JP2006301455A5 - - Google Patents

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光学機器
本発明は、レンズを光軸方向に駆動する駆動源を有する光学機器に関し、特に駆動源として振動型又は電磁型リニアアクチュエータを用いる光学機器に関するものである。
光学機器において、レンズを駆動する駆動源として電磁型リニアアクチュエータを用いるものの他に、振動型リニアアクチュエータを使用したものがある(例えば、特許文献1,2参照)。振動型リニアアクチュエータは、電気−機械エネルギー変換作用によって振動が形成される振動部材と、該振動部材に圧接する接触部材とにより構成され、両部材が光軸方向に相対移動することでレンズを駆動する。
そして、特許文献1には、このような振動型リニアアクチュエータによるレンズの駆動方法がいくつか記載されている。すなわち、振動部材をレンズ保持部材に固定し、接触部材をレンズ鏡筒の固定部材に固定して、該振動部材に駆動振動を励起することにより、振動部材とともにレンズ保持部材を移動させる方法や、接触部材をレンズ保持部材に固定し、振動部材をレンズ鏡筒の固定部材に固定して、該振動部材に駆動振動を励起することにより、接触部材とともにレンズ保持部材を移動させる方法が記載されている。
特開平10−90584号公報(段落0015〜0016、図1) 特開平8−179184号公報(段落0027〜0037、図5)
ところで、振動部材には、これを構成する電気−機械エネルギー変換素子に印加する電気信号を伝達するための配線を接続する必要がある。振動部材がレンズと一体的に光軸方向に移動する場合には、フレキシブル配線板を振動部材の移動を許容するために湾曲形状にする等、フレキシブル配線板の引き回しが複雑になる。また、該フレキシブル配線板の可動領域を避けて他の部材を配置しなければならないため、設計の自由度が制限される。その結果、光学機器の大型化につながる。このため、振動部材を固定し、接触部材をレンズ保持部材とともに移動させる構成とするのが好ましい。
しかしながら、移動量(可動範囲)が大きいレンズに対しては光軸方向長さが長い接触部材が必要である。このため、この長い接触部材がレンズと一体的に光軸方向に移動する場合、その移動を許容するために光学機器内に光軸方向に長いスペースが必要となる。
可撓性を有するフレキシブル基板は、その引き回しを工夫することによってある程度光学機器の大型化を抑えることは可能である。しかし、接触部材は可撓性を持たないため、長い接触部材をレンズと一体的に移動する構成とすると、光学機器の大型化は避けられない。
これらのことは、コイルと、マグネットを光軸方向に相対移動させてレンズを駆動する電磁型リニアアクチュエータについても言えることである。
本発明は、リニアアクチュエータを用いて大きな移動量でレンズを駆動する場合でも、光学機器の大型化を抑えることができるようにした光学機器を提供することを目的の1つとしている。
本発明の1つの側面としての光学機器は、光軸方向に第1の移動量で移動する第1のレンズと、光軸方向に、第1の移動量より小さい第2の移動量で移動する第2のレンズと、電気信号が入力される第1の部材および該第1の部材よりも光軸方向の長さが長い第2の部材を含み、該第1および第2の部材が光軸方向に相対移動して第1のレンズを駆動する第1のリニアアクチュエータと、電気信号が入力される第3の部材および該第3の部材よりも光軸方向の長さが長い第4の部材を含み、該第3および第4の部材が光軸方向に相対移動して第2のレンズを駆動する第2のリニアアクチュエータとを有する。そして、第1の部材は、第2の部材に対して、第1のレンズとともに光軸方向に移動することを特徴とする。
本発明によれば、可動量が大きい方の第1のレンズを駆動する第1のリニアアクチュエータのうち、第1の部材(例えば、振動型リニアアクチュエータの振動部材)を該第1のレンズとともに移動させ、第2のリニアアクチュエータを構成する第4の部材よりも光軸方向に長い第2の部材(例えば、振動型リニアアクチュエータの接触部材)を固定しておくため、該第2の部材をレンズとともに移動させる場合に比べて、光学機器を小型化することができる。
この場合において、可動量が小さい方の第2のレンズを駆動する第2のリニアアクチュエータのうち第3の部材を固定しておき、第4の部材を該第2のレンズとともに移動させることにより、第2の部材の移動による光学機器の大型化をほとんど招くことなく、第1の部材に電気信号を供給する配線板の引き回しを容易とし、設計自由度を高めることができる。このため、上記第1のリニアアクチュエータの構成と相まって、全体として光学機器の小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1から図5には、本発明の実施例1である撮影装置(光学機器)のレンズ鏡筒の構成を示している。図1には、本実施例のレンズ鏡筒を分解して示している。また、図2には、本実施例のレンズ鏡筒を光軸に平行で、かつ振動型リニアアクチュエータのスライダと振動子との圧接面に垂直な面で切断したときの断面図を示している。また、図3には、本実施例のレンズ鏡筒を光軸に垂直で、かつ第2レンズユニットを駆動する振動型リニアアクチュエータの圧接面に垂直な面で切断した場合の物体側から見た断面図を示している。また、図4には、本実施例のレンズ鏡筒を光軸に垂直で、かつ第4レンズユニットを駆動する振動型リニアアクチュエータの圧接面に垂直な面で切断した場合の物体側から見た断面図を示している。さらに、図5には、本実施例の撮影装置の電気的構成を示している。
これらの図において、物体側から順に、301は固定された第1レンズユニット、302は変倍のために光軸方向に移動する第2レンズユニット、315は光量調節ユニット、303は固定された第3レンズユニット、304は変倍に伴う像面変動の補正および焦点調節のために光軸方向に移動する第4レンズユニットである。
305は後述する撮像素子やローパスフィルタ(LPF)を保持し、不図示のカメラ本体に固定される後部鏡筒である。306は第1レンズユニット1を保持し、ビス307,308,309により後部鏡筒305に固定された第1レンズ保持部材である。
310,311は後部鏡筒305と第1レンズ保持部材306により光軸方向に略平行に保持されたガイドバー(ガイド部材)である。
312は第2レンズユニット302を保持する第2レンズ保持部材であり、該第2レンズ保持部材312には、不要光をカットするマスク332が固定されている。この第2レンズ保持部材312は、係合部312aにおいてガイドバー310に係合して光軸方向にガイドされ、係合部312bにおいてガイドバー311に係合してガイドバー310回りでの回転が阻止されている。313は第3レンズユニット303を保持し、ビス316により後部鏡筒305に固定された第3レンズ保持部材である。314は第4レンズユニット304を保持する第4レンズ保持部材であり、係合部314aにおいてガイドバー311に係合して光軸方向にガイドされ、係合部314bにおいてガイドバー310に係合してガイドバー311回りでの回転が阻止されている。
光量調節ユニット315は、光軸方向から見て左右方向(第2の方向)よりも上下方向(第1の方向)に長い外形形状を有する。この光量調節ユニット315は、ビス317により後部鏡筒305に固定されている光量調節ユニット15は、詳細は図示しないが、一対の絞り羽根をステッピングモータ(メータ)により回動されるレバーによって上下方向に略平行移動させることにより、開口径を増減させるいわゆるギロチン型の絞りである。
318は磁石と摩擦材とを接合して構成されたスライダ(接触部材)であり、319は電気−機械エネルギー変換素子と該電気−機械エネルギー変換素子により振動が励起される板状の弾性部材とから構成される振動子である。該振動子318の弾性部材は強磁性体であり、スライダ318の磁石と引き合うことにより、スライダ318の摩擦材の圧接面318aと振動子319の弾性部材圧接面319a(光軸方向2箇所に形成されている)とが圧接される。
320は振動子319に接続され、電気−機械エネルギー変換素子に信号を伝えるフレキシブル配線板である。フレキシブル配線板320は、第2レンズ保持部材312が光軸方向に移動するのに伴って曲げ部(変形部)320aが変形する。
これらスライダ318および振動子319によって構成される第1の振動型リニアアクチュエータでは、スライダ318および振動子319が互いに圧接した状態でフレキシブル配線板320を介して2つの位相が異なる周波信号(パルス信号又は交番信号)が電気−機械エネルギー変換素子に入力されることにより、振動子319の圧接面319aに略楕円運動が発生し、スライダ318の圧接面318aに光軸方向の駆動力が発生する。
321は振動子319を固定するスペーサであり、322はスペーサ321を固定する板バネである。板バネ322は、その面内方向には変形しにくく、該面に垂直な方向には変形しやすい形状を有し、さらにその面内に含まれる任意の軸を中心に回転変形しやすい形状を有する。板バネ322が面内方向に変形しにくいことにより、振動子319の光軸方向(すなわち、駆動方向)への変位は制限される。
324,325は板バネ322を第2レンズ保持部材312に固定するビスである。323は振動子枠であり、この振動子枠323には、スライダ318が接着等で固定されている。振動子枠323は、ビス326,327により第1レンズ保持部材306に固定されている。
328は第2レンズ保持部材312の位置検出をするためのスケールであり、第2レンズ保持部材312の四角穴部312dに接着等で固定されている。
329はスケール328に対して投光し、該スケール328からの反射光を受光して第2レンズ保持部材312の移動量を検出するための投受光素子である。これらスケール328および投受光素子329により検出器としての第1のリニアエンコーダが構成される。
330は投受光素子329に対して信号を入出力するための信号を伝達するフレキシブル配線板である。フレキシブル配線板330は、ビス331により第1レンズ保持部材306に固定されている。
ガイドバー310と、振動子319およびスライダ318により構成される第1の振動型リニアアクチュエータと、投受光素子329およびスケール328により構成される第1のリニアエンコーダとは、図3に示すように、光軸方向前方から見て、光量調節ユニット315の外周面のうち該光量調節ユニット315の光軸位置から最も近い外面の1つである平面状の左側面(光軸方向視において直線状の左長辺部)に沿うように、つまりは該左側面に近接して配置されている。また、第1の振動型リニアアクチュエータと第1のリニアエンコーダは、上下方向においてガイドバー310を挟むように該ガイドバー310に隣接して配置されている。
334は磁石と摩擦材とを接合して構成されたスライダ(接触部材)であり、第4レンズ保持部材314の四角枠部314cに接着等で固定されている。335は電気−機械エネルギー変換素子と該電気−機械エネルギー変換素子により振動が励起される板状の弾性部材とにより構成される振動子である。該振動子335の弾性部材は強磁性体であり、スライダ334の磁石と引き合うことにより、スライダ334の摩擦材の圧接面334aと振動子335の弾性部材の圧接面335a(実施例1のように光軸方向2箇所に形成されている)とが圧接される。
336は振動子35の電気−機械エネルギー変換素子に接続されたフレキシブル配線板である。これらスライダ334および振動子335によって構成される第2の振動型リニアアクチュエータでは、スライダ334および振動子335が互いに圧接した状態でフレキシブル配線板336を介して2つの位相が異なる周波信号(パルス信号又は交番信号)が電気−機械エネルギー変換素子に入力されることにより、振動子335の圧接面335aに略楕円運動が発生し、スライダ334の圧接面334aに光軸方向の駆動力が発生する。
ここで、図2に示すように、光軸直交方向視において、第1の振動型リニアアクチュエータの光軸方向における設置範囲(スライダ318が設けられた範囲)および第2レンズ保持部材312の光軸方向での可動範囲(移動量)L2は、光量調節ユニット315よりも物体側(図2の左側)から像面側に延びている。一方、第2の振動型リニアアクチュエータの光軸方向における設置範囲(スライダ334が設けられた範囲)および第4レンズ保持部材314の光軸方向での可動範囲L4は、光量調節ユニット315よりも像面側から物体側まで延びている。すなわち、第1および第2の振動型リニアアクチュエータの設置範囲(第2および第4レンズ保持部材312,314可動範囲)の一部は光軸方向において互いに重複している。
337は振動子335を保持するスペーサ、338はスペーサ337を保持する板バネである。板バネ338は、その面内方向には変形しにくく、該面に垂直な方向には変形しやすい形状を持ち、さらにその面内に含まれる任意の軸を中心として回転変形しやすい形状を有する。板バネ338が面内方向に変形しにくいことにより、振動子335の光軸方向(すなわち、駆動方向)への変位は制限される。
339は板バネ338を保持する振動子保持部材であり、ビス346,347によって板バネ338が取り付けられている。この振動子保持部材339は、ビス342,343により後部鏡筒305に固定されている。
348は第4レンズ保持部材314の位置を検出するためのスケールであり、該スケール348は第4レンズ保持部材314の四角穴部314dに接着等で固定されている。349は投受光素子であり、スケール348に投光して、該スケール348からの反射光を受光することにより第4レンズ保持部材314の移動量を検出する。350は投受光素子349に対して信号を入出力するために用いられるフレキシブル配線板であり、ビス351により後部鏡筒305に固定されている。
ガイドバー311と、振動子335およびスライダ334により構成される第2の振動型リニアアクチュエータと、投受光素子349およびスケール348により構成される第2のリニアエンコーダとは、図4に示すように、光軸方向前方から見て、光量調節ユニット315の外周面のうち該光量調節ユニット315の光軸位置から最も近い外面の1つである平面状の右側面(光軸方向視において直線状の右長辺部)に沿うように、つまりは該右側面に近接して配置されている。また、第2の振動型リニアアクチュエータと第2のリニアエンコーダは、上下方向においてガイドバー311を挟むように該ガイドバー311に隣接して配置されている。
さらに、第1の振動型リニアアクチュエータ、ガイドバー310および第1のリニアエンコーダと、第2の振動型リニアアクチュエータ、ガイドバー311および第2のリニアエンコーダとが、光軸中心を通って上下方向に延びる軸に対して略対称となるように配置されている。
図5において、101はCCDセンサおよびCMOSセンサ等により構成される撮像素子、102は第2レンズユニット302(第2レンズ保持部材312)の駆動源であり、スライダ318および振動子319を含む第1の振動型リニアアクチュエータである。103は第4レンズユニット304(第4レンズ保持部材314)の駆動源であり、スライダ334および振動子335を含む第2の振動型リニアアクチュエータである。
104は光量調節ユニット315の駆動源としてのメータである。105はスケール328および投受光素子329を含む第1のリニアエンコーダとしての第2レンズエンコーダ、06はスケール348および投受光素子349を含む第2のリニアエンコーダとしての第4レンズエンコーダである。これらのエンコーダはそれぞれ、第2レンズユニット302および第4レンズユニット304の光軸方向での相対位置(基準位置からの移動量)を検出する。本実施例では、エンコーダとして光学式エンコーダを用いているが、磁気式エンコーダを用いてもよいし、電気抵抗を用いて絶対位置を検出するエンコーダ等を用いてもよい。
107は絞りエンコーダであり、例えば、光量調節ユニット315の駆動源であるメータ104の内部に設けられたホール素子によって該メータ104のロータとステータの回転位置関係を検出する方式のものなどが用いられる。
117は該撮影装置の動作の制御を司るコントローラとしてのCPUである。108はカメラ信号処理回路であり、撮像素子101の出力に対して増幅やガンマ補正などを施す。これらの所定の処理を受けた映像信号のコントラスト信号は、AEゲート109およびAFゲート110を通過する。これらのゲート109,110により、露出決定およびピント合わせのために最適な信号の取り出し範囲が全画面内から設定される。これらのゲート109,110の大きさは可変であったり、複数設けられたりする場合もある。
114はオートフォーカス(AF)のためのAF信号処理回路であり、映像信号の高周波成分を抽出してAF評価値信号を生成する。115はズーム操作を行うためのズームスイッチである。116はズームトラッキングメモリであり、変倍に際して合焦状態を維持するために、被写体距離と第2レンズユニット302の位置とに応じた、第4レンズユニット304を駆動すべき目標位置情報を記憶する。なお、ズームトラッキングメモリとしては、CPU117内のメモリを使用してもよい。
上記構成において、撮影者によりズームスイッチ115が操作されると、CPU117は第2レンズユニット302を駆動するために第1の振動型リニアアクチュエータ102を制御するとともに、第1のズームトラッキングメモリ116の情報と第2レンズユニットエンコーダ105の検出結果から求めた現在の第2レンズユニット302の位置とに基づいて第4レンズユニット304の目標駆動位置を算出し、該目標駆動位置に第4レンズユニット304を駆動するよう第2の振動型リニアアクチュエータ103を制御する。第4レンズユニット304が目標駆動位置に達したか否かは、第4レンズユニットエンコーダ106の検出結果から求められた現在の第4レンズユニット304の位置と目標駆動位置とが一致したか否かによって判別される。
また、オートフォーカスにおいては、CPU117は、AF信号処理回路114で得られたAF評価値がピークを示す位置を探索するように第4レンズユニット304を駆動するため、第2の振動型リニアアクチュエータ103を制御する。
さらに、適正露出を得るために、CPU117は、AEゲート109を通過した輝度信号の平均値が所定値となるように、つまりは絞りエンコーダ107の出力が該所定値に対応した値となるように、光量調節ユニット15のメータ104を制御して開口径をコントロールする。
上記構成において、スライダ318は磁石を用いて構成され、振動子319を吸着することによって振動型リニアアクチュエータとしての駆動力を発生するために必要な圧接力を得ている。このため、圧接力の反力が第2レンズ保持部材312には作用しない。これにより、第2レンズ保持部材312におけるガイドバー310,311との係合部312a,312bに発生する摩擦力が大きくならず、摩擦による駆動負荷も大きくならない。しかも、板バネ322にて発生する力は小さいので、該板バネ322からガイドバー310,311との係合部312a,312bに作用する力も小さく、係合部312a,312bに発生する摩擦力をほとんど増加させない。したがって、低出力で小型の振動型リニアアクチュエータを使用することができ、この結果、レンズ鏡筒の小型化を図ることができる。
また、大きな圧接力が第2レンズ保持部材312に作用することがないので、第2レンズ保持部材312におけるガイドバー310,311との係合部312a,312bに発生する摩擦力が大きくならない。したがって、第1の振動型リニアアクチュエータを大出力化したり大型化したりする必要がなく、係合部312a,312bのガイドバー310,311との摩擦による摩耗を低減することもできる。また、第2レンズ保持部材312(第2レンズユニット302)の微小駆動も正確に行うことができる。
また、製造誤差等でいずれかの圧接面の光軸に平行な軸に対する位置や該軸回りでの傾きが光軸方向において変化した場合でも、板バネ322が変形して振動子319の位置や傾き(向き)が変化することによって、両圧接面は平行に維持され、適正な面接触状態が維持される。また、板バネ322は、上記圧接力よりも小さな力で変形するようにバネ定数が設定されている。このため、圧接面の位置や傾きが変わった場合でも圧接力は大きく変わらない。したがって、第1の振動型リニアアクチュエータが本来持つ性能に応じた出力を安定的に引き出すことができる。
一方、スライダ334は磁石を用いて構成され、振動子335を吸着することによって振動型リニアアクチュエータとしての駆動力を発生するために必要な圧接力を得ている。このため、圧接力の反力が第4レンズ保持部材314には作用しない。これにより、第4レンズ保持部材314におけるガイドバー311,310との係合部314a,314bに発生する摩擦力が大きくならず、摩擦による駆動負荷も大きくならない。しかも、板バネ338にて発生する力は小さいので、該板バネ338からガイドバー311,310との係合部314a,314bに作用する力も小さく、係合部314a,314bに発生する摩擦力をほとんど増加させない。したがって、低出力で小型の振動型リニアアクチュエータを使用することができ、この結果、レンズ鏡筒の小型化を図ることができる。
また、大きな圧接力が第4レンズ保持部材314に作用することがないので、第4レンズ保持部材314におけるガイドバー311,310との係合部314a,314bに発生する摩擦力が大きくならない。したがって、第2の振動型リニアアクチュエータを大出力化したり大型化したりする必要がなく、係合部314a,314bのガイドバー311,310との摩擦による摩耗を低減することもできる。また、第4レンズ保持部材314(第4レンズユニット304)の微小駆動も正確に行うことができる。
また、製造誤差等でいずれかの圧接面の光軸に平行な軸に対する位置や該軸回りでの傾きが光軸方向において変化した場合でも、板バネ338が変形して振動子335の位置や傾き(向き)が変化することによって、両圧接面は平行に維持され、適正な面接触状態が維持される。また、板バネ338は、上記圧接力よりも小さな力で変形するようにバネ定数が設定されている。このため、圧接面の位置や傾きが変わった場合でも圧接力は大きく変わらない。したがって、第2の振動型リニアアクチュエータが本来持つ性能に応じた出力を安定的に引き出すことができる。
さらに、レンズ保持部材の移動量が大きいと必要なスライダの長さが長くなり、この長いスライダの光軸方向移動を許容するためには該スライダの移動スペースを光軸方向において長く確保する必要がある。しかし、本実施例では、第4レンズ保持部材314に比べて移動量が大きい第2レンズ保持部材312を駆動する第1の振動型リニアアクチュエータにおいて、第2の振動型リニアアクチュエータのスライダ334よりも光軸方向長さが長いスライダ318が固定され、振動子319が第2レンズ保持部材312と光軸方向に一体的に移動する。このように、長いスライダ318が光軸方向に移動しないので、第1の振動型リニアアクチュエータの光軸方向における配置スペースが短くて済み、これによりレンズ鏡筒を小型化することができる。
また、本実施例では、第2レンズ保持部材312に比べて移動量が小さい第4レンズ保持部材314を駆動する第2の振動型アクチュエータのうちスライダ334が第4レンズ保持部材314に固定されて光軸方向に移動し、振動子335が固定されて光軸方向には移動しない。このため、フレキシブル配線板350に変形部を設ける必要がなく、フレキシブル配線板350の取り回しを容易とし、設計自由度を高めることができる。これにより、レンズ鏡筒を小型化することができる。
上述したように、本実施例では、光軸方向視において、ガイドバー310と第1の振動型リニアアクチュエータと第1のリニアエンコーダとが、光量調節ユニット315のうち光軸から最も近い平面の1つである左側面に沿うように(近接するように)配置されている。また、ガイドバー310の上下に隣接するように第1の振動型リニアアクチュエータと第1のリニアエンコーダが配置されている。
さらに、光軸方向視において、ガイドバー311と第2の振動型リニアアクチュエータと第2のリニアエンコーダとが、光量調節ユニット315のうち光軸から最も近い平面の1つである右側面に沿うように(近接するように)配置されている。また、ガイドバー311の上下に隣接するように第2の振動型リニアアクチュエータと第2のリニアエンコーダが配置されている。
したがって、光量調節ユニット315と、該光量調節ユニット315の物体側および像面側に配置された第2および第4レンズ保持部材312,314(第2および第4レンズユニット32,304)をそれぞれ駆動する2つの振動型リニアアクチュエータ、これらレンズ保持部材312,314をそれぞれ光軸方向にガイドする2つのガイドバー310,311およびこれらレンズ保持部材312,314のそれぞれの位置を検出する2つのリニアエンコーダを有しながらも、レンズ鏡筒を小型に構成することができる。
また、ガイドバー310,311に隣接してスライダ318,334が配置されているので、第2および第4レンズ保持部材312,314をスムーズに駆動することができる。しかも、ガイドバー311,310に隣接してスケール328,348が配置されているので、第2および第4レンズ保持部材312,314におけるガイドバー310,311への係合部312a,312b,314a,314bのがたによるスケール328,348の変位が少なく、精度良く位置検出を行うことができる。
なお、リニアアクチュエータとリニアエンコーダとが、これらの駆動対象および位置検出対象であるレンズ保持部材をガイドするガイドバーに対して、光軸を挟んだ反対側に配置されていると、該ガイドバーに対するレンズ保持部材の係合部の係合がたによって、駆動開始時に該ガイドバーを支点としてリニアエンコーダが駆動方向とは反対側に変位する可能性がある。これは、位置検出精度を悪化させる原因になる。しかし、本実施例では、リニアアクチュエータとリニアエンコーダがこれらの駆動対象および位置検出対象であるレンズ保持部材をガイドするガイドバーと同じ側に配置されているので、そのような問題は生じず、精度良く位置検出を行うことができる。
図6には、本発明の実施例2である撮影装置のレンズ鏡筒を分解して示している。図7には、本実施例のレンズ鏡筒を光軸に平行で、かつ振動型リニアアクチュエータのスライダと振動子との圧接面に垂直な面で切断したときの断面図を示している。また、図8には、本実施例のレンズ鏡筒を光軸に垂直で、かつ第2レンズユニットを駆動する振動型リニアアクチュエータの圧接面に垂直な面で切断した場合の物体側から見た断面図を示している。また、図9には、本実施例のレンズ鏡筒を光軸に垂直で、かつ第4レンズユニットを駆動する振動型リニアアクチュエータの圧接面に垂直な面で切断した場合の物体側から見た断面図を示している。なお、本実施例の撮影装置における電気的な構成は、実施例1と同様である。
これらの図において、物体側から順に、201は固定された第1レンズユニット、202は変倍のために光軸方向に移動する第2レンズユニット、215は光量調節ユニット、203は固定された第3レンズユニット、204は変倍に伴う像面変動の補正および焦点調節のために光軸方向に移動する第4レンズユニットである。
205は撮像素子やローパスフィルタ(LPF)を保持し、不図示のカメラ本体に固定される後部鏡筒である。206は第1レンズユニット201を保持し、ビス207,208,209により後部鏡筒205に固定された第1レンズ保持部材である。
210,211は後部鏡筒205と第1レンズ保持部材206により光軸方向に略平行に保持されたガイドバー(ガイド部材)である。
212は第2レンズユニット202を保持する第2レンズ保持部材であり、この第2レンズ保持部材212には不要光をカットするマスク232が固定されている。この第2レンズ保持部材212は、係合部212aにおいてガイドバー210に係合して光軸方向にガイドされ、係合部212bにおいてガイドバー211に係合してガイドバー210回りでの回転が阻止されている。213は第3レンズユニット203を保持し、ビス216により後部鏡筒205に固定された第3レンズ保持部材である。214は第4レンズユニット204を保持する第4レンズ保持部材であり、係合部214aにおいてガイドバー211に係合して光軸方向にガイドされ、係合部214bにおいてガイドバー210に係合してガイドバー211回りでの回転が阻止されている。
光量調節ユニット215は、光軸方向から見て左右方向(第2の方向)よりも上下方向(第1の方向)に長い外形形状を有する。この光量調節ユニット215は、ビス217により後部鏡筒205に固定されている。また、光量調節ユニット215の構成は、実施例1にて説明したものと同様である。
218は摩擦材からなるスライダであり、219は電気−機械エネルギー変換素子と該電気−機械エネルギー変換素子により振動が励起される板状の弾性部材とから構成される振動子である。220は振動子219に接続され、電気−機械エネルギー変換素子に信号を伝えるフレキシブル配線板である。フレキシブル配線板220は、第2レンズ保持部材212が光軸方向に移動するのに伴って曲げ部(変形部)220aが変形する。
これらスライダ218および振動子219によって構成される第1の振動型リニアアクチュエータでは、スライダ218および振動子219が互いに圧接した状態でフレキシブル配線板220を介して2つの位相が異なる周波信号(パルス信号又は交番信号)が電気−機械エネルギー変換素子に入力されることにより、振動子219の圧接面219a(光軸方向2箇所に形成されている)に略楕円運動が発生し、スライダ218の圧接面218aに光軸方向の駆動力が発生する。
221は振動子219を固定するスペーサであり、その中央に形成された穴部221aに第2レンズ保持部材212に形成された球状突起部212eが係合することによって、スペーサ221は、光軸方向(すなわち、駆動方向)への移動は阻止(制限)され、かつ回転および光軸方向以外への移動は許容された状態で保持される。また、第2レンズ保持部材212に形成された突起部212,212と不図示の突起部によってスペーサ221の外周をある程度のがたを許容して保持される。これにより、スペーサ221は、振動子219の圧接面219aがスライダ218の圧接面218aに対して平行になるように移動できる。
222はスライダ218における圧接面218aとは反対側の面を押さえる圧接バー、224はスペーサ221の突起部221bと圧接バー222との間に掛けられるコイルバネ、225はスペーサ221の突起部221cと圧接バー222との間に掛けられるコイルバネである。圧接バー222とスペーサ221とは、コイルバネ224,225の引張力によって引き合い、圧接バー222により押されたスライダ218とスペーサ221に固定された振動子219は、それぞれの圧接面218a,219a同士が圧接される。
223はスライダ218が保持部223aに接着等で固定され、ビス226,227により第1レンズ保持部材206に固定されたスライダ保持部材である。
228は第2レンズ保持部材212の位置を検出するために用いられるスケールであり、第2レンズ保持部材212に形成された溝部212内に接着等で固定されている。229はスケール228に投光し、該スケール228からの反射光を受光して第2レンズ保持部材212の移動量を検出するための投受光素子である。これらスケール228および投受光素子229により検出器としての第1のリニアエンコーダが構成される。
230は投受光素子229に対して信号を入出力するためのフレキシブル配線板であり、ビス231により第1レンズ保持部材206に固定されている。
ガイドバー210と、振動子219およびスライダ218により構成される第1の振動型リニアアクチュエータと、投受光素子229およびスケール228により構成される第1のリニアエンコーダとは、図8に示すように、光軸方向前方から見て、光量調節ユニット215の外周面のうち該光量調節ユニット215の光軸位置から最も近い外面の1つである平面状の左側面(光軸方向視において直線状の左長辺部)に沿うように、つまりは該左側面に近接して配置されている。また、第1の振動型リニアアクチュエータと第1のリニアエンコーダは、上下方向においてガイドバー210を挟むように該ガイドバー210に隣接して配置されている。
233は圧接バーであり、240,241は圧接バー233に一端が掛けられたコイルバネである。234は圧接バー223によって押される摩擦材からなるスライダであり、第4レンズ保持部材214の溝部214eに固定されている。
235は電気−機械エネルギー変換素子と該電気−機械エネルギー変換素子により振動が励起される板状の弾性部材とにより構成された振動子である。236は振動子235の電気−機械エネルギー変換素子に接続されたフレキシブル配線板である。これらスライダ234および振動子235によって構成される第2の振動型リニアアクチュエータでは、スライダ234および振動子235が互いに圧接した状態でフレキシブル配線板236を介して2つの位相が異なる周波信号(パルス信号又は交番信号)が電気−機械エネルギー変換素子に入力されることにより、振動子235の圧接面235a(光軸方向2箇所に形成されている)に略楕円運動が発生し、スライダ234の圧接面234aに光軸方向の駆動力が発生する。
ここで、図7に示すように、光軸直交方向視において、第1の振動型リニアアクチュエータの光軸方向における設置範囲(スライダ218が設けられた範囲)および第2レンズ保持部材212の光軸方向での可動範囲L2は、光量調節ユニット215よりも物体側(図7の左側)から像面側に延びている。一方、第2の振動型リニアアクチュエータの光軸方向における設置範囲(スライダ234が設けられた範囲)および第4レンズ保持部材214の光軸方向での可動範囲L4は、光量調節ユニット15よりも像面側から物体側まで延びている。すなわち、第1および第2の振動型リニアアクチュエータの設置範囲(第2および第4レンズ保持部材212,214の可動範囲)の一部は光軸方向において互いに重複している。
237は振動子235を保持するスペーサであり、該スペーサ237の突起部237b,237cには、コイルバネ240,241の他端が掛かっている。コイルバネ240,241は圧接バー233とスペーサ237とを引っ張っており、圧接バー233はスライダ234を押し、またスペーサ237は振動子235を押しているので、スライダ234の圧接面234aと振動子235の圧接面235aとが圧接される。
239は振動子235を保持する振動子保持部材である。この振動子保持部材239において物体側および像側にそれぞれ延びる軸部239a,239bは、後部鏡筒205の軸受け部205a,205bにより回転自在に係合している。また、振動子保持部材239の内側に形成された球状突起部239cは、スペーサ237に形成された円錐穴部237aに係合している。この振動子保持部材239は、軸部239b上に配置されたねじりコイルバネ238によって物体側に片寄せされることにより、光軸方向にがたなく保持される。また、振動子保持部材239はねじりコイルバネ238によって軸部239a,239bを中心として内側への回転方向に付勢され、これにより球状突起部239cが円錐穴部237aに押し付けられる。これにより、スペーサ237およびこれに保持された振動子235は、光軸方向(すなわち、駆動方向)の移動が阻止(制限)され、球状突起部239c回りでの回転および圧接面235aに略垂直な方向への移動が許容された状態で保持される。
248は第4レンズ保持部材214の位置を検出するために用いられるスケールであり、第4レンズ保持部材214に形成された溝部214d内に接着等で固定されている。249はスケール248に投光し、該スケール248からの反射光を受光して第2レンズ保持部材214の移動量を検出するための投受光素子である。これらスケール248および投受光素子249により検出器としての第2のリニアエンコーダが構成される。
250は投受光素子249に対して信号を入出力するためのフレキシブル配線板であり、ビス251により後部鏡筒205に固定されている。
ガイドバー211と、振動子235およびスライダ234により構成される第2の振動型リニアアクチュエータと、投受光素子249およびスケール248により構成される第2のリニアエンコーダとは、図9に示すように、光軸方向前方から見て、光量調節ユニット215の外周面のうち該光量調節ユニット215の光軸位置から最も近い外面の1つである平面状の右側面(光軸方向視において直線状の右長辺部)に沿うように、つまりは該右側面に近接して配置されている。また、第2の振動型リニアアクチュエータと第2のリニアエンコーダは、上下方向においてガイドバー211を挟むように該ガイドバー211に隣接して配置されている。
さらに、第1の振動型リニアアクチュエータ、ガイドバー210および第1のリニアエンコーダと、第2の振動型リニアアクチュエータ、ガイドバー211および第2のリニアエンコーダとが、光軸中心を通って上下方向に延びる軸に対して略対称となるように配置されている。
上記構成において、コイルバネ224,225が圧接バー222とスペーサ221とを引っ張り、スライダ218と振動子219を押すことによって振動型リニアアクチュエータとしての駆動力を発生するために必要な圧接力を得ている。このため、圧接力の反力は第2レンズ保持部材212には作用しない。これにより、第2レンズ保持部材212におけるガイドバー210,211との係合部212a,212bに発生する摩擦力が大きくならず、該摩擦による駆動負荷が大きくならない。
ここで、スライダ218はスライダ保持部材223に固定されている。一方、スペーサ221は第2レンズ保持部材212の球状突起部212eと係合しており、光軸方向にはがたなく第2レンズ保持部材212の駆動に必要な力を伝えるが、駆動方向以外の移動方向と回転方向については小さい力しか伝えない。このため、圧接力が第2レンズ保持部材212に作用することはない。
したがって、低出力で小型の振動型リニアアクチュエータを使用することができ、この結果、レンズ鏡筒の小型化を図ることができる。
さらに、振動子219を保持するスペーサ221の穴部221aが第2レンズ保持部材212の球状突起部212eと合し、球状突起部212eを中心とした回転および光軸方向以外の方向への移動が可能に保持されているので、製造誤差等でいずれかの圧接面の位置や傾きが光軸方向において変化した場合でも、振動子219の位置や傾き(向き)が変化して両圧接面は平行に維持され、適正な面接触状態が維持される。このため、スペーサ221の位置や傾きが変わった場合でも圧接力は大きく変わらない。したがって、第1の振動型リニアアクチュエータが本来持つ性能に応じた出力を安定的に引き出すことができる。
また、大きな圧接力が第2レンズ保持部材212に作用することがないので、第2レンズ保持部材212におけるガイドバー210,211との係合部212a,212bに発生する摩擦力は大きくならない。したがって、第1の振動型リニアアクチュエータを大出力化したり大型化したりする必要がなく、係合部212a,212bのガイドバー210,211との摩擦による摩耗を低減することもできる。また、第2レンズ保持部材212(第2レンズユニット202)の微小駆動も正確に行うことができる。
一方、コイルバネ240,241が圧接バー233とスペーサ237とを引っ張り、スライダ234と振動子235を押すことによって振動型リニアアクチュエータとしての駆動力を発生するために必要な圧接力を得ている。このため、圧接力の反力は第4レンズ保持部材214には作用しない。これにより、第4レンズ保持部材214におけるガイドバー211,210との係合部214a,214bに発生する摩擦力が大きくならず、該摩擦による駆動負荷が大きくならない。
ここで、スライダ234は第4レンズ保持部材214の溝部214eに固定されている。一方、スペーサ237には、円錐穴部237aで振動子保持部材239の球状突起部239cと係合することによって、がたなくスペーサ237を支えるのに必要な押さえ力が作用するだけである。がたなくスペーサ237を支えるのに必要な押さえ力は上記圧接力よりも小さいため、第4レンズ保持部材214におけるガイドバー210,211との係合部214a、214bに発生する摩擦力は、ほとんど大きくならず、該摩擦による駆動負荷はほとんど大きくならない。
したがって、低出力で小型の振動型リニアアクチュエータを使用することができ、この結果、レンズ鏡筒の小型化を図ることができる。
また、前述したように、スライダ234の圧接面234aと振動子235の圧接面235aとはコイルバネ240,241の引張り力によって圧接され、振動子保持部材239の球状突起部239cがスペーサ237の円錐穴部237aにコイルバネ238の付勢力によってがたなく係合するように押し当てられている。これにより、振動子235は、球状突起部239回りでの回転が可能であり、さらに振動子保持部材239が軸部239a,239bを中心して回転することにより振動子235は圧接面235aに略垂直な方向や球状突起部239回りで傾くように移動できるので、製造誤差等でいずれかの圧接面の光軸に平行な軸に対する位置や該軸回りでの傾きが光軸方向において変化した場合でも、振動子235の位置や傾き(向き)が変化することによって両圧接面は平行に維持され、適正な面接触状態が維持される。
コイルバネ238で発生する力は、振動子保持部材239の球状突起部239cがスペーサ237の円錐穴部237aにがたなく係合できる程度の大きさでよく、スライダ234と振動子235が駆動力を発生するためにこれらを圧接させる力よりも小さくてよい。したがって、圧接面の位置が変化した場合でも圧接力は大きく変わらない。
したがって、第2の振動型リニアアクチュエータが本来持つ性能に応じた出力を安定的に引き出すことができる。
また、大きな圧接力が第4レンズ保持部材214に作用することがないので、第4レンズ保持部材214におけるガイドバー211,210との係合部214a,214bに発生する摩擦力も大きくならない。したがって、第2の振動型リニアアクチュエータを大出力化したり大型化したりする必要がなく、係合部214a,214bのガイドバー211,210との摩擦による摩耗を低減することもできる。また、第4レンズ保持部材214(第2レンズユニット204)の微小駆動も正確に行うことができる。
さらに、レンズ保持部材の移動量が大きいと必要なスライダの長さが長くなり、この長いスライダの光軸方向移動を許容するためには該スライダの移動スペースを光軸方向において長く確保する必要がある。しかし、本実施例では、第4レンズ保持部材214に比べて移動量が大きい第2レンズ保持部材212を駆動する第1の振動型リニアアクチュエータにおいて、第2の振動型リニアアクチュエータのスライダ234よりも光軸方向長さが長いスライダ218が固定され、振動子219が第2レンズ保持部材212と光軸方向に一体的に移動する。このように、長いスライダ218が光軸方向に移動しないので、第1の振動型リニアアクチュエータの光軸方向における配置スペースが短くて済み、これによりレンズ鏡筒を小型化することができる。
また、本実施例では、第2レンズ保持部材212に比べて移動量が小さい第4レンズ保持部材214を駆動する第2の振動型アクチュエータのうちスライダ234が第4レンズ保持部材214に固定されて光軸方向に移動し、振動子235が固定されて光軸方向には移動しない。このため、フレキシブル配線板250に変形部を設ける必要がなく、フレキシブル配線板250の取り回しを容易とし、設計自由度を高めることができる。これにより、レンズ鏡筒を小型化することができる。
上述したように、本実施例では、光軸方向視において、ガイドバー210と第1の振動型リニアアクチュエータと第1のリニアエンコーダとが、光量調節ユニット215のうち光軸から最も近い平面の1つである左側面に沿うように(近接するように)配置されている。また、ガイドバー210の上下に隣接するように第1の振動型リニアアクチュエータと第1のリニアエンコーダが配置されている。
さらに、光軸方向視において、ガイドバー211と第2の振動型リニアアクチュエータと第2のリニアエンコーダとが、光量調節ユニット215のうち光軸から最も近い平面の1つである右側面に沿うように(近接するように)配置されている。また、ガイドバー211の上下に隣接するように第2の振動型リニアアクチュエータと第2のリニアエンコーダが配置されている。
したがって、光量調節ユニット215と、該光量調節ユニット215の物体側および像面側に配置された第2および第4レンズ保持部材212,214(第2および第4レンズユニット202,204)をそれぞれ駆動する2つの振動型リニアアクチュエータ、これらレンズ保持部材212,214をそれぞれ光軸方向にガイドする2つのガイドバー210,211およびこれらレンズ保持部材212,214のそれぞれの位置を検出する2つのリニアエンコーダを有しながらも、レンズ鏡筒を小型に構成することができる。
また、ガイドバー210,211に隣接してスライダ218,234が配置されているので、第2および第4レンズ保持部材212,214をスムーズに駆動することができる。しかも、ガイドバー211,210に隣接してスケール228,248が配置されているので、第2および第4レンズ保持部材212,214におけるガイドバー210,211への係合部212a,212b,214a,214bのがたによるスケール228,248の変位が少なく、精度良く位置検出を行うことができる。
なお、リニアアクチュエータとリニアエンコーダとが、これらの駆動対象および位置検出対象であるレンズ保持部材をガイドするガイドバーに対して、光軸を挟んだ反対側に配置されていると、該ガイドバーに対するレンズ保持部材の係合部の係合がたによって、駆動開始時に該ガイドバーを支点としてリニアエンコーダが駆動方向とは反対側に変位する可能性がある。これは、位置検出精度を悪化させる原因になる。しかし、本実施例では、リニアアクチュエータとリニアエンコーダがこれらの駆動対象および位置検出対象であるレンズ保持部材をガイドするガイドバーと同じ側に配置されているので、そのような問題は生じず、精度良く位置検出を行うことができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例にて説明した構成に限定されず、特許請求の範囲内で、上記各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。例えば、第2および第4レンズ保持部材のうち少なくとも一方を駆動するリニアアクチュエータとして、通電により磁力を発生するコイルと、該コイルよりも光軸方向長さが長いマグネットとを含む電磁型リニアアクチュエータ(ボイスコイルモータ)を用いてもよい。
また、上記実施例では、レンズ一体型の撮影装置について説明したが、本発明は、撮影装置本体に対して着脱可能な交換レンズ(光学機器)にも適用することができる。また、撮影装置に限らず、レンズをリニアアクチュエータによって駆動する各種光学機器にも本発明を適用することができる。

本発明の実施例1である撮影装置のレンズ鏡筒の分解斜視図。 実施例1のレンズ鏡筒を光軸に平行な面で切断したときの断面図。 実施例1のレンズ鏡筒を光軸に垂直な面で切断したときの断面図。 実施例1のレンズ鏡筒を光軸に垂直な面で切断したときの断面図。 実施例1の撮影装置の電気的構成を示したブロック図。 本発明の実施例2である撮影装置のレンズ鏡筒の分解斜視図。 実施例2のレンズ鏡筒を光軸に平行な面で切断したときの断面図。 実施例2のレンズ鏡筒を光軸に垂直な面で切断したときの断面図。 実施例2のレンズ鏡筒を光軸に垂直な面で切断したときの断面図。
符号の説明
201,301 第1レンズユニット
202,302 第2レンズユニット
203,303 第3レンズユニット
204,304 第4レンズユニット
205,305 後部鏡筒
206,306 第1レンズ保持部材
210,211,310,311 ガイドバー
212,312 第2レンズ保持部材
214,314 第4レンズ保持部材
215,315 光量調節ユニット
218,234,318,334 スライダ
219,235,319,335 振動子
322,338 板バネ
228,248,328,348 スケール
229,249,329,349 投受光素子
101 撮像素子
240,241,224,225 コイルバネ

Claims (5)

  1. 光軸方向に第1の移動量で移動する第1のレンズと、
    光軸方向に、前記第1の移動量より小さい第2の移動量で移動する第2のレンズと、
    電気信号が入力される第1の部材および該第1の部材よりも光軸方向の長さが長い第2の部材を含み、該第1および第2の部材が光軸方向に相対移動して前記第1のレンズを駆動する第1のリニアアクチュエータと、
    電気信号が入力される第3の部材および該第3の部材よりも光軸方向の長さが長い第4の部材を含み、該第3および第4の部材が光軸方向に相対移動して前記第2のレンズを駆動する第2のリニアアクチュエータとを有し、
    前記第1の部材は、前記第2の部材に対して、前記第1のレンズとともに光軸方向に移動することを特徴とする光学機器。
  2. 前記第4の部材は、前記第3の部材に対して、前記第2のレンズとともに光軸方向に移動することを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
  3. 前記第1のリニアアクチュエータは、電気−機械エネルギー変換作用により振動が励起される前記第1の部材としての振動部材と、該振動部材と接触する前記第2の部材としての接触部材とを含む振動型リニアアクチュエータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学機器。
  4. 前記第2のリニアアクチュエータは、電気−機械エネルギー変換作用により振動が励起される前記第3の部材としての振動部材と、該振動部材と接触する前記第4の部材としての接触部材とを含む振動型リニアアクチュエータであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の光学機器。
  5. 前記第2の部材は、前記第4の部材に比べて光軸方向長さが長いことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の光学機器。
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