JP2010144675A - 制御装置 - Google Patents

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隆弘 飯田
Naohide Murakami
直英 村上
Jin Tomosada
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Kenta Ishihara
健太 石原
Hiroshi Enomoto
弘 榎本
Akio Matsunaga
彰生 松永
Toshiro Itatsu
俊郎 板津
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Abstract

【課題】内燃機関に付帯するEGR装置のEGR制御において、負圧域から過給域に遷移するタイミングにおける過給圧やEGR率の一時的な落ち込みを回避する。
【解決手段】負圧域にて固定していた可変ターボのノズルベーンの開度を、過給域に遷移する際にサーボコントローラによる操作に委ねるにあたり、ノズルベーンの開度を先の固定値uHからコントローラで算出した制御入力値u2に向けて徐々に変化させるとともに、その間はEGRバルブ、スロットルバルブに与える制御入力値に補正を加えて、過給圧y2やEGR率の偏差の縮小を図る。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関またはそれに付帯する装置を制御する制御装置に関する。
下記特許文献1に開示されている排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)システムは、過給機を備えた内燃機関のEGR率(または、EGR量)を制御するものである。過給圧とEGR率との間には相互干渉が存在し、1入力1出力のコントローラで過給圧、EGR率の両方を同時に制御することは難しい。しかも、内燃機関の運転領域によって応答性が異なる上、過給機にはターボラグ(むだ時間)がある。このような事情から、特許文献1に記載のシステムでは、非線形制御対象に対して有効な制御手法であるスライディングモード制御を採用し、相互作用を考慮した他入力多出力のコントローラを設計してEGR制御をしている。
特開2007−032462号公報
アイドル運転時のような低負荷領域、即ちエンジン回転数もトルクも低い負圧域(または、無過給域)では、吸気管内圧力はおおよそ大気圧に近い大きさとなる。このとき、可変ターボのノズル開度を幾ら変えても過給機が仕事をしてくれない状態になる。そのような場合に、吸気管内圧力の目標値が実際の吸気管内圧力より少しでも高いと、可変ターボのノズル開度が絞られ、ついには飽和(極小化)してそれ以上ノズル開度が変化しなくなる。結果、アイドル運転時にも重要なEGR率の制御に支障を来たしてしまう。故に、現状、負圧域では、図8に例示するように、サーボコントローラによる制御入力の演算結果u2を無視して、可変ターボのノズル開度を強制的にある一定の値uHに固定している。
しかして、例えば加速時等の、負圧域から過給域に遷移するタイミングでは、それまで固定していたノズル開度をサーボモードコントローラで算出する制御入力の値u2に操作することになる。だが、先の固定値uHとサーボコントローラの演算による制御入力値u2との間に乖離が存在していると、ノズル開度の固定解除(図中t0の時点)とともにノズル開度が急変して過給圧y2やEGR率が一時落ち込み、加速性能の低下や排気ガスの悪化を招くきらいがあった。
制御出力が一時的に変動する問題は、過給域から負圧域に遷移するタイミングでも起こり得る。それまでサーボコントローラによって操作していたノズル開度を強制的にある値に固定する場合、その固定値とサーボコントローラの演算による直近の制御入力値との間に乖離が存在していると、やはりノズル開度の急変、過給圧及びEGR率の収束性喪失を招く。
以上に鑑みてなされた本発明は、内燃機関またはそれに付帯する装置を複数の操作部を操作して制御するものにおいて、ある操作部の操作量の急変に起因する制御出力の一時的変動を抑制ないし回避することを所期の目的とする。
本発明では、内燃機関またはそれに付帯する装置を複数の操作部を操作して制御するものであって、各操作部に与えるべき制御入力を反復的に演算するサーボコントローラと、何れかの操作部を前記サーボコントローラが算出する制御入力によらない所定の操作量に固定しその後に当該操作部の固定を解除する場合に、当該操作部の操作量をサーボコントローラが算出する制御入力値に向けて徐々に変化させ、なおかつ、当該操作部の徐変期間において、サーボコントローラが算出する他の操作部に係る制御入力値に制御出力とその目標値との偏差の縮小に必要な補正量を加味して他の操作部の操作量を決定する補正制御部とを具備することを特徴とする制御装置を構成した。
並びに、本発明では、各操作部に与えるべき制御入力を反復的に演算するサーボコントローラと、何れかの操作部を前記サーボコントローラが算出する制御入力によらない所定の操作量に固定する場合に、当該操作部の操作量を前記所定の操作量に向けて徐々に変化させ、なおかつ、当該操作部の徐変期間において、サーボコントローラが算出する他の操作部に係る制御入力値に制御出力とその目標値との偏差の縮小に必要な補正量を加味して他の操作部の操作量を決定する補正制御部とを具備することを特徴とする制御装置を構成した。
上述の可変ターボの例で言えば、負圧域から過給域に切り替わる際、ノズル開度を固定値から徐々にサーボコントローラの演算による制御入力値に近づける操作を行う。このノズル開度の徐変期間においては、ノズル開度がEGR率等の制御出力を目標値に収束させるのに必要な、本来あるべき制御入力値をとらないことになる。よって、その分だけ他の操作部、例えばEGRバルブやスロットルバルブに与える制御入力値に補正を加えて、以て制御出力と目標値との偏差を縮小するようにする。同様に、過給域から負圧域に切り替わる際にも、ノズル開度をサーボコントローラの演算による直近の制御入力値から固定値に近づけるように操作するとともに、ノズル開度が徐変する間はEGRバルブやスロットルバルブに与える制御入力値に補正を加える。これにより、可変ターボのノズル開度の急変に伴う過給圧やEGR率の一時的な落ち込み等を有効に回避できる。
本発明は、過給機を備えた内燃機関に付帯する排気ガス再循環装置のEGR率若しくはEGR量を制御するシステムであり、制御出力変数に、EGR率若しくはEGR量と、吸気管内圧力とを含み、制御入力変数に、スロットルバルブ開度と、EGRバルブ開度と、可変ノズルターボのノズル開度とを含むものに特に好適である。
本発明によれば、内燃機関またはそれに付帯する装置を複数の操作部を操作して制御するものにおいて、ある操作部の操作量の急変に起因する制御出力の一時的変動を抑制ないし回避することができる。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に示すものは、本発明の適用対象の一であるEGRシステムである。内燃機関2に付帯するこのEGRシステムは、吸排気系3、4における複数の流体圧または流量に関する値を検出するための計測器(または、センサ)11、12と、それらの値に目標値を設定し、各値を目標値に追従させるべく複数の操作部45、42、33を操作する制御装置たるECU5とを具備してなる。
内燃機関2は、例えば過給機を備えたディーゼルエンジンである。内燃機関2の吸気系3には、可変ターボのコンプレッサ31を配設するとともに、その下流に吸気冷却用のインタークーラ32、及び吸入空気(新気)量を調節するDスロットルバルブ33を設ける。また、吸入空気量を計測する流量計11、吸気管内圧力を計測する圧力計12をそれぞれ設置する。
内燃機関2の排気系4には、コンプレッサ31を駆動するタービン41を配設し、タービン41の入口には過給機のA/R比を増減させるためのノズルベーン42を設ける。そして、内燃機関2の燃焼室より排出される排気ガスの一部を吸気系3に還流させるEGR通路43を形成する。EGR通路43は、吸気系3におけるスロットルバルブ33よりも下流に接続する。EGR通路43には、排気冷却用のEGRクーラ44と、通過する排気ガス(EGRガス)量を調節する外部EGRバルブ45とを設ける。
本実施形態では、EGR率(または、EGR量)と、吸気管内圧力とについて各々目標値を設定し、双方の制御量を一括に目標値に向かわせるべく複数の操作部、即ちEGRバルブ45、可変ターボのノズル42及びスロットルバルブ33を操作する制御を実施する。
EGRバルブ45、ノズルベーン42、スロットルバルブ33は、ECU5により統御されてその開度をリニアに変化させる。各操作部45、42、33は、駆動信号のデューティ比を増減させることで開度を変える電気式のバルブや、あるいはバキュームコントロールバルブ等と組み合わされ弁体のリフト量を制御して開度を変える機械式のバルブ等を用いてなる。
ECU5は、プロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはフラッシュメモリ、A/D変換回路、D/A変換回路等を包有するマイクロコンピュータである。ECU5は、EGR率及び吸気管内圧力を検出するための計測器11、12の他、外部の気圧を検出する計測器(大気圧センサ)13や、エンジン回転数、アクセルペダルの踏込量、冷却水温、吸気温、外部の気温等を検出する各種計測器(図示せず)と電気的に接続し、これら計測器から出力される信号を受け取って各値を知得することができる。
因みに、本実施形態では、EGR率を直接計測していない。内燃機関2のシリンダに入る空気量は、可変ターボのノズル開度を基に予測することが可能である。その空気量の予測値をgcylとおき、流量計11で計測される吸入空気量をgaとおくと、推定EGR率eegrについて、eegr=1−ga/gcylなる関係が成立する。ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、可変ターボのノズル開度とシリンダに入る空気量との関係を定めたマップデータが記憶されている。ECU5は、可変ターボのノズル開度をキーとしてマップを検索し、シリンダに入る空気量の予測値を得、これと吸入空気量とを上記式に代入してEGR率を算出する。
並びに、ECU5は、EGRバルブ45、可変ターボのノズル42、スロットルバルブ33や、燃料噴射を司るインジェクタ及び燃料ポンプ等(図示せず)と電気的に接続しており、これらを駆動するための信号を入力することができる。
ECU5で実行するべきプログラムはROMまたはフラッシュメモリに予め記憶されており、その実行の際にRAMへ読み込まれ、プロセッサによって解読される。ECU5は、プログラムに従い内燃機関2を制御する。例えば、エンジン回転数、アクセルペダルの踏込量、冷却水温等の諸条件に基づき要求される燃料噴射量(いわば、エンジン負荷)を決定し、その要求噴射量に対応する駆動信号をインジェクタ等に入力して燃料噴射を制御する。その上で、ECU5は、プログラムに従い、図2及び図3に示すサーボコントローラ51及び補正制御部52としての機能を発揮する。
サーボコントローラ51は、スライディングモードコントローラであって、EGR率及び吸気管内圧力のスライディングモード制御を担う。フィードバック制御時、ECU5は、各種計測器(図示せず)が出力する信号を受け取ってエンジン回転数、アクセル踏込量、冷却水温、吸気温、外部の気温及び気圧等を知得し、要求噴射量を決定する。続いて、少なくともエンジン回転数及び要求噴射量に基づき、目標EGR率及び目標吸気管内圧力を設定する。ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、エンジン回転数及び要求噴射量に応じて設定するべき各目標値を示すマップデータが記憶されている。ECU5は、エンジン回転数及び要求噴射量をキーとしてマップを検索し、EGR率及び吸気管内圧力の目標値を得る。さらに、マップを参照して得た目標値を基本値とし、これを冷却水温、吸気温、外部の気温や気圧等に応じて補正して最終的な目標値とする。
そして、ECU5は、計測器11、12が出力する信号を受け取ってEGR率及び吸気管内圧力の現在値を知得し、各制御量の現在値と目標値との偏差からEGRバルブ45の開度、可変ターボのノズル42の開度及びスロットルバルブ33の開度を演算して、各々の操作量に対応する駆動信号をそれら操作部45、42、33に入力、開度を操作する。
EGR率の適応スライディングモード制御に関して補記する。状態方程式及び出力方程式は、下式(数1)の通りである。
Figure 2010144675
本実施形態では、状態量ベクトルXを出力ベクトルYから直接知得できる構造とする、換言すれば計測器11、12を介して検出可能な値を直接の制御対象とすることにより、状態推定オブザーバを排して推定誤差に伴う制御性能の低下を予防している。出力行列Cは既知、本実施形態では単位行列とする。
プラントのモデル化、即ち状態方程式(数1)における係数行列A及び入力行列Bの同定にあたっては、各操作部45、42、33に様々な周波数からなるM系列信号を入力して開度を操作し、EGR率及び吸気管内圧力の値を観測して、その入出力データから行列A、Bを同定する。各操作部45、42、33に入力するM系列信号は、互いに無相関なものとする。これにより、各値の相互干渉を考慮したモデルを作成することができる。
図3に、適応スライディングモード制御系のブロック線図を示す。スライディングモードコントローラ51の設計手順には、切換超平面の設計と、状態量を切換超平面に拘束するための非線形切換入力の設計とが含まれる。1形のサーボ系を構成するべく、当初の状態量ベクトルXに、目標値ベクトルRと出力ベクトルYとの偏差の積分値ベクトルZを付加した新たな状態量ベクトルXeを定義すると、下式(数2)に示す拡大系の状態方程式を得る。
Figure 2010144675
安定余裕を考慮し、切換超平面の設計にはシステムの零点を用いた設計手法を用いる。即ち、上式(数2)の拡大系がスライディングモードを生じているときの等価制御系が安定となるように超平面を設計する。切換関数σを式(数3)で定義すると、状態が超平面に拘束されている場合にσ=0かつ式(数4)が成立する。
Figure 2010144675
Figure 2010144675
故に、スライディングモードが生じているときの線形入力(等価制御入力)は、下式(数5)となる。
Figure 2010144675
上式(数5)の線形入力を拡大系の状態方程式(数2)に代入すると、下式(数6)の等価制御系となる。
Figure 2010144675
この等価制御系が安定になるように超平面を設計することと、目標値Rを無視した系に対して設計することとは等価であるので、下式(数7)が成立する。
Figure 2010144675
上式(数7)の系に対して安定度εを考慮し、最適制御理論を用いてフィードバックゲインを求め、それを超平面とすると、下式(数8)となる。
Figure 2010144675
行列Psは、リカッチ方程式(数9)の正定解である。
Figure 2010144675
リカッチ方程式(数9)におけるQsは制御目的の重み行列で、非負定な対称行列である。q1、q2は偏差の積分Zに対する重みであり、制御系の周波数応答の速さの違いにより決定する。q3、q4は出力Yに対する重みであり、ゲインの大きさの違いにより決定する。また、リカッチ方程式(数9)におけるRsは制御入力の重み行列で、正定対称行列である。εは安定余裕係数で、ε≧0となるように指定する。
なお、上記式(数8)、(数9)に替えて、以下に示す離散系の超平面構築式(数10)及び代数リカッチ方程式(数11)を用いてもよい。
Figure 2010144675
Figure 2010144675
超平面に拘束するための入力の設計には、最終スライディングモード法を用いる。ここでは、制御入力Uを、線形入力Ueqと新たな入力即ち非線形入力(非線形制御入力)Unlとの和として、下式(数12)で表す。
Figure 2010144675
切換関数σを安定させたいので、σについてのリアプノフ関数を下式(数13)のように選び、これを微分すると式(数14)となる。
Figure 2010144675
Figure 2010144675
式(数12)を式(数14)に代入すると、下式(数15)となる。
Figure 2010144675
非線形入力Unlを下式(数16)とすると、リアプノフ関数の微分は式(数17)となる。
Figure 2010144675
Figure 2010144675
従って、切換ゲインkを正とすれば、リアプノフ関数の微分値を負とすることができ、スライディングモードが保証される。このときの制御入力Uは、下式(数18)である。
Figure 2010144675
ηはチャタリング低減のために導入した平滑化係数であって、η>0である。
スライディングモード制御では、状態量を超平面に拘束するために非線形ゲインを大きくする必要がある。だが、非線形ゲインを大きくすると、制御入力にチャタリングが発生する。そこで、モデルの不確かさを、構造が既知でパラメータが未知な確定部分と、構造が未知だがその上界値が既知な不確定部分とに分ける。状態方程式(数1)に不確かさ(f+Δf)を加え、下式(数19)で表す。
Figure 2010144675
不確かさの確定部分fは、未知パラメータθを同定することで補償される。さすれば、切換ゲインは不確かさの不確定部分Δfのみにかかることとなり、切換ゲインが不確実成分全体(f+Δf)にかかる場合と比べて制御入力のチャタリングを大幅に低減できる。
制御入力Uは、式(数18)に適応項Uadを追加した下式(数20)となる。
Figure 2010144675
制御入力(数20)におけるΓ1は、適応ゲイン行列である。関数hは、一般には状態量x及び/または未知パラメータθの関数とするが、本実施形態ではhをx及びθに無関係な単純式、定数とすることにより、xを速やかに収束させ、θの適応速度を高めるようにしている。特に、h=1とした場合、推定パラメータを下式(数21)に則って同定することができる。
Figure 2010144675
本実施形態では、EGR率y1及び吸気管内圧力y2を制御出力変数とし、EGRバルブ45の開度u1、可変ターボのノズル42の開度u2及びスロットルバルブ33の開度u3を制御入力変数とした3入力2出力のフィードバック制御を行う。状態変数の個数(システムの次数)は、当初の系(数1)では出力変数の個数と同じく2、拡大系(数2)では4となる。制御出力及び状態量をこのように特定することで、排気ガスに直接触れる箇所に流量計等の計測器を設置する必要がなくなる。
尤も、本実施形態のような3入力2出力のシステムでは、det(SBe)=0が成立し、行列(SBe)は正則とはならない。そこで、逆行列(SBe-1を、一般化逆行列として算定する。一般化逆行列には、例えばムーア・ペンローズ型の逆行列(SBeを用いる。
しかして、補正制御部52は、必要に応じ、スライディングモードコントローラ51が反復的に算出している制御入力u1、u2、u3に補正を施す。より具体的に述べると、計測器12を介して検出される吸気管内圧力と計測器13を介して検出される外部の気圧との差が所定閾値以下またはこれを下回るとき、可変ターボが仕事をしない負圧域にあると見なし、図7に例示するように、可変ターボのノズル42に与えるべき操作量即ち開度を、スライディングモードコントローラ51が算出した制御入力値u2に依存しない所定値uHに固定する。翻って、吸気管内圧力と外部の気圧との差が所定閾値以上またはこれを上回るときには、可変ターボが仕事をする過給域にあると見なしてノズルベーン42の開度固定を解除、スライディングモードコントローラ51が算出した制御入力値u2をノズルベーン42に与える。
その上で、補正制御部52は、負圧域から過給域へと遷移する際、ノズルベーン42の開度を、先の固定値uHからスライディングモードコントローラ51が算出する制御入力値u2に向けて徐々に変化させる。このとき、補正制御部52は、ノズルベーン42の固定を解除した時点t0における、ノズルベーン42の実開度と演算による制御入力値U2との差を計算し、その差分に1未満の係数を乗じることで、ノズルベーン42の開度の単位時間当たりの変化量を決定する。ノズルベーン42の開度は、この変化量の割合で直線的に徐変するように操作される。この徐変期間は、ノズルベーン42の実開度が反復演算している制御入力値u2と一致するまで続く。
そして、補正制御部52は、ノズルベーン42の開度が反復演算している制御入力値u2と一致するまでの徐変期間t0〜txにおいて、スライディングモードコントローラ51が算出した制御入力値u1及び/またはu3を補正する。
ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、プラントの入出力特性を示すマップが記憶されている。マップの概要を、図4に例示する。マップは、EGRバルブ45の開度とEGR率との関係を表したマップ、ノズルベーン42の開度とEGR率との関係を表したマップ、スロットルバルブ33の開度とEGR率との関係を表したマップ、EGRバルブ45の開度と吸気管内圧力との関係を表したマップ、ノズルベーン42の開度と吸気管内圧力との関係を表したマップ、スロットルバルブ33の開度と吸気管内圧力との関係を表したマップ、都合6枚が存在する。
補正制御部52は、上記のマップデータに基づき、制御入力値u1に加味する補正量、制御入力値u3に加味する補正量を決定する。現時点におけるEGR率の目標値をegrtarg(n)、吸気管内圧力の目標値をpimtarg(n)とおき、過去の時点におけるEGR率の目標値をegrtarg(n−1)、吸気管内圧力の目標値をpimtarg(n−1)とおくと、Δegr=egrtarg(n)−egrtarg(n−1)がEGR率の偏差となり、Δpim=pimtarg(n)−pimtarg(n−1)が吸気管内圧力の偏差となる。これらの偏差は、ノズルベーン42の開度が本来あるべき制御入力値u2をとらないことによって発生したものと考えることができる。
EGR率の偏差ΔegrをEGRバルブ45の操作によって解消しようとする場合には、図5に示すように、EGRバルブ45の開度とEGR率との関係を表したマップを参照し、現時点における目標値egrtarg(n)及び過去の時点における目標値egrtarg(n−1)をキーとしてマップを検索して、両時点の目標値の変化量に対応したEGRバルブ45の開度の変化量Δu1を得る。このΔu1が、スライディングモードコントローラ51が算出した制御入力値u1に加味する補正量となる。結果として、EGRバルブ45の開度は(u1+Δu1)に操作される。いわば、入出力特性のマップを介して偏差を補正量に変換したことになる。
また、吸気管内圧力の偏差Δpimをスロットルバルブ33の操作によって解消しようとする場合には、図6に示すように、スロットルバルブ33の開度と吸気管内圧力との関係を表したマップを参照し、現時点における目標値pimtarg(n)及び過去の時点における目標値pimtarg(n−1)をキーとしてマップを検索して、両時点の目標値の変化量に対応したスロットルバルブ33の開度の変化量Δu3を得る。このΔu3が、スライディングモードコントローラ51が算出した制御入力値u3に加味する補正量となる。結果として、スロットルバルブ33の開度は(u3+Δu3)に操作される。
補正制御部52は、過給域から負圧域へと遷移する際にも、ノズルベーン42の開度を、スライディングモードコントローラ51が算出した直近の制御入力値u2から固定値uHに向けて徐々に変化させる。このとき、補正制御部52は、ノズルベーン42の固定を開始する時点における、ノズルベーン42の実開度u2と固定値uHとの差を計算し、その差分に1未満の係数を乗じることで、ノズルベーン42の開度の単位時間当たりの変化量を決定する。ノズルベーン42の開度は、この変化量の割合で直線的に徐変するように操作される。
そして、補正制御部52は、ノズルベーン42の開度が固定値uHに到達するまでの徐変期間において、スライディングモードコントローラ51が算出した制御入力値u1及び/またはu3を補正する。補正量Δu1、Δu3の決定方法は既に述べた通りであるので、ここでは説明を割愛する。
本実施形態によれば、内燃機関2またはそれに付帯する装置を複数の操作部45、42、33を操作して制御するものであって、各操作部45、42、33に与えるべき制御入力u1、u2、u3を反復的に演算するサーボコントローラ51と、何れかの操作部42を前記サーボコントローラ51が算出する制御入力u2によらない所定の操作量uHに固定しその後に当該操作部42の固定を解除する場合に、当該操作部42の操作量をサーボコントローラが算出する制御入力値u2に向けて徐々に変化させ、なおかつ、当該操作部42の徐変期間において、サーボコントローラ51が算出する他の操作部45、33に係る制御入力値u1、u3に制御出力とその目標値との偏差の縮小に必要な補正量Δu1、Δu3を加味して他の操作部45、43の操作量を決定する補正制御部52とを具備することを特徴とする制御装置を構成したため、操作部42の固定解除に伴う制御出力の一時的な変動を有効に回避できる。
並びに、本実施形態によれば、各操作部45、42、33に与えるべき制御入力u1、u2、u3を反復的に演算するサーボコントローラ51と、何れかの操作部42を前記サーボコントローラ51が算出する制御入力u2によらない所定の操作量uHに固定する場合に、当該操作部42の操作量を前記所定の操作量uHに向けて徐々に変化させ、なおかつ、当該操作部42の徐変期間において、サーボコントローラ51が算出する他の操作部45、33に係る制御入力値u1、u3に制御出力とその目標値との偏差の縮小に必要な補正量Δu1、Δu3を加味して他の操作部45、33の操作量を決定する補正制御部52とを具備することを特徴とする制御装置を構成したため、操作部42の固定に伴う制御出力の一時的な変動を有効に回避できる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。上記実施形態では、制御出力たるEGR率の偏差を縮小するためにEGRバルブに係る制御入力値に補正を加えていたが、EGR率の偏差を縮小するためにスロットルバルブに係る制御入力値に補正を加えるようにしてもよい。この場合の補正制御部は、スロットルバルブ開度とEGR率との関係を規定するマップを参照して、スロットルバルブに係る制御入力値に加味するべき補正値を決定する。
また、上記実施形態では、制御出力たる吸気管内圧力の偏差を縮小するためにスロットルバルブに係る制御入力値に補正を加えていたが、吸気管内圧力の偏差を縮小するためにEGRバルブに係る制御入力値に補正を加えるようにしてもよい。この場合の補正制御部は、EGRバルブ開度と吸気管内圧力との関係を規定するマップを参照して、EGRバルブに係る制御入力値に加味するべき補正値を決定する。
さらには、制御出力の偏差を縮小する目的で、EGRバルブ、スロットルバルブ双方の制御入力値を補正するようにしても構わない。偏差Δegr、Δpimを二分して、一方をEGRバルブ開度の補正量に変換し(例えば、図5に示すマップを{egrtarg(n)+egrtarg(n−1)}/2、及びegrtarg(n−1)をキーとして検索する)、残りをスロットルバルブ開度の補正量に変換する(図6に示すマップを{pimtarg(n)+pimtarg(n−1)}/2、及びpimtarg(n−1)をキーとして検索する)という態様もとり得る。
固定される操作部は、ノズルベーンには限られない。例えば、EGRカット条件(高回転かつ高負荷運転を行うときや、標高が高く外気圧が低い場所で一定以上の負荷運転を行うとき等)が成立した暁には、EGRバルブを全閉に固定して排気ガスの還流を禁止するEGRカットを実行する。EGRバルブを全閉に固定する際、またはその固定を解除する際には、やはりEGRバルブ開度の急変及びそれに伴うEGR率等の一時的変動の問題が生起し得る。これに対し、EGRバルブの開度を徐々に変化させるとともに、当該EGRバルブの徐変期間において、サーボコントローラが算出するノズルベーン及び/またはスロットルバルブに係る制御入力値に補正量を加味してノズルベーン及び/またはスロットルバルブの開度を操作する過渡制御を実施することが考えられる。
EGR制御における制御入力変数は、EGRバルブ開度、可変ノズルターボ開度及びスロットルバルブ開度には限定されない。制御出力変数も、EGR率(または、EGR量)及び吸気管内圧力には限定されない。新たな入力変数、出力変数を付加して、4入力3出力の3次システムを構築するようなことも可能である。例えば、吸気系に過給機(のコンプレッサ)をバイパスする通路が存在している場合、その通路上に設けられたバルブをも操作することがある。このとき、当該バイパス通路内の圧力または流量等を制御出力変数に含め、当該バイパス通路上のバルブの開度を制御入力変数に含めることができる。
サーボコントローラが実現する多入力フィードバック制御の手法はスライディングモード制御には限定されず、スライディングモード制御以外の手法、例えば最適制御、H∞制御、バックステッピング制御等を採用しても構わない。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態におけるEGRシステムのハードウェア資源構成図。 同実施形態の制御装置の構成説明図。 適応スライディングモードコントローラのブロック線図。 各制御入力と各制御出力との関係を定めたマップを例示する図。 制御入力たるEGRバルブ開度と制御出力たるEGR率との関係を定めたマップを例示する図。 制御入力たるスロットルバルブ開度と制御出力たる吸気管内圧力との関係を定めたマップを例示する図。 本制御装置による制御の一例を示すタイミング図。 従来の制御装置による制御の一例を示すタイミング図。
符号の説明
5…ECU(制御装置)
51…適応スライディングモードコントローラ(サーボコントローラ)
52…補正制御部

Claims (3)

  1. 内燃機関またはそれに付帯する装置を複数の操作部を操作して制御するものであって、
    各操作部に与えるべき制御入力を反復的に演算するサーボコントローラと、
    何れかの操作部を前記サーボコントローラが算出する制御入力によらない所定の操作量に固定しその後に当該操作部の固定を解除する場合に、当該操作部の操作量をサーボコントローラが算出する制御入力値に向けて徐々に変化させ、なおかつ、当該操作部の徐変期間において、サーボコントローラが算出する他の操作部に係る制御入力値に制御出力とその目標値との偏差の縮小に必要な補正量を加味して他の操作部の操作量を決定する補正制御部と
    を具備することを特徴とする制御装置。
  2. 内燃機関またはそれに付帯する装置を複数の操作部を操作して制御するものであって、
    各操作部に与えるべき制御入力を反復的に演算するサーボコントローラと、
    何れかの操作部を前記サーボコントローラが算出する制御入力によらない所定の操作量に固定する場合に、当該操作部の操作量を前記所定の操作量に向けて徐々に変化させ、なおかつ、当該操作部の徐変期間において、サーボコントローラが算出する他の操作部に係る制御入力値に制御出力とその目標値との偏差の縮小に必要な補正量を加味して他の操作部の操作量を決定する補正制御部と
    を具備することを特徴とする制御装置。
  3. 過給機を備えた内燃機関に付帯する排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置のEGR率若しくはEGR量を制御するものであり、
    制御出力変数に、EGR率若しくはEGR量と、吸気管内圧力とを含み、
    制御入力変数に、スロットルバルブ開度と、EGRバルブ開度と、可変ノズルターボのノズル開度とを含んでおり、
    可変ノズルターボのノズル開度を固定しまたはその固定を解除する場合に当該ノズル開度を徐々に変化させ、その徐変期間においてスロットルバルブ開度またはEGRバルブ開度に係る制御入力値に補正量を加味する請求項1または2記載の制御装置。
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