JP2010138730A - エンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】吸入空気のタンブル成分を調整するエンジンにおいて、ノッキングを回避することを課題とする。
【解決手段】エンジン1は、ノッキングを検知するノックセンサ16と、筒内に吸入する空気のタンブル成分を調節するタンブル流制御弁(TCV)10と、排気通路12の排気を吸気通路9に再循環させるEGR通路13、EGRバルブ14と、ECU18とを備え、ECU18は、ノックセンサ16によりノッキングが検知された場合、ノッキングが消失するまで筒内への吸気のタンブル成分を減衰させるように、TCV10の開度を制御するとともに、TCV10の開度に基づいて、EGRバルブ14を制御し、排気再循環量を調整する。
【選択図】図4
【解決手段】エンジン1は、ノッキングを検知するノックセンサ16と、筒内に吸入する空気のタンブル成分を調節するタンブル流制御弁(TCV)10と、排気通路12の排気を吸気通路9に再循環させるEGR通路13、EGRバルブ14と、ECU18とを備え、ECU18は、ノックセンサ16によりノッキングが検知された場合、ノッキングが消失するまで筒内への吸気のタンブル成分を減衰させるように、TCV10の開度を制御するとともに、TCV10の開度に基づいて、EGRバルブ14を制御し、排気再循環量を調整する。
【選択図】図4
Description
本発明は、吸入空気のタンブル成分を調整するエンジンに関し、特に、高負荷時のノッキングを回避するエンジンに関する。
エンジンの燃焼室内へ、スワール流(横旋回流)、タンブル流(縦旋回流)の形成された空気が吸入されて燃焼性の向上が図られている。このようなエンジンでは、スワール流の強さを調整するためのスワールコントロールバルブ(以下、「SCV」と称する。)やタンブル流の強さを調整するためのタンブルコントロールバルブ(以下、「TCV」と称する。)が備えられている。
また、排気通路内の排気ガスの一部を吸気通路内へ再循環させる排気再循環システム、いわゆるEGRシステムでは、燃焼温度を下げ、NOx発生量の低減、ポンピングロス低減による燃費向上が図られている。上記、スワール流、タンブル流の調整による吸入空気の制御と、EGRシステムの制御とは、供に混合気の燃焼性に関与し密接に関係する。このような燃焼性を改善した吸入空気の制御と最適なEGR制御を広い運転領域に渡って同時に実現した発明が特許文献1に開示されている。
ところで、TCVを用いてタンブル流を強化する場合、吸入空気が加熱されるので、燃焼室内の混合気の温度が上昇する。また、仮に、エンジンが高負荷で運転される場合、吸入空気量が増加し、タンブル流が過剰に強化されるため、混合気の着火性が向上する。このような混合気の温度上昇と着火性の向上が相まって、混合気が自然着火することによるノッキングの発生が懸念される。
そこで、本発明は、吸入空気のタンブル成分を調整するエンジンにおいて、ノッキングを回避することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明のエンジンは、ノッキングを検知するノックセンサと、筒内への吸気のタンブル成分を調節するタンブル流制御弁と、排気通路の排気を吸気通路に再循環させる排気再循環手段と、前記ノックセンサによりノッキングが検知された場合、ノッキングが消失するまで筒内への吸気のタンブル成分を減衰させるように、前記タンブル流制御弁の開度を制御する第1制御手段と、前記タンブル流制御弁の開度に基づいて、前記排気再循環手段による排気再循環量を制御する第2制御手段と、を備えたことを特徴とする。
このような構成とすることにより、ノッキングを回避し、ノッキングを回避できる範囲内で、タンブル流を強化することができる。また、ノッキング回避時においても、タンブル流を強化することにより、排気再循環によるEGR限界を拡大し、その効果を利用することができる。
また、このようなエンジンにおいて、前記排気再循環手段により再循環される排気を冷却する冷却部と、前記筒内への吸気の温度を測定する温度測定手段と、を備え、前記第1制御手段は、前記温度測定手段による測定温度が、閾値を超えると判断する場合、吸入空気のタンブル成分比とエンジン冷却水温とに基づいて、タンブル流制御弁の開度を制御する構成とすることができる。
このような構成とすることにより、冷却部におけるデポジット付着による吸気温度上昇を抑制し、ノッキングを回避することができる。また、このような吸気温度上昇を回避するため、従来行われていた点火時期の遅角化の処理では、熱効率が低下していたが、これを行わずにノッキングを回避するため、高い熱効率を維持することができる。なお、このような閾値は、デポジット未付着状態の新品の冷却部へ排気を再循環させた際の測定温度に基づいた値とすることができる。
本発明は、吸入空気のタンブル成分を調整するエンジンにおいて、タンブル流強化による吸入空気の温度上昇を抑制し、ノッキングを回避することができる。また、ノッキングを回避できる範囲内でタンブル成分を強化するため、燃焼性の維持、EGR限界の拡大を行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明のエンジン1の概略構成を示した説明図である。図1(a)は、TCV10を閉じた状態のエンジン1を示し、図1(b)は、TCV10を開いた状態のエンジン1を示している。エンジン1は、ピストン2、シリンダブロック3により形成される燃焼室4内に燃料を噴射する燃料噴射ノズル5を備えている。燃焼室4には、吸気ポート6、排気ポート7が接続されている。吸気ポート6内は、燃焼室4内へ供給される空気が通過する。吸気ポート6内には、吸気バルブ8が開弁可能に配置されている。また、吸気ポート6の上流側に吸気通路9が形成されており、吸気通路9内には、タンブルコントロールバルブ(TCV)10が配置されている。
TCV10は、その開度を変更することにより、吸気通路9内を流通する空気の流れを変更し、筒内への吸気のタンブル成分を調節する。TCV10の開度は連続的に変更可能であり、その開度はECU(Electronic Control Unit)18の指令信号にしたがって制御される。このTCV10が閉弁側に制御された場合(図1(a))、吸気通路9内の空気の流れが偏り、燃焼室4内に吸入された空気のタンブル成分が強化される。一方、TCV10が開弁側に移動した場合(図1(b))、吸気通路9内の空気は、吸気通路9内全体を一様に流れる。このような吸入空気は燃焼室4内に吸入された際に、タンブル成分と逆タンブル成分とが打ち消しあうようにタンブル流を弱める。また、TCV10が最も閉弁側に移動した場合でも、吸気通路9を完全に閉塞することは無く、吸入空気の流路が確保される。
排気ポート7内は燃焼室4内で燃焼した排気が通過する。排気ポート7内には、排気バルブ11が開弁可能に配置されている。また、排気ポート7の下流側には排気通路12が形成されている。また、エンジン1は、排気通路12と吸気通路9を連通するEGR通路13を備えている。EGR通路13は、排気通路12内の排気を吸気通路9へ再循環する。EGR通路13には、排気通路9側からEGRバルブ14、EGRクーラ15が備えられている。EGRバルブ14は、ECU18の指令信号にしたがって、バルブ開度を変更し、EGR通路13内を通過する排気の流量を調節する。EGRクーラ15は、EGR通路13内を通過する排気、すなわち、吸気通路9へ再循環された排気を冷却する冷却器である。
さらに、エンジン1は、ノックセンサ16、吸気温センサ17とを備えている。ノックセンサ16は、シリンダブロック3に取り付けられており、エンジン1のノッキングを検知する。吸気温センサ17は、吸気通路9におけるTCV10の下流側に設置され、筒内への吸気の温度を測定する。ECU18は、ノックセンサ16、吸気温センサ17のそれぞれと電気的に接続されており、エンジン1のノッキング、吸気温度の情報を取得する。また、ECU18は、TCV10、EGRバルブ14のそれぞれと電気的に接続されており、上記のとおり、TCV10、EGRバルブ14のそれぞれへ開閉状態を指令する信号を送信する。このECU18は、ノックセンサ16によりノッキングが検知された場合、ノッキングが消失するまで筒内に吸入する空気のタンブル成分を減衰させるように、TCV10の開度を制御する第1制御手段として機能する。また、ECU18は、TCV10の開度に基づいて、EGRバルブ14の開弁状態を制御し、排気再循環量を制御する第2制御手段として機能する。
次に、ECU18による制御について説明する。図2(a)は、横軸に負荷Pme、縦軸にノッキング検知信号を示し、その関係を示した説明図である。図2(b)は、横軸に負荷Pme、縦軸にTCV開度を示し、その関係を示した説明図である。図2(a)の負荷Pme、図2(b)の負荷Pmeとは同スケールで示されている。図2に示すように、エンジン1では、ノッキングが発生するとTCV10の開度を開弁方向へ変更する。すなわち、タンブル流を低減させる。なお、図2中の実線は本発明のエンジン1について示し、破線は比較例のエンジンについて示している。また、図2中のPknはノッキング発生時の負荷の値を示している。
図3は、ECU18による処理についての制御フローである。ECU18は、ステップS1でTCV10を高タンブルの状態に設定する。すなわち、閉弁方向に制御し、タンブル流を強化する。本発明のエンジン1では、ノッキングが検知されない場合に、タンブル流を強化し燃焼性の向上が図られる。ECU18は、ステップS2でノッキングが発生したか否かを判断する。ECU18は、ステップS2でノッキングの発生を検知すると、ステップS3へ進み、TCV10を開き、低タンブルの状態へ制御し、ノッキングが発生しなくなるまで、TCV10の開度を開弁方向へ制御する。
一方、ECU18は、ステップS2でノッキングが発生していないと判断すると、ステップS4へ進む。ECU18はステップS4で、エンジン1が高負荷か否かを判断する。ECU18は、エンジン1が高負荷であると判断すると、ステップS2の処理へ戻る。ECU18は、エンジン1が高負荷でないと判断すると、ステップS5へ進む。ECU18はステップS5で、TCV10を高タンブルの状態に設定する。すなわち、ECU18は、TCV10を閉弁方向に移動させ、タンブル流を強化する。ECU18は、ステップS5の処理を終えるとリターンする。このような制御処理により、タンブル流の強化を比較例よりも広い負荷領域で行うため、燃費を向上することができる。
次に、エンジン1のEGRガス導入中におけるECU18によるTCV10の制御について説明する。EGRガス導入中にTCV開度を開いてしまうと、タンブル流制御によるEGR限界拡大の効果が薄れてしまう。このため、ECU18は、EGRガス導入中では次のように制御処理する。
図4は、EGRガス導入時におけるECU18の制御フローを示した説明図である。ECU18はステップS11で筒内への吸入空気のタンブル成分比が高いか否かを判断する。ここでは、ECU18はタンブル成分比をTCV10の開度に基づいて算出する。ECU18は筒内吸入空気のタンブル成分比が高いと判断すると、ステップS12へ進む。ECU18はステップS12でEGR導入量を強タンブル用に設定する。すなわち、ECU18は、EGRバルブ14をタンブル成分比に対応した開弁状態に変更し、EGR導入量を増加する。次に、ECU18はステップS13でノッキング発生の有無を判断する。ECU18はノッキングが発生していると判断すると、ステップS14へ進む。ECU18はステップS14で、TCV10を開弁方向へ制御する。また、TCV10の制御に伴い、筒内の吸入空気のタンブル成分比が低下するので、タンブル成分比に応じてEGRバルブ14の開弁状態を変更し、EGR導入量を減少させる。ECU18は、ステップS14の処理を終えると、ステップS13へ戻り、再び、ノッキング発生の有無を判断する。
一方、ECU18は、ステップS13でノッキングが発生していないと判断すると、ステップS15へ進む。ECU18はステップS15で、エンジン1が高負荷で運転されているか否かを判断する。ECU18は、エンジン1が高負荷で運転されていると判断すると、ステップS13へ戻り、再度ノッキングの発生有無を判断する。一方、ECU18は、エンジン1が高負荷で運転されていないと判断すると、ステップS16へ進む。ECU18はステップS16で、TCV10を高タンブルに設定する。すなわち、ECU18は、TCV10を閉弁側に制御し、タンブル流を強化する。
ところで、ECU18はステップS11で、筒内吸入空気のタンブル成分比が高いと判断しない場合、ステップS17へ進む。ECU18はステップS17で、EGR導入量を弱タンブル用に設定する。すなわち、ECU18は、EGRバルブ14をタンブル成分比に対応した開弁状態へ変更し、EGR導入量を減少させる。
このような制御におけるEGR限界、TCV開度と、負荷との関係を説明する。図5(a)は、横軸に負荷Pme、縦軸にEGR限界をし、その関係を示した説明図である。図5(b)は、横軸に負荷Pme、縦軸にTCV開度を示し、その関係を示した説明図である。図5(a)の負荷Pme、図5(b)の負荷Pmeとは同じスケールである。図5中の実線は本発明のエンジン1について示し、破線は比較例のエンジンについて示している。また、図5中のPknはノッキング発生時の負荷の値を示し、図5(a)中のL1は、TCV10全開時のEGR限界値、L2はTCV10を最も閉弁した状態のEGR限界値である。ここで、TCV10を最も閉弁した状態とは、TCV10が最も吸気通路を狭めた状態である。図5に示すとおり、TCV10を閉弁した状態では、EGR限界が拡大する。本実施例においては、EGR導入量をタンブル成分比に応じて変更し、このようなEGR限界の拡大効果を有効に利用する。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例のエンジンは、実施例1のエンジン1と同様の構成をしている。したがって、その構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付して説明する。
EGR装置搭載のエンジンでは、EGR通路に配置されたEGRクーラの性能が低下した場合、再循環される排気の冷却効果が低下することにより、筒内への吸入空気温度が上昇し、ノッキングの発生率が上昇する。本実施例のエンジン1の制御では、EGRクーラの性能低下により吸気温度が上昇することによるノッキングの発生を抑制する。この制御は、ECU18により処理される。
図6は、本実施例においてECU18が行う制御のフローである。ECU18はステップS21で、ノッキングが発生したか否かを判断する。ECU18はノッキングが発生したと判断すると、ステップS22へ進む。ECU18はステップS22で、吸気温度がT1より高温か否かを判断する。ここで、温度T1は、EGR通路13にデポジット未付着状態のEGRクーラ15を装着して排気を再循環させた際の測定温度である。
ECU18は、吸気温度がT1より高温であると判断すると、ステップS23へ進み、EGRバルブ14が開弁しているか否かを判断する。ECU18は、EGRバルブ14が開弁していると判断すると、ステップS24へ進む。このとき、ECU18は、EGRクーラ15内のデポジット付着が原因で吸気温度が上昇し、ノッキングが発生していると判断し、タンブル流を弱めることにより混合気の燃焼性を低下させ、ノッキングの抑制を試みる。ECU18は、ステップS24で、吸入空気のタンブル成分比とエンジン冷却水温とに基づき、予め作成されたマップからTCV10の開度を算出する。このとき、ECU18は、EGR限界を縮小させるように、TCV10を開弁方向へ制御する。ECU18は、ステップS24の処理を終えると、ステップS25へ進み、ノッキングの発生有無を判断する。ここで、ECU18は、ノッキングの発生を判断すると、ステップS22へ戻り、再度、EGRクーラ15内のデポジット付着に起因したノッキングであるか否かを判断することとなる。一方、ECU18はステップS25でノッキングが発生していないと判断すると、処理を終えてリターンする。
また、ECU18は、ステップS21、ステップS22、ステップS23のそれぞれで、NOと判断すると、制御の処理を終えてリターンする。
このような制御により、デポジット付着によりEGRクーラ15の性能が低下し、EGR導入時の吸気温度が上昇する場合であっても、ノッキングを回避することができる。このため、点火時期を遅角化して熱効率を低下する必要が無く、高い熱効率が維持される。
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例のエンジンは、実施例1のエンジン1とほぼ同様の構成をしている。ただし、本実施例のエンジンは、燃焼室4内に燃焼圧センサを備えている点で実施例1のエンジン1と相違する。なお、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付して説明する。本実施例では、ECU18は、TCV10を閉じたことによるポンプ損失による燃費悪化と、EGR限界拡張による燃費ゲインとを比較し、燃費が最良となるように、TCV10を制御する。
図7は、本実施例におけるECU18の制御フローである。図8は、TCV開度と燃費の関係を示した説明図であって、図7中のフローにおいて、TCV開度を算出するのに用いられる。ここで、図8(a)は、ポンプ損失による影響が大きい場合を示し、図8(b)は、ポンプ損失が小さい場合を示した説明図である。
図7のフローにおいて、ECU18はステップS31でエンジン運転条件を確認する。ここでは、吸気通路負圧、排圧、TCV開度、筒内のタンブル成分比に基づいて、エンジン1の運転条件を検出する。また、これ以外のエンジン1の諸元に基づいて、エンジン1の運転条件を検出してもよい。ECU18はステップS31の処理を終えると、ステップS32へ進む。ECU18はステップS32で、予め作成されたマップに基づいて、TCV開度におけるEGR限界を算出する。
ECU18は、次に、ステップS33で、ステップS31の運転条件における開度でTCV10を開き、燃焼圧センサにおいて取得される燃焼圧に基づいて、ポンプ損失変化を算出する。ECU18は、次に、ステップS34で、ステップS33で算出したポンプ損失変化とステップS32で算出したEGR限界変化による燃費ゲインを比較する。
ECU18は、次に、ステップS35で、ステップS34で比較した結果から、TCV10を開弁側に制御した方がTCV10を制御しない状態を維持するよりも燃費が良いか否かを判断する。ECU18は、TCV10を開弁側に制御した方が燃費が良いと判断すると、ステップS36で、EGR量を調節する。ECU18は、次に、ステップS37で、TCV18の開度が全開か否かを判断する。
ECU18は、ステップS37でTCV18の開度が全開と判断すると、ステップS38へ進む。ECU18はステップS38で、図8(a)に示したマップ1を参照して、燃費が最小になるようTCV開度を決定する。ECU18は、ステップS38の処理を終えるとリターンする。一方、ECU18はステップS37でTCV18の開度が全開でないと判断すると、ステップS39へ進む。ECU18はステップS39で、燃費が向上しているか否かを判断する。ECU18はステップS39で、燃費が向上していると判断すると、ステップS33へ戻り、処理を続ける。一方、ECU18はステップS39で燃費が向上していないと判断すると、ステップS40へ進み、図8(b)に示したマップ2を参照して、TCV開度を戻して、EGR量を調節する。ECU18はステップS40の処理を終えると、リターンする。ところで、ECU18はステップS35で、TCV10を開弁側に制御しない方が燃費が良いと判断すると、リターンする。
以上のような制御を行うことにより、エンジン1は、TCV10を閉じたことによるポンプ損失と、EGR限界拡張による燃費ゲインとを比較した最適な燃費状態となるようにTCV10の開度を設定し、燃費を向上する。
次に、本発明の実施例4について説明する。本実施例のエンジンは、実施例1のエンジン1と同様の構成をしている。したがって、その構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付して説明する。本実施例と同一の構成のエンジンでは、TCV10を閉じることにより、筒内へ吸入空気が入りづらくなるため、体積効率が低下し、エンジン性能が低下することが考えられる。そこで、本実施例のエンジン1の制御では、エンジン1の負荷に応じて、TCV10の開度を変更し、空気導入量を調整する。
図9は、横軸に負荷Pme、縦軸にTCV開度を示し、その関係を示した説明図である。図9中のPsはスロットル全開となる負荷の値を示している。また、図9中の実線は本発明のエンジン1について示し、破線は比較例のエンジンについて示している。図9に示すように、本実施例では、スロットル全開時まで、TCV10を閉弁側となるように制御し、負荷がスロットル全開となる状態に到達すると、負荷の増加に応じて、TCV開度を開弁方向へ制御する。
次に、このような制御のフローを説明する。図10は、本実施例における制御のフローである。この制御はECU18により処理される。ECU18はステップS41で、性能要求があるか否かを判断する。ここで、性能要求とは、加速する状態や負荷の大きな運転状態など、アクセル全開で運転をする場合をいう。ECU18は性能要求があると判断する場合、ステップS42へ進む。ECU18はステップS42で、スロットルが全開か否かを判断する。
ECU18は、スロットルが全開であると判断すると、ステップS43へ進み、TCV10が閉弁しているか否かを判断する。ECU18は、TCV10が閉弁していると判断すると、ステップS44へ進む。このとき、ECU18は、TCV10が閉弁状態であることから筒内へ吸入される空気量が低下していると判断する。ECU18は、ステップS44で、TCV10を開弁方向に制御する。ECU18は、ステップS44の処理を終えると、ステップS45へ進み、エンジン1が要求に対する出力を発揮しているか否かを判断する。ECU18はステップS45でエンジン1が要求に対する出力を発揮していると判断するとリターンする。一方、ECU18はステップS45でエンジン1が要求に対する出力を発揮していないと判断すると、ステップS42へ戻り、再度、TCV10の制御を行う。
また、ECU18は、ステップS41、ステップS42、ステップS43のそれぞれで、NOと判断するとリターンする。
このような制御を行うことにより、加速する状態や負荷の大きな運転状態など、アクセル全開で運転をする場合、すなわち、筒内へ吸入する空気を多量に必要とする場合、TCV10を開弁方向に制御し、吸入空気を取り入れ、出力を向上する。また、TCV10を用いることによる体積効率の低下に起因したエンジン1の性能低下を抑制する。
次に、本発明の実施例5について説明する。本実施例のエンジンは、実施例1のエンジン1とほぼ同様の構成をしている。ただし、本実施例のエンジンは、筒内へ吸入される空気を過給する過給機と、過給機により過給された空気を冷却するインタークーラとを備えている点で実施例1のエンジン1と相違する。なお、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付して説明する。
過給機、インタークーラを備えたエンジンでは、インタークーラにおけるデポジット付着のために吸入空気の冷却効果が低下することにより、筒内への吸入空気温度が上昇し、ノッキングの発生率が上昇する。本実施例のエンジン1の制御では、このような吸気温度の上昇によるノッキングの発生を抑制する。
図11は、本実施例におけるノッキング抑制の制御フローである。この制御は、ECU18により処理される。ECU18はステップS51で、ノッキングが発生したか否かを判断する。ECU18はノッキングが発生したと判断すると、ステップS52へ進む。ECU18はステップS52で、吸気温度がT2より高温か否かを判断する。ここで、温度T2は、デポジット未付着状態のインタークーラを装着して過給機を駆動した際の測定温度である。
ECU18は、吸気温度がT2より高温であると判断すると、ステップS53へ進み、過給機が駆動されているか否かを判断する。ECU18は、過給機が駆動されていると判断すると、ステップS54へ進む。このとき、ECU18は、インタークーラ内のデポジット付着が原因で吸気温度が上昇し、ノッキングが発生していると判断し、タンブル流を弱めることにより混合気の燃焼性を低下させ、ノッキングの抑制を試みる。すなわち、ECU18はステップS54で、TCV10の開度を開弁する方向に制御する。ECU18は、ステップS54の処理を終えると、ステップS55へ進み、ノッキングの発生有無を判断する。ここで、ECU18は、ノッキングの発生を判断すると、ステップS52へ戻り、再度、インタークーラ内のデポジット付着に起因したノッキングであるか否かを判断することとなる。一方、ECU18はステップS55でノッキングが発生していないと判断すると、処理を終えてリターンする。
また、ECU18は、ステップS51、ステップS52、ステップS53のそれぞれで、NOと判断すると、制御の処理を終えてリターンする。
このような制御を行うことにより、デポジット付着によりインタークーラの性能が低下し、吸気温度が上昇する場合、TCV10を開き、吸入空気の温度上昇を抑制し、ノッキングを回避する。
次に、本発明の実施例6について説明する。本実施例のエンジンは、実施例1のエンジン1とほぼ同様の構成をしている。ただし、本実施例のエンジンは、エンジンの吸気弁及び排気弁の作動を停止可能な弁停止機構を備えている点で実施例1のエンジン1と相違する。なお、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付して説明する。
弁停止機構、及びTCVを備えるエンジンでは、TCVを閉じた状態では、弁停止機構の効果を最大限引き出せない。そこで、本発明では、低温始動時の弁停止機構の効果を最大限引き出すように、TCV開度を制御する。この制御はECU18により処理される。
図12は、本実施例におけるECU18の制御フローである。ECU18はステップS61で、弁停止機構を用いた低温始動時か否かを判断する。ECU18は、弁停止機構を用いた低温始動時であることを判断すると、ステップS62へ進み、TCV10の開度が全開となっているか否かを判断する。ECU18は、TCV10の開度が全開となっていないと判断すると、ステップS63へ進み、TCV10の開度を全開とする。ECU18はステップS63の処理を終えると、リターンする。ところで、ECU18はステップS61で、弁停止機構を用いた低温始動時でないと判断した場合、または、ステップS62で、TCV10の開度が全開となっている場合には、処理を終えてリターンする。
このような制御により、低温始動時に弁停止機構のメリットを最大限利用できる。冷間圧縮始動が終了するとECU18は、TCV10の開度を閉弁方向へ制御し、タンブル流を強化する。
次に、本発明の実施例7について説明する。本実施例のエンジンは、実施例1のエンジン1と同様の構成をしている。したがって、その構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付して説明する。本実施例では、低温始動時の早期暖機を実現するように、TCV10の開度を制御する。このような制御はECU18により処理される。
図13は、本実施例においてECU18が行う制御のフローである。ECU18はステップS71で、エンジン1の低温始動時か否かを判断する。ECU18は、エンジン1の低温始動時であると判断すると、ステップS72へ進み、TCV10が最も閉弁した状態であるか否かを判断する。最も閉弁した状態とは、TCV10が最も吸気通路を狭めた状態である。このとき、吸気通路9における吸入空気の流路は閉塞されておらず、空気が筒内へ供給されるようになっている。ECU18はTCV10が最も閉弁した状態でないと判断すると、ステップS73へ進み、TCV10の開度を可能な限り閉弁方向に制御する。TCV10を閉弁することにより、筒内への吸入空気を昇温することができる。これにより、吸気ポート6、ピストン2、シリンダブロック3を暖機する。ECU18はステップS73の処理を終えると、ステップS74へ進む。一方、ECU18はステップS72で、TCV10が最も閉弁した状態でないと判断すると、ステップS74へ進む。ECU18はステップS74で、エンジン1の低温始動時か否かを判断する。ECU18は、エンジン1の低温始動時と判断すると、再度、ステップS72へ進み、筒内への吸入空気の昇温を行い、暖機を促進する。一方、ECU18はステップS71、ステップS74で、NOと判断した場合、すなわち、冷間始動が終了していると判断すると、処理を終えてリターンする。
このような制御により、エンジン1が早期に暖機され低温始動時にシリンダ壁面に噴射燃料が付着することが抑制され、燃費悪化を抑制する。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
1 エンジン
9 吸気通路
10 タンブル流制御バルブ(TCV)
12 排気通路
13 EGR通路
14 EGR弁
15 EGRクーラ
16 ノックセンサ
17 吸気温センサ
18 ECU
9 吸気通路
10 タンブル流制御バルブ(TCV)
12 排気通路
13 EGR通路
14 EGR弁
15 EGRクーラ
16 ノックセンサ
17 吸気温センサ
18 ECU
Claims (6)
- ノッキングを検知するノックセンサと、
筒内への吸気のタンブル成分を調節するタンブル流制御弁と、
排気通路の排気を吸気通路に再循環させる排気再循環手段と、
前記ノックセンサによりノッキングが検知された場合、ノッキングが消失するまで筒内への吸気のタンブル成分を減衰させるように、前記タンブル流制御弁の開度を制御する第1制御手段と、
前記タンブル流制御弁の開度に基づいて、前記排気再循環手段による排気再循環量を制御する第2制御手段と、
を備えたことを特徴とするエンジン。 - 請求項1記載のエンジンにおいて、
前記排気再循環手段により再循環された排気を冷却する冷却部と、
前記筒内への吸気の温度を測定する温度測定手段と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記温度測定手段による測定温度が、閾値を超えると判断する場合、吸入空気のタンブル成分比とエンジン冷却水温とに基づいて、タンブル流制御弁の開度を制御することを特徴とするエンジン。 - 請求項1または2記載のエンジンにおいて、
前記第1制御手段は、前記タンブル流制御弁の開度に応じて発生するポンプ損失と、タンブル流の強化とによる燃費への影響を考慮して、燃費増加となるように、前記タンブル流制御弁の開度を制御することを特徴とするエンジン。 - 請求項1乃至3のいずれか一項記載のエンジンにおいて、
筒内へ吸入される空気を過給する過給機と、
当該過給機により過給された空気を冷却するインタークーラと、
前記筒内への吸気の温度を測定する温度測定手段と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記温度測定手段による測定温度が、閾値を超えると判断する場合、前記タンブル流制御弁の開度を開弁方向に制御することを特徴とするエンジン。 - 請求項1乃至4のいずれか一項記載のエンジンにおいて、
エンジンの吸気弁及び/または排気弁の作動を停止可能な弁停止機構を備え、
前記第1制御手段は、エンジンの低温始動時に前記弁停止機構を作動させる場合、前記タンブル流制御弁の開度を開弁方向に制御することを特徴とするエンジン。 - 請求項1乃至5のいずれか一項記載のエンジンにおいて、
前記第1制御手段は、エンジンの冷間始動時に、前記タンブル流制御弁の開度を、吸入空気の流路を閉塞しない最も閉弁した状態に制御することを特徴とするエンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008313742A JP2010138730A (ja) | 2008-12-09 | 2008-12-09 | エンジン |
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JP2008313742A JP2010138730A (ja) | 2008-12-09 | 2008-12-09 | エンジン |
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Family Applications (1)
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JP2008313742A Pending JP2010138730A (ja) | 2008-12-09 | 2008-12-09 | エンジン |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105736190A (zh) * | 2014-12-31 | 2016-07-06 | 通用电气公司 | 用于调整发动机中的排气再循环的系统和方法 |
JP2018168701A (ja) * | 2017-03-29 | 2018-11-01 | 株式会社Subaru | Egr制御装置 |
-
2008
- 2008-12-09 JP JP2008313742A patent/JP2010138730A/ja active Pending
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