JP2010141128A - 電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイル及びコンデンサにより構成されるノイズフィルタを内蔵している電子部品において、コンデンサからコイルにノイズが戻ることを抑制する。
【解決手段】コンデンサCは、積層体14に内蔵され、かつ、複数のコンデンサ導体50a〜50fにより構成されている。コイルL1,L2は、積層体16に内蔵され、かつ、コンデンサCと共にノイズフィルタを構成している。積層体16において、コンデンサCと積層体16とに挟まれている絶縁層33a〜33cは、コンデンサ電極50a〜50fに挟まれている絶縁層32a〜32eよりも低い比誘電率を有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子部品に関し、積層体内にコイルとコンデンサとを内蔵している電子部品に関する。
従来の電子部品としては、例えば、特許文献1に記載の積層型LC複合部品が知られている。該積層型LC複合部品は、第1のコイル、第2のコイル及びコンデンサを内蔵する積層体により構成されている。コンデンサは、積層方向において第1のコイルと第2のコイルとに挟まれるように配置されている。そして、積層型LC複合部品では、第1のコイル、第2のコイル及びコンデンサは、T型ノイズフィルタを構成している。したがって、第1のコイルに入力する入力信号の内、必要な信号は、第2のコイルから出力する。一方、入力信号の内、不要な信号(ノイズ)は、コンデンサからグランドへと流れていく。
しかしながら、積層型LC複合部品では、第1のコイルとコンデンサとが隣り合っていると共に、第2のコイルとコンデンサとが隣り合っている。そのため、第1のコイルとコンデンサとの間に浮遊容量が発生し、第1のコイルとコンデンサとが容量結合する。同様に、第2のコイルとコンデンサとの間に浮遊容量が発生し、第2のコイルとコンデンサとが容量結合する。その結果、ノイズが、コンデンサのグランド側の電極から第1のコイル及び第2のコイルへと戻ってしまうという問題があった。
特開2003−152490号公報
そこで、本発明の目的は、コイル及びコンデンサにより構成されるノイズフィルタを内蔵している電子部品において、コンデンサからコイルにノイズが戻ることを抑制することである。
本発明の一形態に係る電子部品は、複数の絶縁層が積層されてなる第1の積層体と、前記第1の積層体に重ねられている第2の積層体と、前記第1の積層体に内蔵され、かつ、複数のコンデンサ導体により構成されているコンデンサと、前記第2の積層体に内蔵され、かつ、前記コンデンサと共にノイズフィルタを構成しているコイルと、を備え、前記第1の積層体において、前記コンデンサと前記第2の積層体とに挟まれている前記絶縁層の少なくとも一部は、前記複数のコンデンサ導体に挟まれている前記絶縁層よりも低い比誘電率を有していること、を特徴とする。
本発明によれば、コイル及びコンデンサにより構成されるノイズフィルタを内蔵している電子部品において、コンデンサからコイルにノイズが戻ることを抑制できる。
以下に、本発明の一実施形態に係る電子部品について図面を参照しながら説明する。
(電子部品の構成について)
図1は、一実施形態に係る電子部品10の外観斜視図である。図2は、一実施形態に係る積層体12の分解斜視図である。図3は、電子部品10の等価回路図である。以下、電子部品10の積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10の長辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10の短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。
図1に示す電子部品10は、積層体12、外部電極18a,18b,20及び接続電極22を備えている。また、積層体12は、直方体形状を有し、積層体14と積層体16とが積層されて構成されている。
積層体14は、LTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics)基板である。積層体14について、図2を参照しながら詳細に説明する。
積層体14は、コンデンサCを内蔵しており、絶縁層32a〜32e,33a〜33c,34a〜34dにより構成されている。また、コンデンサCは、コンデンサ導体50a〜50fにより構成されている。
絶縁層32a〜32eは、SiO2を主成分としている誘電体材料(本実施形態では、Al23−Ba2Ti412−CeO2−ガラス)からなる矩形状の層であり、10以上の比誘電率を有している。なお、絶縁層32a〜32eは、5枚記載されているが、5枚以上であってもよい。そのため、図2では、絶縁層32cと絶縁層32dとの間を点線で繋いで、絶縁層32cと絶縁層32dとの間に更なる絶縁層32が設けられていてもよいことを示している。絶縁層32a〜32eは、積層された状態において、250μmの厚みを有していることが望ましい。
絶縁層33a〜33cは、積層体14において、コンデンサCと積層体16との間に挟まれるように設けられている。すなわち、絶縁層33a〜33cは、絶縁層32aのz軸方向の正方向側に設けられている。該絶縁層33a〜33cは、SiO2を主成分としている誘電体材料(本実施形態では、Al23−CeO2−ガラス)からなる矩形状の層であり、絶縁層32a〜32eよりも低い比誘電率(本実施形態では、10以下)を有している。絶縁層33a〜33cは、積層された状態において、25μmの厚みを有していることが望ましい。
絶縁層34a〜34dは、積層体14において、コンデンサCよりもz軸方向の負方向側に設けられている。すなわち、絶縁層33a〜33cは、絶縁層32eよりもz軸方向の負方向側に設けられている。該絶縁層34a〜34dは、SiO2を主成分としている誘電体材料(本実施形態では、Al23−CeO2−ガラス)からなる矩形状の層であり、絶縁層32a〜32eよりも低い比誘電率(本実施形態では、10以下)を有している。絶縁層34a〜34dは、積層された状態において、20μmの厚みを有していることが望ましい。
コンデンサ導体50a〜50fはそれぞれ、絶縁層32a〜32e,34aの主面上に、例えば、Ag又はPdを主成分とした導電性材料により形成される。コンデンサ導体50a〜50fはそれぞれ、矩形状を有しており、引き出し部52a〜52fを有している。引き出し部52a〜52fは、y軸方向の正方向側の辺とy軸方向の負方向側の辺とに交互に引き出されている。コンデンサ導体50a〜50fは、絶縁層32a〜32e,34aがz軸方向の正方向側からこの順に積層されることにより、z軸方向に対向するもの同士でコンデンサCを構成している。これにより、絶縁層32a〜32eは、コンデンサ導体50a〜50fにより挟まれている。更に、コンデンサCは、絶縁層32a〜32eよりも低い比誘電率を有する絶縁層33a〜33cと絶縁層34a〜34dによりz軸方向の両側から挟まれている。
積層体16は、積層体14上に重ねられ、z軸方向から平面視したときに、積層体14よりも小さくなるように形成されている。以下に、積層体16について、図2を参照しながら詳細に説明する。
積層体16は、コイルL1,L2を内蔵しており、絶縁層30a〜30gにより構成されている。また、コイルL1,L2はそれぞれ、コイル導体40a〜40d,44a〜44d及びビアホール導体b1〜b3,b4〜b6により構成され、コンデンサCと共にT型LCノイズフィルタを構成している。
絶縁層30a〜30gは、例えば、ポリイミド樹脂等の絶縁性材料からなる矩形状の層である。該絶縁層30a〜30gは、z軸方向から平面視した場合に、積層体14よりも小さく形成されている。これにより、積層体14は、絶縁層30a〜30gの四辺からはみ出した状態となっている。
コイル導体40a〜40dはそれぞれ、絶縁層30d〜30gの主面上に、例えば、Ag又はPdを主成分とした導電性材料により形成される。同様に、コイル導体44a〜44dはそれぞれ、絶縁層30d〜30gの主面上に、コイル導体40a〜40dとx軸方向に並ぶように、例えば、Ag又はPdを主成分とした導電性材料により形成される。コイル導体40a〜40d,44a〜44dは、それぞれ線状電極が折り曲げられることによって、渦巻き形状をなしている。
コイル40a,44aはそれぞれ、その一端において引き出し部42a,46aを有している。引き出し部42aは、x軸方向の負方向側の辺に引き出されており、引き出し部46aは、x軸方向の正方向側の辺に引き出されている。コイル導体40dとコイル44dとの間には、引き出し部48が設けられている。引き出し部48の一端は、y軸方向の正方向側の辺に引き出されている。
ビアホール導体b1〜b3はそれぞれ、絶縁層30d〜30fをz軸方向に貫通するように形成されている。同様に、ビアホール導体b4〜b6もそれぞれ、絶縁層30d〜30fをz軸方向に貫通するように形成されている。
コイル導体40a〜40dは、絶縁層30a〜30gがz軸方向の正方向側からこの順に積層されることにより、隣り合うもの同士でビアホール導体b1〜b3により接続されて、コイルL1を構成している。同様に、コイル導体44a〜44dは、絶縁層30a〜30gがz軸方向の正方向側からこの順に積層されることにより、隣り合うもの同士でビアホール導体b4〜b6により接続されて、コイルL2を構成している。そして、コイルL1とコイルL2とは、引き出し部48を介して図3に示すように直列接続されている。
外部電極18a,18bはそれぞれ、図1に示すように、積層体12のx軸方向の両端の側面に形成され、図2に示す引き出し部42a,44aと電気的に接続されている。外部電極20は、図1に示すように、積層体12のy軸方向の負方向側の側面に形成され、図2に示す引き出し部52a,52c,52eと電気的に接続されている。接続電極22は、図1に示すように、積層体12のy軸方向の正方向側の側面に形成され、図2に示す引き出し部48,52b,52d,52fと電気的に接続されている。これにより、コンデンサCは、接続電極22により、コイルL1とコイルL2との間に接続されるようになる。その結果、電子部品10は、図3に示すようなT型LCノイズフィルタを構成するようになる。
電子部品10がT型LCノイズフィルタとして動作する場合には、外部電極18a,18bが信号電極として機能し、外部電極20がグランド電極として機能する。すなわち、外部電極18a,18bには、相対的に高い電位が印加され、外部電極20には、相対的に低い電位(接地電位)が印加される。
(効果)
以上のように構成された電子部品10によれば、以下に説明するように、コンデンサCからコイルL1,L2にノイズが戻ることを抑制できる。より詳細には、図2に示すように、コイル導体40d,44dとコンデンサ導体50aとの間に設けられている絶縁層33a〜33cは、コンデンサ導体50a〜50fの間に設けられている絶縁層32a〜32eよりも低い比誘電率を有している。そのため、電子部品10では、絶縁層33a〜33cの比誘電率と絶縁層32a〜32eの比誘電率とが等しい場合に比べて、コンデンサCとコイルL1,L2との間に発生する浮遊容量が小さくなる。その結果、コンデンサ導体50a,50c,50eからコイルL1,L2へとノイズが戻ることが抑制される。
また、電子部品10では、絶縁層33a〜33c,34a〜34dは、めっき時にめっき液に溶出し易いBaを含んでいないので、絶縁層32a〜32eに比べて耐めっき性に優れている。よって、絶縁層33a〜33c,34a〜34dがめっき時に溶け出して、コンデンサ導体50が露出することが防止される。
本願発明者は、電子部品10が奏する効果をより明確にするために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。具体的には、以下に説明する仕様のモデルにおいて、絶縁層32a〜32e,33a〜33c,34a〜34dの比誘電率を変化させて、周波数と挿入損失との関係を調べた。
モデルの仕様
コイル導体40a〜40d,44a〜44dの層数:4
コイル導体40a〜40d,44a〜44dの線幅:16μm
コイル導体40a〜40d,44a〜44dの線間の幅:15μm
積層体16のサイドギャップ:65μm
コイルL1,L2の間隔:50μm
コンデンサ導体50a〜50fの枚数:20
積層体14のサイドギャップ:125μm
以上のような仕様のモデルにおいて、以下の表1に示すように比誘電率を組み合わせて第1のモデル〜第8のモデルとした。
Figure 2010141128
図4は、第1のモデル及び第2のモデルにおいて、周波数と挿入損失との関係を示したグラフである。図5は、第3のモデル及び第4のモデルにおいて、周波数と挿入損失との関係を示したグラフである。図6は、第5のモデル及び第6のモデルにおいて、周波数と挿入損失との関係を示したグラフである。図7は、第7のモデル及び第8のモデルにおいて、周波数と挿入損失との関係を示したグラフである。図4ないし図7において、縦軸は挿入損失を示し、横軸は周波数を示す。
図6及び図7のグラフによれば、絶縁層33,34の比誘電率を絶縁層32の比誘電率よりも小さくすることにより、挿入損失が大きくなっていることが分かる。すなわち、絶縁層33,34の比誘電率を絶縁層32の比誘電率よりも小さくすることにより、ノイズが効率よく除去されていることが分かる。これは、コンデンサ導体50a,50c,50eからコイルL1,L2へとノイズが戻ることが抑制されていることを意味している。
また、図4ないし図7を比較すると、絶縁層33,34の比誘電率を8とした場合には、絶縁層32の比誘電率を60以上にすれば、より効果的にノイズが除去されていることが分かる。したがって、絶縁層33,34の比誘電率を8とした場合には、絶縁層32の比誘電率は、60以上であることが望ましい。
(製造方法)
以下に、電子部品10の製造方法について図面を参照しながら説明する。以下では、1個分の電子部品10の製造工程について説明するが、実際には、複数の電子部品10がマトリクス状に配置された状態で一括して製造されている。図8は、電子部品のマザー積層体をz軸方向から平面視した図である。
まず、図2に示す積層体14を作製する。より詳細には、Al23とCeO3とCa−Al−B−Si系ガラス粉末とを原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、セラミック粉末を得る。
このセラミック粉末に対して結合剤と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、シート状に形成して乾燥させ、絶縁層32a〜32eとなるべきセラミックグリーンシートを得る。
次に、Al23とCeO3とCa−Al−B−Si系ガラス粉末とを原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、セラミック粉末を得る。
このセラミック粉末に対して結合剤と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、シート状に形成して乾燥させ、絶縁層33a〜33c,34a〜34dとなるべきセラミックグリーンシートを得る。
次に、絶縁層32a〜32e,34aとなるべきセラミックグリーンシート上に、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、コンデンサ導体50a〜50fを形成する。
次に、各セラミックグリーンシートを積層する。具体的には、z軸方向の正方向側から順に絶縁層33a〜33c,32a〜32e,34a〜34dを重ねて静水圧プレスなどにより圧着を行う。この後、焼成を施して、積層体14のマザー積層体が得られる。
次に、ポリイミド樹脂からなる絶縁層30gを、積層体14上にフォトリソグラフィにより形成する。次に、絶縁層30g上にコイル導体40d,44dを形成する。具体的には、絶縁層30g上に、Ag又はPdを主成分とした導電性材料からなる導電層をスパッタリングや蒸着等のドライめっき法により形成する。次に、導電層上に感光性レジストを塗布、乾燥した後、この感光性レジストにマスクフィルムを当てて所望の部分を露光する。次に、感光性レジストを現像し、導電層の不要な部分が露出した形状を有するレジストパターンを形成する。最後に、露出した部分の導電層をエッチングにて除去した後、レジストパターンを除去することにより、図2に示すように、コイル導体40d,44dを形成する。
次に、図2に示すように、ポリイミド樹脂からなる絶縁層30fを、絶縁層30g及びコイル導体40d,44d上にフォトリソグラフィにより形成する。この際、絶縁層30fのビアホール導体b3,b6が形成されるべき位置に、ビアホールを形成する。
次に、絶縁層30f上にコイル導体40c,44cを形成する。具体的には、絶縁層30f上に、導電層をドライめっき法により形成する。この際、ビアホールに導電性材料が充填され、ビアホール導体b3,b6が形成される。この後、この導電層には、レジストパターンの形成、エッチング、レジストパターンの除去及びフォトリソグラフィが行われる。これらの処理については、既に説明したものと同じであるので説明を省略する。これにより、コイル導体40c,44c及び絶縁層30eが、絶縁層30f上に形成される。更に、同様の処理が繰り返されて、コイル導体40a,40b,44a,44b及び絶縁層30dが形成される。この後、コイル導体40a,44a及び絶縁層30d上にポリイミド樹脂からなる絶縁層30a〜30cが形成される。
この後、積層体12のマザー積層体がダイサーによりカットされて、個々の積層体12に切り離される。この際、図8の点線部分に示すように、ダイサーが絶縁層30a〜30gが形成されていない部分を通過するように、マザー積層体をカットする。更に、カットした積層体12に対してバレルを施す。これにより、積層体12の角の面取りが行われる。
最後に、外部電極18a,18b,20及び接続電極22を形成する。具体的には、Ag及び樹脂からなる導電性ペーストを塗布し、硬化させて銀電極を形成する。次に、銀電極上にNiめっき及びSnめっきを施して、外部電極18a,18b,20及び接続電極22が形成される。以上の工程を経て、電子部品10が完成する。
以上のように、電子部品10のコイル導体40a〜40d,44a〜44dは、フォトリソグラフィにより作製される。フォトリソグラフィを用いることにより、線幅の狭いコイル導体40a〜40d,44a〜44dを形成できるようになる。その結果、コイル導体40a〜40d,44a〜44dの巻数を多くすることができ、電子部品10の積層数を抑えることが可能となる。
また、積層体12に対してバレルを施して、積層体12の角の面取りを行っているので、外部電極18a,18b,20及び接続電極22が積層体12の角において剥離することが抑制される。
また、絶縁層30a〜30gは、z軸方向から見たときに、積層体14よりも小さく形成されている。これにより、外部電極18a,18b,20及び接続電極22が、積層体12から剥がれることを効果的に抑制できる。以下に、図8及び図9を用いて説明する。図9は、電子部品10の積層体12の角近傍の拡大図である。
絶縁層30a〜30gを積層体12の全面に形成して、ダイサーによりカットした場合には、絶縁層30a〜30gのカット面においてポリイミドのひげが発生する。このようなポリイミドのひげが発生すると、精度よく外部電極18a,18b,20及び接続電極22を形成することが困難である。
これに対して、電子部品10では、ダイサーが通過する部分には、図8及び図9に示すように、絶縁層30a〜30gが形成されていない。そのため、電子部品10を切り分ける際に、前記のようなポリイミドのひげが発生しない。これにより、外部電極18a,18b,20及び接続電極22を精度よく形成することが可能となる。その結果、電子部品10において、外部電極18a,18b,20及び接続電極22が剥離することが抑制される。
また、電子部品10では、樹脂を含んだ導電性ペーストを用いて外部電極18a,18b,20及び接続電極22を形成している。外部電極18a,18b,20及び接続電極22は、樹脂(ポリイミド)からなる絶縁層30a〜30g上にも形成されるので、絶縁層30a〜30gとの密着性がよい。そのため、電子部品10において、外部電極18a,18b,20及び接続電極22が剥離することが抑制される。
また、積層体14の表面の凹凸を15μm以下とすることにより、フォトリソグラフィにより絶縁層30やコイル導体40,44を精度良く形成できる。
(その他の実施形態)
ところで、電子部品10がT型LCノイズフィルタとして動作する場合には、外部電極18a,18bが信号電極として機能し、外部電極20がグランド電極として機能する。すなわち、外部電極18a,18bには、相対的に高い電位が印加され、外部電極20には、相対的に低い電位(接地電位)が印加される。そして、コイルL1,L2を構成するコイル導体40a〜40d,44a〜44dと外部電極20とは、絶縁層30d〜30gにより絶縁されているので、電気的に接続されていない状態となっている。そのため、コイル導体40a〜40d,44a〜44dの電位は、外部電極20の電位よりも高くなっている。
前記のようにコイル導体40a〜40d,44a〜44dの電位が外部電極20の電位よりも高くなっていると、エレクトロマイグレーションにより、コイル導体40a〜40d,44a〜44dと外部電極20とが短絡するという問題がある。より詳細には、水分や電流等により、コイル導体40a〜40d,44a〜44dを構成する金属が陽イオンに変化する。このような陽イオンは、電子部品10の外部電極18a,18b,20に電圧が印加されると、コイル導体40a〜40d,44a〜44dと外部電極20との間に発生する電界によって、絶縁層30c〜30gの境界面を伝って、電位の低い外部電極20側へと移動する。このような状態が長期間持続すると、コイル導体40a〜40d,44a〜44dと外部電極20との間に電流経路が形成され、コイル導体40a〜40d,44a〜44dと外部電極20とが短絡してしまうおそれがある。
そこで、電子部品10において、エレクトロマイグレーションによる短絡が発生しないように、積層体16内に絶縁体が設けられていてもよい。以下に、図10を参照しながら、絶縁体を備えたその他の実施形態に係る電子部品10について説明する。図10(a)は、その他の実施形態に係る電子部品10をz軸方向から平面視した透視図であり、図10(b)は、その他の実施形態に係る電子部品10をx軸方向から平面視した透視図である。図10(a)では、コイル導体40a,44aのみを記載した。また、図10(b)では、積層体14については一部のみを記載した。
その他の実施形態に係る電子部品10において、エレクトロマイグレーションによる短絡が最も発生し易い箇所は、図10(a)に示す領域Aである。領域Aは、z軸方向から平面視したときに、外部電極20とコイル導体40a〜40d,44a〜44dとが最も近づく位置である。該領域Aでは、外部電極20とコイル導体40a〜40d,44a〜44dとの距離が最も短くなるので、電子部品10内において電界が最も強くなる。そのため、領域Aでは、金属の陽イオンが、電界によりコイル導体40a〜40d,44a〜44dから外部電極20へと移動しやすい。すなわち、エレクトロマイグレーションによる短絡が発生し易い。
そこで、電子部品10では、図10に示すように、金属の陽イオンの移動を妨げるように、領域Aにおいて、互いに隣接する絶縁層30c〜30gの境界をz軸方向に横切るように延在する絶縁体60が設けられている。本実施形態に係る電子部品10では、絶縁体60は、図10(b)に示すように、z軸方向の最も正方向側に位置するコイル導体40aよりもz軸方向の正方向側から、z軸方向の最も負方向側に位置するコイル導体40dよりもz軸方向の負方向側まで、連続して延在している。また、絶縁体60は、図10(a)に示すように、x軸方向の正方向側の側面近傍からx軸方向の負方向側の側面近傍まで、x軸方向に連続して延在している。これにより、絶縁体60は、コイル導体40a〜40d,44a〜44dと外部電極20との間において、壁のように立っている。
その他の実施形態に係る電子部品10では、絶縁体60が設けられることにより、コイル導体40a〜40d,44a〜44dを構成する金属原子が陽イオンに変化し、該陽イオンが電界により外部電極20側へと移動したとしても、絶縁体60によりその移動が遮られてしまう。その結果、コイル導体40a〜40d,44a〜44dと外部電極20との間に電流経路が形成されることがなくなり、エレクトロマイグレーションによるコイル導体40a〜40d,44a〜44dと外部電極20との短絡の発生が防止される。
(変形例)
図2に示した電子部品10では、絶縁層33a〜33c及び絶縁層34a〜34dの両方が、絶縁層32a〜32eよりも小さい比誘電率を有しているものとした。しかしながら、絶縁層32a〜32eよりも小さい比誘電率を有している必要があるのは、少なくとも、絶縁層33a〜33cである。よって、絶縁層34a〜34dは、絶縁層32a〜32eと同じ比誘電率を有していてもよいし、絶縁層32a〜32eよりも大きい比誘電率を有していてもよい。更に、絶縁層33a〜33c全てが絶縁層32a〜32eよりも小さい比誘電率を有していなくてもよい。すなわち、絶縁層33a〜33cの少なくとも一部のものが絶縁層32a〜32eよりも小さい比誘電率を有していればよい。
図1では、外部電極20は、積層体14,16の両方の表面に跨って形成されているが、例えば、積層体14の表面にのみ形成されていてもよい。
また、絶縁層33a,33bは、いずれか一方のみが設けられていてもよい。
また、電子部品10内には、コイルL及びコンデンサCからなる回路素子がアレイ状に形成されていてもよい。
一実施形態に係る電子部品の外観斜視図である。 一実施形態に係る積層体の分解斜視図である。 一実施形態に係る電子部品の等価回路図である。 第1のモデル及び第2のモデルにおいて、周波数と挿入損失との関係を示したグラフである。 第3のモデル及び第4のモデルにおいて、周波数と挿入損失との関係を示したグラフである。 第5のモデル及び第6のモデルにおいて、周波数と挿入損失との関係を示したグラフである。 第7のモデル及び第8のモデルにおいて、周波数と挿入損失との関係を示したグラフである。 電子部品のマザー積層体をz軸方向から平面視した図である。 電子部品の積層体の角近傍の拡大図である。 図10(a)は、その他の実施形態に係る電子部品をz軸方向から平面視した透視図であり、図10(b)は、その他の実施形態に係る電子部品をx軸方向から平面視した透視図である。
符号の説明
C コンデンサ
L1,L2 コイル
b1〜b6 ビアホール導体
10 電子部品
12,14,16 積層体
18a,18b,20 外部電極
30a〜30g,32a〜32e,33a〜33c,34a〜34d 絶縁層
40a〜40d,44a〜44d コイル導体
50a〜50f コンデンサ導体

Claims (2)

  1. 複数の絶縁層が積層されてなる第1の積層体と、
    前記第1の積層体に重ねられている第2の積層体と、
    前記第1の積層体に内蔵され、かつ、複数のコンデンサ導体により構成されているコンデンサと、
    前記第2の積層体に内蔵され、かつ、前記コンデンサと共にノイズフィルタを構成しているコイルと、
    を備え、
    前記第1の積層体において、前記コンデンサと前記第2の積層体とに挟まれている前記絶縁層の少なくとも一部は、前記複数のコンデンサ導体に挟まれている前記絶縁層よりも低い比誘電率を有していること、
    を特徴とする電子部品。
  2. 前記第1の積層体において、前記コンデンサは、前記コンデンサ導体に挟まれている前記絶縁層よりも低い比誘電率を有する前記絶縁層により積層方向の両側から挟まれていること、
    を特徴とする請求項1に記載の電子部品。
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