JP2010142063A - ハーネスの支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気コネクタ等を用いずにワイヤハーネスを車両とスライドドアとの間に架設することが可能な構成のハーネスの支持構造を提供する。
【解決手段】ハーネスの支持構造70は、一端部3aが運転室筐体1に水平に揺動自在に枢結され、他端部3bがドア2の前端部に水平に揺動自在に枢結されたリンク部材3と、ドア2の後端部に水平に揺動自在に枢結されるとともに運転室筐体1の外側に前後に延びて配設されたスライドレールに5沿って前後にスライド移動するスライド部材6と、ワイヤハーネス80の途中部分をリンク部材3の上面に沿って支持する固定具81とを備えて構成する。そして、ドア2は、リンク部材3が揺動するとともにスライド部材6がスライドレール5に沿って移動することにより運転室筐体1に対して前後方向にスライド移動し、ハーネス80の途中部分は、リンク部材3の揺動に伴ってリンク部材3とともに揺動する。
【選択図】図10

Description

本発明は、例えば、建設機械等の車両において運転室とスライドドアとの間にワイヤハーネスを架設するハーネスの支持構造に関する。
パワーショベル等の建設機械は、車体上に配設された運転室や作業機等を旋回させて作業を行うように構成されており、この運転室に作業員が乗降するために開閉されるドアは、閉じられた状態だけでなく開けられた状態でも作業が行われる。このとき、小型の建設機械においては旋回半径が小さくなることから運転室のドアが開かれた状態では、その旋回半径からドアが突出する可能性がある。そのため、ドアが開かれた状態でも旋回半径からドアが突出しないように設計された建設機械のドア(スライドドア)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この場合、ドアは前後がレールに沿ってスライド移動することにより平面視において運転室の外周面に沿って移動して開閉可能に構成され、且つ、ドアを含む運転室の側面を平面視において外側に凸の曲面状に形成することにより、開けられた状態でもドアが運転室の旋回半径から突出することがない。
特開平4−353129号公報
ところで、上記のような運転室のドアには、一般に、窓ガラスを自動的に昇降動させるパワーウインドウ装置や、窓ガラスに付着した水滴や泥を拭き落とすワイパー作動装置、ドアの周囲を照らす照明機器などの電装品が装備されている。ところが、図12(A)に示すような従来のドア(スライドドア)102においては、ドア102と運転室筐体(車両)101との接続部分がドア102のスライド移動に伴って相対移動するスライド部材(ローラ)とスライドレールによる可動部のみであったため、パワーウインドウ装置等の電装品に電気信号や電力を供給するのに、運転室筐体101側とドア102側とを電気的に接続するワイヤハーネスをこの可動部を通して架け渡すことが困難であった。このため、従来のスライドドア102では雌雄嵌合型の電気コネクタ190を用いてドア102側と運転室筐体101側とを電気的に接続させていた。この図12を用いてこれを簡単に説明すると、運転室筐体101側には一端が制御装置等に接続されたハーネス180aの他端を繋ぐ雌コネクタ191を設け、ドア102側には一端が電装品に接続されたハーネス180bの他端を繋ぐ雄コネクタ192を設けて、これらをドア102のスライド移動に伴って嵌合させることで電気的に接続していた。
しかしながら、このようなコネクタ190はドア102のスライド移動によって接続または離脱するため、ドア102の移動軌跡のガタを吸収するためにコネクタ190の嵌合部に大きなガイド192を設ける必要があり、また、ドア開閉時における振動がコネクタ190に作用するのを緩衝するために電気接点部をバネ等を用いた衝撃吸収構造とする必要がある。このため、コネクタ190が大きく強度の高いものとなってしまい、必然的に製造コストや配設スペースの増大を誘発するという問題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、電気コネクタ等を用いずにワイヤハーネスを車両とスライドドアとの間に架設することが可能な構成のハーネスの支持構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るハーネスの支持構造は、内部に運転室空間を有し運転室空間に連通する乗降口が形成された運転室筐体と、前方に移動して乗降口を閉じ後方に移動して乗降口を開くように乗降口にスライド移動可能に取り付けられるドアとを備えて構成される車両(例えば、実施形態におけるミニショベル50)において、一端が運転室筐体に設けられた制御装置(例えば、実施形態におけるコントローラ57)に繋がれ他端がドアに搭載された所定の電装品(例えば、実施形態におけるパワーウインドウ装置60)に繋がれて途中部分が運転室筐体とドアとの間に架け渡される電線の束であるワイヤハーネスを支持するハーネスの支持構造であって、一端部(例えば、実施形態における固定端3a)が運転室筐体に水平に揺動自在に枢結され、他端部(例えば、実施形態における移動端3b)がドアの前端部に水平に揺動自在に枢結されたリンク部材と、ドアの後端部に水平に揺動自在に枢結されるとともに運転室筐体の外側に前後に延びて配設されたスライドレールに沿って前後にスライド移動するスライド部材と、ワイヤハーネスの途中部分を一端部と他端部とに跨ってリンク部材に沿って支持するハーネス固定手段(例えば、実施形態における固定具81)とを備えて構成される。そして、ドアは、リンク部材が揺動するとともにスライド部材がスライドレールに沿って移動することにより運転室筐体に対して前後方向にスライド移動し、ワイヤハーネスの途中部分は、リンク部材の上記揺動に伴ってリンク部材とともに揺動する。
なお、上述の発明で規定する車両としては、例えば、実施形態における油圧ミニショベル50のように、走行体(例えば、実施形態における車体51)上に運転室を水平旋回自在に配設する建設機械として構成してもよい。
このように構成されたハーネスの支持構造において、リンク部材が、ドアの前端部の上下に水平に揺動自在に枢結された上リンク部材および下リンク部材から構成され、ワイヤハーネスの途中部分が、上リンク部材および下リンク部材のうち少なくとも一方に支持されていることが好ましい。
また、リンク部材が、内部に一端部と他端部との間でワイヤハーネスの途中部分を収容させる挿通部を有し、ワイヤハーネスの途中部分が挿通部に沿って支持されていることが好ましい。
本発明に係るハーネスの支持構造によれば、リンク部材は一端部が運転室筐体に水平に揺動自在に枢結され他端部がドアの前端部に水平に揺動自在に枢結されることで常に運転室筐体とドアとの間を直接繋いでいるため、このリンク部材を介して運転室筐体とドアとの間にワイヤハーネスを架け渡すことが可能になる。これにより、コネクタ等を必要とせず簡便な構成で運転室筐体側とドア側との間をワイヤハーネスにより電気的に接続することができる。したがって、本支持構造では、製造コストを低減することができるとともに、スペース効率の向上を実現することができる。
このとき、リンク部材をドアの上下に取り付けられた上下リンク機構で構成することにより、ドアのガタツキつきを無くし安定してワイヤハーネスを支持することができる。また、従来においてはコネクタが運転室の乗降口に剥き出しになって設けられていたため、乗降に際に作業員が誤ってコネクタに接触して故障を誘発するおそれがあったが、このドアの上下に設けられる上下リンク機構の少なくとも一方でワイヤハーネスを支持することにより、このワイヤハーネスが乗降の邪魔になって作業員がワイヤハーネスに接触することもなく、さらに、このような機械的な接点が無いため耐久性向上が図れることとなる。
また、ワイヤハーネスの途中部分を挿通部に沿って収容支持する構成とすることにより、ワイヤハーネスの当該部分の露出を防止し美観を向上させることができるともに、作業員が乗降の際にワイヤハーネスに接触するのをより防止することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、本発明に係るハーネスの支持構造を適用した建設機械の一例として油圧式ミニショベル50について図1を用いて説明する。
ミニショベル50は、左右一対のクローラ走行機構により走行可能に構成された車体51の上方に突出した旋回台52を有し、この旋回台52上に運転室53とエンジン室54とを有して構成されている。旋回台52は車体51に対して水平旋回可能であり、また、運転室筐体1の前部には、上下に揺動可能で、屈伸可能な作業機55が枢結されており、油圧シリンダ等で駆動されて作業を行うように構成されている。この運転室53を構成する運転室筐体1の側部には、運転室53に対して作業員が乗降するために開閉されるドア2が設けられている。
このようなミニショベル50には、一般的に、ドア2に作業のための目視確認や換気等のために可動窓ガラス41および固定窓ガラス42等の窓ガラスが設けられ、この可動窓ガラス41の開閉操作を簡便に行うために可動窓ガラス41を自動で昇降動させるパワーウインドウ装置60(図7を参照)等の電装品がドア2に搭載されている。パワーウインドウ装置60には、可動窓ガラス41の昇降時の駆動源として電動モータ61(図7を参照)が備えられており、この電動モータ61は作業員が運転キャビン53内に設けられた操作装置56(図7を参照)を操作することで、この操作装置56に電気的に接続されたコントローラ57(図7を参照)から出力される電気信号や電力が供給されて回転駆動するようになっている。
ところで、本ミニショベル50のような小型の建設機械においては旋回半径が小さくなるため、運転室53のドア2が開かれた状態であってもドア2がその旋回半径から突出しないように前後がレールに沿ってスライド移動することで乗降口を開閉可能にするスライドドアが適用されている。ここで、図12(A)に示すように、従来のドア(スライドドア)102においては、ドア102と運転室筐体101との接続部分がドア102のスライド移動に伴って相対移動するスライド部材とスライドレールによる可動部のみであったため、パワーウインドウ装置60に電気信号や電力を供給するのに、運転室筐体101(コントローラ57)側とドア102(電動モータ61)側とを電気的に接続するワイヤハーネス(以降の説明では、単に「ハーネス」と称する)をこの可動部を通して架け渡すことが困難であった。
このため、従来のスライドドア102では雌雄嵌合型の電気コネクタ190等を用いてドア102側と運転室筐体101側とを電気的に接続させていた。この図12を用いて簡単に説明すると、運転室筐体101側には一端がコントローラ57に接続されたハーネス180aの他端を繋ぐ雌コネクタ191を設け、ドア102側には一端が電動モータ61に接続されたハーネス180bの他端を繋ぐ雄コネクタ192を設けて、これら雌雄コネクタ191,192をドア102のスライド移動に伴って嵌合させることで、コントローラ57と電動モータ61とを電気的に接続していた。
しかしながら、このコネクタ190はドア102のスライド移動によって接続または離脱するため、ドア102の移動軌跡のガタを吸収するためにコネクタ190の嵌合部に大きなガイド193を設ける必要があり、また、ドア開閉時における振動がコネクタ190に作用するのを緩衝するために電気接点部をバネ等を用いた衝撃吸収構造とする必要がある。このため、コネクタ190が大きく強度の高いものとなってしまい、必然的に製造コストも増大するという問題があった。
そこで、本実施形態に係るハーネスの支持構造では、このようなコネクタ等を必要とせずに簡便な構成で電気信号および電力供給用のハーネスを運転室筐体1とドア2との間に架け渡す構造としている。
それでは、本実施形態に係るハーネスの支持構造について、まず、このようなハーネスが引き回されるドア2の構造について図2〜図6を用いて説明する。なお、以降の説明においては、ドア2が閉まる方向(図2における矢印Fの方向)を前方として説明する。ドア2は図2に示すように、前部がリンク機構20により運転室筐体1に取り付けられ、後部がスライド機構30により運転室筐体1に取り付けられて、この運転室筐体1に形成されて運転室空間に連通する乗降口15を開閉可能に構成されている。リンク機構20は、一端が運転室筐体1に揺動自在に枢結され、他端がドア2に揺動自在に枢結されてこのドア2の上下に取り付けられる上リンク部材3と下リンク部材4とから構成される。一方、スライド機構30は、運転室筐体1の外側部に設けられたスライドレール5と、このスライドレール5に沿ってスライド移動するスライド部材6とから構成される。このスライド機構30は乗降口15の上下方向略中央部に設けられている。
リンク機構20を構成する上下リンク部材3,4は、図3および図4に示すように、その一端部(固定端3a,4a)が運転室筐体1に揺動自在に枢結され、他端部(移動端3b,4b)がドア2の前部の上下端に揺動自在に枢結されている。なお、この上下リンク部材3,4の固定端3a,4aの上下の延びる揺動軸は、平面視において一致しており、移動端3b,4bの上下に延びる揺動軸も、平面視において一致している。このため、図3および図4に示すように、ドア2が開閉するときに、上下リンク部材3,4は固定端3a,4aを中心に旋回(揺動)する。また、下リンク部材4の固定端4aは、運転室筐体1の床下に取り付けられており、この固定端4aを含む下リンク部材4が運転室筐体1内(運転室空間)に突出することはないため、乗降性や安全性を低下させることがない。
スライド機構30は、図2、図5および図6に示すように、運転室筐体1の外側で乗降口15の後方の上下方向略中央部に前後方向に延びて取り付けられたスライドレール5と、ドア2に取り付けられこのスライドレール5に沿ってスライド移動するスライド部材6とから構成される。スライドレール5は、外側に開口を向けた溝が形成されており、この溝の上面部は、その先端が下方に折り曲げられてレール溝5aを形成している。スライド部材6は、ドア2の内側(運転室筐体1側)で後部の上下方向略中央に取り付けられ後述するストッパ11,12と嵌合する突当部6a、この突当部6aに揺動自在に枢結された揺動部6b、並びに、スライドレール5の溝に挿入されてこの溝内をスライド移動するガイドローラ6cおよびセンタローラ6dを有して構成されている。
スライドレール5にスライド部材6がスライドレール移動可能に取り付けられている状態では、ガイドローラ6cは、スライドレール5のレール溝5a内に位置してこのレール溝5aに沿って転がってスライド移動し、センタローラ6dはスライドレール5の溝内の下面5bに沿って転がってスライド移動する。上述のように、レール溝5aを形成するスライドレール5の上面の先端は下方に折り曲げられているため、ガイドローラ6cがこのレール溝5aから外れないようにするとともに、このレール溝5aに沿ってスライド部材6をガイドしてスライド移動させるように構成されている。また、スライド部材6の揺動部6bは突当部6aに対して揺動することができるため、図6に示すようにスライドレール5が曲がって取り付けられていても、この揺動部6bを揺動させてドア2はスライド移動することができる。
ドア2の前部にはこのドア2が閉じられた状態を保持するドア閉め時用ロック7が設けられ、図3に示すように閉められたドア2の対向する部分の運転室筐体1(乗降口15の前方)に設けられたドア閉め時用ストライカ8に係止されるように構成されている。また、ドア2の前部にはこのドア2が開けられた状態を保持するドア開け時用ロック9が設けられ、図4に示すように開けられたドア2の対向する部分の運転室筐体1(乗降口15の後方)に設けられたドア開け時用ストライカ10に係止されるように構成されている。
運転室筐体1には、ドア2が開けられた状態でこのドア2の後部の突当部6aと嵌合して開けられた状態を保持するドア明け時用ストッパ11と、ドア2が閉められた状態でこのドア2の後部の突当部6aと嵌合して閉じられた状態を保持するドア閉め時用ストッパ12とが設けられている。また、このドア2の前部には、運転室筐体1内若しくは外からドア2を開閉するためのハンドル13が設けられており、ドア閉め時用ロック7および開け時用ロック9と連動してストライカ8,10との係合を解放してドア2の開閉が可能なように構成されている。
このような構成のドア2と運転室筐体1との間に跨ってコントローラ57とパワーウインドウ装置60とを電気的に接続するハーネス80が架け渡される。ここで図7〜図11を追加参照して、ハーネスの支持構造70について引き続き説明する。本ハーネスの支持構造70では、ハーネス80の途中部分がドア2と運転室筐体1(コントローラ57)との間を上リンク部材3の上面に沿った状態で支持されている。
ハーネス80は、例えば複数本の電線をテープ巻きで結束したり、あるいは柔軟なチューブで被覆されて形成されており、図7に示すように、その一端が運転室筐体1に搭載されたコントローラ57に接続されており、他端が窓ガラス昇降用のパワーウインドウ装置60(電動モータ61)に接続されている。
ハーネス80は、図8に示すように、コントローラ57から運転室筐体1で引き回された後、ドア2の背面側において上リンク部材3上を固定端3a側から移動端3b側に向かって略直線状に延びて、ドア2に設けられたパワーウインドウ装置60(図7参照)まで延設されている。
このハーネス80の中間部(途中部分)は、運転室筐体1内における上リンク部材3の固定端3a近傍の位置A1と、上リンク部材3の上面内で固定端3aおよび移動端3bよりも内側の位置A2,A3と、ドア2の背面側(運転室53側)における上リンク部材3の移動端3b近傍の位置A4とにおいてそれぞれ所定の固定手段により固定支持されており、これによって、ハーネス80が運転室筐体1側からドア2側に架け渡されるようになる。
ここで、上リンク部材3の両端に位置する回転軸(固定端3a,移動端3b)近傍、すなわちA1〜A2間およびA3〜A4間では、上リンク部材3の揺動動作によってハーネス80に無理な荷重が掛からない程度にハーネス80に弛みを持たせた長さでフリー状態に支持している。
また、ハーネス80をA1〜A4間に亘って固定する上記所定の固定手段としては、一般的な固定具を用いることができる。この固定具81の一例を挙げると、例えば、図9(A)に示すように、弾性を有する平板状のブラケット本体の湾曲された一端部がハーネス80の外周部に巻き付けられ、その他端部側がネジ締結や溶接によって被取付部材(運転室筐体1や上リンク部材3)に固定されるクリップ型の固定具81aや、図9(B)に示すように、ハーネス80の外周部に巻き付ける帯状のバンド部82と、このバンド部82をハーネス80に巻き付けた状態で固定する固定部83と、被取付部材に固定するための取付部84とから構成される結束バンド型の固定具81bなどが用いられる。
以上のように構成されるハーネスの支持構造70において、ドア2が開閉動作されるときの作用について図10および図11を追加参照して説明する。ドア2の前部はリンク機構20により揺動され、後部はスライド機構30によりスライド移動されるため、ドア2の開閉時の軌道はこのリンク機構20とスライド機構30によって決定されることとなり、前部は図10の軌道C1に沿って移動し、後部は軌道C2に沿って移動する。
このとき、固定端3a,4aを中心とする上下リンク部材3,4の旋回(揺動)に伴って、この上リンク部材3の上面に沿って直線状に配設されたハーネス80のA2〜A3間の部分においては何ら姿勢変形をせず上リンク部材3に沿った状態を保持したまま上下リンク部材3,4とともに揺動するため、ハーネス80に過大な張力が作用することがない。一方、ハーネス80のA1〜A2間およびA3〜A4間の部分においては、上下リンク部材3,4の旋回に伴ってA1〜A2間およびA3〜A4間の距離が変化するため、ハーネス80の当該部分は伸縮作用を受けようとするが、前述したように上リンク部材3の固定端3aおよび移動端3b近傍においてハーネス80は上リンク部材3の旋回動作を考慮した十分な弛みを持たせた長さで支持されているため、その余長部分(弛み部分)が吸収されることで、この場合においてもハーネス80に過大な張力が作用することはない。
以上、本実施形態に係るハーネスの支持構造70によれば、上リンク部材3は一端部(固定端3a)が運転室筐体1に揺動自在に枢結され、他端部(移動端3b)がドア2の前部の上端に揺動自在に枢結されることで、常に運転室筐体1とドア2との間を直接繋いでいるため、この上リンク部材3を介して運転室筐体1側からドア2側にハーネス80を架け渡すことが可能になり、コネクタ等を必要とせず簡便な構成で運転室筐体1側からドア2側に電力等を供給することができる。これにより、製造コストを低減することができるとともに、スペース効率の向上を実現することができる。
また、従来ではコネクタ190が乗降口15に剥き出しになって設けられていたため(図12(A)を参照)、乗降の際に作業員が誤ってコネクタ190に接触して故障させるおそれがあったが、この支持構造70ではハーネス80を上リンク部材3の上面側を通しているので作業員がハーネス80に接触することもなく、さらに、コネクタの190のような機械的な接点が無いため耐久性向上が図れることとなる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、ハーネス80を上リンク部材3に沿って固定支持しているが、これに限定されるものではなく、このハーネス80を下リンク部材4に沿って固定支持してもよい。また、ハーネス80の支持位置は上下リンク部材3,4の上下面に限らず、例えば、上下リンク部材3,4を中空構造としたり、凹部を設けたりして、その内部(挿通部)にハーネス80を挿通させて収容する構造とすることで、当該部分でのハーネス80の露出を防止し美観を向上させることができるとともに、作業員が乗降の際にハーネスに接触するのをより防止することができる。さらに、上述の実施形態では、上下リンク部材3,4が直線状に延びる部材であったが、これに限定されるものではなく、例えば上下リンク部材を湾曲させた部材にしてもよい。
また、上述の実施形態では、ハーネス80を上リンク部材3の上面内において、位置A2,A3の2点で固定具81により固定しているが、これに限定されるものではなく、固定具の数はハーネスの長さや太さ等に応じて適宜増減することができる。
さらに、上述の実施形態では、ドア2にはハーネス80が接続される電装品としてパワーウインドウ装置60が搭載された構成であったが、これに限定されるものではなく、ドア2の窓ガラス41,42に付着する水滴、泥などを拭き落とす電動ワイパー装置や、ドア2の周囲を照射可能な光源を備えた照明装置等をドア2に搭載して、これらの電装品とハーネスとを接続した構成としてもよい。
なお、上述の説明では、ハーネスの支持機構が適用された車両の一例としてクローラ型のミニショベル車を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ショベルローダ、油圧クレーン等の他の建設機械であってもよく、さらには、リンク機構およびスライド機構により運転室筐体にスライド移動可能に取り付けられたドアを有する車両であれば、建設機械や作業車等のみに限定されず、自動車やトラック等であってもよい。
本発明の一実施形態に係るハーネスの支持構造を適用した油圧式ミニショベルを示す側面図である。 上記ミニショベルの運転室を示す側面図である。 ドアを閉めたときの運転室の要部を示す平面図である。 ドアを開けたときの運転室の要部を示す平面図である。 ドア開け時用ストッパを含むスライド機構の要部を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は背面図である。 ドア閉め時用ストッパを含むスライド機構の要部を示す平面図である。 パワーウインドウ装置の制御を示すブロック図である。 上記ハーネスの支持構造を示す斜視図である。 ハーネスの固定具を示す図であり、(A)はクリップ型固定具の斜視図であり、(B)はバンド型固定具の斜視図である。 ドアを開閉するときの軌跡を示すとともに、ドアを閉めたときのワイヤハーネスの支持状態を示す平面図である。 ドアを開けたときのワイヤハーネスの支持状態を示す平面図である。 (A)は従来のドアの開閉状態を示す斜視図であり、(B)は従来のドアを閉じたときのコネクタの嵌合状態を示す断面図である。
符号の説明
1 運転室筐体
2 ドア
3 上リンク部材
4 下リンク部材
5 スライドレール
6 スライド部材
15 乗降口
20 リンク機構
30 スライド機構
50 油圧式ミニショベル(車両、建設機械)
51 車体(走行体)
53 運転室
57 コントローラ(制御装置)
60 パワーウインドウ装置(電装品)
70 ハーネスの支持構造
80 ワイヤハーネス
81 固定具(固定手段)

Claims (4)

  1. 内部に運転室空間を有し前記運転室空間に連通する乗降口が形成された運転室筐体と、前方に移動して前記乗降口を閉じ後方に移動して前記乗降口を開くように前記乗降口にスライド移動可能に取り付けられるドアとを備えて構成される車両において、一端が前記運転室筐体に設けられた制御装置に繋がれ他端が前記ドアに搭載された所定の電装品に繋がれて途中部分が前記運転室筐体と前記ドアとの間に架け渡される電線の束であるワイヤハーネスを支持するハーネスの支持構造であって、
    一端部が前記運転室筐体に水平に揺動自在に枢結され、他端部が前記ドアの前端部に水平に揺動自在に枢結されたリンク部材と、
    前記ドアの後端部に水平に揺動自在に枢結されるとともに前記運転室筐体の外側に前後に延びて配設されたスライドレールに沿って前後にスライド移動するスライド部材と、
    前記ワイヤハーネスの途中部分を前記一端部と前記他端部とに跨って前記リンク部材に沿って支持するハーネス固定手段とを備え、
    前記ドアは、前記リンク部材が揺動するとともに前記スライド部材が前記スライドレールに沿って移動することにより前記運転室筐体に対して前後方向にスライド移動し、
    前記ワイヤハーネスの途中部分は、前記リンク部材の前記揺動に伴って前記リンク部材とともに揺動することを特徴とするハーネスの支持構造。
  2. 前記車両は、走行体上に前記運転室を水平旋回自在に配設する建設機械であることを特徴とする請求項1に記載のハーネスの支持構造。
  3. 前記リンク部材が、前記ドアの前記前端部の上下に水平に揺動自在に枢結された上リンク部材および下リンク部材から構成され、
    前記ワイヤハーネスの途中部分が、前記上リンク部材および前記下リンク部材のうち少なくとも一方に支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のハーネスの支持構造。
  4. 前記リンク部材が、内部に前記一端部と前記他端部との間で前記ワイヤハーネスの途中部分を収容させる挿通部を有し、
    前記ワイヤハーネスの途中部分が前記挿通部に沿って支持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハーネスの支持構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014069605A (ja) * 2012-09-27 2014-04-21 Yazaki Corp 内装壁モジュール
WO2023162877A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 矢崎総業株式会社 ワイヤハーネス

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