JP2012071838A - 船舶の操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 操船者が操舵方向を指示するハンドル1と、ハンドル1の操作角を検出する舵輪センサ2と、複数の船外機4のそれぞれに設けられ船外機4を転回させる複数のアクチュエータ5と、複数のアクチュエータ5による船外機4の転回角を検出する転回角センサ6を複数配し、操作角に基づき複数のアクチュエータ5を転回駆動する制御転回角を算出し、この制御転回角と転回角との差異に従って複数のアクチュエータ5を転回駆動する制御装置8とを有し、制御装置8は、複数のアクチュエータ5を同調動作させるものであって、転回角センサ6の異常を検出した場合、正常な転回角センサ情報に基づき転回駆動を継続するとともに、転回角センサ6が正常な場合に比較し、駆動する転回角を制限する。
【選択図】 図1
Description
また、特許文献2のように、船外機1機に対して一つのアクチュエータ、一つのコントローラではなく、複数の船外機に対して2つ以上のアクチュエータ用コントローラ、又は一つのアクチュエータという構成も考案されている。
以下、この発明の各実施の形態を図に基づいて説明するが、各図において同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
図1はこの発明のシステム構成図である。この発明の操舵装置は、動力源としての船外機(4)と、船体の運転席に設置されるハンドル(1)と、ハンドルの操作角を検出する舵輪センサ(2)と、船外機を転回させるアクチュエータ(5)と、アクチュエータにより制御された船外機の転回角を検出する転回角センサ(6)と、この転回角センサ信号と前記舵輪センサ信号とを入力し、前記操作角に応じて制御転回角を演算し、制御転回角と前記転回角の差異に基づき船外機(4)の転回角を制御するためにアクチュエータ(5)に駆動信号を出力する制御装置(8)から構成される。ここで制御装置(8)は、機能面、及び船舶への搭載場所から、操作角に応じた制御用の転回角を演算する制御転回角演算装置(3)と、アクチュエータ(5)に駆動信号を出力するコントローラ(7)とから成り立っている。船外機は1機のみならず、複数の船外機を備える船舶も存在する。またアクチュエータも1個で複数の船外機を駆動するタイプや、各船外機にそれぞれアクチュエータを備える構成も考えられる。さらにまた、制御装置、及び転回角センサも船外機、又はアクチュエータに対して複数設置される可能性もある。つまり、船外機(4)、アクチュエータ(5)、転回角センサ(6)、制御装置(8)は少なくとも1つは搭載され、船舶によっては複数搭載され、これらの個数の組合せは多岐にわたる。さらに制御転回角演算装置(3)とコントローラ(7)、又はコントローラ(7)同士は、いわゆるCANで接続されている場合もある。
S201で操船者がハンドル(1)を回すと、S202でハンドルの操作角を舵輪センサ(2)が検出し、S203で制御転回角演算装置(3)が操作角を舵輪センサ信号により受信する。この受信情報に基づいて、S204で制御転回角演算装置(3)が船外機(4)の転回すべき制御角度を演算し、S205でコントローラ(7)にその制御転回角信号を送信する。ここで、例えば制御転回角は絶対値でなくても、前回送信した制御転回角からの変化量で表してもよく、変化量が正の数あれば右舷側に船外機を転回させ、変化量が負の数であれば左舷側に船外機を転回させる。また、転回角センサは右舷の端が100%、左舷の端が−100%、中心点が0であるとする。
転回角センサの異常は、コントローラ(7)で転回角センサ用の電源のオープンとショート、グランドのオープンとショート、信号のオープンとショートなどのハードウエア検出で行うことが可能である。また、転回角センサを複数設けている場合では、それらのセンサの信号特性の関係が所定値以内でない場合を検知し、異常と判定することができる。さらにコントローラがアクチュエータを駆動したにも係わらず、転回角センサの値が変化しない場合、異常と判定するソフトウエア検出で行うことができる。
S301でコントローラが転回角センサの異常の有無を検出し、異常がない場合(NO)図2のS207へ戻る。一方、転回角センサ異常を検出すると(YES)、S302でコントローラは、転回角センサ値の更新を中止する。正常動作時、コントローラは、転回角センサの現在値と過去の値を保持している。転回角センサの異常時、転回角センサ値の更新を中止することで、転回角センサの過去の値は、ほぼ正確な値として保持することができる。次に、S303でコントローラ同士は電気的に接続されていて、例えばCAN通信を使って正常な別の転回角センサがあるかどうか確認する。正常な転回角センサがある場合はS304へ進み、正常な転回角センサがない場合はS307へ進む。S304では、転回角センサの異常発生前のアクチュエータの制御が同調動作であったかを確認する。ここで同調動作とは、複数のアクチュエータがハンドル操作により、ほぼ同一角度で連動して転回されている状態を言う。同調動作であれば、S305で転回角センサ異常のアクチュエータは、正常な転回角センサの値に従って制御を行う。同調動作をしていれば、複数の船外機がほぼ同じ位置にあると考えられるため、正常な転回角センサに従うことで動作を保障することができる。
以上のように、転回角センサ異常が発生し、他機の正常なアクチュエータの転回角センサに従い転回制御を継続させるのみならず、転回角に制限を付することによりアクチュエータを故障させることなく、操船を続行できる効果を奏する。
次に転回角センサに異常を検出し、正常な転回角センサがない場合、例えば小型船舶のようにアクチュエータ、転回角センサが各々1個のみ設置されている場合の対応方法について説明する。図6にシステム構成を示したが、この船舶のコントローラ(7)にはアクチュエータを駆動している電流を検出する駆動電流検出手段(9)を有している。駆動電流検出手段(9)は、アクチュエータ(5)を転回駆動するために左、右それぞれの向きの電流検出ができる必要がある。
前記閾値a、cについては一定値である必要はなく、例えば船速に依存して変化させ、船速が速ければ速いほど、大きな値とすることも可能である。
次にさらに別の方法として、推定転回角を使用する方法について説明する。転回角推定手段は、コントローラ(7)に配置されているものとし、具体的方法を図8に沿って説明する。
S801で目標転回角を算出する。その方法は、制御転回角に推定した転回角を加算する。転回角センサの異常を検出した最初の制御では、実施の形態1の図3、S302における正常な過去の転回角を代用する。その後は後述する推定転回角を使用する。
さらに別の方法として、コントローラが転回角センサの異常を検出すると、転回位置を複数段階で制御し、予め決められたアクチュエータ駆動時間に依存する方法について図9を用いて説明する。例えば最も簡単な3段階で制御するときの船外機の制御領域の例では、max_deg=100%、mid_deg=20%とする。転回角センサ前回値から船外機位置を判定するフローを図9(a)に示す。−100≦転回角センサ前回値≦−20の領域であるかを判定し、この領域内であれば船外機位置act_pos=0とする。S901の領域でなければ、S903で−20<転回角センサ前回値<20の領域であるかを判定し、この領域内であればact_pos=1とする。S901、S903共に当てはまらなければ、20≦転回角センサ前回値≦100の領域であるため、act_pos=2とする。
まず、S911で操船者が一定角度(閾値e)以上ハンドルを操作したかを判定する。この処理では、船外機を複数段階で制御するため、ハンドルを細かく動かしても船外機が動いてしまわないように閾値を設けるものである。閾値eは、実施の形態2の閾値cのように可変の値に設定することもできる。S911でハンドル操作が所定角度以上あれば、S912に移り、act_pos=0であるか判定する。act_pos=0であれば、最も左舷側に船外機が向いていることになるので、その位置から右舷側へのみ転回可能としこの位置から左舷側へは転回しない。S913で右舷側への転回であれば、所定時間右に転回する。S914の転回により、船外機の位置が左舷側から中央付近へ転回されたため、S915でact_posを0から1に更新する。逆にS916でact_pos=2であれば、最も右舷側に船外機が向いていることになるので、その位置から左舷側へのみ転回可能としこの位置から右舷側へは転回しない。S917で左舷側への転回要求であれば、所定時間左に転回する。S918の転回により、船外機の位置が右舷側から中央付近へ転回されたため、S919でact_posを2から1に更新する。S912、S916のどちらでもない場合、act_pos=1であるため、S920に進む。船外機が、中央位置にあることになるので、左右どちらでも転回可能とする。どちら向きに動かすかは、制御転回角に従う(S921、S923)。所定時間転回した後は、船外機の位置act_posを更新する(S922、S924)。
また、別の方法としてアクチュエータがモータであり、船外機自体の転回角ではなくモータ転回角を検知するモータ角センサを有しているシステム構成を図10に示す。図において、10はアクチュエータモータのモータ角センサであり、モータ角演算手段(11)をコントローラ(7)が有している。モータ角演算手段(11)は、モータ角センサ(10)の信号により、モータを右回転、又は左回転したときのモータの転回角を演算し、この転回角は船外機の転回角に相当するものである。
Claims (2)
- 複数の船外機が取り付けられた船舶において、操船者が操舵方向を指示するハンドルと、このハンドルの操作角を検出する舵輪センサと、前記複数の船外機のそれぞれに設けられ前記船外機を転回させる複数のアクチュエータと、この複数のアクチュエータによる前記船外機の転回角を検出する転回角センサを複数配し、前記操作角に基づき前記複数のアクチュエータを転回駆動する制御転回角を算出し、この制御転回角と前記転回角との差異に従って前記複数のアクチュエータを転回駆動する制御装置とを有し、この制御装置は、前記複数のアクチュエータを同調動作させるものであって、前記転回角センサの異常を検出した場合、正常な転回角センサ情報に基づき転回駆動を継続するとともに、転回角センサが正常な場合に比較し、駆動する転回角を制限することを特徴とする操舵装置。
- 前記制御装置は、前記アクチュエータが転回駆動できる最大領域に対し、小さい領域に制限して制御を継続することを特徴とする請求項1記載の操舵装置。
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