JP2010143573A - 自動車用ヘッドライトの照明モードの切り替え方法 - Google Patents

自動車用ヘッドライトの照明モードの切り替え方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 視界を妨げる事象が消滅するとすぐに、ヘッドライトのフルビーム位置の照明モードへの自動切り替えが再開される、光ビームを放射するための自動車用ヘッドライトの照明モードの自動切り替え方法を提供する。
【解決手段】 この方法は、ヘッドライトが、第1の照明モードにあるときに、視界を妨げる事象に起因する、ヘッドライトからの光ビームの後方散乱を検出するステップと、検出された後方散乱に応じて、ヘッドライトからの光ビームの照明範囲を、最大公認範囲に比して増加させるステップと、後方散乱が、定められた第1の閾値に達すると、ヘッドライトを、第2の照明モードに切り替えるステップとを含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ビームを放射するための自動車用ヘッドライトの照明モードの自動切り替え方法、およびその自動切り替え方法を遂行することができる自動切り替え装置に関する。
本発明は、自動車の分野に適用しうるものである。
自動車の分野において、光ビームを放射するための自動車用ヘッドライトの照明モードの自動切り替え方法として公知である技術は、自動車のヘッドライトを、次のように自動的に切り替えるようになっている。
− 一方において、自動車が、暗く、かつ前方にいかなる対向車両も先行車両も存在していない周囲環境内に位置しているときに、ロービーム位置(ロービーム状態のヘッドライト)からフルビーム位置(フルビーム状態のヘッドライト)に切り替える(第1の切り替え)。
− 他方において、視界を妨げる霧などの事象が存在しているとき、または視界を妨げる事象の存在の有無に関わらず、自動車が明るい周囲環境内に位置しているとき、または視界を妨げる事象の存在の有無に関わらず、前方に対向車両または先行車両が存在しているときに、フルビーム位置からロービーム位置に切り替える(第2の切り替え)。視界を妨げる事象が存在しているときには、その視界を妨げる事象が検出され、ヘッドライトの照明と視界を妨げる事象との相互作用に起因する、ヘッドライトビームの後方散乱現象に基づいて、切り替えが行われる。後方散乱が非常に大きいときに、切り替えが行われる。
これによって、この後方散乱現象による、自動車の運転者への視界妨害が回避される。したがって、この第2の切り替えによって、後方散乱現象は弱められ、さらには解消される。その結果、運転者の視界はもはや妨げられず、したがって、いかなる道路視界も失われない。さらに、この第2の切り替えの発生と並行して、第1の切り替えが禁止される。視界状態が改善するやいなや、この禁止は解除される。
この従来の技術の1つの欠点は、後方散乱現象が弱く、さらには存在していない状態における、ロービーム位置の照明モードにおいては、フルビーム位置の照明モードにおけるよりも視界を妨げる事象の検出が困難であるということである。さらに、視界を妨げる事象が弱まったとき、または消滅したとき、すなわち、視界状態が改善したとき、そのような既存の方法においては、そのような視界状態の改善は検出されず、したがって第1の切り替えは再開されない。ヘッドライトはロービーム位置にとどまったままであるが、状況によっては、フルビーム位置に戻ることが必要になる場合がある。
本発明は、光ビームを放射するための自動車用ヘッドライトの照明モードの自動切り替え方法であって、視界を妨げる事象が弱まるか、さらには完全に消滅するとすぐに、ヘッドライトの照明モードのフルビーム位置への自動切り替えを再開することを可能にする方法を提供することを目的とするものである。
この目的を達成するために、本発明は、光ビームを放射するための自動車用ヘッドライトの照明モードの、次のステップを含んでいる自動切り替え方法を提供するものである。
− ヘッドライトが、第1の照明モードにあるときに、視界を妨げる事象に起因する、ヘッドライトからの光ビームの後方散乱を検出するステップと、
− 検出された後方散乱に応じて、ヘッドライトからの光ビームの照明範囲を、最大公認範囲に比して増加させるステップと、
− 後方散乱が、定められた第1の閾値に達すると、ヘッドライトを、第2の照明モードに切り替えるステップ。
以下に詳細に示すように、後方散乱を測定することができるように、ヘッドライトの光ビームの照明範囲を、最大公認範囲に比して増加させることによって、視界を妨げる事象への照明が改善される。視界を妨げる事象が弱くなり、さらには消滅すると、ヘッドライトを、フルビーム位置に戻すように切り替えることができる。すなわち、自動切り替え装置は、ロービーム位置からフルビーム位置への切り替えを再作動させることができる。
非限定的な一実施例によれば、この方法は、さらに、次のような特徴を有する。
− 第1の閾値は、後方散乱がこの第1の閾値にあるときに、第2の照明モードにおける視界が、第1の照明モードにおける視界を超過するように決定される。実際、本発明の目的は、運転者の視界を最適化することである。したがって、第2の照明モードに切り替えることによって、運転者の視界を増加させることができなければならず、減少させてはならない。
− 非限定的な第1の実施例において、後方散乱を検出するステップは、視界距離を測定するステップによって遂行される。これによって、後方散乱を、より正確に検出することができる。
− この第1の実施例によれば、測定された視界距離が、第2の視界閾値を超過すると、第1の視界閾値に達するまで、視界距離を測定することができるように、検出された後方散乱に応じて、照明範囲が増加させられる。したがって、視界距離が改善されたか否かをチェックすることができる。視界距離が改善されると、それは、視界を妨げる事象が弱まっており、さらには消滅していることを意味しており、したがって、ヘッドライトをフルビーム位置に戻すように切り替えることができる。したがって、自動切り替え装置は、ロービーム位置からフルビーム位置への切り替えを再作動させることができる。
− 非限定的な第2の実施例において、後方散乱を検出するステップは、自動車の周囲環境の捕捉画像から得られた階調曲線を分析するステップによって遂行される。この分析の実行は簡単であり、したがって、低度の計算能力しか必要としない。
− この第2の実施例の非限定的な第1の変形例においては、階調曲線を分析するステップは、階調曲線内に1つのエリアを決定するステップ、および少なくとも1つの第1の面積閾値と比較して、このエリアから後方散乱を検出するステップを含んでいる。この分析によって、高度の計算能力を必要とすることなく、後方散乱現象を容易に検出することができる。
− この第1の変形例によれば、エリアが、第2の面積閾値に達すると、第1の面積閾値に達するまで、階調曲線内のエリアを測定することができるように、検出された後方散乱に応じて、照明範囲が増加させられる。この一連の調整の繰り返しも、非常に簡単に遂行することができる。
− 第2の実施例の非限定的な第2の変形例において、階調曲線を分析するステップは、階調曲線に対する少なくとも1つの接線を決定するステップ、および少なくとも1つの第1の傾き閾値と比較して、接線の微分係数から、後方散乱を検出するステップを含んでいる。少なくとも1つの接線の微分係数の測定によって、階調曲線の漸進的変化を容易にたどることができる。
− この第2の変形例によれば、微分係数が、第2の傾き閾値に達すると、第1の傾き閾値に達するまで、階調曲線に対する少なくとも1つの接線から、微分係数を測定することができるように、検出された後方散乱に応じて、照明範囲が増加させられる。この一連の調整の繰り返しも、非常に簡単に遂行される。
− この方法は、さらに、後方散乱が、定められた第1の閾値に達すると、第1の照明モードから第2の照明モードへの、ヘッドライトの自動切り替えを容認するさらなるステップを含んでいる。すなわち、自動車の運転者が、後方散乱によって視界を妨げられるかもしれないという危険性が存在しなくなると、そのような切り替えを容認することができる。したがって、視界の低下は、第1の照明モードにおけるよりも、第2の照明モードにおいて小となる。
− ヘッドライトの光ビームの照明範囲の増加は、階段的になされる。このような増加は、簡単に遂行される。
− ヘッドライトの光ビームの照明範囲の増加は、連続的になされる。そのため、光ビームの照明範囲を徐々に増加させることができる。
− ヘッドライトの光ビームの照明範囲は、自動車の前方環境内に位置している障害物に応じて調整される。そのため、当該自動車の前方にやってきた自動車などの障害物の運転者を眩惑しないようにすることができる。
− この方法は、さらに、検出された後方散乱が第3の閾値に達すると、視界を妨げる事象に起因する、ヘッドライトからの光ビームの後方散乱を減少させるために、ヘッドライトを、第1の照明モードに切り替えるさらなるステップを含んでいる。したがって、この第3の閾値は、後方散乱がこの第3の閾値を超過すると、フルビーム位置において、視界を妨げる事象に起因する、ヘッドライトの後方散乱によって、運転者の視界が妨げられる閾値に相当する。
− この方法は、さらに、検出された後方散乱が第3の閾値に達すると、第1の照明モードから第2の照明モードへのヘッドライトの自動切り替えを禁止するさらなるステップを含んでいる。そのため、後方散乱が自動車の運転者の視界を妨げたときに、その運転者を危険にさらすことが避けられる。
− ヘッドライトは、照明範囲が最大公認範囲に比して増加していない第1の照明モードに切り替えられる。そのため、後方散乱が運転者の視界を妨げたときに、ヘッドライトは、フルビーム位置から、規定ロービーム位置に自動的に切り替わることができる。
− ヘッドライトは、照明範囲が最大公認範囲に比して増加している第1の照明モードに切り替えられる。そのため、視界を妨げる事象が存在しているが、後方散乱はあまり大きくない場合を考慮に入れることができる。
− ヘッドライトからの光ビームの照明範囲は、後方散乱が増加するにつれて減じられる。そのため、後方散乱を、視界を妨げる事象の存在量に適応させることができる。
− 照明範囲の増加は、自動車が水平姿勢にあるときのヘッドライトからの光ビームを検出する仰角補正機能を用いることによって行われる。そのため、現在、自動車において一般に用いられている機能を利用することができる。
− 照明範囲の増加は、ヘッドライトからの光ビームの一部を遮る機能を用いることによって行われる。そのため、照明範囲を増加させるときに、高度の柔軟性が与えられる。
本発明は、光ビームを放射するための自動車用ヘッドライトの照明モードの、次のものを有する自動切り替え装置をも提供するものである。
− ヘッドライトが、第1の照明モードにあるときに、視界を妨げる事象に起因する、ヘッドライトからの光ビームの後方散乱を検出し、かつ後方散乱が、定められた第1の閾値に達すると、ヘッドライトを、第2の照明モードに切り替えるための制御ユニットと、
− 検出された後方散乱に応じて、ヘッドライトからの光ビームの照明範囲を、最大公認範囲に比して増加させるユニット。
非限定的な一実施例によれば、自動切り替え装置は、さらに、次の特徴を有する。
− この制御ユニットは、さらに、検出された後方散乱が第3の閾値に達すると、視界を妨げる事象に起因する、ヘッドライトからの光ビームの後方散乱を減少させるために、ヘッドライトを、第1の照明モードに切り替えることができる。
− ヘッドライトからの光ビームの照明範囲を増加させるユニットは、自動車姿勢補正器を備えている。したがって、ほとんどの自動車に既に搭載されている装置を用いることができる。
− ヘッドライトからの光ビームの照明範囲を増加させるユニットは、可動マスクおよび可動マスクを変位させるための電気機械式モータユニットを有する光モジュールを備えている。可動マスクは、ヘッドライトからの光ビームの一部を遮って、ヘッドライトからの光ビームの所望の照明範囲を自由に得るようになっている。
− この自動切り替え装置は、本発明による自動切り替え方法を遂行する。
さらに本発明は、情報処理ユニットによって実行可能な1つ以上の命令列を有するコンピュータプログラム製品であって、この命令列を実行することによって、本発明による自動切り替え方法の上述の特徴のいずれか1つを遂行することができるコンピュータプログラム製品を提供するものである。
本発明による自動切り替え方法の概略的なフローチャートである。 図1の自動切り替え方法の非限定的な第1の実施例の詳細なフローチャートである。 図1の自動切り替え方法の非限定的な第2の実施例の非限定的な第1の変形例の詳細なフローチャートである。 図1の自動切り替え方法の非限定的な第2の実施例の非限定的な第2の変形例の詳細なフローチャートである。 図1の自動切り替え方法の第1のステップの詳細なフローチャートである。 霧が存在していない状態において、図5に示されているステップによって捕捉された、自動車の周囲環境の画像の略図である。 霧が存在している状態において、図5に示されているステップによって捕捉された、自動車の周囲環境の画像の略図である。 図6の画像と、対応する階調曲線とを示す図である。 図7の画像と、対応する階調曲線とを示す図である。 図6の画像に、対応する図8の階調曲線、および階調曲線中のエリアを重ね合わせた図である。 図7の画像に、対応する図9の階調曲線、および階調曲線中のエリアを重ね合わせた図である。 図5に示されているステップによって計算された階調曲線中のエリアの時間経過を示す図である。 図6の画像に、接線を引いた図8の階調曲線を重ね合わせた図である。 図7の画像に、接線を引いた図9の階調曲線を重ね合わせた図である。 図14に示されている階調曲線に対する接線の微分係数から得られた視界距離と、捕捉された実験データによる視界距離との時間経過を示す図である。 図1の自動切り替え方法によって、自動車のヘッドライトを、増加した照明範囲の第1の照明モードに導く非限定的な第1の例を示す図である。 図1の自動切り替え方法によって、自動車のヘッドライトを、増加した照明範囲の第1の照明モードに導く非限定的な第2の例を示す図である。 図1の自動切り替え方法によって、自動車のヘッドライトを、増加した照明範囲の第1の照明モードに導く非限定的な第3の例を示す図である。 図1の自動切り替え方法によって、自動車のヘッドライトを、増加した照明範囲の第1の照明モードに導く非限定的な第4の例を示す図である。 図1の自動切り替え方法を遂行する自動切り替え装置の非限定的な一実施例を示す図である。
添付図面を参照して、本発明の非限定的な実施例の説明を読むことによって、本発明の他の特徴および利点を、よりよく理解しうると思う。
図1は、光ビームを放射するための自動車用ヘッドライトの照明モードの自動切り替え方法の、本発明による非限定的な一実施形態を示す。
用語「自動車」は、エンジンを有する任意の車両を表わすものとする。
図1に示すように、この切り替え方法は、次のステップを含んでいる。
− ヘッドライトが第1の照明モードMOD_Cにあるときに、視界を妨げる事象Fに起因する、ヘッドライトPJの光ビームFXの後方散乱を検出するステップ(ステップDETECT_R(MOD_C))と、
− 検出された後方散乱に応じて、最大公認範囲BMに比して、ヘッドライトPJの光ビームFXの照明範囲Bを増加させるステップ(ステップADJUST_B)と、
− 後方散乱が定められた第1の閾値T1に達すると、ヘッドライトPJを、第2の照明モードMOD_Rに切り替えるステップ(ステップCOM(MOD_R))。
非限定的な一実施例においては、この方法は、さらに、後方散乱が定められた第1の閾値T1に達すると、第1の照明モードから第2の照明モードへのヘッドライトの自動切り替えを許容するさらなるステップ(ステップON_COM1)を含んでいる。
非限定的な別の実施例においては、この方法は、さらに、検出された後方散乱が第3の視界閾値T3に達すると、視界を妨げる事象Fに起因する、ヘッドライトPJの光ビームFXの後方散乱を減少させるために、ヘッドライトを第1の照明モードMOD_Cに切り替える、さらなるステップ(ステップCOM(MOD_C))を含んでいる。
非限定的な一実施例においては、この方法は、さらに、検出された後方散乱が第3の視界閾値T3に達すると、第1の照明モードから第2の照明モードへのヘッドライトの自動切り替えを禁止する、さらなるステップ(ステップOFF_COM1)を含んでいる。
上述の最後の2つのさらなるステップは、必ずしも本明細書において説明する方法に含む必要はなく、本明細書において説明する方法の開始時点または終了時点で実行される別の方法の一部であってもよいことは理解しうると思う。
以後説明する非限定的な実施例においては、この方法は、これらの2つのさらなるステップを含んでいる。
次に、本発明の方法の各ステップを詳細に説明する。
第1のステップ1において、ヘッドライトPJが、第1の照明モードMOD_Cにあるとき、視界を妨げる事象Fに起因する、ヘッドライトPJからの光ビームFXの後方散乱が検出される。
視界を妨げる事象Fは、例えば霧であってもよい。
この方法を、視界を妨げる他の現象、すなわち、一例として大雨、または当該自動車Vの前方を走行している自動車によって引き起こされる水しぶき(ドイツ語でギシュトとして知られている)などの、自動車Vの運転者の視界の悪化を引き起こす、大気の乱れを生み出す任意の現象に適用することができることは明らかである。
非限定的な一例において、第1の照明モードMOD_Cは、ロービーム位置(ロービーム状態のヘッドライト)にあるモードである。
ヘッドライトPJが、第1の照明モードMOD_Cにあるとき、自動車Vは、視界を妨げる事象Fの存在の有無に関わらず、明るい周囲環境にあるか、または視界を妨げる事象Fが存在しており、かつ暗い周囲環境にあるか、または視界を妨げる事象Fの存在の有無に関わらず、前方に対向車両または先行車両が存在している周囲環境にあるということは理解しうると思う。
以下においては、非限定的に、視界を妨げる事象Fとして霧を用いて、本発明を説明する。
第1の実施形態:視界距離の測定
図2に示す非限定的な第1の実施形態において、視界距離Dを測定することによって、後方散乱検出ステップ(ステップDETECT_R(D))が遂行される。
視界距離Dを測定するために、当業者には公知の、ビデオカメラまたはライダーなどの距離センサを使用する方法を用いることができる。
視界距離Dの測定によって、視界を妨げる事象(以下、霧Fと言う)の存在の有無、および存在する場合には、その濃度を特定することができる。霧Fが存在する場合には、霧Fに起因する、光ビームFXの後方散乱が生じる。
非限定的な例においては、霧Fの濃度と視界距離Dとの関係は、次のようになる。
− 低濃度:対応する視界距離Dは、100mを超過している(例えば100〜150m)。
− 中間濃度:対応する視界距離Dは、60〜100mの範囲にある。
− 高濃度:対応する視界距離Dは、60m未満である。
第2の実施形態:階調曲線の分析
図3および図4に示す、非限定的な第2の実施形態においては、自動車の周囲環境の捕捉画像Iから得られた階調曲線を分析することによって、後方散乱検出ステップ(ステップDETECT_R(I))が遂行される。
階調曲線の分析は、次の2つのステップを含んでいる。
− 階調曲線を決定するステップと、
− その階調曲線を分析するステップ。
第1の分析ステップ:階調曲線の決定
非限定的な一実施例において、後方散乱を分析するために階調曲線を決定するステップは、図5に示すように、次のサブステップを含んでいる。
− ビデオカメラCAMによって少なくとも1つの捕捉画像Iを得るサブステップ(サブステップACQ_SQ(I))と、
− 自動車Vの周囲環境の捕捉画像I内に、少なくとも1つの関心点Hを決定するサブステップ(サブステップCALC_H(I))と、
− この捕捉画像I内に、関心領域ROIを決定するサブステップ(サブステップCALC_ROI(I))と、
− この関心領域ROIから階調曲線CLを決定するサブステップ(サブステップCALC_CL(ROI))。
次に、これらのサブステップについて、詳細に説明する。
第1のサブステップ1aにおいて、自動車Vのビデオカメラにより、少なくとも1つの捕捉画像Iが得られる(図5に示されているサブステップACQ_SQ(I))。
実施例においては、ビデオカメラCAMが、自動車Vの前面に配置されているから、捕捉画像Iは、ビデオカメラCAMの視野内の、したがって自動車Vの前方環境に対応している。したがって、自動車Vの前方の視界を妨げる霧Fを検出することができる。
ヘッドライトPJの1つから放射された光ビームFXからの光が、大気中に浮遊している霧F粒子の存在下で拡散される。この光ビームの波長が、ビデオカメラCAMの分光分析に適合しており、また霧Fを構成している粒子が、ビデオカメラCAMの視野内に存在するから、霧F内で拡散した光を含む画像を捕捉することができる。
図6は、霧Fが存在していない夜間に撮られた捕捉画像Iの一例を概略的に示しており、図7は、霧Fが存在している夜間に撮られた捕捉画像Iの一例を概略的に示している。捕捉画像Iの横座標は、この捕捉画像Iの列Cnを表わし、一方、縦座標は、捕捉画像Iの行Lnを表わしている。
これらの捕捉画像Iは、ヘッドライトPJの光ビームFXから暗闇に拡散した光の様子を示している。
白い部分は、光ビームFXから暗闇に拡散された光を表わしており、一方、Nと記入されている、斜線を施された部分は、ビデオカメラCAMの視野内の、光ビームによって明るく照らされていない周囲環境(本明細書においては、自動車Vの前方の)を表わしている。
図6および図7は、次のものを示している。
− 2本の側面路面標識(白線L1およびL2)および中央路面標識(白線L3)によって表わされている、自動車Vが走行している道路と、
− 道路と境界を接している地表P。
図7においては、道路と境界を接している地表Pは、線図的に表わされている霧Fによって覆い隠されているので、破線によって示されている。
第2のサブステップ1bにおいて、少なくとも1つの関心点Hが、自動車Vの周囲環境Eの捕捉画像I中に決定される(図5に示されているサブステップCALC_H(I))。
非限定的な一実施例において、この関心点は、捕捉画像I中の地平線H上に位置している。
非限定的な実施例において、路上の白線L1とL2との交差点によって得られるか、または、それに代えて、自動車姿勢センサから定められる、捕捉画像I中の消失点PFの計算値から、地平線Hを決定することができる。
画像中に地平線Hを決定する方法は、当業者には公知であるから、本明細書においては、詳細な説明は行わない。
地平線Hを、1つ以上の関心点の位置として決定することによって、計算が容易になることは理解しうると思う。
地平線Hは、図6と図7との両方に示されている。
図7においては、地平線Hは、霧Fによって覆い隠されているので、破線で示されている。
第3のサブステップ1cにおいて、関心領域ROIが、画像I中に決定される(図5に示されているサブステップCALC_ROI(I))。
非限定的な実施例において、関心領域ROIを、次のように決定することができる。
− 画像I内の基準点PRを通過する垂直直線を引き、次いで、
− その垂直直線の両側に位置しており、かつ図6および図7に示されている破線によって境界を定められている領域として、基準点PRの近傍に決定される。
非限定的な一実施例においては、基準点PRは、図6および図7に示されている消失点PFである。
この実施例の一変形例においては、消失点PFは、捕捉画像Iの中央に位置している。例えば640×480ピクセル構成の捕捉画像Iの例においては、消失点PFの横座標PFxは320番目のピクセルであり、また縦座標PFyは地平線H上にある。このとき、ビデオカメラCAMの光軸は、自動車Vの走行方向に平行であると仮定されている。
この第2の実施形態による関心領域ROIを、非限定的な一実施例において、次のように決定することができる。
− 第1の決定ステップにおいて、捕捉画像I内の不均質な全てのゾーンを除去して、同一の平均階調を得るように、捕捉画像Iの輪郭を決定する。非限定的な例において、ソーベル、プレヴィット、ロバーツ、ゼロクロス、キャニー法などの輪郭検出方法を用いることができる。
− 第2の決定ステップにおいて、関心領域ROIは、当業者には周知の技法である、地平線Hから捕捉画像Iの頂および底に向かって領域を増加させるアルゴリズムを用いて決定される。地平線Hを決定するための非限定的な例において、路面上の白線L1とL2との交差点として与えられる、または、それに代えて、自動車姿勢センサを用いて計算される、捕捉画像I内の消失点PFに基づいて、この地平線を決定することができることは理解されるであろう。捕捉画像中に地平線Hを決定する方法は、当業者には公知であり、したがって、本明細書においては、より詳細な説明は行わない。
これによって、次のものが排除された、均質な関心領域ROIが得られる。
− ノイズ、および
− 自動車、または図6および図7に示されている白線L3のような路上白線などの不均質物体。
非限定的な一実施例において、曲がりくねった道路の場合においてさえ、均質な関心領域ROIを得るために、関心領域ROIが、自動車Vのハンドル角度αの関数としても、画像I中に決定される。
非限定的な第1の変形例において、関心領域ROIは、次のように配置される。
− ハンドル角度αが0であるときには、関心領域ROIは、捕捉画像I内の基準点PRに中心を有するように配置され(前述のように)、また、
− ハンドル角度αが0でないときには、関心領域ROIは、画像I内の基準点PRに対して横方向に中心をずらされる。非限定的な一例において、関心領域ROIは、ハンドル角度αの3倍だけ、中心をずらされる。
このようにして、ハンドル角度αが正であるとき、関心領域ROIは、画像Iの右側に中心をずらされる。一方、ハンドル角度αが負であるとき、関心領域ROIは、画像の左側に中心をずらされる。例えばハンドル角度αが10°であるとき、関心領域ROIは、基準点PRから右側に30ピクセルだけ中心をずらされ、したがって、(320+30)番目のピクセルの位置に設定される新しい基準点に中心を有する。
非限定的な第2の変形例においては、関心領域ROIは、次のように配置される。
− ハンドル角度αが、絶対値において15°以下であるとき、関心領域ROIは、捕捉画像I内の基準点PRに中心を有するように配置され(前述のように)、また、
− ハンドル角度αが、絶対値において15°を超過しているとき、関心領域ROIは、捕捉画像I内の基準点PRから横方向に中心をずらされる。非限定的な一例において、関心領域ROIは、ハンドル角度αの3倍だけ、中心をずらされる。この閾値15°は、曲がりくねった道路の一特性である。ハンドル角度αが、絶対値において15°未満であるときには、自動車Vの運転者は、真っ直ぐには運転してしないが、道路は、ほぼ真っ直ぐである。
したがって、ハンドル角度αが、+15°を超過しているとき、関心領域ROIは、捕捉画像Iの右側に中心をずらされる(道路は右側にカーブしている)。一方、ハンドル角度αが、−15°を絶対値において超過しているとき、関心領域ROIは、捕捉画像Iの左側に中心をずらされる(道路は左側にカーブしている)。
例えばハンドル角度αが−18°であるとき、関心領域ROIは、基準点PRから左側に54ピクセルだけ中心をずらされ、したがって、(320−54)番目のピクセルの位置に設定される新しい基準点に中心を有する。
したがって、捕捉画像Iの関心領域ROIの位置(より詳細には、上述のように、横軸に関する位置)を、ハンドル角度αに関連付けて決定することによって、進行方向を考慮に入れることができ、したがって、曲がりくねっている道路上の、自動車の前方に位置している土手、立ち木などの障害物を避けることができる。したがって、関心領域ROIは、より均質になる。
必要に応じ、第2のサブステップと第3のサブステップとを、並行して遂行することができることは理解しうると思う。
第4のサブステップ1dにおいて、関心領域ROIから、階調曲線CLが決定される(図5に示されているサブステップCALC_CL(ROI))。
重要なことは、霧Fの存在が、階調曲線の形状に影響を与えるために、階調曲線を分析することによって、霧Fの存在の有無を特定することができるということである。
非限定的な一実施例において、この階調曲線CLは、次のように決定される。捕捉画像Iの各行Lnにおいて、関心領域ROI内のピクセルのみが考察の対象とされ、そのような各行のピクセルPxの集合としての特性が、各行における値GRを得るために利用される。この値GRは、例えばビデオ画像の場合には階調値である(次に説明する)。
非限定的な一実施例において、この集合としての特性は、問題にしている行LnのピクセルPxの階調の中央値である。中央値を用いることの利点は、捕捉画像Iのノイズ問題を回避しながら、階調の平均値を見積ることができることである。
霧Fが存在していないときの、第1の例の階調曲線CL1が、図8に示されており、霧Fが存在しているときの、第2の例の階調曲線CL2が、図9に示されている。
図示のように、階調曲線CL1およびCL2において、横座標は、捕捉画像Iの行Lnの番号を示しており、縦座標は、その行に備わっている階調の値GRを示している。
地平線Hが、2つの階調曲線CL1とCL2とのどちらにおいても、ほぼ横座標220の位置に引かれている。
ビデオカメラCAMの積分時間がわかっている場合には常に、非限定的な一実施例において、階調曲線CL1やCL2を、輝度曲線、視感度曲線のいずれにもすることができることは理解しうると思う。
ビデオカメラCAMの積分時間は、カメラのセンサの露光時間である。
第2の分析ステップ:階調曲線の分析
以下に示すように、非限定的な2つの分析モードにしたがって、次のものによる、階調曲線の分析がなされる。
− 階調曲線中のエリアA、
− 階調曲線に対する接線の微分係数CF。
このエリアAまたは微分係数から、霧Fが存在するか否か、また存在する場合にはその濃度、したがって、ヘッドライトPJの後方散乱が存在するか否かを推定することができる。
第1の分析モード:エリアAによる分析
したがって、非限定的なこの第1の分析モードにおいて、階調曲線は以下のように分析される。
第5のサブステップ1eにおいて、決定された関心点Hに関連付けて、階調曲線CL中にエリアAが決定される(図5に示されているサブステップCALC_A(CL,H))。
以下に示すように、この階調曲線中のエリアAを分析することによって、霧Fが存在するか否かを決定することができる。
非限定的な一実施例において、このエリアAは、地平線Hに関連付けて決定される。上述のように、地平線H上に、関心点が位置している。
非限定的な第1の変形実施例において、このエリアAは、捕捉画像Iの頂から地平線Hに至る領域に対応するエリアである。したがって、エリアAは、地平線Hよりも上に位置している領域に対応するエリアである。
この変形実施例の利点は、霧が存在していない場合の階調曲線CL1を、道路の状況(路面のタイプ、路上の湿度)などのパラメータに無関係な基準の階調曲線として得ることができるということである。したがって、このようにして得られた、霧が存在していない場合の基準の階調曲線CL1のエリアA1は、ほぼ一定であり、したがって、得られた階調曲線CL1は安定である(画像の頂は黒い)。
以下に示すように、霧Fが存在している場合の階調曲線CL2のエリアA2は、基準の階調曲線CL1のエリアA1と異なるから、霧Fの存在を検証するために、安定な基準の階調曲線CL1と比較することによって、階調曲線CL2を容易に分析することができる。
この変形実施例のさらなる利点は、霧Fが存在していない場合には、ヘッドライトの照明による光の拡散が、地平線Hより上には存在しないが、霧Fが存在している場合には、ヘッドライトの光ビームFXの、霧Fの粒子による反射によって生じる光拡散が存在するということである。階調曲線の分析によって、この光の拡散は強調される。
非限定的な第2の変形実施例において、このエリアAは、捕捉画像Iの底から地平線Hまでの領域に対応するエリアであってもよいことは理解しうると思う。
図10および図11に示すように、霧Fが存在していないときと、霧Fが存在しているときとのそれぞれの捕捉画像Iに対応する、階調曲線CL1およびCL2が、それぞれの捕捉画像Iに重ね合わされる(それらの階調曲線は、上述の図8および図9の階調曲線例に比して、90°だけ回転している)。
第1の階調曲線CL1の第1のエリアA1、および第2の階調曲線CL2の第2のエリアA2が、第1の変形実施例にしたがって、図10および図11に、それぞれ示されている(捕捉画像の上部に、水平ハッチングにより)。
第6のサブステップ1fにおいて、霧Fの存在の有無と、その濃度とが特定される(図5に示されているサブステップCALC_F(VAs))。
第1の実施例において、霧Fの存在の有無と、その濃度とが、エリアAの少なくとも1つの閾値VAsに関連付けて特定される。
より詳細には、霧Fの存在の有無と、その濃度とは、次のことを判定しうるいくつかの閾値VAsとに関連付けて特定される。
− 自動車は、霧Fに覆われたゾーンに接近しているか、それから遠ざかっている。
− 自動車は、霧Fに覆われたゾーン内に位置している。
− 霧Fの濃度は低い。
− 霧Fの濃度は中間である。
− 霧Fの濃度は高い。
霧Fの濃度は、視界距離DVMに関連していることは理解しうると思う。
霧Fの濃度と視界距離DVMとの関係は、次のようになる。
− 低濃度:対応する視界距離DVMは、100mを超過する(例えば100〜150m)。
− 中間濃度:対応する視界距離DVMは、60〜100mである。
− 高濃度:対応する視界距離DVMは、60m未満である。
図12は、ある期間にわたる、すなわち、捕捉画像Iの1シーケンスSQにおける階調曲線中に決定されるエリアAの変化の非限定的な一例を示している。
横座標に、時刻tが秒単位で示されており、縦座標に、エリアAの大きさが、ピクセル数で示されている。
時刻t0=0において、エリアAの値は、霧が存在していない場合の値に相当している。非限定的な一例において、値VA1は、図10で前述した、霧Fが存在していないときの基準の階調曲線CL1におけるエリアA1に対応する1777ピクセル数に等しい。
捕捉画像が得られるにつれて、エリアAの値は、自動車の周辺の大気および自動車の前方の大気の変化に応じて、したがって、自動車が現在位置しているか、または入る場所の霧Fの存在の有無に応じて変化する。
時刻t0〜t1では、エリアAの値が増加していき、第1の閾値VAs1を超過したことが示されている。したがって、時刻t1において、自動車は、霧Fの存在するゾーンに入ろうとしていると推定される。
すなわち、自動車Vは、まだ、霧Fの存在するゾーンに達していないが、そこに接近していることが検出されている。
このように、エリアAの漸進的な変化によって、自動車が霧に覆われているゾーンに接近しており、そこに入ろうとしていることを検出することができる。したがって、前面のビデオカメラによって、霧Fが検出されることを事前に予測することができる。
非限定的な一例においては、第1の閾値VAs1は3000ピクセルである。この第1の閾値を超過すると、信号にノイズが混入していると推測される。
時刻t2〜t3においては、エリアAの値は、霧Fの1つの特性である第2の閾値VAs2を超過している。
したがって、自動車Vは、霧Fに覆われているゾーン内にある。
非限定的な一例においては、この第2の閾値VAs2は、約7000ピクセルであり、中間濃度の霧に相当する。
例えば8057ピクセルに等しい値VA2は、図11に前出された、霧Fが存在しているときの階調曲線CL2のエリアA2に対応しており、したがって、第2の閾値VAs2より大きい。
時刻t3を過ぎると、エリアAの値は、第2の閾値VAs2未満に戻り、次いで、徐々に減少していく。これによって、自動車は、霧Fに覆われているゾーンから離れつつあると推測することができる。
自動車Vが位置している場所の霧Fが高濃度であることを検証するために、第3の閾値VAs3が用いられる。非限定的な一実施例において、この第3の閾値VAs3は、9000ピクセルより大きい。
第2の実施例において、霧Fの存在の有無と、その濃度とが、視界距離DVMに関連付けて特定される(図5に示されているサブステップCALC_DVM(A))。視界距離DVMは、上述のエリアAに関連付けて決定される。
非限定的な一実施例において、用いるエリアAが、捕捉画像Iの頂から地平線Hまでの領域に対応するエリアである場合には、視界距離DVMと、問題にしているエリアAとの間の関係は、次の式で表わされる。
DVM = 275 − Aラ15/600 (1)
式(1)は、既に説明したように、アスファルトのタイプ、道路の質、または道路の任意の他の特性に依存しないことは理解しうると思う。
式(1)で、異なる係数を用いてもよいことは明白である。
このようにして計算された視界距離DVMから、霧Fの存在の有無と、その濃度とを推定することができる。
このように、非限定的な一例において、視界距離が150m未満であるときに、霧Fが存在していると推定することができる。
さらに、濃度に関しては、視界距離が60m未満であるときには、霧Fの濃度が高いと推定することができ、一方、視界距離が60m以上であるときには、霧Fの濃度は、中間(60〜100mのとき)であるか、または低い(100〜150mのとき)かのいずれかであると推定することができる。
したがって、視界距離DVMを計算することによって、自動車Vの運転者は、安全に運転するために、したがって、さらに、最適な車間距離を確保するために、超過するべきではない最高速度Vmaxに関する情報を得ることができる。非限定的な一例において、90km/hの速度では、停止距離は約80mであることがわかっている。
上述の第1および第2の実施例(閾値VAsの使用、および視界距離DVMの計算)を、平行して、または順次に行うように組み合わせることができることは明らかである。
階調曲線のエリアAを用いる第1の分析モードに関する上述の説明に次いで、階調曲線の接線の微分係数CFを用いる第2の分析モードについて、次に説明する。
第2の分析モード:微分係数CFによる分析
非限定的なこの第2の分析モードにおいて、階調曲線は、図5、図13〜15に示すように、次のように分析される。
第5のサブステップ1eにおいて、階調曲線CL中の関心点PTから、少なくとも1つの接線TGを計算する(図5に示されているサブステップCALC_TG(CL,PR))。
非限定的な一実施例において、関心点PTは、霧Fが存在する場合には、自動車VのヘッドライトPJから放射された光ビームFXが途切れた位置の上方で光の拡散が生じるということを特性付ける点である。
実際、霧Fが存在しているときの階調曲線CL2は、霧Fが存在していないときの基準の階調曲線CL1に比べて、この関心点PTから著しく変化する。
これは、霧Fが存在しているときの光の拡散は、実際には、ヘッドライトPJから放射された光ビームFXの、霧Fの粒子からの反射によるものであるから、霧Fが存在していないときには、ヘッドライトPJから放射された光ビームFXが途切れた位置の上方において光は拡散しないという事実に基づく。光ビームFXが途切れる位置は、地平線の下方、約1%のオーダーの位置である。
この第2の分析モードの一変形実施例において、関心点PTは、捕捉画像Iの地平線Hの上方に見出される。それによって、関心点PTを、道路特性(濡れた地面、ぬれた道路など)および道路環境(立ち木、土手)と、概ね無関係にすることができる。実際、地平線Hの上方の捕捉画像Iは、その頂に近づくほど、道路の周囲環境とより無関係になる。
この変形実施例の非限定的な一例において、関心点PTは、階調曲線の開始点である。実際、階調曲線CLの開始点は、図14に示すように、地平線Hの上方に見出される。
この例の利点は、前述のように、霧Fが存在していない場合には、地平線Hの上方に、ヘッドライトの照明による光の拡散が生じないということである。
階調曲線、具体的には、関心点における接線の微分係数を分析することによって、この光の拡散を強調することができる。
第6のサブステップ1fにおいて、関心点における接線TGから、傾きとも呼ばれる微分係数CFが決定される(図5に示すサブステップCALC_CF(TG))。
以下に詳細に示すように、微分係数CFは、自動車Vの周囲の大気環境の変化を表す一特性である。さらに、この微分係数CFから、視界距離DVMを計算することができる。
したがって、以下に示すように、微分係数CFから、その閾値を用いて直接に、または視界距離DVMを介して、霧Fの存在を検知し、その濃度を推定することができる。
第7のサブステップ1gにおいて、霧Fの存在の有無、およびその濃度が特定される。
第1の実施例において、微分係数CFのいくつかの閾値VSにしたがって、霧Fの存在の有無、およびその濃度が特定される(図5に示すサブステップCALC_F(VS))。
以下において、霧Fの存在の有無、およびその濃度を、微分係数CFの分析によって特定できることが示される。
より具体的には、霧の存在の有無は、閾値VSによって決定される。この閾値VSは、非限定的な一例において、ロービーム位置のヘッドライトで、例えば0.15である。
実際、霧Fが存在している場合(図9)の階調曲線CL2の接線TG2の微分係数CFは、霧Fが存在していない場合(図8)の階調曲線CL1の接線TG1の微分係数CFに比して相当に大きいことが理解される。
したがって、霧Fの存在の有無に関しては、微分係数CFが、第1の閾値VS1以上であるときには、霧Fが存在していると推定される。非限定的な一実施例において、この第1の閾値VS1は0.15である。
第1の閾値VS1未満では、霧Fは、捕捉画像I内に感知されない。
さらに、霧が存在している場合には、霧Fの濃度が高くなればなるほど、微分係数CFが、より大きくなることは理解しうると思う。
したがって、微分係数CFによって、霧Fの濃度を特定することもできる。
この特定を行うために、さらに、中間濃度および高濃度の霧Fに、それぞれ対応する2つの閾値VS2およびVS3が用いられる。非限定的な一実施例において、これらの閾値は、次のようになる。
− 第1の閾値VS1=0.15(この第1の閾値VS1と第2の閾値VS2との間の範囲では、霧の濃度は若干高いと推定される)。
− 第2の閾値VS2=0.46(この第2の閾値VS2と第3の閾値VS3との間の範囲では、霧の濃度は中間程度に高いと推定される)。
− 第3の閾値VS3=0.77(この第3の閾値VS3を超過すると、霧の濃度は非常に高いと推定される)。
霧Fの濃度が、視界距離DVMに関連していることは理解しうると思う。
霧Fの濃度と視界距離DVMとは、例えば次のように関連している。
− 低濃度:対応する視界距離DVMは、100mを超過する(例えば100〜150m)。
− 中間濃度:対応する視界距離DVMは、60〜100mの範囲にある。
− 高濃度:対応する視界距離DVMは、60m未満である。
第2の実施例において、視界距離DVMにしたがって、霧Fの存在の有無、およびその濃度が特定される(図5に示されているサブステップCALC_DVM(CF))。視界距離DVMは、微分係数CFから特定される。
非限定的な一実施例においては、視界距離DVMと微分係数CFとの間の関係は、次のようになる。
DVM = 61.5 − 75×CF (2)
この場合にも、式(2)は、上述の場合と同様に、アスファルトのタイプ、道路の質、または任意の他の道路特性に無関係であることが理解しうると思う。
さらに、式(2)は、地平線Hと無関係であるから、自動車Vの縦揺れ(制動または加速による縦揺れ)とも無関係である。
実際、そのような縦揺れが存在しても、決定された関心点PTは、縦揺れのなかった前回の捕捉画像内の関心点PTに比して、捕捉画像I内で、単に縦方向に並進移動しているだけである(自動車がブレーキをかけたときには上方に、加速したときには下方に)。
したがって、視界距離DVMの計算において、この縦揺れを考慮に入れる必要はない。
式(2)において、別の係数を用いてもよいことは明らかである。
図15は、時刻t(横座標、単位:秒)の経過に伴う、視界距離DVM(縦座標、単位:メートル)の変化の非限定的な一例を示している。
第1の曲線DVM_Rは、現実のテスト中に、時刻の経過とともに検出された視界距離の実験データを用いた曲線である。
第2の曲線DVM_Cは、式(2)によって計算された、時刻の経過に伴う視界距離DVMの変化を示す曲線である。
第2の曲線DVM_Cと、第1の曲線DVM_Rとの一致性が非常に高いことが明白である。したがって、式(2)による、微分係数CFからの視界距離の計算は、現実の視界距離に匹敵する、低い値の視界距離DVMを与えることができる、信頼性の高い指針である。
さらに、図示の例においては、視界距離DVMは、時刻の経過につれて減少していく。したがって、時刻t0=0において、自動車は、若干高い濃度の霧に覆われたゾーンに入っていき(微分係数CF=0.15、視界距離DVM=50.25m)、また概ね時刻t1=0.6秒に至って、霧Fは中間程度に高い濃度になる(微分係数CF=0.46、視界距離DVM=27m)。
したがって、このように計算された視界距離DVMにしたがって、霧Fの存在の有無と、その濃度との両方を推定することができる。
したがって、非限定的な一例において、視界距離が150m未満であるときには、霧Fが存在していると推定することができる。
さらに、濃度に関しては、視界距離が60m未満であるときには、霧Fが高濃度であると推定することができ、一方、視界距離が60m以上であるときには、霧Fが中間濃度(60〜100mのとき)から、低濃度(100〜150mのとき)であると推定することができる。
さらに、視界距離DVMを計算することによって、自動車Vの運転者に、安全のために超過するべきではない、したがって最適安全距離を保証する最大速度Vmaxに関する情報を供給することができる。非限定的な一例において、90km/hrの速度における停止距離は約80mであることが知られている。
さらに、霧Fの検出およびその濃度の計算を精緻化するために、上述の2つの実施例(閾値VSを用いる第1の実施例、および視界距離DVMを計算する第2の実施例)を平行して行うように、または順次に行うように組み合わせることもできることは明らかである。
霧に起因する後方散乱を検出するために、他の実施例を遂行してもよいことは明らかである。
第2のステップ2において、検出された後方散乱に応じて、光ビームFXの照明範囲Bが、最大公認範囲BMに比して増加させられる。
この最大公認範囲BMは、ヘッドライトの欧州照明規定(1997年6月11日の97/28/EC委員会指令)に定められている、ロービーム位置のヘッドライトに対して公認されている法定照明範囲に相当していることは理解しうると思う。
この照明範囲の増加を、非限定的な次の3つの実施例にしたがって、すなわち、前述の第1のステップにおいて説明した後方散乱検出に関する第1の分析モード、および第2の分析モードの2つの実施例にしたがって、以下に、より詳細に説明する。
− 第1の実施例:視界距離の測定、
− 第2の実施例:エリアによる階調曲線の分析、および
− 第3の実施例:微分係数による階調曲線の分析。
第1の実施例
この第1の実施例によれば、視界距離Dが第2の視界閾値S2を超過すると、視界距離Dを第1の視界閾値S1に達するまで測定することができるように、光ビームFXの照明範囲Bが、ヘッドライトPJの最大公認範囲BMに比して増加させられる。
後方散乱が減少すると、視界距離Dが増加することは理解しうると思う。
第2の視界閾値S2は、視界距離Dが、この第2の視界閾値S2に達したときに、照明範囲Bを増加させることによって、視界距離Dが第1の視界閾値S1に達するまで測定しうることを、十分に保証しうるように定められる。
この第1の視界閾値S1は、ヘッドライトPJの照明モードの変更に対応する閾値である。
以下に示すように、視界距離Dが第2の視界閾値S2未満のときには、照明範囲は、後述の規定ロービーム位置に対応する照明範囲にある。視界距離Dが、第2の視界閾値S2を超過すると、運転者の視界を妨げる可能性がある後方散乱の影響を最小にするように、かつ同時に視界距離の測定を可能にするように、照明範囲を調整しなければならない。
実際には、視界距離Dが、この第2の視界閾値S2を超過するとすぐに、ヘッドライトPJの照明範囲Bの増加が行われ、視界距離Dが第1の視界閾値S1未満である限り、照明範囲が増加した状態が継続する。以下に示すように、この第1の視界閾値S1は、増加した照明範囲のロービーム位置を、フルビーム位置に自動的に切り替えるための閾値である。
非限定的な一例においては、この第1の視界閾値S1は、70mである。第2の視界閾値S2は、40mである。
非限定的な別の一例において、第1の視界閾値S1は、100mである。第2の視界閾値S2は、50mである。
非限定的な第1の変形実施例において、照明範囲Bは、階段的に増加させられる(図2におけるサブステップADJUST_B(P1))。
この場合には、照明範囲Bは、図16の例に示すように、次のようになる。
− 時刻t2〜t5において、ヘッドライトは、増加していない照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C1、すなわち最大公認範囲BMのロービーム位置の照明モードにある。以下の説明において、この増加していない照明範囲のロービーム位置を、規定ロービーム位置とも呼ぶこともある。
− 時刻t5において、視界距離Dが第2の視界閾値S2を超過すると、照明範囲Bは、第1のレベルP1だけ増加させられる。非限定的な一例において、第2の視界閾値S2は、50mである。
この第1のレベルP1は、視界距離を、第1の視界閾値S1まで測定することができるように定められる。ヘッドライトPJは、依然としてロービーム位置の照明モードにあるが、増加した照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C2になる。
より多数のレベルを用い得ることが明らかなことは理解しうると思う。これらのレベルは、視界距離のより多数の測定を可能にする。最後のレベルにおいて、第1の視界閾値S1までの測定が可能になる。
非限定的な第2の変形実施例において、ヘッドライトPJの光ビームFXの照明範囲Bは、連続的に、かつ非限定的な一例において、測定された視界距離Dに応じて、増加させられる(図2におけるサブステップADJUST_B(D))。
この場合には、照明範囲Bは、図17の例に示すように、次のようになる。
− 時刻t2〜t5において、ヘッドライトは、増加していない照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C1すなわち最大公認範囲BMのロービーム位置の照明モードにある。
− 時刻t5において、視界距離Dが第2の視界閾値S2を超過すると、視界距離Dの増加とともに、照明範囲Bは、視界距離Dが第1の視界閾値S1に達したときに、ヘッドライトが増加した照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C2に達するように、線形に増加させられる。
非限定的な一例において、第2の視界閾値S2は、50mである。
したがって、視界距離Dが、第2の視界閾値S2を超過しており、かつ第1の視界閾値S1未満である限り、照明範囲Bは、徐々に増加する。時刻t6においては、ヘッドライトPJは、依然としてロービーム位置の照明モードであるが、増加した照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C2になる。
これは、運転者に対する視界妨害を、より少なくし、かつ運転者の眼に対して、より優しいという利点を有する(運転者が、規定ロービーム位置の照明モード、増加した照明範囲のロービーム位置の照明モード、およびフルビーム位置の照明モード間で振動する光ビームを観測するというレベルのオール・オア・ナッシングの解決方法に比して)。
同じことが、時刻t7までの図18の例にも当てはまる。
したがって、図2のフローチャートに示すように、第2のステップ2は、次のサブステップを含んでいる。
− 2a)視界距離Dと第2の視界閾値S2(2ai、2aiiのとき)、第1の視界閾値S1(2aiii、2aiiのとき)とを比較するサブステップ(サブステップCOMP_D)と、
− 2b)次のように、照明範囲Bを増加させるサブステップ。
・ 2bi)第1の変形実施例において、階段的に増加させる(サブステップADJUST_B(P1))、
・ 2bii)第2の変形実施例において、測定された視界距離Dに応じて、徐々に増加させる(サブステップADJUST_B(D))。
第2の実施例
次に、この第2の実施例によれば、階調曲線中のエリアAが第2の面積閾値SA2に達すると、エリアAを第1の面積閾値SA1に達するまで測定することができるように、光ビームFXの照明範囲Bが、ヘッドライトPJの最大公認範囲BMに比して、増加させられる。
後方散乱が減少すると、エリアAが減少することは理解しうると思う。
第2の面積閾値SA2は、エリアAが、この第2の面積閾値SA2に達すると、照明範囲Bを増加させることによって、エリアAが第1の面積閾値SA1に達するまで測定されることを十分に保証するように定められる。
この第1の面積閾値SA1は、ヘッドライトPJの照明モードの変更に対応する閾値である。
エリアAが、第2の面積閾値SA2を超過しているときには、照明範囲Bは、規定ロービーム位置の照明範囲に一致している。エリアAが第2の面積閾値SA2に達するとすぐに、図19に示すように、運転者の視界を妨げる可能性がある後方散乱の影響を最小にするように、かつ同時にエリアAの測定を可能にするように、照明範囲を調整しなければならない。非限定的な一例において、初期状態で、霧Fが弱まっているために、エリアAは減少しているものとする。
実際には、時刻t5において、エリアAが、この第2の面積閾値SA2に達するとすぐに、図19に示すように、ヘッドライトPJの照明範囲Bの増加が行われる。照明範囲の増加の前に測定されたエリアAが、第2の面積閾値SA2に達すると、エリアAを、第1の面積閾値SA1に達するまで測定することができるように、照明範囲が、測定されたエリアAに応じて増加させられる。この第1の面積閾値SA1は、ヘッドライトを、増加した照明範囲のロービーム位置から、フルビーム位置に自動的に切り替えるための閾値である。
さらに、図19に示すように、増加していない照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C1から、増加した照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C2への移行によって、ただちに面積値が増加することは理解しうると思う。図19は、各時刻における階調曲線のエリアAの変化を示している。
非限定的な一例においては、この第2の面積閾値SA2は3000であり、第1の面積閾値SA1は4000であり、後述の第3の面積閾値SA3は6000である。
非限定的な第1の変形実施例において、照明範囲Bは、階段的に増加させられる(図3におけるサブステップADJUST_B(P1))。
非限定的な第2の変形実施例において、ヘッドライトPJの光ビームFXの照明範囲Bは、連続的に、かつ非限定的な一例において測定されたエリアAに応じて、増加させられる(図3におけるサブステップADJUST_B(A))。
したがって、図3のフローチャートに示すように、第2のステップ2は、次のサブステップを含んでいる。
− 2a)エリアAと、第2の面積閾値SA2(2ai、2aiiのとき)、第1の面積閾値SA1(2aiii、2aiiのとき)とを比較するサブステップ(サブステップCOMP_A)と、
− 2b)次のように、照明範囲Bを増加させるサブステップ。
・ 2bi)第1の変形実施例において、階段的に増加させる(サブステップADJUST_B(P1))、
・ 2bii)第2の変形実施例において、測定されたエリアAに応じて、徐々に増加させる(サブステップADJUST_B(A))。
第3の実施例
この第3の実施例によれば、階調曲線の少なくとも1つの接線の微分係数CFが第2の傾き閾値SC2に達すると、それらの微分係数CFを第1の傾き閾値SC1に達するまで測定することができるように、光ビームFXの照明範囲Bが、ヘッドライトPJの最大公認範囲BMに比して増加させられる。
後方散乱が減少すると、微分係数が小さくなることは理解しうると思う。
第2の傾き閾値SC2は、階調曲線の少なくとも1つの接線の微分係数CFが、この第2の傾き閾値SC2に達すると、照明範囲Bを増加させることによって、微分係数CFが第1の傾き閾値SC1に達するまで測定されることを十分に保証するように定められる。
この第1の傾き閾値SC1は、ヘッドライトPJの照明モードの変更に対応する閾値である。
微分係数CFが、第2の傾き閾値SC2を超過しているときには、照明範囲Bは、規定ロービーム位置の照明範囲と一致している。微分係数CFが、この第2の傾き閾値SC2に達するとすぐに、運転者の視界を妨げる可能性がある後方散乱の影響を最小にするように、かつ同時に微分係数CFの測定を可能にするように、照明範囲を調整しなければならない。上述の第2の実施例の図19を、この第3の実施例に置き換えることができる。
実際には、微分係数CFが、この第2の傾き閾値SC2に達するとすぐに、ヘッドライトPJの照明範囲Bの増加が行われる。照明範囲の増加の前に測定された微分係数が、第2の傾き閾値SC2に達すると、微分係数を第1の傾き閾値SC1まで測定することができるように、照明範囲が、測定された微分係数に応じて増加させられる。この第1の傾き閾値SC1は、ヘッドライトを、増加した照明範囲のロービーム位置から、フルビーム位置へと自動的に切り替えるための閾値である。
非限定的な一例において、この第2の傾き閾値SC2は0.3であり、第1の傾き閾値SC1は0.5であり、また後述の第3の傾き閾値SC3は0.95である。
非限定的な第1の変形実施例において、照明範囲Bは、階段的に増加させられる(図4におけるサブステップADJUST_B(P1))。
非限定的な第2の変形実施例において、ヘッドライトPJの光ビームFXの照明範囲Bは、連続的に、かつ非限定的な一例において測定された微分係数CFに応じて、増加させられる(図4におけるサブステップADJUST_B(CF))。
したがって、図4のフローチャートに示すように、第2のステップ2は、次のサブステップを含んでいる。
− 2a)微分係数CFと、第2の傾き閾値SC2(2ai、2aiiのとき)、第1の傾き閾値SC1(2aiii、2aiiのとき)とを比較するサブステップ(サブステップCOMP_CF)と、
− 2b)次のように、照明範囲Bを増加させるサブステップ。
・ 2bi)第1の変形実施例において、階段的に増加させる(サブステップADJUST_B(P1))、
・ 2bii)第2の変形実施例において、測定された微分係数CFに応じて、徐々に増加させる(サブステップADJUST_B(CF))。
さらに、上述の第1〜第3の実施例に適用可能な、非限定的な一実施例において、ヘッドライトPJの光ビームFXの照明範囲Bは、当該自動車Vの前方環境内に位置している障害物Oに応じて調整されることは理解しうると思う。
これによって、当該自動車Vの前方にやってくる自動車(対向車両)や、前方を走行している自動車(先行車両)の運転者に対する眩惑を防止することができる。
したがって、ヘッドライトPJが、増加した照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C2にあるときであって、かつ対向車両などの障害物が存在しているときには、光ビームFXの照明範囲Bは、徐々に減じられるか、または増加していない照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C1に戻される。
非限定的な一変形例において、ヘッドライトの光ビームFXの照明範囲Bを増加させるとき、照明範囲Bは、光ビームFXの途切れる位置が、当該自動車の前方に位置している障害物の特定の軸の下方に位置するように調整される。実際には、この軸は、当該自動車の前方に位置している自動車(当該自動車の対向車両であろうと、先行車両であろうと)の運転者の両目を通過する水平軸である。
第3のステップ3において、後方散乱が、定められた第1の閾値T1に達すると、第1の照明モードMOD_Cから、第2の照明モードMOD_Rへの、ヘッドライトPJの自動切り替えが容認される(図1〜4に示されているステップON_COM1)。
したがって、この第3のステップによって、自動車が、暗い周囲環境〔例えば郊外であって、前方にいかなる自動車(対向車両または先行車両)も存在していない周囲環境〕内に位置すると、ロービーム位置の照明モードからフルビーム位置の照明モードへの、ヘッドライトPJの自動切り替えが可能になる。
この第3のステップ3について、第2のステップの際に前述した非限定的な3つの実施例(視界距離、エリア、微分係数の測定)に関連付けて、次に説明する。
第1の実施例
したがって、この第1の実施例によれば、視界距離Dが第1の視界閾値S1に達すると、特に、第1の視界閾値S1を超過すると、ロービーム位置の照明モードからフルビーム位置の照明モードへのヘッドライトPJの自動切り替えが容認される(図2に示されているステップON_COM1)。自動切り替えの前、ヘッドライトPJは、増加した照明範囲のロービーム位置にある。
この第1の実施例においては、第1の視界閾値S1が、前述の、定められた第1の閾値T1に相当する。
視界距離Dが、第1の視界閾値S1を超過しているから、霧がまだ存在していても、霧に起因する、ヘッドライトPJの光ビームFXの後方散乱によって、自動車Vの運転者の視界が妨げられるいかなる危険性も、もはや存在しない。したがって、フルビーム位置への切り替えが行われたとしても、もはや後方散乱が運転者の視界を妨げることはなく、フルビーム位置への切り替えが容認される。
前述のように、第1の視界閾値S1は、増加した照明範囲のロービーム位置から、フルビーム位置への自動切り替えのための閾値である。したがって、第1の視界閾値S1は、フルビーム位置において、自動車Vの運転者が、霧に起因する後方散乱によって視界を妨げられないことを保証する、視界距離の閾値である。
図16および図17の例に示すように、時刻t6において、視界距離Dは、第1の視界閾値S1に達した後に超過する。この状態では、霧は、実質的に完全に消えている。この時点で、増加した照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C2から、フルビーム位置の照明モードである第2の照明モードMOD_R(ヘッドライトがオン状態にある、すなわちフルビーム状態にある)への、自動車のヘッドライトPJの照明モードの切り替えが容認される。同じことが、図18の例における時刻t7に対しても当てはまる。
第2の実施例
この第2の実施例によれば、図19に示すように、測定されたエリアAが第1の面積閾値SA1に達すると、ロービーム位置の照明モードからフルビーム位置の照明モードへのヘッドライトPJの自動切り替えが容認される(図3に示すステップON_COM1)。自動切り替えの前、ヘッドライトPJは、増加した照明範囲のロービーム位置にある。
この第2の実施例においては、第1の面積閾値SA1が、定められた第1の閾値T1に相当する。
第3の実施例
この第3の実施例によれば、測定された微分係数CFが第1の傾き閾値SC1に達すると、ロービーム位置の照明モードからフルビーム位置の照明モードへの、ヘッドライトPJの自動切り替えが容認される(図4に示されているステップON_COM1)。自動切り替えの前、ヘッドライトPJは、増加した照明範囲のロービーム位置にある。
この第3の実施例においては、第1の傾き閾値SC1が、定められた第1の閾値T1に相当する。
上述の第2の実施例の図19を、この第3の実施例と置き換えることができる。
第4のステップ4において、後方散乱が定められた第1の閾値T1に達すると、ヘッドライトPJが、第2の照明モードMOD_R、すなわちこの例においてはフルビーム位置の照明モードに切り替えられる。
第1の閾値T1は、後方散乱が第1の閾値(T1)にあるときに、第2の照明モードMOD_Rにおける視界が、第1の照明モードMOD_Cにおける視界を超過するように決定される。
非限定的な一実施例において、自動車が、暗い周囲環境(例えば開けた郊外であって、前方にいかなる対向車両も先行車両も存在していない周囲環境)内に位置しているときにも、フルビーム位置が作動させられる。
自動車の周囲環境が明るいか否かをチェックするために、カメラを用いる方法の非限定的ないくつかの例として、当業者には公知の方法を用いることができる。カメラの積分時間が、ある閾値を超過しているか否かをチェックすることによって、または画像の光強度の平均値が、ある閾値を超過しているか否かを計算することによって、周囲環境が明るいか否かを判定することができる。
同様に、当該自動車の前方に、対向車両や先行車両が存在するか否かをチェックするために、ビデオカメラ、またはライダーやレーダなどの検出センサを使用した、当業者には公知の方法を用いることができる。
この第4のステップについて、第2のステップの際に前述した、非限定的な3つの実施例(視界距離、エリア、微分係数の測定)に関連付けて、次に説明する。
第1の実施例
この第1の実施例によれば、視界距離Dが第1の視界閾値S1に達すると、特に、第1の視界閾値S1を超過すると、ヘッドライトPJは、第2の照明モードMOD_R、すなわちこの例においてはフルビーム位置の照明モードに切り替えられる。この第1の実施例においては、第1の視界閾値S1が、定められた第1の閾値T1に相当する。
図16、図17の例には、時刻t6において、また図18の例には、時刻t7において、ヘッドライトPJは、フルビーム位置の照明モードすなわち第2の照明モードMOD_Rになり、また、視界距離Dは、第1の視界閾値S1を超過することが示されている。
第2の実施例
次に、この第2の実施例によれば、図19に示されているように、時刻t6において、測定されたエリアAが第1の面積閾値SA1に達すると、ヘッドライトPJは、第2の照明モードMOD_R、すなわちこの例では、フルビーム位置の照明モードに切り替えられる。この第2の実施例においては、第1の面積閾値SA1が、定められた第1の閾値T1に相当する。
第3の実施例
次に、この第3の実施例によれば、測定された微分係数が第1の傾き閾値SC1に達すると、ヘッドライトPJは、第2の照明モードMOD_R、すなわちこの例では、フルビーム位置の照明モードに切り替えられる。この第3の実施例においては、第1の傾き閾値SC1が、定められた第1の閾値T1に相当する。
上述の第2の実施例の図19を、この第3の実施例に置き換えることができる。
第5のステップ5において、ヘッドライトが第2の照明モードMOD_Rにあるときに、霧に起因する、ヘッドライトPJの光ビームFXの後方散乱が検出される(図1におけるステップDETECT_R(MOD_R))。
これによって、この第2の照明モードMOD_Rにおいて、霧Fが存在するか否かを知ることができる。後方散乱がなければ、もはやいかなる霧Fも存在しない。
この第5のステップは、第2の照明モードMOD_Rにおいて後方散乱を検出することができる非限定的な別の実施例における第1のステップと呼ぶこともできる。
第6のステップ6において、検出された後方散乱が第3の閾値T3に達すると、ロービーム位置の照明モードからフルビーム位置の照明モードへの、ヘッドライトPJの自動切り替えが禁止される(図1〜図4に示されているステップOFF_COM1)。
この第6のステップ6を、第2のステップの際に前述した、非限定的な3つの実施例(視界距離、エリア、微分係数の測定)に関連付けて、次に説明する。
第1の実施例
視界距離Dが第3の視界閾値S3に達すると、次に示されるように、霧が運転者の視界を妨げる。それは、運転者を危険にさらす。したがって、このような状態では、ロービーム位置からフルビーム位置への切り替えを禁止することが重要である。実際、禁止しなかった場合には、自動車Vの前方環境内に、別の自動車が存在していなければ、ヘッドライトPJは、フルビーム位置を保ったままであろう。それは、運転者を危険な状況にさらし、さらには、運転者自身で切り替えが作動しないようにすることを強要する。それは、運転者の運転を妨げる。
第2の実施例
測定されたエリアAが第3の面積閾値SA3に達すると、上述の第1の実施例における記述と同様のことが、この第2の実施例にも当てはまる。
第3の実施例
測定された微分係数CFが第3の傾き閾値SC3に達すると、上述の第1の実施例における記述と同様のことが、この第3の実施例にも当てはまる。
これらの3つの実施例に適用可能な、非限定的な一変形実施例において、この第6のステップは、次の第7のステップと平行して行われる。すなわち、この禁止は、ロービーム位置への切り替えと同時に行われる。
3つの実施例に適用可能な、非限定的な別の一変形実施例において、この第6のステップは、次の第7のステップに先立って行われる。
第6のステップを、第7のステップの後に行なうことが好ましくないことであることは理解しうると思う。第6のステップを、第7のステップの後に行なうと、ロービーム位置の照明モードからフルビーム位置の照明モードへの予期せぬ切り替えが発生する恐れがある。それは避けるべきことである。
第7のステップ7において、検出された後方散乱が第3の閾値T3に達すると、霧Fに起因する、ヘッドライトPJの光ビームFXの後方散乱を減少させるために、第1の照明モードMOD_CへのヘッドライトPJの切り替えが行われる(図1〜4に示されているステップCOM(MOD_C))。
非限定的な一例において、第1の照明モードMOD_Cは、ロービーム位置の照明モードである。この場合には、自動車Vの運転者が、霧Fに起因する、ヘッドライトPJの光ビームFXの拡散によって生じる後方散乱現象によって視界を妨げられることが防止される。すなわち、第1の照明モードMOD_Cが、霧Fを相対的に弱くしか照明しないから、この後方散乱現象が弱められる。
したがって、運転者の視界が低下しない(運転者が、フルビームヘッドライトにおいて、ディップヘッドライトにおけるよりも遠方を観察することができないという事態が回避される)だけではなく、同時に、光ビームFXの後方散乱によって、運転者が過度に強い光量によって視界を妨げられる恐れがなくなる。
したがって、この第3の閾値T3は、フルビーム位置において、後方散乱がこの第3の閾値T3を超過すると、当該自動車Vの運転者が、霧に起因する、ヘッドライトの後方散乱によって視界を妨げられる、後方散乱に関する閾値である。
この第7のステップにおいて、ヘッドライトは、フルビーム位置からロービーム位置に自動的に切り替えられる。
非限定的な第1の変形実施例において、ヘッドライトは、フルビーム位置の照明モードから、照明範囲Bが最大公認範囲BMに比して増加していないロービーム位置の照明モードに切り替えられる。これは、規定ロービーム位置の照明モードである。
非限定的な第2の変形実施例において、ヘッドライトは、フルビーム位置の照明モードから、照明範囲Bが最大公認範囲BMに比して増加しているロービーム位置の照明モードに切り替えられる。
この第7のステップを、第2のステップの際に前述した、非限定的な3つの実施例(視界距離、エリア、微分係数の測定)に関連付けて、次に説明する。
第1の実施例
この第1の実施例によれば、視界距離Dが、第3の視界閾値S3に達すると、特に、第3の視界閾値S3未満になると、霧Fに起因する、ヘッドライトPJの光ビームFXの後方散乱を減少させるために、ヘッドライトPJが、第1の照明モードMOD_Cに切り替えられる。
したがって、この第1の実施例においては、第3の視界閾値S3が、第3の閾値T3に相当する。
したがって、この第3の視界閾値S3は、フルビーム位置において、視界距離Dがこの第3の視界閾値S3未満になると、霧に起因する、ヘッドライトの後方散乱によって、当該自動車Vの運転者が視界を妨げられる、視界距離に関する閾値である。
図16および図17に示す例は、時刻t2において、増加していない照明範囲のロービーム位置の照明モードに切り替わることを示しており、図18の例は、時刻t2において、増加した照明範囲のロービーム位置の照明モードに切り替わることを示している。
図16および図17に、第一の変形例が示されている。
− 時刻t1において、自動車Vが、例えば霧に覆われたゾーンに徐々に入っていくにつれて、視界距離Dは減少していく。
− 時刻t2において、視界距離は第3の視界閾値S3に達した後、それ未満に低下していく。霧の濃度は、さらに高くなる。照明モードは、増加していない照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C1に切り替えられる。
− 時刻t3において、視界距離Dは、再び、漸進的に増加し始める。霧に覆われたゾーンの霧の濃度は低下し始める。
− 時刻t4において、視界距離Dは、第3の視界閾値S3を超過する。規定ロービーム位置、すなわち増加していない照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C1が維持され、したがって、照明範囲は増加しない。
さらに、第2の変形実施例が、図18に示されている。
− 時刻t1において、自動車Vが、例えば霧に覆われたゾーンに徐々に入っていくにつれて、視界距離Dは減少していく。
− 時刻t2において、視界距離は第3の視界閾値S3に達した後、それ未満に低下していく。霧の濃度は、さらに高くなる。この位置における後方散乱はあまり大きくないから、照明モードは、増加した照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C3に切り替えられる。
− 時刻t2〜t3において、視界距離Dは減少し続ける。したがって、後方散乱は増加する。したがって、霧Fに起因する後方散乱を減少させるために、視界距離Dが減少するにつれて、照明範囲Bは減じられる。
− 時刻t3において、視界距離Dは、規定ロービーム位置に対応する第2の視界閾値S2未満に低下する。照明範囲Bは、最大公認範囲BMに達するまで減少し、ヘッドライトPJは、増加していない照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C1に至る。
− 時刻t4において、視界距離Dは、再び、漸進的に増加し始める。霧に覆われたゾーンの霧の濃度は低下し始める。規定ロービーム位置、すなわち増加していない照明範囲のロービーム位置の照明モードMOD_C1が維持され、したがって、照明範囲は増加しない。
第1の変形実施例の、図16および図17の最初の2つの例においては、第2の視界閾値S2は、第3の視界閾値S3より大きいのに対して、第2の変形実施例の、図18の3番目の例においては、第2の視界閾値S2は、第3の視界閾値S3より小さいことに注意されたい。
第1の変形実施例において注目するべきことは、霧Fが自動車Vの運転者の視界を妨げ始めるとすぐに、それが運転者の視界を妨げなくなるように、その霧F、したがって後方散乱を考慮に入れて、ヘッドライトPJを調整することである。
この場合には、ヘッドライトを、ロービーム位置の照明モードである第1の照明モードMOD_Cに切り替えるとき、ヘッドライトの光ビームFXの照明範囲Bは、前述のように、最大公認範囲BMに等しくされる。照明範囲の増加は行われない。
したがって、非限定的な一例において、第3の視界閾値S3を40mに定めると、第2の視界閾値S2は、第3の視界閾値S3よりも大きく、例えば50mである。
第3の視界閾値S3を40mとしてある、この例において、もし第2の視界閾値S2が、第2の変形実施例の場合のように、第3の視界閾値S3より小さかったとすれば、増加した照明範囲のロービーム位置への切り替えが生じることに注意されたい。第3の視界閾値S3が40mであると、増加した照明範囲のロービーム位置の光ビームの後方散乱が大きすぎるから、この後方散乱は運転者の視界を妨げる。
第2の変形実施例において注目するべきことは、ロービーム位置の照明モードにおいて、常に、後方散乱を検出することができるということである。
この場合には、ヘッドライトを、ロービーム位置の照明モードである第1の照明モードMOD_Cに切り替えるとき、ヘッドライトの光ビームFXの照明範囲Bは、前述のように、第3の視界閾値S3まで照明することができるように、最大公認範囲BMに比して増加させられる。次いで、照明範囲Bは、視界距離が減少するにつれて減じられる。
したがって、非限定的な一例において、第3の視界閾値S3が80mに固定されると、第2の視界閾値S2は、第3の視界閾値S3より小さく、50mである。
第3の視界閾値S3が80mに固定されている、この例において、もし第2の視界閾値S2が、第1の変形実施例の場合のように、第3の視界閾値S3より大きかったとすれば、増加していない照明範囲のロービーム位置への切り替えが生じることは認識されるであろう。第3の視界閾値S3が80mであれば、光ビームの後方散乱が非常に小さいから、後方散乱の検出は困難になる。
第2の実施例
第2の実施例においては、測定されたエリアAが、図19に示すように、時刻t2において第3の面積閾値SA3に達すると、霧Fに起因する、ヘッドライトPJの光ビームFXの後方散乱を減少させるために、ヘッドライトPJが、第1の照明モードMOD_Cに切り替えられる。
したがって、第2の実施例においては、第3の面積閾値SA3が、第3の閾値T3に相当する。
したがって、第3の面積閾値SA3は、フルビーム位置において、測定されたエリアAがこの第3の面積閾値SA3を超過すると、当該自動車Vの運転者が、霧に起因する、ヘッドライトの後方散乱によって視界を妨げられる、測定されたエリアAに関する閾値である。
第3の実施例
第3の実施例によれば、測定された微分係数CFが第3の傾き閾値SC3に達すると、霧Fに起因する、ヘッドライトPJの光ビームFXの後方散乱を減少させるために、ヘッドライトPJが、第1の照明モードMOD_Cに切り替えられる。
したがって、第3の実施例においては、第3の傾き閾値SC3が、第3の閾値T3に相当する。
したがって、第3の傾き閾値SC3は、フルビーム位置において、測定された微分係数CFがこの第3の傾き閾値SC3を超過すると、当該自動車Vの運転者が、霧に起因する、ヘッドライトの後方散乱によって視界を妨げられる、測定された微分係数CFに関する閾値である。
図19に示す第2の実施例を、この第3の実施例に置き換えることができる。
上述の3つの実施例に適用可能な、非限定的な一実施例において、ヘッドライトの光ビームFXの照明範囲Bは、自動車Vの前方環境内に位置している障害物Oに応じて調整されることは理解しうると思う。これによって、前述のように、当該自動車Vによって、対向車両や先行車両の運転者が眩惑されないように保証することができる。したがって、ヘッドライトが、増加した照明範囲のロービーム位置の照明モードにあるときに、対向車両や先行車両などの障害物Oが出現すると、障害物Oとの距離に応じて、増加していた照明範囲が減じられる。
第7のステップの最後に、第1のステップに戻り、そして、上述の全ステップが繰り返される。
上述のステップ1〜7は、視界を妨げる事象Fの発生、消滅および変化に基づく、視界距離Dの変化にしたがって、リアルタイムに実行される。
上述の方法によって、視界を妨げる事象の発生、消滅および変化に応じて、自動車のヘッドライトを、1つの照明モードから別の照明モードに切り替えることができる。
本発明の方法は、自動車Vのヘッドライトの光ビームFXを、1つの照明モードから別の照明モードへと切り替えて放射するようになっている、図20に示されている自動切り替え装置DISPによって遂行される。
この自動切り替え装置DISPは、自動車Vに組み込まれる。
この自動切り替え装置DISPは、次のものを備えている。
− 検出された後方散乱に応じて、最大公認範囲BMに比して、ヘッドライトの照明範囲を増加させるユニットUAと、
− 次のことを遂行するための制御ユニットUC。
● ヘッドライトが第1の照明モードMOD_Cにあるときに、視界を妨げる事象Fに起因する、ヘッドライトPJの光ビームFXの後方散乱を検出し、また
● 後方散乱が、定められた第1の閾値T1に達すると、ヘッドライトPJを、第2の照明モードMOD_Rに切り替える。
非限定的な一実施例によれば、制御ユニットUCは、さらに、検出された後方散乱が第3の閾値T3に達すると、視界を妨げる事象Fに起因する、ヘッドライトPJの光ビームFXの後方散乱を減少させるために、ヘッドライトPJを、第1の照明モードMOD_Cに切り替えることができる。
非限定的な第1の実施例においては、ヘッドライトの照明範囲を増加させるユニットUAは、自動車姿勢補正器CORRを備えている。ロービーム位置における照明範囲Bの増加は、自動車が水平姿勢にあるときの光ビームを検出するための仰角補正機能を用いて行われる。
自動車姿勢補正器CORRは、自動車の姿勢がどのように変化しても、一定の照明範囲を保証するために、一般に、仰角補正機能が用いられる。対向車両や先行車両の運転者を眩惑しないように、この仰角補正機能は、自動車にブレーキをかけた状況においては、光ビームを上に向かせ、加速させた状況においては、光ビームを下に向かせる働きをする。
したがって、この仰角補正機能を用いて、自動車が水平姿勢にあるときに、ヘッドライトPJの光ビームFXを上向けることによって、ロービーム位置の照明範囲を増加させることができる。
この第1の実施例によれば、多くの自動車に既に取り付けられているデバイス(自動車姿勢補正器)を利用することができる。
非限定的な第2の実施例において、ヘッドライトの照明範囲を増加させるユニットUAは、可動マスクCHと、この可動マスクCHを駆動するための電気機械式モータユニットACとを有する光モジュールMOを備えている。可動マスクCHは、ヘッドライトPJから放射された光ビームFXの一部を遮るように作られている。
したがって、ヘッドライトの光ビームFXの一部を遮る機能を用いることによって、ロービーム位置における照明範囲Bの増減を実現することができる。
例えばこの機能は、当業者には周知の、ロービーム位置の照明モード(規定どおりに途切れる光ビームを形成するための、可動マスクCHが作動している状態)と、フルビーム位置の照明モード(可動マスクCHが引っ込められている状態)との両方で動作するように構成されている、二元機能モジュールとして知られている光モジュールMOに基づいて実現されるが、さらに、この2つの既知の状態に加えて、放射された光ビームFXを、種々の程度で遮るために、したがって、途切れる位置が種々に異なる光ビームFXを放射するために、可動マスクCHのいくつかの中間状態が用いられる。
二元機能の光モジュールは、当業者には公知であるから、本明細書においては、より詳細な説明は行わない。
この第2の実施例は、ヘッドライトの光ビームFXの所望の照明範囲の長さに柔軟性を与える。
実際、可動マスクCHは、非常に多数の相異なる照明範囲を有し、したがって途切れる位置が種々に異なる光ビームFXを実現することを可能にする、種々の中間状態をとることができる。さらに、別の中間状態、したがって、別の途切れる位置および照明範囲を実現可能な変形例にしたがって、可動マスクCHを変位させることもできる。例えば非限定的な一例において、ヘッドライトの光軸に実質的に垂直な方向に沿って、または楕円周に沿って、可動マスクCHを変位させることができる。
上述の第2の実施例の場合には、光モジュールMOは、図20で破線内に示すように、自動車Vの各ヘッドライト内に組み込まれている。
さらに、制御ユニットUCによって、電気機械式モータユニットACを駆動することができることは理解しうると思う。非限定的な一実施例においては、この駆動は、測定された視界距離D、エリアA、または微分係数CFに基づいて行われる。
一変形実施例においては、この駆動は、前述のように、障害物が自動車Vの前方に存在しているときに、眩惑しない光ビームFXを与えるように行われる。
ヘッドライトの照明範囲を増加させるユニットUAに関する、これらの2つの実施例によれば、欧州照明規定によって公認されている最大公認範囲BMに比して、ヘッドライトの光ビームFXの途切れる位置を変更することができる。
法定レベルにおいては、ロービーム位置のヘッドライトの光ビームFXは、−1〜−1.5%ラジアンの範囲の傾斜を有して地面に到達することに注意されたい。地面から60cmの高さに位置しており、−1%ラジアンの傾斜に調整されたヘッドライトにおいては、光ビームFXは、自動車の前方、約60mの距離までの地面を照明する。
第3の実施例において、前述の2つの実施例を組み合わせることができることは理解しうると思う。
上述の切り替え方法は、マイクロプログラムされた「ソフトウェア」デバイス、ワイヤードロジック、および/または電子部品「ハードウェア」によって遂行することができることは理解しうると思う。
したがって、自動切り替え装置DISPは、マイクロプロセッサなどの情報処理ユニット、またはマイクロコントローラ、ASIC、コンピュータなどの処理ユニットによって実行することができる、上述の方法を遂行することを可能にする1つ以上の命令列を有するコンピュータプログラム製品PGを備えていてもよい。
このようなコンピュータプログラム製品PGは、ROMタイプの不揮発性の読み出し専用のメモリ、または、EEPROMまたはFLASHタイプの不揮発性の書き換え可能なメモリに書き込まれていてもよい。このコンピュータプログラム製品PGは、製造所においてメモリに書き込まれていてもよいし、メモリにロードされてもよいし、またはメモリにダウンロードされてもよい。命令列は、機械語列であってもよいし、また実行時に処理ユニットによって機械語列に翻訳処理されるコマンド言語列であってもよい。
図20の非限定的な例においては、コンピュータプログラム製品PGは、自動切り替え装置DISPの制御ユニットUCのメモリに書き込まれている。
当然のことながら、本発明の方法は、上述の実施形態および例に限定されるものではない。非限定的な例として、霧に加えて、例えば大雨や雪などの、視界を妨げる事象Fにも、本発明の方法を適用することができる。
上述した本発明は、次のような利点を有している。
− ロービーム位置において、ヘッドライトPJの光ビームの照明範囲を増加させて、視界を妨げる事象を照明することにより、光ビームの後方散乱を増加させ、それによって、視界を妨げる事象を検出することができるのに十分な後方散乱を得ることができる。これによって、所望の後方散乱が観測されるように、最適な照明範囲が与えられる。
− 後方散乱が定められた第1の閾値に達すると、ロービーム位置からフルビーム位置への再切り替えを容認することができる。フルビーム位置への切り替えは、例えば次の場合に生じる。
・ 視界を妨げる事象が、実質的に存在しなくなったときに、自動車Vが、暗い周囲環境内に位置している場合であって、かつ
・ 当該自動車Vの前方に、他の自動車が存在していない場合。
− 視界距離の測定または階調曲線の分析によって、視界を妨げる事象を検出することができる。
− 視界距離を測定するために、赤外線などのさらなる測定信号源を用いないために経済的である。
− 光ビームの照明範囲の増加を、階段的に行うことも、徐々に行うこともできる。
− 照明範囲を、第3の閾値T3と第2の閾値T2との間で調整することができ、したがって、可能な限り運転者の視界を妨げないように、霧Fに起因する後方散乱を調整することができる。
− 運転視界を最適にして、後方散乱が運転者の視界を妨げない、最適な照明範囲を維持することができる。
− 当該自動車Vの前方に位置する障害物を考慮にいれて、照明範囲が定められるために、対向車両や先行車両の運転者を眩惑しない。
− 自動車を運転中の運転者に、視覚的快適性と安心感を与える。
− ヘッドライトがロービーム位置にあるときに、十分な視界範囲を得ることができるために、ロービーム位置における視界距離/エリア/微分係数を測定することができる。
− 照明範囲を増加させるために、放電ランプに一般的に用いられている自動姿勢補正機能か、または光ビームを遮る機能を用いることによって、現在の技術で既に存在している機能を基にすることができる。
− 1つの照明モードから別の照明モードへの標準的な自動切り替え機能を既に用いているモジュールに、容易に組み込むことができる。
− 各ステップの処理が単純、高速、かつ経済的であるから、単純、高速、かつ経済的に遂行される。
A、A1、A2 エリア
AC 電気機械式モータユニット
B 照明範囲
CF 微分係数
CH 可動マスク
CL1、CL2 階調曲線
Cn 列
CORR 自動車姿勢補正器
D、DVM 視界距離
DISP 自動切り替え装置
DVM_C 第2の曲線
DVM_R 第1の曲線
F 視界を妨げる事象
H 地平線
L1、L2、L3 白線
Ln 行
MOD_C1 増加していない照明範囲のロービーム位置の照明モード
MOD_C2、MOD_C3 増加した照明範囲のロービーム位置の照明モード
MOD_R 第2の照明モード
N 光ビームによって照射されていない周囲環境
P 地表
P1 第1のレベル
PF 消失点
PG コンピュータプログラム製品
PJ ヘッドライト
PT 関心点
Px ピクセル
ROI 関心領域
S1 第1の視界閾値
S2 第2の視界閾値
S3 第3の視界閾値
SA1 第1の面積閾値
SA2 第2の面積閾値
SA3 第3の面積閾値
SC1 第1の傾き閾値
SC2 第2の傾き閾値
SC3 第3の傾き閾値
t 時刻
TG1、TG2 接線
UA ヘッドライトの照明範囲を増加させるユニット
UC 制御ユニット
V 自動車
VAs1 第1の閾値
VAs2 第2の閾値
VAs3 第3の閾値

Claims (19)

  1. 光ビーム(FX)を放射するための、自動車用のヘッドライト(PJ)の照明モードの自動切り替え方法であって、
    − 前記ヘッドライトが、第1の照明モード(MOD_C)にあるときに、視界を妨げる事象(F)に起因する、前記ヘッドライト(PJ)からの光ビーム(FX)の後方散乱を検出するステップと、
    − 前記検出された後方散乱に応じて、前記ヘッドライト(PJ)からの光ビーム(FX)の照明範囲(B)を、最大公認範囲(BM)に比して増加させるステップと、
    − 前記後方散乱が、定められた第1の閾値(T1)に達すると、前記ヘッドライト(PJ)を、第2の照明モード(MOD_R)に切り替えるステップ
    とを含むことを特徴とする自動切り替え方法。
  2. 前記第1の閾値(T1)は、前記後方散乱が該第1の閾値(T1)にあるときに、前記第2の照明モード(MOD_R)における視界が、前記第1の照明モード(MOD_C)における視界を超過するように決定される、請求項1に記載の自動切り替え方法。
  3. 後方散乱を検出する前記ステップは、視界距離(D)を測定するステップによって遂行される、請求項1に記載の自動切り替え方法。
  4. 前記測定された視界距離(D)が、第2の視界閾値(S2)を超過すると、第1の視界閾値(S1)に達するまで、前記視界距離を測定することができるように、前記検出された後方散乱に応じて、前記照明範囲が増加させられる、請求項3に記載の自動切り替え方法。
  5. 後方散乱を検出する前記ステップは、自動車(V)の周囲環境の捕捉画像から得られた階調曲線を分析するステップによって遂行される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の自動切り替え方法。
  6. 階調曲線を分析する前記ステップは、該階調曲線内にエリア(A)を決定するステップ、および少なくとも1つの第1の面積閾値(SA1)と比較して、該エリア(A)から、前記後方散乱を検出するステップを含んでいる、請求項5に記載の自動切り替え方法。
  7. 前記エリア(A)が、第2の面積閾値(SA2)に達すると、前記第1の面積閾値(SA1)に達するまで、前記階調曲線内のエリア(A)を測定することができるように、前記検出された後方散乱に応じて、前記照明範囲が増加させられる、請求項6に記載の自動切り替え方法。
  8. 階調曲線を分析する前記ステップは、該階調曲線に対する少なくとも1つの接線を決定するステップ、および少なくとも1つの第1の傾き閾値(SC1)と比較して、該接線の微分係数(CF)から、前記後方散乱を検出するステップを含んでいる、請求項5または6に記載の自動切り替え方法。
  9. 前記微分係数(CF)が、第2の傾き閾値(SC2)に達すると、前記第1の傾き閾値(SC1)に達するまで、前記階調曲線に対する少なくとも1つの接線から、前記微分係数(CF)を測定することができるように、前記検出された後方散乱に応じて、前記照明範囲が増加させられる、請求項8に記載の自動切り替え方法。
  10. 前記後方散乱が、前記定められた第1の閾値(T1)に達すると、前記第1の照明モード(MOD_C)から前記第2の照明モード(MOD_R)への、前記ヘッドライト(PJ)の自動切り替えを容認するさらなるステップをさらに含んでいる、請求項1〜9のいずれか1つに記載の自動切り替え方法。
  11. 前記検出された後方散乱が第3の閾値(T3)に達すると、前記視界を妨げる事象(F)に起因する、前記ヘッドライト(PJ)からの光ビーム(FX)の後方散乱を減少させるために、前記ヘッドライト(PJ)を、前記第1の照明モード(MOD_C)に切り替えるさらなるステップをさらに含んでいる、請求項1〜10のいずれか1つに記載の自動切り替え方法。
  12. 前記検出された後方散乱が前記第3の閾値(T3)に達すると、前記第1の照明モード(MOD_C)から前記第2の照明モード(MOD_R)への前記ヘッドライト(PJ)の自動切り替えを禁止するさらなるステップをさらに含んでいる、請求項11に記載の自動切り替え方法。
  13. 前記ヘッドライト(PJ)は、前記照明範囲が前記最大公認範囲(BM)に比して増加している第1の照明モード(MOD_C2、MOD_C3)に切り替えられる、請求項11または12に記載の自動切り替え方法。
  14. 前記ヘッドライト(PJ)からの光ビーム(FX)の照明範囲(B)は、前記後方散乱が増加するにつれて減じられる、請求項13に記載の自動切り替え方法。
  15. 前記照明範囲(B)の増加は、前記自動車(V)が水平姿勢にあるときの前記ヘッドライト(PJ)からの光ビーム(FX)を検出する仰角補正機能を用いることによって行われる、請求項1〜14のいずれか1つに記載の自動切り替え方法。
  16. 前記照明範囲(B)の増加は、前記ヘッドライト(PJ)からの光ビーム(FX)の一部を遮る機能を用いることによって行われる、請求項1〜15のいずれか1つに記載の自動切り替え方法。
  17. 光ビーム(FX)を放射するための、自動車(V)用のヘッドライト(PJ)の照明モードの自動切り替え装置であって、
    − 前記ヘッドライトが、第1の照明モード(MOD_C)にあるときに、視界を妨げる事象(F)に起因する、前記ヘッドライト(PJ)からの光ビーム(FX)の後方散乱を検出し、かつ前記後方散乱が、定められた第1の閾値(T1)に達すると、前記ヘッドライト(PJ)を、第2の照明モード(MOD_R)に切り替えるための制御ユニット(UC)と、
    − 前記検出された後方散乱に応じて、前記ヘッドライト(PJ)からの光ビーム(FX)の照明範囲(B)を、最大公認範囲(BM)に比して増加させるユニット(UA)とを
    備えていることを特徴とする自動切り替え装置。
  18. ヘッドライト(PJ)からの光ビーム(FX)の照明範囲を増加させる前記ユニット(UA)は、自動車姿勢補正器(CORR)を備えている、請求項17に記載の自動切り替え装置。
  19. 情報処理ユニットによって実行可能な1つ以上の命令列を有するコンピュータプログラム製品(PG)であって、該命令列を実行することによって、請求項1〜16のいずれか1つに記載の自動切り替え方法を遂行することができるコンピュータプログラム製品(PG)。
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