきを充填するとともに上記配線板の上記表裏面に上記導体回路を形成することを特徴とするものである。
また、請求項3に記載のプリント配線板の製造方法は、上記ビア孔の内壁に、スパッタリングによりNi、Cr、Ti、Mo、Ta、Nb、W、およびZrの少なくとも1種、もしくはこれらの合金、または該合金と貴金属元素との合金を成膜することにより耐食膜スパッタ層を形成すること特徴とするものである。
そして、請求項4に記載のプリント配線板は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法によって製造されたことを特徴とするものである。
請求項1または請求項2に記載のプリント配線板の製造方法によれば、帯状の配線板の表裏面にマスキングシートを貼着し、次いで、導体回路同士を導通させるべき所定位置に上記表裏面を貫通するビア孔を形成し、次いで、スパッタリングにより、上記ビア孔の内壁に耐食性を有する耐食膜スパッタ層を形成しているために、上記耐食膜スパッタ層が上記導体回路および後述銅めっきの銅イオンの溶出を抑止し、イオンマイグレーションの発生を防ぐことが可能となる。
従って、実際、プリント配線板を使用する際に、高湿雰囲気下においても、絶縁信頼性が良い状態を維持することが可能なプリント配線板を製造することが可能である。
従って、実際、プリント配線板を使用する際に、高湿雰囲気下においても、絶縁信頼性が良い状態を維持することが可能なプリント配線板を製造することが可能である。
また、上記耐食膜スパッタ層は、スパッタリングにより形成されているために、特許文献1のように、ピンが挿入可能な内径に上記ビア孔形成する必要がなくなるとともに、上記ビア孔の内壁に均一に薄膜に形成されるために、ビア孔の内径を100μm以下に形成することが可能となり、上記ビア孔間のピッチを狭めることが可能である。
従って、実際、電子機器のコンパクト化に対応可能なプリント配線板を製造することが可能である。
従って、実際、電子機器のコンパクト化に対応可能なプリント配線板を製造することが可能である。
さらに、上記耐食膜スパッタ層は、上記ビア孔の内壁との密着性が良好であるために、上記ビア孔の内壁と上記耐食膜スパッタ層との間に上記銅イオンが進入することを防ぐ事ができるとともに、引き抜き強度が向上する。
そして、上記配線板の表裏面に上記マスキングシートを貼着し、次いで、上記ビア孔の内壁に上記耐食膜スパッタ層を形成した後に、上記マスキングシートを除去しているために、ビア孔の内壁のみに容易に且つ確実に上記耐食膜スパッタ層を形成することが可能となる。また、上記耐食膜スパッタ層を表裏面上に形成すると、上記耐食膜スパッタ層が耐食性を有するために、上記耐食膜スパッタ層を除去するためのエッチング工程を行なう必要であったが、本発明においては、表裏面に上記耐食性スパッタ層が形成されていないために、上記耐食膜スパッタ層を除去するエッチング工程が必要なく、生産性が向上する。なお、上記マスキングシートが貼着された状態で販売されている樹脂フィルムもあり、このマスキングシートを貼着した樹脂フィルムを用いた場合、上記マスキングシートを貼着する作業を行なう必要が無くなることから、より容易にプリント配線板を製造することが可能である。
さらに、上記配線板のマスキングシートを除去した後に、上記ビア孔に上記表裏面の導体回路同士を導通させる銅めっきを充填するとともに、上記配線板の表裏面に導体回路を形成するために、特許文献1のように、微細に形成された上記ビア孔に導電ペーストを挿入、硬化する等の困難な作業を行なう必要がなくなり、プリント配線板の生産性が向上する。
ところで、プリント配線板には、予め対向面に導体回路が形成されて積層された複数の配線板基材からなる帯状の配線板からなる多層型のプリント配線板もあり、この多層型プリント配線板には、表裏面に形成される導体回路と上記対向面に形成された導体回路とを導通させる所定位置に、1層以上の上記配線板基材を貫通するビア孔を形成しているものがある。そして、該ビア孔も、形成時にその内壁に傷が生じるために、上記イオンマイグレーションが発生するという問題点があった。
この点、請求項2に記載のプリント配線板の製造方法においても、同様に上記配線板にマスキングシートを貼着し、次いで、表裏面に形成される導体回路と上記対向面に形成された導体回路とを導通させる所定位置に、1層以上の上記配線板基材を貫通するビア孔を形成し、次いで、スパッタリングによりこの1層以上の上記配線板基材を貫通するビア孔の内壁に耐食性を有する耐食膜スパッタ層を形成し、上記マスキングシートを除去した後に、該ビア孔に上記表裏面の導体回路と上記対向面の導体回路とを導通させる銅めっきを充填するとともに上記配線板の上記表裏面に上記導体回路を形成しているために、上記配線板の表裏面を貫通するビア孔と同様に、該ビア孔に耐食膜スパッタ層を形成することにより、イオンマイグレーションを防ぐ事が可能である。
一方、請求項3に記載のプリント配線板の製造方法によれば、上記ビア孔の内壁に、スパッタリングによりNi、Cr、Ti、Mo、Ta、Nb、Wr、およびZrの少なくとも1種、もしくはこれらの合金、または該合金と貴金属元素との合金により耐食膜スパッタ層を形成しているために、この耐食膜スパッタ層の表面上に薄い酸化膜が形成され、この酸化膜がCuの溶出を抑制して、上記導体回路および上記銅めっきが周囲雰囲気の酸素や水分により酸化や電離してしまうことを防ぎ、イオンマイグレーションを防ぐ事が可能となる。また、ビア孔の内壁のみに耐食膜スパッタ層を形成しており、この結果、Mo、Ta、Nb、W、およびZrのように耐食性が非常に良い金属を使用することが可能であるために、従来技術に比べ、より確実にイオンマイグレーションを防ぎ、長期間にわたる耐食性の維持が可能となる。
従ってプリント配線板を使用する際に、高湿雰囲気下において長期間運用を行なっても、絶縁信頼性が良い状態で維持することが可能なプリント配線板を製造することが可能である。
従ってプリント配線板を使用する際に、高湿雰囲気下において長期間運用を行なっても、絶縁信頼性が良い状態で維持することが可能なプリント配線板を製造することが可能である。
以上のことから、請求項4に記載の本発明によれば、これらの製造方法により製造されたプリント配線板は、高湿雰囲気下において長期間運用しても、絶縁信頼性が良い状態で維持することが可能であり、且つ電子機器のコンパクト化に対応可能である。
(第1実施形態)
まず、本発明に係わるプリント配線板の第1実施形態を説明する。図1に示すように、このプリント配線板は、樹脂フィルムからなる帯状の配線板13に、配線板13の表裏面11を貫通するスルーホールビア2が形成され、このスルーホールビア2の内壁にNiCrMo(ニクロムモリブデン)スパッタ層3(耐食膜スパッタ層)が形成され、NiCrMoスパッタ層3および配線板13の表裏面11上に配線板13に導電性を付与する銅スパッタ層4が形成され、スルーホールビア2の内部に、銅めっき5が充填されている。そして、表裏面11には、導体回路6が形成されている。
まず、本発明に係わるプリント配線板の第1実施形態を説明する。図1に示すように、このプリント配線板は、樹脂フィルムからなる帯状の配線板13に、配線板13の表裏面11を貫通するスルーホールビア2が形成され、このスルーホールビア2の内壁にNiCrMo(ニクロムモリブデン)スパッタ層3(耐食膜スパッタ層)が形成され、NiCrMoスパッタ層3および配線板13の表裏面11上に配線板13に導電性を付与する銅スパッタ層4が形成され、スルーホールビア2の内部に、銅めっき5が充填されている。そして、表裏面11には、導体回路6が形成されている。
ここで、スルーホールビア2の内径は、5μm〜100μmに形成されている。なお、スルーホールビア2の内径を5μm未満にした場合、開孔が困難であり加工費用が高くなり、100μmを越えると高密度のプリント配線板を製造する際に、ピッチが大きすぎて導体回路6を形成する上で障害となるとともに、銅めっき5の充填作業に時間を要し、生産性が低下する。スルーホールビア2の内径は、より小さい内径のものが要求されており、10μm〜50μmとするのが好ましい。
また、NiCrMoスパッタ層3の厚みは、2nm〜50nmに形成されている。なお、2nm未満にした場合、導体回路6、銅めっき5および銅スパッタ層4の銅イオンの溶出を充分に防止することができない可能性があり、50nm以上に形成すると、2nmで銅めっき5および銅スパッタ層4の銅イオンの溶出を防止できるので、必要以上にNiCrMoスパッタ層5を付与することになり、コスト増加に繋がる。また、NicrMoは、銅に比べて、スパッタ成膜速度が遅いために、50nm以上にNiCrMoスパッタ層3を成膜するには、樹脂フィルムに非常に高い電力を印加するか、スパッタ時間を長くする必要があり、樹脂フィルムへの熱負荷が大きくなり、樹脂フィルムの破損に繋がる。そのため、NiCrMoスパッタ層3は、5nm〜20nmとするのが好ましい。
そして、銅スパッタ層4の厚みは、5nm〜200nmに形成されている。なお、5nm未満にした場合、配線板13に充分に導電性を付与することができず、200nmを越えると5nmで導電性を付与することができるので、必要以上に銅を付与することになりコスト増加に繋がる。
次に、上記プリント配線板の製造方法について説明する。まず、図3(a)に示すように、樹脂フィルムからなる配線板13の表裏面11にPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム7(マスキングシート)を貼着する。この際、PETフィルム7を予め貼着して販売されている樹脂フィルムもあり、その場合は、そのままPETフィルム7を貼着した状態にしておく。
次いで、図3(b)に示すように、UVレーザーを用いて表裏面11の導体回路6同士を導通させるべき所定位置にスルーホールビア2を形成する。
次いで、図3(c)に示すように、スパッタリング装置を用いてスルーホールビア2の内壁およびPETフィルム7上にNiCrMoスパッタ層3を形成する。
次いで、図3(d)に示すように、NiCrMoスパッタ層3が形成されたPETフィルム7を除去して、スルーホールビア2の内壁のみにNiCrMoスパッタ層3を形成した状態にした後に、図3(e)に示すように、スパッタリング装置を用いて表裏面11およびNiCrMoスパッタ層3および配線板13の表裏面11上に銅スパッタ層4を形成する。
次いで、図3(f)電解めっき法により配線板13の表裏面11に銅めっき皮膜8を成膜するとともに、スルーホールビア2内に銅めっき5を充填する。
その後、図3(g)に示すように、銅めっき被膜8上の導体回路6を形成すべき部分にレジスト膜を形成した後に、エッチング処理を行なうことにより不要な銅めっき皮膜8および銅スパッタ層4を除去し、レジスト膜を除去することにより導体回路6を形成する。
(第2実施形態)
次に、本発明に係わるプリント配線板の第2実施形態を説明する。まず、図2に示すように、このプリント配線板は、予め対向面12に導体回路6が形成されて積層された複数(図では4層)の配線板基材1からなる帯状の配線板9に、配線板9の表裏面11を貫通するスルーホールビア2および表裏面11と配線板9の中間に配置された配線板基材1の対向面12とを貫通するブラインドビア10が形成され、このスルーホールビア2およびブラインドビア10の内壁に、NiCrMoスパッタ層3が形成され、NiCrMoスパッタ層3および配線板9の表裏面11上に配線板9に導電性を付与する銅スパッタ層4が形成されている。そして、スルーホールビア2およびブラインドビア10の内部に、表裏面11の導体回路6同士および表裏面11の導体回路6と対向面12の導体回路6とを導通させる銅めっき5が充填されており、表裏面11に、導体回路6が形成されている。
次に、本発明に係わるプリント配線板の第2実施形態を説明する。まず、図2に示すように、このプリント配線板は、予め対向面12に導体回路6が形成されて積層された複数(図では4層)の配線板基材1からなる帯状の配線板9に、配線板9の表裏面11を貫通するスルーホールビア2および表裏面11と配線板9の中間に配置された配線板基材1の対向面12とを貫通するブラインドビア10が形成され、このスルーホールビア2およびブラインドビア10の内壁に、NiCrMoスパッタ層3が形成され、NiCrMoスパッタ層3および配線板9の表裏面11上に配線板9に導電性を付与する銅スパッタ層4が形成されている。そして、スルーホールビア2およびブラインドビア10の内部に、表裏面11の導体回路6同士および表裏面11の導体回路6と対向面12の導体回路6とを導通させる銅めっき5が充填されており、表裏面11に、導体回路6が形成されている。
ここで、スルーホールビア2の内径は、5μm〜100μmに形成されている。なお、スルーホールビア2の内径を5μm未満にした場合、開孔が困難であり加工費用が高くなり、100μmを越えると高密度のプリント配線板を製造する際に、ピッチが大きすぎて導体回路6を形成する上で障害となるとともに、銅めっき5の充填作業に時間を要し、生産性が低下する。スルーホールビア2の内径は、より小さい内径のものが要求されており、10μm〜50μmとするのが好ましい。
また、NiCrMoスパッタ層3の厚みは、2nm〜50nmに形成されている。なお、2nm未満にした場合、導体回路6、銅めっき5および銅スパッタ層4の銅イオンの溶出を充分に防止することができない可能性があり、50nm以上に形成すると、2nmで銅めっき5および銅スパッタ層4の銅イオンの溶出を充分に防止できるので、必要以上にNiCrMoスパッタ層5を付与することになり、コスト増加に繋がる。また、NicrMoは、銅に比べて、スパッタ成膜速度が遅いために、50nm以上にNiCrMoスパッタ層3を成膜するには、樹脂フィルムに非常に高い電力を印加するか、スパッタ時間を長くする必要があり、樹脂フィルムへの熱負荷が大きくなり、樹脂フィルムの破損に繋がる。そのため、NiCrMoスパッタ層3は、5nm〜20nmとするのが好ましい。
そして、銅スパッタ層4の厚みは、5nm〜200nmに形成されている。なお、5nm未満にした場合、配線板9に充分に導電性を付与することができず、200nmを越えると5nm以上で充分に導電性を付与することができるので、必要以上に銅を付与することになりコスト増加に繋がる。
次に、上記プリント配線板の製造方法について説明する。まず、図4(a)に示すように、予め対向面に導体回路6を形成した樹脂フィルムからなる配線板基材1を複数(図では4層)積層して配線板9を形成し、表裏面11上にPETフィルム7を貼着する。
次いで、図4(b)に示すように、UVレーザーを用いて表裏面11を導通させるべき所定位置にスルーホールビア2を形成し、表裏面11と配線板9の中間に配置された配線板基材1の対向面12とを導通させるべき所定位置にブラインドビア10を形成する。
次いで、図4(c)に示すように、スパッタリング装置を用いてスルーホールビア2およびブラインドビア10の内壁およびPETフィルム7上にNiCrMoスパッタ層3を形成する。
次いで、図4(d)に示すように、NiCrMoスパッタ層3が形成されたPETフィルム7を除去して、スルーホールビア2およびブラインドビア10の内壁のみにNiCrMoスパッタ層を形成した状態にした後に、図4(e)に示すように、スパッタリングによりNiCrMoスパッタ層3および配線板9の表裏面11上に銅スパッタ層4を形成する。
次いで、図4(f)に示すように、電解めっき法により配線板9表裏面11に銅めっき皮膜8を成膜するとともに、スルーホールビア2およびブラインドビア10内に銅めっき5を充填する。
その後、図4(g)に示すように、銅めっき被膜8上の導体回路6を形成すべき部分にレジスト膜を形成した後に、エッチング処理を行なうことにより不要な銅めっき皮膜8および銅スパッタ層4を除去し、レジスト膜を除去することにより導体回路6を形成する。
以上の構成からなる第1実施形態および第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法よれば、配線板13、9の表裏面11にPETフィルム7を貼着し、次いで、表裏面11に形成される導体回路6同士を導通させるべき所定位置に表裏面11を貫通するスルーホールビア2を形成するとともに、表裏面11と配線板9の中間に配置された配線板基材1の対向面12とを導通させるべき所定位置にブラインドビア10を形成し、次いで、スパッタリングにより、スルーホールビア2およびブラインドビア10の内壁に耐食性を有するNiCrMoスパッタ3層を形成し、PETフィルム7を除去した後に、スパッタリングにより銅スパッタ層4を形成しているために、このNiCrMoスパッタ層3の表面上に薄い酸化膜を形成され、この酸化膜がCuの溶出を抑制して、導体回路6、スルーホールビア2およびブラインドビア10に充填した銅めっき5および銅スパッタ層4が周囲雰囲気の酸素や水分により酸化や電離してしまうことを防ぎ、イオンマイグレーションの発生を防ぐことが可能となる。
従って、実際、プリント配線板を使用する際に、高湿雰囲気下においても、絶縁信頼性が良い状態で維持することが可能なプリント配線板を製造することが可能である。
従って、実際、プリント配線板を使用する際に、高湿雰囲気下においても、絶縁信頼性が良い状態で維持することが可能なプリント配線板を製造することが可能である。
また、NiCrMoスパッタ層3は、スパッタリングにより形成されているために、特許文献1のように、ピンを挿入可能な内径にスルーホールビア2およびブラインドビア10を形成する必要がなくなるとともに、スルーホールビア2およびブラインドビア10の内壁に均一に薄膜に形成されるために、スルーホールビア2およびブラインドビア10の内径を100μm以下にすることが可能となり、スルーホールビア2およびブラインドビア10間のピッチを狭めることが可能である。
従って、実際、電子機器のコンパクト化に対応可能なプリント配線板を製造することが可能である。
従って、実際、電子機器のコンパクト化に対応可能なプリント配線板を製造することが可能である。
さらに、NiCrMoスパッタ層3は、スルーホールビア2およびブラインドビア10との内壁との密着性が良好であるために、スルーホールビア2およびブラインドビア10と耐食膜スパッタ層3との間に上記銅イオンが進入することを防ぐ事ができるとともに、引き抜き強度が向上する。
そして、配線板13、9の表裏面11にPETフィルム7を貼着し、次いで、スルーホールビア2およびブラインドビア10を形成し、NiCrMoスパッタ層7を形成した後に、PETフィルム7を除去しているために、スルーホールビア2およびブラインドビア10の内壁のみに容易に且つ確実にNiCrMoスパッタ層3を形成することが可能となる。これにより、耐食性が非常に良いMoを使用することが可能であるために、従来技術に比べ、確実にイオンマイグレーションを防ぎ、長期間にわたる耐食性の維持が可能である。また、表裏面11にNiCrMoスパッタ層3が形成されることがないために、NiCrMoスパッタ層3を除去するためのエッチング工程が必要なくなり、生産性が向上する。なお、PETフィルム7が貼着された状態で販売されている樹脂フィルムもあり、この場合、PETフィルム7を貼着する作業を行なう必要が無くなることから、より容易にプリント配線板を製造することが可能となる。
従ってプリント配線板を使用する際に、高湿雰囲気下において長期間運用を行なっても、絶縁信頼性が良い状態で維持することが可能なプリント配線板を製造することが可能である。
従ってプリント配線板を使用する際に、高湿雰囲気下において長期間運用を行なっても、絶縁信頼性が良い状態で維持することが可能なプリント配線板を製造することが可能である。
さらに、配線板13、9のPETフィルム7を除去した後に、サブトラクティブ法により、配線板13、9の表裏面11に導体回路6を形成するとともに、スルーホールビア2に表裏面11の導体回路6同士およびブラインドビア10に表裏面11の導体回路6と配線板9の中間に配置された配線板基材1の対向面12の導体回路6とを導通させる銅めっき5を充填するために、特許文献1のように、微細に形成されたスルーホールビア2およびブラインドビア10内に導電ペーストを挿入、硬化させる等の困難な作業を行なう必要がなくなり、プリント配線板の生産性が向上する。
以上の構成からなる第1実施形態および第2実施形態に係わるプリント配線板の製造方法により製造されたプリント配線板は、高湿雰囲気下において長期間運用を実施しても、絶縁信頼性が良い状態で維持することが可能であり、且つ電子機器のコンパクト化に対応可能である。
なお、第1実施形態および第2実施形態に係わるプリント配線板の製造方法では、サブトラクティブ法により導体回路6を形成するとともにスルーホールビア2およびブラインドビア10に銅めっき5を充填したが、PETフィルム7を除去した後に、配線板基材1または配線板9上の導体回路6を形成すべき場所を除く部分にめっきレジスト層を形成し、電解めっき法により導体回路6を形成するとともにスルーホールビア2およびブラインドビア10に銅めっき5を充填し、めっきレジスト層を除去するアディティブ法を用いても対応可能である。
1 配線板基材
2 スルーホールビア(ビア孔)
3 NiCrMoスパッタ層(耐食膜スパッタ層)
5 銅めっき
6 導体回路
7 PETフィルム(マスキングシート)
9 配線板(配線板基材を複数積層した配線板)
10 ブラインドビア(ビア孔)
11 表裏面
12 対向面
13 配線板(1層からなる配線板)
2 スルーホールビア(ビア孔)
3 NiCrMoスパッタ層(耐食膜スパッタ層)
5 銅めっき
6 導体回路
7 PETフィルム(マスキングシート)
9 配線板(配線板基材を複数積層した配線板)
10 ブラインドビア(ビア孔)
11 表裏面
12 対向面
13 配線板(1層からなる配線板)
Claims (4)
- 帯状の樹脂フィルムからなる配線板の表裏面にマスキングシートを貼着し、次いで、表裏面に形成される導体回路同士を導通させるべき所定位置に上記表裏面を貫通するビア孔を形成し、次いで、スパッタリングにより上記ビア孔の内壁に耐食性を有する耐食膜スパッタ層を形成し、上記マスキングシートを除去した後に、上記ビア孔に上記表裏面の導体回路同士を導通させる銅めっきを充填するとともに、上記配線板の上記表裏面に上記導体回路を形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
- 予め対向面に導体回路が形成されて積層された複数の配線板基材からなる帯状の配線板の表裏面にマスキングシートを貼着し、次いで、上記配線板の表裏面に形成される導体回路同士を導通させるべき所定位置に上記表裏面を貫通するビア孔を形成するとともに、上記表裏面に形成される導体回路と上記対向面に形成された導体回路とを導通させるべき所定位置に1層以上の上記配線板基材を貫通するビア孔を形成し、次いで、スパッタリングにより上記ビア孔の内壁に耐食性を有する耐食膜スパッタ層を形成し、上記マスキングシートを除去した後に、上記ビア孔に上記表裏面の導体回路同士および上記表裏面の導体回路と上記対向面の導体回路とを導通させる銅めっきを充填するとともに、上記配線板の上記表裏面に上記導体回路を形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
- 上記ビア孔の内壁に、スパッタリングによりNi、Cr、Ti、Mo、Ta、Nb、W、およびZrの少なくとも1種、もしくはこれらの2種以上による合金、または該合金と貴金属元素との合金を成膜することにより上記耐食膜スパッタ層を形成すること特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法によって製造されたことを特徴とするプリント配線板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008320940A JP2010147145A (ja) | 2008-12-17 | 2008-12-17 | プリント配線板とその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011216519A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kyocer Slc Technologies Corp | 配線基板の製造方法 |
JP5933103B1 (ja) * | 2015-06-17 | 2016-06-08 | 株式会社フジクラ | 導波路基板の製造方法 |
-
2008
- 2008-12-17 JP JP2008320940A patent/JP2010147145A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011216519A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kyocer Slc Technologies Corp | 配線基板の製造方法 |
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