JP5823661B2 - 自動車の視界を妨げる事象の検出方法 - Google Patents

自動車の視界を妨げる事象の検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車の視界を妨げる事象の検出方法、および、その方法の実行を可能にする検出装置に関する。
本発明は、特に、自動車の分野に応用される。
自動車への応用において、視界を妨げる霧などの事象を検出するための、従来技術における公知の方法は、夜間における濃霧を検出するためにビデオ画像を用いる。この目的のために、霧からのヘッドランプの光の反射によって発生する、楕円形状の明るい光輪が用いられる。霧は、この楕円の特性値の関数として検出される。
薄いまたは中間の濃度の霧を自動車のヘッドランプで照射したとき、そのような霧によっては、十分に視認可能な楕円形状の光輪は発生しない。したがって、この最新技術の1つの問題は、そのような霧の検出に光輪を用いることができないため、薄いまたは中間の濃度の霧を検出することができないということである。
本発明は、特に夜間において、霧の濃度に関係なく、視界を妨げる霧などの事象を検出することを目的とするものである。
本発明の第1の態様によれば、この目的は、次のステップを含む、自動車の周囲の視界を妨げる事象を検出する方法によって達成される。
自動車のヘッドランプの少なくとも1つから、自動車の周囲に、光ビームを放射するステップと、
自動車の周囲を撮った画像中に、少なくとも1つの関心点を決定するステップと、
前記画像中に、関心領域を決定するステップと、
前記関心領域に基づいて、グレースケールのグラフを決定するステップと、
前記決定された関心点に関連付けて、グレースケールのグラフ中に、エリアを決定するステップ。
以下に詳述するように、異なるグレースケールのグラフ内に画定されるエリアは、自動車を囲む大気と自動車の前方の大気の変化に関連して、したがって、この大気を変化させる霧の存在に関連して、変化する。したがって、このエリアは、霧の濃度に関係なく、いかなる霧の検出をも可能にする。このエリアは、さらに、そのエリア内で観察される異なる値に基づいて、霧の濃度を決定することを可能にする。したがって、霧の濃度を検出する、別の方法を用いる必要はない。さらに、このような本発明の方法の実行は、容易である。
本発明の実施形態によれば、この方法は、さらに、次の特性を有する。
この方法は、更に前記エリアの少なくとも1つの閾値に基づいて、視界を妨げる事象の存在を決定するステップを含む。これによって、視界を妨げる事象の存在を検出することができるだけではなくて、その濃度をも決定することもできる。
この方法は、更に特定のエリアに関連付けて、可視距離を決定するステップをさらに含む。これによって、最終的に、最適な車間距離を確保するための最高運転速度を得ることができる。
関心点は、画像中の地平線上に位置している。地平線は、画像処理によって容易に決定される。
そして、関心領域は、自動車のハンドル角度に関連付けて、画像中に決定される。したがって、自動車がたどる道路の方向を考慮にいれることが可能である。これによって、道路が曲がりくねっている場合にも、均質な関心領域が得られる。
本発明の第2の態様によれば、本発明は、次のものを備える、自動車の周囲の視界を妨げる事象を検出するための装置に関する。
・自動車の周囲に、光ビームを放射するための
− 少なくとも1つのヘッドランプと、
・自動車の周囲を撮った画像中に、少なくとも1つの関心点を決定し、
・その画像中に、関心領域を決定し、
・その関心領域に基づいて、グレースケールのグラフを決定し、そして、
・識別された関心点に関連付けて、グレースケールのグラフ中に、エリアを決定する
− 制御ユニット。
本発明の第3の態様によれば、本発明は、情報処理ユニットによって遂行することができる、1つ以上の命令系列を含むコンピュータプログラムであって、命令系列を実行することによって、上記の特性のいずれか1つを有する方法が行われるコンピュータプログラムに関する。
本発明の他の特性および利点が、以下の説明を読み、そして、添付図面を検討することによって、よりよく理解される。
本発明の視界を妨げる事象を検出する方法を、図1に示す。
本出願において、検出は、自動車Vに搭載された検出器を用いて行われる。その自動車は、ヘッドランプと、特に以下に詳述するビデオカメラを有している。
本明細書において、視界を妨げる霧などの現象Fは、実施例として取り上げられる。
この方法を、視界を妨げる他の現象、すなわち、大雨、または、自動車Vの前方を走行している自動車によって引き起こされる水しぶき(ドイツ語でギシュト、英語でスプレーとして知られている)などの、自動車Vの乗員の視界の悪化を引き起こす性質を有する、大気の乱れを生じる任意の事象に適用することができることは明白である。
検出方法は、図1に示すように、次のステップを含む。
自動車Vの周囲の状態の取得画像I中に、少なくとも1つの関心点Hを決定するステップ(ステップCALC_H(I))と、
画像I中に、関心領域ROIを決定するステップ(ステップCALC_ROI(I))と、
関心領域ROIに基づいて、異なるグレースケールのグラフCLを決定するステップ(ステップCALC_CL(ROI))と、
計算された関心点Hに関連付けて、異なるグレースケールのグラフCL内に、エリアAを決定するステップ(ステップCALC_A(CL,H))。
一実施形態において、本発明による方法は、さらに、次のステップを含む。
エリアAの少なくとも1つの閾値VAsに関連付けて、霧Fの存在を決定するステップ(ステップCALC_F(VAs))。
一実施形態において、本発明の方法は、さらに、次のステップを含む。
確定されたエリアAに関連付けて、可視距離DVMを決定するステップ(ステップCALC_DVM(A))。
これらの2つの実施形態は、組み合わせてもよい。
一実施形態において、本発明の方法は、さらに、次のステップを含む。
カメラによって、少なくとも1つの画像Iを取得するステップ(ステップACQ_SQ(I))。
画像Iを取得するこのステップは、前述の方法の開始時に実行される別の方法の一部を形成することができるが、前述の方法の一部を形成することはできない。
各ステップが、以下に、より詳細に説明される。
第1のステップ1において、少なくとも1つの画像Iが、自動車Vに搭載されているカメラによって取得される。
実施例に示すように、ビデオカメラCAMが、自動車Vの前側に配置される場合には、取得画像Iは、ビデオカメラCAMの視野内に位置する。したがって、自動車Vの前方の周囲Eに一致する。したがって、自動車Vの前方の、視界を妨げる霧Fなどの事象を検出することができる。
自動車のヘッドランプPJの1つから放射された光ビームFXからの光が、大気中に浮遊している霧F粒子の存在下で拡散される。この光ビームの波長が、ビデオカメラCAMの分光分析に適合しており、そして、霧Fを作り出している粒子が、ビデオカメラCAMの視野内にあるので、霧F中で拡散した光を含む画像を取得することができる。
図2は、霧Fが存在していない夜間に撮られた取得画像Iの一例を示しており、一方、図3は、霧Fが存在している夜間に撮られた取得画像Iの一例を示している。この画像IのコラムCnは、画像Iの横座標によって与えることができ、一方、この画像IのラインLnは、画像Iの縦座標によって与えることができる。
これらの画像Iは、自動車のヘッドランプPJによって放射された光ビームFXからの、暗闇に拡散された光の様子を示している。
白い部分は、光ビームFXからの、暗闇に拡散された光を表わしており、一方、Nと記入されている、斜線を施された部分は、ビデオカメラCAMの視野内の、光ビームFXによって照射されていない周囲E(本明細書においては、自動車Vの前方の)を表わしている。
図2および図3には、次のものが示されている。すなわち、
2本の側面路面標識(白線L1およびL2)および中央路面標識(白線L3)によって表わされる、自動車Vが走行している道路と、
道路と境界を接している地表P。
図3においては、道路と境界を接している地表Pは、線図的に表わされている霧Fによって覆い隠されるので、点線によって示されている。
第2のステップ2において、少なくとも1つの関心点Hが、自動車Vの周囲Eの取得画像I中に決定される。
一実施形態において、この関心点は、取得画像I中の地平線Hに沿って位置している。
実施例において、路上の白線L1とL2との交差点によって得られる、または、それに代えて、自動車姿勢センサから得られる、画像I中の計算された消失点PFから、地平線Hを決定することが可能である。
画像内に地平線Hを決定する方法は、当業者には周知であるから、本明細書においては、詳細な説明は行わない。
地平線Hを、1つ以上の関心点の位置として決定することによって、計算が容易になる。
地平線Hは、図2と図3との両方に示されている。
図3においては、地平線Hは、霧Fによって覆い隠されるので、点線で示されている。
第3のステップ3において、関心領域ROIが、画像I中に決定される。
実施例において、関心領域ROIを、次のように決定することができる。すなわち、画像I内の基準点PRを通過する垂直直線の両側に位置しており、かつ、図2および図3に示されている点線によって境界を定められている領域として、基準点PRの近傍に決定される。
一実施形態において、基準点PRは、図2および図3に示されている消失点PFである。
この実施形態の一変形例において、消失点PFは、取得画像Iの中心に位置している。この場合には、640×480ピクセル構成の典型的な画像Iにおいて、その横座標の原点PFxは、320ピクセル目に位置しており、また、その縦座標の原点PFyは、地平線H上にある。この状態において、ビデオカメラCAMの光軸は、自動車Vの走行方向に平行であると仮定されている。
第2の実施形態による関心領域ROIを、一実施形態において、次のように決定することができる。
第1のステップにおいて、画像Iの不均質なゾーンを除去して、同一の平均グレースケールを得るように、画像Iの輪郭を決定する。実施例において、ソーベル、プレヴィット、ロバーツ、ゼロクロス、キャニー法などの輪郭検出方法(英語で、「エッジメソッド」として知られている)を用いることができる。
第2のステップにおいて、関心領域ROIは、当業者には周知の技法である、取得画像の地平線Hから上方および下方に向かって領域を増加させるアルゴリズムを用いて決定される。地平線Hを決定するための実施例において、路面標識の白線L1とL2との交差点として計算された、または、それに代えて、自動車姿勢センサを用いて計算された、画像Iの消失点PFに基づいて、この地平線を決定することができる。画像中に地平線Hを決定する方法は、当業者に既知であり、したがって、本明細書においては、より詳細な説明は行わない。
このようにして、均質な関心領域ROIを得ることができて、次のものが排除される。
ノイズ、寄生物、および自動車、または、図2および図3に示されている白線L3のような、道路に沿った白線などの不均質物体。
ある実施形態においては、さらに、曲がりくねった道路の場合においてさえ、均質な関心領域ROIを得るために、関心領域ROIが、自動車Vのハンドル角度αの関数として、画像I中に決定される。
第1の代替実施形態においては、
関心領域ROIは、ハンドル角度αがゼロであるときに、画像Iの基準点PR(上記を参照のこと)に中心を有するように配置され、また、
関心領域ROIは、ハンドル角度αがゼロでないときに、画像Iの基準点PRに対して横方向に中心をずらされる。一実施例において、関心領域ROIは、ハンドル角度αの3倍だけ、中心をずらされる。
このようにして、ハンドル角度αが正であるとき、関心領域ROIは、画像Iの右側に中心をずらされる。一方、ハンドル角度αが負であるとき、関心領域ROIは、画像の左側に中心をずらされる。例えば、ハンドル角度αが10°であるとき、関心領域ROIは、基準点PRに対して右側に30ピクセルだけ中心をずらされ、したがって、(320+30)番目のピクセルの位置に設定される新しい基準点に中心を有する。
第2の代替実施形態においては、
関心領域ROIは、ハンドル角度αが、絶対値において15°以下であるとき、画像Iの基準点PR(上記を参照のこと)に中心を有するように配置され、また、
関心領域ROIは、ハンドル角度αが、絶対値において15°を超過するとき、画像Iの基準点PRに対して横方向に中心をずらされる。一実施例においては、関心領域ROIは、ハンドル角度αの3倍だけ、中心をずらされている。この閾値15°は、曲がりくねった道路の一特性である。ハンドル角度αが、絶対値において15°未満であるときには、自動車Vの運転者は、真っ直ぐには運転してしないが、道路は、ほぼ真っ直ぐである。
したがって、ハンドル角度αが、+15°を超過しているとき、関心領域ROIは、画像Iの右側に中心をずらされる(道路は右側にカーブしている)。一方、ハンドル角度αが、−15°を絶対値において超えているとき、関心領域ROIは、画像Iの左側に中心をずらされる(道路は左側にカーブしている)。
例えば、ハンドル角度αが−18°であるとき、関心領域ROIは、基準点PRに対して左側に54ピクセルだけ中心をずらされ、したがって、(320−54)番目のピクセルの位置に設定される新しい基準点に中心を有する。
このように、取得画像Iの関心領域ROIの位置(より詳細には、上述のように、横座標に関する位置)を、ハンドル角度αに関連付けて決定するということは、進行方向を考慮に入れることができ、したがって、道路が曲がりくねっている場合にも、傾斜、立ち木などの接近してくる障害物を避けることができるということを意味している。したがって、関心領域ROIは、より均質になる。
必要であれば、第2のステップと第3のステップとを、並行して実行することができる。
第4のステップ4において、関心領域ROIに基づいて、異なるグレースケールのグラフCLが決定される。
重要な関心事は、霧Fの存在が、グラフの形状に影響を与えるので、異なるグレースケールのグラフCLを検討することによって、霧Fの存在を決定することができるということである。
一実施形態において、この異なるグレースケールのグラフCLは次のように決定される。取得画像Iの各ラインLnにおいて、関心領域ROIのピクセルのみが考慮され、そして、それらのピクセルPxの属性が、各ラインにおける値GRを得るために利用される。この値GRは、例えば、ビデオ画像の場合には、次に説明するように、グレースケールの値である。
一典型実施形態において、この属性は、問題にしているラインLnの各ピクセルPxのグレースケールの中央値である。中央値を用いることの利点は、それによってグレースケールの平均値を見積ることができ、また、同時に、画像Iのノイズの問題を解決できるということである。
図4は、霧Fが存在していない状態における、第1の例のグレースケールのグラフCL1を含んでいる。一方、図5は、霧Fが存在している状態における、第2の例のグレースケールのグラフCL2を含んでいる。
図に見られるように、異なるグレースケールの各グラフにおいて、取得画像IにおけるラインLnの番号が、横座標に示されており、グレースケールの値GRが、縦座標に示されている。
地平線Hが、異なるグレースケールのグラフCL1とCL2との両方に加えられており、ほぼ横座標220の位置に引かれている。
ビデオカメラCAMの集積時間がわかっている場合には、このようなグラフCL1やCL2を、実施形態において、輝度曲線、視感度曲線のいずれにもすることができる。
ビデオカメラCAMの集積時間は、カメラセンサが露光されている時間を表わす。
第5のステップ5において、特定の関心点Hに関連付けて、異なるグレースケールのグラフCL内に、エリアAが決定される。
以下に示されるように、このグラフのエリアAを調べることによって、霧Fが存在するか否かを決定することができる。
上記のように、関心点は、地平線H上に位置しており、一実施形態において、このエリアAは、地平線Hに関連付けて決定される。
第1の代替実施形態において、このエリアAは、取得画像Iの上端から地平線Hに至るエリアである。したがって、エリアAは、地平線Hよりも上に位置しているエリアである。
この代替実施形態の利点は、霧が存在していない場合の、異なるグレースケールのグラフCL1を、道路の状況(例えば、道路の舗装、水分量など)などのパラメータに無関係な基準曲線として得ることができるということである。したがって、このようにして得られた、霧が存在していない場合の基準曲線のエリアA1は、ほぼ一定であり、したがって、得られたグラフCL1(以下、基準グラフと呼ぶこともある)は安定である(画像の上部は黒い)。
以下に示されるように、霧Fが存在している場合の、異なるグレースケールのグラフCL2のエリアA2は、基準グラフCL1のエリアA1と異なる。したがって、霧の存在を確証するために、グラフCL2を、安定な基準グラフCL1と比較して分析することは簡単なことである。
さらに、この代替実施形態の利点は、霧Fが存在しない場合には、自動車のヘッドランプからの光の拡散が、地平線Hよりも上には存在しないが、霧Fが存在する場合には、自動車のヘッドランプからの光ビームFXの、霧Fの粒子による反射によって生じる光拡散が存在するということである。異なるグレースケールのグラフを調べることによって、この光の拡散を識別することができる。
第2の代替実施形態において、このエリアAを、取得画像Iの下端から地平線Hまでのエリアであるように選択することもできる。
図6および図7に見られるように、それぞれ、霧Fが存在していないときと、霧Fが存在しているときとに取得された画像Iに対する、異なるグレースケールのグラフCL1およびCL2が、それぞれの画像Iに重ね合わされる(それらのグラフは、上述の図4および図5に示されているグラフ例に比して、90°だけ回転している)。
異なるグレースケールのグラフCL1およびCL2のそれぞれのエリアA1およびA2が、第1の代替実施形態にしたがって(画像の上部に)、それぞれ、図6および図7に水平ハッチングで示されている。
第6のステップ6において、霧Fの存在と、その濃度との両方が決定される。
第1の実施形態において、霧Fの存在、および、その濃度が、エリアAの少なくとも1つの閾値VAsに関連付けて決定される。
より詳細には、霧Fの存在、および、その濃度は、次のことを特定することができる、いくつかの閾値VAsに関連付けて決定される。
自動車は、霧Fを含むエリアに接近しているか、それから遠ざかっている。
自動車は、霧Fを含むエリア内にある。
霧Fの濃度は薄い。
霧Fの濃度は中間である、
霧Fの濃度は濃い。
霧Fの濃度は、可視距離DVMに関連している。
霧Fの濃度と可視距離DVMとの関係は、次のようになる。
低濃度:対応する可視距離DVMは、100メートルを超過する(例えば、100〜150メートル)。
中間濃度:対応する可視距離DVMは、60〜100メートルである。
高濃度:対応する可視距離DVMは、60メートル未満である。
図8は、ある期間にわたる、すなわち、一連のSQの取得画像Iにおける、異なるグレースケールのグラフで決定されたエリアAの変化の、一実施例を示している。
時間は、横座標に秒単位で示されており、また、エリアAは,縦座標にピクセル数で示されている。
時間t0=0において、エリアAの値は、霧が存在していないことを示している。一実施例において、値VA1は、図6に示されている、霧Fが存在していないときの、異なるグレースケールの基準グラフCL1におけるエリアA1に対応する1777ピクセル数に等しい。
画像が取得されるにつれて、エリアAの値は、自動車の周辺の大気および自動車の前方の大気の変化に依存して、したがって、自動車が現在位置している、または入ろうとしている場所の霧Fの有無に依存して変化する。
時間t0〜t1では、エリアAの値が増加していき、第1の閾値VAs1よりも大きくなることが示されている。これによって、t1において、霧Fの存在する場所に入っていくと推定することができる。
自動車Vは、まだ、霧Fの存在する場所に達していないが、そこに接近していることが検出されている。
このように、エリアAの漸進的な変化は、霧を含んでいる場所に接近しており、そこに入ろうとしていることを示している。したがって、前面カメラを用いることによって、事前に、霧Fを検出することができる。
一実施例において、第1の閾値VAs1は3000に等しい。この閾値以上では、信号中にノイズが存在していると推測することができる。
時間t2〜t3では、エリアAの値は、霧Fの1つの特性である第2の閾値VAs2よりも大きい。
したがって、自動車は、霧Fを含んでいる場所内にある。
一実施例において、この第2の閾値VAs2は、約7000ピクセル数のレベルにあり、中間濃度の霧に相当する。
例えば8057ピクセル数に等しい値VA2は、図7に示されている、霧Fが存在しているときの、異なるグレースケールのグラフCL2のエリアA2に対応しており、したがって、第2の閾値VAs2よりも上に位置している。
時間t3を過ぎると、エリアAの値は、再度、第2の閾値VAs2未満に低下して、次いで、次第に減少していく。これによって、自動車は、霧Fを含んでいる場所から離れつつあると推測することができる。
自動車Vが位置している場所の霧Fが高濃度であることを確証するために、第3の閾値VAs3が用いられる。一実施例において、この第3の閾値VAs3は、9000ピクセル数を超過する。
図8の例においては、第3の閾値VAs3に到達していない。
第2の実施形態において、霧Fの存在と、その濃度との両方を、可視距離DVMに関連付けて検出することができる。可視距離DVMは、上述の特定のエリアAに関連付けて決定される。
一実施形態において、用いるエリアAが、取得画像Iの上端から地平線Hまでのエリアである場合には、可視距離DVMと、問題にしているエリアAとの間の関係は、次の式で表わされる。
DVM = 275 − A×15/600 (1)
この場合、式(1)は、用いているアスファルトのタイプ、道路表面の質、または、道路の上述した、任意の他の特性に依存しない。
式(1)で、異なる係数を用いてもよいことは明白である。
霧Fの存在と、その濃度との両方を、このようにして計算された可視距離から推定することができる。
このように、一実施形態において、可視距離が150メートル未満である場合に、霧Fが存在していると推定することができる。
さらに、濃度に関しては、可視距離が60メートル未満であるときには、霧Fの濃度が濃いと推定することができ、一方、可視距離が60メートル以上であるときには、霧Fの濃度は、中間(60〜100メートル)か薄い(100〜150メートル)かのいずれかであると推定することができる。
したがって、可視距離DVMを計算することによって、自動車Vの運転者は、安全に運転するために、したがって、さらに、最適な車間距離を確保することができるように、超過するべきではない最高許容速度Vmaxに関する情報を得ることができる。一実施例において、90km/hの速度では、停止距離は約80メートルであることがわかっている。
これらの2つのモード(閾値VAsの使用、および、可視距離DVMの計算)を、併行して、または順次に行うように組み合わせることができる。
第7のステップ7において、霧Fが検出されて、その濃度が決定された後、そして、必要に応じて、可視距離DVMが計算された後、自動車Vに、リアルタイムに、適切な処理CDを行うことができる。
実施例において、この処理CDは、次の事項の1つであり得る。
ヘッドランプPJのロービームまたはハイビームの強度を増加させることによって(例えば、路上の白線を見やすくするために)、自動車VのヘッドランプPJのビームを自動的に適合させる、および/または、フォグランプ(前部および後部の)を点灯させる。または、
例えば、輝度を増加させることによって、またはフォグランプのスイッチを入れることによって、ヘッドランプPJの強度を増加させるように、自動車Vの運転者に警告信号を送る。または、
ヘッドランプのビームを、ハイビームからロービームに、またはその逆に自動的に切り替える。または、
自動車の速度を、この場合の最高許容速度Vmaxまで自動的に低下させる。または、
自動車Vの運転者に、最高許容速度、または、その自動車Vの停止距離を考慮に入れて、速度を落とすように忠告を与えるための警告信号を送るなど。
実施例において、霧Fの濃度に依存して、次のものを決定することができる。
可視距離DVMの、フォグランプ点灯のための閾値、および
与えられた閾値以上の可視距離DVMにおける、ロービームとハイビームとのヘッドランプPJの自動切り換え閾値、または
与えられた閾値未満の可視距離DVMにおける、ロービームとハイビームとのヘッドランプPJの自動切り換え閾値など。
実施例において、これらの各閾値を、現存する法規に基づいて、または、メーカー標準にしたがって定めることができる。
上述の方法によって、画像Iの処理が実行されるのと同時に、この第7のステップがなされる。
このようにして、例えば、ロービームまたはハイビームのどちらかへのヘッドランプPJのビーム設定の自動制御などの適切な処理CDが、視界を妨げる霧Fなどの事象が検出されたときに常に実行され、そして、そのような検出の各々は、画像Iのそれぞれの取得とともに生じるから、処理CDはリアルタイムに実行される。
さらに、処理CDを、次のものを用いて実行することができる。
可視距離DVMのみ(異なるグレースケールのグラフCLの閾値VAsを用いない)、または、
異なるグレースケールのグラフCLの閾値VAsのみ(可視距離DVMを用いない)、または、
可視距離DVMと、異なるグレースケールのグラフCLの閾値VAsとの両方。
本発明の方法は、図9に示されている検出装置DISPを用いて実行される。
この検出装置DISPは、自動車Vに搭載され、そして、詳細には、次の方法を実行する制御ユニットUCを備えている。
自動車Vの周囲Eを撮った画像I中に、少なくとも1つの関心点Hを決定するステップと、
画像I中に、関心領域ROIを決定するステップと、
関心領域ROIから、異なるグレースケールのグラフCLを決定するステップと、
与えられた関心点Hに関連付けて、異なるグレースケールのグラフCL中に、エリアAを決定するステップ。
制御ユニットUCは、さらに、ヘッドランプPJおよびビデオカメラCAMの制御、ロービームモードまたはハイビームモードのいずれかへのヘッドランプPJのビームの制御(自動調整)、およびフォグランプの自動切り換えの制御を行うこともできる。あるいは、また、制御ユニットUCは、適切な処理CDを実行することができる(警告信号を送ることによって)。
一実施形態において、検出装置DISPは、さらに、図9に示されているように、画像Iを取得することができるビデオカメラCAMを備えることもできる。この場合、制御ユニットUCを、ビデオカメラCAM内に組み込むこともできる。
ビデオカメラCAMは、一実施例において、自動車Vのフロントガラスの後方に位置している。更なる一実施例において、ビデオカメラCAMは、自動車VのヘッドランプPJの1つの近傍に配置されている。
ビデオカメラCAMは、例えば、640×480の解像度を有する(言い換えると、8ビット(1ピクセル当たり)の取得画像Iは、640コラムおよび480ラインを有する)VGAタイプであり、かつ、この目的のためのレンズ(図示せず)を備えている。このようにして取得された画像Iは、最大解像度を有する。
特定の値GRが、各ピクセルPxの属性として存在する。この値GRは、カメラで用いられる処理操作(カメラの集積時間、応答曲線、利得などの制御)の基となるグレースケールの値として知られている。グレースケールのこの値は、種々の形式で、例えば、8ビットや12ビットの形式で、または任意の他の形式で表わすことができる。
例えば、8ビットピクセルのグレースケールは、例えば0〜255であり、12ビットピクセルのグレースケールは、例えば0〜4095である。
一実施形態において、ビデオカメラCAMは、1秒当たり10画像を取得する。
異なる解像度を有する、異なるタイプのカメラを用いることもできる。
霧Fを検出するために用いるビデオカメラCAMを、さらに、次のような、他の公知の機能のために用いることができる。
路面標識用の白線の検出(それによって、無意識に白線を横切ることを避けることができるように)、および
ヘッドランプのロービームとハイビームとの自動切り換え、または、対向車両が出現した場合の自動再切り換え(対向車両の眩惑を防止するための)など。
さらに、上述の方法のステップの全ては、ビデオカメラCAMによって取得された1つ以上(一連のSQ)の画像Iに対して実行され、そして、それは、リアルタイムになされる。すなわち、1秒当たり10枚の一連の画像を、ビデオカメラCAMによって取得する例においては、ステップ全体で要する時間は、1/10秒を超過しない。したがって、この方法は、非常に高速で行われる。
上述の検出方法は、ソフトウェアでプログラムされたマイクロデバイス、有線論理システム、および/または電子ハードウェア部品を用いて実行することができる。
したがって、検出装置DISPは、マイクロプロセッサなどのデータ処理ユニット、または、マイクロコントローラ、ASICまたはコンピュータなどの処理ユニットによって実行することができる、1つ以上の命令系列を含むコンピュータプログラム製品PGを有することができる。この命令系列を実行することによって、本発明の方法を行わせることができる。
このようなコンピュータプログラム製品PGは、ROMタイプの不揮発性の書き込み不能なメモリ、または、EEPROMまたはFLASHタイプの不揮発性の再書き込み可能なメモリに記憶させることができる。このコンピュータプログラム製品PGは、製造中にメモリに書き込むことができる、または、メモリにロードすることができる、または、遠隔操作によってメモリにロードすることができる。命令系列は、機械語命令系列、または、それに代えて、実行時に、処理ユニットによって機械語に翻訳処理される制御語系列であってもよい。
図9に示されている実施例において、コンピュータプログラム製品PGは、検出装置DISPの制御ユニットUCのメモリに書き込まれている。
本発明の方法は、上述の各実施形態および実施例に限定されない。
したがって、上述の方法には、例えばフォグランプの点灯などの適切な処理CDを行うために、後部に搭載されたカメラおよびテールランプを用いることもできる。
さらに、決定された関心領域ROIが、十分に均質でない場合には、それを用いずに、その後の取得画像I上に関心領域ROIが決定されるまで待機することも可能である。
最後に、本発明を、上述の自動車と異なる分野に適用することもできる。
したがって、本発明は、次の長所を有する。
視界を妨げる霧Fなどの事象の存在を検出して、適切な処理CDを開始することができる。
霧Fの濃度を計算することができる。
可視距離DVMを、自動車Vのユーザに対して決定することができる。
実行が容易である(関心領域、地平線H、異なるグレースケールのグラフ、および、そのエリアAの決定が容易に行われる)。
車両のシャーシ上にいかなる邪魔な装置も取り付けることなく、信号ランプまたはヘッドランプなどの照明システムまたは信号システムに容易に統合することができる(カメラ、ソフトウェア/ハードウェア)。
自動車が入る前に、接近してくる霧の一部を、前もって検出することによって、霧の存在を予測することができる。
したがって、例えば、視界を妨げる事象を検出するための1つのカメラと、路面標識を検出するためのもう1つのカメラとの2つのカメラを用いることが不要である。したがって、両機能が、多機能な単一のカメラによって達成される。
本発明による検出方法の一実施形態を示す図である。 図1に示されている検出方法によって取得された、霧が存在していない場合の、自動車の周囲の画像の線図である。 図1に示されている検出方法によって取得された、霧が存在している場合の、自動車の周囲の画像の線図である。 図2の画像の図、および、対応するグレースケールのグラフである。 図3の画像の図、および、対応するグレースケールのグラフである。 対応するグレースケールのグラフが重ね合わされた図2の画像、および、グレースケールのグラフ内のエリアを示す図である。 対応するグレースケールのグラフが重ね合わされた図3の画像、および、グレースケールのグラフ内のエリアを示す図である。 図1に示されている検出方法によって計算された、グレースケールのグラフ内のエリアの時間変化を示す図である。 図1に示されている検出方法を行うための装置の非限定的な一実施形態を示す図である。
CAM ビデオカメラ
DISP 検出装置
E 周囲
FX 光ビーム
PG コンピュータプログラム製品
PJ ヘッドランプ
UC 制御ユニット
V 自動車

Claims (5)

  1. − 自動車(V)のヘッドランプ(PJ)の少なくとも1つからの光ビーム(FX)を、該自動車(V)の周囲(E)に放射するステップと、
    − 前記自動車(V)の周囲(E)を撮った画像(I)中に、少なくとも1つの関心点(H)を決定するステップと、
    前記関心点(H)は、前記画像(I)中の地平線上に位置し、
    − 前記画像(I)中に、関心領域(ROI)を決定するステップと、
    前記関心領域(ROI)は、前記画像(I)内の基準点(PR)を通過する垂直直線の両側に位置し、前記基準点(PR)の近傍にあり、
    − 前記関心領域(ROI)から、グレースケール(GR)のグラフ(CL)を決定するステップと、
    − 前記決定された関心点(H)に関連付けて、グレースケール(GR)のグラフ(CL)中に、エリア(A)を決定するステップと、
    − 前記画像(I)の前記関心領域(ROI)内におけるライン(Ln)上の各ピクセル(Px)に対する前記グレースケールの中央値を利用して、前記グレースケールの値(GR)を決定するステップと、
    − 前記ライン(Ln)それぞれに該当する前記グレースケールの値(GR)をグラフ(CL)に沿って積算することによって、前記エリア(A)を決定するステップと、
    − 前記エリア(A)少なくとも1つの閾値(VAs)とを比較して、前記視界を妨げる事象(F)を決定するステップとを含み、
    前記エリア(A)は、前記自動車(V)を囲む大気と前記自動車(V)の前方の大気の変化に関連して、したがって、前記大気を変化させる前記視界を妨げる事象(F)の存在に関連して変化し、
    所定の技法である、前記画像の前記地平線から上方および下方に向かって領域を増加させるアルゴリズムを用いて決定される、自動車(V)の周囲(E)の視界を妨げる事象(F)を検出する検出方法。
  2. 前記エリア(A)に関連付けて、可視距離(DVM)を決定するステップを含む、請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記関心領域(ROI)は、前記自動車(V)のハンドル角度(α)に関連付けて、前記画像(I)中に決定される、請求項1または2のいずれか1つに記載の検出方法。
  4. ・自動車(V)の周囲(E)に、光ビーム(FX)を放射するための
    − 少なくとも1つのヘッドランプ(PJ)と、
    ・前記自動車(V)の周囲(E)を撮った画像(I)中に、少なくとも1つの関心点(H)を決定し、
    前記関心点(H)は、前記画像(I)中の地平線上に位置し、
    ・前記画像(I)中に、関心領域(ROI)を決定し、
    前記関心領域(ROI)は、前記画像(I)内の基準点(PR)を通過する垂直直線の両側に位置し、前記基準点(PR)の近傍にあり、
    ・前記関心領域(ROI)に基づいて、グレースケール(GR)のグラフ(CL)を決定し、
    ・前記関心点(H)に関連付けて、前記グレースケール(GR)のグラフ(CL)中に、エリア(A)を決定し、
    ・前記グレースケールの値(GR)は、前記画像(I)の前記関心領域(ROI)内におけるライン(Ln)上の各ピクセル(Px)に対する前記グレースケールの中央値を利用して決定し、
    ・前記ライン(Ln)それぞれに該当する前記グレースケールの値(GR)をグラフ(CL)に沿って積算することによって、前記エリア(A)を決定し、
    前記エリア(A)と少なくとも1つの閾値(VAs)とを比較して、前記視界を妨げる事象(F)を決定するための、
    − 制御ユニット(UC)とを備え、
    前記エリア(A)は、前記自動車(V)を囲む大気と前記自動車(V)の前方の大気の変化に関連して、したがって、前記大気を変化させる前記視界を妨げる事象(F)の存在に関連して変化し、
    所定の技法である、前記画像の前記地平線から上方および下方に向かって領域を増加させるアルゴリズムを用いて決定される、自動車の周囲(E)の視界を妨げる事象(F)を検出するための装置(DISP)。
  5. データ処理ユニットによって遂行することができる、1つ以上の命令系列を含むコンピュータプログラムであって、該命令系列を実行することによって、請求項1〜3のいずれか1つに記載の検出方法が行われるコンピュータプログラム。
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