JP5371408B2 - 船外機制御装置およびそれを備えた船舶 - Google Patents

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Description

この発明は、船外機を制御するための船外機制御装置およびそれを備えた船舶に関する。
船外機は、船舶のための推進機であり、一般に、原動機と、原動機によって駆動されるプロペラとを備えている。船外機は、左右方向への転舵が可能な状態で船尾に取り付けられる。船外機の転舵角を制御するために、転舵機構が船舶に装備される。転舵機構は、操船者によるステアリングハンドルの操作に応じて、船外機を転舵させる。
船尾に複数の船外機を装備した多機掛けの構成とする場合には、複数の船外機が同期して転舵される。たとえば、下記特許文献1に開示された構成では、船外機のステアリングブラケット同士が連結部材で連結されている。これにより、複数の船外機の同期転舵を保証している。
特開2007−126023号公報
船外機は平面視において流線形(しずく形)の外形を有している。より具体的には、転舵の中心軸から後方に向かうに従って幅広となる平面視形状を有している。そのため、舵角中立位置からの転舵角が大きくなるほど、隣り合う船外機同士のクリアランスが小さくなる。したがって、限られたトランサム幅に複数の船外機を取り付けて多機掛けの構成とする場合には、転舵角は、隣接する船外機同士が干渉しない範囲に制限される。そのため、ただ一つの船外機を船体に取り付ける一機掛けの構成に比較して、最大転舵角が小さくなる。その結果、離岸時や着岸時のように、船舶の進行方向を大きく変更する必要があるときに、転舵角に制限を受けることになる。
そこで、この発明の目的は、複数の船外機を限られたトランサム幅の船尾に備える船舶における旋回性能を向上することができる船外機制御装置およびこのような船外機制御装置を備えた船舶を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、船舶の船尾に取り付けられるべき複数の船外機を制御する船外機制御装置であって、前記複数の船外機の右最大転舵角および左最大転舵角を、前記複数の船外機ごとに個別に設定する最大転舵角設定手段と、転舵方向下流側の船外機ほど大きな転舵角となるように前記複数の船外機の目標転舵角を個別に設定する目標転舵角設定手段と、前記目標転舵角設定手段によって設定された目標転舵角に応じて、前記複数の船外機の転舵角を制御する転舵制御手段とを含み、前記最大転舵角設定手段は、前記複数の船外機のうち右端に位置する右端船外機の右最大転舵角を前記複数の船外機のうち左端に位置する左端船外機の右最大転舵角よりも大きく設定し、前記左端船外機の左最大転舵角を前記右端船外機の左最大転舵角よりも大きく設定するものであり、前記目標転舵角設定手段は、各船外機の目標転舵角を、対応する右最大転舵角および左最大転舵角の間の範囲で設定するものである、船外機制御装置である。
この構成によれば、複数の船外機の目標転舵角が個別に設定され、転舵方向下流側の船外機ほど大きな目標転舵角が設定される。これにより、転舵方向最下流側に配置された船外機は、機械的な限界まで転舵することが可能となり、他の船外機も隣接する船外機と干渉しない範囲で最大の転舵角を取ることができる。こうして、各船外機をそれぞれ限界まで転舵させることが可能となるので、船舶の旋回性能を向上することができる。
転舵方向とは、船外機が船体に対して旋回されるときの船外機の移動方向である。この場合、全転舵角範囲の中心から離れるほど、転舵角は大きな値となる。一方向(たとえば左方向)への転舵角に負符号を割り当て、他方向(たとえば右方向)への転舵角に対して正負号を割り当てる場合には、転舵角の大きさは、その絶対値で表される。
前記転舵制御手段は、隣接する船外機同士が干渉しないように(クリアランスが確保された状態で)前記複数の船外機を同期して転舵させるべく、各船外機の転舵角制御を行うものであることが好ましい。
請求項2記載の発明は、各船外機の転舵角を検出する転舵角検出手段をさらに含み前記最大転舵角設定手段は、前記複数の船外機をそれぞれ最大転舵状態としたときに前記転舵角検出手段が検出する各船外機の転舵角を各船外機の最大転舵角として取得し、前記複数の船外機をそれぞれ左最大転舵状態としたときに前記転舵角検出手段が検出する各船外機の転舵角を各船外機の左最大転舵角として取得する最大転舵角取得手段、請求項1記載の船外機制御装置である。
この構成によれば、複数の船外機をそれぞれ最大限に転舵した状態として、各船外機の最大転舵角が取得される。より具体的には、転舵方向最下流側の船外機(第1船外機)を一方向に向けて限界まで転舵させ、その状態で当該第1船外機の転舵角を検出し、その検出値を当該第1船外機の最大転舵角とする。さらに、当該第1船外機に隣接する第2船外機を、第1船外機との間に所定のクリアランスが確保された限界状態まで前記一方向に向けて転舵させ、その状態で当該第2船外機の転舵角を検出し、その検出値を当該第2船外機の最大転舵角とする。さらに別の船外機が存在する場合も同様にして、当該船外機の前記一方向に関する最大転舵角が求まる。前記一方向の反対方向である他方向に関しても同様にして、各船外機の最大転舵角を求めることができる。これにより、各船外機に関して、両方向の最大転舵角が求まることになる。目標転舵角設定手段は、こうして求められた最大転舵角以下の範囲で各船外機の目標転舵角を設定する。
これにより、個々の転舵装置の機械的誤差や、転舵角を検出するセンサの誤差によらずに、各船外機を最大限に転舵操作できる。また、船尾形状によっては、最大まで転舵すると船外機が船体に当たるような場合もある。このような場合であっても、船外機が船体に当たらない位置を最大転舵角として取得させることによって、操船者は、船外機と船体との干渉を気にすることなく、操船操作を行うことができる。
請求項3記載の発明は、前記転舵角検出手段が検出する各船外機の転舵角に基づいて前記複数の船外機の転舵角を制御し、隣接する船外機間のクリアランスを調整するクリアランス調整手段をさらに含む、請求項1または2記載の船外機制御装置である。
この構成によれば、隣接する船外機間のクリアランスが調整されるので、船外機間の干渉が生じない範囲で、各船外機の転舵角を最適な値とすることができる。
たとえば、複数の船外機の同期転舵制御を行うべきときに、隣接する一対の船外機のクリアランスが適値よりも大きいときには、転舵方向上流側の船外機を適正クリアランスとなるまで先に転舵し、その後に、両船外機の同期転舵制御を開始すればよい。また、隣接する一対の船外機のクリアランスが適値よりも小さいときには、転舵方向下流側の船外機を適正クリアランスとなるまで先に転舵し、その後に、両船外機の同期転舵制御を開始すればよい。すなわち、転舵方向への転舵によって適正クリアランスを確保できる側の船外機を先行して転舵させ、適正クリアランスとなった後に、両船外機の同期転舵制御を開始すればよい。船外機間のクリアランスは、たとえば、各船外機の転舵角から求めることができる。
請求項4記載の発明は、前記目標転舵角設定手段は、操作者によって操作されるステアリングハンドルの操舵角に対応した基本目標転舵角を演算する手段を有し、右転舵角領域の少なくとも一部では、前記右端船外機の目標転舵角を前記基本目標転舵角に等しく設定する一方で前記左端船外機の目標転舵角を前記基本目標転舵角よりも小さな値に設定し、左転舵角領域の少なくとも一部では、前記左端船外機の目標転舵角を前記基本目標転舵角に等しく設定する一方で前記右端船外機の目標転舵角を前記基本目標転舵角よりも小さな値に設定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の船外機制御装置である。
請求項5記載の発明は、前記目標転舵角設定手段は、転舵角中立位置を中心とした所定転舵角範囲を等転舵角領域とし、前記等転舵角領域において、前記右端船外機および前記左端船外機の目標転舵角をいずれも前記基本目標転舵角に等しく設定するものである、請求項4に記載の船外機制御装置である。
請求項記載の発明は、船体と、前記船体の後尾(船尾)に取り付けられた複数の船外機と、前記複数の船外機を制御する請求項1〜のいずれか一項に記載の船外機制御装置とを含む、船舶である。
この構成によれば、船外機間の干渉を回避しつつ、各船外機を個々に最大限にまで転舵できることから、船舶の旋回性を向上することができる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る船舶の構成を説明するための図解的な平面図である。船舶1は、船体2と、一対の船外機3と、一対の転舵機構4と、操作部5と、コントローラ6とを備えている。
一対の船外機3は、船体後尾の右舷に配置された右舷船外機3Rと、船体後尾の左舷に配置された左舷船外機3Lとを含む。一対の船外機3は、船体2の船尾板2aに左右に並んで取り付けられており、左右方向の揺動(転舵)が可能な状態とされている。船外機3は、原動機としてのエンジン(内燃機関)10と、このエンジン10によって回転駆動されるプロペラ11とを有している。エンジン10が収容された上部はトップカウリング12によって保護されている。このトップカウリング12は、平面視において流線形(しずく形)の外形を有しており、このトップカウリング12によって、船外機3の平面視外形が規定されている。すなわち、船外機3は、後方に向かうに従って(より正確には揺動中心から離れるに従って)幅広となる平面視外形を有している。
一対の転舵機構4は、左舷船外機3Lに対応した左舷転舵機構4Lと、右舷船外機3Rに対応した右舷転舵機構4Rとを含む。左舷転舵機構4Lは、左舷船外機3Lを左右に揺動(転舵)させる。右舷転舵機構4Rは、右舷船外機3Rを左右に揺動(転舵)させる。
操作部5は、操船者によって操作されるステアリングハンドル5aと、このステアリングハンドル5aの操舵角(操作角)を検出する操舵角センサ5bとを備えている。この操舵角センサ5bの出力信号は、コントローラ6に入力されるようになっている。
コントローラ6は、いわゆる電子制御ユニット(ECU)であり、マイクロコンピュータを備えている。コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角に応じて、転舵機構4の動作を制御する。また、制御系統の図示は省略するが、コントローラ6は、エンジン10の出力を制御する機能も備えている。
図2は、転舵機構4の構成を説明するための平面断面図である。船外機3は、クランプブラケット7およびスイベルブラケット8を介して船体2の船尾板2a(図1参照)に取り付けられている。より具体的には、船尾板2aにクランプブラケット7が固定されており、このクランプブラケット7にスイベルブラケット8が結合されている。さらに、スイベルブラケット8に対して、船外機3が左右方向の揺動(転舵)が可能な状態で取り付けられている。さらに詳細に説明すると、クランプブラケット7は、左右方向に延びたチルト軸15を介してスイベルブラケット8を上下方向に回動自在に支持している。スイベルブラケット8は、その後端に立設されたステアリング軸16を有している。このステアリング軸16に対して、船外機3の本体17が左右方向に回動自在に支持されている。
船外機本体17には、ステアリング軸16よりも前方側へと延びて突出したステアリングブラケット18が設けられている。このステアリングブラケット18をステアリング軸16まわりに揺動させることにより、船外機3をスイベルブラケット8に対して左右に転舵させることができる。
左右の船外機3L,3R間に機械的な結合はなく、それぞれ独立に転舵できるようになっている。ただし、左右の船外機3L,3Rは、互いに接近して配置されているので、無秩序な転舵を行えば、互いに衝突するおそれがある。このような衝突が生じないように、コントローラ6によって左右の転舵機構4L,4Rが制御される。
転舵機構4は、左右一対の支持部材21と、ボールねじ軸22と、ボールねじナット23と、転舵用モータ24とを備えている。一対の支持部材21は、クランプブラケット7にチルト軸15を介して回動自在に支持されている。これらの支持部材21の間にボールねじ軸22が架け渡されている。このボールねじ軸22にボールねじナット23が螺合している。転舵用モータ24はボールねじナット23をボールねじ軸22まわりに回転させるものであり、ボールねじナット23を収容するハウジング25を有している。以下、左舷転舵機構4Lおよび右舷転舵機構4Rにそれぞれ対応する転舵用モータ24を区別するときには、それぞれ「左舷転舵用モータ24L」および「右舷転舵用モータ24R」などという。
ボールねじ軸22は、その軸線が船体2の左右方向に沿うように支持部材21に支持されている。ボールねじナット23は、ハウジング25内で回転自在に支持されており、かつ、ハウジング25の軸方向(ボールねじ軸22の軸方向と平行)への移動が規制されている。
転舵用モータ24は、ハウジング25内に固定されたステータ26を備え、このステータ26のコイル(図示せず)に通電することによって、ロータとしてのボールねじナット23を回転駆動する。この転舵用モータ24の回転が、コントローラ6によって制御されるようになっている。ハウジング25内には、ボールねじナット23の回転を検出することにより、船外機3の転舵角を検出する転舵角センサ30が備えられている。転舵角センサ30は、たとえば、ボールねじナット23の外周面に形成された多数の溝(突条)を磁束の変化によって検出するギャップセンサで構成することができる。以下、左舷転舵機構4Lおよび右舷転舵機構4Rにそれぞれ付設された転舵角センサ30を区別するときには、それぞれ「左舷転舵角センサ30L」および「右舷転舵角センサ30R」などという。
ハウジング25は、船外機3に向かって後方に延びる転舵用アーム27を備えている。この転舵用アーム27の後端には、連結用ピン28が立設されている。この連結用ピン28に、ステアリングブラケット18の先端に形成された長孔29が遊嵌されている。これにより、転舵用アーム27に対してステアリングブラケット18が回動自在に連結されている。
このような構成により、転舵用モータ24によってボールねじナット23を回転させると、ボールねじナット23がボールねじ軸22に沿って左右方向に移動する。これにより、ハウジング25の左右方向移動が引き起こされ、転舵用アーム27に結合されたステアリングブラケット18がステアリング軸16まわりに揺動する。その結果、ステアリングブラケット18に結合された船外機3の転舵が達成される。
図3は、前記船舶の転舵制御に関連する電気的構成を説明するためのブロック図である。コントローラ6には、操舵角センサ5bおよび左右の転舵角センサ30L,30Rの出力信号が入力されるようになっている。これらの信号に基づいて、コントローラ6は、左右の転舵機構4L,4Rに備えられた転舵用モータ24L,24Rを制御する。
コントローラ6は、CPUおよびメモリを備え、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理ユニットとしての機能を実現する。より具体的には、コントローラ6は、個別転舵角設定ユニット31、個別転舵制御ユニット32、クリアランス調整ユニット33および最大転舵角取得ユニット34としての機能を実行する。個別転舵角設定ユニット31としての機能とは、左舷船外機3Lの目標転舵角δL*と、右舷船外機3Rの目標転舵角δR*とを個別に設定する機能である。個別転舵制御ユニット32としての機能とは、個別に設定された目標転舵角δL*,δR*に従って左舷船外機3Lおよび右舷船外機3Rを個別に転舵制御する機能である。クリアランス調整ユニット33としての機能とは、左右の船外機3L,3Rのクリアランスを適正値に導くために、左右の船外機3L,3Rの転舵制御を行う機能である。最大転舵角取得ユニット34としての機能とは、左舷船外機3Lの右最大転舵角および左最大転舵角、ならびに右舷船外機3Rの右最大転舵角および左最大転舵角を取得し、メモリ6Mに格納する機能である。それぞれの右最大転舵角および左最大転舵角の間の転舵角範囲で左右の船外機3L,3Rの目標転舵角δL*,δR*が設定されることになる。
図4は、この実施形態の一つの特徴的な動作を図解した説明図である。ステアリングハンドル5aが中立位置にあるとき、左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRは零である。すなわち、左右の船外機3L,3Rは互いに平行な方向に推進力を発生する。転舵角とは、船外機3のプロペラ11の中心線11aが船舶中心線1aに対してなす角(平面視)をいう。船舶中心線1aとは、平面視において、船首と船尾中央とを通る直線である。
ステアリングハンドル5aを右まわりに回転操作すると、それに応じて、左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRが変化し、船外機3L,3Rのプロペラ11が船体2に対して右側へ回動される。これにより、船外機3L,3Rが前進駆動されているとき、それらの推進力は、船舶中心線1aに対して左向きになる。その結果、船舶1が右方向へと旋回することになる。ステアリングハンドル5aを右方向へと切り込む操作量が大きいほど、船外機3L,3Rの転舵角δL,δRも大きくなる。ただし、左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRは等しくなく、右舷船外機3Rの転舵角δRの方が左舷船外機3Lの転舵角δLよりも大きくなっている。左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRの差は、転舵角δL,δRが大きくなるほど大きくなっている。これは、平面視において後方側ほど幅広となる外形を有する船外機3L,3Rの干渉を回避するためである。すなわち、船外機3L,3Rの転舵角δL,δRを等しくしていると、転舵角が大きくなるに従って、船外機3L,3R間のクリアランスが小さくなり、ついには両者が接触するに至る。そこで、この実施形態では、転舵方向下流側(右側)に位置する右舷船外機3Rの目標転舵角δR*を転舵方向上流側(左側)に位置する左舷船外機3Lの目標転舵角δL*よりも大きく設定することとしている。なお、「転舵角が大きい」とは、転舵角の絶対値が大きいことを意味するものとする。目標転舵角についても同様である。
左側への操舵に関しても同様である。すなわち、ステアリングハンドル5aを左まわりに回転操作すると、それに応じて、左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRが変化し、船外機3L,3Rのプロペラ11が船体2に対して左側へ回動される。これにより、船外機3L,3Rを前進駆動している場合、それらの推進力は、船舶中心線1aに対して右向きになる。その結果、船舶1が左方向へと旋回することになる。ステアリングハンドル5aを左方向へと切り込んでいく操作量が大きいほど、船外機3L,3Rの転舵角δL,δRも大きくなる。ただし、左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRは等しくなく、左舷船外機3Lの転舵角δLの方が右舷船外機3Rの転舵角δRよりも大きくなっている。左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRの差は、転舵角δL,δRが大きくなるほど大きくなっている。すなわち、この実施形態では、転舵方向下流側(左側)に位置する左舷船外機3Lの目標転舵角δL*を転舵方向上流側(右側)に位置する右舷船外機3Rの目標転舵角δR*よりも大きく設定することとしている。
図5Aは、左右の船外機の転舵角を等しく設定した場合の右旋回動作を示す図であり、図5Bは、右舷船外機の転舵角を左舷船外機の転舵角よりも大きく設定した場合の右旋回動作を示す図である。ただし、図5Aおよび図5Bの状況において、左舷船外機の転舵角δLは互いに等しくなっているものとする。
左舷船外機3Lの転舵角δLよりも右舷船外機3Rの転舵角δRを大きく設定した図5Bの状況では、左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRが等しい図5Aの状況のときよりも、船外機3L,3Rが発生する推進力による大きなモーメントが生じる。したがって、図5Aの状況の場合の方が、船舶1の旋回性能が優れている。
船外機3L,3Rの転舵角δL,δRを等しくし、かつ、船外機3L,3Rの機械的な干渉を回避しようとすると、船外機3L,3Rの全転舵角範囲が著しく制限されてしまう。そこで、この実施形態では、転舵方向下流側の船外機の転舵角を転舵方向上流側の船外機の転舵角よりも大きく設定することとしている。これにより、個々の船外機3L,3Rの全転舵角範囲は、船外機3L,3R間の干渉が生じない範囲で最大限に設定可能であり、それによって、優れた旋回性能を船舶1に与えることができる。
図6は、前述のような転舵制御を実現するためにコントローラ6によって実行される処理の内容を説明するためのフローチャートである。コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角を取得し(ステップS1)、この操舵角に対応した基本目標転舵角δ*を演算する(ステップS2)。基本目標転舵角δ*とは、両船外機3L,3Rの干渉を考慮せずに求められる目標転舵角である。
次に、コントローラ6は、基本目標転舵角δ*に基づいて、左舷船外機3Lのための目標転舵角(以下「左舷目標転舵角」という。)δL*と、右舷船外機3Rのための目標転舵角(以下「右舷目標転舵角」という。)δR*とを求める(ステップS3,S4。個別転舵角設定ユニット31としての機能)。これらの目標転舵角δL*,δR*は、両船外機3L,3Rの干渉を回避できるように、基本目標転舵角δ*に対して必要な補正を加えた値を有する。
こうして各船外機3L,3Rの目標転舵角δL*,δR*が求まると、コントローラ6は、これらの目標転舵角δL*,δR*に基づいて、左舷転舵機構4Lおよび右舷転舵機構4Rの転舵用モータ24L,24Rをそれぞれ制御する(ステップS5,S6。個別転舵制御ユニット32としての機能)。より具体的には、転舵角センサ30L,30Rによってそれぞれ検出される左舷および右舷の船外機3L,3Rの実際の転舵角δL,δRが目標転舵角δL*,δR*に一致するように、コントローラ6は、転舵用モータ24L,24Rをそれぞれフィードバック制御する。
図7は、左舷目標転舵角および右舷目標転舵角の設定例を説明するための図である。転舵角は、右方向転舵に対して正符号、左方向転舵に対して負符号を付与して表されている。横軸は、基本目標転舵角δ*であり、ステアリングハンドル5aの操舵角に対応(比例)する値である。基本目標転舵角δ*が正の領域(右方向操舵領域)では、右舷目標転舵角δR*は、基本目標転舵角δ*に等しく定められている。これに対して、左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*よりも小さな値に定められている。反対に、基本目標転舵角δ*が負の領域(左方向操舵領域)では、左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*に等しく定められている。これに対して、右目標舷転舵角δR*は、その絶対値が基本目標転舵角δ*の絶対値よりも小さな値とされている。
より具体的に説明すると、右舷目標転舵角δR*は、基本目標転舵角δ*が零から右最大転舵角δmax_r(たとえば30度)まで変化するときに、零から右最大転舵角δRmax_r(=δmax_r)までリニアに変化するように定められる。また、右舷目標転舵角δR*は、基本目標転舵角δ*が左最大転舵角δmax_l(たとえば−30度)から零まで変化するときに、左最大転舵角δRmax_l(|δRmax_l|<|δmax_l|)から零までリニアに変化するように定められる。同様に、左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*が零から右最大転舵角δmax_r(たとえば30度)まで変化するときに、零から左最大転舵角δLmax_r(<δmax_r)までリニアに変化するように定められる。また、左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*が左最大転舵角δmax_l(たとえば−30度)から零まで変化するときに、左最大転舵角δLmax_l(=δmax_l)から零までリニアに変化するように定められる。そして、右舷目標転舵角δR*の右最大転舵角δRmax_rと左舷目標転舵角δL*の右最大転舵角δLmax_rとの間には、δRmax_r−δLmax_r≧εr(εr>0)なる関係が成立している。同様に、右舷目標転舵角δR*の左最大転舵角δRmax_lと左舷目標転舵角δL*の左最大転舵角δLmax_lとの間には、|δLmax_l|−|δRmax_l|≧εl(εl>0)なる関係が成立している。εr,εlは、船外機3L,3Rを右側または左側に最大限に転舵させた状態で、それらの間に確保されるべき最小クリアランスを転舵角の差に換算した値(最大転舵角における最小転舵角差)である。
このように、右転舵角領域においては、左舷船外機3Lの目標転舵角δL*が基本目標転舵角δ*よりも小さな値に設定される。また、左転舵角領域においては、右舷船外機3Rの目標転舵角δR*が、その絶対値が基本目標転舵角δ*の絶対値よりも小さな値となるように設定される。これにより、いずれの転舵角においても、船外機3L,3R間の干渉を回避できる。しかも、転舵方向下流側の船外機については、大きな最大転舵角を確保できることから、船舶1の旋回性を向上できる。
なお、左舷目標転舵角δL*は、図7に二点鎖線で示す特性線に従って設定される必要はなく、この特性線よりも下側の領域に属する値に設定することもできる。同様に、右舷目標転舵角δR*は、図7に実線で示す特性線に従って設定される必要はなく、この特性線よりも上側の領域に属する値に設定することもできる。つまり、船外機3L,3Rの干渉が生じる可能性のある領域外において、基本目標転舵角δ*応じた左舷目標転舵角δL*および右舷目標転舵角δR*を個別に設定可能である(アクティブ制御)。
図8は、左舷目標転舵角および右舷目標転舵角の他の設定例を説明するための図である。この設定例では、転舵角中立位置(転舵角=0)を中心とした所定転舵角範囲が等転舵角領域40とされている。等転舵角領域40とは、左右の船外機3L,3Rの目標転舵角δL*,δR*を等しい値に設定する領域である。この等転舵角領域40は、左右の船外機3L,3Rの間にクリアランスを保持しつつ、それらのプロペラ中心線方向を平行に保つことができる転舵角範囲である。等転舵角領域40においては、左舷目標転舵角δL*および右舷目標転舵角δR*は、いずれも基本目標転舵角δ*に等しく設定される。
等転舵角領域40よりも右側では、右最大転舵角δLmax_r,δRmax_rまでリニアに変化するように左舷目標転舵角δL*および右舷目標転舵角δR*が定められる。同様に、等転舵角領域40よりも左側では、左最大転舵角δLmax_l,δRmax_lまでリニアに変化するように左舷目標転舵角δL*および右舷目標転舵角δR*が定められる。
図9は、右最大転舵角および左最大転舵角を設定するための学習処理(最大転舵角取得ユニット34としての機能)を説明するためのフローチャートである。コントローラ6に対して所定の学習モード信号を与えることによって、コントローラ6は、学習モードに従う動作を実行する。学習モード信号は、たとえば、コントローラ6に接続可能な専用の設定機器を用いてコントローラ6に入力可能とされていてもよい。設定機器は、所定のプログラムを搭載したコンピュータであってもよい。
コントローラ6は、学習モード信号の入力があったかどうかを判断し(ステップS11)、学習モード信号の入力がなければ、通常転舵制御を実行する(ステップS10)。通常転舵制御とは、前述の図6を用いて説明した制御動作である。
学習モード信号が入力された場合には(ステップS11:YES)、コントローラ6は、右舷船外機3Rのみの転舵制御を行う(ステップS12)。すなわち、コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角に応じて、右舷船外機3Rに対応した右舷転舵機構4Rのみを制御する。調整作業者は、右舷船外機3Rの転舵状態を目視確認しながら、ステアリングハンドル5aを右方向に回転操作し、右舷船外機3Rを、船体その他の構造部分と間に最小限のクリアランスを確保できる右最大転舵位置まで転舵させる。この状態で、作業者は、前記設定機器から、コントローラ6に対して学習信号を供給する(ステップS13)。この学習信号に応答して、コントローラ6は、右舷転舵角センサ30Rによって検出される右舷転舵角δRを取得する。そして、この取得された右舷転舵角δRを、右舷船外機3Rのための右最大転舵角δRmax_rとしてメモリ6Mに格納する。こうして、右舷船外機3Rのための右最大転舵角δRmax_rの学習が行われる(ステップS14)。
次に、コントローラ6は、左舷船外機3Lのための転舵機構4Lのみの制御を行う状態となる(ステップS15)。すなわち、コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角に応じて、左舷転舵機構4Lのみを制御する。調整作業者は、左舷船外機3Lの転舵状態を目視確認しながら、ステアリングハンドル5aを右方向に回転操作し、左舷船外機3Lを、右最大舵角まで転舵された右舷船外機3Rとの間に最小限のクリアランスを確保できる右最大転舵位置まで転舵させる。この状態で、作業者は、前記設定機器から、コントローラ6に対して学習信号を供給する(ステップS16)。この学習信号に応答して、コントローラ6は、左舷転舵機構4Lの転舵角センサ30Lによって検出される左舷転舵角δLを取得する。そして、この取得された左舷転舵角δLを、左舷船外機3Lのための右最大転舵角δLmax_rとしてメモリ6Mに格納する。こうして、左舷船外機3Lのための右最大転舵角δLmax_rの学習が行われる(ステップS17)。
次に、同様の動作が、船外機3L,3Rの左方向転舵に関しても実行される。
コントローラ6は、左舷船外機3Lのみの転舵制御を行う(ステップS18)。すなわち、コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角に応じて、左舷転舵機構4Lのみを制御する。調整作業者は、左舷船外機3Lの転舵状態を目視確認しながら、ステアリングハンドル5aを左方向に回転操作し、左舷船外機3Lを、船体その他との構造部分との間に最小限のクリアランスを確保できる左最大転舵位置まで転舵させる。この状態で、作業者は、前記設定機器から、コントローラ6に対して学習信号を供給する(ステップS19)。この学習信号に応答して、コントローラ6は、左舷転舵機構4Lの転舵角センサ30Lによって検出される左舷転舵角δLを取得する。そして、この取得された左舷転舵角δLを、左舷船外機3Lのための左最大転舵角δLmax_lとしてメモリ6Mに格納する。こうして、左舷船外機3Lのための左最大転舵角δLmax_lの学習が行われる(ステップS20)。
次に、コントローラ6は、右舷船外機3Rのための転舵機構4Rのみの制御を行う状態となる(ステップS21)。すなわち、コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角に応じて、右舷転舵機構4Rのみを制御する。調整作業者は、右舷船外機3Rの転舵状態を目視確認しながら、ステアリングハンドル5aを左方向に回転操作し、右舷船外機3Rを、左最大転舵角まで転舵された左舷船外機3Lとの間に最小限のクリアランスを確保できる左最大転舵位置まで転舵させる。この状態で、作業者は、前記設定機器から、コントローラ6に対して学習信号を供給する(ステップS22)。この学習信号に応答して、コントローラ6は、右舷転舵機構4Rの転舵角センサ30Rによって検出される右舷転舵角δRを取得する。そして、この取得された右舷転舵角δRを、右舷船外機3Rのための左最大転舵角δRmax_lとしてメモリ6Mに格納する。こうして、右舷船外機3Rのための左最大転舵角δLmax_lの学習が行われる(ステップS23)。
この後は、学習モードを終了して(ステップS24)、通常転舵制御に移行する(ステップS10)。
このようにして、左右の船外機3L,3Rのそれぞれに対して、右最大転舵角および左最大転舵角を学習させることができる。この学習された左右の最大転舵角を用いることによって、ステアリングハンドル5aの操作に応じて、左右の船外機3L,3Rのための目標転舵角δL*,δR*が設定されることになる(図7および図8参照)。
図10Aおよび図10Bは、この実施形態における別の特徴的な動作を図解した説明図である。左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRは可能な限り等しく保つことが好ましい。そこで、船外機3L,3R間に適正なクリアランスが確保されるように、船外機3L,3Rの転舵制御が行われる。
具体的には、ステアリングハンドル5aが操作されて、コントローラ6の転舵制御が起動されるときに、図10Aに示すように、船外機3L,3R間のクリアランス(転舵角の差)が適正値よりも大きい場合を想定する。
このとき、ステアリングハンドル5aが回転操作されると、これに応答して、クリアランス調整動作が行われる。具体的には、ステアリングハンドル5aが右回りに操作されると、右舷船外機3Rを旋回することなく、左舷船外機3Lを右舷船外機3Rに近づけるように旋回させる動作が実行される。そして、クリアランスが適正値になると、その後は、両船外機3L,3Rの両方が右方向に同期して旋回される。
一方、ステアリングハンドル5aが左回りに操作されたときのクリアランス調整動作は、左舷船外機3Lを旋回することなく、右舷船外機3Rを左舷船外機3Lに近づけるように旋回させる動作となる。そして、クリアランスが適正値になると、その後は、両船外機3L,3Rが左方向に同期して旋回される。
このように、クリアランスが過大なときは、ステアリングハンドル5aによる操舵方向に対応する船外機移動方向(転舵方向)に関して上流側の船外機がその下流側の船外機に近づくように旋回されることによって、両船外機間のクリアランスが調整される。
次に、コントローラ6の起動時において、図10Bに示すように船外機3L,3R間のクリアランスが適正値よりも小さい場合のクリアランス調整動作について説明する。
ステアリングハンドル5aが回転操作されると、これに応答して、クリアランス調整動作が行われる。具体的には、ステアリングハンドル5aが右回りに操作されると、左舷船外機3Lを旋回することなく、右舷船外機3Rを左舷船外機3Lから遠ざけるように右旋回させる動作が実行される。そして、クリアランスが適正値になると、その後は、両船外機3L,3Rの両方が右方向に同期して旋回される。
一方、ステアリングハンドル5aが左回りに操作されたときのクリアランス調整動作は、右舷船外機3Rを旋回することなく、左舷船外機3Lを右舷船外機3Rから遠ざけるように左旋回させる動作となる。そして、クリアランスが適正値になると、その後は、両船外機3L,3Rが左方向に同期して旋回される。
このように、クリアランスが過小なときは、ステアリングハンドル5aによる操舵方向に対応する船外機移動方向(転舵方向)に関して下流側の船外機がその上流側の船外機から遠ざかるように旋回される。これによって、両船外機間のクリアランスが適正値に調整される。
したがって、クリアランス調整動作では、ステアリングハンドル5aの操舵方向に対応する方向への転舵によってクリアランスを適正化できる船外機のみが当該方向へ転舵させられることになる。
クリアランスの調整のために一方の船外機のみの転舵制御が行われているときには、たとえば、操船席に配置したインジケータランプ50を作動(たとえば点灯または点滅)させて、操船者にクリアランス調整動作中であることを報知するようにしてもよい。むろん、操船者への報知は、ブザー等の他の報知手段によって行ってもよい。
図11は、前述のクリアランス調整動作(クリアランス調整ユニット33としての機能)を説明するためのフローチャートである。ステアリングハンドル5aが操作されると、コントローラ6は、左右の転舵機構4L,Rに設けられた転舵角センサ30L,30Rから左右の船外機3L,3Rの転舵角δL,δRを取得する(ステップS31)。コントローラ6は、取得された転舵角δL,δRの差が、目標転舵角の特性(図7および図8参照)に従うかどうか、すなわち、船外機3L,3R間に適正なクリアランスが確保されているかどうかを判断する(ステップS32)。クリアランスが適正な場合には(ステップS32:YES)、コントローラ6の動作の動作は、通常転舵制御(図6参照)に移行する(ステップS33)。
クリアランスが不適正である場合には(ステップS32:NO)、コントローラ6は、さらに、クリアランスが適正値に比較して過大であるか過小であるかを判断する(ステップS34)。
クリアランスが過小である場合には、コントローラ6は、ステアリングハンドル5aの操作方向に対応する転舵方向に関して下流側の船外機を当該転舵方向に転舵させる(ステップS35)。この動作が、転舵角δL,δRに基づいて求められる左右の船外機3L,3R間のクリアランスが適正値になるまで行われる(ステップS36)。
クリアランスが過大である場合には、コントローラ6は、ステアリングハンドル5aの操作方向に対応する転舵方向に関して上流側の船外機を当該転舵方向に転舵させる(ステップS37)。この動作が、転舵角δL,δRに基づいて求められる左右の船外機3L,3R間のクリアランスが適正値になるまで行われる(ステップS38)。
左右の船外機3L,3R間のクリアランスが適正値になると、コントローラ6の動作は、通常転舵制御に移行する(ステップS33)。
図12は、この発明の第2の実施形態に係る船舶の構成を説明するための図解的な平面図である。この図12において、前述の図1に示された各部に対応する部分には、同一参照符号を付して示す。
この実施形態に係る船舶は、左右の船外機3L,3Rの間に、さらに、別の船外機3C(以下、区別するときには「中央船外機3C」という。)が備えられている。中央船外機3Cは、船体2の船尾板2aに、船外機3L,3Rと同様の構成によって取り付けられている。さらに、中央船外機3Cに対応して、中央転舵機構4Cが設けられている。中央転舵機構4Cの構成は、左舷転舵機構4Lおよび右舷転舵機構4Rと同様である。中央転舵機構4Cに備えられた転舵用モータ24C(図13参照)が、コントローラ6によって制御されるようになっている。
図13は、この実施形態に係る船舶の電気的構成を示すブロック図である。この図13において、前述の図3に示された各部に対応する部分には、同一参照符号を付して示す。この実施形態においては、コントローラ6の制御対象として、転舵用モータ24Cが追加されている。そして、中央船外機3Cの転舵角δCを検出する中央転舵角センサ30Cの出力信号が、コントローラ6に入力されている。コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角および中央転舵角センサ30Cによって検出される転舵角(中央転舵角)に応じて、中央転舵用モータ24Cの動作を制御する。
図14は、この実施形態における特徴的な動作を図解した説明図である。ステアリングハンドル5aが中立位置にあるとき、左右および中央の船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCはいずれも零である。すなわち、3つの船外機3L,3R,3Cは互いに平行な方向に推進力を発生する。
ステアリングハンドル5aを右まわりに回転操作すると、それに応じて、左右および中央の船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCが変化し、船外機3L,3R,3Cのプロペラ11が船体2に対して右側へ回動される。これにより、船外機3L,3R,3Cの推進力は、船舶中心線1aに対して左向きになる。その結果、船舶1が右方向へと旋回することになる。ステアリングハンドル5aを右方向へと切り込んでいく操作量が大きいほど、船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCも大きくなる。ただし、3つの船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCは等しくない。具体的には、右舷転舵角δRは中央転舵角δCよりも大きく、中央転舵角δCは左舷転舵角δLよりも大きくなっている。転舵角δL,δC間の差および転舵角δC,δR間の差は、転舵角δL,δR,δCが大きくなるほど大きくなっている。これは、平面視において後方側ほど幅広となる外形を有する船外機3L,3R,3Cの干渉を回避するためである。すなわち、船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCを等しくしていると、転舵角が大きくなるに従って、船外機3L,3R,3C間のクリアランスが小さくなり、ついには隣接する船外機同士が接触するに至る。そこで、この実施形態では、転舵方向下流側(右側)に位置する船外機ほど、転舵角を大きく設定することとしている。
左側への操舵に関しても同様である。すなわち、ステアリングハンドル5aを左まわりに回転操作すると、それに応じて、左右および中央の船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCが変化し、船外機3L,3R,3Cのプロペラ11が船体2に対して左側へ回動される。これにより、船外機3L,3R,3Cの推進力は、船舶中心線1aに対して右向きになる。その結果、船舶1が左方向へと旋回することになる。ステアリングハンドル5aを左方向へと切り込んでいく操作量が大きいほど、船外機3L,3R,3Cの転舵角δL,δR,δCも大きくなる。ただし、左舷転舵角δLは中央転舵角δCよりも大きく、中央転舵角δCは右舷転舵角δRよりも大きくなっている。すなわち、転舵方向下流側(左側)に位置する船外機ほど、転舵角を大きく設定することとしている。転舵角δL,δC間の差、および転舵角δC,δR間の差は、転舵角が大きくなるほど大きくなっている。
図15は、左舷目標転舵角、右舷目標転舵角および中央目標転舵角の設定例を説明するための図である。図7の場合と同様に、転舵角は、右方向転舵に対して正符号、左方向転舵に対して負符号を付与して表されている。横軸は、基本目標転舵角δ*であり、ステアリングハンドル5aの操舵角に対応(比例)する値である。
基本目標転舵角δ*が正の領域(右方向操舵領域)では、右舷目標転舵角δR*は、基本目標転舵角δ*に等しく定められている。これに対して、中央目標転舵角δC*は基本目標転舵角δ*よりも小さな値に定められており、左舷目標転舵角δL*は中央目標転舵角δC*よりも小さな値に定められている。同様に、基本目標転舵角δ*が負の領域(左方向操舵領域)では、左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*に等しく定められている。これに対して、中央目標転舵角δC*は、その絶対値が基本目標転舵角δ*の絶対値よりも小さな値とされている。さらに、右目標舷転舵角δR*は、その絶対値が中央目標転舵角δC*の絶対値よりも小さな値に定められている。
より具体的に説明すると、右舷目標転舵角δR*、中央目標転舵角δC*および左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*が零から右最大転舵角δmax_r(たとえば30度)まで変化するときに、零からそれぞれの右最大転舵角δRmax_r,δCmax_r,δLmax_rまでリニアに変化するように定められる。また、右舷目標転舵角δR*、中央目標転舵角δC*および左舷目標転舵角δL*は、基本目標転舵角δ*が左最大転舵角δmax_l(たとえば−30度)から零まで変化するときに、それぞれ左最大転舵角δRmax_l,δCmax_l,δLmax_lから零までリニアに変化するように定められる。そして、右最大転舵角δRmax_r,δCmax_r,δLmax_rの間には、δRmax_r−δCmax_r≧ε1(ε1>0)、δCmax_r−δLmax_r≧ε2(ε2>0)なる関係が成立している。同様に、左最大転舵角δRmax_l,δCmax_l,δLmax_lの間には、|δLmax_l|−|δCmax_l|≧ε3(ε3>0)、|δCmax_l|−|δRmax_l|≧ε4(ε4>0)なる関係が成立している。ε1,ε2,ε3,ε4は、船外機3L,3R,3Cを右側または左側に最大限に転舵させた最大転舵状態で、それらの間に確保されるべき最小クリアランスを転舵角差に換算した値(最大転舵角における最小転舵角差)である。
このように、右転舵角領域においては、中央および左舷船外機3C,3Lの目標転舵角δC*,δL*が基本目標転舵角δ*よりも小さな値に設定される。また、左転舵角領域においては、中央および右舷船外機3C,3Rの目標転舵角δC*,δR*は、各絶対値が基本目標転舵角δ*の絶対値よりも小さな値となるように設定される。これにより、いずれの転舵角においても、船外機3L,3R間の干渉を回避できる。しかも、転舵方向下流側の船外機ほどは、大きな最大転舵角を確保できることから、船舶の旋回性を向上できる。
図16は、左舷目標転舵角および右舷目標転舵角の他の設定例を説明するための図である。この設定例は、前述の図8の場合と類似しており、転舵角中立位置(転舵角=0)を中心とした所定転舵角範囲が等転舵角領域41とされている。等転舵角領域41とは、左右の船外機3L,3Rおよび中央船外機3Cの目標転舵角δL*,δR*,δC*を等しい値に設定する領域である。この等転舵角領域41は、船外機3L,3R,3Cの間にクリアランスを保持しつつ、それらのプロペラ中心線方向を平行に保つことができる転舵角範囲である。等転舵角領域41においては、目標転舵角δL*,δR*,δC*は、いずれも基本目標転舵角δ*に等しく設定される。
等転舵角領域41よりも右側では、右最大転舵角δRmax_r,δLmax_r,δCmax_rまでリニアに変化するように、右舷目標転舵角δR*、左舷目標転舵角δL*および中央目標転舵角δC*が定められる。同様に、等転舵角領域41よりも左側では、左最大転舵角δRmax_l,δLmax_l,δCmax_lまでリニアに変化するように、右舷目標転舵角δR*、左舷目標転舵角δL*および中央目標転舵角δC*が定められる。
図17は、コントローラ6によって実行される転舵制御を説明するためのフローチャートである。この図17において、前述の図6に示された各ステップに対応するステップには、同一参照符号を付して示す。
コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角を取得し(ステップS1)、この操舵角に対応した基本目標転舵角δ*を演算する(ステップS2)。
次に、コントローラ6は、基本目標転舵角δ*に基づいて、左舷目標転舵角δL*と、右舷目標転舵角δR*と、中央目標転舵角δC*とを求める(ステップS3,S4,S41。個別転舵角設定ユニット31としての機能)。
こうして各船外機3L,3R,3Cの目標転舵角δL*,δR*,δC*が求まると、コントローラ6は、これらの目標転舵角δL*,δR*,δC*に基づいて、左舷転舵機構4L、右舷転舵機構4Rおよび中央転舵機構4Cの転舵用モータ24L,24R,24Cをそれぞれ制御する(ステップS5,S6,S42。個別転舵制御ユニット32としての機能)。より具体的には、転舵角センサ30L,30R,30Cによってそれぞれ検出される左舷、右舷および中央の船外機3L,3R,3Cの実際の転舵角δL,δR,δCが目標転舵角δL*,δR*,δC*に一致するように、コントローラ6は、転舵用モータ24L,24R,24Cをそれぞれフィードバック制御する。
図18は、右最大転舵角および左最大転舵角を設定するための学習処理(最大転舵角取得ユニット34としての機能)を説明するためのフローチャートである。この図18において、前述の図9に示された各ステップに対応する処理が行われるステップには同一参照符号を付すこととする。
学習モード信号が入力された場合に(ステップS11:YES)、コントローラ6は、まず、右舷船外機3Rの右最大転舵角δRmax_rを学習するための処理を実行する(ステップS12ないしS14)。
次に、コントローラ6は、中央船外機3Cのための転舵機構4Lのみの制御を行う状態となる(ステップS51)。すなわち、コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角に応じて、中央転舵機構4Cのみを制御する。調整作業者は、中央船外機3Cの転舵状態を目視確認しながら、ステアリングハンドル5aを右方向に回転操作し、中央船外機3Cを、右最大舵角まで転舵された右舷船外機3Rとの間に最小限のクリアランスを確保できる右最大転舵位置まで転舵させる。この状態で、作業者は、所定の設定機器から、コントローラ6に対して学習信号を供給する(ステップS52)。この学習信号に応答して、コントローラ6は、中央転舵機構4Cの転舵角センサ30Cによって検出される中央転舵角δCを取得する。そして、コントローラ6は、その取得された中央転舵角δCを、中央船外機3Cのための右最大転舵角δCmax_rとしてメモリ6Mに格納する。こうして、中央船外機3Cのための右最大転舵角δCmax_rの学習が行われる(ステップS53)。
次いで、コントローラ6は、左舷船外機3Lのための右最大転舵角δLmax_rを学習するための処理を実行する(ステップS15〜S17)。この場合、調整作業者は、左舷船外機3Lの転舵状態を目視確認しながら、ステアリングハンドル5aを右方向に回転操作し、左舷船外機3Lを、右最大舵角まで転舵された中央船外機3Cとの間に最小限のクリアランスを確保できる右最大転舵位置まで転舵させることになる。
次に、同様の動作が、船外機3L,3C,3Rの左方向転舵に関しても実行される。
すなわち、まず、コントローラ6は、左舷船外機3Lのための左最大転舵角δLmax_lを学習するための処理を実行する(ステップS18〜S20)。
次に、コントローラ6は、中央船外機3Cのみの転舵制御を行う(ステップS54)。すなわち、コントローラ6は、操舵角センサ5bによって検出される操舵角に応じて、中央転舵機構4Cのみを制御する。調整作業者は、中央船外機3Cの転舵状態を目視確認しながら、ステアリングハンドル5aを左方向に回転操作し、中央船外機3Cを、左最大転舵角まで転舵された左舷船外機3Lとの間に最小限のクリアランスを確保できる左最大転舵位置まで転舵させる。この状態で、作業者は、前記設定機器から、コントローラ6に対して学習信号を供給する(ステップS55)。この学習信号に応答して、コントローラ6は、中央転舵機構4Cの転舵角センサ30Cによって検出される中央転舵角δCを取得する。そして、コントローラ6は、その取得された中央転舵角δCを、中央船外機3Cのための左最大転舵角δCmax_lとしてメモリ6Mに格納する。こうして、中央船外機3Cのための左最大転舵角δCmax_lの学習が行われる(ステップS56)。
続いて、コントローラ6は、右舷船外機3Rのための左最大転舵角δRmax_lを学習するための処理を実行する(ステップS21〜S23)。このとき、調整作業者は、右舷船外機3Rの転舵状態を目視確認しながら、ステアリングハンドル5aを左方向に回転操作し、右舷船外機3Rを、左最大転舵角まで転舵された中央船外機3Cとの間に最小限のクリアランスを確保できる左最大転舵位置まで転舵させることになる。
こうして、すべての船外機3L,3C,3Rの左右の最大転舵角の学習が終了すると、コントローラ6は、学習モードを終了して(ステップS24)、通常転舵制御に移行する(ステップS10)。
次に、転舵制御起動時における船外機間のクリアランス調整(クリアランス調整ユニット33としての機能)について説明する。詳細な図示は省略するが、三機掛けの構成におけるクリアランス調整動作は、前述の図10Aおよび図10Bならびに図11を用いて説明した二機掛けの構成の場合と類似している。
左舷船外機3Lおよび中央船外機3Cの間のクリアランスが、過小、適正または過大な場合が考えられ、さらに、中央船外機3Cおよび右舷船外機3R間のクリアランスが過小、適正または過大な場合がある。したがって、次の表1のように場合分けできる。
Figure 0005371408
前記(1)の場合のクリアランス調整動作は次のとおりである。すなわち、ステアリングハンドル5aが右に操舵されたときは、まず、コントローラ6は、右舷船外機3Rのみの転舵制御を行い、中央船外機3Cおよび右舷船外機3R間のクリアランスを適正化する。その後、コントローラ6は、左舷船外機3Lは転舵せず、中央船外機3Cおよび右舷船外機3Rの同期転舵制御を行い、中央船外機3Cと左舷船外機3Lとの間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。一方、ステアリングハンドル5aが左に操舵されたときは、コントローラ6は、まず、左舷船外機3Lのみの転舵制御を行い、左舷船外機3Lおよび中央船外機3C間のクリアランスを適正化する。その後、コントローラ6は、右舷船外機3Rは転舵せず、左舷船外機3Lおよび中央船外機3Cの同期転舵制御を行い、中央船外機3Cと右舷船外機3Rとの間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。
前記(2)の場合のクリアランス調整動作は次のとおりである。すなわち、ステアリングハンドル5aが右に操舵されたときは、コントローラ6は、左舷船外機3Lは転舵せず、中央船外機3Cおよび右舷船外機3Rの同期転舵制御を行い、中央船外機3Cと左舷船外機3Lとの間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。一方、ステアリングハンドル5aが左に操舵されたときは、コントローラ6は、まず、左舷船外機3Lのみの転舵制御を行い、左舷船外機3Lおよび中央船外機3C間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。
前記(3)の場合のクリアランス調整動作は次のとおりである。すなわち、ステアリングハンドル5aが右に操舵されたときは、まず、コントローラ6は、中央船外機3Cのみの転舵制御を行い、中央船外機3Cおよび右舷船外機3R間のクリアランスを適正化する。この間、コントローラ6は、左舷船外機3Lと中央船外機3Cとの間のクリアランスが適正になるかどうかを監視している。中央船外機3Cおよび右舷船外機3R間のクリアランスが適正化されるまでに、左舷船外機3Lと中央船外機3Cとの間のクリアランスが適正化されれば、その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。一方、中央船外機3Cおよび右舷船外機3R間のクリアランスが適正化されても、左舷船外機3Lと中央船外機3Cとの間のクリアランスがまだ過小であるときもある。このとき、コントローラ6は、左舷船外機3Lは転舵せず、中央船外機3Cおよび右舷船外機3Rの同期転舵制御を行い、中央船外機3Cと左舷船外機3Lとの間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。一方、ステアリングハンドル5aが左に操舵されたときは、コントローラ6は、まず、左舷船外機3Lのみの転舵制御を行い、左舷船外機3Lおよび中央船外機3C間のクリアランスを適正化する。その後、コントローラ6は、右舷船外機3Rのみを転舵して、中央船外機3Cと右舷船外機3Rとの間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。
前記(4)の場合のクリアランス調整動作は次のとおりである。すなわち、ステアリングハンドル5aが右に操舵されたときは、まず、コントローラ6は、右舷船外機3Rのみの転舵制御を行い、中央船外機3Cおよび右舷船外機3R間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。一方、ステアリングハンドル5aが左に操舵されたときは、コントローラ6は、まず、右舷船外機3Rは転舵せずに、左舷船外機3Lおよび中央船外機3Cの同期転舵制御を行い、中央船外機3Cと右舷船外機3Rとの間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。
前記(5)の場合は、クリアランスの調整は不要であるから、コントローラ6は、ステアリングハンドル5aの操作に応じて、当初から3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を実行する。
前記(6)の場合のクリアランス調整動作は次のとおりである。すなわち、ステアリングハンドル5aが右に操舵されたときは、まず、コントローラ6は、右舷船外機3Rは転舵せずに、左舷船外機3Lおよび中央船外機3Cの同期転舵制御を行い、中央船外機3Cと右舷船外機3Rとの間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。一方、ステアリングハンドル5aが左に操舵されたときは、コントローラ6は、まず、右舷船外機3Rのみの転舵制御を行い、右舷船外機3Rおよび中央船外機3C間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。
前記(7)の場合のクリアランス調整動作は次のとおりである。すなわち、ステアリングハンドル5aが右に操舵されたときは、コントローラ6は、まず、右舷船外機3Rのみの転舵制御を行い、右舷船外機3Rおよび中央船外機3C間のクリアランスを適正化する。その後、コントローラ6は、左舷船外機3Lのみを転舵して、左舷船外機3Lと中央船外機3Cとの間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。一方、ステアリングハンドル5aが左に操舵されたときは、まず、コントローラ6は、中央船外機3Cのみの転舵制御を行い、中央船外機3Cおよび左舷船外機3L間のクリアランスを適正化する。この間、コントローラ6は、右舷船外機3Rと中央船外機3Cとの間のクリアランスが適正になるかどうかを監視している。中央船外機3Cおよび左舷船外機3L間のクリアランスが適正化されるまでに、右舷船外機3Rと中央船外機3Cとの間のクリアランスが適正化されれば、その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。一方、中央船外機3Cおよび左舷船外機3L間のクリアランスが適正化されても、右舷船外機3Rと中央船外機3Cとの間のクリアランスがまだ過小であるときもある。このとき、コントローラ6は、右舷船外機3Rは転舵せず、中央船外機3Cおよび左舷船外機3Lの同期転舵制御を行い、中央船外機3Cと右舷船外機3Rとの間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。
前記(8)の場合のクリアランス調整動作は次のとおりである。すなわち、ステアリングハンドル5aが右に操舵されたときは、コントローラ6は、まず、左舷船外機3Lのみの転舵制御を行い、左舷船外機3Lおよび中央船外機3C間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。一方、ステアリングハンドル5aが左に操舵されたときは、まず、コントローラ6は、左舷船外機3Lは転舵せずに、右舷船外機3Rおよび中央船外機3Cの同期転舵制御を行い、中央船外機3Cと左舷船外機3Lとの間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。
前記(9)の場合のクリアランス調整動作は次のとおりである。すなわち、ステアリングハンドル5aが右に操舵されたときは、コントローラ6は、まず、左舷船外機3Lのみの転舵制御を行い、左舷船外機3Lおよび中央船外機3C間のクリアランスを適正化する。その後、コントローラ6は、右舷船外機3Rは転舵せずに、左舷船外機3Lおよび中央船外機3Cの同期転舵制御を行い、中央船外機3Cと右舷船外機3Rとの間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。一方、ステアリングハンドル5aが左に操舵されたときは、まず、コントローラ6は、右舷船外機3Rのみの転舵制御を行い、中央船外機3Cおよび右舷船外機3R間のクリアランスを適正化する。その後、コントローラ6は、左舷船外機3Lは転舵せずに、右舷船外機3Rおよび中央船外機3Cの同期転舵制御を行い、中央船外機3Cと左舷船外機3Lとの間のクリアランスを適正化する。その後は、コントローラ6は、3つの船外機3L,3C,3Rの同期転舵制御を行う。
クリアランスの調整のために一部の船外機のみの転舵が行われているときには、たとえば、二機掛けの構成の場合と同様にして、操船者に対する報知を行うようにしてもよい。この報知は、操船席に配置したインジケータランプ50(図12参照)を作動(たとえば点灯または点滅)させることによって行ってもよい。むろん、ブザー等の他の報知手段によって同様の報知を行うこともできる。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することも可能である。たとえば、前述の実施形態では、2機掛けの構成(第1の実施形態)および3機掛けの構成(第2の実施形態)について説明したが、むろん、この発明は、4機以上の船外機を備えた船舶に対しても同様に適用することができる。
また、前述の実施形態では、船外機間のクリアランスを転舵角センサ30の出力を用いて演算しているが、距離センサ等の他の測定手段を用いてクリアランスを求めてもよい。すなわち、船外機間のクリアランスを計測する距離センサを備え、この距離センサの出力に基づいて船外機間のクリアランスを適正化することとしてもよい。距離センサを用いたクリアランスの適正化は、転舵角制御の起動時のみならず、各船外機の左右の最大転舵角の学習時にも行うことができる。つまり、距離センサの出力に基づいて各船外機を最大転舵状態とし、そのときの転舵角センサ30の出力を取り込んで学習すればよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
以下に、「課題を解決するための手段」の項に記載した用語と前述の実施形態における用語との対応関係を示す。
船舶:船舶1
船体:船体2
船外機:左舷船外機3L、右舷船外機3R、中央船外機3C
船外機制御装置:コントローラ6、転舵角センサ30
目標転舵角設定手段:個別転舵角設定ユニット31
転舵制御手段:個別転舵制御ユニット32
転舵角検出手段:転舵角センサ30
最大転舵角取得手段:最大転舵角取得ユニット34
クリアランス調整手段:クリアランス調整ユニット33
この発明の第1の実施形態に係る船舶の構成を説明するための図解的な平面図である。 転舵機構の構成を説明するための平面断面図である。 船舶の転舵制御に関連する電気的構成を説明するためのブロック図である。 第1の実施形態の一つの特徴的な動作を図解した説明図である。 図5Aは左右の船外機の転舵角を等しく設定した場合の右旋回動作を示す図であり、図5Bは右舷船外機の転舵角を左舷船外機の転舵角よりも大きく設定した場合の右旋回動作を示す図である。 コントローラによる転舵制御の内容を説明するためのフローチャートである。 左舷目標転舵角および右舷目標転舵角の設定例を説明するための図である。 左舷目標転舵角および右舷目標転舵角の他の設定例を説明するための図である。 右最大転舵角および左最大転舵角を設定するための学習処理を説明するためのフローチャートである。 船外機間のクリアランスが適正値よりも大きい場合の調整動作を説明するための図である。 船外機間のクリアランスが適正値よりも小さい場合の調整動作を説明するための図である。 クリアランス調整動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2の実施形態に係る船舶の構成を説明するための図解的な平面図である。 第2の実施形態に係る船舶の電気的構成を示すブロック図である。 第2の実施形態における特徴的な動作を図解した説明図である。 左舷目標転舵角、右舷目標転舵角および中央目標転舵角の設定例を説明するための図である。 左舷目標転舵角および右舷目標転舵角の他の設定例を説明するための図である。 第2の実施形態において、コントローラによって実行される転舵制御を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態において、右最大転舵角および左最大転舵角を設定するための学習処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 船舶
2 船体
3 船外機
3L 左舷船外機
3R 右舷船外機
3C 中央船外機
4 転舵機構
4L 左舷転舵機構
4R 右舷転舵機構
4C 中央転舵機構
5 操作部
5a ステアリングハンドル
5b 操舵角センサ
6 コントローラ
24 転舵用モータ
24L 左舷転舵用モータ
24R 右舷転舵用モータ
24C 中央転舵用モータ
30 転舵角センサ
30L 左舷転舵角センサ
30R 右舷転舵角センサ
30C 中央転舵角センサ
31 個別転舵角設定ユニット
32 個別転舵制御ユニット
33 クリアランス調整ユニット
34 最大転舵角取得ユニット
40,41 等転舵角領域
50 インジケータランプ

Claims (6)

  1. 船舶の船尾に取り付けられるべき複数の船外機を制御する船外機制御装置であって、
    前記複数の船外機の右最大転舵角および左最大転舵角を、前記複数の船外機ごとに個別に設定する最大転舵角設定手段と、
    転舵方向下流側の船外機ほど大きな転舵角となるように前記複数の船外機の目標転舵角を個別に設定する目標転舵角設定手段と、
    前記目標転舵角設定手段によって設定された目標転舵角に応じて、前記複数の船外機の転舵角を制御する転舵制御手段とを含み、
    前記最大転舵角設定手段は、前記複数の船外機のうち右端に位置する右端船外機の右最大転舵角を前記複数の船外機のうち左端に位置する左端船外機の右最大転舵角よりも大きく設定し、前記左端船外機の左最大転舵角を前記右端船外機の左最大転舵角よりも大きく設定するものであり、
    前記目標転舵角設定手段は、各船外機の目標転舵角を、対応する右最大転舵角および左最大転舵角の間の範囲で設定するものである、船外機制御装置。
  2. 各船外機の転舵角を検出する転舵角検出手段をさらに含み
    前記最大転舵角設定手段は、前記複数の船外機をそれぞれ最大転舵状態としたときに前記転舵角検出手段が検出する各船外機の転舵角を各船外機の最大転舵角として取得し、前記複数の船外機をそれぞれ左最大転舵状態としたときに前記転舵角検出手段が検出する各船外機の転舵角を各船外機の左最大転舵角として取得する最大転舵角取得手段、請求項1記載の船外機制御装置。
  3. 前記転舵角検出手段が検出する各船外機の転舵角に基づいて前記複数の船外機の転舵角を制御し、隣接する船外機間のクリアランスを調整するクリアランス調整手段をさらに含む、請求項1または2記載の船外機制御装置。
  4. 前記目標転舵角設定手段は、操作者によって操作されるステアリングハンドルの操舵角に対応した基本目標転舵角を演算する手段を有し、右転舵角領域の少なくとも一部では、前記右端船外機の目標転舵角を前記基本目標転舵角に等しく設定する一方で前記左端船外機の目標転舵角を前記基本目標転舵角よりも小さな値に設定し、左転舵角領域の少なくとも一部では、前記左端船外機の目標転舵角を前記基本目標転舵角に等しく設定する一方で前記右端船外機の目標転舵角を前記基本目標転舵角よりも小さな値に設定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の船外機制御装置。
  5. 前記目標転舵角設定手段は、転舵角中立位置を中心とした所定転舵角範囲を等転舵角領域とし、前記等転舵角領域において、前記右端船外機および前記左端船外機の目標転舵角をいずれも前記基本目標転舵角に等しく設定するものである、請求項4に記載の船外機制御装置。
  6. 船体と、
    前記船体の後尾に取り付けられた複数の船外機と、
    前記複数の船外機を制御する請求項1〜のいずれか一項に記載の船外機制御装置とを含む、船舶。
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