JP2010140807A - 圧着バレルの圧着構造、圧着端子及び圧着装置 - Google Patents

圧着バレルの圧着構造、圧着端子及び圧着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】搬送時や保管時などでの変形等を起こすことなく、良好な形状のままで圧着加工作業を行うことができるとともに、圧着加工時にスプリングバックの発生を効果的に抑制することが可能となる圧着バレルの圧着構造を提供する。
【解決手段】圧着によって導体加締片23A,23Bが曲げられた底板部21の外側には、該底板部21に載置された導体W1の軸線方向に沿う一端から他端までの間の任意箇所に、溝G1,G2が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、底板部と、この底板部の両側縁から上方に延長し、かつ、接続すべき電線の導体を包み込むように内側に曲げることで導体を底板部上面に密着状態となるように加締めることができる導体加締片と、を有する圧着バレルの圧着構造、この圧着構造を有する圧着端子、及びこの圧着バレルと導体とを圧着する圧着装置に関するものである。
従来、この種の圧着端子としては、例えば以下の特許文献1などに開示されているものが知られている。即ち、この圧着端子100は、図7に示すように、後端部に一対の固着片101が立ち上げ形成されており、各固着片101は、電線102が挿通されたゴム栓103に対して巻き付けられるようにかしめ付けられることで、ゴム栓103を電線102とともに圧着させるようになっている。また、各固着片101は、互いに前後方向に位置がずれており、前後方向でラップした状態でゴム栓103に巻き付けられ、各固着片101の先端同士が互いに当接したり、上下方向で重なり合うことのないようにしてある。そして、この圧着端子100は、電線102が挿通されたゴム栓103とともに、図示しない防水コネクタハウジングのキャビティ内に挿入され、相手圧着端子との導通を取るようになっている。
ところが、この圧着端子100は、弾性反力をもってゴム栓103に巻き付けられているため、かしめ後にスプリングバックが起こり、同図に示すように、各固着片101の先端部が浮き上がってしまう事態が生じ得る。そうすると、防水コネクタハウジングのキャビティの内壁面(鏡面仕上げ)と各固着片101の先端部とが干渉してキャビティの内壁面を傷付ける懸念がある。そこで、先の特許文献1には、端子金具のスプリングバックの発生を抑制するための圧着端子200も提案されている。
即ち、図8(A)に示すように、この圧着端子200は、後端部に一対のかしめ片201を立ち上げてなり、各かしめ片201は、同図(B)に示すように、前後方向に交互に位置がずれた状態で、電線300が嵌着されたゴム栓301に巻き付けられてかしめ付けられるようになっている。また、各かしめ片201には、先端部から根元部側に向かって薄肉化された薄肉部202を備えており、その部分の剛性を低下させて内向きの曲げ変形動作を容易にしている。これにより、スプリングバックの発生が効果的に抑制される。
特開2004−303526号公報
このような圧着端子は、上述したように、薄肉化させることで剛性を低下させ、圧着加工時にスプリングバックの発生を効果的に抑制させるように構成してある。
ところが、このような薄肉化を予め施してあると、圧着加工を行う前の、圧着端子を作業現場などへの搬送の際や、圧着作業を行うまでの保管中などに、各かしめ片(圧着バレル)の脆弱な薄肉部分になんらかの外力が作用することで形状が変形する虞がある。その結果、各かしめ片(圧着バレル)に対して良好な加締め加工を行うことができずに、電線の導体に対しても接触不良を発生する場合もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧着加工を行うまでの間に変形等を起こすことなく、良好な形状のままで圧着加工作業を行うことができるとともに、圧着加工時にスプリングバックの発生を効果的に抑制することが可能となる圧着バレルの圧着構造、圧着端子、及び圧着装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る圧着バレルの圧着構造は、下記(1)〜(3)を特徴としている。
(1) 底板部と、該底板部の幅方向の左右両側縁から上方に延設され、かつ、接続すべき電線の導体を包み込むように内側に曲げられることで前記導体を前記底板部の上面に加締める複数の導体加締片と、を有する導体圧着部を備え、前記導体圧着部によって前記導体を圧着する圧着バレルの圧着構造であって、
圧着によって前記導体加締片が曲げられた前記底板部の外側には、該底板部に載置された前記導体の軸線方向に沿う一端から他端までの間の任意箇所に、溝又は窪みが形成されていること。
(2) 上記(1)の構成の圧着バレルの圧着構造において、
前記溝又は窪みは、前記底板部に載置された前記導体の軸線方向に沿う一端から他端に至るまで連続して形成されていること。
(3) 上記(1)構成の圧着バレルの圧着構造において、
前記溝又は窪みは、前記底板部に載置された前記導体の軸線方向に沿う一端から他端に至るまでの間で不連続に形成されていること。
上記(1)の構成の圧着バレルの圧着構造によれば、圧着によって曲げられた底板部の外側には、該底板部に載置された導体の軸線方向に沿う一端から他端までの間の任意箇所に、溝又は窪みが形成されている、換言すれば圧着加工を行う直前までは、導体圧着部に薄肉部分となる溝や窪みを形成していないので、搬送時や保管中などに変形等を起こすことなく、良好な形状のままで圧着加工作業を行うことができる。また、圧着加工時の曲げ変形に伴って発生するスプリングバックの発生を、その溝又は窪みを設けた薄肉部分で効果的に減殺させて抑制することが可能となる。これにより、導体圧着部と電線導体との間に隙間が発生して電気的接触不良などのトラブルが起きるのを抑制できるので、信頼性の高い圧着構造が提供できる。
上記(2)の構成の圧着バレルの圧着構造によれば、圧着加工時にスプリングバックの発生をより一層抑制可能となるので、より一層信頼性の高い圧着構造が提供できる。
上記(3)の構成の圧着バレルの圧着構造によれば、溝又は窪みが不連続に形成されるので、信頼性の高い圧着構造が得られるのと同時に、強度も良好な確保できる。
前述した目的を達成するために、本発明に係る圧着バレルの圧着構造は、下記(4)を特徴としている。
(4) 本発明に係る圧着端子は、(1)から(3)のいずれか一つに記載の圧着構造を有するバレルを、少なくとも一部に備えたこと。
上記(4)の構成の圧着端子によれば、裸圧着スリーブなどだけでなく、一部にこの圧着構造を有する圧着端子に対しても、信頼性の高い圧着構造が提供できる。
前述した目的を達成するために、本発明に係る圧着装置は、下記(5)を特徴としている。
(5) 上記(1)から(3)のいずれか一つの圧着バレルと前記導体とを圧着する圧着装置であって、
前記底板部の下面が載置されるアンビルには、前記導体圧着部によって前記導体を加締める際の前記底板部における、前記溝又は窪みが形成されるべき箇所に臨む位置に、突起が形成されている、
こと。
上記(5)の構成の圧着装置によれば、圧着によって曲げられた底板部の外側には、該底板部に載置された導体の軸線方向に沿う一端から他端までの間の任意箇所に、溝又は窪みが形成されている、換言すれば圧着加工を行う直前までは、導体圧着部に薄肉部分となる溝や窪みを形成していないので、搬送時や保管中などに変形等を起こすことなく、良好な形状のままで圧着加工作業を行うことができる。また、圧着加工時の曲げ変形に伴って発生するスプリングバックの発生を、その溝又は窪みを設けた薄肉部分で効果的に減殺させて抑制することが可能となる。これにより、導体圧着部と電線導体との間に隙間が発生して電気的接触不良などのトラブルが起きるのを抑制できるので、信頼性の高い圧着構造が提供できる。
本発明の圧着バレルの圧着構造によれば、圧着加工による圧着バレルを形成する直前までの製品を製造した後に、電線を圧着させるまで保管している間や電線との接続作業を行う現場まで搬送させる間、導体圧着部に薄肉状の箇所が形成されていない状態を保持できるので、外力などが作用しても変形することなく、安全確実な保管や搬送等が実現可能となる。その結果、良好な形状のままで圧着加工作業を確実に安定して行うことができる。
また、圧着加工の際に、前述した溝又は窪みを形成させており、圧着加工時にスプリングバックの発生を効果的に抑制可能となるので、導体圧着部と電線導体との間に隙間が発生して電気的な接触不良などが起きるのを抑止でき、信頼性の高い圧着構造が提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の圧着バレルの圧着構造を有する圧着端子10を示すものである。この圧着端子10は、導電性金属の板材をプレス成形することにより形成されたものであって、圧着装置(又は圧着治具など)による圧着作業を行う前の構成 (同図(A)参照) 及び圧着後(同図(B)参照)の構成を示すものであり、この圧着端子10は、底板部20と、この底板部20のうちの前方(図1では手前)側に設けた電線接続部21と、底板部20のうちの後方(図1では後部)側に設けた電気接触部22と、を備えている。なお、同図中、Wは電線、W1は芯線を示す。
このうち、特に、圧着前の電気接触部22には、図1(A)に示すように、底板部20の両側から起立連成した一対の導体圧着部23及び絶縁体圧着部24が形成されており、これらの導体圧着部23及び絶縁体圧着部24によってそれぞれ、電線Wの導体W1及び絶縁被覆W2をそれぞれ加締め圧着するようになっている。
即ち、本実施形態に使用される圧着端子10には、該圧着端子10に載置された導体W1の軸線方向に沿う長手方向(以下、この方向を「前後方向」、これと直交する方向を「左右方向」とよぶ。)の後端部側の電気接触部22に、電線Wの先端部の絶縁被覆W2を除去することにより露出された導体W1を圧着するための導体圧着部23(圧着後は、ワイヤバレルV1、V2とよぶ。)と、電線Wの絶縁被覆W2を有する部分に加締め付けるための被覆加締部24(圧着後は、絶縁体バレルV3、V4とよぶ。)と、を備えている。これら電気接続部21と、導体圧着部23と、絶縁体圧着部24とは、共通の底板部20を含むものとして構成される(なお、この圧着加工直前までの底板部20には、後述する溝G1,G2がまだ形成されていないことに留意されたい)。
導体圧着部23は、電線接続部21と共通の底板部20と、この底板部20の左右両側縁から上方に延長するように起立形成され、かつ、接続すべき電線Wの導体W1を包み込むように内側に曲げられることで電線Wの導体W1を底板部20の上面に密着した状態となるように加締める2枚の導体加締片23A、23Bと、を有する。
底板部20の左右両側縁から上方に延長した2枚の導体加締片23A、23Bは、圧着端子10の前端側または後端側から見て断面U字状になった部分であり、左右対称に配置されている。そして、導体加締片23A、23Bで電線Wの導体W1を圧着させた後の、導体加締片23A、23Bが配置されていた位置に形成されるワイヤバレルV1、V2の底板部20の底面には、前後方向(軸線方向)に沿った一端から他端まで、図2に示すような前後方向に延びる溝G1、G2(又は窪み)が形成されている。即ち、本発明の圧着バレルの圧着構造では、詳細は後述するが、スプリングバックの発生を抑制するため、圧着加工の際に、底板部20の下面の、前後方向(軸線方向)に沿った一端から他端まで、上述のような溝(又は窪み)が形成される。
一方、絶縁体圧着部24は、底板部20の左右方向両側縁に、一対の被覆加締片24A,24Bを上方に延長するように起立形成した断面U字状の部分を有する。なお、導体圧着部23と、絶縁体圧着部24とは、圧着端子10の前後方向に適当な間隔をおいて配置されている。なお、この絶縁体圧着部24にも、同様の構造の溝(又は窪み)を加締め圧着加工の際に形成してもよい。
このように構成された、図1(A)に示す圧着端子10を電線Wに圧着固定することにより、同図(B)に示す、本実施形態の圧着構造が得られる。即ち、左右対称に配置された導体加締片23A、23Bの間に電線Wの導体W1が配置された状態で、各導体加締片23A、23Bが、図1(B)に示すように、導体W1の外周を包み込むようにそれぞれC型に曲げられて加締められており、それにより導体W1に対して導体圧着部23が圧着されてワイヤバレルV1、V2を構成している。なお、導体圧着部23を構成する導体加締片23A、23Bの加締めによりワイヤバレルV1、V2を形成するときの、導体加締片23A、23Bの曲げ方向については、図2(A)および(B)中の矢印で示す。
ここで、圧着端子10の導体圧着部23を電線Wに圧着するときの圧着方法について、図3〜図6を参照しながら詳細に説明する。
初めに、この圧着作業に使用する圧着装置(例えば、圧着治具)について図3を参照しながら説明する。
この圧着治具は、クリンパ30とアンビル40で構成されたのものが用いられる。このうち、クリンパ30は、いわゆるF型と呼ばれるもので、アンビル40に向けて降下するようになっており、下端両側31A,31Bが下方へ突出し、それらの間に圧着端子10を受け入れるガイド溝32が形成されている。ガイド溝32の奥部は、左右対称な円弧33A,33Bを連ねたように切欠き左右の円弧33A,33Bの間に突出部34を設けた形状とされている。
一方、クリンパ30と対向して下側からアンビル40が上昇するようになっており、アンビル40の上部はクリンパ30のガイド溝32内に入り込む、緩やかな円弧状に形成された上面41で構成されており、この上面41が圧着端子10の底板部21の下面を支持する。また、特に本発明では、このアンビル40の上面41の両端に、圧着後のワイヤバレルV1、V2に電線Wの導体W1に対する固着力を発生させるため、換言すれば、スプリングバックの発生を可及的に抑えることができるようにするため、導体圧着部23の底板部21の幅方向の両側部分となる箇所において、軸線方向に沿った一端から他端までの間の任意箇所に、薄肉化のため溝G1,G2を形成する、一対の突起42が上側方向(アンビル40の上面から底板部21の下面に向かう方向)に向けて突設されている。
従って、クリンパ30とアンビル40の間で圧着端子10を加締めたとき、導体加締片23A,23Bは、ガイド溝32内において、円弧33A,33Bに沿って内側に円弧状に曲がり、導体加締片23A,23Bそれぞれの先端が互いに突き当たった後、突出部34にガイドされて、電線の導体W1に食い込む。また同時に、導体圧着部23の底板部21の幅方向の両側部分となる箇所において、突起42が食い込むことによって溝G1,G2が形成される。これにより、アルファベットの「B」の文字に似たB型の圧着構造が完成する。
次に、このような、圧着装置(例えば、圧着治具)を用いて行う圧着作業について説明する。
初めに、図4(A)に示すように、アンビル40の上面41に底板部21を搭載するように、圧着端子10をセットするとともに、この圧着端子10をセットしたアンビル40上部をクリンパ30のガイド溝32内に挿入する。そして、同図(B)に示すように、アンビル40を上昇させていくと共にクリンパ30を降下させていくと(アンビル40またはクリンパ30が相手治具に対して相対的に近づく方向に移動すればよい)、アンビル40の上面41にセットされている圧着端子10の導体加締片23A,23Bの先端部分が、同図(C)に示すように、クリンパ30のガイド溝32に臨む円弧33A,33Bの表面に沿って互いに近づく方向に押し曲げられていく。
そして、引き続きクリンパ30を下降させていくと、導体加締片23A,23Bは、図5(A)から(C)に示すように、ガイド溝32内において、円弧33A,33Bに沿って内側に巻き込まれて円弧状に曲がり、電線Wの導体W1に対する圧着動作が開始される。このとき、図5(A)に示すように、アンビル40の上面左右に設けた突起42が、導体加締片23A,23Bの根元である底板部21幅方向の両側部分となる箇所に食い込んで、溝G1,G2が形成されていく。これにより、導体加締片23A,23Bは、溝G1,G2が形成される部分の厚さが薄くなることで、上記した導体加締片23A,23Bが内側から外側に向けて広がろうとする復元力を減殺させることができ、スプリングバックの抑制につながる。つまり、後述するように、電線Wの導体W1に導体加締片23A,23Bが食い込んで圧着する際に、導体加締片23A,23Bの導体W1対する隙間の発生を抑え、固着力の増大を図ることができるようになるわけである。
また、図6(A)から(C)に示す加締め圧着加工の後半工程でも、導体加締片23A,23Bそれぞれの先端が互いに突き当たった後、突出部34にガイドされて、電線の導体W1に食い込んでいく。ここで、上述したように、導体加締片23A,23Bの根元である底板部21幅方向の両側部分となる箇所に溝G1,G2が形成されたので、スプリングバックの抑制に伴い固着力が増大する。これにより、図5(A)から(C)の加締め圧着加工の前半工程に比べて、圧着端子10の左右方向に押し曲げられ、その高さがH1(図5(C)参照)から高さH2(但し、H1>H2)へ低く抑えられた扁平な形状に変化する。その結果、図1(B)に示すように、導体加締片23A,23BからなるワイヤバレルV1、V2と電線Wの芯線W1との間に隙間が発生することなく、確実で安定した圧着状態を実現できる。その結果、導体圧着部23と電線の導体W1との間に隙間が発生して電気的な接触不良などが起きる、といったトラブルを抑止できるので、信頼性の高い圧着構造が提供できる。
ところで、通常の圧着作業では、圧着時のスプリングバックが発生しても、導体加締片23A,23Bは、電線Wの芯線W1の弾性変形で芯線W1との間に隙間なく圧着できるが、芯線に弾性変形の少ない材料を用いる場合や樹脂材料での形成部分に圧着させる場合には、スプリングバックを抑制しないと、導体加締片23A,23Bと電線Wの芯線W1との間に隙間が発生して確実で安定した圧着状態を実現できない虞がある。この点、上記した本実施形態の圧着構造によれば、溝G1,G2を形成して薄型化を図ることでスプリングバックの発生を効果的に抑止できるので、弾性変形の少ない材料に対しても、確実で安定した圧着状態を実現できる。
また、本実施形態の圧着構造によれば、圧着加工を行う直前までは、導体加締片23A,23Bには薄肉部分となる溝G1,G2を形成していないので、例えば搬送時や保管時などにこの圧着端子10に何らかの外力が作用しても、溝G1,G2付近での変形等を起こすことがなく、圧着加工作業を行うまでの間、良好な形状を保持できる。その結果、圧着作業の際には、所定の良好な圧着加工を行うことができる。
しかも、本実施形態の圧着構造によれば、底板部21の幅方向の両側部分となる箇所に溝G1,G2である薄肉部が形成されることにより、最もスプリングバックが発生し易い底板部21と導体加締片23A,23Bとの繋ぎ目での変位量を、効果的に小さくすることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、本実施形態では、図1(A)に示すように、底板部20の両側から起立連成した一対の導体圧着部23の他に、絶縁体圧着部24が形成された電気接触部22を備えた圧着端子10について、本願発明の圧着バレルの圧着構造を適用したが、これに限定されるものではない。即ち、底板部に導体圧着部のみを設けた、つまり、バレルのみによって構成される「裸圧着スリーブ」に対して、本願発明の圧着バレルの圧着構造を適用してもよい。
また、本実施形態では溝を設けたが、本発明の圧着構造では溝の代わりに窪みを設けてもよい。さらに、本実施形態では、その溝を圧着バレルの軸線方向に沿った一端から他端に至るまで連続して形成させているが、この溝又は窪みは、導体圧着部の軸線方向に沿った底板部の一端から他端に至るまでの間で不連続に形成させた構成であってもよい。
(A)は本発明の第1実施形態の圧着構造を得るための圧着端子および電線の要部の構成を示す斜視図、(B)は前記圧着端子を電線に圧着した後の状態を示す斜視図である。 (A)は同実施形態の要部を示す部分斜視断面図、(B)はその要部を上下逆さまにした状態での部分斜視断面図である。 本発明で使用するクリンパとアンビルの要部の構成を示す斜視図である。 (A)から(C)は前記圧着端子を電線に圧着する直前までの作業工程を示す説明図である。 (A)から(C)は前記圧着端子を電線に圧着するときの前半作業工程を示す説明図である。 (A)から(C)は前記圧着端子を電線に圧着するときの後半作業工程を示す説明図である。 従来の圧着構造を説明するための断面図である。 (A)は従来の別の圧着構造に用いる圧着端子を説明するための斜視図、(B)はその圧着端子を電線に圧着した後の状態を示す斜視図である。
符号の説明
10 圧着端子
20 底板部
23 導体圧着部
23A,23B 導体加締片(ワイヤバレル)
30 クリンパ
40 アンビル
42 突起
G1,G2 溝
V1,V2 ワイヤバレル
W 電線
W1 導体
W2 絶縁被覆

Claims (5)

  1. 底板部と、該底板部の幅方向の左右両側縁から上方に延設され、かつ、接続すべき電線の導体を包み込むように内側に曲げられることで前記導体を前記底板部の上面に加締める複数の導体加締片と、を有する導体圧着部を備え、前記導体圧着部によって前記導体を圧着する圧着バレルの圧着構造であって、
    圧着によって前記導体加締片が曲げられた前記底板部の外側には、該底板部に載置された前記導体の軸線方向に沿う一端から他端までの間の任意箇所に、溝又は窪みが形成されていることを特徴とする圧着バレルの圧着構造。
  2. 前記溝又は窪みは、前記底板部に載置された前記導体の軸線方向に沿う一端から他端に至るまで連続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧着バレルの圧着構造。
  3. 前記溝又は窪みは、前記底板部に載置された前記導体の軸線方向に沿う一端から他端に至るまでの間で不連続に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧着バレルの圧着構造。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の圧着構造を有するバレルを、少なくとも一部に備えたことを特徴とする圧着端子。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の圧着バレルと前記導体とを圧着する圧着装置であって、
    前記底板部の下面が載置されるアンビルには、前記導体圧着部によって前記導体を加締める際の前記底板部における、前記溝又は窪みが形成されるべき箇所に臨む位置に、突起が形成されている、
    ことを特徴とする圧着装置。
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