JP2010138558A - 施錠機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】錠の内部に折損し残留した鍵の一部を容易に除去できる施錠機構を提供する。
【解決手段】施錠すべき装置本体に取り付ける錠6と該錠6に設けた差込穴から鍵1を差し込む施錠機構において、鍵1の差込部2に鍵1の挿入方向に対して垂直方向に前記錠6の差込穴の表面上端部より所定の距離だけ離れた位置に少なくとも前記表面上端部に係合する部分より強度の低い切り欠き部3を設け、折損した鍵1の錠6の内部に残留した部分に、前記、残留部分を錠6から除去できる程度の長さを確保できるようにした。
【選択図】図2

Description

この発明は、現金自動取引装置などに備えられる引き出し可能な内部ユ二ットに設けられた施錠機構に関する。
従来、この種の現金自動取引装置としては、例えば、金融機関等に設置されるATM(Automatic Tellers Machine)等が知られている。現金自動取引装置などに備えられる引き出し可能な内部ユ二ット、例えばATM等の紙幣入出金機においては、鍵を保有する特定の係員以外が現金の出し入れをできないよう補充回収入出金部に施錠機構が設けられている。
図10において、現金自動取引装置101には、顧客により挿入されるカードの識別、入金/支払い取引内容の印字等を行なう磁気カードリーダライタ/明細プリンタ102、顧客により挿入される通帳の識別、入金/支払い取引内容の印字等を行なう通帳記帳機103、現金自動取引装置101内の各部に電源を供給する電源部104、紙幣の入金や支払い等の処理を行なう紙幣入出金機105、それに後扉106に実装され、係員が装填、補充、回収等の処理を行なうために各取引に応じた項目およびデータを入力する操作キーおよび操作キーからの入力データおよび処理結果等を表示して係員操作を誘導する表示部により構成される係員操作部107が備えられている。
このうち紙幣入出金機105は、スライドレール108上に固定されており、図10に示すように外部に引き出し可能になっている。紙幣入出金機105にはキャスタ109および把手110が取り付けられており、係員が紙幣入出金機105を現金自動取引装置101から引き出す際は把手110に手をかけ引き出しやすい構造になっている。また、紙幣入出金機105の装置後面側には、紙幣入出金機105内に補充する紙幣や紙幣入出金機105から回収した紙幣を収納する補充回収カセット111と、補充回収カセット111内の紙幣を1枚ずつ分離して紙幣入出金機105内に供給したり、紙幣入出金機105の図示しない紙幣収納部から回収した紙幣を積み重ねて集積したりする補充回収入出金部112が具備されている。
図11(a)は、従来の補充回収入出金部を閉じた状態の側面図であり、補充回収入出金部112を図10の矢印方向から見た図である。また、図11(b)は、図11(a)のA、A’方向からみた部分断面図である。図12に示すように補充回収入出金部112の上部筺体112bは、回転支点113を中心に上方へ回転して開く構造となっている。補充回収入出金部112の下部筺体112aは紙幣入出金機105に固定されている。補充回収入出金部112の下部筺体112aにはロックレバー114および錠115が設けられており、このロックレバー114が補充回収入出金部112の上部筺体112bに設けられたロックポスト116に係合することにより、上部筺体112bは下部筺体112aにロックされる。ロックは、錠115の鍵穴117に図示しない鍵120を挿入して回すことにより解除される。錠115にはカム118が取り付けられており、鍵穴117に図13(a)に示す鍵120を挿入して図中時計回り方向に回転させるとカム118も同様に回転する。カム118によってロックレバー114が回転支点119を中心に図中反時計回り方向に回転して、ロックポスト116から外れる。
このように、補充回収入出金部112は、鍵120を保有する者だけが補充回収入出金部112のロックを解除できる機構を設け、鍵120を持たない第三者が補充回収入出金部112内部の現金を取り出すことができないよう、セキュリティの向上を図っている。
上述した従来の施錠機構は、鍵120を保有する係員が補充回収入出金部112の上部筺体112bを閉じた後に鍵120を錠115から抜き忘れた状態で(図13(a))、引き出しの際と同様に紙幣入出金機105の把手110に手をかけ紙幣入出金機105を現金自動取引装置101内に押し戻す操作をすると、紙幣入出金機105の側面に対して突出した鍵が他のユニットや筺体などに衝突し、鍵120の錠115から飛び出した部分が根元から折損して、錠115の中に鍵120の差込部120aだけが残留してしまうことがあった(図13(b))。これを復旧させる場合、施錠機構を破壊しなければならないため紙幣入出金機105ごと交換する必要があり、装置の休止時間が増えるといった問題が発生していた。
これを解決する手段として、図14に示すように鍵121を差込部121aと把持部121bとの二つの部品で構成し、例えば差込部121aを金属、把持部121bを弾性体で形成し、差込部121aの一部121cを把持部121bの内部に包み込む構造とすることにより鍵および筺体の破損防止を図っているものがある(例えば、特許文献1参照)。また、もうひとつの手段として、キーカバーの開閉に連動してユニットから突出、収納されるストッパを設けることにより鍵および筺体の破損防止を図っているものがある(例えば、特許文献2参照)。

実開平5−45171号公報 実開平6−37960号公報
しかしながら、上述した従来の技術においては、鍵の把持部を弾性体とした場合であっても、弾性体で出来た把持部の内部にある差込部の一部に力が作用した場合は、従来と同様に鍵の錠から飛び出した部分が根元から折損して、錠の内部に鍵の先端部分だけが残留してしまう問題がある。また、キーカバーの開閉に連動してユニットから突出、収納されるストッパを設ける場合は、別機構を追加するためコストアップになるという問題がある。
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。すなわち、施錠すべき装置本体に取り付ける錠と該錠に設けた差込穴から鍵を差し込む施錠機構であって、前記鍵には、前記錠の差込穴の表面上端部より所定の距離だけ離れた位置に少なくとも前記表面上端部に係合する部分より強度の低い部分を設けたことを特徴とする。
このようにした本発明は、鍵が錠に差しこまれているとき錠の表面にある鍵の一部に鍵の挿入方向に対して垂直方向の衝撃力を受けた場合に、錠の表面に鍵を錠から除去できる程度の長さだけ差込部の一部を残留した状態で折損するため、施錠機構を破壊することなく折損した鍵の差込部を錠から除去することができる。これにより、紙幣入出金機を交換することなく装置を復旧することができ、装置の休止時間を大幅に短縮できるという効果が得られる。
以下、本発明に係わる実施の形態例を、図面を用いて説明する。図面に共通する要素には同一の符号を付す。
本発明の施錠機構は現金自動取引装置などに備えられる引き出し可能な内部ユニットに設けられるものであり、以下に示す実施例において、施錠機構は現金自動取引装置の紙幣入出金機の補充回収入出金部に設けられた施錠機構として説明する。
図1ないし図3は実施例1における施錠機構の鍵の説明図である。図1に示すように鍵1は錠6への差込部2と把持部5とで構成されている。ここで、図1(a)は鍵1の側面図であり、図1(b)は、上面図である。錠6は内部ユニット側(例えば、図11の下部筺体112a)に図示せぬ固定方法(ナット止め等)により固着されている。さらに、図2(a)に示すように、鍵1の差込部2には、差込部2を錠6へ挿入したとき、錠6の表面に位置する部分に切り欠き部3を設けた。この、切り欠き部3は差込部2の幅方向に、鍵穴7から把持部5までの間であって、挿入方向の長さAの位置に設けられている。図2(b)に示すように、長さAは差込部2が切り欠き部3で折損し錠6の内部に残留した場合に、残留した差込部8を錠6から除去する作業ができる程度の長さであるものとする(例えば、1mmないし2mm程度)。尚、図3に示す鍵9のように、差込部と把持部を―体で形成しても良い。
以上の構成により、実施例1の施錠機構は以下のように動作する。従来装置と同様に係員が補充回収入出金部112の上部筺体112bを閉じた後(図12)、図4(a)に示すように鍵1を錠6から抜き忘れた状態で紙幣入出金機105を現金自動取引装置101内に押し戻す操作をすると、紙幣入出金機105の側面に対して突出した鍵1が他のユニットや筺体などに衝突した際、鍵1の把持部5に鍵1の挿入方向に対して垂直な方向Bの力を受ける。このとき、鍵1の差込部2は、鍵穴7に挿入され、錠6により固定された状態にある。このため、鍵1の差込部2には、鍵穴7の近傍を支点にして、鍵1の差込部2を折り曲げる力が加わるが、本発明の構成としたことにより切り欠き部3に応力が集中し、限界値を越えると鍵1の差込部2は切り欠き部3が設けられた位置で折損する。
以上のように実施例1の施錠装置では、紙幣入出金機を取引装置内に押し戻す操作を行なった際、鍵1の差込部2が折損により錠6の内部に残留した場合でも、差込部2の錠6の内部に残留した部分には、錠6から除去できる程度の長さ、すなわち、残留部分を工具で引き抜くことができる挟み代を設けたため、施錠機構を破壊することなく折損した鍵1の差込部8を錠6から除去することができる。尚、通常の運用においては紛失に備え、予備を含めて2個以上の鍵1を保管していることが多いため、折損した鍵1を除去した後、速やかに予備の鍵1で運用を継続することが可能となる。
次に実施例2について説明する。尚、実施例1と同様の部分は同一の符号を付してその説明を省略する。図5ないし図7は実施例2における施錠機構の鍵の説明図である。実施例1と同様に図5に示すように鍵10は錠15への差込部11と把持部14とで構成されている。さらに、図6(a)に示すように、鍵10の差込部11には、差込部11を錠15へ挿入したとき、錠15の表面に位置する部分に切り欠き部12を設けた。この、切り欠き部12は差込部11の厚み方向に、鍵穴16から把持部14までの間であって、挿入方向の長さAの位置に設けられている。図6(b)に示すように、長さAは差込部11が切り欠き部12で折損し錠15の内部に残留した場合に、残留した差込部11を錠15から除去できる程度の長さであるものとする(例えば、1mmないし2mm程度)。尚、図7に示す鍵18のように、差込部と把持部を―体で形成しても良い。
以上の構成により、実施例2の施錠機構は実施例1と同様に、図4(b)に示すように係員が補充回収入出金部112の上部筺体112bを閉じた後に鍵10を錠15から抜き忘れた状態で紙幣入出金機105を現金自動取引装置101に押し戻す操作をすると、紙幣入出金機105の側面に対して突出した鍵10が他のユニットや筺体などに衝突した際、鍵10の切り欠き部12に応力が集中し、鍵10の差込部11は切り欠き部12が設けられた位置で折損する。
以上のように実施例2の施錠装置では、実施例1と同様に、紙幣入出金機105を現金自動取引装置101内に押し戻す操作を行なった際、鍵10の差込部11が折損により錠15の内部に残留した場合でも、差込部11の錠15の内部に残留した部分には、錠15から除去できる程度の長さが確保されているため、施錠機構を破壊することなく折損した鍵10の差込部17を錠15から除去することができる。
図8は実施例3における施錠機構の説明図で、補充回収入出金部19を閉じた状態の図である。図8に示す補充回収入出金部19には、鍵穴25の前面に固定部材20が設けられている。固定部材20は、ガイド21により鍵穴25の前面方向に脱落しないように支持され、鍵の挿入方向に対して垂直方向にスライド可能な構造となっている。また、固定部材20には、バネ24の一端が取り付けられており、バネ24の他端は、補充回収入出金部19に設けられたポスト23に固定されている。ここで、補充回収入出金部19にはポスト22が設けられており、固定部材20がバネにより引き寄せられる方向にスライド可能な範囲は、ポスト22を設ける位置により定まるものとする。
また、固定部材20には、切り欠き部29が設けられ、切り欠き部29は、固定部材20の下端がポスト22に当接する位置(図8(a))にあるとき、鍵穴25に鍵26を挿入可能な形状となっている(図9)。ここで、固定部材20の厚さDは、鍵穴25から鍵の差込部27の切り欠き部28までの長さA以下であって、固定部材20の端面30が、鍵26に設けた切り欠き部28に近接する厚さとなっている(図9(a))。
本実施例において、鍵は通常の施錠状態では、鍵穴25の向きは、鍵の挿入方向から見て鉛直方向にあり(図8(a))、開錠状態では、鍵26の挿入方向から見て水平方向にあるものとする((図8(c))。
通常の施錠状態では、固定部材20はバネ24により下端がポスト22に当接する位置に付勢されるため、鍵26の挿入は可能であるが、開錠のために鍵26を回転させることができない状態で固定されているものとする(図8(a))。この状態で、鍵26が挿入されたまま、実施例1、2と同様に、紙幣入出金機105を現金自動取引装置101に押し戻す操作を行なった場合、鍵26には図9に示すように、方向Bの力が加わる。また、同時に鍵26には、固定部材20の端面30から方向Bと反対方向Cの力を受ける。これにより、鍵26の切り欠き部28に応力が集中し、鍵26の差込部27は切り欠き部28が設けられた位置で折損する。
また、開錠、施錠操作を行なう際は、図8(b)に示すように、固定部材20をポスト22と反対方向にスライドし、鍵26が回転可能な位置にする。この操作の後、鍵26を開錠状態で放置した場合は、鍵26の差込部27は鍵26の挿入方向から見て水平方向にある状態で、固定部材20により固定される(図8(c))。
以上のように実施例3の施錠装置では、実施例1と同様に、紙幣入出金機105を現金自動取引装置101に押し戻す操作を行なった際、鍵26の差込部27が折損により錠31の内部に残留した場合、固定部材20を設けたことにより、折損の際に錠31の表面にある差込部27の長さAを固定部材20の厚みDの分だけ実施例1の構成とする場合より長く確保することができる。これにより、折損後の鍵26の差込部27の除去が容易となる。さらに、固定部材20をスライドしなければ、鍵26を回転できない構造としたので、開錠状態の位置で鍵26を抜き忘れた際は、鍵26を折り曲げる方向に加わる力が鍵26の板厚方向と直交する方向となるので、この場合は鍵20折損が発生しにくくなるという効果が得られる。
実施例1の施錠機構の鍵の構成図である。 実施例1の施錠機構の錠と鍵の構成図である。 実施例1の施錠機構の鍵の変形例の構成図である。 実施例1および実施例2の施錠機構の動作の説明図である。 実施例2の施錠機構の鍵の構成図である。 実施例2の施錠機構の錠と鍵の構成図である。 実施例2の施錠機構の鍵の変形例の構成図である。 実施例3の施錠機構の固定部材の構成、動作の説明図である。 実施例3の施錠機構の構成、動作の説明図である。 従来の現金自動取引装置の構成図である。 従来の補充回収入出金部の構成図である。 従来の補充回収入出金部の動作の説明図である。 従来の施錠機構の錠と鍵の構成図である。 従来の施錠機構の錠と鍵の構成図である。
符号の説明
1、9、10、18、26 鍵
2、4、8、11、13、17、27 差込部
3、12、28 切り欠き部
5、14 把持部
6、15、31 錠
7、16、25 鍵穴
19 補充回収入出金部
20 固定部材
21 ガイド
22、23 ポスト
24 バネ
29 切り欠き部
30 端面
101 現金自動取引装置
102 磁気カードリーダライタ/明細プリンタ
103 通帳記帳機
104 電源部
105 紙幣入出金機
106 後扉
107 係員操作部
108 スライドレール
109 キャスタ
110 把手
111 補充回収カセット
112 補充回収入出金部
112a 下部筺体
112b 上部筺体
113 回転支点
114 ロックレバー
115 錠
116 ロックポスト
117 鍵穴
118 カム
119 回転支点
120、121 鍵
120a、121a、121c 差込部
121b 把持部

Claims (9)

  1. 施錠すべき装置本体に取り付ける錠と、該錠に設けた差込穴から鍵を差し込む施錠機構であって、
    前記鍵には、前記錠の差込穴の表面上端部より所定の距離だけ離れた位置に少なくとも前記表面上端部に係合する部分より強度の低い部分を設けたことを特徴とする施錠機構。
  2. 装置本体からの引き出しまたは装置本体に収納可能なユニットの引き出し方向に直交する側部に設けた錠と該錠に設けた差込穴から鍵を差込む施錠機構であって、
    前記鍵は、錠の内部に差し込まれる差込部と操作するための把持部により構成され、
    前記差込部は、鍵が錠に差し込まれているとき錠の表面に位置し、鍵の挿入方向に対して垂直方向に設けられた切り欠き部を有し、
    前記切り欠き部は、該切り欠き部で鍵が折損したときに、錠の内部に残留した差込部が、錠から除去できる程度の長さとなる位置に設けられていることを特徴とする施錠機構。
  3. 請求項2に記載の切り欠き部は、鍵の幅方向に設けられていることを特徴とする施錠機構。
  4. 請求項2に記載の切り欠き部は、鍵の厚み方向に設けられていることを特徴とする施錠機構。
  5. 装置本体に対して引き出し可能なユニットの、引き出し方向に直交する側部に鍵挿入部を有する施錠機構において、
    鍵挿入部の周辺に摺動自在に取り付けられ、差込部に切り欠き部を有する鍵の切り欠き部に近接した位置で鍵を固定する固定部材を設けたことを特徴とする施錠機構。
  6. 請求項5に記載の固定部材の厚みは、鍵穴から鍵の差込部の切り欠き部までの長さ以下であって、
    固定部材の端面が、鍵に設けた前記切り欠き部の近接するよう構成されていることを特徴とする施錠機構。
  7. 請求項5に記載の固定部材は、鍵の回転を妨げる位置に弾性体により付勢されていることを特徴とする施錠機構。
  8. 請求項7に記載の鍵の回転を妨げる位置は、鍵の挿入方向と垂直な力が鍵に加わった際、鍵を曲げる方向の力に対して最大の強度となる位置であることを特徴とする施錠機構。
  9. 請求項7に記載の鍵の回転を妨げる位置は、鍵の挿入方向と垂直な力が鍵に加わった際、鍵を曲げる方向の力に対して最小の強度となる位置であることを特徴とする施錠機構。
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