JP2010143321A - 船外機制御装置およびそれを備えた船舶 - Google Patents

船外機制御装置およびそれを備えた船舶 Download PDF

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Abstract

【課題】一部の船外機の転舵角制御に故障が生じたときでも、推進力を最大限に確保し、かつ、旋回性を確保する。
【解決手段】コントローラ6は、ステアリングハンドル5aの操舵角に応じて、左舷船外機3Lおよび右舷船外機3Rのための転舵用モータ24L,24Rを制御する。コントローラ6は、個別転舵制御ユニット32、故障判定ユニット34、転舵角制御停止ユニット35および転舵角範囲制限ユニット36としての機能を実行する。コントローラ6は、船外機3の転舵角制御に故障が生じているかどうかを判定する。故障と判定された船外機については転舵角制御が停止される。コントローラ6は、転舵角制御が停止された船外機の転舵角に応じて、正常な船外機の転舵角範囲を制限する。制限された転舵角範囲で正常な船外機の転舵角制御が実行される。
【選択図】図3

Description

この発明は、複数の船外機を制御するための船外機制御装置、およびそれを備えた船舶に関する。
船外機は、船舶のための推進機であり、一般に、原動機と、原動機によって駆動されるプロペラとを備えている。船外機は、左右方向への転舵が可能な状態で船尾に取り付けられる。船外機の転舵角を制御するために、転舵機構が船舶に装備される。転舵機構は、操船者によるステアリングハンドルの操作に応じて、船外機を転舵させる。船尾に複数の船外機を装備した多機掛けの構成とする場合には、操舵装置は、複数の船外機を同期して転舵させる。
下記特許文献1には、ステアリングハンドルの操舵角を操舵角センサで検出し、その検出結果に応じて2つの船外機を転舵させる構成が開示されている。この特許文献1には、さらに、舵取り装置に故障が生じたときに、転舵角を固定し、両船外機の出力差のみで船舶の旋回動作を行うための制御が開示されている。
特開2007−91115号公報
特許文献1の構成では、舵取り装置が故障した船外機のみならず、正常な舵取り装置に対応した船外機の転舵角も固定し、専ら、船外機の出力差によって船舶の旋回性を確保している。しかし、推進力を犠牲にして船舶の旋回性を確保する構成であるため、船舶の航走速度が犠牲となる。また、ステアリングハンドルの操舵角に応じて推進力を制御する必要があるので、制御内容が複雑であるという問題もある。
そこで、この発明の目的は、一部の船外機の転舵角制御に故障が生じたときでも、推進力を最大限に確保し、かつ、旋回性を確保することができる船外機制御装置およびそれを備えた船舶を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、複数の船外機を制御するための船外機制御装置であって、いずれかの船外機の転舵角制御に故障が生じているかどうかを判定する故障判定手段と、前記故障判定手段によって転舵角制御に故障が生じていると判定された船外機の転舵角制御を停止する転舵角制御停止手段と、前記転舵角制御に故障が生じた船外機の転舵角に応じて、正常な他の船外機の転舵角範囲を制限する転舵角範囲制限手段と、前記転舵角範囲制限手段によって制限された転舵角範囲で前記正常な船外機の転舵角制御を行う転舵角制御手段とを含む、船外機制御装置である。
この構成によれば、いずれかの船外機の転舵角制御に故障が生じると、当該船外機の転舵角制御が停止される。そして、転舵角制御に故障が生じた船外機の転舵角に応じて、正常な(転舵角制御に故障の生じていない)他の船外機の転舵角範囲が制限される。この制限された転舵角範囲で正常な船外機の転舵角制御が行われることになる。こうして、いずれかの船外機の転舵角制御に故障が生じた場合であっても、制限された転舵角範囲内ではあるけれども、他の正常な船外機の転舵角制御は継続される。これにより、正常な船外機の推進力を利用して一定以上の航走速度を確保でき、かつ正常な船外機の転舵角制御によって船舶の旋回性を確保できる。
転舵角制御の故障の例としては、船外機を転舵させるための転舵機構の故障、転舵角を検出する転舵角センサの故障、転舵角センサからコントローラへの信号線の断線・短絡故障、コントローラから転舵機構への制御信号伝送系の故障(断線・短絡等)などがある。
転舵角範囲制限手段は、正常な船外機の転舵角範囲を、転舵角制御が停止された船外機との機械的干渉を回避できる最大範囲に制限するものであることが好ましい。これにより、船舶の旋回性を最大限に確保することができる。
請求項2記載の発明は、転舵角制御に故障が生じた船外機を予め定める退避転舵角まで転舵させる退避制御手段をさらに含み、前記転舵角制御停止手段は、転舵角制御に故障が生じた船外機が前記退避転舵角まで転舵された後に、当該船外機に関する転舵角制御を停止するものである、請求項1記載の船外機制御装置である。
転舵角制御に故障が生じた場合でも、船外機の転舵が可能な場合がある。たとえば、転舵機構による転舵時の機械的抵抗(摩擦等)が大きくなったために、転舵速度が遅くなった場合(応答不良)が該当する。このような場合には、転舵角制御に故障が生じた船外機を、その転舵制御の停止に先立って、他の正常な船外機の転舵に対する制限が最小限となるように退避させておくことが好ましい。これにより、正常な船外機の転舵角範囲を最大限に確保することができるので、船舶の旋回性の確保が容易になる。
請求項3記載の発明は、前記故障判定手段によって転舵角制御に故障が生じていると判定された船外機の転舵が可能かどうかを判定する転舵可否判定手段をさらに含み、前記退避制御手段は、当該船外機が転舵可能と判定された場合に前記退避転舵角まで当該船外機を転舵させるものであり、前記転舵角制御停止手段は、当該船外機が転舵不能と判定された場合には、前記退避転舵角への当該船外機の転舵を待つことなく当該船外機に関する転舵角制御を停止するものである、請求項2記載の船外機制御装置である。
この構成によれば、いずれかの船外機の転舵角制御に故障が生じると、その船外機の転舵が可能かどうかが判断される。転舵が可能であれば、退避転舵角まで当該船外機が転舵される。これにより、他の正常な船外機の最大転舵角範囲を確保できる。転舵が不可能であれば、当該船外機はそのとき(故障発生と判定されたとき)の転舵角位置で停止される。この停止位置に応じて、他の正常な船外機の転舵角範囲が制限されることになる。
請求項4記載の発明は、前記退避転舵角は、転舵角範囲の一端に定められている、請求項2または3記載の船外機制御装置である。
この構成によれば、いずれかの船外機の転舵角制御に故障が生じると、その船外機が転舵角範囲の一端まで転舵される。これにより、他の正常な船外機に対して最大限の転舵角範囲を確保できるので、船舶の旋回性の確保が容易になる。
とくに、複数の船外機が並べて配置される場合に、配列方向に関して最も端に配置された船外機に対して、退避転舵角を転舵角範囲の一端に定めることが好ましい。より具体的には、船舶の左右方向に複数の船外機が配置される場合に、右端の船外機は、右最大転舵角を退避転舵角とし、左端の船外機は左最大転舵角を退避転舵角とすればよい。これにより、それらに隣接する他の船外機は、最大限の転舵角範囲を確保できる。
請求項5記載の発明は、前記退避転舵角は、転舵角範囲の中央に定められている、請求項2または3記載の船外機制御装置である。
両側に別の船外機が隣接配置された船外機の転舵角制御に故障が生じたときには、当該船外機を転舵角範囲の中央に退避させることにより、両側の船外機は、それぞれ一定の転舵角範囲を確保できる。
請求項6記載の発明は、前記退避転舵角は、前記複数の船外機に対して個別に設定されている、請求項2または3記載の船外機制御装置である。
具体的には、配列方向の一端に配置された船外機の退避転舵角は、転舵角範囲の当該一端側最大転舵角とされることが好ましい。また、両側に他の船外機が配置されている船外機の退避転舵角は、転舵角範囲の中央の転舵角とされることが好ましい。
請求項7記載の発明は、前記船外機制御装置は、前記複数の船外機を個別に転舵させるための転舵アクチュエータを制御するものであり、転舵角制御に故障が生じた船外機を、前記転舵アクチュエータの負荷が所定値に達するまで転舵させることによって退避させる退避制御手段をさらに含み、前記転舵角制御停止手段は、転舵角制御に故障が生じた船外機が前記退避制御手段によって退避させられた後に、当該船外機に関する転舵角制御を停止するものである、請求項1記載の船外機制御装置である。
この構成によれば、いずれかの船外機の転舵角制御に故障が生じると、当該船外機に対応する転舵アクチュエータの負荷が所定値に達するまで当該船外機の転舵が行われる。これにより、船外機は、可能な限り他の正常な船外機の転舵を阻害しないように退避させられる。具体的には、転舵角制御に故障が生じた船外機が機械的な転舵限界まで転舵されると、転舵アクチュエータの負荷が大きくなる。これにより、当該船外機は、機械的な転舵限界まで退避されることになる。換言すれば、機械的な転舵限界に対応する転舵角が退避転舵角となっている。
前記転舵アクチュエータは、電動アクチュエータ(たとえば電動モータ)であってもよい。この場合、転舵角制御に故障が生じた船外機は、負荷電流が所定値に達するまで転舵され、その後に転舵角制御が停止される。
請求項8記載の発明は、転舵角制御に故障が生じた船外機を転舵させる前に、当該船外機の推進力発生を停止させる推進力制御手段をさらに含む、請求項2〜7のいずれか一項に記載の船外機制御装置である。
この構成によれば、いずれかの船外機の転舵角制御に故障が生じると、当該船外機の推進力発生が停止され、その後に、当該船外機が退避転舵角まで退避させられる。これにより、船外機の退避の際に、操船者の意図しない方向への推進力が船舶に作用することを回避できる。
請求項9記載の発明は、船体と、前記船体に搭載された複数の船外機と、前記複数の船外機を制御する請求項1〜8のいずれか一項に記載の船外機制御装置とを含む、船舶である。
この構成によれば、いずれかの船外機の転舵角制御に故障が生じると、当該船外機の転舵角制御を停止する一方で、他の正常な船外機の転舵角制御は継続される。これにより、正常な船外機が発生する推進力を最大限に利用して一定以上の航走速度を確保でき、かつ、当該正常な船外機の転舵角制御によって船舶の旋回性を確保することができる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る船舶の構成を説明するための図解的な平面図である。船舶1は、船体2と、一対の船外機3と、一対の転舵機構4と、操作部5と、コントローラ6とを備えている。
一対の船外機3は、船体後尾の右舷に配置された右舷船外機3Rと、船体後尾の左舷に配置された左舷船外機3Lとを含む。一対の船外機3は、船体2の船尾板2aに左右に並んで取り付けられており、左右方向の揺動(転舵)が可能な状態とされている。船外機3は、原動機としてのエンジン(内燃機関)10と、このエンジン10によって回転駆動されるプロペラ11とを有している。エンジン10が収容された上部はトップカウリング12によって保護されている。このトップカウリング12は、平面視において流線形(しずく形)の外形を有しており、このトップカウリング12によって、船外機3の平面視外形が規定されている。すなわち、船外機3は、後方に向かうに従って(より正確には揺動中心から離れるに従って)幅広となる平面視外形を有している。
一対の転舵機構4は、左舷船外機3Lに対応した左舷転舵機構4Lと、右舷船外機3Rに対応した右舷転舵機構4Rとを含む。左舷転舵機構4Lは、左舷船外機3Lを左右に揺動(転舵)させる。右舷転舵機構4Rは、右舷船外機3Rを左右に揺動(転舵)させる。
操作部5は、操船者によって操作されるステアリングハンドル5aと、このステアリングハンドル5aの操舵角(操作角)を検出する操舵角センサ5bとを備えている。この操舵角センサ5bの出力信号は、コントローラ6に入力されるようになっている。
コントローラ6は、いわゆる電子制御ユニット(ECU)であり、マイクロコンピュータを備えている。コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角に応じて、転舵機構4の動作を制御する。また、制御系統の図示は省略するけれども、コントローラ6は、エンジン10の出力を制御する機能も備えている。
図2は、転舵機構4の構成を説明するための平面断面図である。船外機3は、クランプブラケット7およびスイベルブラケット8を介して船体2の船尾板2a(図1参照)に取り付けられている。より具体的には、船尾板2aにクランプブラケット7が固定されており、このクランプブラケット7にスイベルブラケット8が結合されている。さらに、スイベルブラケット8に対して、船外機3が左右方向の揺動(転舵)が可能な状態で取り付けられている。さらに詳細に説明すると、クランプブラケット7は、左右方向に延びたチルト軸15を介してスイベルブラケット8を上下方向に回動自在に支持している。スイベルブラケット8は、その後端に立設されたステアリング軸16を有している。このステアリング軸16に対して、船外機3の本体17が左右方向に回動自在に支持されている。
船外機本体17には、ステアリング軸16よりも前方側へと延びて突出したステアリングブラケット18が設けられている。このステアリングブラケット18をステアリング軸16まわりに揺動させることにより、船外機3をスイベルブラケット8に対して左右に転舵させることができる。
左右の船外機3L,3R間に機械的な結合はなく、それぞれ独立に転舵できるようになっている。ただし、左右の船外機3L,3Rは、互いに接近して配置されているので、無秩序な転舵を行えば、互いに衝突するおそれがある。このような衝突が生じないように、コントローラ6によって左右の転舵機構4L,4Rが制御される。
転舵機構4は、左右一対の支持部材21と、ボールねじ軸22と、ボールねじナット23と、転舵アクチュエータとしての転舵用モータ24とを備えている。一対の支持部材21は、クランプブラケット7にチルト軸15を介して回動自在に支持されている。これらの支持部材21の間にボールねじ軸22が架け渡されている。このボールねじ軸22にボールねじナット23が螺合している。転舵用モータ24はボールねじナット23をボールねじ軸22まわりに回転させるものであり、ボールねじナット23を収容するハウジング25を有している。以下、左舷転舵機構4Lおよび右舷転舵機構4Rにそれぞれ対応する転舵用モータ24を区別するときには、それぞれ「左舷転舵用モータ24L」および「右舷転舵用モータ24R」などという。
ボールねじ軸22は、その軸線が船体2の左右方向に沿うように支持部材21に支持されている。ボールねじナット23は、ハウジング25内で回転自在に支持されており、かつ、ハウジング25の軸方向(ボールねじ軸22の軸方向と平行)への移動が規制されている。
転舵用モータ24は、ハウジング25内に固定されたステータ26を備え、このステータ26のコイル(図示せず)に通電することによって、ロータとしてのボールねじナット23を回転駆動する。この転舵用モータ24の回転が、コントローラ6によって制御されるようになっている。ハウジング25内には、ボールねじナット23の回転を検出することにより、船外機3の転舵角を検出する転舵角センサ30が備えられている。転舵角センサ30は、たとえば、ボールねじナット23の外周面に形成された多数の溝(突条)を磁束の変化によって検出するギャップセンサで構成することができる。以下、左舷転舵機構4Lおよび右舷転舵機構4Rにそれぞれ付設された転舵角センサ30を区別するときには、それぞれ「左舷転舵角センサ30L」および「右舷転舵角センサ30R」などという。
ハウジング25は、船外機3に向かって後方に延びる転舵用アーム27を備えている。この転舵用アーム27の後端には、連結用ピン28が立設されている。この連結用ピン28に、ステアリングブラケット18の先端に形成された長孔29が遊嵌されている。これにより、転舵用アーム27に対してステアリングブラケット18が回動自在に連結されている。
このような構成により、転舵用モータ24によってボールねじナット23を回転させると、ボールねじナット23がボールねじ軸22に沿って左右方向に移動する。これにより、ハウジング25の左右方向移動が引き起こされ、転舵用アーム27に結合されたステアリングブラケット18がステアリング軸16まわりに揺動する。その結果、ステアリングブラケット18に結合された船外機3の転舵が達成される。
図3は、前記船舶の転舵制御に関連する電気的構成を説明するためのブロック図である。コントローラ6には、操舵角センサ5bおよび左右の転舵角センサ30L,30Rの出力信号が入力されるようになっている。これらの信号に基づいて、コントローラ6は、左右の転舵機構4L,4Rに備えられた転舵用モータ24L,24Rを制御する。
コントローラ6は、CPUおよびメモリを備え、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理ユニットとしての機能を実現する。より具体的には、コントローラ6は、個別転舵角設定ユニット31、個別転舵制御ユニット32、故障判定ユニット34、転舵角制御停止ユニット35、転舵角範囲制限ユニット36、退避制御ユニット37、転舵可否判定ユニット38および推進力制御ユニット39としての機能を実行する。
個別転舵角設定ユニット31としての機能とは、左舷船外機3Lの目標転舵角δL*と、右舷船外機3Rの目標転舵角δR*とを個別に設定する機能である。個別転舵制御ユニット32としての機能とは、個別に設定された目標転舵角δL*,δR*に従って左舷船外機3Lおよび右舷船外機3Rを個別に転舵制御する機能である。故障判定ユニット34としての機能とは、船外機3の転舵角制御に故障が生じているかどうかを判定する機能である。転舵角制御停止ユニット35としての機能とは、転舵角制御に故障が生じていると判定された船外機3に関する転舵角制御を停止する機能である。転舵角範囲制限ユニット36としての機能とは、転舵角制御が停止された船外機の転舵角に応じて、転舵角制御に故障が生じていない他の船外機(正常な船外機)の転舵角範囲を制限する機能である。転舵角範囲が制限された後は、個別転舵制御ユニット32は、制限された転舵角範囲で正常な船外機の転舵角制御を実行する。退避制御ユニット37としての機能とは、転舵角制御に故障が生じた船外機を、予め定める退避転舵角まで転舵させる機能である。転舵可否判定ユニット38としての機能とは、転舵角制御に故障が生じた船外機の転舵が可能かどうかを判定する機能である。推進力制御ユニット39としての機能とは、船外機3の推進力を制御(推進力の発生/停止を含む。)する機能である。
船外機3には、シフト機構が備えられており、このシフト機構は、前進位置、後進位置およびニュートラル位置のいずれかのシフト位置に制御される。前進位置とは、プロペラ11が前進方向の推進力を発生する回転方向に回転するようにエンジン10の駆動力を当該プロペラ11に伝達するシフト位置である。後進位置とは、プロペラ11が後進方向の推進力を発生する回転方向に回転するようにエンジン10の駆動力を当該プロペラ11に伝達するシフト位置である。ニュートラル位置とは、エンジン10の駆動力をプロペラ11に伝達しないシフト位置である。したがって、シフト機構のシフト位置をニュートラル位置に制御することによって、推進力の発生を停止させることができる。コントローラ6の推進力制御ユニット39としての機能は、船外機3に対してシフト位置を指令する機能を含む。
図4は、左右の船外機の転舵角制御を図解した説明図である。ステアリングハンドル5aが中立位置にあるとき、左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRは零である。すなわち、左右の船外機3L,3Rは互いに平行な方向に推進力を発生する。転舵角とは、船外機3のプロペラ11の中心線11aが船舶中心線1aに対してなす角(平面視)をいう。船舶中心線1aとは、平面視において、船首と船尾中央とを通る直線である。
ステアリングハンドル5aを右まわりに回転操作すると、それに応じて、左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRが変化し、船外機3L,3Rのプロペラ11が船体2に対して右側へ回動される。これにより、船外機3L,3Rが前進駆動されているとき、それらの推進力は、船舶中心線1aに対して左向きになる。その結果、船舶1が右方向へと旋回することになる。ステアリングハンドル5aを右方向へと切り込む操作量が大きいほど、船外機3L,3Rの転舵角δL,δRも大きくなる。ただし、左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRは等しくなく、右舷船外機3Rの転舵角δRの方が左舷船外機3Lの転舵角δLよりも大きくなっている。左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRの差は、転舵角δL,δRが大きくなるほど大きくなっている。これは、平面視において後方側ほど幅広となる外形を有する船外機3L,3Rの干渉を回避するためである。すなわち、船外機3L,3Rの転舵角δL,δRを等しくしていると、転舵角が大きくなるに従って、船外機3L,3R間のクリアランスが小さくなり、ついには両者が接触するに至る。そこで、この実施形態では、転舵方向下流側(右側)に位置する右舷船外機3Rの目標転舵角δR*を転舵方向上流側(左側)に位置する左舷船外機3Lの目標転舵角δL*よりも大きく設定することとしている。なお、「転舵角が大きい」とは、転舵角の絶対値が大きいことを意味するものとする。目標転舵角についても同様である。
左側への操舵に関しても同様である。すなわち、ステアリングハンドル5aを左まわりに回転操作すると、それに応じて、左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRが変化し、船外機3L,3Rのプロペラ11が船体2に対して左側へ回動される。これにより、船外機3L,3Rを前進駆動している場合、それらの推進力は、船舶中心線1aに対して右向きになる。その結果、船舶1が左方向へと旋回することになる。ステアリングハンドル5aを左方向へと切り込んでいく操作量が大きいほど、船外機3L,3Rの転舵角δL,δRも大きくなる。ただし、左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRは等しくなく、左舷船外機3Lの転舵角δLの方が右舷船外機3Rの転舵角δRよりも大きくなっている。左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRの差は、転舵角δL,δRが大きくなるほど大きくなっている。すなわち、この実施形態では、転舵方向下流側(左側)に位置する左舷船外機3Lの目標転舵角δL*を転舵方向上流側(右側)に位置する右舷船外機3Rの目標転舵角δR*よりも大きく設定することとしている。
図5は、前述のような転舵制御を実現するためにコントローラ6によって実行される処理の内容を説明するためのフローチャートである。コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角を取得し(ステップS1)、この操舵角に対応した基本目標転舵角δ*を演算する(ステップS2)。基本目標転舵角δ*とは、両船外機3L,3Rの干渉を考慮せずに求められる目標転舵角である。
次に、コントローラ6は、基本目標転舵角δ*に基づいて、左舷船外機3Lのための目標転舵角(以下「左舷目標転舵角」という。)δL*と、右舷船外機3Rのための目標転舵角(以下「右舷目標転舵角」という。)δR*とを求める(ステップS3,S4。個別転舵角設定ユニット31としての機能)。これらの目標転舵角δL*,δR*は、両船外機3L,3Rの干渉を回避できるように、基本目標転舵角δ*に対して必要な補正を加えた値を有する。
こうして各船外機3L,3Rの目標転舵角δL*,δR*が求まると、コントローラ6は、これらの目標転舵角δL*,δR*に基づいて、左舷転舵機構4Lおよび右舷転舵機構4Rの転舵用モータ24L,24Rをそれぞれ制御する(ステップS5,S6。個別転舵制御ユニット32としての機能)。より具体的には、転舵角センサ30L,30Rによってそれぞれ検出される左舷および右舷の船外機3L,3Rの実際の転舵角δL,δRが目標転舵角δL*,δR*に一致するように、コントローラ6は、転舵用モータ24L,24Rをそれぞれフィードバック制御する。
図6は、左舷目標転舵角および右舷目標転舵角の設定例を説明するための図である。転舵角は、右方向転舵に対して正符号、左方向転舵に対して負符号を付与して表されている。横軸は、基本目標転舵角δ*であり、ステアリングハンドル5aの操舵角に対応(比例)する値である。基本目標転舵角δ*が正の領域(右方向操舵領域)では、右舷目標転舵角δR*は、基本目標転舵角δ*に等しく定められている。これに対して、左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*よりも小さな値に定められている。反対に、基本目標転舵角δ*が負の領域(左方向操舵領域)では、左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*に等しく定められている。これに対して、右目標舷転舵角δR*は、その絶対値が基本目標転舵角δ*の絶対値よりも小さな値とされている。
より具体的に説明すると、右舷目標転舵角δR*は、基本目標転舵角δ*が零から右最大転舵角δmax_r(たとえば30度)まで変化するときに、零から右最大転舵角δRmax_r(=δmax_r)までリニアに変化するように定められる。また、右舷目標転舵角δR*は、基本目標転舵角δ*が左最大転舵角δmax_l(たとえば−30度)から零まで変化するときに、左最大転舵角δRmax_l(|δRmax_l|<|δmax_l|)から零までリニアに変化するように定められる。同様に、左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*が零から右最大転舵角δmax_r(たとえば30度)まで変化するときに、零から左最大転舵角δLmax_r(<δmax_r)までリニアに変化するように定められる。また、左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*が左最大転舵角δmax_l(たとえば−30度)から零まで変化するときに、左最大転舵角δLmax_l(=δmax_l)から零までリニアに変化するように定められる。そして、右舷目標転舵角δR*の右最大転舵角δRmax_rと左舷目標転舵角δL*の右最大転舵角δLmax_rとの間には、δRmax_r−δLmax_r≧εr(εr>0)なる関係が成立している。同様に、右舷目標転舵角δR*の左最大転舵角δRmax_lと左舷目標転舵角δL*の左最大転舵角δLmax_lとの間には、|δLmax_l|−|δRmax_l|≧εl(εl>0)なる関係が成立している。εr,εlは、船外機3L,3Rを右側または左側に最大限に転舵させた状態で、それらの間に確保されるべき最小クリアランスを転舵角の差に換算した値(最大転舵角における最小転舵角差)である。
このように、右転舵角領域においては、左舷船外機3Lの目標転舵角δL*が基本目標転舵角δ*よりも小さな値に設定される。また、左転舵角領域においては、右舷船外機3Rの目標転舵角δR*が、その絶対値が基本目標転舵角δ*の絶対値よりも小さな値となるように設定される。これにより、いずれの転舵角においても、船外機3L,3R間の干渉を回避できる。しかも、転舵方向下流側の船外機については、大きな最大転舵角を確保できることから、船舶1の旋回性を向上できる。
なお、左舷目標転舵角δL*は、図6に二点鎖線で示す特性線に従って設定される必要はなく、この特性線よりも下側の領域に属する値に設定することもできる。同様に、右舷目標転舵角δR*は、図6に実線で示す特性線に従って設定される必要はなく、この特性線よりも上側の領域に属する値に設定することもできる。つまり、船外機3L,3Rの干渉が生じる可能性のある領域外において、基本目標転舵角δ*応じた左舷目標転舵角δL*および右舷目標転舵角δR*を個別に設定可能である(アクティブ制御)。
図7は、いずれかの船外機の転舵角制御に故障が生じた場合の動作を図解した説明図である。たとえば、右舷船外機3Rの転舵角制御に故障が生じると、コントローラ6は、右舷船外機3Rの転舵が可能かどうかを判断する。転舵が不可能であれば、当該右舷船外機3Rの転舵角制御を停止する。転舵が可能であれば、コントローラ6は、右舷船外機3Rを右最大転舵角δRmax_rまで転舵させてから、転舵角制御を停止する。すなわち、右最大転舵角δRmax_rが、右舷船外機3Rの退避転舵角である。同様に、左舷船外機3Lについては、左最大転舵角δLmax_lが退避転舵角となる。
こうして右舷船外機3Rの転舵角制御を停止した後、コントローラ6は、右舷船外機3Rの転舵角δRに応じて、左舷船外機3Lの転舵角範囲を制限する。コントローラ6は、当該制限された転舵角範囲で左舷船外機3Lの転舵角制御を実行する。
転舵角制御の故障とは、一般的には、コントローラ6が発生する指令に対して、所定の応答性で船外機の転舵角が変化しないことを意味する。より具体的には、転舵機構4による転舵抵抗が大きくなった場合(応答不良)、転舵角センサ30の信号線の断線・短絡故障が生じた場合(転舵角検出不良)、コントローラ6からの指令信号線に断線・短絡故障が生じた場合などが想定される。このような転舵角制御の故障は、船外機の転舵が不可能な場合と、応答性等の問題はあっても船外機の転舵は可能な場合とに類別される。
転舵角制御の故障は、コントローラ6において、転舵指令に対する転舵角の応答を監視することによって検出される(故障判定ユニット34としての機能)。より具体的には、コントローラ6は、船外機3のための目標転舵角を生成するとともに、転舵角センサ30が検出する転舵角を検出する。そして、目標転舵角の生成から予め定める判定時間を経過しても転舵角が目標転舵角に達しないときに、コントローラ6は、転舵角制御に故障が生じていると判定する。
再び図6を参照して、船外機の転舵角制御に故障が生じた場合における転舵角範囲の制限について説明する。たとえば、右舷船外機3Rの転舵角制御に故障が生じ、故障転舵角δRfで転舵角制御が停止された場合を想定する。このとき、故障転舵角δRfに対応する基本目標転舵角δf1以上の基本目標転舵角δ*に対して、左舷目標転舵角δL*は、特性線51に従って設定される。つまり、故障転舵角δRfに対応した左舷目標転舵角δL1が、左舷船外機3Lのための新たな右最大転舵角δLmax_rとされる。こうして、左舷目標転舵角δL*の設定可能範囲、すなわち、左舷船外機3Lの転舵角範囲は、転舵角制御が停止された右舷船外機3Rと干渉しない範囲52に制限されることになる。
転舵角制御に故障が生じた右舷船外機3Rの転舵が可能であって、右最大転舵角δRmax_rまで転舵されたときには、結局、左舷船外機3Lの転舵角範囲に対する制限は、右舷船外機3Rの転舵角制御が正常なときと同じである。
次に、左舷船外機3Lの転舵角制御に故障が生じ、故障転舵角δLfで転舵角制御が停止された場合を想定する。このとき、故障転舵角δLfに対応する基本目標転舵角δf2以下の基本目標転舵角δ*に対して、右舷目標転舵角δR*は、特性線53に従って設定される。つまり、故障転舵角δLfに対応した右舷目標転舵角δR2が、右舷船外機3Rのための新たな左最大転舵角δRmax_lとされる。こうして、右舷目標転舵角δR*の設定可能範囲、すなわち、右舷船外機3Rの転舵角範囲は、転舵角制御が停止された左舷船外機3Lと干渉しない範囲54に制限されることになる。
転舵角制御に故障が生じた左舷船外機3Lの転舵が可能であって、左最大転舵角δLmax_lまで転舵されたときには、結局、右舷船外機3Rの転舵角範囲に対する制限は、左舷船外機3Lの転舵角制御が正常なときと同じである。
図8は、船外機の転舵角制御に故障が生じた場合の一動作例を説明するためのフローチャートである。コントローラ6は、船外機3L,3Rのいずれかの転舵角制御に故障が生じたかどうかを判断する(ステップS11。故障判定ユニット34としての機能)。いずれの船外機の転舵角制御も正常であれば(ステップS11:NO)、通常転舵制御(図5参照)を実行する(ステップS12)。いずれかの船外機の転舵角制御に故障が生じているときには(ステップS11:YES)、コントローラ6は、当該故障側船外機による推進力発生を停止させる(ステップS13。推進力制御ユニット39としての機能)。具体的には、コントローラ6は、故障側船外機のシフト位置をニュートラル位置として、エンジン10の駆動力がプロペラ11に与えられない状態とする。これにより、推進力の発生を停止させることができる。
次に、コントローラ6は、当該故障側船外機の転舵が可能かどうかを判断する(ステップS14。転舵可否判定ユニット38としての機能)。この判断は、たとえば、転舵用モータ24に駆動電流を供給したときに、転舵角センサ30が検出する転舵角に変化があるかどうかを監視することによって行える。転舵が可能であれば、コントローラ6は、故障側船外機を退避転舵角に向けて転舵すべく、対応する転舵用モータ24を駆動する(ステップS15。退避制御ユニット37としての機能)。故障側船外機が右舷船外機3Rであれば、退避転舵角は右最大転舵角δRmax_rである。また、故障船外機が左舷船外機3Lであれば、退避転舵角は左最大転舵角δLmax_lである。
さらに、コントローラ6は、故障側船外機に対応した転舵角センサ30の出力を監視し、退避転舵角に達したかどうかを判断する(ステップS16)。退避転舵角に達すると(ステップS16:YES)、コントローラ6は、当該故障側船外機の転舵角制御を停止する(ステップS17。転舵角制御停止ユニット35としての機能)。故障側船外機の転舵が不可能である場合には(ステップS14:NO)、コントローラ6は、ただちに故障側船外機の転舵角制御を停止する(ステップS17)。
故障側船外機の転舵角制御を停止した後、コントローラ6は、その時点における故障側船外機の転舵角を対応する転舵角センサ30から取得する。この転舵角に基づいて、コントローラ6は、正常側船外機の転舵角範囲を制限する(ステップS18。転舵角範囲制限ユニット36としての機能)。具体的には、故障側船外機の転舵角に基づいて、正常側船外機の最大転舵角を新たに設定する。以後は、コントローラ6は、正常側船外機のみの転舵角制御を前記制限された転舵角範囲において実行する(ステップS19。個別転舵制御ユニット32としての機能)。
図9は、船外機の転舵角制御に故障が生じた場合の他の動作例を説明するためのフローチャートである。この図9において、前述の図8に示された各ステップに対応するステップには同一参照符号を付すこととする。
この動作例においては、転舵用モータ24L,24Rの駆動電流をそれぞれ検出する電流検出器41L,41R(総称するときには「電流検出器41」という。)の出力信号が用いられる(図3参照)。
この動作例では、コントローラ6は、転舵角の検出が可能かどうかを判断する(ステップS21)。たとえば、転舵角センサ30の信号線の断線・短絡故障が生じた場合には、転舵角の検出が不可能となる。転舵角の検出が可能な場合には(ステップS21:YES)、図8の場合と同様の動作となる。一方、転舵角の検出が不可能である場合には(ステップS21:NO)、コントローラ6は、電流検出器41の出力信号を参照して、故障側船外機に対応した転舵用モータ24の駆動電流値が所定のしきい値以上かどうかを判断する(ステップS22)。故障側船外機が退避転舵角に達して物理的にその転舵が制限されると、転舵用モータ24の負荷が大きくなるから、駆動電流が大きくなる。そこで、コントローラ6は、転舵用モータ24の駆動電流値がしきい値以上となるまで(ステップS22:YES)、故障側船外機を退避転舵角に向けて転舵制御する(ステップS15。退避制御ユニット37としての機能)。したがって、転舵角を検出できない場合でも、故障側船外機を退避転舵角まで転舵することができる。その後は、コントローラ6は、故障側船外機の転舵制御を停止して、図8の動作例の場合と同様の処理を行う。
以上のように、この実施形態によれば、左舷船外機3Lおよび右舷船外機3Rのいずれかの転舵角制御に故障が生じると、故障側船外機の転舵角制御が停止される。そして、転舵角制御が停止された時点の故障側船外機の転舵角に応じて、正常側船外機の転舵角範囲に制限が加えられる。この制限された転舵角範囲で正常側船外機の転舵角制御が行われることで、正常側船外機を、故障側船外機と干渉することなく、転舵させることができる。その結果、正常側船外機の推進力を有効に利用して一定以上の航走速度を確保しつつ、船舶1の旋回性を確保することができる。しかも、転舵角制御に故障が生じた船外機の転舵が可能な場合には、当該船外機を退避転舵角まで転舵させて退避させるようにしているから、正常側船外機の転舵角範囲を最大限に確保することができる。
図10は、この発明の第2の実施形態に係る船舶の構成を説明するための図解的な平面図である。この図10において、前述の図1に示された各部に対応する部分には、同一参照符号を付して示す。
この実施形態に係る船舶は、左右の船外機3L,3Rの間に、さらに、別の船外機3C(以下、区別するときには「中央船外機3C」という。)が備えられている。中央船外機3Cは、船体2の船尾板2aに、船外機3L,3Rと同様の構成によって取り付けられている。さらに、中央船外機3Cに対応して、中央転舵機構4Cが設けられている。中央転舵機構4Cの構成は、左舷転舵機構4Lおよび右舷転舵機構4Rと同様である。中央転舵機構4Cに備えられた転舵用モータ24C(図11参照)が、コントローラ6によって制御されるようになっている。
図11は、この実施形態に係る船舶の電気的構成を示すブロック図である。この図11において、前述の図3に示された各部に対応する部分には、同一参照符号を付して示す。この実施形態においては、コントローラ6の制御対象として、転舵用モータ24Cが追加されている。そして、中央船外機3Cの転舵角δCを検出する中央転舵角センサ30Cの出力信号が、コントローラ6に入力されている。コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角および中央転舵角センサ30Cによって検出される転舵角(中央転舵角)に応じて、中央転舵用モータ24Cの動作を制御する。また、コントローラ6は、必要に応じて、中央転舵用モータ24Cの駆動電流を検出する電流検出器41Cの出力信号を用いる。
図12は、3つの船外機の転舵角制御を図解した説明図である。ステアリングハンドル5aが中立位置にあるとき、左右および中央の船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCはいずれも零である。すなわち、3つの船外機3L,3R,3Cは互いに平行な方向に推進力を発生する。
ステアリングハンドル5aを右まわりに回転操作すると、それに応じて、左右および中央の船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCが変化し、船外機3L,3R,3Cのプロペラ11が船体2に対して右側へ回動される。これにより、船外機3L,3R,3Cの推進力は、船舶中心線1aに対して左向きになる。その結果、船舶1が右方向へと旋回することになる。ステアリングハンドル5aを右方向へと切り込んでいく操作量が大きいほど、船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCも大きくなる。ただし、3つの船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCは等しくない。具体的には、右舷転舵角δRは中央転舵角δCよりも大きく、中央転舵角δCは左舷転舵角δLよりも大きくなっている。転舵角δL,δC間の差および転舵角δC,δR間の差は、転舵角δL,δR,δCが大きくなるほど大きくなっている。これは、平面視において後方側ほど幅広となる外形を有する船外機3L,3R,3Cの干渉を回避するためである。すなわち、船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCを等しくしていると、転舵角が大きくなるに従って、船外機3L,3R,3C間のクリアランスが小さくなり、ついには隣接する船外機同士が接触するに至る。そこで、この実施形態では、転舵方向下流側(右側)に位置する船外機ほど、転舵角を大きく設定することとしている。
左側への操舵に関しても同様である。すなわち、ステアリングハンドル5aを左まわりに回転操作すると、それに応じて、左右および中央の船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCが変化し、船外機3L,3R,3Cのプロペラ11が船体2に対して左側へ回動される。これにより、船外機3L,3R,3Cの推進力は、船舶中心線1aに対して右向きになる。その結果、船舶1が左方向へと旋回することになる。ステアリングハンドル5aを左方向へと切り込んでいく操作量が大きいほど、船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCも大きくなる。ただし、左舷転舵角δLは中央転舵角δCよりも大きく、中央転舵角δCは右舷転舵角δRよりも大きくなっている。すなわち、転舵方向下流側(左側)に位置する船外機ほど、転舵角を大きく設定することとしている。転舵角が大きくなるほど、転舵角δL,δC間の差、および転舵角δC,δR間の差は、大きくなっている。
図13は、左舷目標転舵角、右舷目標転舵角および中央目標転舵角の設定例を説明するための図である。図6の場合と同様に、転舵角は、右方向転舵に対して正符号、左方向転舵に対して負符号を付与して表されている。横軸は、基本目標転舵角δ*であり、ステアリングハンドル5aの操舵角に対応(比例)する値である。
基本目標転舵角δ*が正の領域(右方向操舵領域)では、右舷目標転舵角δR*は、基本目標転舵角δ*に等しく定められている。これに対して、中央目標転舵角δC*は基本目標転舵角δ*よりも小さな値に定められており、左舷目標転舵角δL*は中央目標転舵角δC*よりも小さな値に定められている。同様に、基本目標転舵角δ*が負の領域(左方向操舵領域)では、左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*に等しく定められている。これに対して、中央目標転舵角δC*は、その絶対値が基本目標転舵角δ*の絶対値よりも小さな値とされている。さらに、右目標舷転舵角δR*は、その絶対値が中央目標転舵角δC*の絶対値よりも小さな値に定められている。
より具体的に説明すると、右舷目標転舵角δR*、中央目標転舵角δC*および左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*が零から右最大転舵角δmax_r(たとえば30度)まで変化するときに、零からそれぞれの右最大転舵角δRmax_r,δCmax_r,δLmax_rまでリニアに変化するように定められる。また、右舷目標転舵角δR*、中央目標転舵角δC*および左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*が左最大転舵角δmax_l(たとえば−30度)から零まで変化するときに、それぞれ左最大転舵角δRmax_l,δCmax_l,δLmax_lから零までリニアに変化するように定められる。そして、右最大転舵角δRmax_r,δCmax_r,δLmax_rの間には、δRmax_r−δCmax_r≧ε1(ε1>0)、δCmax_r−δLmax_r≧ε2(ε2>0)なる関係が成立している。同様に、左最大転舵角δRmax_l,δCmax_l,δLmax_lの間には、|δLmax_l|−|δCmax_l|≧ε3(ε3>0)、|δCmax_l|−|δRmax_l|≧ε4(ε4>0)なる関係が成立している。ε1,ε2,ε3,ε4は、船外機3L,3R,3Cを右側または左側に最大限に転舵させた最大転舵状態で、それらの間に確保されるべき最小クリアランスを転舵角差に換算した値(最大転舵角における最小転舵角差)である。
このように、右転舵角領域においては、中央および左舷船外機3C,3Lの目標転舵角δC*,δL*が基本目標転舵角δ*よりも小さな値に設定される。また、左転舵角領域においては、中央および右舷船外機3C,3Rの目標転舵角δC*,δR*は、各絶対値が基本目標転舵角δ*の絶対値よりも小さな値となるように設定される。これにより、いずれの転舵角においても、船外機3L,3R間の干渉を回避できる。しかも、転舵方向下流側の船外機ほどは、大きな最大転舵角を確保できることから、船舶の旋回性を向上できる。
図14は、コントローラ6によって実行される転舵制御を説明するためのフローチャートである。この図14において、前述の図5に示された各ステップに対応するステップには、同一参照符号を付して示す。
コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角を取得し(ステップS1)、この操舵角に対応した基本目標転舵角δ*を演算する(ステップS2)。
次に、コントローラ6は、基本目標転舵角δ*に基づいて、左舷目標転舵角δL*と、右舷目標転舵角δR*と、中央目標転舵角δC*とを求める(ステップS3,S4,S41。個別転舵角設定ユニット31としての機能)。
こうして各船外機3L,3R,3Cの目標転舵角δL*,δR*,δC*が求まると、コントローラ6は、これらの目標転舵角δL*,δR*,δC*に基づいて、左舷転舵機構4L、右舷転舵機構4Rおよび中央転舵機構4Cの転舵用モータ24L,24R,24Cをそれぞれ制御する(ステップS5,S6,S42。個別転舵制御ユニット32としての機能)。より具体的には、転舵角センサ30L,30R,30Cによってそれぞれ検出される左舷、右舷および中央の船外機3L,3R,3Cの実際の転舵角δL,δR,δCが目標転舵角δL*,δR*,δC*に一致するように、コントローラ6は、転舵用モータ24L,24R,24Cをそれぞれフィードバック制御する。
図15は、中央船外機の転舵角制御に故障が生じた場合の動作を図解した説明図である。右舷船外機3Rまたは左舷船外機3Lの転舵角制御に故障が生じた場合の動作は、前述の第1の実施形態の場合と同様である。
中央船外機3Cの転舵角制御に故障が生じると、コントローラ6は、中央船外機3Cの転舵が可能かどうかを判断する。転舵が不可能であれば、当該中央船外機3Cの転舵角制御を停止する。転舵が可能であれば、コントローラ6は、中央船外機3Cを中立位置(δC=0)まで転舵させてから、当該中央船外機3Cに関する転舵角制御を停止する。すなわち、転舵角範囲の中央位置が、中央船外機3Cの退避転舵角である。
こうして中央船外機3Cの転舵角制御を停止した後、コントローラ6は、中央船外機3Cの転舵角δCに応じて、右舷船外機3Rおよび左舷船外機3Lの転舵角範囲を制限する。コントローラ6は、当該制限された転舵角範囲で右舷船外機3Rおよび左舷船外機3Lの転舵角制御を実行する。
再び図13を参照して、船外機の転舵角制御に故障が生じた場合における転舵角範囲の制限について説明する。
たとえば、右舷船外機3Rの転舵角制御に故障が生じ、故障転舵角δRfで転舵角制御が停止された場合を想定する。このとき、故障転舵角δRfに対応する基本目標転舵角δf1以上の基本目標転舵角δ*に対して、中央目標転舵角δC*は特性線61に従って設定され、左舷目標転舵角δL*は、特性線62に従って設定される。つまり、故障転舵角δRfに対応した中央点舵角δC1が中央船外機3Cのための新たな右最大転舵角δCmax_rとされる。また、故障転舵角δRfに対応した左舷目標転舵角δL1が左舷船外機3Lのための新たな右最大転舵角δLmax_rとされる。こうして、中央目標転舵角δC*の設定可能範囲、すなわち、中央船外機3Cの転舵角範囲は、転舵角制御が停止された右舷船外機3Rと干渉しない範囲63に制限されることになる。さらに、左舷目標転舵角δL*の設定可能範囲、すなわち、左舷船外機3Lの転舵角範囲は、制限された転舵角範囲63で転舵される中央船外機3Cと干渉しない範囲64に制限されることになる。
転舵角制御に故障が生じた右舷船外機3Rの転舵が可能であって、右最大転舵角δRmax_rまで転舵されたときには、結局、中央船外機3Cおよび左舷船外機3Lの転舵角範囲に対する制限は、右舷船外機3Rの転舵角制御が正常なときと同じである。
次に、中央船外機3Cの転舵角制御に故障が生じ、故障転舵角δCfで転舵角制御が停止された場合を想定する。このとき、故障転舵角δCfに対応する目標転舵角δf2以下の基本目標転舵角δ*に対して、右舷目標転舵角δR*は、特性線65に従って設定される。つまり、故障転舵角δCfに対応した右舷目標転舵角δR2が、右舷船外機3Rのための新たな左最大転舵角δRmax_lとされる。こうして、右舷目標転舵角δR*の設定可能範囲、すなわち、右舷船外機3Rの転舵角範囲は、転舵角制御が停止された中央船外機3Cと干渉しない範囲66に制限されることになる。また、故障転舵角δCfに対応する目標転舵角δf2以上の基本目標転舵角δ*に対して、左舷目標転舵角δL*は、特性線67に従って設定される。つまり、故障転舵角δCfに対応した左舷目標転舵角δL2が左舷船外機3Lのための新たな右最大転舵角δLmax_rとされる。こうして、左舷目標転舵角δL*の設定可能範囲、すなわち、左舷船外機3Lの転舵角範囲は、転舵角制御が停止された中央船外機3Cと干渉しない範囲68に制限されることになる。
転舵角制御に故障が生じた中央船外機3Cの転舵が可能であって、退避転舵角である中立位置(δC=0)まで転舵されたときには、右舷船外機3Rの左最大転舵角δRmax_l=0とされ、左舷船外機3Lの右最大転舵角δLmax_r=0とされる。
次に、左舷船外機3Lの転舵角制御に故障が生じ、故障転舵角δLfで転舵角制御が停止された場合を想定する。このとき、故障転舵角δLfに対応する目標転舵角δf3以下の基本目標転舵角δ*に対して、中央目標転舵角δC*は特性線69に従って設定され、右舷目標転舵角δR*は特性線70に従って設定される。つまり、故障転舵角δLfに対応した中央目標転舵角δC3が、中央船外機3Cのための新たな左最大転舵角δCmax_lとされる。また、故障転舵角δLfに対応した右舷目標転舵角δR3が、右舷船外機3Rのための新たな左最大転舵角δRmax_lとされる。こうして、中央目標転舵角δC*の設定可能範囲、すなわち、中央船外機3Cの転舵角範囲は、転舵角制御が停止された左舷船外機3Lと干渉しない範囲71に制限されることになる。また、右舷目標転舵角δR*の設定可能範囲、すなわち、右舷船外機3Rの転舵角範囲は、制限された転舵角範囲71で転舵される中央船外機3Cと干渉しない範囲72に制限されることになる。
転舵角制御に故障が生じた左舷船外機3Lの転舵が可能であって、左最大転舵角δLmax_lまで転舵されたときには、結局、中央船外機3Cおよび右舷船外機3Rの転舵角範囲に対する制限は、左舷船外機3Lの転舵角制御が正常なときと同じである。
図16は、船外機の転舵角制御に故障が生じた場合の一動作例を説明するためのフローチャートである。この図16において、前述の図8に示された各ステップに対応するステップには同一参照符号を付して示す。左舷船外機3Lまたは右舷船外機3Rの転舵角制御に故障が生じた場合の動作は、前述の第1の実施形態(図8参照)と同様となる。これに対して、中央船外機3Cの転舵角制御に故障が生じた場合には、その退避転舵角(中立位置)まで転舵するときに、他の船外機(左舷船外機3Lまたは右舷船外機3R)との干渉が生じるおそれがある。したがって、中央船外機3Cの転舵角制御に故障が生じたときには、当該干渉が生じる船外機も同方向に同時に転舵する必要がある。
そこで、この実施形態では、コントローラ6は、中央船外機3Cの転舵角制御に故障が生じて、これを退避転舵角まで転舵させる際に、干渉が生じる船外機を同方向に転舵させるための制御を実行する(ステップS15a)。このとき、操船者が意図に反して船舶1が回頭することを抑制するために、コントローラ6は、中央船外機3Cだけでなく、当該干渉が生じる船外機についても、推進力発生を停止させる。
中央船外機3Cが退避転舵角まで退避された後は、コントローラ6は、当該干渉が生じる船外機の推進力発生を再開させ、左舷船外機3Lおよび右舷船外機3Rの転舵角制御を実行する。このときの転舵角範囲は、退避転舵角に固定された中央船外機3Cに干渉しない最大範囲である。むろん、中央船外機3Cの転舵が不可能であるときは(ステップS14)、コントローラ6は、その位置で中央船外機3Cの転舵角制御を停止する(ステップS17)。そして、コントローラ6は、当該停止位置の中央船外機3Cの転舵角に応じて、左舷船外機3Lおよび右舷船外機3Rのための転舵角範囲を制限し(ステップS18)、この制限された転舵角範囲でそれらの船外機3L,3Rの転舵角制御を実行する(ステップS19)。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したけれども、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、転舵角制御に故障が生じた船外機を予め定める退避転舵角へと転舵させることとしているけれども、故障が検出された時点で当該船外機の転舵角制御を停止してもよい。この場合、故障検出時点の当該船外機の転舵角に応じて、他の正常な船外機の転舵角範囲が制限されることになる。
また、前述の実施形態では、転舵角制御に故障が生じた船外機を退避転舵角まで転舵するときには、当該船外機の推進力発生を停止することとしているけれども、当該船外機を含めて全ての船外機の推進力発生を一旦停止することとしてもよい。
また、前述の実施形態では、転舵アクチュエータとして電動モータが適用されているけれども、ソレノイドのような他の電動アクチュエータが適用されてもよいし、油圧アクチュエータが適用されてもよい。
さらに、前述の実施形態では、2機掛けの構成(第1の実施形態)および3機掛けの構成(第2の実施形態)について説明したけれども、むろん、この発明は、4機以上の船外機を備えた船舶に対しても同様に適用することができる。この場合に、最右舷および最左舷の船外機に挟まれた内側の船外機については、各転舵角範囲の中央値(転舵角=0)を退避転舵角としてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
以下に、特許請求の範囲に記載した用語と前述の実施形態における用語との対応関係を示す。
船舶:船舶1
船体:船体2
船外機:左舷船外機3L、右舷船外機3R、中央船外機3C
船外機制御装置:コントローラ6、転舵角センサ30
故障判定手段:故障判定ユニット34
転舵角制御停止手段:転舵角制御停止ユニット35
転舵角範囲制限手段:転舵角範囲制限ユニット36
転舵角制御手段:個別転舵制御ユニット32
退避制御手段:退避制御ユニット37
転舵可否判定手段:転舵可否判定ユニット38
推進力制御手段:推進力制御ユニット39
転舵アクチュエータ:転舵用モータ24
この発明の第1の実施形態に係る船舶の構成を説明するための図解的な平面図である。 転舵機構の構成を説明するための平面断面図である。 船舶の転舵制御に関連する電気的構成を説明するためのブロック図である。 左右の船外機の転舵角制御を図解した説明図である。 コントローラによる転舵制御の内容を説明するためのフローチャートである。 左舷目標転舵角および右舷目標転舵角の設定例を説明するための図である。 いずれかの船外機の転舵角制御に故障が生じた場合の動作を図解した説明図である。 船外機の転舵角制御に故障が生じた場合の一動作例を説明するためのフローチャートである。 船外機の転舵角制御に故障が生じた場合の他の動作例を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2の実施形態に係る船舶の構成を説明するための図解的な平面図である。 第2の実施形態に係る船舶の電気的構成を示すブロック図である。 3つの船外機の転舵角制御を図解した説明図である。 左舷目標転舵角、右舷目標転舵角および中央目標転舵角の設定例を説明するための図である。 第2の実施形態において、コントローラによって実行される転舵制御を説明するためのフローチャートである。 中央船外機の転舵角制御に故障が生じた場合の動作を図解した説明図である。 船外機の転舵角制御に故障が生じた場合の一動作例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 船舶
2 船体
3 船外機
3L 左舷船外機
3R 右舷船外機
3C 中央船外機
4 転舵機構
4C 中央転舵機構
4L 左舷転舵機構
4R 右舷転舵機構
5 操作部
5a ステアリングハンドル
5b 操舵角センサ
6 コントローラ
10 エンジン
11 プロペラ
24 転舵用モータ
24L 左舷転舵用モータ
24R 右舷転舵用モータ
24C 中央転舵用モータ
30 転舵角センサ
30L 左舷転舵角センサ
30R 右舷転舵角センサ
30C 中央転舵角センサ
31 個別転舵角設定ユニット
32 個別転舵制御ユニット
34 故障判定ユニット
35 転舵角制御停止ユニット
36 転舵角範囲制限ユニット
37 退避制御ユニット
38 転舵可否判定ユニット
39 推進力制御ユニット
41 電流検出器
41C 電流検出器
41L 電流検出器
41R 電流検出器
52,54,63,64,66,68,71,72 制限された転舵角範囲

Claims (9)

  1. 複数の船外機を制御するための船外機制御装置であって、
    いずれかの船外機の転舵角制御に故障が生じているかどうかを判定する故障判定手段と、
    前記故障判定手段によって転舵角制御に故障が生じていると判定された船外機の転舵角制御を停止する転舵角制御停止手段と、
    前記転舵角制御に故障が生じた船外機の転舵角に応じて、正常な他の船外機の転舵角範囲を制限する転舵角範囲制限手段と、
    前記転舵角範囲制限手段によって制限された転舵角範囲で前記正常な船外機の転舵角制御を行う転舵角制御手段と
    を含む、船外機制御装置。
  2. 転舵角制御に故障が生じた船外機を予め定める退避転舵角まで転舵させる退避制御手段をさらに含み、
    前記転舵角制御停止手段は、転舵角制御に故障が生じた船外機が前記退避転舵角まで転舵された後に、当該船外機に関する転舵角制御を停止するものである、請求項1記載の船外機制御装置。
  3. 前記故障判定手段によって転舵角制御に故障が生じていると判定された船外機の転舵が可能かどうかを判定する転舵可否判定手段をさらに含み、
    前記退避制御手段は、当該船外機が転舵可能と判定された場合に前記退避転舵角まで当該船外機を転舵させるものであり、
    前記転舵角制御停止手段は、当該船外機が転舵不能と判定された場合には、前記退避転舵角への当該船外機の転舵を待つことなく当該船外機に関する転舵角制御を停止するものである、請求項2記載の船外機制御装置。
  4. 前記退避転舵角は、転舵角範囲の一端に定められている、請求項2または3記載の船外機制御装置。
  5. 前記退避転舵角は、転舵角範囲の中央に定められている、請求項2または3記載の船外機制御装置。
  6. 前記退避転舵角は、前記複数の船外機に対して個別に設定されている、請求項2または3記載の船外機制御装置。
  7. 前記船外機制御装置は、前記複数の船外機を個別に転舵させるための転舵アクチュエータを制御するものであり、
    転舵角制御に故障が生じた船外機を、前記転舵アクチュエータの負荷が所定値に達するまで転舵させることによって退避させる退避制御手段をさらに含み、
    前記転舵角制御停止手段は、転舵角制御に故障が生じた船外機が前記退避制御手段によって退避させられた後に、当該船外機に関する転舵角制御を停止するものである、請求項1記載の船外機制御装置。
  8. 転舵角制御に故障が生じた船外機を転舵させる前に、当該船外機の推進力発生を停止させる推進力制御手段をさらに含む、請求項2〜7のいずれか一項に記載の船外機制御装置。
  9. 船体と、
    前記船体に搭載された複数の船外機と、
    前記複数の船外機を制御する請求項1〜8のいずれか一項に記載の船外機制御装置と
    を含む、船舶。
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