JP4530996B2 - 移動ロボット - Google Patents

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Description

本発明は、所定の環境内を走行する移動ロボットに関し、特に、異常検出性能の向上に関する。
近年、所定の経路を移動しながら周囲の物体を検知する移動ロボットが供されてきている。この移動ロボットとしては、ロボットの進行方向や周囲に、レーザ光線や可視光線、超音波、赤外線などの各種探査信号を照射して対象物からの反射回帰信号を検知信号として受信する検知センサを設け、このセンサの入力により経路近傍の物体を検知するものが知られるところである。
このような移動ロボットとしては例えば特許文献1の無人搬送車が挙げられる。この無人搬送車は、検知センサとしてレーザ測距センサを備える。レーザ測距センサはレーザ光を走査して、物体表面で反射したレーザ光線を受光する。受光までの時間と照射方向から物体の相対的な位置が算出される。同文献の無人搬送車は、特に、既設物を設定した既設物マップを予め記憶しており、既設物を除外した検知領域の物体を障害物として検知するように構成されており、これにより、既設物を障害物として検知することを防止して、既設物以外の障害物を検知している。
特開平9−6433号公報(図1等)
しかし、従来文献の既設物マップを使って異常検知を行う構成では、下記例のような場合に誤判定が生じ得る。ここでは例として、所定の監視空間を巡回しながら異常を検出する監視用移動ロボットを考える。このような移動ロボットでは、監視空間への侵入物体検知だけでなく、監視空間に元々存在した物が持ち去られたことを検出する消失物体判定を行うことが求められる。しかし、既設物マップを使うと、例えば下記の状況で消失物体判定に誤りが生じ得る。
図1は、移動ロボットの巡回経路に坂道がある場合を示している。巡回経路に坂道があると、同一の場所でも坂の途中や坂の前後、往路と復路ではレーザセンサにより測定される値が異なる。また、同一の場所でもレーザセンサの測定値が異なってしまう別の例としては、巡回経路に金網のようなフェンスがある場合が挙げられる。移動ロボットは移動しながら特定の周期(例えば30msec)でレーザを走査して同一物を多数回にわたり測定するので、移動ロボットの傾き等の影響により、レーザセンサのビームが金網で反射されたり通り抜けたりし、その結果、同一の場所でも測定される値が異なってしまう。
これらの例のように、同一の場所でも状況によってレーザセンサの測定値が異なってしまうと、学習時に得られた測定点が既設物マップに記憶されるが、巡回時には同一の場所で測定点が得られないといった事象が発生し得る。このような事象が発生すると、移動ロボットは、もともとあったものが持ち去れた、即ち消失が発生したと判定し、誤報を行ってしまうことになる。
図1の具体例をより詳細に説明すると、図1(a)は、移動ロボット201が巡回経路を往復する場合を示している。移動ロボット201は、レーザセンサで水平方向の物体を検出する。経路上には、レーザセンサの設置高さよりも高低差の大きい坂道202が存在する。この場合、往路の移動ロボット201には坂道202の像が見える。したがって、移動ロボット201が往路走行にて学習を行い、レーザセンサで測定された測定点を使って既設物マップを作成すると、既設物マップは、図1(b)に示されるように、経路に沿った壁203に加えて、坂道202のライン204を含むことになる。
しかし、坂道202のライン204が見えるのは、移動ロボット201が往路を走行するときである。移動ロボット201が復路を走行するときは、坂道202のライン204の像は移動ロボット201には見えない。そのため、上記のような既設物マップを使うと、移動ロボット201は、復路走行時に、元々存在した物が持ち去られたと判断し、消失物体判定を誤って行ってしまうことになる。
既設物マップを用いる場合のもう一つの誤判定要因として、移動ロボットの自己位置の検出精度が挙げられる。自己位置の検出には、ある程度のばらつきが伴う。このばらつきの影響で、レーザセンサで検出される物体の位置が、既設物マップの既設物とはずれてしまい、そのために、侵入物体および消失物体の検出精度が低下し、誤判定が生じ得る。このような誤判定は極力避けることが望まれる。
本発明は上記背景の下でなされたものであり、その目的は、上述の例のような誤判定を避けることができ、異常検出能力を向上できる移動ロボットを提供することにある。
本発明の移動ロボットは、所定の環境内を走行手段により走行する。この移動ロボットは、前記環境内での前記移動ロボットの自己位置を検出する位置検出部と、前記環境内の被測定物までの距離を検知して検知データを生成する検知部と、過去に前記環境内を走行したときに得られた前記検知データを各検知データが得られたときの自己位置と関連付けて異常判定の基準データ群として記憶する記憶部と、現在の走行にて前記位置検出部により検出される自己位置に対応し、かつ、前記検知部により生成される検知データに類似する基準データを、前記記憶部の前記基準データ群から類似基準データとして選択する基準データ選択部と、前記現在の走行にて検知した検知データを前記類似基準データと比較することにより前記環境内の異常を判定する異常判定部と、を備えている。
上記の発明によれば、過去の走行時に得られた基準データ群から、現在の自己位置に対応し、かつ、現在の検知データに類似した基準データが選択され、選択された基準データを使って異常判定が行われる。これにより、坂道などのように同一の場所であっても条件によって検知結果が異なり得る状況でも、同じ条件での過去の基準データが選択されて異常判定に使われる。したがって、誤判定を低減して、異常検出精度を向上できる。
前記基準データ選択部は、前記基準データ群の中から前記自己位置を含む周辺位置で取得された複数の基準データを抽出し、これら複数の基準データの中から、前記検出部が取得した検知データに最も類似するものを類似基準データとして選択してよく、これにより、現在の自己位置に対応しており検知データに類似する基準データが選択される。このような処理によれば、自己位置検出にばらつきがあっても、類似性に基づく判断処理によって、自己位置と同じ位置で作られた基準データが選択されて異常判定に使われる。したがって、誤判定を低減して、異常検出精度を向上できる。
また、前記検知部は、前記検知データとして、前記環境内を走査して被測定物までの複数の測定点における距離を測定し、前記基準データ選択部は、前記基準データと前記検知データとで前記被測定物までの距離が一致する測定点の数に基づいて前記基準データ群から前記類似基準データを選択してよい。
上記のように一致点に基づく処理により、検知データと類似する適切な基準データが選択される。好ましくは、一致点の数が最大になる基準データが、類似基準データとして選択される。一致点数を比較することで、類似基準データを選択するときに、侵入物体等の異常部分を除外した領域の類似性の高さを判定でき、検知データと比較すべき適切な基準データを選択できる。
なお、検知データと基準データとで被測定物までの距離が所定値以内の測定点は、一致点として判定されてよい。
また、好ましくは、基準データと検知データの角度が所定値ずつずらされて、両データの類似が判定される。これにより、基準データ取得時と巡回での検知データ取得時の移動ロボットの向きのずれに起因したばらつきも吸収することができ、さらに高精度の判定ができる。
また、前記異常判定部は、前記検知データにおける被測定物までの距離が前記類似基準データにおける被測定物までの距離と比べて短い場合に侵入物体異常が発生したと判定し、前記検知データにおける被測定物までの距離が前記類似基準データにおける被測定物までの距離と比べて長い場合に消失物体異常が発生したと判定してよい。これにより、侵入物体と消失物体の異常を好適に判定できる。
また、移動ロボットは、更に前記環境内の経路を走行するよう前記走行手段を制御する走行制御部を備え、前記位置検出部は、前記自己位置として、所定の基準位置からの前記経路上における走行距離情報を検出してよい。この構成は、移動ロボットが所定の経路を走行することを前提として、走行距離で自己位置を表しており、自己位置を簡単に検出することができる。また、自己位置が簡単な情報で表されるので、自己位置データを使用する他の処理も簡単にできる。
また、前記位置検出部は、前記自己位置として、前記環境内の位置と前記移動ロボットの進行方向を含む情報を検出してもよい。この構成は、典型的にはデッドレコニングで位置を検出しながら走行する移動ロボットに適している。この構成により、所定の経路を走行しないときにも位置情報を好適に扱って異常を判定できる。
上記のように、本発明は、過去の走行で得られる基準データ群から適切な基準データを選択してから異常判定を行うことにより、誤判定を低減して異常検出能力を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態の移動ロボットを図面を参照して説明する。本実施の形態の移動ロボットは、監視区域内の所定経路を巡回しながらレーザセンサにて物体の侵入/消失などの異常の検出を行うものであり、警備用ロボットとして好適に使われる。移動ロボットは、異常を検出すると、遠隔の監視センタに撮像画像とともに異常信号を送出する。監視センタでは、異常信号を受信すると、受信した撮像画像が監視装置のモニタに表示され、監視員により異常が確認される。監視装置は、監視員の操作に従って移動ロボットを遠隔操作して異常対処を行う。
図2は、本実施の形態の移動ロボットの構成を示しており、図3は、移動ロボットが利用される環境である監視区域と移動ロボットの外観を示している。
図2に示すように、移動ロボット1は、移動手段3、移動制御部5、ガイド検出部7、自己位置検出部9、検知部11、侵入/消失判定部13、記憶部15、通信部17、撮像ユニット19及びこれら各部を制御する制御部21、さらに各部に電力を供給する電源部23により構成される。以下に各部を説明する。
移動ロボット1は、図3(b)に示すように4つの車輪を有し、それらのうちで右輪31、左輪33の2つが駆動輪として機能する。移動手段3は、右輪31、左輪33と左右輪を独立に駆動するモータ35、37で構成されており、左右輪の回転速度により直進走行速度および旋回走行速度が制御され、旋回方向も制御される。この左右輪の回転速度は移動制御部5により制御される。なお、左右独立に回転を制御する代わりに、舵角を制御して旋回速度を制御する方式が採用されてもよい。また、車輪駆動でなく、左右のクローラを独立に制御する方式が採用されてもよい。
ガイド検出部7は、移動経路上のガイド手段を検出する。ガイド手段は図3(a)に示されている。図示のように、予め設定された移動経路には、経路の全長にわたってガイド手段としての白線テープ101が固定的に設けられている。また、経路中の所定の地点には、白線テープ101とともに、地点指示手段としての指示マーカ103が固定的に設けられている。指示マーカ103は、白色矩形のマークであり、移動経路上に設定された区間の境界などの地点に設けられている。
ガイド検出部7は、白線検出カメラ41と路面情報抽出部43とで構成されている。白線検出カメラ41は、路面を撮影可能な様に移動ロボット1の底面に設置されている。路面情報抽出部43は、移動ロボット1のコンピュータによって実現され、画像処理を行う。路面情報抽出部43は、エッジ抽出やハフ変換などの処理により、白線検出カメラ41の撮影画像から、移動ロボット1の経路を誘導すべき白線テープ101、及び指示マーカ103を検出して制御部21に出力する。
なお、ガイド検出部7は上記の構成に限定されない。ガイド検出部7は、磁気センサ、電磁誘導センサなどで構成されてもよい。この場合、ガイド検出部7は、移動経路に設置されたガイド手段としての磁気ガイドまたは電磁誘導ガイドを検出するように構成されてよい。ガイド手段及びガイド検出部は、設置する環境により選択できるようにすることが好ましい。また、経路上にガイド手段や地点指示手段を設けることなく、デッドレコニングやGPSにより算出する位置情報に基づき、経路上の各地点が移動ロボット1により認識されてもよい。
移動制御部5は、駆動モータ35、37を制御するための手段である。移動制御部5は、ガイド検出部7による白線テープ101の検知出力に応じて、例えば周知のPID制御などにより、白線テープ101に沿って移動するよう駆動モータ35、37を制御する。また、移動制御部5は、走行区間の検出に応じて、予め設定された経路情報に基づき移動速度を制御する。移動速度は予め区間毎に設定されて、経路情報の一部として記憶されている。また、移動制御部5は、特定地点の検出に応じて経路情報に従って一時的に走行を停止したりもする。
自己位置検出部9は、レゾルバ51、53と位置算出部55とからなり、位置検出部として機能する。レゾルバ51、53はそれぞれモータ35、37に設置されており、モータ35、37のモータ回転軸の絶対位置を検出する。レゾルバ51、53は回転量検出部の一形態である。位置算出部55は、移動ロボット1のコンピュータにより実現され、レゾルバ出力から得られるモータ回転軸の回転量から左右輪31、33それぞれの回転量を算出し、左右輪それぞれの回転量と車輪半径から算出された左右輪の走行距離の平均を求めることにより、移動ロボット1の走行距離を算出する。本実施の形態では、巡回経路となる移動経路が固定されているため、走行距離をもって自己位置とすることができる。走行距離として記録するのは、巡回開始地点からの総距離としてもよいし、各指示マーカ103の位置からの距離としてもよい。
また、位置算出部55は、ガイド検出部7による指示マーカ103の検知出力に応じて、指示マーカ103の検知回数を計数し、経路情報に基づき現在の走行区間を検出するとともに、自己位置の補正などを行う。
検知部11は、移動ロボット1が巡回を開始するときに作動して、移動ロボット1周辺の物体を検出する手段である。検知部11は、移動ロボット1の前方に向けて設置されたレーザセンサ61から成り、レーザ発振器より照射されるレーザ光が光路上にある物体にて反射した際の反射光を受光する。検知部11は、走査鏡とこの走査鏡を回転駆動する手段とによりレーザ発振器より発射されるレーザ光の照射方向を制御して、移動ロボット1の前方を含む所定の範囲を、例えば30msecの周期で空間走査している。
そして、検知部11は、レーザ光の照射から反射光検出までの時間より算出される検知部11とレーザ光を反射した物体(測定点)との距離と、回転駆動される走査鏡の角度とにより、レーザ光を反射した物体、即ちレーザ光を反射した測定点の相対位置を算出する。相対位置は、移動ロボット1を基準とした測定点の位置である。また、検知部11は、所定時間以内に反射波が返ってこない場合には、レーザ光の照射可能な距離内に物体がないと判断して、所定の擬似データを相対位置として記録する。擬似データは所定の値でよく、レーザセンサ61の有効測定距離より大きな適当な値でよい。
検知部11により得られる測定データを本実施の形態では測距データと呼ぶ。測距データは本発明の検知データの一形態である。
記憶部15は、移動ロボット1での各種の処理に使用される情報を記憶している。記憶部15が記憶する情報には、移動経路の情報を示した経路情報71と、検知部11の測定結果の集合である基準測距データ群73と、位置算出部55により算出された移動ロボット1の現在の位置情報(自己位置)75が含まれる。
経路情報71としては、移動経路中の各区間(ある指示マーカから次の指示マーカまでの区間)の番号に対応して、予め測量した区間距離、区間の始点終点間の方位角の差(角度差)、各区間の走行速度、各指示マーカ上でのロボットの動作などが記憶されている。経路情報では、区間番号が、該当区間までに検出されるべきマーカの数(検出回数)と対応付けられている。走行制御では、マーカ検出回数から区間番号が特定され、区間番号から経路情報を参照して走行速度やマーカ上でのロボットの動作が特定される。
基準測距データ群73は、監視区域内の経路を走行することによりレーザセンサ61で測定した基準測距データの集合である。過去の走行の際に経路上で所定距離毎に得られた各々の測距データが基準測距データであり、経路全体に渡って得られた基準測距データの集合が基準測距データ群である。各々の基準測距データは、そのデータが得られたときの移動ロボット1の位置情報と関連づけて記憶されている。なお、このとき、データが得られたときの位置情報に加えマーカ区間や巡回する経路のコース番号などと関連づけられてよい。基準測距データは、後述する異常判定処理にて比較基準のデータとして用いられて、現在の走行で得られるレーザセンサ61の測距データと比較される。測距データが既述のように本発明の検知データの一形態であるのに対して、基準測距データは本発明の基準データの一形態である。
基準測距データは上述のように過去の走行の際の測距データであるが、この点に関し、基準測距データは、移動ロボット1が巡回監視の前に学習目的の走行を行ったときに生成されてよい。また、基準測距データは、前回の巡回監視の際の測定データであってもよい。どちらの場合も、基準測距データは、過去の学習走行で得られたデータといえる。
また、測距データおよび基準測距データは、具体的には、レーザセンサ61の1回の走査で、前方の所定の範囲を所定の角度間隔で測定した結果である。例えば、180度の範囲を0.5度間隔で測距データを取得すると、361個の距離値が得られる。これらの361個の距離のセットが、一つの測距データになる。測距データは、角度と距離のテーブルでもよい。そして、測距データが学習データとして記憶されて、基準測距データとして扱われることになる。
また、位置情報75は、自己位置検出部9の位置算出部55によって算出された移動ロボット1の自己位置情報であり、具体的には既述のように走行距離が位置情報になる。
侵入/消失判定部13は、検知部11で得られた測距データと、位置算出部9が算出した自己位置情報と、記憶部15に記憶された基準測距データ群73とに基づき、異常を判定する。侵入/消失判定部13は、基準データ選択部81と異常判定部83を有し、異常判定部83は評価値算出部85を有している。基準データ選択部81は、基準測距データ群から、現在の自己位置に対応し、かつ、現在の測距データに最も類似する基準測距データを、類似基準測距データとして選択する。ここで、現在の自己位置に対応した基準測距データとは、自己位置を含む自己位置周辺位置で取得された基準測距データである。なお、自己位置が含まれるマーカ区間で取得された基準測距データや、自己が走行している経路のコース番号に対応して記憶された基準測距データとしてもよい。異常判定部83は、基準データ選択部81で選択されたデータと現在の測距データを比較して侵入および消失の異常を判定する。異常判定部83では、評価値算出部85が、基準データ選択部81で選択されたデータと現在の測距データを比較し、比較結果に基づいて、物体の有無を判定するための評価値を算出し、異常判定部83は、評価値が所定の値を越えた場合、侵入物が存在しており異常が発生したと判定する。また、異常判定部83は同様に消失物体の判定を行う。侵入/消失判定部13の処理は後述にて詳細に説明する。異常が判定されると、通信部17より異常信号を出力し、また、移動制御部5は制御部21に制御されて移動の停止や減速、侵入物体や障害物の回避や追跡などの決められた処理を行う。
撮像ユニット19は、移動ロボット1に搭載されて周囲を撮像する手段である。撮像ユニット19は、例えば、図3(b)に示されるように、ロボット上部のハウジングに収納された6つのカメラを備える。これらカメラが異なる方向を向けられており、水平方向の360度の視野が確保される。撮像ユニット19の画像は記憶部15にバッファされて通信部17から監視センタへ送られる。
通信部17は、遠隔の監視センタと信号を送受信する無線通信手段である。通信部17は、侵入/消失判定部13が侵入または消失の異常を検知した場合に、遠隔の監視センタに無線等で異常信号を出力する。また、通信部17は、撮像ユニット19が撮像した画像と自己位置検出部9が検出した移動ロボット1の自己位置を遠隔の監視センタに送信し、監視センタから受信した制御コマンドを制御部21に入力する。
制御部21は、上述した移動ロボット1の各部構成を制御する手段であり、CPU等を備えたコンピュータで構成される。なお、上述した各部構成で、コンピュータ処理可能なものも同コンピュータで実現されてよい。例えば、路面情報抽出部43や、位置算出部55、侵入/消失判定部13、移動制御部5などは同コンピュータで実現されてよい。また、記憶部15は、同コンピュータのメモリおよび外部記憶装置などで実現されてよい。
次に、本実施の形態に係る移動ロボット1の動作を説明する。ここでは主として異常判定に関する動作を説明する。概略としては、移動ロボット1は過去の学習走行で得られた測距データを基準測距データ群として記憶し、そして、巡回時に得られた測距データと記憶されている基準測距データ群を比較して異常判定を行う。基準測距データ群を取得する過去の学習走行とは、学習だけを目的とした走行でもよく、または、過去に行われた巡回監視走行でもよい。以下では、基準測距データを取得する動作と、それを使った巡回時の動作とに分けて、移動ロボット1の動作を説明する。
図4は、基準測距データ群取得時の動作のフローチャートを示している。図4の処理は、制御部21の制御下で、制御部21を含む移動ロボット1の各部構成によって行われる。図示のように、移動ロボット1は、ロボット走行距離を初期化し(S1)、巡回経路にしたがって移動ロボット1の走行を開始し(S2)、現在の走行距離をP1として記録する(S3)。以下、走行距離は移動ロボット1の自己位置として扱われる。
次に、移動ロボット1は、検知部11にレーザセンサ61の走査結果が入力されたか否かを判定する(S4)。移動ロボット1は、測距データが入力されていなければ(S4、No)、ステップS9に進む。
測距データは、レーザセンサ61の走査を行なうことにより得られる。測距データは、前方の所定範囲W°を所定の角度間隔S°でレーザセンサ61が走査した結果として得られ、D(n)(n=0,1,2,3・・・N)で表される。D(n)は被測定物までの距離であり、nは、S°おきの照射方向に順次付けられる番号であり、N=W/Sである。移動ロボット1は、測距データが入力されていれば(S4、Yes)、現在の走行距離を自己位置検出部9より取得して、P2として記録する(S5)。さらに、移動ロボット1は、前回のレーザセンサ61の測定周期で取得された走行距離P1と現在の走行距離P2を比較して、移動ロボット1が所定の距離以上進んだか判定し(S6)、所定距離以上進んでいなければ(S6、No)、ステップS4に戻る。
移動ロボット1は、走行距離P1からP2までに所定距離以上進んでいたら(S6、Yes)、走行距離P1の値を現在の走行距離P2で置換し(S7)、走行距離、区間番号などとともに、レーザセンサ61の測距データ(D(n)(n=1,2,3・・・N)を記憶する(S8)。測距データは、さらに他の情報、例えば巡回コース番号などとともに記憶されてよい。
次に、移動ロボット1は、全経路の巡回を終了したか否かを判定する(S9)。巡回経路が終了してなければステップS4に戻り、巡回経路が終了していたら、移動ロボット1は処理を終了する。ステップS9の判定は、経路終点の指示マーカ103が検出されたか否かに基づいて判定される。
以上に、基準測距データを取得する処理の好適な例を説明した。なお、上記の例では、移動経路が予め決まっていることを利用し、移動ロボット1の自己位置が走行距離で特定された。しかし、本発明はこれに限定されない。自己位置は、デッドレコニング等により取得した移動ロボット1の位置及び進行方向のデータであってもよい(位置はマップ上の座標でよい)。上述のように走行距離を自己位置として用いる場合との違いは、上記フローにおいて「走行距離」を「位置及び進行方向」で置き換えるだけでよく、また、この場合、後述の巡回処理でも、自己位置は同様に位置と方向で表される。
また、上記変形例の場合には、自己位置を検出する方法として、より具体的には、現在のロボットの位置(X、Y)と姿勢(ロボットの向きθ)が算出されてよい。本実施の形態では両車輪の回転速度で移動が制御されているので、位置検出処理では、車輪回転量から走行距離と角度変化を求め、これらの情報から各時点の位置と姿勢を捕捉することができる。このとき、角度変化は両車輪回転量の差と車輪間隔から算出される。これは、デッドレコニングとして一般に知られる手法である。
次に、移動ロボット1の巡回時の動作を説明する。図5は、移動ロボット1の巡回時の動作を示すフローチャートである。図5の処理は、制御部21の制御下で、制御部21を含む移動ロボット1の各部構成によって行われる。
図5において、巡回開始時、移動ロボット1は、ロボット走行距離を初期化し(S20)、巡回経路に従って走行を開始する(S21)。移動ロボット1は、検知部11にレーザセンサ61の測距データD(n)の入力があるか否かを判定する(S22)。測距データの入力がなければ(S22、No)、処理はステップS31に進む。
測距データが入力されていれば(S22、Yes)、移動ロボット1は、自己位置検出部9より移動ロボット1の走行距離Pを取得する(S23)。既に述べてきたように本実施の形態では走行距離Pが自己位置として処理される。そして、移動ロボット1の基準データ選択部81が、記憶部15の基準測距データ群73から、現在の走行距離Pの周辺の所定範囲で得られた所定数の基準測距データをバッファに読み出す(S24)。
ここでは、基準測距データをDi(n)とする。“i”は、基準測距データの取得順に付けられた番号である。そして、現在の走行距離Pで過去に取得された基準測距データをDp(n)とする。基準データ選択部81は、基準測距データDp(n)を中心とした近傍の測距データ、具体的には、前後k個の基準測距データDi(n)(i=p−k,・・・p−1,p,p+1,・・・,p+k)をバッファに読み出す。
次に、基準データ選択部81は、バッファに読み出した複数のデータの中で、現在の測距データに最も類似する基準測距データを類似基準測距データとして選択する(S25)。類似基準測距データは本発明の類似基準データに相当する。類似基準測距データの選択処理は後述する。
次に、移動ロボット1の異常判定部83が、ステップS25で基準測距データ群73の中から選択された類似基準測距データを現在の測距データと比較して異常判定を行う(S26〜S30)。ここでは、まず、移動ロボット1は、基準測距データ群の中から選択された類似基準測距データと現在の測距データとの差分を計算し(S26)、差分データを用いて侵入物体判定処理を行う(S27)。侵入物体判定処理では、侵入物体に関する評価値が計算される。そして、異常判定部83は、ステップS27で侵入物体判定処理を行なった結果得られた評価値から侵入物体の有無を判定する(S28)。評価値が侵入判定用の所定の判定基準値以上であれば、侵入物体が有ると判定され、評価値が判定基準値未満であれば、侵入物体が無いと判定される。侵入物体が有れば(S28、Yes)、移動ロボット1の移動を停止し(S32)、異常警報を出力する(S33)。侵入物体判定の詳細は後述する。
侵入物体が無ければ(S28、No)、異常判定部83は、ステップS26で計算した差分データを用いて消失物体判定処理を行う(S29)。ここでは、消失物体に関する評価値が計算される。異常判定部83は、ステップS29で消失物体判定処理を行った結果得られた評価値から消失物体の有無を判定する(S30)。評価値が消失判定用の所定の判定基準値以上であれば、物体消失が発生したと判定され、評価値が判定基準値未満であれば、物体消失が発生していないと判定される。消失物体が有れば(S30、Yes)、移動ロボット1の移動を停止し(S32)、異常警報を出力する(S33)。消失物体判定の詳細は後述する。
消失物体が無ければ(S30、No)、移動ロボット1は、全経路の巡回を終了したか否かを判定する(S31)。巡回経路が終了してなければステップS22に戻り、巡回経路が終了していたら、移動ロボット1は処理を終了する。ステップS31の判定は、経路終点の指示マーカ103が検出されたか否かに基づいて判定される。
図6は、上述の巡回時の動作の概念図を示している。既に図5を用いて説明した通り、移動ロボット1の自己位置は走行距離Pで表される。現在位置である走行距離Pにて、測距データD(n)が得られたとする。基準データ選択部81は、記憶部15の基準測距データ群73から、走行距離Pの前後で得られた基準測距データを取り出す。図示のように、走行距離Pで得られた基準測距データDp(n)を中心に、2k+1個の基準測距データが取り出される。そして、基準データ選択部81は、取り出した2k+1個の基準測距データを現在の測距データD(n)と比較し、最も類似した基準測距データを、類似基準測距データとして抽出する。そして、異常判定部83が、抽出された類似基準測距データを、現在の測距データと比較して、侵入および消失の判定を行う。
次に、基準データ選択部81が類似基準測距データを選択する処理を説明する。ここでは、上述した2k+1個の基準測距データDi(n)(i=p−k,・・・p−1,p,p+1,・・・,p+k)から、現在の測距データD(n)に最も類似するデータが選択される。基準データ選択部81は、各々の基準測距データDi(n)を測距データD(n)と比較して、類似度が最も高い基準測距データDi(n)を選択する。
本実施の形態では、類似度として、一致点の数が用いられる。一致点は、基準測距データDi(n)と測距データD(n)で、被測定物までの距離が一致する測定点である。
より詳細には、本実施の形態の例において、測距データD(n)(n=0〜N)は、0.5度間隔のN個の角度で測定された距離の集合である。各々の角度での距離を、“角度成分”という。測距データと基準測距データの角度成分の差が所定の閾値以下になる測定点を一致点といい、角度成分の差が閾値を超える測定点を不一致点と呼ぶ。類似度は、一致点の数で表される。
図7は、上記の一致点と不一致点を示している。図7において、横軸は角度であり、縦軸の距離差は、角度成分の差(各々の角度における測距データと基準測距データの差)である。距離差が閾値以内であれば、該当する測定点が一致点である(黒マーク)。距離差が閾値を超えていれば、該当する測定点は不一致点である(白マーク)。
本実施の形態の類似度は、以下の点で有利である。図7において、不一致点は、侵入物体または消失物体を測定した点である可能性が高い。このような異常物体のデータも含んだ類似度を算出すると、類似性を適切に評価できない可能性がある。これに対して、本実施の形態では、異常物体の測定点が除外されるので、好適な類似性評価ができる。
また、レーザセンサ61の走査範囲は広範囲であり、本実施の形態の例では180°である。侵入物体等が存在することによる距離変化は走査範囲の一部分にのみ現れる。したがって、上記のように侵入物体等によって変化が起こる部分(角度成分)以外の測距データ同士を比較しても、適切に類似性を評価できる。
本実施の形態の基準データ選択部81は、さらに、下記の処理によって測距データの角度誤差も吸収する。図8に示すように、基準データ選択部81は、同じ角度の測定点同士だけでなく、各々の基準測距データを少しずつずらしてから測距データと比較して、各々の基準測距データの類似度として、最も高い類似度(一致点数)を採用し、これにより、移動ロボット1の回転方向等に起因する角度ずれを吸収する。図8の例では、現在の測距データの点Aに対応する基準測距データの点はQ3であるが、角度方向に基準測距データがずらされて、点Aが点Q2、Q1とも比較され、これにより角度方向のずれが吸収される。
ただし、上記のように角度方向のずれを考慮する場合、データ数を少なくする必要があり、測距データから両端部分を除いた範囲が用いられる。本実施の形態の例では、走査範囲が180度である。基準測距データと測距データが±15度の範囲でずらされるとすると、150度分のデータが比較される。測距データからは、左右の15度分のデータが除かれて、中央の150度分のデータが残される。基準測距データからも150度分のデータが使われる。そして、基準測距データは、両側へ少しずつ、最大で15度分ずらされる。本実施の形態の例のように0.5度間隔で測定を行う場合、両側へ最大で30個分、少しずつデータがずらされ、各々のずれ位置で一致点がカウントされて類似度が求められ、各基準測距データの類似度として最大の類似度が採用されることになる。そして、複数の基準測距データの中で最も類似度の高い一の基準測距データを類似基準測距データとして抽出する。
また、上記の処理を行った場合、一致点の数が最大になる複数の基準測距データが存在する可能性がある。この場合には、任意の一つの基準測距データが選択されてよい。より好ましくは、それら複数の基準測距データから、最も類似する基準測距データが選択される。例えば、基準データ選択部81は、各々の基準測距データにおいて、各一致点での距離差分の絶対値の総和を求め、この総和が最小になる基準測距データを選択する。このような処理により、一致点の数を使った判定で複数の候補が選択された場合に、さらに最も適切な一つの候補を選択することができる。
上述の類似基準測距データの選択処理をまとめると、下記のようになる。
1):走行距離Pでの測距データD(n)を得る。
2):走行距離Pでの基準測距データDp(n)前後の2k+1個の基準測距データDi(n)(i=p−k,・・・p−1,p,p+1,・・・,p+k)を記憶部15から読み出す。
3):測距データD(n)と各基準測距データDi(n)の類似度として一致点数を求め、このうち類似度が最大になる基準測距データを、類似基準測距データとして選択する。このとき、各基準測距データDi(n)は所定範囲で角度方向に少しずつずらされて、最大の一致点数が類似度として採用される。一致点は、以下の式を満たす測定点である。
−Th≦(Di(n−j)−D(n))≦Th
ここで、Thは閾値である。また、jは、角度方向のずらし量を示している。
4):類似度が最大になる複数の基準測距データが存在する場合、一致点における差分絶対値の総和(Σ|Di(n−j)−D(n)|)が比較され、この総和が最小になる基準測距データが最終的に類似基準測距データとして選択される。
5):選択された類似基準測距データが測距データD(n)と比較されて、異常判定が行われることになる。このとき、選択された類似基準測距データは、3)の処理で一致点数が最大になるように角度方向にずらされた状態が保持され、ずらされたままの状態で異常判定処理が行われる。
以上に類似基準測距データの選択処理を説明した。次に、図5のステップS27における侵入物体判定処理とステップS29における消失物体判定処理について、図9〜図11を参照して説明する。これらの処理では、侵入物体判定および消失物体判定についての評価値が、侵入/消失判定部13の異常判定部83によって算出される。図9は侵入物体判定処理のフローチャートであり、図10は消失物体判定処理のフローチャートであり、図11は両判定処理の概念図である。
図9において、異常判定部83は、現在の測距データと類似基準測距データの差分の計算結果から、現在の測距データが選択測距データよりも所定距離以上近くなっている変化点の有無を調べる(S200)。変化点は、図11において、距離差が負の値であって−Δ以下の点(距離差が−側にΔ以上の点)である。
異常判定部83は、変化点があればその連続区間を調べ、連続する領域Ga(i)をラベリングする(S202)。ここでは、レーザセンサ61で走査する際の角度間隔が検知対象物体(例えば人)と比較して十分に密であるので、連続していない変化点(孤立点)がノイズとして除去されてよい。
次に、異常判定部83の評価値算出部85が評価値を計算する(S204)。ここでは、ラベルに含まれる測定点の数を領域Ga(i)の評価値Ea(i)とする。図11の例では、Ga(i)に3つの測定点が含まれているので、評価値Ea(i)=3となる。
評価値計算では、単純に測定点の数を評価値とするだけでなく、測距データと類似基準測距データの差分が大きければ大きいほど、異常の確からしさが増すので、差分(絶対値)に比例した重みを掛けてからその累積値を評価値Ea(i)としてもよい。
評価値が算出されると、異常判定部83は、ラベルに含まれる測定点の角度と距離差と共にラベルの評価値を記憶部15に記憶させる(S206)。そして、異常判定部83は、前回周期と今回周期の処理結果の比較を行い、トラッキング対象が存在するかどうかを判定する(S208)。トラッキングでは、ロボットの移動距離を考慮し、前回周期と今回周期の間で、所定の角度、距離範囲内にほぼ同一サイズの物体があるか否かで、トラッキング対象の有無を判断する。該当物体が有れば、その物体がトラッキング対象になる。トラッキング対象が無ければ(S208、No)、侵入物体判定処理は終了する。
トラッキング対象が存在する場合(S208、Yes)、異常判定部81は、前回周期で検出した領域の評価値に、今回周期で検出した評価値を累積加算し、新たな評価値 Ea(i)とする(S210)。これにより評価値が更新され、侵入物体判定処理が終了する。そして、図5のステップS28にて、評価値が所定値以上か否かによって、侵入物体の有無が判定されることになる。
なお、本実施の形態では、移動ロボット1の自己位置として走行距離が取得されることから、巡回経路が直線でない場合は、正確な位置が取得されないため、厳密には正確なトラッキングができない。しかし、トラッキングでは同じ物体を正しく判定できれば十分であり、この観点では、走査間隔(周期)を短くすることにより巡回コースを直線と近似して、十分な正確さでトラッキングを行なうことができる。
また、既に説明したように、本実施の形態では、デッドレコニング等により二次元地図上での現在位置座標が得られてよい。この場合には、測距データを二次元地図上に投影することにより、前回周期と今回周期で二次元地図上において近傍位置に検出される物体をトラッキング対象としてもよい。
次に、消失物体判定について説明する。図10において、異常物体判定部83は、測距データと類似基準測距データを比較したときの差分の結果から、測距データが類似基準測距データよりも所定距離以上遠くなっている変化点の有無を判定する(S300)。変化点は、図11の例では、距離差が+Δ以上の点(距離差が+側にΔ以上の点)である。
異常判定部83は、変化点があればその連続区間を調べ、連続する領域をGd(j)としてラベリングする(S302)。侵入物体判定処理と同様、レーザセンサ61で走査する際の角度間隔が検知対象物体と比較して十分に密であるので、連続していない変化点(孤立点)がノイズとして除去されてよい。
次に、異常判定部83の評価値算出部85が評価値を計算する(S304)。ここでは、抽出領域Gd(j)を構成する測定点の数を領域Gd(j)の評価値Ed(j)とする。図11の例では、Gd(j)に3つの測定点が含まれているので、Ed(j)=3となる。侵入物体判定処理と同様に、評価値計算では、単純に測定点の数を評価値とするだけでなく、測距データと類似基準測距データの差分が大きければ大きいほど、異常の確からしさが増すので、差分(絶対値)に比例した重みを掛けてからその累積値を評価値Ed(j)としてもよい。
評価値が算出されると、異常判定部83は、検出されたラベルに含まれる測定点の角度と距離差とともにラベルの評価値を記憶部15に記録する(S306)。そして、異常判定部83は、前回周期と今回周期の処理結果の比較を行い、トラッキング対象が存在するかどうかを判定する(S308)。判断基準は侵入物体判定と同様である。トラッキング対象が無ければ(S308、No)、消失物判定処理は終了する。
トラッキング対象が存在する場合(S308、Yes)、さらに、異常判定部83は、トラッキング対象(抽出領域Gd(j))が前回周期から移動しているかどうかを判定する(S310)。この処理は、トラッキング対象が消失物体か、或いは、基準測距データ群の取得時に監視領域内に移動物体があった場合かを判定するためである。
異常判定部83は、トラッキング対象が移動していない場合(S310、No)、前回周期で検出した領域の評価値に、今回周期で検出した評価値を累積加算し、新たな評価値Ed(j)とする(S212)。これにより評価値が更新され、消失物体判定処理が終了する。そして、図5のステップS30にて、評価値が所定値以上か否かによって、消失物体の有無が判定されることになる。
異常判定部83は、トラッキング対象が移動していると判断された場合(S310、Yes)、評価値を初期化する(S314)。これは、以下の理由による。本来、トラッキング対象が消失物体であれば、トラッキング対象は移動しないはずである。トラッキング対象の移動は、基準測距データ群の取得時に監視領域内に移動物体があった場合などに起き得る。すなわち、基準測距データ群の取得時に移動物体があった場合に、巡回時にその物体が存在しなければ、基準測距データよりも距離が遠くなる領域Gd(j)が、移動領域として観測されることになる。一方、物体が消失したのであれば、トラッキングした対象は位置が変わらないはずである。そこで、トラッキング対象の領域Gd(j)が移動していると判定された場合は、消失物体ではないものとして、異常判定部83は領域Gd(j)の評価値を初期化し、これによりさらに正確な判定が可能になる。
以上に移動ロボット1の動作を説明した。次に、上記の移動ロボット1によって誤判定を回避できる具体例を説明する。ここでは図1の坂道の例を用いる。図1の坂道の前後を考えたとき、往路では坂道が物体として測定されるが、復路では坂道が測定されない。仮に、既存物体のマップを単純に使って異常判定を行おうとすると、復路で既存物体が検出されず、その結果、物体が消失したという誤った判定が行われる。
これに対して、本実施の形態では、図1のような場所では、往路と復路の両方でそれぞれ別の基準測距データが取得され、それぞれ取得したときの走行距離情報と関連付けて記憶される。このとき、往路の基準測距データは坂道を物体として含むが、復路の基準測距データは坂道を含まない。巡回時に、復路での測距データは、基準測距データが走行距離情報と関連付けて記憶されているため、坂道を含まない方である復路の基準測距データと比較され、そして異常判定が行われる。これにより、坂道を消失物体として誤判定するといった事態を避けることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明した。上述のように、本発明によれば、過去の走行時に得られた基準データ群から、現在の自己位置に対応し、かつ、現在の検知データに類似した基準データが選択され、選択された基準データを使って異常判定が行われる。これにより、坂道などのように同一の場所であっても条件によって検知結果が異なり得る状況でも、同じ条件での過去の基準データが選択されて異常判定に使われる。したがって、誤判定を低減して、異常検出精度を向上できる。
この点に関してさらに説明すると、上記例の通り、坂道など高低差のある環境や、金網のような物体がある環境では、同一の場所でも、レーザセンサ等の検知部の測定値が異なって得られることがある。仮に、従来技術のように既存物体のマップを単純に使って異常判定を行ったとすると、既存物体が検出されず、その結果、物体が消失したという誤った判定がなされる可能性がある。これに対して、本発明によれば、過去の適切な基準データを用いて判定を行うことができ、消失物体の誤判定を避けることができる。こうして、本発明は、監視領域内への侵入物体を精度よく検出することができ、さらに坂道等の高低差のある環境などでも精度よく消失物体を検知することができる。
また、本発明によれば、自己位置に対応する類似基準データを選択するとき、基準データ群の中から自己位置を含む周辺位置に対応する複数の基準データが抽出され、これら複数の基準データの中から、検出部が取得した検知データに最も類似するものが選択される。これにより、現在の自己位置に対応しており検知データに類似する基準データが好適に選択される。このような処理により、自己位置検出にばらつきがあっても、類似性に基づく判断処理によって、自己位置と同じ位置で作られた基準データが適切に選択されて異常判定に使われる。したがって、誤判定を低減して、異常検出精度を向上できる。
また、本発明によれば、検知データとして、環境内を走査して被測定物までの距離データが生成される。そして、基準データと検知データとで被測定物までの距離が一致する点の数に基づいて基準データ群から類似基準データが選択される。一致点に基づく処理により、上述したように適切な基準データを選択することができる。好ましくは、一致点の数が最大になる基準データが、類似基準データとして選択される。一致点数を比較することで、侵入物体等の異常部分を除外した領域の類似性の高さを判定でき、検知データと比較すべき適切な基準データを選択できる。なお、上記の例の通り、検知データと基準データとで被測定物までの距離が所定値以内の測定点は、一致点として判定されてよい。
また、上述の実施の形態では、基準データと検知データの角度が所定値ずつずらされて、両データの類似度が判定されており、これにより、基準データ取得時と巡回での検知データ取得時の移動ロボットの方向のばらつきも吸収することができ、さらに高精度の判定ができる。
また、本発明は、検知データにおける被測定物までの距離が類似基準データと比べて近い場合に侵入物体異常が発生したと判定し、検知データにおける被測定物までの距離が類似基準データと比べて遠い場合に消失物体異常が発生したと判定しており、これにより、侵入物体と消失物体の異常を好適に判定できる。
また、本発明は、環境内の経路を走行するよう走行手段を制御している。そして、移動ロボットの自己位置として、所定の基準位置からの経路上における走行距離情報が検出される。基準位置は上述の例では経路始点や指示マーカである。このように、移動ロボットが所定の経路を走行することを前提として、走行距離で自己位置を表しており、これにより、自己位置を簡単に検出することができる。また、自己位置が簡単な情報で表されるので、自己位置データを使用する他の処理も簡単にできる。
また、別の例では、本発明は、移動ロボットの自己位置として、環境内の位置とロボットの進行方向を含む情報を検出してよい。この自己位置は典型的にはデッドレコニング走行で得られる。このような自己位置を用いることにより、所定の経路を走行しないときにも位置情報を好適に扱って異常を判定できる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。
以上のように、本発明にかかる移動ロボットは、監視区域の異常を検出でき、警備用のロボットなどとして有用である。
従来技術において経路上に坂道があるときの移動ロボットの異常判定処理を示す図である。 本発明の実施の形態における移動ロボットの構成を示すブロック図である。 移動ロボットが使用される環境および移動ロボットの外観を示す図である。 基準測距データ群取得時の移動ロボットの動作を示すフローチャートである。 巡回時の移動ロボットの動作を示すフローチャートである。 巡回時の移動ロボットの動作を概念的に示す図である。 測距データと基準測距データの類似度を求める処理を示す図である。 測距データと基準測距データの類似度を求める処理を示す図である。 侵入物体判定処理のフローチャートである。 消失物体判定処理のフローチャートである。 侵入物体判定処理および消失物体判定処理を概念的に示す図である。
符号の説明
1 移動ロボット
3 移動手段
5 移動制御部
7 ガイド検出部
9 自己位置検出部
11 検知部
13 侵入/消失判定部
15 記憶部
17 通信部
19 撮像ユニット
21 制御部
31 右輪
33 左輪
35,37 モータ
41 白線検出カメラ
43 路面情報抽出部
51,53 レゾルバ
55 位置算出部
61 レーザセンサ
71 経路情報
73 基準測距データ群
75 位置情報
81 基準データ選択部
83 異常判定部
85 評価値算出部
101 白線テープ
103 指示マーカ

Claims (5)

  1. 所定の環境内を走行手段により走行する移動ロボットであって、
    前記環境内での前記移動ロボットの自己位置を検出する位置検出部と、
    前記環境内の被測定物までの距離を検知して検知データを生成する検知部と、
    過去に前記環境内を走行したときに得られた前記検知データを各検知データが得られたときの自己位置と関連付けて異常判定の基準データ群として記憶する記憶部と、
    現在の走行にて前記位置検出部により検出される自己位置に対応し、かつ、前記検知部により生成される検知データに類似する基準データを、前記記憶部の前記基準データ群から類似基準データとして選択する基準データ選択部と、
    前記現在の走行にて検知した検知データを前記類似基準データと比較することにより前記環境内の異常を判定する異常判定部と、
    を備え
    前記基準データ選択部は、前記基準データ群の中から前記自己位置を含む周辺位置で取得された複数の基準データを抽出し、これら複数の基準データの中から、前記検出部が取得した検知データに最も類似するものを類似基準データとして選択することを特徴とする移動ロボット。
  2. 前記検知部は、前記検知データとして、前記環境内を走査して被測定物までの複数の測定点における距離を測定し、
    前記基準データ選択部は、前記基準データと前記検知データとで前記被測定物までの距離が一致する測定点の数に基づいて前記基準データ群から前記類似基準データを選択することを特徴とする請求項1に記載の移動ロボット。
  3. 前記異常判定部は、前記検知データにおける被測定物までの距離が前記類似基準データにおける被測定物までの距離と比べて短い場合に侵入物体異常が発生したと判定し、前記検知データにおける被測定物までの距離が前記類似基準データにおける被測定物までの距離と比べて長い場合に消失物体異常が発生したと判定することを特徴とする請求項に記載の移動ロボット。
  4. 更に前記環境内の経路を走行するよう前記走行手段を制御する走行制御部を備え、
    前記位置検出部は、前記自己位置として、所定の基準位置からの前記経路上における走行距離情報を検出することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の移動ロボット。
  5. 前記位置検出部は、前記自己位置として、前記環境内の位置と前記移動ロボットの進行方向を含む情報を検出することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の移動ロボット。
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