JP2010139233A - 蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器 - Google Patents

蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器 Download PDF

Info

Publication number
JP2010139233A
JP2010139233A JP2009258510A JP2009258510A JP2010139233A JP 2010139233 A JP2010139233 A JP 2010139233A JP 2009258510 A JP2009258510 A JP 2009258510A JP 2009258510 A JP2009258510 A JP 2009258510A JP 2010139233 A JP2010139233 A JP 2010139233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
heat transfer
fin
average value
heat exchanger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009258510A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiko Mizuta
貴彦 水田
Naoe Sasaki
直栄 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Light Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Priority to JP2009258510A priority Critical patent/JP2010139233A/ja
Publication of JP2010139233A publication Critical patent/JP2010139233A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【解決課題】冷媒として、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、蒸発熱伝達特性に優れる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器を提供すること。
【解決手段】アルミニウムフィンと、該アルミニウムフィンに組み付けられている内面溝付伝熱管とを有し、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、該内面溝付伝熱管の底肉厚をt(mm)、管外径をD(mm)、内面溝の深さ方向の中央部の幅をW1(mm)、内面溝の上側最狭部の幅をW2(mm)、内面溝側面角をα(°)とするとき、下記式(1)、(2)及び(3):(1)0.055≦t/Dの平均値≦0.09、(2)W2/W1の平均値≦1、且つ、W2/W1の最大値≦0.95、(3)0<αの平均値≦30のいずれも満たすことを特徴とする蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷媒として、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる冷凍機、空調機、給湯機等の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器に関する。
地球温暖化ガスである冷媒ガスの排出抑制の観点から、熱交換器の冷媒として、フロン系冷媒に替わり、二酸化炭素冷媒が使用されてきている。
このような二酸化炭素冷媒が使用される熱交換器のうち、蒸発器用の熱交換器としては、従来のフロン系の場合と同様、アルミニウムフィンと銅製伝熱管を組み付けたクロスフィンチューブ型熱交換器が主流であり、該銅製伝熱管としては、内面溝付伝熱管が使用されてきている。
例えば、特開2003−343942号公報(特許文献1)には、チューブ内を流れる二酸化炭素を蒸発させる蒸発器であって、前記チューブの通路断面形状は円形であり、かつ、前記チューブの内壁には、中心側に突出した複数個の突起部が設けられており、
数式1:0.5×d1.2682≦L≦2.09×d1.2682
前記チューブの通路長さ(L)と前記チューブの平均内径(d)とは、上記数式1に示される関係を有していることを特徴とする蒸発器が開示されている。
しかし、特許文献1に示す蒸発器では、内面溝付伝熱管が用いられているが、平滑管が用いられているものと比較して、管内熱伝達率は高いものの、単に、内面に溝加工を施しただけなので、管内熱伝達率は不十分であった。
内面溝付伝熱管の管内熱伝達率を改善するものとして、例えば、特開2006−162100号公報(特許文献2)には、高圧冷媒を用いるクロスフィンチューブ式熱交換器を構成する伝熱管にして、管内面に多数の溝が管周方向に又は管軸に対して所定のリード角をもって延びるように形成されているとともに、それら溝間には、所定高さの内面フィンが形成されてなる銅又は銅合金製の内面溝付伝熱管において、管外径D(mm)、前記溝の形成部位における管壁厚となる底肉厚をt(mm)、前記溝の溝深さをd(mm)、管軸に対して垂直な断面における溝1個あたりの断面積をA(mm)としたときに、t/Dが0.041以上0.146以下であり、且つd/Aが0.75以上1.5以下であると共に、Nを前記溝の溝条数、Diを前記溝の溝底をつないで形成される管内径に相当する最大内径としたときに、N/Diが8以上24以下となるように構成したことを特徴とする高圧冷媒用内面溝付伝熱管が開示されている。
また、特開2002−90086号公報(特許文献3)には、アルミニウムフィンに、内面溝付伝熱管を組み付けて、クロスフィンチューブ型熱交換器を製造する際に、管内面の内面フィンが変形することを抑制することができる内面溝付伝熱管として、管内面に多数の溝が管周方向に又は管軸に対して所定のリード角をもって延びるように形成されていると共に、それらの溝間に、所定高さの内面フィンが形成されてなる内面溝付伝熱管にして、管外径が4mm〜10mmとされ、且つ前記溝の溝深さが0.10mm〜0.30mmとされると共に、前記溝の形成部位における管壁厚となる底肉厚(t)が、次式:t≦0.1248×D0.32782(但し、Dは管外径を示す)を満足するように、構成されていることを特徴とする内面溝付伝熱管が開示されている。
特開2003−343942号公報(特許請求の範囲) 特開2006−162100号公報(特許請求の範囲) 特開2002−90086号公報(特許請求の範囲)
特許文献2の内面溝付伝熱管では、蒸発熱伝達特性が向上するものの、それでもなお、更なる蒸発熱伝達特性の向上が求められている。また、特許文献3の内面溝付伝熱管でも、同様に、更なる蒸発熱伝達特性の向上が求められている。
従って、本発明は、冷媒として、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、蒸発熱伝達特性に優れる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、内面溝付伝熱管の内面溝の上側部分の幅を、内面溝付伝熱管の内面溝の中央部の幅より狭くし、その時の幅の比を特定の範囲とすることにより、該内面溝の上側部分の最狭部より下側の空間に、沸騰の起点となる気相を保持することが可能となり、沸騰を持続させることができるので、沸騰促進につながり、そして、管軸方向に垂直な断面における管周方向の内面溝の「W2/W1」の値を平均した平均値を1以下とし、且つ、「W2/W1」の最小値を0.95以下とすることにより、沸騰促進効果が得られること、そのため、蒸発熱伝達特性に優れるクロスフィンチューブ型熱交換器が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、アルミニウムフィンと、該アルミニウムフィンに組み付けられている内面溝付伝熱管とを有し、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、
該内面溝付伝熱管の底肉厚をt(mm)、管外径をD(mm)、内面溝の深さ方向の中央部の幅をW1(mm)、内面溝の上側最狭部の幅をW2(mm)、内面溝側面角をα(°)とするとき、下記式(1)、(2)及び(3):
(1)0.055≦t/Dの平均値≦0.09
(2)W2/W1の平均値≦1、且つ、W2/W1の最小値≦0.95
(3)0<αの平均値≦30
のいずれも満たすことを特徴とする蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器を提供するものである。
本発明によれば、冷媒として、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、蒸発熱伝達特性に優れる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器を提供することができる。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器の形態例の模式図である。 図1に示すクロスフィンチューブ型熱交換器に組み付けられている内面溝付伝熱管を、管軸方向に対して垂直な面で切ったときの断面図である。 図2に示す内面溝付伝熱管の断面のうちの内面フィンの一部分を拡大した図である。 拡管工程を行う前後の内面フィンの輪郭を示した断面図である。 管内熱伝達率性能評価方法を示す図である。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器は、アルミニウムフィンと、該アルミニウムフィンに組み付けられている内面溝付伝熱管とを有し、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、
該内面溝付伝熱管の底肉厚をt(mm)、管外径をD(mm)、内面溝の深さ方向の中央部の幅をW1(mm)、内面溝の上側最狭部の幅をW2(mm)、内面溝側面角をα(°)とするとき、下記式(1)、(2)及び(3):
(1)0.055≦t/Dの平均値≦0.09
(2)W2/W1の平均値≦1、且つ、W2/W1の最小値≦0.95
(3)0<αの平均値≦30
のいずれも満たす蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器である。そして、本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器は、好ましくは更に下記式(4):
(4)W2/W1の平均値≦0.95
を満たす蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器である。そして、本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器は、より好ましくは更に下記式(5):
(5)W2/W1の平均値≧0.1
を満たす蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器である。なお、以下では、本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器の該アルミニウムフィンに組み付けられている該内面溝付伝熱管を、内面溝付伝熱管(A)とも記載する。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器の形態例の模式図であり、図2は、図1に示すクロスフィンチューブ型熱交換器に組み付けられている内面溝付伝熱管を、管軸方向に対して垂直な面で切ったときの断面図であり、図3は、図2に示す内面溝付伝熱管の断面のうちの内面フィンの一部分を拡大した図である。
図1中、蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器1は、アルミニウムフィン2と、内面溝付伝熱管(A)3とを有する。該内面溝付伝熱管(A)3は、ヘアピン加工部4で、ヘアピン加工されて、U字形状に加工されており、複数の該アルミニウムフィン2に挿通されて組み付けられている。そして、複数の該内面溝付伝熱管(A)3が、該アルミニウムフィン2に挿通され、該内面溝付伝熱管(A)3の該ヘアピン加工部4と反対側が、Uベンド管5により、1の該内面溝付伝熱管(A)3の管端と、他の該内面溝付伝熱管(A)3の管端が繋がれている。このことにより、該蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器1に、炭酸ガス冷媒6の流路が形成される。
図2に示すように、該内面溝付伝熱管(A)3を管軸方向対して垂直な面で切った断面において、該内面溝付伝熱管(A)3の管内面には、管周方向に、多数の内面溝12が、管軸方向に対して、一定のらせん角θ(°)をもって、らせん状に形成されると共に、多数の内面フィン11が、らせん状に形成されている。管外径D(mm)とは、該内面溝付伝熱管(A)3の外径を指す。なお、該内面溝付伝熱管(A)3には、管周方向に亘って該内面溝12及び該内面フィン11が形成されているが、作図の都合上、図2においては、該内面溝12及び該内面フィン11の一部を記載し、他の記載を省略した。
図3に示すように、該内面溝付伝熱管(A)3の管内面には、該内面溝12及び該内面フィン11が加工されている。該内面フィン11は、管の中心に向かって細くなっている略等脚台形の形状の上部が、該内面溝12側に盛り上がった形状である。底肉厚t(mm)とは、該内面溝付伝熱管(A)3の該内面溝12の最も深い部分13における該内面溝付伝熱管(A)3の肉厚を指す。なお、以下、各内面溝12の最も深い部分13が円周上に重なるように引いた円、すなわち、該内面溝付伝熱管(A)3の外周の円と同心円であり且つ半径が該底肉厚t分だけ小さい円を、底肉厚線15(図3中、符号15で示す一点鎖線)と呼ぶ。内面フィン高さh(mm)とは、該内面フィン11の頂点16の高さを指し、該底肉厚線15から管の中心に向かって突き出している部分の長さを指す。ここで、該内面フィン高さhは、該内面フィン11の幅方向の中央部の高さ、つまり、該内面フィンの中心線の長さである。内面溝深さd(mm)とは、内面フィン頂点線17から、該内面溝12の最も深い部分13までの距離である。なお、該内面溝付伝熱管(A)3の該内面フィン11の頂点16が円周上に重なるように引いた円、すなわち、該内面溝付伝熱管(A)3の外周の円と同心円であり且つ半径が該底肉厚t及び該内面フィン高さhの合計分だけ小さい円を、該内面フィン頂点線17(図3中、符号17で示す一点鎖線)と呼ぶ。内面溝の深さ方向の中央部の幅W1とは、該内面溝12の深さ方向の中央部の幅を指し、該内面溝深さdの2分の1の深さの位置の該内面溝12の幅である。内面溝の上側最狭部の幅W2とは、該内面溝の上側部分のうちで最も狭い箇所の溝幅を指す。なお、該内面溝の上側部分とは、該内面溝12のうち、中央部より上側、言い換えると、中央部より管の中心寄りの該内面溝の部分を指す。また、内面溝の下側部分とは、該内面溝12のうち、中央部より下側、言い換えると、中央部より管の外側寄りの該内面溝の部分を指す。内面フィンピッチp(mm)とは、隣り合う該内面フィン11間における、該内面フィン11の中心線と該底肉厚線15とが交差する点間の直線距離を指す。内面溝側面角α(°)は、該内面溝12の下側部分の側面を延ばしたときの交差角を指す。内面フィン幅W3(mm)は、該内面フィン高さhの半分の位置における、該内面フィン11の幅を指す。
本発明に係る該内面溝付伝熱管(A)において、「t/D」の平均値は0.055〜0.09である。二酸化炭素を主成分とする冷媒は、その作動圧力が5〜16MPaと高いため、伝熱管の耐圧強度を向上させる必要があり、そのため、該底肉厚tを厚くする必要がある。該底肉厚tの厚さは、該管外径D及び伝熱管材質の引張強さσBにより、安全係数を考慮して適宜決定されるが、伝熱管材質として一般的に用いられるりん脱酸銅等の軟質材又は純銅に最大2質量%程度の添加成分を添加した低合金銅においては、t/Dの平均値は、0.055以上であることが必要である。一方、t/Dの平均値が0.09を超えると、単重が大きくなって、コストアップとなるとともに、熱伝達性が悪くなり、該内面フィン高さhを低くせざるを得なくなることから、十分な熱交換性能が得られなくなる。そのため、t/Dの平均値は0.09以下であることが必要である。なお、本発明において、「t/D」の平均値は、「(管軸方向に垂直な断面における管周方向の内面溝の該底肉厚tの平均値)/D」より算出される値である。
また、該管外径Dは、通常3〜16mm、好ましくは4〜10mmである。
W2/W1の値が1未満だと、該内面溝の中央部の幅よりも溝幅の狭い部分が、該内面溝の中央部より上側にあることになる。二酸化炭素を主成分とする冷媒における蒸発熱伝達率を向上させるためには、沸騰熱伝達を促進することが必要であるが、沸騰促進のためには、沸騰の起点を多数作ることが必要である。そして、該内面溝の中央部より上側が、該内面溝の中央部より狭くなっていると、該内面溝の上側部分の最狭部より下側の空間に、沸騰の起点となる気相を保持することが可能となり、沸騰を持続させるので、沸騰促進につながる。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器では、該内面溝付伝熱管(A)の「W2/W1」の平均値を1以下として、且つ、「W2/W1」の最小値を0.95以下とすることにより、沸騰促進効果が得られるので、クロスフィンチューブ型熱交換器の蒸発熱伝達特性を高くすることができる。なお、本発明において、「W2/W1」の平均値は、管周方向の内面溝におけるW2/W1の平均値である。つまり、「W2/W1」の平均値とは、管軸方向に垂直な断面の管周方向における各内面溝のW2/W1の値を平均した値を指し、「W2/W1」の最小値とは、管軸方向に垂直な断面の管周方向における内面溝のW2/W1のうちの最小の値を指す。
このような、該内面溝の中央部の幅よりも溝幅が狭い部分が、該内面溝の中央部より上側にある内面溝は、例えば、内面溝付伝熱管(B)を機械拡管して、アルミニウムフィンに組み付ける際に、拡管プラグを、該内面溝付伝熱管(B)の内面フィンの先端に接触させて、管を押し広げる拡管工程を行うことで、該内面溝付伝熱管(B)の内面フィンに、管の中心から管の外側に向かう方向で圧力を加えて、該内面溝付伝熱管(B)の内面フィンの頂点部分を凹ませ、凹んだ部分が内面溝内に盛り上がるように、該内面溝付伝熱管(B)の内面フィンを変形させることで形成される。図4には、該拡管工程を行う前の内面フィン、すなわち、該内面溝付伝熱管(B)の内面フィンの輪郭を点線で示し、また、該拡管工程を行った後の内面フィン、すなわち、該内面溝付伝熱管(A)の内面フィンの輪郭を実線で示す。なお、図4には、内面溝付伝熱管(A)及び(B)を管軸方向に対して垂直な面で切った時の内面フィンの断面の輪郭のみを示した。該拡管工程で、該内面溝付伝熱管(B)の内面フィンに圧力を加えることにより、その内面フィンの頂点部分21(図4中、右上から左下への斜線で示す部分)が凹み、その分が、該内面溝12内に盛り上がるように変形し、内面フィンの上側に、盛り上がり部分22(図4中、左上から右下への斜線で示す部分)が形成される。なお、本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器が、拡管工程を行うことにより、製造されたものである場合、該拡管工程で拡管される内面溝付伝熱管、つまり、拡管前の内面溝付伝熱管を、内面溝付伝熱管(B)と記載して、拡管後の該内面溝付伝熱管(A)と区別する。
該内面溝付伝熱管(A)の該内面溝を、上記のような拡管工程により形成させる場合、該内面溝付伝熱管(B)の中心と拡管プラグの中心のずれ等によって、管軸方向に垂直な断面において、管周方向に該内面溝を見たときに、該内面溝の形状にばらつきが生じることがある。そのため、該内面溝付伝熱管(A)の断面において、個々の内面溝のW2/W1を測定すると、W2/W1の値が、1より小さい内面溝の他にも、1以上の内面溝が存在する場合もある。個々の内面溝においては、W2/W1の値が1より小さければ、その溝自身は、沸騰を促進させる機能を発揮する。また、W2/W1の値が小さいほど、沸騰促進効果が大きくなる。一方、W2/W1の値が1以上の溝では、沸騰の起点となる気相を保持する機能がほとんどなくなる。従って、W2/W1の値が1より小さい溝が管に多く存在するほど、管全体としての沸騰促進効果が大きくなる。一方、W2/W1の値が1より小さい溝が存在していても、W2/W1の値が1より小さい溝に対するW2/W1の値が1以上の溝の数が多過ぎると、管全体としての沸騰促進効果がほとんど得られない。そして、本発明では、管軸方向に垂直な断面における管周方向の内面溝の「W2/W1」の値を平均した平均値が1以下であり、且つ、「W2/W1」の最小値が0.95以下であることにより、沸騰促進効果が得られる。
W1の平均値は、好ましくは0.05〜0.25mmである。W2の平均値は、好ましくは0.01〜0.24mmである。W3の平均値は、好ましくは0.05〜0.15mmである。pの平均値は、好ましくは0.10〜0.25mmである。「h/D」の平均値は、好ましくは0.015〜0.03である。「W2/D」の平均値は、好ましくは0.0015〜0.035である。これらの値は、いずれも、管軸方向に垂直な断面の管周方向における個々の値の平均値である。
αの平均値は、0より大きく且つ30以下であり、好ましくは15以上且つ30以下、すなわち、0<αの平均値≦30であり、好ましくは15≦αの平均値≦30である。αの平均値を上記範囲とすることにより、沸騰促進効果が得られるので、クロスフィンチューブ型熱交換器の蒸発熱伝達特性を高くすることができる。本発明に係る該内面溝付伝熱管(A)では、αが0°より大きいので、該内面溝12は、下に行くほど内面溝の幅が狭くなる形状を有している。なお、図3において、αが0°のときは、内面溝の両側の側面同士は平行であり、0°より大きくなる(正の数)と、内面溝の形状は、下に行くほど(管の中心から外側に向かうほど)幅が狭くなる形状となり、一方、0°未満になる(負の数)と、内面溝の形状は、下に行くほど幅が広くなる形状となる。
該内面溝付伝熱管(A)の該らせん角θの平均値は、5°以上、好ましくは10〜30°である。らせん角が大きくなる程、液冷媒を伝熱管の頂部に上げる効果が大きくなり、管内面全体として液膜が薄くなる。液膜が薄くなる程、蒸発熱伝熱は促進され、蒸発熱伝達性能が向上する。なお、該らせん角θとは、該内面溝の管軸に対する角度を指す。
該内面溝付伝熱管(A)の材質は、特に制限されるものではないが、加工性及び熱伝導性が共に良好な、純銅又は純銅に最大2%程度の添加成分を添加した低合金銅が好ましい。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器に係る該アルミニウムフィンの材質は、特に制限されるものではないが、加工性及び熱伝導性が高い点で、JIS A 1050等の純アルミニウムが好ましい。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器は、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用として用いられる。本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器に用いられる該二酸化炭素を主成分とする冷媒は、二酸化炭素単独か、あるいは、冷凍機油を0〜15質量%含有する二酸化炭素冷媒である。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器が、拡管前の該内面溝付伝熱管(B)を、アルミニウムフィンに挿通し、該内面溝付伝熱管(B)を拡管及び固着することによって製造される場合、本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器の製造に用いられる拡管前の該内面溝付伝熱管(B)の形状は、該拡管工程で圧力が加えられて変形した後の形状が、該内面溝付伝熱管(A)の該内面溝の形状となるように、拡管の際に加える圧力等を考慮して、適宜選択される。拡管前の該内面溝付伝熱管(B)を製造する方法としては、特に制限されず、公知の転造加工方法が挙げられる。例えば、該内面溝付伝熱管(B)は、連続する1本の原管の内側に、溝付きプラグを挿入し、該溝付きプラグと、該原管の外側に配置される円形ダイスとの間で、該原管を押圧することによって、該原管を縮径するとともに、管内面に溝を形成させることにより得られる。
そして、本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器は、上記ようにして得た該内面溝付伝熱管(B)を、アルミニウムフィンに挿通し、拡管による変形後の内面溝の形状が、該内面溝付伝熱管(A)の溝形状となるように、該内面溝付伝熱管(B)の頂点部分に圧力を加えて、該内面溝付伝熱管(B)を拡管及び固着することによって製造される。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜2)
<拡管用の内面溝付伝熱管の作製>
りん脱酸銅製の原管を用いて、転造加工及び空引き抽伸加工にて、管外径が4mmの内面溝付伝熱管(拡管前)を作製した。得られた内面溝付伝熱管(拡管前)の底肉厚は0.26mm、内面フィン高さは0.18mm、内面フィンピッチは0.15mm、内面溝の側面角は10°であった。
<クロスフィンチューブ型熱交換器の製造>
上記で得た該内面溝付伝熱管(拡管前)を、機械拡管により拡管して、アルミニウムフィンに組み付け、表1に示す緒元のクロスフィンチューブ型熱交換器を製造した。
Figure 2010139233
<拡管後の内面溝付伝熱管(拡管後)の管内熱伝達率性能評価>
上記のようにして製造したクロスフィンチューブ型熱交換器から、拡管後の内面溝付伝熱管(拡管後)を抜管した。そして、管端より溝観察用のサンプルを採取した後、長さ500mmに切断し、これを8本繋ぎ合わせて、長さ4000mmとし、図5に示すように、この繋ぎ合わせた管を内管30として、外管31の内側に挿通し、下記に示す条件に制御した二酸化炭素冷媒を該内管30内に流し、環状部32を流れる水と熱交換させ、水及び冷媒の出入口温度及び流量から熱伝達率を求めた。条件としては、伝熱管出口圧力4.07MPa、飽和温度:7.0℃、出口過熱度:3.0℃、入口乾き度0.1、質量冷媒速度:300又は500kg/m・sとした。そして、表2中の比較例1の拡管後の内面溝付伝熱管(拡管後)の熱伝達率を100として、各拡管後の内面溝付伝熱管(拡管後)の熱伝達率を表2に示す。
なお、抜管した該内面溝付伝熱管(拡管後)の形状を表2に示す。W1の平均値、W2の平均値、W3の平均値、tの平均値、hの平均値、pの平均値、dの平均値及びαの平均値については、繋ぎ合せた8本のそれぞれの管について、管周方向の45°ピッチの8箇所で、すなわち、8本×8箇所=64箇所で、W1、W2、W3、t、h、p、d及びαを測定し、その測定値を平均した。W2/W1の平均値、W2/W1の最小値及びW2/W1の最大値については、上記で測定した64箇所のそれぞれのW1及びW2の値を基に、64箇所のそれぞれのW2/W1を算出し、それらの値の平均値をW2/W1の平均値とし、それらの値のうちの最小値をW2/W1の最小値とし、それらの値のうちの最大値をW2/W1の最大値とした。
Figure 2010139233
(実施例6、比較例3)
<拡管用の内面溝付伝熱管の作製>
りん脱酸銅製の原管を用いて、転造加工及び空引き抽伸加工にて、管外径が7mmの内面溝付伝熱管(拡管前)を作製した。得られた内面溝付伝熱管(拡管前)の底肉厚は0.48mm、内面フィン高さは0.20mm、内面フィンピッチは0.30mm、内面溝の側面角は15°であった。
<クロスフィンチューブ型熱交換器の製造>
上記で得た該内面溝付伝熱管(拡管前)を、機械拡管により拡管して、アルミニウムフィンに組み付け、表3に示す緒元のクロスフィンチューブ型熱交換器を製造した。
Figure 2010139233
上記のようにして製造したクロスフィンチューブ型熱交換器から、拡管後の内面溝付伝熱管(拡管後)を抜管した。そして、管端より溝観察用のサンプルを採取した後、長さ250mmに切断し、これを16本繋ぎ合わせて、長さ4000mmとし、図5に示すように、この繋ぎ合わせた管を内管30として、外管31の内側に挿通して、以降は、実施例1〜5及び比較例1〜2と同様に行い、熱伝達率を求めた。そして、表4中の比較例3の拡管後の内面溝付伝熱管(拡管後)の熱伝達率を100として、実施例6の拡管後の内面溝付伝熱管(拡管後)の熱伝達率を表4に示す。
なお、抜管した該内面溝付伝熱管(拡管後)の形状を表4に示す。W1の平均値、W2の平均値、W3の平均値、tの平均値、hの平均値、pの平均値、dの平均値及びαの平均値については、繋ぎ合せた16本から任意に8本を選び、その8本のそれぞれの管について、管周方向の45°ピッチの8箇所で、すなわち、8本×8箇所=64箇所で、W1、W2、W3、t、h、p、d及びαを測定し、その測定値を平均した。W2/W1の平均値、W2/W1の最小値及びW2/W1の最大値については、上記で測定した64箇所のそれぞれのW1及びW2の値を基に、64箇所のそれぞれのW2/W1を算出し、それらの値の平均値をW2/W1の平均値とし、それらの値のうちの最小値をW2/W1の最小値とし、それらの値のうちの最大値をW2/W1の最大値とした。
Figure 2010139233
本発明によれば、熱交換性能に優れる蒸発器を製造することができる。
1 蒸発器用のクロスフィンチューブ型交換器
2 アルミニウムフィン
3 内面溝付伝熱管(A)
4 ヘアピン加工部
5 Uバンド管
11 内面フィン
12 内面溝
13 溝の最も深い部分
15 底肉厚線
16 内面フィンの頂点
17 内面フィン頂点線
21 内面フィンの頂点部分
22 盛り上がり部分
30 抜管した内面溝付伝熱管(拡管後)
31 外管
32 環状部
D 管外径
W1 内面溝の深さ方向の中央部の幅
W2 内面溝の上側最狭部の幅
W3 内面フィン幅
t 底肉厚
d 内面溝深さ
h 内面フィン高さ
α 内面溝側面角
p 内面フィンピッチ

Claims (5)

  1. アルミニウムフィンと、該アルミニウムフィンに組み付けられている内面溝付伝熱管とを有し、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、
    該内面溝付伝熱管の底肉厚をt(mm)、管外径をD(mm)、内面溝の深さ方向の中央部の幅をW1(mm)、内面溝の上側最狭部の幅をW2(mm)、内面溝側面角をα(°)とするとき、下記式(1)、(2)及び(3):
    (1)0.055≦t/Dの平均値≦0.09
    (2)W2/W1の平均値≦1、且つ、W2/W1の最小値≦0.95
    (3)0<αの平均値≦30
    のいずれも満たすことを特徴とする蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器。
  2. 更に、下記式(4):
    (4)W2/W1の平均値≦0.95
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の蒸発器用クロスフィンチューブ型熱交換器。
  3. 更に、下記式(5):
    (5)W2/W1の平均値≧0.1
    を満たすことを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器。
  4. 前記内面溝付伝熱管の管外径Dが3〜16mmであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器。
  5. 前記内面溝付伝熱管の内面フィン高さhの半分の位置における内面フィン幅W3の平均値が0.05〜0.15mmであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器。
JP2009258510A 2008-11-13 2009-11-12 蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器 Pending JP2010139233A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009258510A JP2010139233A (ja) 2008-11-13 2009-11-12 蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008290684 2008-11-13
JP2009258510A JP2010139233A (ja) 2008-11-13 2009-11-12 蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010139233A true JP2010139233A (ja) 2010-06-24

Family

ID=42349507

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009258510A Pending JP2010139233A (ja) 2008-11-13 2009-11-12 蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010139233A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5777890A (en) * 1980-10-30 1982-05-15 Sanyo Electric Co Ltd Heat conducting pipe
JPS60216190A (ja) * 1984-04-10 1985-10-29 Matsushita Seiko Co Ltd 伝熱管とその製造法
JP2006162100A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 高圧冷媒用内面溝付伝熱管

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5777890A (en) * 1980-10-30 1982-05-15 Sanyo Electric Co Ltd Heat conducting pipe
JPS60216190A (ja) * 1984-04-10 1985-10-29 Matsushita Seiko Co Ltd 伝熱管とその製造法
JP2006162100A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 高圧冷媒用内面溝付伝熱管

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5649715B2 (ja) 熱交換器及びこの熱交換器を備えた冷蔵庫、空気調和機
WO2008007694A1 (fr) Échangeur de chaleur de type à ailettes et tubes, et son tube de retour coudé
JP2007271123A (ja) 内面溝付伝熱管
JP2008164245A (ja) 熱交換器
JP2006322661A (ja) 放熱用伝熱管および放熱器
JP4550451B2 (ja) 内面溝付伝熱管及び内面溝付伝熱管を用いた熱交換器
JP2006162100A (ja) 高圧冷媒用内面溝付伝熱管
JP2011075122A (ja) アルミニウム製内面溝付伝熱管
JP2008267791A (ja) 漏洩検知管およびそれを用いた熱交換器
JP2011021844A (ja) 内面溝付伝熱管及び蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器
JP6053693B2 (ja) 空気調和機
JP2009186130A (ja) 内面フィン付放熱器用伝熱管
JP2010019489A (ja) 蒸発器用の内面溝付伝熱管
JP5063765B2 (ja) 熱交換器、熱交換器の製造方法、冷蔵庫、および空気調和機
JP2008267779A (ja) 伝熱管
JP2010139233A (ja) 蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器
JP2003240485A (ja) 内面溝付伝熱管
JP2013096651A (ja) 内面溝付伝熱管及び内面溝付伝熱管を備えた熱交換器及びその製造方法
JP6294709B2 (ja) 蒸発器用内面溝付伝熱管
JP5446163B2 (ja) 熱交換器用溝付き管
JP5476080B2 (ja) アルミニウム製内面溝付伝熱管
JP4948136B2 (ja) 放熱用伝熱管および放熱器
JP2010203670A (ja) 蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器
JP2012052704A (ja) 内面溝付伝熱管及び蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器
JP2018091552A (ja) 内面溝付管

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20120928

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20130815

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130820

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130924

A711 Notification of change in applicant

Effective date: 20131023

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

A02 Decision of refusal

Effective date: 20140326

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02