JP2010141972A - インバータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電力系統に交流電力を供給する2以上のインバータが並列に接続され、各インバータの出力を制御するインバータの制御装置であって、各インバータの制御に用いる電圧検出値に誤差があっても、各インバータの出力を発散させずに、電圧を制御することのできるインバータの制御装置を提供することにある。
【解決手段】 交流母線BSに交流電力を供給する2台のインバータ4,4Tが並列に接続され、自インバータ4の出力を制御するインバータの制御回路1であって、電流検出器7aにより、インバータ4の出力電圧値Ia(t)を検出し、電圧指令値Vrefと出力電圧値Ia(t)との差分を演算し、この差分に基づいて、比例積分回路21により電圧制御し、並列インバータ4Tが運転している場合、比例積分回路21の出力を比例回路22に入力し、比例回路22から出力された値を、電圧指令値Vrefから減算して補正する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、インバータの制御装置に関する。
一般に、分散型電源システムや交流き電回路などでは、インバータにより交流電源のない無電源系統の負荷へ電力供給を行なう要望がある。
このような無電源系統に、インバータにより電力供給を行う場合、交流電圧制御を行うのが一般的である。交流電圧制御は、次のように行われる。
まず、電圧検出器は、系統の交流電圧の大きさを検出する。交流電圧制御を行う制御装置は、検出した交流電圧の大きさと電圧指令値との差分を演算する。制御装置は、この差分を比例積分回路に入力する。制御装置は、比例積分回路から出力される値を、電圧指令値に加算する。この加算された電圧指令値が、インバータ出力電圧の大きさとなる。
ここで、このような交流電圧制御をして、複数台並列に設置されたインバータが分担して、無電源系統の負荷へ電力供給を行う場合、インバータ出力が均等にならない場合がある。このように、インバータ出力が均等にならない場合、横流が発生するという問題が起きる。
そこで、このような横流を防止するために、複数台並列に接続された各インバータの出力電力を均等にする制御が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2000−60137号公報 特開2002−272124号公報
しかしながら、上述のような制御では、以下のような問題が生じる。
一般的に、並列に接続された複数台のインバータを制御する場合、制御に用いるための電圧検出器は、インバータ毎に設けることが多い。従って、同一の電圧を検出対象としているにも関わらず各インバータで検出した電圧検出値が一致せず、誤差が生じる可能性がある。
例えば、並列に接続された2台のインバータにより、無電源系統の負荷に電力供給を行うとする。このとき、一方のインバータによる電圧検出値は、電圧指令値より低く、もう一方のインバータによる電圧検出値は、電圧指令値より高いとする。
このとき、電圧検出値が電圧指令値よりも低い方のインバータは、出力を正方向に増大し続ける。一方、電圧検出値が電圧指令値よりも高い方のインバータは、反対に出力を負方向に増大し続ける。これにより、2台のインバータの出力の合計は、電圧指令値を維持するような値に制御される。しかし、各インバータの出力は、それぞれ逆方向の特性で増加し続けることになる。よって、これらのインバータの出力は、過電流となり、運転を継続できなくなる。
そこで、本発明の目的は、電力系統に交流電力を供給する2以上のインバータが並列に接続され、各インバータの出力を制御するインバータの制御装置であって、各インバータの制御に用いる電圧検出値に誤差があっても、各インバータの出力を発散させずに、電圧を制御することのできるインバータの制御装置を提供することにある。
本発明の観点に従ったインバータの制御装置は、電力系統に交流電力を供給するインバータが接続され、前記電力系統に前記インバータと並列に交流電力を供給する並列インバータが接続され、前記インバータを制御するインバータの制御装置であって、前記インバータから出力された電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータから出力される電圧の指令値である電圧指令値と前記電圧検出手段により検出された電圧との差分に基づく値に、比例積分の演算をする比例積分手段と、前記比例積分手段により演算された値に、比例の演算をする比例手段と、前記並列インバータが運転している場合、前記比例手段により演算された値を、前記比例積分手段により演算される値から減算する減算手段と、前記比例積分手段により演算された値に基づいて、前記インバータの出力される電圧を制御する電圧制御手段とを備えている。
本発明によれば、電力系統に交流電力を供給する2以上のインバータが並列に接続され、各インバータの出力を制御するインバータの制御装置であって、各インバータの制御に用いる電圧検出値に誤差があっても、各インバータの出力を発散させずに、電圧を制御することのできるインバータの制御装置を提供することができる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインバータの制御装置1,1Tの適用されたシステムの構成を示す構成図である。なお、以降の図における同一部分には、同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。以降の実施形態も同様にして重複する説明を省略する。
本システムは、制御回路1,1Tと、交流母線BSに接続された負荷2と、変圧器3,3Tと、インバータ4,4Tと、直流電源5,5Tと、電圧検出器6,6Tと、電流検出器7a,7bと、パルス発生回路9,9Tと備えている。なお以降では、制御回路1に関する構成を中心として説明する。
交流母線BSは、インバータ4、4T以外に交流電源が接続されていない無電源負荷系統である。
負荷2は、交流母線BSに接続されている交流負荷である。
インバータ4,4Tは、それぞれ変圧器3,3Tを介して、交流出力側を交流母線BSに接続している。インバータ4,4Tは、自励式インバータである。インバータ4,4Tは、それぞれ直流電源5,5Tから供給された直流電力を交流電力に変換する。インバータ4,4Tは、変換した交流電力を交流母線BSに供給する。インバータ4は、制御回路1にとって、制御回路1の制御対象であるため、自インバータとなる。一方、インバータ4Tは、自インバータ4と並列に運転される並列インバータとなる。インバータ4とインバータ4Tは、同等の装置である。
直流電源5,5Tは、それぞれインバータ4,4Tに接続されている。直流電源5,5Tは、それぞれインバータ4,4Tに直流電力を供給する。直流電源5は、例えば二次電池等である。
電圧検出器6,6Tは、交流母線BSの電圧を検出するための検出器である。電圧検出器6は、制御回路1による制御に用いるために設けられている。電圧検出器6は、検出した電圧検出値Vmagを、制御回路1に出力する。電圧検出値Vmagは、実効値である。電圧検出器6Tは、制御回路1Tによる制御に用いるために設けられている。電圧検出器6Tは、検出した電圧検出値VmagTを、制御回路1Tに出力する。電圧検出値VmagTは、実効値である。電圧検出器6と電圧検出器6Tは、同等の機器である。
電流検出器7aは、交流母線BSと変圧器3との間に設けられている。電流検出器7aは、自インバータ4から出力された出力電流値Ia(t)を検出するための検出器である。電流検出器7aは、検出した出力電流値Ia(t)を、制御回路1に出力する。出力電流値Ia(t)は、瞬時値である。
電流検出器7bは、交流母線BSと変圧器3Tとの間に設けられている。電流検出器7bは、並列インバータ4Tから出力された出力電流値Ib(t)を検出するための検出器である。電流検出器7bは、検出した出力電流値Ib(t)を、制御回路1Tに出力する。出力電流値Ib(t)は、瞬時値である。電流検出器7aと電流検出器7bは、同等の機器である。
制御回路1は、インバータ4を制御するための回路である。制御回路1には、電圧検出器6により検出された電圧検出値Vmag及び電流検出器7a,7bによりそれぞれ検出された出力電流値Ia(t),Ib(t)が入力される。制御回路1は、電圧検出値Vmag及び出力電流値Ia(t),Ib(t)に基づいて、インバータ出力電圧信号Vc(t)を生成する。制御回路1は、生成したインバータ出力電圧信号Vc(t)をパルス発生回路9に出力する。
制御回路1Tは、インバータ4Tを制御するための回路である。制御回路1Tは、制御回路1と同様の構成である。制御回路1Tは、制御回路1と同様にして、電圧検出値VmagT及び出力電流値Ia(t),Ib(t)に基づいて、インバータ出力電圧信号VcT(t)をパルス発生回路9Tに出力する。
パルス発生回路9は、制御回路1から受信したインバータ出力電圧信号Vc(t)に基づいて、パルス信号を発生させる。パルス発生回路9は、発生させたパルス信号を、インバータ4を構成する半導体素子に与える。これにより、制御回路1は、インバータ4の出力電力を制御する。
パルス発生回路9と同様にして、パルス発生回路9Tは、制御回路1Tから受信したインバータ出力電圧信号VcT(t)に基づいて、パルス信号を発生させて、インバータ4Tを制御する。
図2は、本実施形態に係る制御回路1の構成を示す構成図である。なお、以降において、制御回路1Tは制御回路1と同様の構成であるため、主に制御回路1に関する構成について説明し、制御回路1Tに関する構成については省略する。
制御回路1は、有効電流成分検出回路11V,12V、無効電流成分検出回路11Q,12Q、一次遅れ回路13V,13Q、電流制御回路14V,14Q、正弦回路15S、余弦回路15C、比例積分回路21、比例回路22、選択スイッチSL、スイッチSW、加算器PL1,PL2,PL3、減算器SU1,SU2,SU3,SU4、及び乗算器ML1,ML2,ML3を備えている。
選択スイッチSLは、負荷2が接続された交流母線BSに供給する全体の交流電力量に対して、自インバータ4の出力分担比率を選択するスイッチである。並列インバータ4Tが運転している場合、選択スイッチSLは、「0.5」が設定された端子が選択される。並列インバータ4Tが停止している場合、選択スイッチSLは、「1.0」が設定された端子が選択される。
スイッチSWは、インバータ4の電圧制御の方式を変更するスイッチである。並列インバータ4Tが運転している場合、スイッチSWは、投入される。並列インバータ4Tが停止している場合、スイッチSWは、開放される。
まず、並列インバータ4Tが停止している場合における制御回路1の構成及び動作について説明する。
並列インバータ4Tが停止している場合、選択スイッチSLは、「1.0」が設定された端子が選択されている。また、スイッチSWは、開放状態である。
電流検出器7aにより検出された自インバータ4の出力電流値Ia(t)は、有効電流成分検出回路11V、無効電流成分検出回路11Q、及び加算器PL1に入力される。
電流検出器7bにより検出された並列インバータ4Tの出力電流値Ib(t)は、加算器PL1に入力される。ここで、並列インバータ4Tは停止しているため、出力電流値Ib(t)は零である。
有効電流成分検出回路11Vは、入力された出力電流値Ia(t)の有効電流成分を検出する。有効電流成分検出回路11Vは、検出した出力電流値Ia(t)の有効電流成分を減算器SU1に出力する。
無効電流成分検出回路11Qは、入力された出力電流値Ia(t)の無効電流成分を検出する。無効電流成分検出回路11Qは、検出した出力電流値Ia(t)の無効電流成分を減算器SU2に出力する。
加算器PL1は、自インバータ4の出力電流値Ia(t)と並列インバータ4Tの出力電流値Ib(t)とを加算する。加算器PL1は、加算した演算結果を乗算器ML1に出力する。ここで、並列インバータ4Tの停止により、出力電流値Ib(t)は零であるため、加算器PL1は、乗算器ML1に出力電流値Ia(t)を出力する。
乗算器ML1は、加算器PL1から入力された演算結果に、選択スイッチSLにより選択された設定値を乗算する。乗算器ML1は、乗算した演算結果を、有効電流成分検出回路12V及び無効電流成分検出回路12Qに出力する。
従って、乗算器ML1には、加算器PL1から出力電流値Ia(t)が入力され、選択スイッチSLから設定値「1.0」が入力される。乗算器ML1は、出力電流値Ia(t)に設定値「1.0」を乗算する。よって、乗算器ML1は、出力電流値Ia(t)を算出する。乗算器ML1は、算出した出力電流値Ia(t)を、有効電流成分検出回路12V及び無効電流成分検出回路12Qに出力する。
有効電流成分検出回路12Vは、乗算器ML1から入力された演算結果の有効電流成分を検出する。有効電流成分検出回路12Vは、検出した有効電流成分を一次遅れ回路13Vに出力する。従って、有効電流成分検出回路12Vは、出力電流値Ia(t)の有効電流成分を一次遅れ回路13Vに出力する。
無効電流成分検出回路12Qは、乗算器ML1から入力された演算結果の無効電流成分を検出する。無効電流成分検出回路12Qは、検出した無効電流成分を一次遅れ回路13Qに出力する。従って、無効電流成分検出回路12Qは、出力電流値Ia(t)の無効電流成分を一次遅れ回路13Qに出力する。
一次遅れ回路13Vは、有効電流成分検出回路12Vから入力された演算結果に、一次遅れを介した値を、減算器SU1に出力する。従って、一次遅れ回路13Vは、出力電流値Ia(t)の有効電流成分に一次遅れの演算を介した値を、有効電流指令値として、減算器SU1に出力する。
一次遅れ回路13Qは、無効電流成分検出回路12Qから入力された演算結果に、一次遅れを介した値を、減算器SU2に出力する。従って、一次遅れ回路13Qは、出力電流値Ia(t)の無効電流成分に一次遅れの演算を介した値を、無効電流指令値として、減算器SU2に出力する。
減算器SU1は、有効電流成分検出回路11Vから入力された出力電流値Ia(t)の有効電流成分と、一次遅れ回路13Vから入力された出力電流値Ia(t)の有効電流成分に一次遅れの演算を介した値との差分を演算する。減算器SU1は、演算した差分を電流制御回路14Vに出力する。
減算器SU2は、無効電流成分検出回路11Qから入力された出力電流値Ia(t)の無効電流成分と、一次遅れ回路13Qから入力された出力電流値Ia(t)の無効電流成分に一次遅れの演算を介した値との差分を演算する。減算器SU2は、演算した差分を電流制御回路14Vに出力する。
電流制御回路14Vは、比例回路及び一次遅れ回路を備えた回路である。電流制御回路14Vは、減算器SU1から入力された電流の差分を零に近づけるような信号を発生させる。電流制御回路14Vは、発生させた信号を加算器PL3に出力する。
電流制御回路14Qは、比例回路及び一次遅れ回路を備えた回路である。電流制御回路14Qは、減算器SU2から入力された電流の差分を零に近づけるような信号を発生させる。電流制御回路14Qは、発生させた信号を乗算器ML2に出力する。
正弦回路15Sには、自走発振ωtが入力される。正弦回路15Sは、自走発振ωtの正弦である正弦波信号sinωtを演算する。正弦回路15Sは、演算した正弦波信号sinωtを乗算器ML2に出力する。
余弦回路15Cには、自走発振ωtが入力される。余弦回路15Cは、自走発振ωtの余弦である正弦波信号cosωtを演算する。余弦回路15Cは、演算した正弦波信号cosωtを乗算器ML3に出力する。
乗算器ML2は、電流制御回路14Qから入力された信号に、正弦回路15Sから入力された正弦波信号sinωtを乗算する。乗算器ML2は、乗算した信号を加算器PL4に出力する。
減算器SU3には、電圧指令値Vrefが入力される。減算器SU3は、電圧指令値Vrefから比例回路22から入力された値を減算する。これにより、減算器SU3は、電圧指令値Vrefを補正する。減算器SU3は、補正した減算した電圧指令値Vrefを減算器SU4に出力する。ここで、スイッチSWは、開放されているため、比例回路22からの入力はない。よって、減算器SU3は、電圧指令値Vrefを補正せずに、減算器SU4に出力する。
減算器SU4には、電圧検出器6により検出された電圧検出値Vmag及び減算器SU3から入力された電圧指令値Vrefが入力される。減算器SU4は、電圧検出値Vmagと電圧指令値Vrefとの差分を演算する。減算器SU4は、演算した差分を比例積分回路21に出力する。
比例積分回路21は、インバータ4の出力電圧を制御する電圧制御回路である。比例積分回路21は、減算器SU4から入力された信号に対して、比例積分制御の演算をする。比例積分回路21は、演算した値を加算器PL2及びスイッチSWに出力する。ここで、スイッチSWは、並列インバータ4Tの停止により、開放されているため、比例積分回路21により演算された値は、比例回路22には入力されない。
加算器PL2は、入力された電圧指令値Vrefに、比例積分回路21から入力された値を加算する。加算器PL2は、加算した値を加算器PL3に出力する。
加算器PL3は、加算器PL2から入力された値に、電流制御回路14Vから入力された値を加算する。加算器PL3は、加算した値を乗算器ML3に出力する。
乗算器ML3は、加算器PL3から入力された値と、余弦回路15Cから入力された正弦波信号cosωtとを乗算する。乗算器ML3は、乗算した値を加算器PL4に出力する。
加算器PL4は、乗算器ML3から入力された値と乗算器ML2から入力された値を加算する。加算器PL4により加算された値は、インバータ出力電圧信号Vc(t)となる。加算器PL4は、演算したインバータ出力電圧信号Vc(t)をパルス発生回路9に出力する。
制御回路1は、加算器PL2により加算された値で制御することにより、インバータ4の出力電圧を、電圧検出値Vmagを電圧指令値Vrefに一致させるように比例積分制御する。
次に、並列インバータ4Tが運転している場合における制御回路1の構成及び動作について説明する。なお、ここでは、並列インバータ4Tが停止している場合における制御回路1と異なる部分について主に説明し、同様の部分については、適宜説明を省略する。
並列インバータ4Tが運転しているため、選択スイッチSLは、「0.5」が設定された端子が選択されている。また、スイッチSWは、投入状態である。
加算器PL1には、自インバータ4の出力電流値Ia(t)及び並列インバータ4Tの出力電流値Ib(t)が入力される。加算器PL1は、出力電流値Ia(t)と出力電流値Ib(t)とを加算する。加算器PL1は、加算した演算結果を乗算器ML1に出力する。
乗算器ML1には、加算器PL1から出力電流値Ia(t)と出力電流値Ib(t)とが加算された値が入力され、選択スイッチSLから設定値「0.5」が入力される。乗算器ML1は、出力電流値Ia(t)と出力電流値Ib(t)と加算した値に設定値「0.5」を乗算する。乗算器ML1は、算出した値を、有効電流成分検出回路12V及び無効電流成分検出回路12Qに出力する。
有効電流成分検出回路12Vは、乗算器ML1から入力された演算結果の有効電流成分を検出する。有効電流成分検出回路12Vは、検出した有効電流成分を一次遅れ回路13Vを介して、有効電流指令値として、減算器SU1に出力する。
無効電流成分検出回路12Qは、乗算器ML1から入力された演算結果の無効電流成分を検出する。無効電流成分検出回路12Qは、検出した無効電流成分を一次遅れ回路13Qを介して、無効電流指令値として、減算器SU2に出力する。
減算器SU1は、有効電流成分検出回路11Vから入力された出力電流値Ia(t)の有効電流成分と、一次遅れ回路13Vから入力された有効電流指令値との差分を演算する。減算器SU1は、演算した差分を電流制御回路14Vに出力する。
減算器SU2は、無効電流成分検出回路11Qから入力された出力電流値Ia(t)の無効電流成分と、一次遅れ回路13Qから入力された無効電流指令値との差分を演算する。減算器SU2は、演算した差分を電流制御回路14Qに出力する。
電流制御回路14Vは、減算器SU1から入力された差分を零に近づけるように、インバータ4の出力電流の有効電流成分を制御するための演算をする。電流制御回路14Vにより演算された値は、最終的にインバータ出力電圧信号Vc(t)の生成に用いられる。
電流制御回路14Qは、減算器SU2から入力された差分を零に近づけるように、インバータ4の出力電流の無効電流成分を制御するための演算をする。電流制御回路14Qにより演算された値は、最終的にインバータ出力電圧信号Vc(t)の生成に用いられる。
減算器SU3は、電圧指令値Vrefから後述する比例回路22から入力された値を減算する。これにより、電圧指令値Vrefは、補正される。減算器SU3は、補正した電圧指令値Vrefを減算器SU4に出力する。
減算器SU4は、減算器SU3から入力された補正された電圧指令値Vrefから電圧検出値Vmagを減算する。減算器SU4は、減算した差分を比例積分回路21に出力する。
比例積分回路21は、減算器SU4から入力された信号に対して、比例積分制御の演算をする。比例積分回路21は、演算した値を加算器PL2及びスイッチSWに出力する。ここで、スイッチSWは、並列インバータ4Tの運転により、投入されているため、比例積分回路21により演算された値は、比例回路22には入力される。
比例回路22は、比例積分回路21から入力された値に対して比例制御の演算をする。比例回路22は、演算した値を減算器SU3に出力する。
加算器PL2は、入力された電圧指令値Vrefに、比例積分回路21から入力された値を加算する。加算器PL2により演算された値は、加算器PL3、乗算器ML3、加算器PL4を順次に介して、インバータ出力電圧信号Vc(t)として、パルス発生回路9に出力される。
本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
制御回路1の制御対象である自インバータ4と無電源系統に並列に接続されている並列インバータ4Tを運転している場合、選択スイッチSLは、「0.5」を選択し、スイッチSW、は投入状態である。
このとき、制御回路1は、次のような電流制御を行う。
電流制御回路14V,14Qによって、自インバータ4の出力電流値Ia(t)と並列インバータ4Tの出力電流値Ib(t)の和を0.5倍した値を、電流指令値として、この電流指令値に追従するようにインバータ4の制御をする。ここで、自インバータ4の出力電流値Ia(t)と並列インバータ4Tの出力電流値Ib(t)との和は、負荷に供給される電流の総和である。これにより、制御回路1と制御回路1と同様の制御をする制御回路1Tにより、自インバータ4と並列インバータ4Tとの出力を均等にすることができる。これにより、横流を防止することができる。
また、制御回路1は、次のような電圧制御を行う。
例えば、負荷増加などにより交流母線BSの電圧検出値Vmagが電圧指令値Vrefより低下すると、比例積分回路21の入力が正の値となる。このとき、比例積分回路21の出力は、正方向に増加する。これにより、比例積分回路21の出力が、スイッチSW、比例回路22を介して減算器SU3に入力されることより、電圧指令値が低下するように補正される。補正された電圧指令値と電圧検出値Vmagが一致すると、比例積分回路21は、入力が零となるため、出力が一定の状態となる。これにより、制御回路1は、平衡した定常運転を行う。即ち、制御回路1は、もともと与えられている電圧指令値Vrefよりも少し低い電圧を交流母線に供給するように、インバータ4の出力電圧を制御する。
逆に、電圧検出値Vmagが電圧指令値Vrefより上昇すると、電圧指令値Vrefが増加するように補正される。これにより、制御回路1は、もともと与えられている電圧指令値Vrefよりも少し高い電圧になるようにインバータ4を運転する。
電圧指令値Vrefに対する定常運転電圧の偏差は、比例回路22のゲインにより変わる。例えば、比例回路22のゲインをK、比例積分回路21の出力をYとする。比例積分回路21の入力が零になるためには、Vref−K×Y=Vmagの関係が成り立つ。よって、ゲインKが大きいほど偏差が大きくなる。この動作は、電圧検出値Vrefに誤差がある場合も同等である。従って、複数台が並列運転されるそれぞれのインバータで検出した電圧の値に応じて、電圧指令値Vrefの補正を行うことで、比例積分回路21からなる電圧制御回路への入力信号を零にする。これにより、それぞれのインバータの出力は、一定の値に保たれる。
具体例として、制御回路1による制御を2台並列で運転しているインバータの両方に適用する場合を考える。
ここで、インバータのそれぞれの制御に用いられる2つの電圧検出器による電圧検出値Vmag,VmagTには、次のような誤差があるとする。比例回路22のゲインをK=0.1とし、電圧指令値Vrefが1pu、実際の運転電圧が1puである場合において、1台目のインバータの電圧検出値Vmagが0.99pu、2台目のインバータの電圧検出値VmagTが1.01puだとする。
1台目のインバータにおいては、電圧制御回路(比例積分回路21)の出力が+0.01/Kの状態で、電圧指令値Vrefが1.0−K×0.01/K=1.0−0.01=0.99puに補正される。これにより、電圧指令値Vrefは、電圧検出値Vmagと一致する。これにより、比例積分回路21への入力信号が零となるため、インバータの出力が一定する。これにより、1台目のインバータを安定に運転することができる。
一方、2台目のインバータにおいては、電圧制御回路(比例積分回路21)の出力が−0.01/Kの状態で電圧指令値が1.0+K×0.01/K=1.0+0.01=1.01puに補正される。これにより、電圧検出値Vrefは、電圧検出値VmagTと一致する。これにより、比例積分回路21への入力信号が零となるため、インバータの出力が一定する。これにより、2台目のインバータを安定に運転することができる。
このように、2台のインバータのそれぞれを制御回路1,1Tで制御することにより、1台目のインバータと2台目のインバータとで、出力電圧の大きさを異なる運転点とすることで、それぞれのインバータの出力を発散させることなく平衡して制御することができる。
次に、2台のインバータA,Bを並列運転させる場合において、制御回路1による制御と従来の制御回路による制御とのシミュレーションによる比較結果について説明する。
図3、図4、図5、及び図6は、従来の制御回路によるシミュレーションを示すグラフ図である。図7、図8、図9、及び図10は、本実施形態に係る制御回路1によるシミュレーションを示すグラフ図である。
図3は、従来の制御回路によるシミュレーションにおける電圧制御回路出力を示すグラフ図である。図4は、従来の制御回路によるシミュレーションにおける電流制御回路出力を示すグラフ図である。図5は、従来の制御回路によるシミュレーションにおける1台目のインバータAの電圧指令値と電圧検出値との関係を示すグラフ図である。図6は、従来の制御回路によるシミュレーションにおける2台目のインバータBの電圧指令値と電圧検出値との関係を示すグラフ図である。
図7は、本実施形態に係る制御回路1によるシミュレーションにおける電圧制御回路出力を示すグラフ図である。図8は、本実施形態に係る制御回路1によるシミュレーションにおける電流制御回路出力を示すグラフ図である。図9は、本実施形態に係る制御回路1によるシミュレーションにおける1台目のインバータAの電圧指令値VrefAと電圧検出値VmagAとの関係を示すグラフ図である。図10は、本実施形態に係る制御回路1によるシミュレーションにおける2台目のインバータBの電圧指令値VrefBと電圧検出値VmagBとの関係を示すグラフ図である。
図3〜図10に示すシミュレーションは、時刻t1に、それぞれ電圧検出誤差なしの状態から誤差ありの状態に変化した時の動作を模擬したものである。図3〜図10の横軸は、時間軸であり、0.3秒間隔で目盛りを示している。電圧検出誤差は、1台目のインバータAの電圧検出値が0.99倍、2台目のインバータBの電圧検出値が1.01倍である。
まず、図3〜図6を参照して、従来の制御回路による動作について説明する。
誤差発生後、インバータA及びインバータBが電力を供給する母線電圧が1puである場合に、インバータAが検出する電圧検出値VmagAは0.99pu、インバータBが検出する電圧検出値VmagBは1.01puとなる。
このため、インバータAは、図5に示すように、電圧検出値VmagAと電圧指令値VrefAの差が−0.01puの状態のまま運転を継続する。一方、インバータBは、図6に示すように、電圧検出値VmagBと電圧指令値VrefBの差が+0.01puの状態のまま運転を継続する。これにより、図3に示すように、インバータAの電圧制御回路の出力値GVAとインバータBの電圧制御回路の出力値GVBは、互いに逆方向に増加し続ける。
これに伴い、図4に示すように、インバータAの電流制御回路の出力値(有効電流GIA及び無効電流GIQA)とインバータBの電流制御回路の出力値(有効電流GIB及び無効電流GIQB)も、互いに逆方向に増加し続ける。よって、出力電流は、誤差発生後0.2秒程度で1.0puすなわち定格電流を超過する。その後も、インバータA及びインバータBのそれぞれの出力は増加し続ける。実際には、その後、過電流となるため、トリップする。本シミュレーションでは、誤差発生後3秒程度で不安定になっている。
次に、図7〜図10を参照して、制御回路1による動作について説明する。
図7に示すように、誤差発生後、インバータAの電圧制御回路の出力値GVAとインバータBの電圧制御回路の出力値GVBとは互いに逆方向に増加する。
しかし、制御回路1による制御では、図9に示すように、インバータAの電圧指令値VrefAは、電圧指令値VrefAと同じ値である0.09puに補正される。これにより、図7に示すように、インバータAの電圧制御回路の出力値GVAは一定となる。このため、これ以上発散することはない。同様に、図10に示すように、インバータBの電圧指令値VrefBは、電圧指令値VrefBと同じ値である1.01puに補正される。このため、図7に示すように、インバータBの電圧制御回路の出力値GVBは一定となる。
これに伴い、図8に示すように、インバータAの電流制御回路の出力値(有効電流GIA及び無効電流GIQA)とインバータBの電流制御回路の出力値(有効電流GIB及び無効電流GIQB)も一定となる。
次に、インバータが1台のみで無電源系統に接続されて運転している場合における、制御回路1による作用効果について説明する。
図2に示す加算器PL1に与えられるインバータBの出力電流値Ib(t)は零である。また、選択スイッチSLは、「1.0」が設定された端子を選択する。このため、自インバータの出力電流値Ia(t)に対し、1次遅れ回路13V,13Qを介した値、即ち自インバータの定常的な運転電流が電流指令値として使用される。これにより、制御回路1は、電流の急激な変化や過電流を防止することができる。
一方、スイッチSWは開放状態であるため、電圧指令値Vrefの補正は行われない。このため、制御回路1は、補正のされていない当初の電圧指令値Vrefに対するインバータ出力の追従性を向上することができる。
従って、本実施形態によれば、インバータが複数台並列に交流電源のない無電源単相負荷系統へ接続されて運転している場合において、各インバータの電圧検出値に誤差があっても、インバータの出力を発散させることなく安定に運転することができる。また、インバータが1台のみで交流電源のない無電源単相負荷系統へ接続されて運転している場合において、電圧検出値Vmagが補正のされていない電圧指令値Vrefになるように制御をすることができる。従って、これにより、これらのインバータが電力を供給する交流母線BSの電圧の変動を最小限に抑え、かつ電圧検出の誤差によってインバータの出力が発散するのを防止することができる。
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る制御回路1Aの構成を示す構成図である。
制御回路1Aは、図2に示す第1の実施形態に係る制御回路1において、減算器SU3及び減算器SU4の代わりに、減算器SU3A及び減算器SU4Aを設けている。それ以外の点は、制御回路1と同様である。
減算器SU4Aには、電圧指令値Vref及び電圧検出器6により検出された電圧検出値Vmagが入力される。減算器SU4Aは、電圧検出値Vmagと電圧指令値Vrefとの差分を演算する。減算器SU4Aは、演算した差分を減算器SU3Aに出力する。
減算器SU3Aには、減算器SU4Aにより演算された差分及び比例回路22により演算された値が入力される。減算器SU3Aは、減算器SU4Aから入力された差分から、比例回路22から入力された値を減算する。減算器SU3Aは、演算結果を比例積分回路21に出力する。
並列インバータ4Tが停止している場合は、スイッチSWが開放されているため、比例回路22から減算器SU3Aへの入力はない(即ち、入力が零である)。従って、第1の実施形態に係る制御回路1と同様に、制御回路1Aは、電圧検出値Vmagと電圧指令値Vrefとの差分を入力信号として、比例積分回路21による比例積分制御を行う。
並列インバータ4Tが運転している場合は、スイッチSWが投入されているため、比例回路22から減算器SU3Aへの入力がある。従って、比例積分回路21への入力は補正される。これにより、減算器SU3Aは、電圧検出値Vmagと電圧指令値Vrefとの偏差をキャンセルするように、比例積分回路21への入力信号を補正する。これにより、比例積分回路21への入力は零となるため、比例積分回路21の出力は一定の状態となる。従って、インバータ4は、出力が平衡する定常運転が行われる。
本実施形態によれば、第1の実施形態に係る制御回路1において、減算器SU3,SU4の構成の代わりに、減算器SU3A,SU4Aによる構成としても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施形態に係る制御回路1Bの構成を示す構成図である。
制御回路1Bは、図2に示す第1の実施形態に係る制御回路1において、減算器SU3,SU4、比例積分回路21、比例回路22、及びスイッチSWによる構成の代わりに、減算器SU4B、比例積分回路21B、比例回路22B、及び選択スイッチSL1Bによる構成としている。その他の点は、制御回路1と同様の構成である。なお、制御回路1Bの電流制御に関する構成及び動作については、第1の実施形態に係る制御回路1と同様のため、説明を省略する。
比例積分回路21Bは、第1の実施形態に係る比例積分回路21と同様の演算処理を行う回路である。並列インバータ4Tが運転している場合、比例積分回路21Bは、リセット信号を受信して、積分リセットされる。
比例回路22Bは、第1の実施形態に係る比例回路22と同様の演算処理を行う回路である。
減算器SU4Bには、電圧指令値Vref及び電圧検出器6により検出された電圧検出値Vmagが入力される。減算器SU4Bは、電圧検出値Vmagと電圧指令値Vrefとの差分を演算する。減算器SU4Bは、演算した差分を比例積分回路21B及び比例回路22Bに出力する。
選択スイッチSL1Bは、インバータ4の電圧制御の方式を選択するスイッチである。選択スイッチSL1Bにより選択された端子からの出力は、加算器PL2に入力される。並列インバータ4Tが運転している場合、選択スイッチSL1Bは、比例回路22Bの出力がされる端子を選択する。並列インバータ4Tが停止している場合、選択スイッチSL1Bは、比例積分回路21Bの出力がされる端子を選択する。
まず、並列インバータ4Tが停止している場合、比例積分回路21Bの出力が加算器PL2に入力される。これにより、第1の実施形態に係る制御回路1と同様に、制御回路1Bは、電圧検出値Vmagと電圧指令値Vrefとの差分を入力信号として、比例積分回路21Bによる比例積分制御を行う。
次に、並列インバータ4Tが運転している場合、比例回路22Bの出力が加算器PL2に入力される。これにより、制御回路1Bは、電圧検出値Vmagと電圧指令値Vrefとの差分を入力信号として、比例回路22Bによる比例制御を行う。このとき、比例積分回路21Bは、積分リセットされている。
加算器PL2は、選択スイッチSL1Bにより選択された回路の出力を、電圧指令値Vrefに加算する。従って、制御回路1Bは、この加算された電圧指令値Vrefに基づいて、インバータ4の制御をする。
本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
並列インバータ4Tが運転している場合、電圧制御回路として比例回路22Bによる比例制御が使用される。例えば、負荷増加などにより交流電圧検出値Vmagが電圧指令値Vrefより低下すると、比例回路22Bの入力が正の値となり、出力が正方向に増加する。この比例回路22Bの出力が、選択スイッチSL1Bを介して電圧指令値Vrefに加算される。このため、インバータ出力電圧Vc(t)が大きくなり、交流母線BSの系統電圧は、電圧指令値Vrefに近づく。このとき、電圧検出値Vmagの低下量に対してインバータ出力電圧Vc(t)をどの程度大きくするかは、比例回路22Bのゲインにより決まる。低下した量が大きいほど、出力電圧の増大量も大きくなる。但し、比例制御では、電圧検出値Vmagは、必ずしも電圧指令値Vrefに一致せずに、平衡状態となる。逆に、電圧検出値Vmagが上昇すると、比例回路22Bの入力が負の値となり、出力が負方向に減少する。この比例回路22Bの出力が、選択スイッチSL1Bを介して電圧指令値Vrefに加算される。このため、インバータ出力電圧Vc(t)が小さくなり、交流母線BSの系統電圧は、電圧指令値Vrefに近づく。
この比例制御を2台並列で運転しているインバータの両方に適用し、それぞれのインバータが検出する電圧検出値Vmagに誤差がある場合を考える。
例えば、比例回路22BのゲインをK=0.5とした場合、電圧指令値Vrefが1pu、実際の運転電圧が1puである場合に、1台目のインバータの電圧検出値が0.99pu、2台目のインバータの電圧検出値が1.01puだとする。
このとき、1台目のインバータにおいては、電圧制御回路(比例回路22B)の出力が+0.005となる。従って、1台目のインバータは、誤差の0.5倍を補償するように高めの電圧で運転される。2台目のインバータにおいては電圧制御回路(比例回路22B)の出力が−0.005となる。従って、2台目のインバータは、誤差の0.5倍を補償するように低めの電圧で運転される。
このように、1台目のインバータと2台目のインバータでは、出力電圧の大きさが異なる運転点となるが、それぞれのインバータの出力は、発散することなく平衡して運転することができる。
一方、並列インバータ4Tが運転を停止し、自インバータ4が単独で運転している場合は、電圧制御回路として比例積分回路21Bが使用される。これにより、第1の実施形態と同様に、制御回路1Bは、比例積分制御により、電圧検出値Vmagが指令値Vrefに一致するように制御が行われる。
従って、本実施形態によれば、インバータが複数台並列に交流電源のない無電源単相負荷系統へ接続されて運転している場合において、各インバータの電圧検出値に誤差があっても、インバータの出力を発散させることなく安定に運転することができる。また、インバータが1台のみで交流電源のない無電源単相負荷系統へ接続されて運転している場合において、電圧検出値Vmagが補正のされていない当初の電圧指令値Vrefになるように制御をすることができる。従って、これにより、これらのインバータが電力を供給する交流母線BSの電圧の変動を最小限に抑え、かつ電圧検出の誤差によってインバータの出力が発散するのを防止することができる。
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施形態に係る制御回路1Cの構成を示す構成図である。
制御回路1Cは、図12に示す第3の実施形態に係る制御回路1Bにおいて、比例積分回路21B、選択スイッチSL1Bによる構成の代わりに、積分回路23C、スイッチSWC、及び加算器PL5Cによる構成としている。その他の点は、制御回路1Bと同様の構成である。なお、制御回路1Cの電流制御に関する構成及び動作については、第3の実施形態に係る制御回路1B(即ち、第1の実施形態に係る制御回路1)と同様のため、説明を省略する。
減算器SU4Bは、演算した電圧検出値Vmagと電圧指令値Vrefとの差分を比例回路22B及び積分回路23Cに出力する。
積分回路23Cは、インバータ4の出力電圧を制御する電圧制御回路である。積分回路23Cは、減算器SU4Bから入力された信号に対して、積分制御の演算をする。積分回路23Cは、スイッチSWCを介して、演算した値を加算器PL5Cに出力する。並列インバータ4Tが運転している場合、積分回路23Cは、リセット信号を受信して、積分リセットされる。
スイッチSWCは、インバータ4の電圧制御の方式を変更するスイッチである。並列インバータ4Tが運転している場合、スイッチSWCは、開放される。並列インバータ4Tが停止している場合、スイッチSWCは、投入される。
加算器PL5Cは、比例回路22Bからの出力信号に、積分回路23Cからの出力信号を加算する。加算器PL5Cは、加算した値を加算器PL2に出力する。
まず、並列インバータ4Tが運転している場合、スイッチSWCは開放されているため、積分回路23Cからの出力信号は入力されない。この場合、加算器PL5Cは、比例回路22Bからの出力信号をそのまま加算器PL2に出力する。即ち、並列インバータ4Tが運転している場合、制御回路1Cは、比例制御を行う。
次に、並列インバータ4Tが停止している場合、加算器PL5Cは、比例回路22Bからの出力信号に、積分回路23Cからの出力信号を加算する。従って、加算器PL5Cからの出力は、等価的に比例積分回路により演算された出力となる。即ち、並列インバータ4Tが停止している場合、制御回路1Cは、実質的に比例積分制御と同等の制御を行う。
本実施形態によれば、第3の実施形態に係る制御回路1Bにおいて、比例積分回路21B、選択スイッチSL1Bによる構成の代わりに、積分回路23C、スイッチSWC、及び加算器PL5Cによる構成としても、第3の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第5の実施形態)
図14は、本発明の第5の実施形態に係る制御回路1Dの構成を示す構成図である。
制御回路1Dは、図2に示す第1の実施形態に係る制御回路1において、レベル検出器LD、AND回路AD、スイッチSW1D、加算器PL6Dを追加して設け、スイッチSW1Dに入力する電圧指令値の補正値ΔVrefを設定している。その他の点は、制御回路1と同様の構成である。なお、制御回路1Dの電流制御に関する構成及び動作については、第1の実施形態に係る制御回路1と同様のため、説明を省略する。
レベル検出器LDは、無効電流成分検出回路11Qの出力値が予め設定された一定のレベルを超えた場合に「1」をAND回路ADに出力する。無効電流成分検出回路11Qの出力は、自インバータ4の出力電流値Ia(t)の無効電流成分である。一定のレベルとしては、インバータ4が交流母線BSに無効電力を供給する方向の充分大きな値を設定する。
AND回路ADには、レベル検出器LDからの入力信号及び並列インバータ4Tの状態を示す信号が入力される。並列インバータ4Tの状態を示す信号が「1」の場合、並列インバータ4Tが運転していることを示している。並列インバータ4Tの状態を示す信号が「0」の場合、並列インバータ4Tが停止していることを示している。AND回路ADは、レベル検出器LDからの入力が「1」であり、かつ並列インバータ4Tの状態を示す信号が「1」である場合、スイッチSW1Dに投入指令を出力する。
スイッチSW1Dは、AND回路ADから投入指令が入力されると、投入される。スイッチSW1Dの入力端子には、予め設定された電圧指令値の補正値ΔVrefが入力されている。スイッチSW1Dが投入されると、スイッチSW1Dから加算器PL6Dに補正値ΔVrefが入力される。
加算器PL6Dには、電圧指令値Vrefが入力されている。スイッチSW1Dから補正値ΔVrefが入力されると、加算器PL6Dは、電圧指令値Vrefに補正値ΔVrefを加算する。この加算により、電圧指令値Vrefは、補正値ΔVrefの分だけ大きな値に補正される。加算器PL6Dは、この補正された電圧指令値Vrefを減算器SU3に出力する。一方、スイッチSW1Dから補正値ΔVrefが入力されていない場合、加算器PL6Dは、入力された電圧指令値Vrefをそのまま減算器SU3に出力する。
加算器PL6Dにより、電圧指令値Vrefが補正される場合は、並列インバータ4が運転している状態である。また、並列インバータ4が運転している場合、スイッチSWは投入されている。よって、最終的に電圧検出値Vmagと突き合わされる電圧指令値Vrefは、比例回路22の出力により、さらに補正された値となる。
本実施形態によれば、第1の実施形態の作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
系統で大きな無効電力消費が行われるとインバータが系統に供給する無効電力が増加する。インバータが複数台並列に無電源系統に接続されて運転している場合、制御回路1Dは、インバータ4から出力される電流の無効電流成分が設定レベルを超えると、電圧指令値Vrefを補正値ΔVref分大きな値に補正する。これにより、インバータ4の出力電圧が大きくなるよう制御が行われる。
一方、インバータが1台のみで運転している場合には、インバータ4から出力される電流の無効電流成分が設定レベルを超えても、電圧指令値Vrefの補正はしない。また、スイッチSWも開放状態であるため、比例回路22による電圧指令値Vrefの補正もしない。従って、制御回路1Dは、補正の行われない電圧指令値Vrefに電圧検出値Vmagが一致するように、比例積分回路21による比例積分制御を行う。
一般に、電力系統に接続されている負荷は、有効電力成分に比べて無効電力成分が小さい。しかし、変圧器が投入されると励磁突入電流が発生し、1次的に非常に大きな無効電力を消費する。これにより、系統電圧は低下する。
インバータ4が無電源系統に接続されて運転している場合、電圧制御として比例積分回路21を使用していれば、電圧指令値に対する追従性が高い。また、励磁突入電流発生時にも大きな電圧低下は生じない。
しかし、制御回路1のように、比例積分回路21の出力に応じて電圧指令値を補正する構成の制御を使用していると、励磁突入電流により電圧が低下した際に電圧指令値が低減される。これにより、さらに電圧が低下しやすくなる。
そこで、制御回路1では、励磁突入電流が発生してインバータの無効電力供給量が増えた場合には、電圧指令値Vrefを大きい値に補正している。これにより、制御回路1は、系統の電圧低下を小さく抑制することができる。
(第6の実施形態)
図15は、本発明の第6の実施形態に係る制御回路1Eの構成を示す構成図である。
制御回路1Eは、図12に示す第3の実施形態に係る制御回路1Bにおいて、レベル検出器LD、AND回路AD、スイッチSW1D、加算器PL6Dを追加して設け、スイッチSW1Dに入力する電圧指令値の補正値ΔVrefを設定している。その他の点は、制御回路1Bと同様の構成である。なお、制御回路1Eの電流制御に関する構成及び動作については、第3の実施形態に係る制御回路1B(即ち、第1の実施形態に係る制御回路1)と同様のため、説明を省略する。
レベル検出器LDは、無効電流成分検出回路11Qの出力値が予め設定された一定のレベルを超えた場合に「1」をAND回路ADに出力する。無効電流成分検出回路11Qの出力は、自インバータ4の出力電流値Ia(t)の無効電流成分である。一定のレベルとしては、インバータ4が交流母線BSに無効電力を供給する方向の充分大きな値を設定する。
AND回路ADには、レベル検出器LDからの入力信号及び並列インバータ4Tの状態を示す信号が入力される。並列インバータ4Tの状態を示す信号が「1」の場合、並列インバータ4Tが運転していることを示している。並列インバータ4Tの状態を示す信号が「0」の場合、並列インバータ4Tが停止していることを示している。AND回路ADは、レベル検出器LDからの入力が「1」であり、かつ並列インバータ4Tの状態を示す信号が「1」である場合、スイッチSW1Dに投入指令を出力する。
スイッチSW1Dは、AND回路ADから投入指令が入力されると、投入される。スイッチSW1Dの入力端子には、予め設定された電圧指令値の補正値ΔVrefが入力されている。スイッチSW1Dが投入されると、スイッチSW1Dから加算器PL6Dに補正値ΔVrefが入力される。
加算器PL6Dには、電圧指令値Vrefが入力されている。スイッチSW1Dから補正値ΔVrefが入力されると、加算器PL6Dは、電圧指令値Vrefに補正値ΔVrefを加算する。この加算により、電圧指令値Vrefは、補正値ΔVrefの分だけ大きな値に補正される。加算器PL6Dは、この補正された電圧指令値Vrefを減算器SU3に出力する。一方、スイッチSW1Dから補正値ΔVrefが入力されていない場合、加算器PL6Dは、入力された電圧指令値Vrefをそのまま減算器SU4Bに出力する。
加算器PL6Dにより、電圧指令値Vrefが補正される場合は、並列インバータ4が運転している状態である。また、並列インバータ4が運転している場合、選択スイッチSL1Bは、比例回路22Bからの出力が選択されている。よって、制御回路1Eは、比例制御による電圧制御を行っている。
本実施形態によれば、第3の実施形態の作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
系統で大きな無効電力消費が行われるとインバータが系統に供給する無効電力が増加する。インバータが複数台並列に無電源系統に接続されて運転している場合、制御回路1Eは、インバータ4から出力される電流の無効電流成分が設定レベルを超えると、電圧指令値Vrefを補正値ΔVref分大きな値に補正する。これにより、インバータ4の出力電圧が大きくなるよう制御が行われる。
一方、インバータが1台のみで運転している場合には、インバータ4から出力される電流の無効電流成分が設定レベルを超えても、電圧指令値Vrefの補正はしない。また、選択スイッチSL1Bは、比例積分回路21Bからの出力を選択している。従って、制御回路1Eは、補正の行われない電圧指令値Vrefに電圧検出値Vmagが一致するように、比例積分回路21による比例積分制御を行う。
一般に、電力系統に接続されている負荷は、有効電力成分に比べて無効電力成分が小さい。しかし、変圧器が投入されると励磁突入電流が発生し、1次的に非常に大きな無効電力を消費する。これにより、系統電圧は低下する。
インバータ4が無電源系統に接続されて運転している場合、電圧制御として比例積分回路21Bを使用していれば、電圧指令値に対する追従性が高い。また、励磁突入電流発生時にも大きな電圧低下は生じない。
しかし、制御回路1Eのように、比例回路22Bによる電圧制御が行われていると、電圧は電圧指令値Vrefに完全には追従せず、さらに電圧が低下しやすくなる。
そこで、制御回路1Eでは、励磁突入電流が発生してインバータの無効電力供給量が増えた場合には、電圧指令値Vrefを大きい値に補正している。これにより、制御回路1Eは、比例回路22Bによる電圧制御を行っていても、系統の電圧低下を小さく抑制することができる。
なお、各実施形態は、以下のように変形させた変形形態として実施することができる。
各実施形態において、直流電源5,5Tから直流電力を供給する場合の構成について説明したが、これに限らない。直流電源5,5Tの代わりにコンバータをそれぞれに設けてもよい。各コンバータが交流電力を直流電力に変換して、インバータ4,4Tにそれぞれ直流電力を供給する構成としてもよい。
各実施形態において、負荷2に供給する交流母線2に並列に接続されたインバータを2台の構成で説明したが、これに限らない。インバータが3台以上の構成においても、例えば、選択スイッチSLが選択する「一定の比率」の個数及び数値をインバータの台数に応じて変更することなどで、同様に実施することができる。
各実施形態において、加算器、減算器及び乗算器などの演算器は、各実施形態と同様の演算結果を行う構成であれば、どのように構成してもよい。例えば、減算器は、入力信号の符号を反転させることで、加算器を用いても良い。また、各実施形態における最終的な演算結果と同様の演算を行うのであれば、四則演算等の順番を変更し、適宜回路構成を変えても良い。
第5の実施形態において、レベル検出器LDによりレベルの検出する無効電流成分を、自インバータ4から出力された出力電流値Ia(t)の無効電流成分を検出する無効電流成分検出回路11Qからの出力としたが、無効電流成分検出回路12Qの出力としてもよい。このような構成においても、制御回路1Dと同様の作用効果を得ることができる。
第5の実施形態において、第1の実施形態に係る制御回路1を基本構成として構成したが、これに限らない。他の実施形態や変形形態を基本構成として構成してもよい。
第6の実施形態において、第3の実施形態に係る制御回路1Bを基本構成として構成したが、これに限らない。他の実施形態や変形形態を基本構成として構成してもよい。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施形態に係るインバータの制御装置の適用されたシステムの構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る制御回路1の構成を示す構成図。 従来の制御回路によるシミュレーションにおける電圧制御回路出力を示すグラフ図。 従来の制御回路によるシミュレーションにおける電流制御回路出力を示すグラフ図。 従来の制御回路によるシミュレーションにおける1台目のインバータの電圧指令値と電圧検出値との関係を示すグラフ図。 従来の制御回路によるシミュレーションにおける2台目のインバータの電圧指令値と電圧検出値との関係を示すグラフ図。 第1の実施形態に係る制御回路によるシミュレーションにおける電圧制御回路出力を示すグラフ図。 第1の実施形態に係る制御回路によるシミュレーションにおける電流制御回路出力を示すグラフ図。 第1の実施形態に係る制御回路によるシミュレーションにおける1台目のインバータの電圧指令値と電圧検出値との関係を示すグラフ図。 第1の実施形態に係る制御回路によるシミュレーションにおける2台目のインバータの電圧指令値と電圧検出値との関係を示すグラフ図。 本発明の第2の実施形態に係る制御回路の構成を示す構成図。 本発明の第3の実施形態に係る制御回路の構成を示す構成図。 本発明の第4の実施形態に係る制御回路の構成を示す構成図。 本発明の第5の実施形態に係る制御回路の構成を示す構成図。 本発明の第6の実施形態に係る制御回路の構成を示す構成図。
符号の説明
1,1T…制御回路、2…負荷、3,3T…変圧器、4,4T…インバータ、5,5T…直流電源、6,6T…電圧検出器、7a,7b…電流検出器、9,9T…パルス発生回路、11Q,12Q…無効電流成分検出回路、11V,12V…有効電流成分検出回路、13V,13Q…一次遅れ回路、14V,14Q…電流制御回路、15S…正弦回路、15C…余弦回路、21…比例積分回路、22…比例回路、SL…選択スイッチ、SW…スイッチ、PL1,PL2,PL3…加算器、SU1,SU2,SU3,SU4…減算器、ML1,ML2,ML3…乗算器。

Claims (4)

  1. 電力系統に交流電力を供給するインバータが接続され、前記電力系統に前記インバータと並列に交流電力を供給する並列インバータが接続され、前記インバータを制御するインバータの制御装置であって、
    前記インバータから出力された電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記インバータから出力される電圧の指令値である電圧指令値と前記電圧検出手段により検出された電圧との差分に基づく値に、比例積分の演算をする比例積分手段と、
    前記比例積分手段により演算された値に、比例の演算をする比例手段と、
    前記並列インバータが運転している場合、前記比例手段により演算された値を、前記比例積分手段により演算される値から減算する減算手段と、
    前記比例積分手段により演算された値に基づいて、前記インバータの出力される電圧を制御する電圧制御手段と
    を備えたことを特徴とするインバータの制御装置。
  2. 電力系統に交流電力を供給するインバータが接続され、前記電力系統に前記インバータと並列に交流電力を供給する並列インバータが接続され、前記インバータを制御するインバータの制御装置であって、
    前記インバータから出力された電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記インバータから出力される電圧の指令値である電圧指令値と前記電圧検出手段により検出された電圧との差分に基づく値に、比例積分の演算をする比例積分手段と、
    前記インバータから出力される電圧の指令値である電圧指令値と前記電圧検出手段により検出された電圧との差分に基づく値に、比例の演算をする比例手段と、
    前記並列インバータが運転している場合、前記比例手段により演算された値に基づいて、前記インバータの出力される電圧を制御し、前記並列インバータが運転していない場合、前記比例積分手段により演算された値に基づいて、前記インバータの出力される電圧を制御する電圧制御手段と
    を備えたことを特徴とするインバータの制御装置。
  3. 前記インバータから出力された電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段により検出された電流に基づいて、前記電力系統に供給される無効電流を算出する無効電流算出手段と、
    前記無効電流算出手段により算出された無効電流が所定のレベルを超えたことを検出する無効電流レベル検出手段と、
    前記無効電流レベル検出手段により前記所定のレベルを超えたことを検出し、かつ前記並列インバータ運転している場合、前記電圧指令値を増加させる補正をする電圧指令値補正手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインバータの制御装置。
  4. 前記インバータから出力された電流を検出する電流検出手段と、
    前記並列インバータから出力された電流を検出する第2の電流検出手段と、
    前記電流検出手段により検出された電流と前記第2の電流検出手段により検出された電流とを加算する加算手段と、
    前記電力系統に供給する電流に対し前記インバータから供給する電流の割合を示す分担率を、前記並列インバータが運転している場合と前記並列インバータが運転していない場合とで、異なる値に決定する分担率決定手段と、
    前記加算手段により加算された値に、前記分担率決定手段により決定された前記分担率を乗算する乗算手段と、
    前記乗算手段により乗算された値に基づいて、前記インバータから出力する電流を制御する電流制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインバータの制御装置。
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