JP2016217042A - キーシリンダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キーシリンダ周辺の他の部材のデザイン自由度の低下を回避することが可能なキーシリンダ装置を提供する。
【解決手段】キーシリンダ装置1は、キープレート13を挿入するキー挿入孔41と、キー挿入孔41と連通するキー差込口を構成する開口部33とを有するキーシリンダ2を備えている。開口部33には、キープレート13が力を受けて曲がる際にキープレート13を当接させ、キープレート13が裂断する力を増大させる当接支点部が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、キーシリンダ装置に係り、特に、車両衝突に対する乗員保護構造を備えたキーシリンダ装置に関する。
車両のイグニッションシリンダに用いられるキーの一例としては、運転中において、イグニッションシリンダに押し込まれたメカニカルキーに対して乗員の身体が衝突した際に、キープレートに加わる負荷を逃がす乗員保護構造を備えたメカニカルキーがある。
この種のメカニカルキーの一例としては、例えば本出願人により先に提案されたジャックナイフキーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上記特許文献1に記載されたジャックナイフキーは、曲げを助長する溝が表裏両面に形成されたキープレートと、キープレートの基端部において厚さ方向に薄く形成された薄肉部と、薄肉部において継ぎ手を介して回動可能に取り付けられたキー筐体とを備えており、キープレートがキー筐体に折り畳み込んで収納可能となっている。
上記構成によると、キーシリンダに押し込まれたジャックナイフキーに乗員の身体が衝突することでキー筐体に過度の負荷がかかった際は、キープレートが溝で曲げられる。キープレートが曲がった後、キープレートの薄肉部の変形によって継ぎ手の係止が維持できなくなり、キープレートがキー筐体から離脱するようになっている。
キーシリンダに押し込まれた状態で残るキープレートは、溝で曲がった状態となるので、キーシリンダからの突出量が少なく抑えられる。ジャックナイフキーが強く乗員の身体に押し付けられる状況にならずに済むので、乗員をジャックナイフキーから保護することが可能になる。
特開2014−145150号公報
上記特許文献1に記載のジャックナイフキーは、キー筐体がキープレートから離脱するまでの位置にキープレートを曲げ変形させる構造であり、キープレートの曲げ変形が終了するまでに必要なストロークが長くなりやすい。その結果、キーシリンダ周辺の空間は、キープレートを曲げるために必要な空間に加えて、キープレートが曲がる空間内の他の周辺部材に干渉しないための余分な空間が必要となる。
メカニカルキーが曲がるための空間を確保するためには、キーシリンダ周辺の空間を拡大しなければならなくなり、キーシリンダ周辺の他の部材がデザインの制約を受けやすい。このため、キーシリンダ周辺の他の部材のデザイン自由度に制約を与えないキーシリンダ装置の出現が望まれる。
従って、本発明の目的は、キーシリンダ周辺の他の部材のデザイン自由度の低下を回避することが可能なキーシリンダ装置を提供することにある。
[1]本発明は、キープレートを挿入するキー挿入孔と、前記キー挿入孔と連通するキー差込口を構成する開口部とを有するキーシリンダを備え、前記開口部には、前記キープレートが力を受けて曲がる際に前記キープレートを当接させ、前記キープレートが裂断する力を増大させる当接支点部が設けられていることを特徴とするキーシリンダ装置にある。
[2]上記[1]記載の発明にあって、前記キープレートは、曲げによる応力集中を助長するノッチ部を有しており、前記当接支点部は、前記キープレートが前記キー挿入孔に挿入された状態において前記ノッチ部の位置よりも外側に設けられていることを特徴とする。
[3]上記[2]記載の発明にあって、前記当接支点部と前記ノッチ部との間の距離が、前記キープレートの先端部と前記ノッチ部との間の距離の1/2よりも小さく設定されていることを特徴とする。
[4]上記[1]から[3]のいずれかに記載の発明にあって、前記キーシリンダは、ロータと、前記ロータを回転可能に収容するロータケースとを備え、前記ロータには、前記キー挿入孔が形成されるとともに、前記ロータケースには、前記開口部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、キーシリンダ周辺の他の部材のデザイン自由度の低下を回避することができる。
本発明に好適な第1の実施の形態に係るキーシリンダ装置を模式的に示す斜視図である。 第1の実施の形態に係るキーシリンダ装置に用いられるメカニカルキーを説明するための斜視模式図である。 第1の実施の形態に係るキーシリンダ装置の内部を説明するための要部断面模式図である。 第1の実施の形態に係るキーシリンダ装置に差し込まれたメカニカルキーに負荷がかけられた際のキープレートの状態遷移の一例を説明するための要部の模式図である。 第2の実施の形態に係るキーシリンダ装置の内部を説明するための要部断面模式図である。 従来のキーシリンダ装置に差し込まれたメカニカルキーに負荷がかけられた際のキープレートの状態遷移の一例を説明するための要部の模式図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、以下の説明においては、キーシリンダのキー挿入口側を前部、キー挿入口の後側を後部といい、キー挿入口を正面からみて上下左右という。
[第1の実施の形態]
(キーシリンダ装置の全体構成)
図1において、全体を示す符号1は、第1の実施の形態における典型的なキーシリンダ装置の一構成例を例示している。このキーシリンダ装置1は、各種の車載機器及びエンジンの状態を切り替えるイグニッションシリンダであり、例えば車両のステアリングポストに装着されるステアリングロック装置のロックボディの内部に配置される。
図示例によるキーシリンダ装置1は、図2に示すメカニカルキー(以下、「キー」という。)11と機械的な認証が可能なキーシリンダ2を備えている。キーシリンダ2は、キー11の回転操作により、前部からみてLOCK(ロック)位置から時計回りに、ACC位置(アクセサリ)、ON位置(オン)、及びSTART(スタート)位置である第1〜第4の位置のいずれかの位置に切り替えられるようになっている。
キーシリンダ2がLOCK位置にある場合は、ステアリングロック装置がロック状態となり、キーシリンダ2がACC位置からSTART位置のいずれかの位置にある場合は、ステアリングロック装置がアンロック状態となる。
キーシリンダ2には、ステアリングロック装置の構成部品であるイグニッションスイッチを操作するカムシャフトが連結される。キーシリンダ2がLOCK位置からACC位置を経てON位置又はSTART位置に回転操作されることで、カムシャフトを介してイグニッションスイッチの接点の接続が切り替えられる。この切り替え操作によるイグニッションスイッチの接続状態に基づいて各種の車載機器及びエンジンの状態が切り替えられる。
(キーシリンダの構成)
キーシリンダ2は、図1及び図3に示すように、キー挿入方向とは反対側の後部が開口する筒状のロータケース3と、ロータケース3の内部に回転可能に収容された円柱状のロータ4とを備えている。ロータケース3に対してロータ4をキー挿入方向とは反対の方向から組み付けており、ロータ4のロータケース3に対する引抜強度が高められている。
ロータケース3は、外周側面から外側に延びる外側フランジ部31と、内周側面の前端縁から内側に延びる内側フランジ部32とを有する円形フランジ状のケース付筒部材からなり、内側フランジ部32には、キー差込口を構成する開口部であるキー操作孔33が形成されている。ロータケース3の構成材料としては、例えば亜鉛ダイキャストなどの金属材あるいはガラス繊維入りポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの樹脂材が用いられる。
ロータケース3は、亜鉛ダイカスト等の金属材料により一体に加工成形された被取付部材である筒状のロックボディの内部にガタつき防止用のパッキン部材6を介して収容固定される。ロータケース3のロックボディ対向面には、パッキン部材6を挿入固定するパッキン挿入部34が突出して形成されている。
ロータケース3の上部外周部には、ロックボディにキーシリンダ2を取り付けるためのストッパピン21がロータ径方向に移動可能に貫通されている。ストッパピン21は、一対の脚部がロータケース3の外周側面に起立して形成された凹状の縦壁部35,35にスナップフィット固定されたストッパカバー22に取り付けられており、一端がロータケース3に固定されたレバー23の弾力によりロックボディ側に付勢されている。
ロータケース3の下部外周部には、キー挿入方向に沿った凹状の支持壁部36,36が形成されており、支持壁部36の間には、ロッキングレバー24が揺動可能に支持されている。ロッキングレバー24は、キー11が差し込まれているか否かを検出するキー挿入検出機能やコラムシャフトの回転操作を可能及び不能とするロックバーやロックストッパ等のロック部材を保持するロック機能等を有している。
ロッキングレバー24には、一対の脚部がロータケース3に固定されたカバープレート25に覆われた状態でコイルばねが取り付けられており、コイルばねのばね力によりロッキングレバー24がロータ4側に付勢されている。カバープレート25の両側一対の脚部に形成された孔25aと、ロータケース3の支持壁部36の左右両側の外面に突出して形成された突部36aとがスナップフィット固定されている。
ロータケース3の内部に回転可能に収容されたロータ4は、キー挿入検出機能と、キー11を機械的に照合するキー照合機能とを有している。ロータ4の内部には、キー11を挿入するキー挿入孔41がロータ回転軸線方向に沿って形成されている。ロータ4の後部には、カムシャフトを係合するための矩形状をなす連結部42が回転軸線上に沿って突設されている。
ロータ4の前部には、キー操作孔33及びキー挿入孔41に連通するキー挿入口を有するフロントカバー43が収容固定されている。ロータ4の外周部には、スライドピース44がキー11の挿脱によりロータ径方向に移動可能に収容されており、ロッキングレバー24の前端に屈曲して形成された屈曲片が、スライドピース44の外面に対向して配置されている。
ロータ4の内部には、径方向に長い板状をなす複数のタンブラ45,…,45と、カムシャフトの回転を阻止するロックピースとが弾力的に出没可能に収容されている。タンブラ45には、キー11のキー溝12と係合するタンブラ孔が形成されており、タンブラ45は、タンブラ孔を介してキー溝12と係合することで、キー11を機械的に照合するキー照合位置となる所定位置に弾性的に保持される。
タンブラ45の突出端部は、キー11がロータ4のキー挿入孔41に差し込まれていない状態においては、ロータ4の外周面から突出しており、この突出端部がロータケース3の内周面に係合することでロータ4の回転が規制されるようになっている。
キー11がロータ4のキー挿入孔41に差し込まれた常態位置では、全てのタンブラ45は、キー11のキー溝12に係合することでロータ4の外周面から内方側へ退避する。これにより、全てのタンブラ45がロータケース3の内周面に干渉することなく、ロータ4が回転操作可能な状態となる。
この種のキーシリンダ2にあっては、キー形状の違いによってタンブラ45の形状や枚数が決定されるものであるから、タンブラ45の形状や枚数に応じてロータ4を変更する必要がある。一方、ロッキングレバー24のキー挿入検出機能及びロック機能は、ロータケース3の形状によって成り立つことから、ロータ4の変更によってロータケース3の形状変更を伴う。そこで、キー形状の違いによりロータ4を変更する場合であっても、ロータケース3を共有化することを可能とした円筒状金属性のスリーブ5が用いられる。
図3において、ロータ4の外周面には、スリーブ5が挿入されており、スリーブ5の外周面は、ロータケース3の内周面に挿入固定されている。キーシリンダ2には、ロータケース3と、ロータ4と、スリーブ5とによって多重筒壁構造が形成されている。
スリーブ5には、キーの形状違いに対応してロータ4の回転を規制する位置が設定される。スリーブ5の外周部には、ロータ回転軸線方向に長い長尺状のタンブラ保持孔が貫通して形成されている。タンブラ保持孔は、キー11の挿入によりタンブラ45の突出端部を離脱させるとともに、キー11の抜取によりタンブラ45の突出端部を係合させる孔を構成している。
変更されるキー形状やタンブラ45の種類や個数等に合わせた大きさ(外径)及び厚さ寸法となるスリーブ5を作製し、変更されるキー形状やタンブラ45の種類や個数等に合わせて適宜の大きさ、位置及び個数を有するタンブラ保持孔が適宜選択使用される。
(キーの構成)
上記のように構成されたキーシリンダ2に用いられるキー11の材質としては、例えば黄銅、洋銀等の銅系合金が用いられる。図2において、キー11のキープレート13の基端部に一体形成された略四角平板状の握り部14の付近には、キープレート13の曲げを助長させるためのノッチ部15が形成されている。このノッチ部15は、車両衝突時等において乗員の身体等によりキー11に曲げの力が作用した際の力を集中させるための部位である。
このキー11のノッチ部15は、例えば先端が鋭角なV字形の切込みや窪み等からなる切欠き15a,15bにより構成されている。この切欠き15a,15bは、キープレート13の表裏両面のそれぞれの面を切り欠いて形成されており、切欠き15aの先端と切欠き15bの先端とが互いに対峙している。
キープレート13の板厚Tは、例えば約3mm程度に設定されており、ノッチ部15の深さWは、通常使用時におけるキープレート13の強度を確保できる深さであればよく、例えば約0.4〜0.5mm程度に設定されている。
このノッチ部15は、キープレート13がキーシリンダ2に挿入された状態でキー操作孔33の前部開口縁部33aの後部に配置される。ノッチ部15を中心としてキー11に過度の曲げ力が加わると、切欠き15aの先端と切欠き15bの先端とが鋭角なV字形状に形成されているため、ノッチ効果により、切欠き15aの先端と切欠き15bの先端との間に形成された残留部15cが曲がる。
(キーシリンダの乗員保護構造)
ここで、図6(a)及び図6(b)を参照すると、これらの図には、従来のキーシリンダ2に差し込まれたキー11に負荷がかけられた際のキープレート13の状態遷移の一例を説明するための要部の模式図が示されている。
図示例による従来のキーシリンダ2は、ロータケース3の構成を除いて、他の構成は上記第1の実施の形態と同様の構成を備えている。従って、これらの図において、上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付すことで、それらの部材に関する詳細な説明は省略する。
ロータ4のキー挿入孔41の前部開口縁部41aは、車両運転中において、キーシリンダ2に差し込まれたキー11に対して乗員の身体等により曲げの力が作用した際に、キープレート13のノッチ部15に引張りや曲げ等の応力による亀裂を起こさせるための支点部であり、キー11の握り部14は、乗員の身体等が押す力点部となる。
キーシリンダ2に差し込まれたキー11に負荷がかけられた際には、ロータ4のキー挿入孔41の前部開口縁部41aを支点部として、キー11が、キーシリンダ2に差し込まれた常態位置からロータケース3側へノッチ部15に沿って曲がる。この曲がりの進行によって、例えばノッチ部15の切欠き15aに引張りや曲げ等の応力F,Mが集中して作用する。この応力F,Mにより、キープレート13の残留部15cを亀裂させるための力が作用することとなり、この曲がりの進捗に伴って加わる亀裂の進行により、キー11が裂断し、握り部14及びキープレート13の一部をキーシリンダ2内に残存するキープレート13から離脱させる。
キーシリンダ2は、キー11の裂断がキープレート13の曲がりの進捗に伴って加わる亀裂によって進行する構造である。その構造上、キー11を裂断するために必要なストロークSが長くなり、キーシリンダ2にキー11を差し込んだ常態位置からキー11を裂断させるまでに必要とする空間が拡がることとなる。このため、キーシリンダ2の周辺に配置されたインストルメントパネル等の他の部材のレイアウトやデザインの自由度を高めることは困難となる。
そこで、上記第1の実施の形態に係るキーシリンダ装置1にあっては、キーシリンダ2に挿入されたキー11に対して過度の負荷が加わった際にキー11の裂断を促進させる機能を有する乗員保護構造がロータケース3に備えられている。
このロータケース3の内側フランジ部32に形成されたキー操作孔33は、図3〜図4(b)に示すように、ロータ4のキー挿入孔41と連通するキー差込口を構成する開口部であり、この開口部が乗員保護構造として機能することに主要な特徴部を有している。
このロータケース3のキー操作孔33の前部開口縁部33aは、キーシリンダ2に差し込まれたキー11に対して乗員の身体等により曲げの力が作用した際に曲げられるキープレート13を当接させるための当接支点部となる。この当接支点部は、テコの原理を利用してキープレート13のノッチ部15に作用する応力による亀裂を促進させるための支点となる部位であり、ロータケース3のキー操作孔33の前部開口縁部33aが当接支点部として構成されている。
このロータケース3の前部開口縁部33aは、キーシリンダ2にキー11を差し込んだ常態位置にあるときのキープレート13のノッチ部15の位置よりも外側にあって、キープレート13が曲がることでノッチ部15に亀裂が入る過程で、キープレート13を当接させることが可能となる位置に配置されている。
ロータケース3のキー操作孔33の前部開口縁部33aとキープレート13のノッチ部15との間の距離を短くすることで、テコの原理によりロータケース3の前部開口縁部33aを当接支点部として、キープレート13が裂けて分離するための力を増大させることができる。
ロータケース3の前部開口縁部33a及びキープレート13のノッチ部15の間の距離Lとしては、キープレート13がノッチ部15を起点として曲がることでノッチ部15に亀裂が入る過程において、ロータケース3の前部開口縁部33aにキープレート13を当接させる距離に設定することが好適である。これにより、キープレート13のノッチ部15の切欠き15a,15bの間に形成された残留部15cの割れを早めることが可能となる。
ここで、テコの原理とは、図4(a)、(b)に示すように、ノッチ部15に作用する曲げモーメントMが、f・Lからf・L(L−L)/Lに拡大されることをいう。この式から、f・L<f・L(L−L)/Lを満たす条件として、L<L/2となる。すなわち、ロータケース3の前部開口縁部33a及びキープレート13のノッチ部15の間の距離Lは、握り部14の先端部14aからノッチ部15の間の距離Lの1/2より小さく設定することが肝要である。なお、握り部14の先端部14aよりもキープレート13側に力が作用する場合には力の作用する力点は上記Lより小さな値となるので、これを考慮してL及びLを設定するのが好ましい。
上記の作用によるテコの原理を利用して、握り部14及びキープレート13の一部をノッチ部15から裂断してキーシリンダ2内に残存するキープレート13から離脱させることができる。
ロータケース3の前部開口縁部33aをテコの原理による当接支点部として構成する場合は、キープレート13のノッチ部15に作用する応力を、ロータ4のキー挿入孔41に支点部を設ける場合よりも大きくすることができる。その結果、キープレート13の切欠き15a,15bの間に形成された残留部15cの亀裂を促進させることができるようになり、キープレート13が裂断するタイミングを促進することが可能となる。
(キーシリンダの乗員保護構造の作用)
ここで、図4(a)及び図4(b)を参照しながら、上記のように構成されたキーシリンダ2の乗員保護構造の作用について説明する。これらの図には、キーシリンダ2に差し込まれたキー11に負荷がかけられた際のキープレート13の状態遷移の一例を説明するための要部の模式図が示されている。
図4(a)及び図4(b)において、キーシリンダ2に差し込まれたキー11に対して乗員の身体が衝突した際には、ロータ4のキー挿入孔41の前部開口縁部41aを支点部として、キープレート13がキーシリンダ2に差し込まれた常態位置からロータケース3側に向けてノッチ部15に沿って曲がる。
キープレート13の曲がりの過程で、キープレート13のノッチ部15の切欠き15aに引張りや曲げ等による応力F,Mが集中して作用する。この応力F,Mにより、キープレート13の残留部15cに応力による亀裂が発生する。
この残留部15cに亀裂が入る過程で、キープレート13がロータケース3の前部開口縁部33aに当接する。この当接により、キープレート13を曲げるための支点部がロータ4のキー挿入孔41側からロータケース3のキー操作孔33側へ移動することとなる。
この当接は、キープレート13の残留部15cの亀裂を進行させるためのきっかけとなる。前述したテコの原理により、ロータケース3の前部開口縁部33aを当接支点部として、キープレート13のノッチ部15に与える引張りや曲げ等による応力を増大させる。この応力により、キープレート13の残留部15cの亀裂が促進され、キープレート13が裂断し、握り部14及びキープレート13の一部がキーシリンダ2内に残存するキープレート13から離脱することとなる。
(第1の実施の形態の効果)
以上のように構成されたキーシリンダ装置1によれば、上記効果に加えて以下の効果が得られる。
車両運転中においてキーシリンダ2に差し込まれたキー11に乗員の身体が衝突した際にキープレート13と握り部14とが離脱するための簡易な構造をもって、道路運送車両の保安基準、装置型式指定規則や道路運送車両の保安基準の細目を定める公示等の内突法規に対応することができる。
図4(b)及び図6(b)から分かるように、キー11の裂断がキープレート13の曲がりの進捗に伴って加わる亀裂によって進行する場合と比較して、キープレート13を曲げるために必要なストロークSを短縮することが可能となる。キープレート13が曲がる際に他の周辺部材に干渉しないための余分な空間を必要としないので、キーシリンダ周辺の他の部材のレイアウトの自由度を高めることができる。
キー11の強度が低下しやすい深さを有するノッチ部をキープレート13に形成する必要がなくなり、過度の負荷がキー11に加わった際の乗員保護と通常使用時におけるキープレート13の強度確保とを両立させることが可能となる。
[第2の実施の形態]
図5を参照すると、同図には、第2の実施の形態に係るキーシリンダ装置1の内部が模式的に示されている。
この第2の実施の形態では、ロータケース3の構成を除いて、他の構成は上記第1の実施の形態と同様の構成を備えている。従って、上記第1の実施の形態で用いた部材符号と同じ部材符号を用いることで、その部材に関する詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と異なるところは、キープレート13を曲げるための当接部をロータケース3と別体に形成した点にある。
ロータケース3のキー操作孔33の前面には、ロータ4の回転軸線方向に突出した円環状の肉盛り部37が固着されている。肉盛り部37の固着には、例えば接着又は溶着等の各種の固着手段を用いることができる。肉盛り部37の中央には、ロータケース3のキー操作孔33と連通するキー操作孔38が形成されている。このキー操作孔38は、ロータ4のキー挿入孔41と連通するキー差込口を構成する開口部となる。
この肉盛り部37は、キーシリンダ2に差し込まれたキー11に対して乗員の身体が衝突した際に曲げられるキープレート13を当接させるための当接支点部となり、キープレート13が裂けて分離するのを促進させるための裂断促進部として構成されている。この当接支点部は、テコの原理を利用してキープレート13のノッチ部15に作用する応力による亀裂を促進させるための支点となる部位であり、肉盛り部37のキー操作孔38の前部開口縁部38aが当接支点部として構成されている。
(第2の実施の形態の効果)
この第2の実施の形態に係るキーシリンダ装置1によれば、上記第1の実施の形態に係るキーシリンダ装置1と同様の効果に加えて、以下の効果が得られる。
内突試験において、ロータケース3の形状や構造等を変えることなく、肉盛り部37の厚さを適宜選択することができるようになり、キー11が裂断するまでのストロークSのデータを適切にかつ効率よく管理することが可能となる。
[変形例]
上記図示例では、キープレート13を当接させるための当接支点部となるロータケース3のキー操作孔33が円形の開口部として構成されていたが、これに限定されるものではない。開口部の前部開口縁部の断面形状としては、テコの原理でキープレート13のノッチ部15を裂断することができる構成であればよく、例えば直線形状や曲線形状等を採用することができる。
上記第1及び第2の実施の形態では、ロータケース3を当接支点部とする構成例を例示したが、これに限定されるものではない。テコの原理により、キープレート13のノッチ部15を裂断することができる構成であれば、例えばロータ4におけるフロントカバー43のキー挿入口を当接支点部とする構成であっても構わない。この構成では、例えばロータケース3の前面がフロントカバー43の前面と同一面上に配されることとなる。
なお、本発明におけるキーシリンダ装置1の代表的な構成例では、自動車に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば建設機械や農業機械などの各種の車両に効果的に適用することができることは勿論である。
以上の説明からも明らかなように、本発明に係る代表的な実施の形態、変形例、及び図示例は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。従って、上記実施の形態、変形例、及び図示例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1…キーシリンダ装置、2…キーシリンダ、3…ロータケース、4…ロータ、5…スリーブ、6…パッキン部材、11…メカニカルキー、12…キー溝、13…キープレート、14…握り部、14a…先端部、15…ノッチ部、15a,15b…切欠き、15c…残留部、21…ストッパピン、22…ストッパカバー、23…レバー、24…ロッキングレバー、25…カバープレート、25a…孔、31…外側フランジ部、32…内側フランジ部、33,38…キー操作孔、33a,38a,41a…前部開口縁部、34…パッキン挿入部、35…縦壁部、36…支持壁部、36a…突部、37…肉盛り部、41…キー挿入孔、42…連結部、43…フロントカバー、44…スライドピース、45…タンブラ、F,F,M,M…応力、L,L…距離、S,S…ストローク

Claims (4)

  1. キープレートを挿入するキー挿入孔と、前記キー挿入孔と連通するキー差込口を構成する開口部とを有するキーシリンダを備え、
    前記開口部には、前記キープレートが力を受けて曲がる際に前記キープレートを当接させ、前記キープレートが裂断する力を増大させる当接支点部が設けられていることを特徴とするキーシリンダ装置。
  2. 前記キープレートは、曲げによる応力集中を助長するノッチ部を有しており、
    前記当接支点部は、前記キープレートが前記キー挿入孔に挿入された状態において前記ノッチ部の位置よりも外側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキーシリンダ装置。
  3. 前記当接支点部と前記ノッチ部との間の距離が、前記キープレートの先端部と前記ノッチ部との間の距離の1/2よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項2に記載のキーシリンダ装置。
  4. 前記キーシリンダは、ロータと、前記ロータを回転可能に収容するロータケースとを備え、
    前記ロータには、前記キー挿入孔が形成されるとともに、前記ロータケースには、前記開口部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のキーシリンダ装置。
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