JP2010145199A - バーコードを利用した認識方法および認識システム、ならびに、バーコードを利用した制御方法および制御システム - Google Patents

バーコードを利用した認識方法および認識システム、ならびに、バーコードを利用した制御方法および制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】離れた認識対象物までの距離を、認識対象物の表面の傾きに大きく影響されずに判定でき、且つ、超音波信号や赤外線信号の測定範囲外の距離にある認識対象物との距離を判定できるバーコードを利用した認識方法を提案すること。
【解決手段】ロボット1が走行する直線経路11aの正面にある壁面12aに、異なるサイズの3つのバーコード13a〜13cを垂直に並べたバーコード群13を付しておく。バーコード13a〜13cのサイズを、ロボット1に設置したCCDカメラ7によって判別可能な最大距離がLa〜Lcとなるように設定する。直線経路11aを走行するロボット1のCCDカメラ7を垂直方向に走査して、これらのバーコード群13を撮影し、各バーコードが判別不能から判別可能に、あるいはその逆に切り替わった時点を検出して、切り替わり時点におけるロボット1と壁面12aとの距離を把握する。
【選択図】図2

Description

本発明は、カメラ等で離れたところにある認識対象物を撮影して、撮影画像に基づいて認識対象物との距離関係や位置関係を認識する認識方法および認識システム、ならびに、この認識方法によって認識した距離関係や位置関係に基づいて装置を制御するための制御方法および制御システムに関する。
従来から、家庭用ロボットや教材用ロボットなどの自走式のロボットが走行中に建物の壁や障害物などの物体までの距離を測定する方法として、超音波信号や赤外線信号を物体に向けて照射して、物体で反射され戻ってくる戻り信号に基づき、物体との距離を算出する方法が用いられている。また、PSDセンサ(三角測量素子)の発光部から発した光が物体で反射され戻ってくるときの戻り光の受光部への入射角を計測して、三角測量の原理により距離を算出する方法も用いられている。
また、特許文献1には、障害物に付されたバーコードを光センサで読み取って障害物を回避する自走式の掃除ロボットが記載されている。この掃除ロボットは、内蔵するROMに客室内の空間形状などの情報を予め記憶させてあり、この情報に基づいて客室内を自動走行して塵埃を吸い込む。また、この掃除ロボットはバーコード情報読み取りシステムを備えており、走行中に、前方にある障害物に貼付されたバーコードを読み取って障害物の幅と奥行きの情報を取得し、この情報に基づいて移動経路を自動で補正して、障害物との衝突を回避することができる。
特開平10−337681号公報
超音波信号や赤外線信号、あるいはPSDセンサを利用する距離測定方法は、測定対象の物体の表面の傾きによって戻り信号や戻り光の方向が変化するため、測定対象の物体の表面の傾きによって測定結果が大きく影響されるという問題点がある。また、超音波信号や赤外線信号は到達距離に限界があるため、到達距離よりも遠くに離れた物体を精度良く測定するのが困難であるという問題点がある。また、これらの方法では、物体の有無および距離以外の情報を取得することはできない。
一方、特許文献1のロボットは、前方にある障害物のバーコードを光センサで読み取るため、障害物の面がある程度傾いていても読み取りが可能である。また、バーコードに障害物についての情報を格納しておくことができ、読み取ったバーコードから障害物の寸法情報を得ることができる。しかしながら、特許文献1には、読み取ったバーコードが付されている障害物との距離関係や位置関係をどのように認識するかについては記載されていない。障害物の寸法を認識できても、ロボットと障害物との距離関係や位置関係を認識できなければ、適切な回避経路を設定することはできない。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、離れたところにある認識対象物との距離関係や位置関係を、認識対象物の表面の傾きに大きく影響されずに把握でき、且つ、超音波信号や赤外線信号の到達可能範囲外の距離にある認識対象物との距離関係や位置関係を精度良く把握可能な、バーコードを利用した認識方法および認識システム、ならびに、このような認識方法を用いた制御方法ならびに制御システムを提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のバーコードを利用した認識方法は、
認識対象物の表面に所定のサイズのバーコードを表示し、
認識装置に搭載したカメラによって前記バーコードを撮影しながら、当該認識装置を前記認識対象物に対して相対移動させ、
前記カメラによる撮影画像から前記バーコードが判別不可の状態から判別可能な状態に切り替わる切り替わり時点、あるいはその逆に切り替わる切り替わり時点の少なくとも一方を検出し、
当該切り替わり時点において、前記認識装置と前記認識対象物が、予め設定した距離関係、および/または、予め設定した位置関係になったと認識することを特徴としている。
本発明は、このように、認識対象物の表面に表示したバーコードを、認識装置に搭載したカメラによって撮影し、撮影した撮影画像から、バーコードが判別不可の状態から判別可能な状態に切り替わる切り替わり時点、あるいは、その逆に切り替わる切り替わり時点を検出している。この切り替わり時点におけるカメラとバーコードとの距離関係あるいは位置関係は、カメラの画素数やバーコードのサイズ等によって予め定まっているので、この切り替わり時点を検出することで、カメラを搭載した認識装置とバーコードを表示した認識対象物が、予め設定した距離関係あるいは位置関係になったことを検出できる。カメラによるバーコードの撮影およびその判別は、バーコードが表示された認識対象物の表面が傾いていても可能であるので、このような方法によれば、認識対象物の表面の傾きにそれほど影響されずに距離関係や位置関係を把握できる。また、超音波信号や赤外線信号の到達範囲外の距離にある認識対象物との距離関係や位置関係を把握できる。
ここで、前記バーコードに、前記バーコードのサイズ、前記予め設定した距離関係、前記予め設定した位置関係、の少なくともいずれかの情報を格納しておき、前記予め設定した距離関係、および/または、前記予め設定した位置関係を、判別不可の状態から判別可能な状態に、あるいはその逆に切り替わった前記バーコードを解析して得られた情報に基づいて認識することが望ましい。このようにすれば、切り替わり時点を検出したバーコードを解析して、距離関係や位置関係の情報をバーコードから直接把握できる。あるいは、バーコードのサイズをバーコードから直接把握して、カメラの画素数などに基づいて距離関係や位置関係を算出できる。よって、予め全ての認識対象物とその表面に表示されたバーコードの判別可能距離との対応関係を記憶させておく必要がない。
また、本発明において、前記認識対象物の表面にサイズが異なる複数の前記バーコードを表示し、前記カメラによって各バーコードを撮影しながら、前記認識装置を前記認識対象物に対して相対移動させ、前記カメラによる撮影画像から、各バーコードが判別不可の状態から判別可能な状態に切り替わる各切り替わり時点、および/または、その逆に切り替わる各切り替わり時点の少なくとも一方を、前記認識装置の相対移動に伴って順次検出し、当該検出した各切り替わり時点において、前記認識装置と前記認識対象物が、各バーコードに対応する各距離関係、および/または、各バーコードに対応する各位置関係になったと認識する構成にするとよい。このように、サイズが異なるバーコードを複数表示しておくことにより、各バーコードが判別可能から判別不能に、あるいはその逆に切り替わった時点を検出することにより、認識対象物との距離関係や位置関係を多段階に判定できる。
このとき、前記複数の前記バーコードを、各バーコードの中心を水平方向または垂直方向に延びる直線上に位置合わせして一列に配列した状態で、前記認識対象物の表面に表示しておき、前記カメラを前記バーコードの配列方向に走査して各バーコードを撮影するとよい。このようにすると、カメラを水平方向あるいは垂直方向に走査することにより、複数のバーコードを順次撮影できる。
また、前記バーコードが判別不可の状態から判別可能な状態に切り替わったかあるいはその逆に切り替わったかの切り替わり方向を検出し、当該検出した切り替わり方向に基づき、前記認識装置の前記認識対象物に対する相対的な移動方向を認識することも可能である。認識対象物に近づくときは、判別可能なバーコードが順次小さくなり、各バーコードが順次判別可能に切り替わる。また、認識対象物から離れるときには、判別可能なバーコードが順次大きくなり、各バーコードが順次判別不能に切り替わる。従って、各バーコードが判別可能に切り替わるか判別不能に切り替わるかの切り替わり方向を検出すれば、認識対象物に相対的に近づいているか遠ざかっているかを検出できる。
次に、本発明は、バーコードを利用した認識システムであって、
認識対象物の表面に表示された所定のサイズのバーコードと、
前記認識対象物に対して相対移動可能に構成され、前記バーコードを撮影するためのカメラを備えた認識装置と、を有し、
上記のバーコードを利用した認識方法によって、前記認識対象物と前記認識装置との距離関係および/または位置関係を認識することを特徴としている。
また、本発明のバーコードを利用した制御方法は、
所定の空間内における認識装置の移動経路を構成している各直線経路の前方あるいは後方に位置している物体を、各直線経路からの各認識対象物として設定し、
当該各認識対象物に、少なくとも1種類のサイズのバーコードを表示し、
前記認識装置が各直線経路を移動しているときに、上記のバーコードを利用した認識方法により、各認識対象物と前記認識装置との距離関係および/または位置関係を認識し、
当該認識した各認識対象物と前記認識装置との距離関係および/または位置関係に基づき、前記所定の空間内の各位置において前記認識装置を制御することを特徴としている。
本発明は、このように、上記のバーコードを利用した認識方法により、空間内の移動経路上の各位置において、認識装置と各認識対象物との距離関係および/または位置関係を、認識対象物の表面の傾きにそれほど影響されずに把握できる。また、超音波信号や赤外線信号の到達範囲外の距離にある認識対象物との距離関係や位置関係を把握できる。よって、様々な空間内で認識装置の現在位置や移動方向を適切に把握でき、把握した現在位置や移動方向に基づいて、空間内の各位置で認識装置を適切に制御することができる。
ここで、前記各認識対象物に表示する前記各バーコードに、当該各認識対象物あるいは前記所定の空間についての情報、および/または、前記認識装置に所定の動作を実行させるための制御情報を格納し、前記各バーコードを解析して得られた情報に基づき、前記所定の空間内の各位置において前記認識装置を制御するように構成するとよい。このようにすれば、バーコードが付された認識対象物や移動中の空間についての種々の情報を、バーコードを判別可能な位置に到達したときに取得できる。また、バーコードを解析して得た制御情報に基づいて、空間内の各位置で移動装置を適切に制御することができる。
次に、本発明は、バーコードを利用した制御システムであって、
所定の空間内における移動経路を構成している各直線経路の前方あるいは後方に位置している各認識対象物の表面に表示されたバーコードと、
前記移動経路に沿って移動可能に構成され、前記バーコードを撮影するためのカメラを備えた認識装置と、を有し、
上記のバーコードを利用した制御方法によって、前記所定の空間内の各位置において前記認識装置を制御することを特徴としている。
本発明によれば、認識対象物の表面に表示したバーコードを認識装置に搭載したカメラによって撮影し、撮影した撮影画像から、バーコードが判別不可の状態から判別可能な状態に切り替わる切り替わり時点、あるいは、その逆に切り替わる切り替わり時点を検出し、これにより、カメラを搭載した認識装置とバーコードを表示した認識対象物が、予め設定した距離関係あるいは位置関係になったことを検出できる。カメラによるバーコードの撮影およびその判別は、バーコードが表示された認識対象物の表面が傾いていても可能であるので、このような方法によれば、認識対象物の表面の傾きにそれほど影響されずに距離関係や位置関係を認識できる。また、超音波信号や赤外線信号が届かない距離にある認識対象物との距離関係や位置関係を認識できる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したバーコードを利用した認識方法および認識システム、ならびにバーコードを利用した制御方法および制御システムについて説明する。
図1はロボットおよびその移動経路の平面図、図2は空間内に設定された移動経路を走行するロボットの側面図である。ロボット1(認識装置/制御装置)は、装置本体2と、装置本体2の下部に設けられた走行部3と、装置本体2の正面部分に取り付けられた撮影部4を備える自走式のロボットである。
装置本体2は、ロボット1全体を制御するための制御部5を備えている。また、ロボット1は、所定の作業を行うためのマニピュレータやセンサ、外部からの制御信号を受信する通信部、ユーザが手動で操作する操作部、電源部などを備えていてもよい。走行部3は、車輪6と、制御部5からの制御信号に基づいて車輪6の向きを調整し、この車輪6を指示された走行方向に指示された走行量に応じた回転量で回転駆動させる図示しない駆動部等を備えている。
撮影部4は、CCDカメラ7と、このCCDカメラ7を所定の方向に走査する走査部8を備えている。CCDカメラ7は、例えば30万画素程度の小型のもので、装置本体2の正面方向を向くように取り付けられている。走査部8は、制御部5からの制御信号に基づき、CCDカメラ7の撮影軸9を水平方向あるいは垂直方向に所望の角度で傾けることができ、これにより、CCDカメラ7の正面の撮影領域を水平方向あるいは垂直方向に走査する。CCDカメラ7が出力する撮影画像は、制御部5に入力され解析される。
制御部5には、このロボット1が走行する空間10の形状や空間10内の物体のレイアウト、および、この空間10内におけるロボット1の移動経路11を予め記憶させてある。移動経路11は、空間10の出入口10aから空間10内に入り、壁面に沿ってコの字状に進み、もう1つの出入口10bを通って空間10から出てゆく経路であり、3本の直線経路11a、11b、11cを備えている。なお、移動経路11は、空間10の形状やレイアウトに応じて適宜設定され、このような形状に限定されない。
空間10における直線経路11a、11bの移動方向の正面には、それぞれ、壁面12a、12b(認識対象物)が配置されている。壁面12aには、直線経路11aを壁面12aに向かって走行するロボット1のCCDカメラ7からみて真正面の位置に、縦に一列に配列されたバーコード群13が付されている。また、壁面12bにも同様に、直線経路11bを壁面12bに向かって走行するロボット1のCCDカメラ7からみて真正面の位置に、縦に一列に配列されたバーコード群14が付されている。これらのバーコード群13、14は、壁面12a、12bの表面に直接描画されるか、壁面12a、12bの表面にバーコードラベルを貼付することにより表示できる。あるいは、壁面12a、12bの表面に設置した液晶モニタなどの表示装置に表示させてもよい。また、投影装置によって壁面12a、12bにバーコードを投影してもよい。
ロボット1は、これらのバーコード群13、14をCCDカメラで撮影しながら走行することにより、各壁面12a、12bとの距離関係や位置関係などを適宜認識できる。また、ロボット1の制御部5は、認識した距離関係や位置関係、あるいは各バーコードから読み取った制御情報などに応じて、適宜ロボット1の動作を制御できる。すなわち、このロボット1とバーコード群13、14によって、各壁面12a、12bとの距離関係や位置関係を認識できる認識システムS、あるいは空間10内におけるロボット1の制御システムS1が構成されている。
図3(a)はバーコード群の正面図である。バーコード群13は大きさの異なる3つのバーコード13a〜13cから構成され、最も小さいバーコード13aを最も下に配置し、最も大きいバーコード13cを最も上に配置して縦に一列に配列されている。また、バーコード群14も同様に、大きさの異なる3つのバーコード14a〜14cから構成され、これらが下から上に向かってバーコードのサイズが大きくなるように縦に一列に配置されている。なお、上から下に向かってサイズが大きくなるように配置してもよい。
各バーコードは、所定の配置間隔で水平方向に並ぶ所定本数のバー15(黒線)を備えており、各バー15は垂直方向に延びている。このようなバー15を所定の規則によって配列したバーコードには様々な種類のものがあるが、本実施形態では、各バー15の幅や配置間隔の寸法精度が低くても解読が可能な種類のバーコードを用いるのが望ましい。例えば、CODE39やNW−7、ITF等のバーコードを用いるのが望ましい。
バーコード群13、14を構成している各3つのバーコード13a〜13cおよび14a〜14cは、各バーコードの中心が垂直方向に延びる配列中心線A上に位置しており、この配列中心線Aは、直線経路11aあるいは11bをロボット1が走行するときに、このロボット1に搭載されたCCDカメラ7の撮影軸9の真正面に位置している。なお、図3(b)に示すように、バーコード群13、14を構成している各3つのバーコードを水平方向に並べて配置してもよい。このときには、各バーコードの中心を、CCDカメラ7の撮影軸9と同一の高さで水平方向に延びる配列中心線B上に位置するように配列する。また、図3(c)(d)に示すように、図3(a)(b)の各バーコードを90度回転させて、各バー15が水平方向を向くようにしてもよい。
このように、各バーコードを水平あるいは垂直に配列しておけば、水平方向あるいは垂直方向にCCDカメラ7を走査することにより、全バーコードを容易に撮影できる。なお、走査部8がCCDカメラ7を斜め方向に走査可能に構成されている場合には、各バーコード群を斜めに配列しておくことも可能である。
ロボット1が直線経路11aを壁面12aに向かって走行しているとき、CCDカメラ7の正面に見えるバーコード群13は、ロボット1の現在位置に応じた撮影距離でCCDカメラ7によって撮影される。本実施形態のCCDカメラ7は画素数が比較的少ないため、あまりに遠く離れた場所から撮影すると、撮影画像からバーコード群13の各バーコードを判別することはできない。すなわち、各バーコードのサイズに応じた距離までロボット1が近づかないと、各バーコードを判別可能な撮影画像を撮影することはできない。
直線経路11a上のロボット1を壁面12aに向かって走行させながら、CCDカメラ7を上下方向に走査してバーコード群13を構成している各バーコードを撮影すると、ロボット1と壁面12aが所定の距離関係になった時点で、撮影した撮影画像の中の所定のバーコードが判別不能な状態から判別可能な状態に切り替わる。制御部5は、所定時間間隔で、あるいは、所定距離走行する毎にCCDカメラ7を走査して撮影した撮影画像を解析することにより、この切り替わり時点を検出することができる。
所定のバーコードが判別不能な状態から判別可能な状態に切り替わる切り替わり時点における当該バーコードとCCDカメラ7との距離は、当該バーコードのサイズとCCDカメラ7の画素数によって決まる。すなわち、バーコードの最小線幅とCCDカメラ7における撮影素子の1画素分の寸法が丁度一致する距離関係になった時点が、バーコードが判別不能な状態から判別可能な状態に切り替わる切り替わり時点である。従って、CCDカメラ7の画素数に応じて、所望の距離関係になったときに判別不能な状態から判別可能な状態に切り替わるように各バーコードのサイズを予め設定しておけば、各バーコードが判別不能な状態から判別可能な状態に切り替わったことを検出して、この検出時点においてロボット1と壁面12aが所望の距離関係になったと認識することができる。
図2に示す距離Laは、最も小さいバーコード13aを判別可能な撮影画像を撮影できる壁面12aとロボット1との最大距離であり、距離Lb、Lcはそれぞれ、バーコード13b、13cを判別可能な撮影画像を撮影できる壁面12aとロボット1との最大距離である。このような設定では、ロボット1が距離Lcの地点に到達する前の撮影画像からは、どのバーコードも判別できない。一方、ロボット1が距離Lcの地点に到達した時点からはバーコード13cを判別可能になるが、他の2つのバーコード13a、13bはまだ判別できない。続いて、ロボット1が距離Lbのラインに到達した時点からはバーコード13bも判別可能となるが、バーコード13aはまだ判別できない。そして、ロボット1が距離Laのラインに到達した時点からは、撮影画像から、全てのバーコード13a〜13cを判別できるようになる。
壁面12aに付されたバーコード群13は、ロボット1が壁面12aに近づくにつれてバーコード13c〜13aが順次判別不能な状態から判別可能な状態に切り替わってゆくので、各バーコードが判別可能に切り替わった切り替わり時点を検出することにより、ロボット1と壁面12aの距離を段階的に判定できる。例えば、1つもバーコードを判別できない場合には、ロボット1と壁面12aとの距離Lは、Lc<Lであると判定できる。また、バーコード13cが判別可能に切り替わった時点で距離L=Lcになったと判定でき、その後、2つ目のバーコード13bが判別可能に切り替わった時点で距離L=Lbになったと判定でき、3つ目のバーコード13aが判別可能に切り替わった時点で距離L=Laになったと判定できる。
このように、サイズが異なる複数のバーコードを組み合わせたバーコード群13を壁面12aに付しておくことにより、ロボット1と壁面12aとの距離関係を多段階に判定できる。また、壁面12bとの距離関係についても、バーコード群14の各バーコードを判別可能か否か判定することにより、同様に多段階に判定することができる。バーコードは、各バー15の長さを正確に認識できなくても読み取ることができるので、判別対象としてバーコードを用いることにより、壁面12a、12bの表面の傾きにそれほど影響されずに距離関係を認識できる。また、超音波信号や赤外線信号が届かない距離からでも判別できる大きさのバーコードを各バーコード群に含めてあるので、超音波信号や赤外線信号が届かない距離にある壁面12a、12bとの距離関係を認識できる。
ここで、判別可能となるバーコードの数と距離La〜Lcとを対応づけて制御部5に予め記憶させておけば、判別できたバーコードの数に基づいて壁面12aとの距離を認識することが可能である。また、各バーコードとして、当該各バーコードが判別不可の状態から判別可能な状態に切り替わる各切り替わり時点でのロボット1と壁面12aあるいは壁面12bとの距離関係などの情報をコード化したものを用いることができる。このようにすれば、予め判別可能なバーコードの数と距離関係とを対応づけて記憶させておかなくても、バーコードが判別可能な状態に切り替わった時点でこのバーコードに格納されている情報を解析して、切り替わり時点における壁面12aあるいは壁面12bとの距離関係を認識できる。
なお、CCDカメラ7の撮影軸9を壁面12aあるいは壁面12bに向けたままロボット1を壁面12aあるいは壁面12bから離れる方向に逆走させて、CCDカメラ7でバーコード群13あるいは14の撮影を行うこともできる。この場合は、各バーコードが判別可能な状態から判別不可の状態に切り替わった時点を検出することにより、切り替わり時点におけるロボット1と壁面12aあるいは壁面12bとの距離関係を認識できる。また、ロボット1が壁面12aあるいは壁面12bに近づいているか遠ざかっているかが不明な場合には、各バーコードが判別可能から判別不可の状態に切り替わったか、あるいは、逆に切り替わったかを判定することにより、ロボット1の移動方向を認識できる。
このように、空間10内に壁面12a、12bなどの認識対象物を適宜設定して、これらに予めバーコード群を適宜表示しておけば、ロボット1は、移動経路11上の各地点を走行しながら、上記の方法により、前方あるいは後方にあることが想定される壁面12a、12bとの距離関係、あるいは、ロボット1の移動方向を把握することができる。そして、把握した距離関係や移動方向を、予め記憶している空間10や移動経路11についての情報と対応付けることにより、各切り替わり時点におけるロボット1と壁面12a、12bとの位置関係を把握し、ロボット1の移動経路11上における到達地点や、空間10内における現在位置を把握することができる。なお、これらの位置関係の情報をコード化してバーコードに格納しておき、バーコードを解析して直接情報を取得することもできる。
制御部5は、認識した距離関係や位置関係の情報に基づき、予め記憶している走行プログラムに基づいてロボット1の各部を適宜制御して、予め設定した経路に沿ってロボット1を走行させる。例えば、直線経路11aと直線経路11bとが交差する地点にロボットが到達したときには、この地点でロボット1の走行方向を90度回転させる。この動作は、制御部5に記憶させる走行プログラムに予め設定しておいて行わせることもできるが、直線経路11aと直線経路11bとが交差する地点に到達したときに判別可能になったバーコードに、これらの動作を行わせるための制御コマンドを格納しておき、この制御コマンドを読み取ったことに基づいて、直線経路11b方向への走行方向の変更動作を行わせるようにしてもよい。このとき、制御コマンドを含むバーコードを、指定した動作を行うべき地点よりも一定距離だけ手前の地点で読み取れるように設定しておけば、指定地点に到達する前に減速などの準備動作を行わせることも可能である。
このように、各到達地点で入力すべき制御情報をバーコードに格納しておけば、予め全ての移動経路を想定した走行プログラムを設定しておかなくても、各到達地点で適宜制御情報をロボット1に読み取らせ、適切にロボット1を走行させることができる。また、移動経路11上の各地点で、搭載しているマニピュレータやセンサなどの各機器による作業を適宜行わせることができる。
また、各バーコードが付された壁面12a、12bなどの認識対象物についての各種の情報や、現在移動中の空間10や移動経路11についての各種の情報を、各バーコードに格納しておいてもよい。例えば、空間10の名称や壁面12a、12bの方位などの情報を各バーコードに格納しておいてもよい。このようにすれば、走行している部屋や建物の名称、あるいは、どの壁面やどの方位に向かって進んでいるかなどの情報を走行中に取得することができる。
なお、上記実施形態は任意の方向に走行できる自走式のロボット1からの距離関係や位置関係の認識に適用した例であるが、レール等に沿って案内され走行する無人搬送車などの認識装置と認識対象物との距離関係や位置関係の認識にも、上記方法を適用できる。
ロボットおよびその移動経路の平面図である。 空間内に設定された移動経路を走行するロボットの側面図である。 バーコード群の正面図である。
符号の説明
1…ロボット、2…装置本体、3…走行部、4…撮影部、5…制御部、6…車輪、7…CCDカメラ、8…走査部、9…撮影軸、10…空間、10a、10b…出入口、11…移動経路、11a、11b、11c…直線経路、12a、12b…壁面、13、14…バーコード群、13a〜13c…バーコード、14a〜14c…バーコード、15…バー、A、B…配列中心線、S…認識システム、S1…制御システム

Claims (9)

  1. 認識対象物の表面に所定のサイズのバーコードを表示し、
    認識装置に搭載したカメラによって前記バーコードを撮影しながら、当該認識装置を前記認識対象物に対して相対移動させ、
    前記カメラによる撮影画像から前記バーコードが判別不可の状態から判別可能な状態に切り替わる切り替わり時点、あるいはその逆に切り替わる切り替わり時点の少なくとも一方を検出し、
    当該切り替わり時点において、前記認識装置と前記認識対象物が、予め設定した距離関係、および/または、予め設定した位置関係になったと認識することを特徴とするバーコードを利用した認識方法。
  2. 請求項1に記載のバーコードを利用した認識方法において、
    前記バーコードに、前記バーコードのサイズ、前記予め設定した距離関係、前記予め設定した位置関係、の少なくともいずれかの情報を格納しておき、
    前記予め設定した距離関係、および/または、前記予め設定した位置関係を、判別不可の状態から判別可能な状態に、あるいはその逆に切り替わった前記バーコードを解析して得られた情報に基づいて認識することを特徴とするバーコードを利用した認識方法。
  3. 請求項1または2に記載のバーコードを利用した認識方法において、
    前記認識対象物の表面にサイズが異なる複数の前記バーコードを表示し、
    前記カメラによって各バーコードを撮影しながら、前記認識装置を前記認識対象物に対して相対移動させ、
    前記カメラによる撮影画像から、各バーコードが判別不可の状態から判別可能な状態に切り替わる各切り替わり時点、および/または、その逆に切り替わる各切り替わり時点の少なくとも一方を、前記認識装置の相対移動に伴って順次検出し、
    当該検出した各切り替わり時点において、前記認識装置と前記認識対象物が、各バーコードに対応する各距離関係、および/または、各バーコードに対応する各位置関係になったと認識することを特徴とするバーコードを利用した認識方法。
  4. 請求項3に記載のバーコードを利用した認識方法において、
    前記複数の前記バーコードを、各バーコードの中心を水平方向または垂直方向に延びる直線上に位置合わせして一列に配列した状態で、前記認識対象物の表面に表示しておき、
    前記カメラを前記バーコードの配列方向に走査して各バーコードを撮影することを特徴とするバーコードを利用した認識方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかの項に記載のバーコードを利用した認識方法において、
    前記バーコードが判別不可の状態から判別可能な状態に切り替わったかあるいはその逆に切り替わったかの切り替わり方向を検出し、
    当該検出した切り替わり方向に基づき、前記認識装置の前記認識対象物に対する相対的な移動方向を認識することを特徴とするバーコードを利用した認識方法。
  6. 認識対象物の表面に表示された所定のサイズのバーコードと、
    前記認識対象物に対して相対移動可能に構成され、前記バーコードを撮影するためのカメラを備えた認識装置と、を有し、
    請求項1ないし5のいずれかの項に記載のバーコードを利用した認識方法によって、前記認識対象物と前記認識装置との距離関係および/または位置関係を認識することを特徴とするバーコードを利用した認識システム。
  7. 所定の空間内における認識装置の移動経路を構成している各直線経路の前方あるいは後方に位置している物体を、各直線経路からの各認識対象物として設定し、
    当該各認識対象物に、少なくとも1種類のサイズのバーコードを表示し、
    前記認識装置が各直線経路を移動しているときに、請求項1ないし5のいずれかの項に記載のバーコードを利用した認識方法により、各認識対象物と前記認識装置との距離関係および/または位置関係を認識し、
    当該認識した各認識対象物と前記認識装置との距離関係および/または位置関係に基づき、前記所定の空間内の各位置において前記認識装置を制御することを特徴とするバーコードを利用した制御方法。
  8. 請求項7に記載のバーコードを利用した制御方法において、
    前記各認識対象物に表示する前記各バーコードに、当該各認識対象物あるいは前記所定の空間についての情報、および/または、前記認識装置に所定の動作を実行させるための制御情報を格納し、
    前記各バーコードを解析して得られた情報に基づき、前記所定の空間内の各位置において前記認識装置を制御することを特徴とするバーコードを利用した制御方法。
  9. 所定の空間内における移動経路を構成している各直線経路の前方あるいは後方に位置している各認識対象物の表面に表示されたバーコードと、
    前記移動経路に沿って移動可能に構成され、前記バーコードを撮影するためのカメラを備えた認識装置と、を有し、
    請求項7または8に記載のバーコードを利用した制御方法によって、前記所定の空間内の各位置において前記認識装置を制御することを特徴とするバーコードを利用した制御システム。
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