JP2010139307A - 操舵角・トルクセンサ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 この操舵角・トルクセンサ装置は、磁気検出部である操舵角センサ本体3とそれに対向配置される磁石4とを有して操舵軸6の回転角度を検出する操舵角センサ2と、操舵軸6に掛かるトルクを検出するトルクセンサ1とを有しており、かつ磁石4がトルクセンサ1に隣接して配置された操舵角・トルクセンサ装置であって、磁石4における操舵角センサ本体3に対向した面とは反対側の面に近接して、磁石4の磁化方向9と略平行に、磁性体板5を配置してなることを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、トルクセンサ100と操舵角センサ200とを、装置全体の小型化のために隣接配置してなる操舵角・トルクセンサ装置において、計測誤差の発生要因を特定し、その要因に対して効果的に対処可能
な手段を案出することで計測誤差の発生を抑制して、より誤差の少ない正確なトルク計測を可能とした操舵角・トルクセンサ装置を提供することにある。
すなわち、我々は、従来の操舵角・トルクセンサ装置におけるトルク計測誤差の発生要因を解明するための種々の実験およびそれに対する考察等の精鋭努力を行った結果、トルクセンサによる操舵トルク検出における計測誤差の発生要因が、操舵角センサに付属してトルクセンサの近傍に設けられる磁石から発散される磁束に因るものであることを確認した。そして、斯様な計測誤差の発生要因である磁石に近接して磁性体板を配置することで、その磁石から発散される磁束をトルクセンサへと向かわせるのではなく磁性体板へと逃がすことにより、トルクセンサに対する磁石からの磁束の悪影響を防ぐことができることを、理論的な考察によることは勿論のこと実験的にも確認して、本発明を成すに到ったのであった。
図1は、本発明の実施の形態に係る操舵角・トルクセンサ装置の主要な構成を示す側面図(部分的に断面を含む)、図2は、図1に示した操舵角・トルクセンサ装置の平面図である。
舵角センサ2では、内部に設けられている磁気検出部が、磁石4からの磁界の変化を検出し、それに基づいて、そのときの操舵軸6の回転角度つまり操舵角を検出(あるいは広義の計測;以下同様)する。
ここで、上記の「近接」とは、磁石4から発散される磁界をトルクセンサ1へと向かう方向から磁性体板5へと逃がす方向へと向かわせて、その磁界に起因したトルクセンサ1への磁気干渉を実際上の悪影響のないものにまで低減させることが可能な程度の位置、ということを意味している。また、上記の「近接」とは、磁性体板5が磁石4の下面と接する状態も含むものとする。
この磁性体板5の外形寸法は、磁石4の外形寸法以上の大きさとし、かつ、図2に示したように、磁石4の磁性体板5への平面的投影がこの磁性体板5の平面的輪郭内に完全に収まるように配置することが、より望ましい。これは、実施例で詳述するような我々が行った実験の結果に基づいた知見である。
また、図示の煩雑化を避けるために図1、図2では図示を省略してあるが、磁石4の周囲にも、外部からの磁気的外乱等の悪影響を防ぐために、シールドリングを設けるようにすることが望ましい。
また、そのように磁石4から発散される磁束に起因したトルクセンサ1への磁気干渉を防ぐことを可能としたので、そのような磁気干渉の発生する虞なくトルクセンサ1と操舵
角センサ2との間やトルクセンサ1と磁石4との間などの配置距離をさらに短縮することが可能となり、延いてはこの操舵角・トルクセンサ装置全体のさらなる小型化を達成するとも可能となる。
また、操舵角センサ2を2個以上のような複数個設けた構造とすることなども可能である。
あるいは、トルクセンサ1と操舵角センサ2とを、操舵軸6に対して直交方向に並列配置すること以外にも、例えば、それら両者を同一の操舵軸6上に直列的に配置し、かつ操舵角センサ2の直径をトルクセンサ1のそれよりも大きなものとし、そのトルクセンサ1の外周から外へと張り出した部分の操舵角センサ本体3の下面に磁石4の上面が対向するように配置した構造などもバリエーションとして可能である。この場合にも、磁性体板5は上記の実施の形態と同様に磁石4に近接して配置することで、上記の実施の形態の場合と同様の効果を得ることできる。
また、磁性体板5の材質は、SPCC(JIS G 3141 冷間圧延鋼板および鋼帯 に記載の一般用に該当するもの)とした。
ここで、磁石4は、回転軸7の回転によって回転運動するが、その場合、磁石4からトルクセンサ1への磁気干渉が最も強くなるのは、磁石4がトルクセンサ1に最も近づいた状態のときである。このため、本実施例に係る実験では、磁石4をトルクセンサ1に最も近づいた位置(つまり図3に示したような位置)に配置した状態で実験を行うこととした。
この結果から、磁性体板5を設けることにより、磁石4からトルクセンサ1への磁気的干渉に起因したトルクセンサ1の計測誤差を、少なくとも70%以上と大幅に低減させることが可能であることが確認できた。
いる。この結果から、ケース3の場合には、水平距離dを5〜6mm程度にまで近付けても、85%以上もの磁気的干渉の低減効果が期待でき、延いては操舵角・トルクセンサ装置全体のさらなる小型化が期待できるということが判明した。
2 操舵角センサ
3 操舵角センサ本体
4 磁石
5 磁性体板
6 操舵軸
7 回転軸
8 シールドカバー
9 磁化方向
Claims (6)
- 磁気検出部と当該磁気検出部に対向して配置される磁石とを有して操舵軸の回転角度を検出する操舵角センサと、前記操舵軸に掛かるトルクを検出するトルクセンサとを有しており、かつ前記磁石が前記トルクセンサに隣接して配置された操舵角・トルクセンサ装置であって、
前記磁石における前記磁気検出部に対向した面とは反対側の面に近接して、前記磁石の磁化方向と略平行に、磁性体板を配置してなる
ことを特徴とする操舵角・トルクセンサ装置。 - 請求項1記載の操舵角・トルクセンサ装置において、
前記トルクセンサと前記操舵角センサの前記磁気検出部とが、前記操舵軸に対して直交方向に並列して配置されており、かつ前記操舵軸から受けた回転運動を前記トルクセンサおよび前記操舵角センサのうちの一方から他方へと伝達する回転伝達機構を備えた
ことを特徴とする操舵角・トルクセンサ装置。 - 請求項2記載の操舵角・トルクセンサ装置において、
前記回転伝達機構が、前記トルクセンサ側に設けられて前記操舵軸の回転と共に回転する第1の歯車と、前記操舵角センサ側に設けられて前記第1の歯車と噛合して回転する第2の歯車とを有する歯車機構であり、
前記磁性体板が、前記歯車機構と前記磁石との間に配置されている
ことを特徴とする操舵角・トルクセンサ装置。 - 請求項1ないし3のうちいずれか1つの項に記載の操舵角・トルクセンサ装置において、
前記トルクセンサの周囲に、外来磁場に起因した外乱を防止するためのシールドカバーを設けてなる
ことを特徴とする操舵角・トルクセンサ装置。 - 請求項1ないし4のうちいずれか1つの項に記載の操舵角・トルクセンサ装置において、
前記磁石の周囲を囲むように、外来磁場に起因した外乱を防止するためのシールドリングを設けてなる
ことを特徴とする操舵角・トルクセンサ装置。 - 請求項1ないし5のうちいずれか1つの項に記載の操舵角・トルクセンサ装置において、
前記磁性体板の外形寸法を前記磁石の外形寸法以上の大きさとし、前記磁石の前記磁性体板への平面的投影が前記磁性体板の平面的輪郭内に完全に収まるように、前記磁性体板を配置してなる
ことを特徴とする操舵角・トルクセンサ装置。
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JP2008314313A JP2010139307A (ja) | 2008-12-10 | 2008-12-10 | 操舵角・トルクセンサ装置 |
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2008
- 2008-12-10 JP JP2008314313A patent/JP2010139307A/ja active Pending
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