JP2010143507A - 車両エンジン用冷却装置 - Google Patents

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Takashi Amano
貴士 天野
Takeshi Kotani
武史 小谷
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Abstract

【課題】車両の空気抵抗を低減と、排気路への冷却とを行う。
【解決手段】車両1のフロントグリルとして、車両外から導入した空気をラジエータ4に導入する第1のフロントグリル7と、車両外から導入した空気をエンジンルーム2内の排気路6に導入する第2のフロントグリル8と、を設け、第1のフロントグリル7に開度調整のためのシャッタ機構9を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両エンジン用冷却装置に関し、特に、車両外から車両のエンジンルーム内に空気を取り込む車両エンジン用冷却装置に関する。
車両のフロント部には空気導入口であるフロントグリルが設けられている。フロントグリルは車両外の空気をエンジンルーム内に取り込む。
エンジンルーム内に取り込まれた車両外の空気は、フロントグリルの後方に設けられたラジエータを冷却する。ラジエータにはエンジンからエンジン冷却後の高温の冷却液が戻され、取り込まれた空気に熱を放出することにより冷却液が冷却される。ラジエータを通過した空気は、ラジエータの後方に設けられたエンジンや、エンジンに接続された排気路を冷却する。
一方、フロントグリルから車両外の空気を取り込むと車両の空気抵抗係数が高くなることが知られている。空気抵抗係数は車両にかかる空気抵抗の大きさを表しており、空気抵抗係数が高いと車両の燃料消費率は増加する。
空気抵抗係数はフロントグリルの開度を小さくすることによって低減できることが知られている。そこで、特許文献1、2に記載されているように、フロントグリルの開度を調節するシャッタ機構を設け、エンジンからラジエータに戻ってくる冷却液の温度などを測定してエンジンルーム内に取り込む空気の流量を判断し、空気の流量に応じてフロントグリルの開度を調節することにより空気抵抗係数を低減する技術が知られている。たとえば、始動後のエンジンを適温まで暖める間の運転状態を暖機運転と呼ぶが、この暖機運転中はラジエータを冷やす必要がないため、フロントグリルを閉じた状態にして車両の空気抵抗を低減させている。
実開昭64−16422号公報 特開2007−320527号公報
エンジン始動後、エンジンに接続された排気路には高温の排気ガスが排出される。フロントグリルを閉じたまま暖機運転を続けると排気路が冷却されないために排気路が高温になるおそれがある。
また、車両が高速走行をしている間、排気路にはエンジンから大量の排気ガスが流されることから、低速走行時に比べて排気路は高温になりやすい。そのため、従来のフロントグリルにおいては排気路の過熱防止のためにフロントグリルを全開にしており、高速走行時に車両抵抗を低減することは困難であった。
そこで、本発明は、車両の空気抵抗の低減と、排気路の冷却とを行うことができる車両エンジン用冷却装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる車両エンジン用冷却装置は、車両外の空気を車両のエンジンルーム内に導入する空気導入口と、エンジンルーム内に設けられ、車両外から導入された空気に熱を放出するラジエータと、エンジンから排出された排気ガスが通過するエンジンルーム内の排気路と、を備えた車両エンジン用冷却装置であって、空気導入口は、車両外から導入した空気をラジエータに導入する第1の空気導入口と、車両外から導入した空気をエンジンルーム内の排気路に導入する第2の空気導入口と、を備え、第1の空気導入口には、第1の空気導入口の開度を調整する開度調整機構が備えられている、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる車両エンジン用冷却装置は、第2の空気導入口には、第2の空気導入口の開度を調整する開度調整機構が備えられている、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる車両エンジン用冷却装置は、第1の空気導入口と第2の空気導入口との間に仕切り壁を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、排気路を冷却する空気は第2の空気導入口により確保されているから、ラジエータ冷却用の第1の空気導入口の開度を小さくしても排気路の冷却が十分に行われる。第1の空気導入口の開度を小さくできる分、車両の空気抵抗を低減することができる。
以下、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。
図1は、車両1のエンジンルーム2の内部を示す。エンジンルーム2の内部には、エンジン3、ラジエータ4、及び車両の運転状態を制御するECU5等が設けられている。エンジン3の前方には排気路6が接続され、エンジン3から排出された排気ガスが排気路6に流れる。
また、車両1のフロント部には空気導入口であるラジエータ冷却用の第1のフロントグリル7と、排気路冷却用の第2のフロントグリル8とが設けられている。第1のフロントグリル7から取り込まれた空気は後方に設けられたラジエータ4に送られる。第2のフロントグリル8から取り込まれた空気はラジエータ4下部の空隙を通って排気路6に送られる。つまり、第2のフロントグリル8から取り込まれた空気はラジエータ4には遮られずに排気路6に送られる。
第1のフロントグリル7には開度調整機構であるシャッタ機構9が設けられている。シャッタ機構9は、車両の運転状態に応じて第1のフロントグリル7の開度を制御している。シャッタ機構9の開度調整について、以下に説明する。
エンジン始動後、エンジン3の温度が低く適温に到っていないとき、ECU5は車両の運転状態を暖機運転状態にする。暖機運転時はエンジン3を暖めるため、エンジン3からラジエータ4に冷却液を戻さないようにしており、ラジエータ冷却が不要になる。このとき、シャッタ機構9は第1のフロントグリル7を閉じている。これにより走行中の車両にかかる空気抵抗が低減する。
一方、第2のフロントグリル8からは空気が取り込まれ、排気路6に送られる。エンジン3から高温の排気ガスが流れる排気路6はこの空気によって冷やされる。
このように、暖機運転中に第1のフロントグリル7を閉じても第2のフロントグリル8が排気路6に冷却に必要な空気を確保するので排気路6の過熱は避けられる。加えて第1のフロントグリル7を閉じる分、車両の空気抵抗を低減することができる。
エンジン3の温度が適温になると、ECU5は暖機運転から通常運転に車両の運転状態を切り替える。通常運転時はエンジン3からラジエータ4に冷却液を戻すようにしていることから、シャッタ機構9は第1のフロントグリル7を閉じた状態から開いた状態にしてラジエータ4を冷却する。このとき、第1のフロントグリル7の開度は、冷却液の温度を測定する温度センサが検知した温度に応じて調整される。
通常運転時、特に車両が高速走行を行っている間についてのシャッタ機構9の開度調整について説明する。高速走行時はフロントグリルから取り込まれる空気量は低速走行時に比べて増加する。このとき、第1のフロントグリル7を全開にしなくても十分にラジエータ4の冷却が行えるので、シャッタ機構9は第1のフロントグリル7の開度を半開程度に小さくする。
他方、第2のフロントグリル8からは大量の空気が取り込まれる。前述したように高速走行時の排気路6は低速走行時よりも高温になるが、第2のフロントグリル8から取り込まれる空気量も高速走行時に増加する。したがって排気路6は第2のフロントグリル8から取り込まれる空気によって十分に冷却される。
このように、高速走行時であっても第2のフロントグリル8が排気路6の冷却に必要な空気量を確保しているので、第1のフロントグリル7の開度を小さくしても排気路6の冷却を十分に行うことができる。第1のフロントグリル7の開度を小さくできる分、従来よりも車両1の空気抵抗を低減することが可能になる。
なお、図1においては第1のフロントグリル7のみにシャッタ機構9が設けられていたが、図2に示すように第1のフロントグリル7に対する第1のシャッタ機構10に加えて、第2のフロントグリル8に対する第2のシャッタ機構11を設けても良い。本発明における車両においては、第1のフロントグリル7は第2のフロントグリル8よりも面積が大きくなるように形成されており、第1のフロントグリル7を閉じるだけでも車両抵抗を低減する効果は高いが、さらに第2のシャッタ機構11を設けることで排気路6に送る空気量を減らしても良いときなどに車両抵抗の一層の低減を図ることができる。
さらに、図3に示すように、第1のフロントグリル7と第2のフロントグリル8との間に仕切り壁12を設けても良い。空気の流れにより、第2のフロントグリル8から取り込まれた空気の一部がラジエータ4に向かうことがあるが、仕切り壁12を設けることにより空気の流れに関係なく第2のフロントグリル8から排気路6に無駄なく空気を送ることができる。また、仕切り壁12に代えて、図4のように第2のフロントグリル8と排気路6との間に送風筒13を設けても良い。
また、図1から図4では第1のフロントグリル7と第2のフロントグリル8を上下に配置していたが、この配置に限られない。第2のフロントグリル8から取り込まれた空気がラジエータ4に遮られなければよいのであるから、ラジエータ4の形状によって第1、第2のフロントグリルの配置は種々変更することができる。例えば、図5のように、ラジエータ4の横方向の長さがエンジンルームの横幅よりも短い場合には、車両のフロント部の中央部に第1のフロントグリル7を配置し、フロント部の側部に第2のフロントグリル8を配置しても良い。
また、図1から図5の第1、第2のフロントグリルのように、空気導入口であるグリルを車両のフロント部に配置していたが、グリルの配置はフロント部に限られない。例えば、図6に示すように排気路冷却用のグリル14と第2のシャッタ機構11をボンネット15に配置したり、またはエンジンルームの側面に設けることもできる。フロント部にグリルを設けるよりもグリルから排気路までの距離が短くなるため、さらなる冷却効果が期待できる。
さらに、図1から図6の実施形態においては、フロントグリルの開度調整機構としてシャッタ機構を挙げていたが、これに限られない。例えば、シャッタ機構に代えてブラインド式の開度調整機構を備えても良い。
車両のエンジンルームを示す概略図である。 車両のエンジンルームを示す他の概略図である。 車両のエンジンルームを示す他の概略図である。 車両のエンジンルームを示す他の概略図である。 車両のフロントグリルの配置を示す概略図である。 車両のグリルの配置を示す図である。
符号の説明
1 車両、2 エンジンルーム、3 エンジン、4 ラジエータ、5 ECU、6 排気路、7 第1のフロントグリル、8 第2のフロントグリル、9 シャッタ機構。

Claims (3)

  1. 車両外の空気を車両のエンジンルーム内に導入する空気導入口と、
    エンジンルーム内に設けられ、車両外から導入された空気に熱を放出するラジエータと、
    エンジンから排出された排気ガスが通過するエンジンルーム内の排気路と、
    を備えた車両エンジン用冷却装置であって、
    空気導入口は、
    車両外から導入した空気をラジエータに導入する第1の空気導入口と、
    車両外から導入した空気をエンジンルーム内の排気路に導入する第2の空気導入口と、を備え、
    前記第1の空気導入口には、前記第1の空気導入口の開度を調整する開度調整機構が備えられている、
    ことを特徴とする車両エンジン用冷却装置。
  2. 請求項1記載の車両エンジン用冷却装置であって、
    前記第2の空気導入口には、前記第2の空気導入口の開度を調整する開度調整機構が備えられている、
    ことを特徴とする車両エンジン用冷却装置。
  3. 請求項2記載の車両エンジン用冷却装置であって、
    前記第1の空気導入口と前記第2の空気導入口との間に仕切り壁を備えたことを特徴とする車両エンジン用冷却装置。
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