JP2010138821A - 蓄圧式燃料供給装置及び燃料供給ポンプ - Google Patents

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光之 石田
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Abstract

【課題】加圧室内で発生する応力の振幅が大きくなることを抑えつつ、高圧の燃料を圧送することができる燃料供給ポンプ、及びそのような燃料供給ポンプを備え、従来よりも高いレール圧を実現することができる蓄圧式燃料供給装置を提供する。
【解決手段】燃料を加圧して内燃機関の燃料噴射部が接続されたコモンレールに圧送し、燃料噴射部から内燃機関に燃料を供給する蓄圧式燃料供給装置において、燃料タンク内の燃料を圧送する低圧圧送部と、低圧圧送部から圧送される燃料を加圧してコモンレールに圧送する高圧圧送部と、を備え、高圧圧送部は直列に接続された複数の加圧部を備え、燃料が、複数の加圧部によって段階的に目標圧力まで昇圧されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の蓄圧式燃料供給装置及び燃料供給ポンプに関し、特に、より高圧の燃料を安定的に供給できる蓄圧式燃料供給装置及び燃料供給ポンプに関する。
従来、ディーゼルエンジンをはじめとする内燃機関に燃料を供給する装置として、複数の燃料噴射弁が接続されるとともに高圧の燃料が蓄積されるコモンレールを備えた蓄圧式燃料供給装置(コモンレールシステム)が使用されている。この蓄圧式燃料供給装置は、高圧の燃料が常時各燃料噴射弁に供給され、燃料噴射弁の通電制御を行うことによって、緻密な燃料噴射制御が実現される。
このような蓄圧式燃料供給装置の構成の一例を図5に示す。この蓄圧式燃料供給装置410は、燃料タンク403と、低圧ポンプ411と、高圧ポンプ404と、コモンレール401と、燃料噴射弁406等を主要な要素として構成されており、燃料タンク403内の燃料が低圧ポンプ411によって高圧ポンプ404に送られ、高圧ポンプ404でさらに加圧されて、燃料噴射弁406が接続されたコモンレール401に圧送される(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−329033号 (図1)
ところで、近年、内燃機関から排出される排気ガスの浄化基準が高められてきていることから、内燃機関における燃焼効率を改善するために、蓄圧式燃料供給装置におけるコモンレールの圧力(以下、「レール圧」と称する。)の目標値(以下、「目標レール圧」と称する。)がより高く設定されてきている。
ここで、特許文献1に記載された蓄圧式燃料供給装置をはじめとする従来の蓄圧式燃料供給装置は、高圧ポンプ(燃料供給ポンプ)の加圧室に供給された燃料を一回で目標圧力まで加圧して圧送する構成となっている。このとき、加圧室に流入する燃料は大気圧と同等の圧力になっていることから、目標圧力が高くなるにつれて大気圧と目標圧力との差分が大きくなり、加圧室内で生じる応力の振幅が著しく大きくなる。そのため、加圧室を構成する部材の構成材料のもつ物理特性の限界によって、設定できる目標圧力の最大値が制限されてしまい、目標圧力を従来よりも高く設定することが困難であるという問題がある。したがって、上述したような従来型の燃料供給ポンプを用いて、従来よりも高いレール圧を実現することが困難となっている。
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、蓄圧式燃料供給装置において、直列に接続された複数の加圧部を設け、燃料を複数段階に分けて段階的に加圧して目標圧力まで昇圧するように構成することによりこのような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、加圧室内で発生する応力の振幅が大きくなることを抑えつつ、高圧の燃料を圧送することができる蓄圧式燃料供給装置、及びそのような蓄圧式燃料供給装置に適した燃料供給ポンプを提供することを目的とする。
本発明によれば、燃料を加圧して内燃機関の燃料噴射部が接続されたコモンレールに圧送し、燃料噴射部から内燃機関に燃料を供給する蓄圧式燃料供給装置において、燃料タンク内の燃料を圧送する低圧圧送部と、低圧圧送部から圧送される燃料を加圧してコモンレールに圧送する高圧圧送部と、を備え、高圧圧送部は直列に接続された複数の加圧部を備え、燃料が、複数の加圧部によって段階的に目標圧力まで昇圧されることを特徴とする蓄圧式燃料供給装置が提供され、上述した問題が解決される。
また、本発明の蓄圧式燃料供給装置を構成するにあたり、蓄圧式燃料供給装置は、直列に接続された複数の加圧部の間に蓄圧室を備えることが好ましい。
また、本発明の蓄圧式燃料供給装置を構成するにあたり、加圧部はそれぞれ加圧室と加圧室内の燃料を加圧するためのプランジャとを備え、直列に接続された複数の加圧部のうちの下流側の加圧部に備えられたプランジャの直径が、上流側の加圧部に備えられたプランジャの直径よりも小さいことが好ましい。
また、本発明の蓄圧式燃料供給装置を構成するにあたり、複数の加圧部のうちのいずれかの加圧部での燃料流入時期と、別の加圧部での燃料吐出時期と、を同期させることが好ましい。
また、本発明の蓄圧式燃料供給装置を構成するにあたり、直列に接続された複数の加圧部のうちの少なくとも一つの加圧部が、並列に配置された複数の加圧部を含むことが好ましい。
また、本発明の別の態様は、燃料を加圧して内燃機関の燃料噴射部が接続されたコモンレールに圧送する燃料供給ポンプにおいて、少なくとも燃料供給ポンプに導入される低圧燃料を昇圧してコモンレールに圧送する高圧圧送部を備え、高圧圧送部は、直列に接続された複数の加圧部を備え、燃料が、複数の加圧部によって段階的に目標圧力まで昇圧されることを特徴とする燃料供給ポンプである。
本発明の蓄圧式燃料供給装置は、複数の加圧部で段階的に燃料を加圧して目標圧力まで昇圧させるように構成されているため、それぞれの加圧部で発生する応力の振幅が従来よりも著しく増大することが抑えられる。そのため、加圧部の構成部材の破損のおそれが低減され、コモンレールへの高圧燃料の圧送が安定的に行われる。したがって、加圧部の構成材料の変更や加圧部の設計の大幅な改良を伴わずに、レール圧の更なる高圧化を実現可能な蓄圧式燃料供給装置が提供される。
また、本発明の蓄圧式燃料供給装置において、直列に接続された加圧部の間に蓄圧室が備えられていることにより、燃料の圧力が大幅に低下することなく所定圧力以上に維持されたまま下流側の加圧部に流入しやすくなり、段階的な燃料の加圧が効率的に行われる。
また、本発明の蓄圧式燃料供給装置において、下流側の加圧部のプランジャの直径が上流側の加圧部のプランジャの直径よりも小さいことにより、加圧部に流入する燃料の圧力が大きくなるほどプランジャの直径が小さくされ、各加圧部においてカムに作用する面圧が同程度に抑えられる。
また、本発明の蓄圧式燃料供給装置において、いずれかの加圧部での燃料流入時期と別の加圧部での燃料吐出時期とが同期していることにより、高圧圧送部全体として発生する正のトルクのピーク値が低減される。
また、本発明の蓄圧式燃料供給装置において、複数の加圧部のうちの少なくとも一部の加圧部が、並列に設けられた複数の加圧部を含むことにより、高圧圧送部からの吐出容量の拡大が可能になる。
また、本発明の燃料供給ポンプは、燃料が複数の加圧部で段階的に加圧されて目標圧力まで昇圧される構成であるため、それぞれの加圧部で発生する応力の振幅が比較的小さく抑えられる。したがって、燃料供給ポンプの構成部材の破損のおそれが低減され、コモンレールへの高圧燃料の圧送が安定的に行われる。その結果、燃料供給ポンプの構成材料の変更や加圧部の設計の大幅な改良を伴わずに、レール圧の更なる高圧化を実現可能な燃料供給ポンプが提供される。
以下、図面を参照して、本発明の蓄圧式燃料供給装置及び燃料供給ポンプに関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、かかる実施の形態は本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
1.蓄圧式燃料供給装置の構成の概略
図1は、本発明の実施の形態にかかる蓄圧式燃料供給装置50のシステム構成を概略的に表した図を示している。
この蓄圧式燃料供給装置50は、内燃機関の気筒内に燃料を噴射する複数の燃料噴射弁95と、複数の燃料噴射弁95が接続されたコモンレール93と、燃料タンク91と、燃料タンク91内の燃料を圧送する低圧圧送部3と、低圧圧送部3によって圧送される低圧燃料を加圧してコモンレール93に圧送する高圧圧送部10等を主要な要素として備えている。
この蓄圧式燃料供給装置50では、燃料タンク91内の燃料が低圧圧送部3によって高圧圧送部10に送られるとともに高圧圧送部10で昇圧されてコモンレール93に圧送され、コモンレール93に接続された複数の燃料噴射弁95に対して高圧燃料が供給された状態で、燃料噴射弁95の通電制御が行われ、内燃機関への燃料の噴射が行われる。
このうち、低圧圧送部3は、例えば、高圧圧送部10を駆動するカムシャフト(図示せず。)の端部に連結されたギヤポンプや、通電制御によって燃料が圧送される電動式のポンプが用いられるが、特に制限されるものではない。
また、複数の燃料噴射弁95が接続されたコモンレール93には、圧力調節弁18c及び第2の圧力センサ15bが接続されている。本実施形態の蓄圧式燃料供給装置50の場合、圧力調節弁18cはチェック弁として機能する。したがって、コモンレール93内の圧力が所定の圧力を超えるような場合に、コモンレール93内の燃料の一部が圧力調節弁18cを介して排出され、コモンレール93内の圧力が規定の許容圧力を超えないように保持される。
また、コモンレール93に接続された第2の圧力センサ15bは、後述する第2の加圧部61Bの電磁制御式の燃料吸入弁20bのフィードバック制御に用いられ、このフィードバック制御によってコモンレール93内の圧力が目標レール圧に調節される。
2.高圧圧送部
本実施形態の蓄圧式燃料供給装置50を構成する高圧圧送部10は、直列に接続された第1の加圧部61Aと第2の加圧部61Bとを備えている。各加圧部61A(61B)は、シリンダ12a(12b)とプランジャ13a(13b)とを含んでなり、シリンダ12a(12b)の一部がプランジャ13a(13b)によって画成され、加圧室14a(14b)が形成されている。各プランジャ13a(13b)は、カムシャフトに固定されたカム(図示せず。)の回転に伴いシリンダ12a(12b)内を上下動し、プランジャ13a(13b)の上昇時に、加圧室14a(14b)内の燃料が加圧される。
また、第1の加圧部61Aの上流側にはオーバーフローバルブ18aが備えられている。このオーバーフローバルブ18aは、燃料通路内の圧力が所定の圧力を超えたときに開弁する、いわゆるチェック弁として機能し、低圧圧送部3によって圧送される燃料のうち、余剰の燃料についてはオーバーフローバルブ18aを介して燃料タンク91に戻される。
また、第1の加圧部61Aと第2の加圧部61Bとの間には蓄圧室16が設けられている。この蓄圧室16は、蓄圧室16の上流側の第1の加圧部61Aによって加圧された燃料が、下流側の第2の加圧部61Bに流入する際に、燃料の圧力が著しく低下することがないように設けられている。蓄圧室16の容量は、第2の加圧部61Bの加圧室14bに燃料が流入する際に、蓄圧室16内の圧力が大きく低下して、脈動が大きくなることがない程度に確保されていればよい。この蓄圧室16は、例えば、小容量のコモンレールを用いて構成される。
また、蓄圧室16には第1の圧力センサ15aが設けられており、この第1の圧力センサ15aは、後述する第1の加圧部61Aの電磁制御式の燃料吸入弁20aのフィードバック制御に用いられる。この燃料吸入弁20aのフィードバック制御によって、蓄圧室16内の圧力が目標中間圧力に調節される。
また、蓄圧室16には圧力調節弁18bが接続されている。本実施形態の蓄圧式燃料供給装置50の場合、この圧力調節弁18bもチェック弁として機能する。したがって、蓄圧室16内の圧力が所定の圧力を超えるような場合に、蓄圧室16内の燃料の一部が圧力調節弁18bを介して排出され、蓄圧室16内の圧力が規定の許容圧力を超えないように保持される。本実施形態の蓄圧式燃料供給装置50では、燃料が段階的に加圧されて目標レール圧まで昇圧されるため、蓄圧室16に接続された圧力調節弁18bの開弁圧は、オーバーフローバルブ18aの開弁圧よりも高く、コモンレール93に接続された圧力調節弁18cの開弁圧よりも低くなっている。
図1に示す本実施形態の蓄圧式燃料供給装置50では、圧力調節弁18bを介して排出された燃料は燃料タンク91に戻されるようになっているが、第1の加圧部61Aの上流側に戻されてもよい。
また、各加圧部61A(61B)には、電磁制御式の燃料吸入弁20a(20b)が備えられており、この燃料吸入弁20a(20b)によって、プランジャ13a(13b)の上昇時に各加圧部61A(61B)から吐出する燃料の量が調節される。
このうち、第1の加圧部61Aの燃料吸入弁20aは、蓄圧室16に設けられた第1の圧力センサ15aのセンサ値をもとにフィードバック制御され、蓄圧室16内の圧力が所望の値に調節される。また、第2の加圧部61Bの燃料吸入弁20bは、コモンレール93に設けられた第2の圧力センサ15bのセンサ値をもとにフィードバック制御され、コモンレール93内の圧力が所望の値に調節される。
また、各加圧部61A(61B)には燃料吐出弁22a(22b)が備えられている。第1の加圧部61Aの燃料吐出弁22aは、加圧室14a内の圧力が、燃料吐出弁22aのバネ力による開弁圧と蓄圧室16内の圧力との和を上回ったときに開弁し、第2の加圧部61Bの燃料吐出弁22bは、加圧室14b内の圧力が、燃料吐出弁22bのバネ力による開弁圧とコモンレール93内の圧力との和を上回ったときに開弁する。
なお、図1に示す、二つの加圧部61A、61Bを備えた高圧圧送部10は、単体の燃料供給ポンプとして構成することもでき、あるいは、二つのポンプを接続して構成することもできる。
3.動作
次に、図1に示す蓄圧式燃料供給装置50の動作について説明する。
低圧圧送部3によって燃料タンク91内から吸い上げられ圧送された燃料は、第1の加圧部61Aのプランジャ13aの下降時に、燃料吸入弁20aを介して加圧室14aに流入する。このとき、第1の加圧部61Aの上流側の燃料の圧力が所定の圧力を超えると、オーバーフローバルブ18aを介して一部の燃料が燃料タンク91に戻され、第1の加圧部61Aの上流側の圧力が所定の値に維持される。
第1の加圧部61Aの加圧室14aに燃料が流入すると、今度は、プランジャ13aの上昇に伴い、加圧室14a内の燃料が加圧される。そして、加圧室14a内の圧力が、燃料吐出弁22aのバネ力による開弁圧と蓄圧室16内の圧力との和を超えると、燃料吐出弁22aが開かれ、所定圧力の燃料が蓄圧室16に送られる。このとき、燃料吸入弁20aを閉じるタイミングを制御することによって、加圧室14aから吐出される燃料の量が調節される。
第1の加圧部61Aでは、燃料吸入弁20aが開かれたときに、負圧によって燃料が加圧室14a内に流れ込むことから、第1の加圧部61Aの加圧室14a内で生じる圧力の最大値と最小値との差分は、吸入時の負圧と燃料吐出弁22aの開弁時の燃料圧力との差分に相当する。
蓄圧室16に燃料が送られると蓄圧室16内の圧力は上昇するが、蓄圧室16内の圧力は、蓄圧室16に接続された第1の圧力センサ15aのセンサ値に基づいて燃料吸入弁20aを閉じるタイミングが制御されることによって目標中間圧力に調節されている。この蓄圧室16の目標中間圧力は内燃機関の運転状態に応じて変動する値であり、コモンレール93における目標レール圧よりも低い値である。
ただし、蓄圧室16内の圧力が圧力調節弁18bの開弁圧を超えると圧力調節弁18bが開かれ、燃料の一部が燃料タンク91に戻されるため、蓄圧室16内の圧力が許容圧力を超えないようになっている。
蓄圧室16内の圧力が目標中間圧力に保たれた状態で、今度は、第2の加圧部61Bのプランジャ13bの下降時に燃料吸入弁20bが開かれ、加圧室14bに燃料が流入する。
第2の加圧部61Bの加圧室14bに燃料が流入すると、今度は、プランジャ13bの上昇に伴い、加圧室14b内の燃料が加圧される。そして、加圧室14b内の圧力が、燃料吐出弁22bのバネ力による開弁圧とコモンレール93内の圧力との和を超えると、燃料吐出弁22bが開かれ、所定圧力の燃料がコモンレール93に送られる。このとき、燃料吸入弁20bを閉じるタイミングを制御することによって、加圧室14bから吐出される燃料の量が調節される。
第2の加圧部61Bでは、燃料吸入弁20bが開かれたときに、目標中間圧力から若干低下した圧力の燃料が加圧室14b内に流れ込むことから、第2の加圧部61Bの加圧室14b内で生じる圧力の最大値と最小値との差分は、加圧室14bに流れ込む燃料の圧力と、燃料吐出弁22bの開弁時の燃料圧力及びコモンレール93内の圧力の和との差分に相当する。
コモンレール93に燃料が送られるとコモンレール93内の圧力は上昇するが、コモンレール93内の圧力は、コモンレール93に接続された第2の圧力センサ15bのセンサ値に基づいて燃料吸入弁20bを閉じるタイミングが制御されることによって目標レール圧に調節されている。このコモンレール93の目標レール圧も、内燃機関の運転状態に応じて変動する値である。
そして、目標レール圧の高圧燃料がコモンレール93に接続された燃料噴射弁95に対して供給された状態で、燃料噴射弁95の通電制御が行われ、高圧の燃料が内燃機関に供給される。
このように、本実施形態の蓄圧式燃料供給装置50では、燃料タンク91内の燃料を、複数段階(本実施形態では二段階)に分けて段階的に昇圧してコモンレール93に圧送するようになっているため、各加圧室14a、14b内で生じる圧力の最大値と最小値との差分が小さくなる。したがって、各加圧部61A、61Bで発生する応力の振幅が小さく抑えられ、従来用いられている燃料供給ポンプ(高圧ポンプ)の構成材料を変更したり、燃料供給ポンプの設計を改良したりしない場合であっても、燃料供給ポンプが破損するおそれが低減される。また、その結果、最終的にコモンレール93に対して圧送される燃料の圧力を高くすることができるため、目標レール圧を高く設定することが可能になる。
4.トルクバランス
次に、図1に示される高圧圧送部10に備えられた第1の加圧部61A及び第2の加圧部61Bが同一のカムシャフト上のカムによって駆動される場合に、高圧発生部10全体として発生する正のトルクのピーク値を抑えるための構成について説明する。
図2(a)〜(b)は、高圧発生部10をカムシャフト8の軸方向から見た図を模式的に表したものであり、第1の加圧部61Aと第2の加圧部61Bとがカムシャフト8の両側(上下)に配置された状態を示している。図2(a)は、カム6aによって駆動される第1の加圧部61Aのプランジャ13aが上死点にあり、カム6bによって駆動される第2の加圧部61Bのプランジャ13bが下死点にある状態を示している。また、図2(b)は、カム6aによって駆動される第1の加圧部61Aのプランジャ13aが下死点にあり、カム6bによって駆動される第2の加圧部61Bのプランジャ13bが上死点にある状態を示している。
この高圧圧送部10の例では、第1の加圧部61Aのプランジャ13aの直径(シリンダ12aの内径)r1が、第2の加圧部61Bのプランジャ13bの直径(シリンダ12bの内径)r2よりも大きくなっている。すなわち、第2の加圧部61Bの加圧室14b内の圧力を受けるプランジャ13bの上面の面積が、第1の加圧部61Aの加圧室14aの圧力を受けるプランジャ13aの上面の面積よりも小さくなっている。したがって、加圧室14bに流入する燃料の圧力が、加圧室14aに流入する燃料の圧力よりも大きいにもかかわらず、プランジャ13bからカム6bに対して作用する面圧が、プランジャ13aからカム6aに対して作用する面圧と同程度に抑えられている。
また、この高圧圧送部10の例では、第1の加圧部61Aのプランジャ13aの直径r1が第2の加圧室61Bのプランジャ13bの直径r2よりも大きいことから、第1の加圧部61A及び第2の加圧部61Bにそれぞれ流入し、吐出される燃料の量が同程度になることを考慮して、プランジャ13aのストローク量がプランジャ13bのストローク量よりも小さくなるように構成されている。具体的には、第1の加圧部61A及び第2の加圧部61Bそれぞれにおけるプランジャ13a、13bの軸方向移動によって増減する加圧室14a、14bの容積や、シリンダ12a、12bとプランジャ13a、13bとの間のクリアランスからの燃料リーク量を考慮して、各プランジャ13a、13bのストローク量が設定されている。
図3は、図2(a)〜(b)に示す構成の高圧発生部10を駆動させたときに発生するトルクの状態を示している。図3の横軸はカムシャフトの回転角度であり、縦軸はトルクである。トルクが正のときには、加圧部はプランジャがカムによって押し上げられている状態にあり、トルクが負のときには、加圧部は、プランジャがカム側に付勢され、カムがプランジャによって回される状態にある。
図3中、破線が第1の加圧部61Aで生じるトルクを示し、一点鎖線が第2の加圧部61Bで生じるトルクを示している。また、実線がこれらのトルクの総和、すなわち、高圧発生部10全体で発生するトルクを示している。
第1の加圧部61Aにおいて、カムシャフト8の回転角度が0〜180°の期間は、燃料が加圧され圧送される状態にあり、正のトルクが発生する。また、第1の加圧部61Aにおいて、カムシャフト8の回転角度が180〜360°の期間は、低圧圧送部から圧送される低圧燃料が加圧室14aに流入する状態にあり、加圧室14a内には基本的に負圧が生じていることから、第1の加圧部61Aではプランジャスプリングの付勢力による負のトルクが発生する。
一方、第2の加圧部61Bにおいて、カムシャフト8の回転角度が0〜180°の期間は、蓄圧室16に蓄積された目標中間圧力の燃料が加圧室14bに流入する状態にあり、燃料の圧力による負のトルクが発生する。また、第2の加圧部61Bにおいて、カムシャフト8の回転角度が180〜360°の期間は、燃料が加圧され圧送される状態にあり、正のトルクが発生する。
第2の加圧部61Bに流入する目標中間圧力の燃料の圧力は、第1の加圧部61Aに流入する低圧燃料の圧力よりも大きいために、第2の加圧部61Bで発生する負のトルクが第1の加圧部61Aで発生する負のトルクよりも大きくなっている。一方、第2の加圧部61Bから吐出される燃料の圧力は、第1の加圧部61Aから吐出される燃料の圧力よりも大きいために、第2の加圧部61Bで発生する正のトルクが第1の加圧部61Aで発生する正のトルクよりも大きくなっている。
そして、第1の加圧部61A及び第2の加圧部61Bでそれぞれ発生するトルクの総和を見ると、カムシャフト8の回転角度が0〜180°の期間では、第1の加圧部61Aで発生する正のトルクが第2の加圧部61Bで発生する負のトルクによって打ち消され、全体として比較的小さな負のトルクとなっている。また、カムシャフト8の回転角度が180〜360°の期間では、第2の加圧部61Bで発生する正のトルクの一部が第1の加圧部61Aで発生する負のトルクによって打ち消され、正のトルクのピーク値が抑えられている。
このように、互いの燃料流入時期と燃料吐出時期とを正対させるように、第1の加圧部61A及び第2の加圧部61Bが配置されることによって、一方の加圧部で発生する正のトルクの少なくとも一部が他方の加圧部で発生する負のトルクによって打ち消される。その結果、高圧発生部10全体として発生する正のトルクのピーク値が低減され、高圧発生部10を駆動するための内燃機関の消費馬力が低減されるとともに、ギアの歯打ち音による騒音が低減される。
5.応用例
(1)直列配置される加圧部の数
これまで、図1に基づき、燃料タンク91からコモンレール93までの間に第1の加圧部61A及び第2の加圧部61Bが備えられた高圧発生部10の構成例について説明したが、加圧部の数については特に制限されるものではなく、三つ以上の加圧部が備えられた構成であっても構わない。また、その場合、それぞれの加圧部の間に蓄圧室が備えられるとよい。加圧部の数が多いほど、各加圧部内で生じる圧力の最大値と最小値との差分が小さくなり、各加圧部で発生する応力の振幅が小さくなる。
(2)並列配置
また、コモンレール93に対して供給する高圧燃料の流量を確保したい場合には、図4に示すように、二つの第1の加圧部61Aa、61Ab及び二つの第2の加圧部61Ba、61Bbをそれぞれ並列に設けた高圧圧送部10´とすることができる。このとき、二つの第1の加圧部61Aa、61Abのそれぞれに対して燃料を送り込む低圧圧送部3は、共有のものであってもよいし、個別に備えられてもよい。また、第1の加圧部61Aa、61Abと第2の加圧部61Ba、61Bbとの間に設けられた蓄圧室16は、一つであってもよいし、二つに分けられてもよい。さらに、高圧圧送部10´は、単体の燃料供給ポンプとして構成することもできるし、複数のポンプを接続して構成することもできる。
図4に示す高圧圧送部10´の例においても、すべての加圧部61Aa、61Ab、61Bb、61Bbが、同一のカムシャフト上のカムによって駆動される場合には、全体として発生する正のトルクのピーク値が抑えられるように、各加圧部61Aa、61Ab、61Bb、61Bbを配置することが好ましい。
(3)レール圧制御方法
また、レール圧を制御する手段に関し、図1の蓄圧式燃料供給装置50の例では、コモンレール93及び蓄圧室16にそれぞれ設けられた第1の圧力センサ15a、第2の圧力センサ15bを用いて、各加圧部61A、61Bの燃料吸入弁20a、20bのフィードバック制御が行われているが、燃料吸入弁20a、20bによるフィードバック制御以外の手段でレール圧を制御するようにしてもよい。
例えば、燃料吸入弁20a、20bを機械式の弁とし、各加圧部61A、61Bの上流側に、各加圧室14a、14bに流入する燃料の流量を調節するための流量制御弁を配置して、最終的にコモンレール93に供給される燃料の流入量を調節することにより、レール圧を制御することができる。また、燃料吸入弁20a、20bを機械式の弁とし、蓄圧室16及びコモンレール93に接続される圧力調節弁18b、18cとして電磁制御式の圧力制御弁を使用し、これらの電磁制御式の圧力制御弁を用いて、蓄圧室16やコモンレール93内の圧力を制御することにより、レール圧を制御することができる。言うまでもなく、電磁制御式の燃料吸入弁、電磁制御式の圧力制御弁、流量制御弁のうちのいずれか二つ、あるいはすべてを同時に採用してもよい。
本発明の実施の形態にかかる蓄圧式燃料供給装置の概略構成の一例を示す図である。 複数の加圧部の配置構成について説明するための図である。 高圧発生部を駆動した際に生じるトルクを示すトルク線図である。 各加圧部が並列に設けられた蓄圧式燃料供給装置の概略構成の一例を示す図である。 従来の蓄圧式燃料供給装置の構成を説明するためのシステム図である、
符号の説明
3:低圧圧送部(フィードポンプ)、6a・6b:カム、8:カムシャフト、10・10´:高圧圧送部(燃料供給ポンプ)、12a・12b:シリンダ、13a・13b:プランジャ、14a・14b:加圧室、15a・15b:圧力センサ、16:蓄圧室、18a・18b・18c:圧力調節弁、20a・20b:燃料吸入弁、22a・22b:燃料吐出弁、50:蓄圧式燃料供給装置、61A:第1の加圧部、61B:第2の加圧部、91:燃料タンク、93:コモンレール、95:燃料噴射弁

Claims (6)

  1. 燃料を加圧して内燃機関の燃料噴射部が接続されたコモンレールに圧送し、前記燃料噴射部から前記内燃機関に前記燃料を供給する蓄圧式燃料供給装置において、
    燃料タンク内の前記燃料を圧送する低圧圧送部と、前記低圧圧送部から圧送される前記燃料を加圧して前記コモンレールに圧送する高圧圧送部と、を備え、
    前記高圧圧送部は直列に接続された複数の加圧部を備え、前記燃料が、前記複数の加圧部によって段階的に目標圧力まで昇圧されることを特徴とする蓄圧式燃料供給装置。
  2. 前記直列に接続された複数の加圧部の間に蓄圧室を備えることを特徴とする請求項1に記載の蓄圧式燃料供給装置。
  3. 前記加圧部はそれぞれ加圧室と前記加圧室内の前記燃料を加圧するためのプランジャとを備え、直列に接続された複数の加圧部のうちの下流側の前記加圧部に備えられた前記プランジャの直径が、上流側の前記加圧部に備えられた前記プランジャの直径よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄圧式燃料供給装置。
  4. 前記複数の加圧部のうちのいずれかの前記加圧部での燃料流入時期と、別の前記加圧部での燃料吐出時期と、を同期させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄圧式燃料供給装置。
  5. 前記直列に接続された複数の加圧部のうちの少なくとも一つの加圧部が、並列に配置された複数の加圧部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄圧式燃料供給装置。
  6. 燃料を加圧して内燃機関の燃料噴射部が接続されたコモンレールに圧送する燃料供給ポンプにおいて、
    少なくとも前記燃料供給ポンプに導入される低圧燃料を昇圧して前記コモンレールに圧送する高圧圧送部を備え、
    前記高圧圧送部は、直列に接続された複数の加圧部を備え、前記燃料が、前記複数の加圧部によって段階的に目標圧力まで昇圧されることを特徴とする燃料供給ポンプ。
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