JP2010077911A - 蓄圧式燃料供給装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コスト上昇の抑止と燃費低下の抑止とを両立し得る、産業用機械に用いられる蓄圧式燃料供給装置及びそのような蓄圧式燃料供給装置の制御方法を提供する。
【解決手段】燃料タンク内の燃料を高圧ポンプに供給する低圧ポンプと、燃料を加圧してコモンレールに供給する高圧ポンプと、コモンレールに接続され燃料を内燃機関の気筒に供給する燃料噴射弁と、を備えた蓄圧式燃料供給装置において、高圧ポンプは、燃料を加圧する加圧室と、加圧室への燃料の吸入時に開弁される燃料吸入弁と、加圧室で加圧された燃料の吐出時に開弁される燃料吐出弁と、を備えるとともに、低圧ポンプ及び燃料吸入弁の間の燃料通路に配置され、燃料通路の有効通路面積を、あらかじめ設定された複数段階の通路面積のいずれかに選択可能な可変絞り手段と、可変絞り手段を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄圧式燃料供給装置及びその制御方法に関し、特に、農業用機械や建設機械、船舶等の産業用機械に用いられる内燃機関に用いられる蓄圧式燃料供給装置及びその制御方法に関する。
従来、農業用機械や建設機械、船舶等の産業用機械に用いられる内燃機関では、内燃機関の気筒内に燃料を供給する燃料供給装置として、内燃機関のハウジングに装着される燃料噴射ポンプと、燃料噴射ポンプによって圧送される燃料を噴射する燃料噴射弁とを備えた燃料供給装置が用いられている。この燃料供給装置では、燃料が燃料噴射ポンプで加圧されるとともに吐出され、吐出された燃料の圧力が燃料噴射弁の開弁圧を超えたときに内燃機関の気筒内に高圧燃料が噴射される。
この燃料供給装置において用いられる燃料噴射弁は、燃料の圧力が所定値以上になると開弁される一方、所定値を下回ると閉じられる逆支弁構造の弁であり、内燃機関への燃料噴射量及び噴射タイミングは、主として、燃料噴射ポンプ側で制御されている。
このような燃料供給装置に用いられる燃料噴射ポンプの構成例を図3に示す。この燃料噴射ポンプ300は、ハウジング301内に保持された円筒状のバレル303と、バレル303内を往復動自在に配置されカムの回転に応じて燃料を加圧するためのプランジャ305と、プランジャ305を、燃料を加圧する方向とは反対方向へ付勢するスプリング307と、プランジャ305によって加圧された燃料を吐出するための吐出弁309と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
この燃料噴射ポンプ300では、プランジャ305が下降している状態で、ハウジング301に設けられた燃料通路(図示せず。)を介して燃料溜り313に燃料が送り込まれるとともに、燃料溜り313内の燃料がバレル303に設けられた燃料導入路315を介して加圧室311に導入される。その後、内燃機関に備えられたカム(図示せず。)の回転に伴いプランジャ305が上昇し、燃料導入路315の開口部315aが閉じられて、加圧室311内の燃料が高圧化される。そして、加圧室311内の圧力が所定圧力を超えた場合に、吐出弁309を介して燃料噴射弁に燃料が圧送される。
このような燃料噴射ポンプ300において、高圧燃料の吐出量は、プランジャ305に設けられた、軸方向に対して斜め方向に形成された溝を含むリード317と、当該プランジャ305を軸を中心に回転させるためのラック機構(図示せず。)とを用いて制御されている。具体的には、プランジャ305にリード317が設けられているため、プランジャ305が所定位置まで上昇した場合には、加圧室311と燃料導入路315とがリード317を介して連通され、加圧室311内の燃料が燃料導入路315側にスピルされる。その結果、加圧室311内の圧力が低下して燃料の吐出が終了するため、燃料の吐出量が規定される。
また、リード317がプランジャ305の軸方向に対して斜め方向に設けられているため、プランジャ305の軸回転位置によって、加圧室311内の燃料がスピルされる時点での加圧室311内の容量が規定され、燃料の吐出量が所望の値に制御される。かかるプランジャ305の軸回転位置は、内燃機関に接続されたガバナ機構及びラック機構を制御することにより決定される。また、燃料の噴射タイミングは、例えば、タイマを設け、カムシャフトを進角させてプランジャ305の上昇タイミングの調整を図ることにより制御されている。
このように、従来の産業用機械に備えられる燃料供給装置は、燃料の噴射量や噴射タイミングがポンプの機械的な構成によって制御されるものであり、乗用車や商用車に用いられるような他の燃料供給装置と比較して、機械的でコストが抑えられた構成となっている。
一方、近年、産業用機械の分野においても、排気浄化基準が高まってきていることから、産業用機械の燃料供給装置として、コモンレールを備えた蓄圧式燃料供給装置の採用が検討されている(特許文献2参照)。蓄圧式燃料供給装置であれば、燃料噴射弁に常に高圧の燃料が供給され、燃料噴射弁の通電制御によって内燃機関への燃料噴射タイミングや燃料噴射量が緻密に制御されるため、排気ガスに含まれる有害物質が減少されやすくなる。
ただし、産業用機械の分野においても、乗用車や商用車に用いられる燃料供給装置と同様にコストの低減という課題があることから、特許文献2に記載の蓄圧式燃料供給装置は、従来の産業用機械に用いられる燃料供給装置の構成を大幅に変更する必要がないように考慮されている。例えば、特許文献2に記載の蓄圧式燃料供給装置は、高圧ポンプとして、構成が簡略化されるとともに、従来の燃料噴射ポンプと同様、内燃機関のハウジングに設けられた開口に装着され、内燃機関側に備えられたカムによって駆動される高圧ポンプ(カセット式ポンプ)が採用されている。また、特許文献2に記載の蓄圧式燃料供給装置は、コスト上昇の要因となりうる電子制御部分が増えないように、乗用車等のコモンレールシステムで通常行われている、高圧ポンプの上流側での燃料流量のフィードバック制御が行われない。
特公平7−117017号公報 (図6) 国際公開WO/2007/083726
しかしながら、特許文献2に記載された蓄圧式燃料供給装置は、高圧ポンプの上流側での燃料流量のフィードバック制御が行われないため、燃料噴射弁によってどのような燃料噴射が行われてもコモンレールの圧力が低下しないように、コモンレールへの燃料の圧送量が比較的多く設定されている。換言すれば、特許文献2に記載の蓄圧燃料供給装置は、高圧ポンプによる吐出量が調節されることがないため、燃料噴射弁の要求噴射量が多くコモンレールの圧力が低下しやすい運転状態であっても燃料流量が確保されてコモンレールの圧力を維持できるように、要求噴射量の最大値以上の噴射量に合わせて、高圧ポンプの吐出量が設定されている。それにもかかわらず、時々刻々と変化する燃料噴射弁の要求噴射量がその最大値に設定されることは少なく、圧力制御弁を介して排出される燃料の排出量が多くなりやすい。したがって、コモンレールに圧送された燃料のうち、圧力制御弁を介して排出される燃料の排出量が多くなりやすく、燃費が低下するおそれがある。
一方、乗用車や商用車に用いられる蓄圧式燃料供給装置のように、高圧ポンプの上流側で燃料流量のフィードバック制御を行うように構成すると、当該燃料流量の制御を行う制御装置の構成が複雑になり、蓄圧式燃料供給装置のコストが上昇してしまうおそれがある。
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、産業用機械に用いられる蓄圧式燃料供給装置において、低圧ポンプと高圧ポンプの燃料吸入弁との間の燃料通路に、有効通路面積をあらかじめ設定された複数段階で選択可能な可変絞り手段を備えることにより、このような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、コスト上昇の抑止と燃費低下の抑止とを両立し得る、産業用機械に用いられる蓄圧式燃料供給装置及びそのような蓄圧式燃料供給装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、燃料タンク内の燃料を高圧ポンプに供給する低圧ポンプと、燃料を加圧してコモンレールに供給する高圧ポンプと、コモンレールに接続され燃料を内燃機関の気筒に供給する燃料噴射弁と、を備えた蓄圧式燃料供給装置において、高圧ポンプは、燃料を加圧する加圧室と、加圧室への燃料の吸入時に開弁される燃料吸入弁と、加圧室で加圧された燃料の吐出時に開弁される燃料吐出弁と、を備えるとともに、低圧ポンプ及び燃料吸入弁の間の燃料通路に配置され、燃料通路の有効通路面積を、あらかじめ設定された複数段階の通路面積のいずれかに選択可能な可変絞り手段と、可変絞り手段を制御する制御部と、を備えることを特徴とする蓄圧式燃料供給装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明の別の態様は、燃料タンク内の燃料を、流量を調整しながら高圧ポンプに導入するとともに、高圧ポンプで加圧してコモンレールに送り、コモンレールに接続された燃料噴射弁の開閉制御を行うことによって、内燃機関への燃料の噴射制御を行う蓄圧式燃料供給装置の制御方法において、高圧ポンプの上流側の燃料通路の有効通路面積を、あらかじめ複数段階で設定された通路面積から運転状態に応じて選択することによって、燃料の流量の調整を行うことを特徴とする蓄圧式燃料供給装置の制御方法である。
本発明の蓄圧式燃料供給装置によれば、低圧ポンプと高圧ポンプの燃料吸入弁との間の燃料通路に、オープンループ制御が行われる可変絞り手段が設けられていることにより、燃料流量の制御が著しく複雑化されることなく、高圧ポンプの加圧室への燃料流量が調節される。したがって、従来の産業用機械に用いられる蓄圧式燃料供給装置に比べてコストの著しい上昇が抑えられつつ、燃費の向上が図られる。
本発明の蓄圧式燃料供給装置の制御方法によれば、高圧ポンプの上流側の燃料通路の有効通路面積が、あらかじめ複数段階で設定された中から選択され、燃料の流量がオープンループ制御されることにより、燃料流量の制御が著しく複雑化されることなく、高圧ポンプの加圧室への燃料流量が調節される。したがって、従来の産業用機械に用いられる蓄圧式燃料供給装置に比べてコストの著しい上昇が抑えられつつ、燃費の向上が図られる。
なお、本明細書では、コモンレールを備えていない燃料供給装置に用いられるポンプを「燃料噴射ポンプ」と呼び、蓄圧式燃料供給装置に用いられるポンプを「高圧ポンプ」と呼ぶ。
以下、図面を参照して、本発明の蓄圧式燃料供給装置に関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、かかる実施の形態は本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
1.蓄圧式燃料供給装置の基本的構成
図1は、本発明の実施の形態にかかる蓄圧式燃料供給装置10の概略構成を示している。
この図1に示す蓄圧式燃料供給装置10は、例えば農業用機械や建設機械、船舶等に搭載される産業用内燃機関(図示せず。)に高圧燃料を供給する蓄圧式燃料噴射装置であって、燃料タンク17と、低圧フィードポンプ2と、可変絞り手段としての調量弁50と、高圧ポンプ20と、コモンレール11と、コモンレール11に接続された圧力調整手段13と、インジェクタ15等を主要な構成要素として備えている。また、蓄圧式燃料供給装置10は、内燃機関への燃料の噴射制御を行うための制御部(以下、単に「ECU(Electronic Control Unit)」と称する。)14を備えている。以下、構成要素ごとに詳細に説明する。
2.低圧フィードポンプ
低圧フィードポンプ2は、燃料タンク17内の燃料を、低圧燃料通路を介して高圧ポンプ20に向けて圧送する。本実施形態の蓄圧式燃料供給装置10に備えられた低圧フィードポンプ2は、高圧ポンプ20とは別に備えられた電磁低圧ポンプであって、バッテリーから供給される電流によって駆動され、所定の流量の低圧燃料が圧送される。この低圧フィードポンプ2の燃料吸い込み口にはプレフィルタ(図示せず。)が介在し、燃料タンク17内の燃料に異物が混入している場合に、それらの異物が低圧フィードポンプ2に吸い込まれないように捕集される。また、燃料タンク17と高圧ポンプ20とを接続する低圧燃料通路の途中にはメインフィルタ4が備えられており、このメインフィルタ4によっても燃料中の異物が捕集され、高圧ポンプ20への異物の流入が防がれる。
低圧フィードポンプ2は、燃料タンク17と高圧ポンプ20とを接続する低圧燃料通路の途中に設ける以外に、燃料タンク17内に配置されていてもよい。
3.高圧ポンプ
本実施形態の蓄圧式燃料供給装置10に用いられる高圧ポンプ20は、蓄圧式燃料供給装置10によって燃料が供給される内燃機関のハウジングに設けられた開口部に取付けられて使用される。すなわち、内燃機関には、内燃機関のカムを駆動するクランクシャフトに対してギア等を介して接続されたカムシャフト18が備えられるとともに、カムシャフト18には、内燃機関のハウジングに取付けられる高圧ポンプ20のプランジャの数に対応する数のカム19が固定されている。
本実施形態の蓄圧式燃料供給装置10は、高圧ポンプ20側ではなく内燃機関側にカム19を備える構成であるため、高圧ポンプ20にカムが備えられる場合と比較してカム19のベース径の選択幅が広がり、カムの設計が容易になる。また、カム19のベース径を大きくできることから、高圧ポンプ20を駆動させる際にかかる応力が緩和させられる。さらに、本実施形態の蓄圧式燃料供給装置10では、後述するように、高圧ポンプ20のプランジャ25は、加圧室33に導入された燃料を加圧して吐出させる機能のみが要求されることから、従来の燃料噴射ポンプで採用されていたようなカム山の複雑な設計が省略されている。したがって、燃料流量を増やすために高圧ポンプ20を高速で回転させた場合であっても、カム19の耐久性が向上し、信頼性の向上が図られる。
さらに、高圧ポンプ20を駆動するためのカム19が内燃機関側に備えられていることから、高圧ポンプ20の取付け時に、内燃機関のギア等と高圧ポンプ20を駆動するカム19とを同期させる手間が省略され、取り付け作業が容易になるとともに、高圧ポンプ20の動作安定性の向上が図られる。
図2は、本実施形態の蓄圧式燃料供給装置10に備えられた高圧ポンプ20を、プランジャ25の軸方向に沿って切断した断面を表す図である。
この高圧ポンプ20は、両端が開放された円柱空間21aを有するハウジング21と、当該ハウジング21の円柱空間21aに挿入された実質的に円筒状のバレル23と、当該バレル23によって摺動自在に保持され、内燃機関に備えられたカム(図示せず。)の回転によって燃料を加圧するためのプランジャ25と、当該プランジャ25を、燃料を加圧する方向とは反対方向へ付勢するスプリング27と、加圧室33に燃料を導入する燃料吸入弁28と、加圧された加圧室33内の燃料を吐出するための燃料吐出弁29等を備えている。
この高圧ポンプ20では、内燃機関に備えられたカムの回転に伴いスプリング27の付勢力によってプランジャ25が押し下げられると、加圧室33内の圧力が低下し、燃料吐出弁29がバルブスプリング48の付勢力によって閉じられる一方、燃料吸入弁28の上流側の燃料の圧力と加圧室33内の負圧との和が燃料吸入弁28のバルブスプリング47の付勢力を上回り、燃料吸入弁28が開かれる。すると、低圧フィードポンプによって圧送される燃料が、燃料吸入弁28を介して加圧室33内に流入する。
その後、内燃機関に備えられたカム19の回転に伴いプランジャ25が押し上げられると、加圧室33内の圧力が上昇し、加圧室33内の圧力と燃料吸入弁28のバルブスプリング47の付勢力との和が燃料吸入弁28の上流側の圧力を上回り、燃料吸入弁28が閉じられる一方、加圧室33内の圧力が燃料吐出弁29のバルブスプリング48の付勢力とコモンレールの圧力(以下、「レール圧」と称する。)との和を上回り、燃料吐出弁29が開放され、高圧の燃料がコモンレール11側に圧送される。
本実施形態の蓄圧式燃料供給装置10は、後述するように、主として高圧ポンプ20よりも下流側でレール圧の細かな調節を行うものである。そのため、高圧ポンプ20のプランジャ25には加圧室33に導入された燃料を加圧する役割が要求され、従来の燃料噴射ポンプのように、燃料噴射弁に圧送される高圧燃料の流量制御や圧力調整を行うべく、プランジャにリードが設けられたり、プランジャの回転位置を制御するためのラックやガバナ機構が設けられたりしていない。したがって、高圧燃料のスピル対策を施したり、プランジャのストローク量や噴射タイミングを緻密に制御したりする必要がない。
このような高圧ポンプ20であれば、それぞれの部材の機械的構成が著しく簡素化されるため、機械的強度が向上され、高圧の燃料を圧送する場合であっても磨耗や損傷のおそれが低減される。また、高圧ポンプ20の構成が著しく簡素化されるために、内燃機関の種類、仕様等に限らず高圧ポンプ20が汎用化され、経済的な設計や生産が可能となる。
また、本実施形態の蓄圧式燃料供給装置10に用いられる高圧ポンプ20であれば、従来の蓄圧式燃料供給装置に用いられているような、カム等が備えられた高圧ポンプと比較して搭載スペースが小さく済むため、高圧ポンプ20のレイアウト設計が比較的容易になる。また、高圧ポンプ20を駆動するカム19が内燃機関に備えられており、高圧ポンプ20を容易に脱着できることから、高圧ポンプ20の修理、脱着等のメンテナンス作業の効率化が図られる。
さらに、蓄圧式燃料供給装置に用いられる高圧ポンプとして、駆動用のカムが内燃機関側に設けられ、内燃機関のハウジングの開口に取付られる高圧ポンプ20を採用することにより、カムとプランジャ25、スプリングシート43、タペット45等との接触面やタペット45の摺動面に満たす潤滑油として、内燃機関内に投入されるエンジンオイルが利用されるため、従来の蓄圧式燃料供給装置に使用される高圧ポンプと比較して、潤滑油の管理、メンテナンスが容易になる。また、従来、潤滑油としてエンジン燃料が使用される場合もあったが、エンジンオイルが潤滑油として使用されれば、エンジン燃料の清浄度にかかわらず潤滑性が確保される。そして、それぞれの摺動部や当接部の潤滑性が向上するために、従来よりも高圧の燃料をコモンレールに供給する場合であっても耐久性に優れ、信頼性の高い高圧ポンプ20とすることができる。
4.コモンレール
図1に戻り、コモンレール11は、高圧ポンプ20から圧送されてくる高圧燃料を蓄積するとともに、複数のインジェクタ15に対して、均等な圧力で高圧燃料を供給する。インジェクタ15に対して常に高圧の燃料が供給されていれば、インジェクタ15の開閉タイミングを制御することによって燃料噴射タイミングや燃料噴射量が自由に制御される。このコモンレール11は公知のものを適宜使用することができる。
また、コモンレール11には圧力センサ12が取り付けられており、圧力センサ12のセンサ値はECU14に送られ、後述の圧力調整手段13によるレール圧のフィードバック制御に用いられる。
5.圧力調整手段
圧力調整手段13は、例えば公知の電磁比例制御弁(圧力制御弁)等が用いられ、上述のコモンレール11に備えられた圧力センサ12によって検知された圧力値とレール圧の目標値(以下、「目標レール圧」と称する。)との差分に応じて、ECU14によって弁の開度が設定される。そして、コモンレール11内の高圧燃料の一部が排出されることにより、レール圧が所望の値に調整される。
このような圧力調整手段13を備えることにより、高圧ポンプ20によって圧送される高圧燃料の圧力や燃料流量を細かく制御する必要がなく、高圧ポンプ20は、加圧室33に導入される燃料を加圧して圧送し続けるだけで足りる。したがって、本実施形態の蓄圧式燃料供給装置10に用いられている高圧ポンプ20は、従来の蓄圧式燃料供給装置と比較して、高圧ポンプ20からの圧送量を制御する複雑な電子制御部分が省略されている。また、本実施形態の蓄圧式燃料供給装置10に用いられている高圧ポンプ20は、従来の燃料噴射ポンプと比較して、高圧ポンプ20の構成が著しく簡素化されている。
かかる圧力調整手段13を取り付ける位置に関し、高圧ポンプ20の燃料吐出弁29とインジェクタ15との間であれば特に制限されるものではないが、例えば、コモンレール11の端部位置に取り付けられる。この位置に取り付けることにより、レール圧を直接的に変化させることができ、応答性が向上する。
なお、排出される余剰の燃料は、燃料循環通路を介して、燃料タンク17に還流される。
6.インジェクタ
インジェクタ15は、コモンレール11に接続され、コモンレール11から圧送される高圧燃料を噴射して、内燃機関の気筒内に燃料を供給する。インジェクタ15の構成は特に制限されるものでは無いが、例えば、ニードル弁体が着座する着座面と、この着座面の弁体当接部位よりも下流側に形成される噴射孔とを有するノズルボディを備え、ニードル弁体のリフト時に着座面の上流側から供給される燃料を噴射孔へ導くような構成とすることができる。
上述のインジェクタ15は、スプリング等によってニードル弁体を着座面に向かって常時付勢しておき、ソレノイドの通電、非通電の切り替えによってニードル弁体を着座面から離座又は着座させる電磁弁型とすることができる。この場合、電磁弁の通電のタイミングや通電時間をECU14によって制御することにより、噴射量や噴射タイミングが容易に制御される。より具体的には、内燃機関のインジェクタ15における燃料噴射タイミングは、カムセンサーとインジェクタ15及びECU14の制御とによって、任意に対応させることができる。したがって、エンジン運転時の騒音や、排気ガスに含まれる粒子状物質やNOX(窒素酸化物)等を低減させることができる。
7.調量弁(可変絞り手段)及びオーバーフローバルブ
可変絞り手段としての調量弁50は、低圧フィードポンプ2と高圧ポンプ20とを接続する燃料通路の途中に備えられ、燃料が通過する有効通路面積があらかじめ設定された複数段階で切換えられる弁である。この調量弁自体は、有効通路面積が比例的にあるいは段階的に変化させられる構造の弁であれば特に制限なく使用することができる。ただし、実際に蓄圧式燃料供給装置10が作動する際に、調量弁50の有効通路面積は、ECU14によって、内燃機関の運転状態に応じて複数段階でのみ切換えられるように設定されており、少なくともその有効通路面積がレール圧に基づくフィードバック制御によって変化させられるものではない。
例えば、調量弁50は、内燃機関の負荷状態に応じて、高負荷になるほど調量弁50の有効通路面積が大きくなるように、あらかじめ4段階程度に設定される。すなわち、調量弁50の有効通路面積がフィードバック制御によらず4段階程度で選択されるだけであるため、制御が複雑になることがない。調量弁50の有効通路面積を選択するための条件は、内燃機関の負荷状態以外にも、内燃機関のアクセルペダルの操作量が大きくなるほど調量弁50の有効通路面積が大きくなるようにされてもよいし、高圧ポンプの20の回転数が高くなるほど有効通路面積が小さくなるようにされていてもよい。あるいは、アクセルペダルの操作量及び高圧ポンプ20の回転数それぞれに応じて有効通路面積の大きさを選択することもできる。
また、調量弁50の上流側には、調量弁50と並列に配置されるオーバーフローバルブ51が接続されており、調量弁50によって燃料流量が絞られたときに、調量弁50の上流側で余剰になった燃料がオーバーフローバルブ51を介して燃料タンク17に戻される。
本実施形態の蓄圧式燃料供給装置10に備えられたオーバーフローバルブ51は、調量弁50の上流側の燃料通路の圧力と燃料循環通路の圧力との差圧を利用して構成されたオーバーフローバルブである。調量弁50の上流側の燃料通路の圧力が燃料循環通路の圧力とスプリング51aの付勢力との和よりも小さい状態では、調量弁50の上流側の燃料通路と燃料循環通路とは遮断された状態で保持される。一方、調量弁50の上流側の燃料通路の圧力が上昇し、燃料循環通路の圧力とスプリング51aの付勢力との和を上回ったときに、調量弁50の上流側の燃料通路と燃料循環通路が連通し、燃料の一部が燃料タンク17に戻される。
このように、高圧ポンプ20の加圧室33に導入される燃料の流量を調節する調量弁50が備えられていることにより、コモンレール11に圧送された高圧燃料のうち、圧力調整手段13を介して燃料タンクに戻される高圧燃料の流量が低減され、燃費の向上が図られる。
また、調量弁50が比例的に有効通路面積を変化させるのではなく、あらかじめ複数段階に設定された通路面積の中から有効通路面積が選択されることにより、ECU14における調量弁50の制御ロジックが簡略化される。したがって、ECU14の構成が比較的簡素化され、ECU14を含む蓄圧式燃料供給装置10のコストの上昇が抑えられる。
8.蓄圧式燃料供給装置の動作
これまで説明した本実施形態の蓄圧式燃料供給装置10の動作を、図1及び図2を参照して説明すると以下のとおりとなる。
まず、燃料タンク17内の燃料が、異物を捕集するプレフィルタ(図示せず)を介して、低圧フィードポンプ2によって汲み上げられるとともに、さらにメインフィルタ4を介して、高圧ポンプ20側に送られる。高圧ポンプ20側に送られた燃料は、途中、調量弁50によって、あらかじめ設定された複数段階の有効通路面積の中から内燃機関の負荷状態等に応じて通路面積が選択されることによって、流量が調整される。このとき、調量弁50の上流側では、余剰の燃料がオーバーフローバルブ51を介して燃料タンク17に戻される。
調量弁50を通過した燃料は、内燃機関に備えられたカム19の回転に伴って高圧ポンプ20のプランジャ25が下降する際に、燃料吸入弁28を介して加圧室33に導入される。その後、内燃機関に備えられたカム19の回転に伴いプランジャ25が押し上げられることにより、加圧室33内の燃料が加圧されるとともに、燃料吐出弁29を介してコモンレール11に圧送される。圧送された高圧燃料は、コモンレール11内に蓄積されるとともに、圧力制御弁13によって圧力が調節され、それぞれのインジェクタ15に対して均等な圧力で供給される。この状態でインジェクタ15の噴射孔が開放されることにより燃料が噴射され、内燃機関の気筒内に燃料が供給される。
以上説明したように蓄圧式燃料供給装置及びその制御方法によれば、高圧ポンプの上流側で、あらかじめ設定された複数段階の通路面積の中から、内燃機関の運転状態に応じていずれかの有効通路面積が選択され、高圧ポンプの加圧室に導入される燃料の流量が調節される。したがって、コモンレールに圧送された後にコモンレールから排出される高圧燃料の流量が低減され、燃費の悪化が防止される。また、燃料の流量がフィードバック制御ではなく、オープンループ制御で行われるため、可変絞り手段の制御が比較的簡素化され、蓄圧式燃料供給装置のコストの上昇が抑えられる。
本発明の実施の形態にかかる蓄圧式燃料供給装置の全体構成の一例を示すシステム図である。 高圧ポンプの構成の一例を説明するための断面図である。 従来の燃料噴射ポンプの構成例を説明するための図である。
符号の説明
2:低圧フィードポンプ、4:メインフィルタ、10:蓄圧式燃料供給装置、11:コモンレール、12:圧力センサ、13:圧力調整手段、14:制御装置(ECU)、15:インジェクタ、17:燃料タンク、18:カムシャフト、19:カム、20:高圧ポンプ、21:ハウジング、21a:円柱空間、23:バレル、25:プランジャ、27:スプリング、28:燃料吸入弁、29:燃料吐出弁、33:加圧室、43:スプリングシート、45:タペット、47・48:バルブスプリング、50:調量弁、51:オーバーフローバルブ、51a:スプリング

Claims (2)

  1. 燃料タンク内の燃料を高圧ポンプに供給する低圧ポンプと、前記燃料を加圧してコモンレールに供給する高圧ポンプと、前記コモンレールに接続され前記燃料を内燃機関の気筒に供給する燃料噴射弁と、を備えた蓄圧式燃料供給装置において、
    前記高圧ポンプは、前記燃料を加圧する加圧室と、前記加圧室への前記燃料の吸入時に開弁される燃料吸入弁と、前記加圧室で加圧された前記燃料の吐出時に開弁される燃料吐出弁と、を備えるとともに、
    前記低圧ポンプ及び前記燃料吸入弁の間の燃料通路に配置され、前記燃料通路の有効通路面積を、あらかじめ設定された複数段階の通路面積のいずれかに選択可能な可変絞り手段と、
    前記可変絞り手段を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする蓄圧式燃料供給装置。
  2. 燃料タンク内の燃料を、流量を調整しながら高圧ポンプに導入するとともに、前記高圧ポンプで加圧してコモンレールに送り、前記コモンレールに接続された燃料噴射弁の開閉制御を行うことによって、前記内燃機関への燃料の噴射制御を行う蓄圧式燃料供給装置の制御方法において、
    前記高圧ポンプの上流側の燃料通路の有効通路面積を、あらかじめ複数段階で設定された通路面積から前記運転状態に応じて選択することによって、前記燃料の流量の調整を行うことを特徴とする蓄圧式燃料供給装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102364079A (zh) * 2011-11-21 2012-02-29 哈尔滨工程大学 柴油机多级蓄压分级增压可配置式燃油喷射系统

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