JP2010139726A - 光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動型リニアアクチュエータの構成部材を支持する弾性板が非対称形状を有する場合に、弾性板からレンズ保持部材への不要な力の作用を回避する。
【解決手段】光学機器は、所定方向に移動可能なレンズ保持部材と、振動型リニアアクチュエータと、該アクチュエータの振動部材19又は接触部材18を支持する弾性板22とを有する。弾性板は、該弾性板の板面上を通って所定方向に延びる軸に関して互いに非対称な形状を有する。該弾性板は、該アクチュエータにおける駆動力の発生によって、弾性板の板面内方向における該所定方向とは異なる方向への弾性力が発生しないように弾性変形する形状を有する。
【選択図】図13

Description

本発明は、振動型リニアアクチュエータを用いてレンズ等の光学素子を駆動する光学機器に関する。
振動型リニアアクチュエータは、圧電素子による電気−機械エネルギ変換によって振動が励起される振動部材と、該振動部材に圧接する接触部材とを直線方向に相対移動させるアクチュエータである。このような振動型リニアアクチュエータを用いてレンズ保持部材を光軸方向に駆動する光学機器が特許文献1に開示されている。
特許文献1にて開示された光学機器では、振動型リニアアクチュエータにおける振動部材と接触部材との面接触状態を常に維持するように振動部材又は接触部材を支持して、レンズ保持部材の駆動を安定的に行うための支持機構を有する。該支持機構は、板バネ等の弾性板を用いて構成されている。
この弾性板は、振動部材又は接触部材を、振動型リニアアクチュエータによるレンズ保持部材の駆動方向への変形を極力抑えつつ保持できるように設計されている。
特開2006−301457号
しかしながら、特許文献1の光学機器に用いられている弾性板は、光軸方向に延びる軸(仮想軸)に関して非対称形状に形成されている。このため、振動型リニアアクチュエータに駆動力が発生すると、光軸方向とは異なる方向(光軸方向に対して斜めの方向)に弾性変形してしまう。そして、このような弾性変形により、レンズ保持部材にも光軸方向とは異なる方向に不要な力が作用することになり、この不要な力によってレンズ保持部材の駆動が不安定になったり、駆動騒音が発生したりする等の問題が発生する可能性がある。
本発明は、振動型リニアアクチュエータの振動部材又は接触部材を支持する弾性板が非対称形状を有する場合に、該弾性板からレンズ保持部材に不要な力が作用することを回避して、レンズ保持部材の駆動を安定的に行えるようにした光学機器を提供する。
本発明の一側面としての光学機器は、固定部材と、レンズを保持し、該固定部材に対して所定方向に移動可能なレンズ保持部材と、電気−機械エネルギ変換により振動が励起される振動部材及び該振動部材に接触する接触部材により構成され、該振動により振動部材と接触部材との間に発生した駆動力によってレンズ保持部材を所定方向に移動させる振動型リニアアクチュエータと、固定部材又はレンズ保持部材に取り付けられ、振動部材又は接触部材を支持する弾性板とを有する。弾性板は、該弾性板の板面上を通って所定方向に延びる軸に関して非対称な形状を有する。そして、弾性板は、振動型リニアアクチュエータにおける駆動力の発生によって、該弾性板の板面の面内方向において所定方向とは異なる方向への弾性力が発生しないように弾性変形する形状を有することを特徴とする。
本発明によれば、振動型リニアアクチュエータの振動部材又は接触部材を支持する弾性板が非対称形状を有する場合でも、該弾性板からレンズ保持部材に不要な力が作用することを回避することができ、レンズ保持部材の駆動を安定的に行うことができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
図1(A)〜(D)は、本発明の実施例1である撮影装置(光学機器)のレンズ鏡筒を、外装を取り除いて前方、右側方、後方および左側方の4方向から見た図である。また、図2は、該レンズ鏡筒を、該レンズ鏡筒の光軸を含む面で切断した断面図である。図3は、該レンズ鏡筒の分解斜視図である。図4は、該レンズ鏡筒を、該レンズ鏡筒に含まれる第1の振動型リニアアクチュエータを通る光軸直交面で切断したときの断面図である。図5は、該レンズ鏡筒を、該レンズ鏡筒に含まれる第2の振動型リニアアクチュエータを通る光軸直交面で切断したときの断面図である。
さらに、図6、図7及び図8は、第1の振動型リニアアクチュエータの構成を示すためのレンズ鏡筒の側面分解図、正面断面図及び部分拡大断面図である。図9、図10及び図11は、第2の振動型リニアアクチュエータの構成を示すためのレンズ鏡筒の分解斜視図、組み立て状態を示す斜視図及び部分拡大断面図である。図12には、本実施例の撮影装置の電気的構成を示している。
これらの図において、物体側から順に、1は固定された第1レンズユニット、2は変倍のために、所定方向である光軸方向に移動する第2レンズユニットである。15は光量調節ユニット、3は固定された第3レンズユニット、4は変倍に伴う像面変動の補正および焦点調節のために光軸方向に移動する第4レンズユニットである。
5は後述する撮像素子やローパスフィルタ(LPF)を保持し、不図示のカメラ本体に固定される後部鏡筒である。後部鏡筒5と後述する第1レンズ保持部材6とにより、固定部材が構成される。
第1レンズ保持部材6は、第1レンズユニット1を保持し、ビス7,8,9により後部鏡筒5に結合される。
10,11は後部鏡筒5と第1レンズ保持部材6により光軸方向に延びるように保持されたガイドバー(ガイド部材)である。
12は第2レンズユニット2を保持する第2レンズ保持部材であり、該第2レンズ保持部材12には、不要光をカットするマスク32が固定されている。この第2レンズ保持部材12は、係合部(スリーブ部)12aにおいてガイドバー10に係合して光軸方向にガイドされ、係合部(U溝部)12bにおいてガイドバー11に係合してガイドバー10回りでの回転が阻止される。
13は第3レンズユニット3を保持し、ビス16により後部鏡筒5に固定された第3レンズ保持部材である。14は第4レンズユニット4を保持する第4レンズ保持部材である。第4レンズ保持部材14は、係合部(スリーブ部)14aにおいてガイドバー11に係合して光軸方向にガイドされ、係合部(U溝部)14bにおいてガイドバー10に係合してガイドバー11回りでの回転が阻止される。
光量調節ユニット15は、光軸方向から見て左右方向よりも上下方向に長い外形形状を有する。この光量調節ユニット15は、ビス17により後部鏡筒5に固定される。
18は磁石と摩擦材とを接合して構成されたスライダ(接触部材)である。19は電気−機械エネルギ変換を行う圧電素子と、該圧電素子により振動が励起される板状の弾性部材とにより構成される振動部材である。振動部材18の弾性部材は強磁性体により形成されている。該強磁性体がスライダ18の磁石と引き合うことにより、スライダ18の摩擦材の圧接面18aと振動部材19の弾性部材における光軸方向2箇所に形成された圧接面19a,19bとが圧接される。
スライダ18及び振動部材19によって構成される第1の振動型リニアアクチュエータでは、フレキシブル配線板20を介して、互いに位相が異なる2つの周波信号(パルス信号又は交番信号)が圧電素子に入力される。これにより、振動部材19の圧接面19a,19bに楕円運動が発生し、スライダ18の圧接面18aに光軸方向の駆動力が発生する。
21は振動部材19が固定されるスペーサであり、22はスペーサ21を支持する(つまりはスペーサ21を介して振動部材19を支持する)弾性板としての板バネである。
図13には、本実施例の板バネ22の形状を示す。板バネ22は、その板面の面内方向(以下、板面内方向ともいう)には、板面に垂直な方向に比べて弾性変形しにくく、板面に垂直な方向には板面内方向に比べて弾性変形しやすい形状を有する。また、板バネ22は、その板面内に含まれる任意の軸を中心とした回転方向の弾性変形が容易である。板バネ22は、その板面に垂直な方向及び回転方向の弾性変形によって、振動部材19の圧接面19a,19bをスライダ18の圧接面18aに対して平行に維持する。板バネ22が板面内方向に変形しにくいことにより、振動部材19の光軸方向(すなわち、第2レンズ保持部材12の駆動方向)への変位が少なく制限される。
図13において、x軸及びy軸を図示のようにそれぞれ、板バネ22(後述する2つの腕部)の板面上の中心を通って光軸方向に延びる(光軸方向に平行な)軸及び板面内方向においてx軸に直交する方向と定義する。また、z軸を、x及びy軸に直交する(図の紙面に垂直な)軸と定義する。この場合、板バネ22は、z軸の方向には変形し易く、x及びy軸の方向には変形しにくい。また、板バネ22は、x軸回りの回転とy軸回りの回転はし易く、z軸回りの回転はしにくい形状を有する。
また、板バネ22は、弾性変形部として、板面内方向において湾曲した腕部(梁部)22cを2つ有する。各腕部22cは、光軸方向に直線状に互いに平行に延びる複数の直線部分と、隣り合う直線部分間を繋ぐように曲がった曲線部分等を有する。2つの腕部22cは、光軸方向の中央部付近で互いに繋がっている。このような腕部22cの形状によって、上述したようなバネ特性が得られる。
製造誤差等によって上記いずれかの圧接面の光軸に平行な軸に対する位置や該軸回りでの傾きが変化する場合がある。しかし、上記のようなバネ特性を有する板バネ22が変形して振動部材19の位置や傾き(向き)が変化することにより、互いに圧接する圧接面同士が平行に維持され、適正な面接触状態が維持される。また、板バネ22は、上記圧接力よりも小さな力で変形するようにバネ定数が設定されている。このため、圧接面の位置や傾きが変わった場合でも圧接力は大きく変わらない。したがって、第1の振動型リニアアクチュエータが本来持つ性能に応じた出力を安定的に引き出すことができる。
また、撮像装置に落下等による強い衝撃力が加わった場合、第2レンズ保持部材12の質量により、ガイドバー10,11に強い力が加わり、ガイドバー10,11に弾性変形が生じる。ガイドバー10,11の弾性変形により、第2レンズ保持部材12には、瞬間的に変位が生じる。しかし、第2レンズ保持部材12がスライダ18の圧接面18aの方向に向かって変位した場合でも、板バネ22が変形して、衝撃を吸収する。このときの板バネ22の変形によって生じる弾性力は十分に小さいので、振動部材19に大きな力が加わらず、第1の振動型リニアアクチュエータの破損等を防ぐことができる。
これらの圧接面の平行維持作用及び衝撃吸収作用は、後述する第2の振動型リニアアクチュエータに対して設けられた板バネ38についても同じである。
また、板バネ22において、2つの腕部22cの一端(光軸方向の中央付近の端)には、スペーサ21(つまりは振動部材19)に固定される2つの第1の固定部22aが形成されている。該第1の固定部22aは、接着等によってスペーサ21に固定される。2つの第1の固定部22aは、腕部22cの板面上の中心を通って光軸方向に延びるx軸に関して概ね対称(わずかに非対称)な位置に設けられている。
22bは2つの腕部22cの他端(光軸方向の両端)に設けられ、図3に示すようにビス24,25を用いて第2レンズ保持部材12に固定される2つの第2の固定部である。ここで、2つの第2の固定部22bは、x軸に関して非対称な位置に設けられている。つまり、2つの第2の固定部22bの位置は、x軸方向において互いに異なる。さらに、各腕部22cも、x軸に関して非対称な形状を有する。このように、板バネ22は、x軸に関して非対称な形状を有する。
2つの第2の固定部22bを、x軸に関して対称な位置に配置すると、板バネ22についての設計上の制約が増加してしまい、レンズ鏡筒の大型化につながる。言い換えれば、2つの第2の固定部22bをx軸に関して非対称な位置に設けることで、レンズ鏡筒(つまは撮影装置)の小型化を図ることができる。
22eは2つの腕部22cの一部として、第1の固定部22aに繋がる部分に設けられた2つの変形補正部である。ここで、変形補正部22eは、腕部22cにおける他の部分に比べて幅l1が異なる(大きい)。これにより、腕部22cは、第1の振動型リニアアクチュエータにおいて駆動力が発生することによって、板バネ22の板面内方向における光軸方向(x軸方向)とは異なる方向(y軸方向)への弾性力が発生しないように弾性変形する形状を持つ。
先に述べたように、板バネ22(腕部22c)は、z軸方向に比べてx及びy軸方向の剛性が強く、変形しにくい特性を有する。ただし、実際に振動型リニアアクチュエータにおいて駆動力が発生し、該駆動力(又はその反力)が振動部材19及びスペーサ21を介して板バネ22(腕部22c)に作用すると、腕部22cはx軸方向にわずかに変形する。しかも、変形補正部22eがない従来の板バネでは、前述した板バネの非対称形状により、腕部はx軸方向だけでなくy軸方向にも変形する。この結果、振動部材19及びスペーサ21に、板バネの板面内方向におけるx軸方向とは異なる(x軸方向及びy軸方向に対して傾いた)方向に該板バネからの弾性力が作用する。
この場合の板バネの特性を有限要素法によって解析した結果を次に示す。図14、図15及び図16には、本実施例の板バネ22に相当する板バネモデルを用いた解析モデルを示す。図14は該解析モデルの斜視図を、図15は該解析モデルの上面図(板バネの板面を示す図)である。図16は該解析モデルの正面図である。解析モデルの形状のうち、第1及び第2の固定部等の結果に影響のない部分は簡略化した。
122は板バネモデルであり、121は前述したスペーサ21と振動部材19とが一体になった部材に相当する振動部材ユニットである。122eは変形補正部である。
板バネモデル122は、振動部材ユニット121に対して、第1の固定部22aに相当する固定部122aにて固定されている。123は第2レンズ保持部材12に相当する固定部材である。解析においては、固定部材123は動かないように拘束されている。板バネモデル122は、固定部材123に対して、第2の固定部22bに相当する固定部122bにて固定されている。振動部材ユニット121は、xy面内を自由に動くことができる。
121aは振動部材ユニット121の中心点を示し、振動型リニアアクチュエータの駆動力の発生点に相当する。中心点121aに、図14中に矢印で示す方向(光軸方向に相当する)に、100gfの力を加えた。これは、振動型リニアアクチュエータ(振動部材ユニット)に光軸方向への駆動力を発生させた状態に相当する。従来の板バネに相当する板バネモデルを用いた解析モデル(板バネ以外の構成は図14〜図16に示した本実施例の解析モデルと同じ)においても、点121aに相当する点に100gfの力を加えた。
解析結果を図17及び図18に示す。これらの図は、解析モデルを図15と同じ方向から見た様子を示している。
図18は、従来の板バネに相当する板バネモデル132を用いた場合の解析結果を示している。板バネモデル132の形状を図27により具体的に示している。図27において、板バネモデル132の腕部のうち、本実施例の変形補正部22eに相当する部分132eの幅11′は他の部分の幅と同じである。
図18において、振動部材ユニット121に上記力(100gf)が加えられる前の解析モデルの状態を破線で示している。また、振動部材ユニット121に該力が加えられたときの解析モデルの様子を実線で示している。ただし、板バネモデル132の変形量及び振動部材ユニット121の変位量を分かり易く示すために、図18では実際の変形量及び変位量を100倍して示している。
図18中に示すようにx軸及びy軸を定義すると、上記力が加わることによる板バネモデル132の弾性変形により、振動部材ユニット121は、x軸方向に−5.9μm、y軸方向に−3.2μmだけ変位した。つまり、図18中に矢印で示すように、板バネモデル132の弾性変形により、振動部材ユニット121は、x軸方向及びy軸方向に対して斜めの方向に変位した。
一方、図17は、本実施例の板バネ22に相当する板バネモデル122を用いた場合の解析結果を示している。板バネモデル122の腕部のうち、変形補正部122eの幅は他の部分の幅よりも大きい。
図17において、振動部材ユニット121に上記力(100gf)が加えられる前の解析モデルの状態を破線で示している。また、振動部材ユニット121に該力が加えたときの解析モデルの様子を実線で示している。ただし、板バネモデル122の変形量及び振動部材ユニット121の変位量を分かり易く示すために、図17でも実際の変形量及び変位量を100倍して示している。
図17中に示すようにx軸及びy軸を定義すると、上記力が加わることによる板バネモデル122の弾性変形により、振動部材ユニット121は、x軸方向において−5.2μmだけ変位した。しかし、y軸方向ではほとんど変位しなかった。つまり、図17中に矢印で示すように、板バネモデル122の弾性変形により、振動部材ユニット121は、x軸方向にのみ変位した。
板バネモデル122の形状は、本実施例の板バネ22の形状と等価であるので、本実施例の板バネ22においても、x軸方向に力が作用したときの該板バネ22のy軸方向への弾性変形量はほぼ0となると考えられる。
このように、本実施例では、板バネ22の腕部22cのうち少なくとも一部に変形補正部22eを設け、腕部22cにおける変形補正部22eの幅l1を他の部分の幅と異ならせた(大きくした)。これにより、第1の振動型リニアアクチュエータにx軸方向(光軸方向)への駆動力が発生することによる板バネ22のy軸方向への弾性変形、つまりはy軸方向成分を含む弾性力の発生を抑えることができる。
この結果、板バネ22から振動部材19に該板バネ22の板面内方向における光軸方向とは異なる方向への弾性力が作用することを回避できる。したがって、そのような弾性力によって、第1の振動型リニアアクチュエータの駆動性能が低下したり、第2レンズ保持部材12の径方向の位置ずれによって像揺れが生じたり、駆動騒音が発生したりすることを防止できる。
なお、板バネ22の変形補正部22eの幅l1は、駆動力の大きさ等に応じて任意に変更可能である。
次にスライダ18の固定方法について説明する。第1レンズ保持部材6には、図8に示すように凹部6aが形成されている。また、後部鏡筒5にも、凹部5aが形成されている。
26,27はブチルゴムで形成された振動吸収部材あり、薄膜のキャップ形の部材である。この振動吸収部材26,27を、図6に示すようにスライダ18の両端に圧入することで被せて、第1のスライダユニットを形成する。
振動吸収部材27が被せられたスライダ18の一端をまず後部鏡筒5の凹部5aに圧入する。そして、後部鏡筒5と第1レンズ保持部材6を合わせる際に、振動吸収部材26が被せられたスライダ18の他端を第1レンズ保持部材6の凹部6aに圧入する。この状態で、ビス7,8,9により第1レンズ保持部材6と後部鏡筒5とを結合することで、第1のスライダユニットが第1レンズ保持部材6と後部鏡筒5とによりガタなく固定保持される。
第1の振動型リニアアクチュエータが十分な性能を発揮するためには、スライダ18における不要な振動の発生を抑える必要がある。また、スライダ18の振動を抑えることにより、第1の振動型リニアアクチュエータの駆動音の静音化を図ることができる。このため、本実施例では、スライダ18の両端を振動吸収部材26,27を介して第1レンズ保持部材6と後部鏡筒5とにより保持することで、上記不要な振動の発生を抑えることができる。このことは、後述する第2の振動型リニアアクチュエータの一部を構成するスライダ34の保持構造についても同じである。
また、前述したように、スライダ18は磁石により形成され、振動部材19を磁力により吸着することによって、第1の振動型リニアアクチュエータとしての駆動力を発生するために必要な圧接力を得ている。このため、圧接力の反力が第2レンズ保持部材12には作用しない。これにより、第2レンズ保持部材12におけるガイドバー10,11との係合部12a,12bに発生する摩擦力が大きくならず、摩擦による駆動負荷も大きくならない。しかも、板バネ22にて発生する力は小さいので、該板バネ22からガイドバー10,11との係合部12a,12bに作用する力も小さく、係合部12a,12bに発生する摩擦力をほとんど増加させない。したがって、第1の振動型リニアアクチュエータとして低出力で小型の振動型リニアアクチュエータを使用することができ、この結果、レンズ鏡筒(つまりは撮像装置)の小型化を図ることができる。また、第2レンズ保持部材12(第2レンズユニット2)の微小駆動も正確に行うことができる。このことは、後述する第2の振動型リニアアクチュエータにおいても同じである。
図1、図3及び図4において、28は第2レンズ保持部材12の移動量(位置)を検出するためのスケールであり、第2レンズ保持部材12に形成された溝部12d内に接着等により固定されている。
29はスケール28に対して投光し、スケール28からの反射光を受光して第2レンズ保持部材12の移動量を検出するための投受光素子である。これら投受光素子29及びスケール28により検出器としての第1のリニアエンコーダが構成されている。30は投受光素子29に対して信号を入出力するためのフレキシブル配線板であり、ビス31により第1レンズ保持部材6に固定されている。
第1の振動型リニアアクチュエータと第1のリニアエンコーダは、図1に示すように、光軸方向前方から見て、光量調節ユニット15の外周面のうち光軸位置から最も近い外面の1つである平面状の右側面に近接して配置されている。右側面は、光軸方向視において直線状の右長辺部である。また、第1の振動型リニアアクチュエータと第1のリニアエンコーダは、上下方向においてガイドバー10を挟むように該ガイドバー10に隣接して配置されている。
34は磁石と摩擦材とが接合されて構成されたスライダ(接触部材)である。35は振動部材であり、電気−機械エネルギ変換を行う圧電素子と、該圧電素子によって振動が励起される板状の弾性部材とにより構成されている。振動部材35の弾性部材は強磁性体であり、該強磁性体がスライダ34の磁石と引き合うことにより、スライダ34の摩擦材の圧接面34aと振動部材35の弾性部材における光軸方向2箇所に形成された圧接面35a,35bとが圧接される。
これらスライダ34及び振動部材35によって構成される第2の振動型リニアアクチュエータでは、フレキシブル配線板36を介して互いに位相が異なる2つの周波信号(パルス信号又は交番信号)が圧電素子に入力される。これにより、振動部材35の圧接面35a,35bに楕円運動が発生し、スライダ34の圧接面34aに光軸方向の駆動力が発生する。
37は振動部材35が固定されるスペーサであり、38はスペーサ37を支持する(つまりはスペーサ37を介して振動部材35を支持する)弾性板としての板バネである。
板バネ38は、前述した板バネ22と同様に、板面内方向において湾曲した2つの腕部38cと、該2つの腕部38cの一端及び他端にそれぞれ設けられた2つの第1の固定部38a及び2つの第2の固定部38bとを有する。また、板バネ38は、板バネ22と同様に、x軸に関して非対称な形状を有する。すなわち、各腕部38cがx軸に関して非対称な形状を有し、後述する振動部材保持部材39に固定される2つの第2の固定部38bの位置がx軸方向において互いに異なる位置に配置されている。
板バネ38は、板バネ22と同様に、その板面内方向には、板面に垂直な方向に比べて弾性変形しにくく、板面に垂直な方向には板面内方向に比べて弾性変形しやすい形状を有する。また、板バネ38は、板面内に含まれる任意の軸を中心とした回転方向の弾性変形が容易である。板バネ38は、板面に垂直な方向及び回転方向の弾性変形によって、振動部材35の圧接面35a,35bをスライダ34の圧接面34aに対して平行に維持する。板バネ38が板面内方向に変形しにくいことにより、振動部材37の光軸方向への変位が少なく制限される。
板バネ38にも、板バネ22と同様の変形補正部(図示せず)が設けられている。これにより、第2の振動型リニアアクチュエータに光軸方向への駆動力が発生することによる板バネ38の板面内方向における光軸方向とは異なる方向への弾性変形、つまりは同方向への弾性力の発生を抑えることができる。
この結果、板バネ38から振動部材35に該板バネ38の板面内方向における光軸方向とは異なる方向の弾性力が作用することを回避できる。したがって、そのような弾性力によって、第2の振動型リニアアクチュエータの駆動性能が低下したり、第4レンズ保持部材14の径方向の位置ずれによって像揺れが生じたり、駆動騒音が発生したりすることを防止できる。
次に、スライダ34の固定方法について説明する。第4レンズ保持部材14には、図9及び図11に示すように、凹部14cと溝部14dが形成されている。40,41はブチルゴムで形成された振動吸収部材あり、薄膜のキャップ形の部材である。この振動吸収部材40,41を、図10に示すようにスライダ34の両端に圧入することで被せて、第2のスライダユニットを形成する。
振動吸収部材41が被せられたスライダ34の一端をまず第4レンズ保持部材14の凹部14cに圧入する。また、振動吸収部材40が被せられたスライダ34の他端を第4レンズ保持部材14の溝部14dに嵌め込む。そして、板金44を、該板金44に形成された穴部44aを第4レンズ保持部材14に形成された突起部14eに係合させながら、溝部14dの開口部を塞ぐように第4レンズ保持部材14に取り付ける。これにより、第2のスライダユニットが第4レンズ保持部材14によりガタなく固定保持される。
図1及び図4において、39は後部鏡筒5とともに固定部材を構成する振動部材保持部材であり、ビス42,43により後部鏡筒5に固定される。この振動部材保持部材39には、ビス46,47により、板バネ38の2つの第2の固定部38bが固定される。また、板バネ38の2つの第1の固定部38aは、スペーサ37に接着等により固定される。
48は第4レンズ保持部材14の移動量(位置)を検出するためのスケールであり、第4レンズ保持部材14に形成された溝部14d内に接着等で固定されている。49はスケール48に対して投光し、スケール48からの反射光を受光して第4レンズ保持部材14の移動量を検出するための投受光素子である。これら投受光素子49及びスケール48により、検出器としての第2のリニアエンコーダが構成される。50は投受光素子49に対して信号を入出力するためのフレキシブル配線板であり、ビス51により後部鏡筒5に固定されている。
第2の振動型リニアアクチュエータと第2のリニアエンコーダは、図1に示すように、光軸方向前方から見て、光量調節ユニット15の外周面のうち光軸位置から最も近いもう1つの外面である平面状の左側面に近接して配置されている。左側面は、光軸方向視において直線状の左長辺部である。また、第2の振動型リニアアクチュエータと第2のリニアエンコーダは、上下方向においてガイドバー11を挟むように該ガイドバー11に隣接して配置されている。
また、第1の振動型リニアアクチュエータ、ガイドバー10及び第1のリニアエンコーダと、第2の振動型リニアアクチュエータ、ガイドバー11及び第2のリニアエンコーダは、光軸中心を通って上下方向に延びる軸に対して対称となるように配置されている。
図12において、101はCCDセンサやCMOSセンサ等により構成された撮像素子である。102は第2レンズユニット2(第2レンズ保持部材12)の駆動源として、スライダ18及び振動部材19を含む第1の振動型リニアアクチュエータである。103は第4レンズユニット4(第4レンズ保持部材14)の駆動源として、スライダ34及び振動部材35を含む第2の振動型リニアアクチュエータである。
104は光量調節ユニット15の駆動源である絞りアクチュエータである。105はスケール28及び投受光素子29を含む第1のリニアエンコーダとしての第2レンズエンコーダである。106はスケール48及び投受光素子49を含む第2のリニアエンコーダとしての第4レンズエンコーダである。これらのエンコーダ105,106はそれぞれ、第2レンズユニット2及び第4レンズユニット4の光軸方向での相対位置(基準位置からの移動量)を検出する。本実施例では、エンコーダとして光学式エンコーダを用いているが、磁気式エンコーダを用いてもよいし、電気抵抗を用いて絶対位置を検出するエンコーダ等を用いてもよい。
107は絞りエンコーダであり、例えば、絞りアクチュエータ104の内部に設けられたホール素子によって、該絞りアクチュエータ104のロータとステータの回転位置関係を検出する方式のものが用いられる。
117は撮影装置の動作の制御を司るコントローラとしてのCPUである。108はカメラ信号処理回路であり、撮像素子101の出力に対して増幅やガンマ補正等を施して映像信号を生成する。映像信号は、AEゲート109及びAFゲート110を通過する。これらのAEゲート109及びAFゲート110により、露出決定及びピント合わせのために最適な信号の取り出し範囲が全画面内から設定される。
114はオートフォーカス(AF)のためのAF信号処理回路であり、映像信号から高周波成分を抽出してAF評価値信号を生成する。115はズーム操作を行うためのズームスイッチである。116はズームトラッキングメモリであり、変倍に際して合焦状態を維持するために、被写体距離と第2レンズユニット2の位置とに応じた第4レンズユニット4を駆動すべき目標位置情報を記憶している。なお、ズームトラッキングメモリとしては、CPU117内のメモリを使用してもよい。
上記構成において、撮影者によりズームスイッチ115が操作されると、CPU117は第2レンズユニット2を駆動するために第1の振動型リニアアクチュエータ102を制御する。同時に、第1のズームトラッキングメモリ116の情報と第2レンズユニットエンコーダ105の検出結果から求めた現在の第2レンズユニット2の位置とに基づいて第4レンズユニット4の目標駆動位置を算出する。該目標駆動位置に第4レンズユニット4を駆動するよう第2の振動型リニアアクチュエータ103を制御する。第4レンズユニット4が目標駆動位置に達したか否かは、第4レンズユニットエンコーダ106の検出結果から求められた現在の第4レンズユニット4の位置と目標駆動位置とが一致したか否かによって判別される。
また、オートフォーカスにおいては、CPU117は、AF信号処理回路114で得られたAF評価値がピークを示す位置を探索するように第4レンズユニット4を駆動すべく第2の振動型リニアアクチュエータ103を制御する。
適正露出を得るために、CPU117は、AEゲート109を通過した輝度信号の平均値が所定値となるように、つまりは絞りエンコーダ107の出力が該所定値に対応した値となるように絞りアクチュエータ104を制御する。これにより、光量調節ユニット15の開口径がコントロールされる。
図19には、本発明の実施例2である撮像装置に用いられる板バネを示す。本実施例において、板バネ以外の撮像装置の構成は実施例1と同じであり、実施例1と共通する構成要素には実施例1と同符号を付して説明を省略する。
板バネ222は、その板面内方向には、板面に垂直な方向に比べて弾性変形しにくく、板面に垂直な方向には板面内方向に比べて弾性変形しやすい形状を有する。また、板バネ222は、その板面内に含まれる任意の軸を中心とした回転方向の弾性変形が容易である。板バネ222は、板面に垂直な方向及び回転方向の弾性変形によって、振動部材19の圧接面19a,19bをスライダ18の圧接面18aに対して平行に維持する。板バネ22が板面内方向に変形しにくいことにより、振動部材19の光軸方向(すなわち、駆動方向)への変位が少なく制限される。
つまり、図19において、x軸及びy軸を図示のようにそれぞれ、光軸方向に延びる(光軸方向に平行な)軸及び板面内方向においてx軸に直交する方向と定義する。また、z軸を、x及びy軸に直交する(図の紙面に垂直な)軸と定義する。この場合、板バネ222は、z軸の方向には変形し易く、x及びy軸の方向には変形しにくい。また、板バネ22は、x軸回りの回転とy軸回りの回転はし易く、z軸回りの回転はしにくい形状を有する。
また、板バネ222は、弾性変形部として、板面内方向において湾曲した腕部(梁部)222cを2つ有する。各腕部222cは、光軸方向に直線状に互いに平行に延びる複数の直線部分と、隣り合う直線部分間を繋ぐように曲がった曲線部分等を有する。2つの腕部222cは、光軸方向の中央部付近で互いに繋がっている。このような腕部222cの形状によって、上述したようなバネ特性が得られる。
また、板バネ222において、2つの腕部222cを繋ぐ部分の上下には、スペーサ21(つまりは振動部材19)に固定される2つの第1の固定部222aが形成されている。該第1の固定部222aは、接着等によってスペーサ21に固定される。2つの第1の固定部222aは、腕部222cの板面上の中心を通って光軸方向に延びるx軸に関して対称な位置に設けられている。
222bは2つの腕部222cの光軸方向における端に設けられ、第2レンズ保持部材12に接着等により固定される2つの第2の固定部である。ここで、2つの第2の固定部222bは、腕部222cの板面上の中心を通って光軸方向に延びるx軸に関して非対称な位置に設けられている。つまり、2つの第2の固定部222bの位置は、x軸方向において互いに異なる。また、各腕部222cは、x軸に関して非対称な形状を有する。このように、板バネ222は、x軸に関して非対称な形状を有する。
222eは2つの腕部222cの一部としての曲線部分に設けられた2つの変形補正部である。ここで、変形補正部222eは、腕部222cにおける他の部分に比べて幅l2が異なる(大きい)。これにより、以下に説明するように、腕部222cは、第1の振動型リニアアクチュエータに光軸方向への駆動力が発生することによって、板バネ222の板面内方向における光軸方向とは異なる方向への弾性力が発生しないように弾性変形する形状を持つ。
本実施例の板バネ222に相当する板バネモデルを用いた解析モデル222Aと、従来の板バネに相当する板バネモデル232を用いた解析モデルとを用いた解析結果を図21及び図22に示す。本実施例でも、実施例1にて説明したモデル解析と同様の条件で、振動部材ユニット(121)の中心点に100gfの力を加えた。
図22は、従来の板バネに相当する板バネモデル232を用いた場合の解析結果を示している。板バネモデル232の形状を図20により具体的に示している。図20において、板バネモデル232の腕部のうち、本実施例の変形補正部222eに相当する部分232eの幅12′は他の部分の幅と同じである。
図22において、振動部材ユニット121に上記力(100gf)が加えられる前の解析モデルの状態を破線で示している。また、振動部材ユニット121に該力を加えたときの解析モデルの様子を実線で示している。ただし、板バネモデル232の変形量及び振動部材ユニット121の変位量を分かり易く示すために、図22では実際の変形量及び変位量を100倍して示している。
図22中に示すようにx軸及びy軸を定義すると、上記力が作用することによる板バネモデル232の弾性変形により、振動部材ユニット121は、x軸方向に−12μm、y軸方向に−3μmだけ変位した。つまり、図22中に矢印で示すように、板バネモデル232の弾性変形により、振動部材ユニット121は、上記力が加わった方向(x軸方向)に対して斜めの方向に変位した。
一方、図21は、本実施例の板バネ222に相当する板バネモデル222Aを用いた場合の解析結果を示している。板バネモデル222Aの腕部のうち、変形補正部222eに相当する部分の幅は他の部分の幅よりも大きい。
図21において、振動部材ユニット121に上記力(100gf)が加えられる前の解析モデルの状態を破線で示している。また、振動部材ユニット121に該力を加えたときの解析モデルの様子を実線で示している。ただし、板バネモデル222Aの変形量及び振動部材ユニット121の変位量を分かり易く示すために、図21でも実際の変形量及び変位量を100倍して示している。
図21中に示すようにx軸及びy軸を定義すると、上記力が作用することによる板バネモデル222Aの弾性変形により、振動部材ユニット121は、x軸方向において−11μmだけ変位したが、y軸方向ではほとんど変位しなかった。つまり、図21中に矢印で示すように、板バネモデル222Aの弾性変形により、振動部材ユニット121は、x軸方向にのみ変位した。
板バネモデル222Aの形状は、本実施例の板バネ222と等価である。このため、本実施例の板バネ222においても、第1の振動型リニアアクチュエータにおいてx軸方向に駆動力が発生したときの板バネ222のy軸方向への弾性変形量はほぼ0となると考えられる。
このように、本実施例では、板バネ222の腕部222cのうち少なくとも一部に変形補正部222eを設け、腕部222cにおける変形補正部222eの幅l2を他の部分の幅と異ならせた(大きくした)。これにより、第1の振動型リニアアクチュエータにx軸方向(光軸方向)への駆動力が発生することによる板バネ222のy軸方向への弾性変形、つまりはy軸方向成分を含む弾性力の発生を抑えることができる。
この結果、板バネ222から振動部材19に、該板バネ222の板面内方向における光軸方向とは異なる方向の弾性力が作用することを回避できる。したがって、そのような弾性力によって、第1の振動型リニアアクチュエータの駆動性能が低下したり、第2レンズ保持部材12の径方向の位置ずれによって像揺れが生じたり、駆動騒音が発生したりすることを防止できる。
なお、板バネ222の変形補正部222eの幅l2は、駆動力の大きさ等に応じて任意に変更可能である。
図23には、本発明の実施例3である撮像装置に用いられる板バネを示す。本実施例において、板バネ以外の撮像装置の構成は実施例1と同じであり、実施例1と共通する構成要素には実施例1と同符号を付して説明を省略する。
板バネ322は、その板面内方向には、板面に垂直な方向に比べて弾性変形しにくく、板面に垂直な方向には板面内方向に比べて弾性変形しやすい形状を有する。また、板バネ322は、その板面内に含まれる任意の軸を中心とした回転方向の弾性変形が容易である。板バネ322は、板面に垂直な方向及び回転方向の弾性変形によって、振動部材19の圧接面19a,19bをスライダ18の圧接面18aに対して平行に維持する。板バネ322が板面内方向に変形しにくいことにより、振動部材19の光軸方向(すなわち、駆動方向)への変位が少なく制限される。
つまり、図23において、x軸及びy軸を図示のようにそれぞれ、光軸方向に延びる(光軸方向に平行な)軸及び板面内方向においてx軸に直交する方向と定義する。また、z軸を、x及びy軸に直交する(図の紙面に垂直な)軸と定義する。この場合、板バネ322は、z軸の方向には変形し易く、x及びy軸の方向には変形しにくい。また、板バネ322は、x軸回りの回転とy軸回りの回転はし易く、z軸回りの回転はしにくい形状を有する。
また、板バネ322は、弾性変形部として、板面内方向において湾曲した腕部(梁部)322cを2つ有する。各腕部322cは、光軸方向及びこれに直交する方向に直線状に延びる複数の直線部分と、該直線部分間を繋ぐように曲がった曲線部分等を有する。2つの腕部322cは、光軸方向の中央部付近で互いに繋がっている。このような腕部322cの形状によって、上述したようなバネ特性が得られる。
また、板バネ322において、2つの腕部322cを繋ぐ部分の上下には、スペーサ21(つまりは振動部材19)に固定される2つの第1の固定部322aが形成されている。該第1の固定部322aは、接着等によってスペーサ21に固定される。2つの第1の固定部322aは、腕部322cの板面上の中心を通って光軸方向に延びるx軸に関して対称な位置に設けられている。
322bは2つの腕部322cの光軸方向における端に設けられ、第2レンズ保持部材12に接着等により固定される2つの第2の固定部である。ここで、2つの第2の固定部322bは、腕部322cの板面上の中心を通って光軸方向に延びるx軸に関して非対称な位置に設けられている。つまり、2つの第2の固定部322bの位置は、x軸方向において互いに異なる。また、各腕部322cは、x軸に関して非対称な形状を有する。このように、板バネ322は、x軸に関して非対称な形状を有する。
322eは2つの腕部322cの一部としての曲線部分に設けられた2つの変形補正部である。ここで、変形補正部322eは、腕部322cにおける他の部分に比べて幅l3が異なる(大きい)。これにより、腕部322cは、振動型リニアアクチュエータに光軸方向への駆動力が発生することによって、板バネ322の板面内方向において光軸方向とは異なる方向への弾性力が発生しないように弾性変形する形状を持つ。
本実施例の板バネ322に相当する板バネモデルを用いた解析モデル322Aと、従来の板バネに相当する板バネモデル332を用いた解析モデルとを用いた解析結果を図25及び図26に示す。本実施例でも、実施例1にて説明したモデル解析と同様の条件で、振動部材ユニット(121)の中心点に100gfの力を加えた。
図26は、従来の板バネに相当する板バネモデル232を用いた場合の解析結果を示している。板バネモデル232の形状を図20により具体的に示している。図20において、板バネモデル232の腕部のうち、本実施例の変形補正部222eに相当する部分232eの幅12′は他の部分の幅と同じである。
図26において、振動部材ユニット121に上記力(100gf)が加えられる前の解析モデルの状態を破線で示している。また、振動部材ユニット121に該力を加えたときの解析モデルの様子を実線で示している。ただし、板バネモデル232の変形量及び振動部材ユニット121の変位量を分かり易く示すために、図22では実際の変形量及び変位量を100倍して示している。
図26中に示すようにx軸及びy軸を定義すると、上記力が加えられることによる板バネモデル332の弾性変形により、振動部材ユニット121は、x軸方向に−9.2μm、y軸方向に−7.3μmだけ変位した。つまり、図26中に矢印で示すように、板バネモデル332の弾性変形により、振動部材ユニット121は、上記力の作用方向(x軸方向)に対して斜めの方向に変位した。
一方、図25は、本実施例の板バネ322に相当する板バネモデル322Aを用いた場合の解析結果を示している。板バネモデル322Aの腕部のうち、変形補正部322eに相当する部分の幅は他の部分の幅よりも大きい。
図25において、振動部材ユニット121に上記力(100gf)が加えられる前の解析モデルの状態を破線で示している。また、振動部材ユニット121に該力を加えたときの解析モデルの様子を実線で示している。ただし、板バネモデル222Aの変形量及び振動部材ユニット121の変位量を分かり易く示すために、図21でも実際の変形量及び変位量を100倍して示している。
図25中に示すようにx軸及びy軸を定義すると、上記力が加わったことによる板バネモデル222Aの弾性変形により、振動部材ユニット121は、x軸方向において−6.2μmだけ変位したが、y軸方向ではほとんど変位しなかった。つまり、図25中に矢印で示すように、板バネモデル322Aの弾性変形により、振動部材ユニット121は、該力の作用方向(x軸方向)にのみ変位した。
板バネモデル322Aの形状は、本実施例の板バネ322と等価である。このため、本実施例の板バネ322においても、第1の振動型リニアアクチュエータにx軸方向に駆動力が発生したときの該板バネ322のy軸方向への弾性変形量はほぼ0となると考えられる。
このように、本実施例では、板バネ322の腕部322cのうち少なくとも一部に変形補正部322eを設け、腕部322cにおける変形補正部222eの幅l3を他の部分の幅と異ならせた(大きくした)。これにより、第1の振動型リニアアクチュエータにx軸方向(光軸方向)への駆動力が発生することによる板バネ322のy軸方向への弾性変形、つまりはy軸方向成分を含む弾性力の発生を抑えることができる。
この結果、板バネ322から振動部材19に、該板バネ322の板面内方向における光軸方向とは異なる方向の弾性力が作用することを回避できる。したがって、そのような弾性力によって、第1の振動型リニアアクチュエータの駆動性能が低下したり、第2レンズ保持部材12の径方向の位置ずれによって像揺れが生じたり、駆動騒音が発生したりすることを防止できる。
なお、板バネ322の変形補正部322eの幅l3は、駆動力の大きさ等に応じて任意に変更可能である。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例にて説明した構成に限定されず、特許請求の範囲内で、上記各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、主として板バネにおける2つの第2の固定部がx軸に関して非対称な位置に設けられている場合について説明した。しかし、本発明は、2つの第1の固定部がx軸に関して非対称な位置に設けられている場合にも適用することができる。また、本発明は、2つの第1の固定部及び2つの第2の固定部がそれぞれx軸に関して対称な位置にある場合でも、腕部(弾性変形部)が非対称な形状を有する場合のように、板バネが全体としてx軸に関して非対称な形状を有する場合にも適用することができる。
また、上記各実施例では、レンズ一体型の撮影装置について説明したが、本発明は、撮影装置本体に対して着脱可能な交換レンズ(光学機器)にも適用することができる。また、撮影装置に限らず、レンズを振動型リニアアクチュエータによって駆動する各種光学機器にも本発明を適用することができる。
本発明の実施例1である撮影装置のレンズ鏡筒の構成を4方向から見て示す図。 実施例1のレンズ鏡筒を光軸に平行な面で切断したときの断面図。 実施例1のレンズ鏡筒の分解斜視図。 実施例1のレンズ鏡筒を、第1の振動型リニアアクチュエータを含む光軸に垂直な面で切断したときの断面図。 実施例1のレンズ鏡筒を、第1の振動型リニアアクチュエータを含む光軸に垂直な別の面で切断したときの断面図。 実施例1のレンズ鏡筒における第1の振動型リニアアクチュエータのスライダ保持構造の分解側面図。 実施例1のレンズ鏡筒における第1の振動型リニアアクチュエータのスライダ保持構造を示す正面図及び背面図。 実施例1のレンズ鏡筒を、第1の振動型リニアアクチュエータを含む光軸に平行な面で切断したときの拡大断面図。 実施例1のレンズ鏡筒における第2の振動型リニアアクチュエータのスライダ保持構造の分解斜視図。 実施例1のレンズ鏡筒における第2の振動型リニアアクチュエータのスライダ保持構造の組み立て状態を示す斜視図。 実施例1のレンズ鏡筒を、第2の振動型リニアアクチュエータを含む光軸に平行な面で切断したときの断面図。 実施例1の撮影装置の電気的構成を示すブロック図。 実施例1に用いられる板バネの詳細図。 実施例1における板バネ解析モデルの斜視図。 実施例1における板バネ解析モデルの上面図。 実施例1における板バネ解析モデルの正面図。 実施例1の板バネの解析結果を示す図。 従来の板バネの解析結果を示す図。 本発明の実施例2における板バネの形状を示す図。 従来の板バネの形状を示す図。 実施例2の板バネの解析結果を示す図。 従来の板バネの解析結果を示す図。 本発明の実施例3における板バネの形状を示す図。 従来の板バネの形状を示す図。 実施例3における板バネの解析結果を示す図。 従来の板バネの解析結果を示す図。 実施例1における板バネモデルの形状を示す図。
符号の説明
1 第1レンズユニット
2 第2レンズユニット
3 第3レンズユニット
4 第4レンズユニット
5 後部鏡筒
6 第1レンズ保持部材
10,11 ガイドバー
12 第2レンズ保持部材
14 第4レンズ保持部材
15 光量調節ユニット
18,34 スライダ
19,35 振動部材
22,38,122,132,222,222A,232,322,322A,332 板バネ(又は板バネモデル)
26,27,40,41 振動吸収部材
28,48 スケール
29,49 投受光素子
101 撮像素子
121 振動部材ユニット

Claims (3)

  1. 固定部材と、
    レンズを保持し、前記固定部材に対して所定方向への移動が可能なレンズ保持部材と、
    電気−機械エネルギ変換により振動が励起される振動部材及び該振動部材に接触する接触部材により構成され、該振動により前記振動部材と前記接触部材との間に発生した駆動力によって前記レンズ保持部材を前記所定方向に移動させる振動型リニアアクチュエータと、
    前記固定部材又は前記レンズ保持部材に取り付けられ、前記振動部材又は前記接触部材を支持する弾性板とを有し、
    前記弾性板は、該弾性板の板面上を通って前記所定方向に延びる軸に関して非対称な形状を有し、
    前記弾性板は、前記振動型リニアアクチュエータにおける前記駆動力の発生によって、該弾性板の板面の面内方向において前記所定方向とは異なる方向への弾性力が発生しないように弾性変形する形状を有することを特徴とする光学機器。
  2. 前記弾性板は、前記振動部材又は前記接触部材に固定された2つの第1の固定部と、前記固定部材又は前記レンズ保持部材に固定された2つの第2の固定部と、弾性変形が可能な弾性変形部とを有し、
    前記2つの第1の固定部及び前記2つの第2の固定部のうち少なくとも一方が、前記軸に関して互いに非対称な位置に設けられており、
    前記弾性変形部は、前記振動型リニアアクチュエータにおける前記駆動力の発生によって、前記弾性板の板面の面内方向において前記所定方向とは異なる方向への弾性力が発生しないように弾性変形する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
  3. 前記弾性変形部は、前記弾性板の板面の面内方向において湾曲した腕部を有しており、
    前記腕部における少なくとも一部の幅が、前記弾性変形部に前記面内方向における前記所定方向とは異なる方向への前記弾性力が発生しないように、他の部分の幅と異なることを特徴する請求項2に記載の光学機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011158506A1 (ja) 2010-06-18 2011-12-22 パナソニック株式会社 補聴器、信号処理方法及びプログラム

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