JP5587069B2 - ステアリングロック装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアリングロック装置に係り、特に、メカニカル・キーを有しない電子キーを用いて機械的にステアリングロックを行う際に好適に利用できるステアリングロック装置に関する。
従来のステアリングロック装置において、機械照合用のメカニカル・キーを有さず電子的にID照合を行なうフォブ型の電子キーを用いる場合、電動モータ等の電気的に発生した力を利用してステアリング・シャフトの凹部にロックバーが抜き差しされることにより、電気的なステアリングロック機構を実現させていた(特許文献1を参照)。
特開2009−35163号公報
しかし、従来のステアリングロック装置において電子照合のみに対応する上記の電子キーを用いる場合、電子キーにメカニカル・キーが用いられていないため、機械的なステアリングロック機構を実現することが困難であった。
また、欧州法規(ECE.Reg18.02 5.9.2「無断使用防止装置」)に対応するため、ロックバーがステアリング・シャフトの動きを制限する動作を行わせる場合には電子キーを含むイグニッション・キーをキーシリンダから規定距離(2mm)以上引き抜かなければそのロックバーを動作させることができないといった法的規制もある。
従って、本発明の目的は、メカニカル・キーを有しない電子キーを用いて機械的なステアリングロック機構を実現することができるステアリングロック装置を提供する。
[1]本発明は上記目的を達成するため、電子照合に用いるIDコードを有するフォブ型の電子キーと、前記電子キーが挿入されるキーシリンダを有していると共に、前記キーシリンダに挿入された前記電子キーになされる回転操作に応じて回動するロータと、前記電子キーのIDコードを電子照合して所望の照合結果が得られた場合のみ前記ロータの回動を許可する電子照合機と、ステアリング・シャフトに係合して前記ステアリング・シャフトの回転を制限する制限部材と、前記ロータの回動に連動すると共に、前記電子キーの抜差動作が行われる初期位置からロック解除位置まで回転操作されたときに前記制限部材を前記ステアリング・シャフトの回動制限が解除される所定位置まで移動させるように形成されている制限解除カムと、前記制限解除カムによって前記所定位置まで移動した前記制限部材を前記所定位置において固定する固定部材と、前記電子キーが前記ロック解除位置から前記初期位置まで回転操作された後に前記キー挿入方向と反対方向において前記電子キーが前記ロータのキーシリンダから規定距離だけ抜き取られた場合に、前記固定部材が前記制限部材に対して行っている固定を解除する解除部材と、前記固定部材の一端に設けられたフック部に対して前記キー挿入方向の直交方向の外側に付勢する弾性部材を備えており、前記制限部材は、前記キー挿入方向の反対方向に移動するロックバーであり、前記固定部材は、前記制限部材若しくは前記ロータ又はそれらのいずれか一方に連動する連動要素に形成された係合部に係合するフック部をその一端に有するロッキングレバーであり、前記ロータと前記制限部材との間においてその長手方向が前記キー挿入方向と平行、かつ、その前記一端に設けられた前記フック部が前記制限部材側に向くように配置されていると共に、そのフック部が係合可能な状態において前記キー挿入方向の反対方向に移動する前記制限部材若しくはその前記連動要素に設けられた前記係合部に係合するように形成されており、前記解除部材は、前記電子キーの抜差動作に基づき前記固定部材にレバー操作を行って前記固定部材のフック部から前記係合部を取り除くことにより、前記固定部材による固定である係合を解除するスライドピースであり、前記ロータにおいて前記キー挿入方向の直交方向に貫通した部品配置孔に配置されることにより前記電子キーの抜差動作に応じて前記直交方向の外側若しくは内側に移動すると共に、前記電子キーが挿入されたときには前記直交方向の外側に移動することにより前記固定部材の他端を前記直交方向の外側に移動させてその回転支軸を中心に前記フック部を前記直交方向の内側に移動させることにより前記フック部が前記制限部材若しくはその前記連動要素の前記係合部に前記係合可能な状態にし、かつ、前記電子キーが抜き取られたときには前記直交方向の内側に移動することにより前記弾性部材の弾性力を利用しながら前記固定部材の他端を前記直交方向の内側に移動させてその回転支軸を中心に前記フック部を前記直交方向の外側に移動させることにより前記フック部の係合を解除するように形成されている、ことを特徴とするステアリングロック装置を提供する。
上記態様のステアリングロック装置によれば、電子キーと共に回動するロータに連動する制限解除カムによって制限部材を機械的に移動させており、かつ、電子キーが規定距離だけ抜き取られた場合に制限部材の固定が解除されて制限部材がステアリング・シャフトに係合するので、ステアリング・シャフトに制限部材を機械的にかつ欧州法規に準じて係合させることができる。
このステアリングロック装置によれば、上記の固定部材及び解除部材により簡易構造のフック機構を形成しているので、そのフック機構によって制御部材に対する所定位置での固定及び所定位置からの固定解除を機械的かつ簡易的に行うことができる。
このステアリングロック装置によれば、簡易構造かつ部品点数の少ないフック機構を上記の固定部材及び解除部材により実現することができる。
]前記固定部材は、その前記回転支軸が前記キー挿入方向の直交方向の外側に移動自在となるように形成されており、前記固定部材の一端にある前記フック部が前記係合部に係合する際に前記他端と他の部材との当接点を支点として前記固定部材の回転支軸が前記直交方向の外側に移動することにより前記回転支軸と共に前記直交方向の外側に移動した前記フック部が前記係合部に係合するように形成されていることを特徴とする上記[]に記載のステアリングロック装置であってもよい。
このステアリングロック装置によれば、フック部と係合部との係合時に固定部材の他端と当接する部分を直交方向の内側に移動させることなくそれらを係合させることができる。
本発明は上記目的を達成するため、電子照合に用いるIDコードを有するフォブ型の電子キーと、前記電子キーが挿入されるキーシリンダを有していると共に、前記キーシリンダに挿入された前記電子キーになされる回転操作に応じて回動するロータと、前記電子キーのIDコードを電子照合して所望の照合結果が得られた場合のみ前記ロータの回動を許可する電子照合機と、ステアリング・シャフトに係合して前記ステアリング・シャフトの回転を制限する制限部材と、前記ロータの回動に連動すると共に、前記電子キーの抜差動作が行われる初期位置からロック解除位置まで回転操作されたときに前記制限部材を前記ステアリング・シャフトの回動制限が解除される所定位置まで移動させるように形成されている制限解除カムと、前記制限解除カムによって前記所定位置まで移動した前記制限部材を前記所定位置において固定する固定部材と、前記電子キーが前記ロック解除位置から前記初期位置まで回転操作された後に前記キー挿入方向と反対方向において前記電子キーが前記ロータのキーシリンダから規定距離だけ抜き取られた場合に、前記固定部材が前記制限部材に対して行っている固定を解除する解除部材と、前記固定部材の一端に設けられたフック部に対して前記キー挿入方向の直交方向の内側に付勢する弾性部材を備えており、前記制限部材は、前記キー挿入方向の反対方向に移動するロックバーであり、前記固定部材は、前記制限部材若しくは前記ロータ又はそれらのいずれか一方に連動する連動要素に形成された係合部に係合するフック部をその一端に有するロッキングレバーであり、前記ロータと前記制限部材との間においてその長手方向が前記キー挿入方向と平行、かつ、その前記一端に設けられた前記フック部が前記ロータ側に向くように配置されていると共に、前記キー挿入方向の反対方向に移動する前記制限部材と連動するように形成されており、前記ロータは、前記キー挿入方向の反対方向に移動した前記固定部材のフック部と係合し、かつ、前記電子キーの抜差動作が行われる前記電子キーの初期位置以外の回転位置において前記固定部材のフック部との係合を維持する固定係合ディスクを前記係合部の一部として有しており、前記解除部材は、前記電子キーの抜差動作に基づき前記固定部材にレバー操作を行って前記固定部材のフック部から前記係合部を取り除くことにより、前記固定部材による固定である係合を解除するキーフックであり、前記キーシリンダの側方において前記ロータの回転と連動するように配置されていると共に、前記電子キーの初期位置において前記電子キーが抜き取られたときに前記直交方向の内側に移動することにより前記固定部材のフック部との係合を解除する移動係合部を前記係合部の残部として前記ロータの固定係合ディスクと同一円周上に有している、ことを特徴とするステアリングロック装置を提供する
このステアリングロック装置によれば、簡易構造かつ部品点数の少ないフック機構を上記の固定部材及び解除部材により実現することができる。
]前記制限解除カムは、前記ロータの回動を駆動源として前記制限部材又は前記制限部材に連結した部材に設けられた突出部をカム溝に沿って移動させることにより、前記制限部材を前記キー挿入方向の反対方向に移動させるように形成されている円筒カムであることを特徴とする上記[1]から[]のいずれか1に記載のステアリングロック装置であってもよい。
このステアリングロック装置によれば、制限解除カムの構造を簡素化することができる。
本発明のステアリングロック装置によれば、メカニカル・キーを有しない電子キーを用いて機械的なステアリングロック機構を実現することができるステアリングロック装置を提供することができる。
本発明のステアリングロック装置の一実施形態を示す全体斜視図 第1の実施形態のステアリングロック装置を示す分解斜視図 第1の実施形態の電子キーの一例を示す平面図 第1の実施形態のスライドピースをキー挿入方向から示す縦断面図 第1の実施形態のステアリングロック装置において電子キーの挿入前の状態を示す図;(a)はキー挿入方向から示す平面図、(b)はキー挿入方向に沿って切断した縦断面図、(c)はキー挿入方向の直交方向から制限解除カムを示す平面図である。 第1の実施形態のステアリングロック装置において電子キーが挿入された状態を示す図;(a)はキー挿入方向から示す平面図、(b)はキー挿入方向に沿って切断した縦断面図、(c)はキー挿入方向の直交方向から制限解除カムを示す平面図である。 第1の実施形態のステアリングロック装置において電子キーが初期位置からロック解除位置に向かって回転された状態を示す図;(a)はキー挿入方向から示す平面図、(b)はキー挿入方向に沿って切断した縦断面図、(c)はキー挿入方向の直交方向から制限解除カムを示す平面図である。 第1の実施形態のステアリングロック装置において固定部材のフック部が制限部材に連動する連動要素の係合部に係合する状態を示す図;(a)はキー挿入方向から示す平面図、(b)はキー挿入方向に沿って切断した縦断面図、(c)はキー挿入方向の直交方向から制限解除カムを示す平面図である。 第1の実施形態のステアリングロック装置において固定部材のフック部が制限部材に連動する連動要素の係合部に係合した状態を示す図;(a)はキー挿入方向から示す平面図、(b)はキー挿入方向に沿って切断した縦断面図、(c)はキー挿入方向の直交方向から制限解除カムを示す平面図である。 第2の実施形態のステアリングロック装置において電子キーが挿入された状態を示す図;(a)はキー挿入方向に沿って切断した縦断面図、(b)はキー挿入方向から見た(a)のB−B断面図である。 第2の実施形態のステアリングロック装置において電子キーが初期位置からロック解除位置に向かって回転された状態を示す図;(a)はキー挿入方向に沿って切断した縦断面図、(b)はキー挿入方向から見た(a)のB−B断面図である。 第2の実施形態のステアリングロック装置において固定部材のフック部がロータの固定係合ディスクに係合する状態を示す図;(a)はキー挿入方向に沿って切断した縦断面図、(b)はキー挿入方向から見た(a)のB−B断面図である。 第2の実施形態のステアリングロック装置において固定部材のフック部がロータの固定係合ディスクに係合した状態を示す図;(a)はキー挿入方向に沿って切断した縦断面図、(b)はキー挿入方向から見た(a)のB−B断面図である。 第2の実施形態のステアリングロック装置において固定部材のフック部がロータの固定係合ディスクから解除される状態をキー挿入方向に沿って切断して示す縦断面図
以下、本発明のステアリングロック装置を2つの実施の形態により説明する。はじめに、第1の実施形態のステアリングロック装置を説明する。
第1の実施形態のステアリングロック装置1は、図1及び図2に示すように、電子キー2、ロータ3、電子照合機4、制限部材5、制限解除カム6、固定部材7及び解除部材8を備えている。
電子キー2は、図1及び図2に示すように、いわゆるフォブ型と称される電子的なイグニッション・キーである。この電子キー2は、電子照合に用いる電子タグを内蔵しているが、機械照合に用いるメカニカル・キーを有していない。また、電子キー2の形状は、例えば図3に示すような従来から多く採用されているティアドロップ形状の他に、図1及び図2に示すような直方体形状などの種々の形状を採用することができる。本実施形態においては、電子キー2が直方体形状に形成されていることが好ましい。
また、電子キー2は、図2及び図3に示すように、そのキー挿入方向(図2においては右上、図3においては右)をその軸方向としたときの側面に係合溝2aを有するように形成されていることが好ましい。係合溝2aの形状は、電子キー2が抜差しされる位置である電子キー2のオフ位置においてキーフックが係合溝2aから外れ易いようにするため、キー挿入方向前方(図2においては右上方向、図3においては右方向)の面がキー挿入方向前方に傾斜した傾斜面を有するように形成されている。係合溝2aの個数は1個であってもよいし、複数個であってもよい。本実施形態の係合溝2aの個数は2個に設定されている。
ロータ3は、電子キー2が挿入されるキーシリンダ3aを有していると共に、キーシリンダ3aに挿入された電子キー2になされる回転操作に応じて回動する。電子キー2の回転操作は、従来より、キー挿入方向を回転軸にして電子キー2の抜差位置である初期位置から右に90度以上180度未満の回転位置の範囲内で行われており、それは本実施形態においても同様である。また、電子キー2の回転操作においては、電子キー2の回転位置が、その回転位置に応じて、オフ(OFF)位置、アクセサリ(ACC)位置、オン(ON)位置、スタート(START)位置の順に分けられていることが一般的である。本実施形態においては、初期位置がオフ位置に対応し、ロック解除位置がアクセサリ位置よりも後方の回転位置に対応する。
また、ロータ3は、図2に示すように、キーシリンダ3a及び部品配置孔3b並びにロータ3に必要な要素を有しており、それらを形成するための穴や切り欠き、突部などが設けられた円柱形状に形成されている。また、このロータ3は、このロータ3を内包するロックボディに設けられたロータシリンダ9aの円筒内面に沿ってキー挿入方向を軸に回転するため、円柱側面3cを有している。
さらに、ロータ3のキーシリンダ3aは、図2に示すように、そのロータ3の内部に電子キー2が部分的に挿入されるように形成されている。電子キー2が直方体形状であれば、キーシリンダ3aは方形穴となる。
ロックボディは、主に、ロータシリンダ9a、ロックバー・ハウジング9b及びロッキングレバー・ハウジング9cを有している。ロータシリンダ9aは、ロータ3の外径と同様の内径を有する円筒形状に形成されている。ロックバー・ハウジング9bは、ロータシリンダ9aに係るキー挿入方向の前方において、ステアリング・シャフトを部分的に取り囲むC字形状を一部に有する形状であって、本実施形態の制限部材5となるロックバーの他に、スライダ10、ロックホルダ、コンプレッション・ロック・スプリング、制限解除カム6を内蔵する形状に形成されている。ロッキングレバー・ハウジング9cは、本実施形態の固定部材7となるロッキングレバー、本実施形態の弾性部材となるスプリング、プレートカバーを取り付ける形状に形成されている。
電子照合機4は、電子キー2のIDコードを受信して、内部に記憶されたIDコードとの照合を行なうものである。この電子照合機4は、ロックボディのロータシリンダ9aの側方に取り付けられており、電子キー2のIDコードを電子照合して所望の照合結果が得られた場合のみロータ3の回動を許可するように形成されている。
制限部材5は、ステアリング・シャフトに係合してステアリング・シャフトの回転を制限する部材である。本実施形態の制限部材5は、ステアリング・シャフトの回転制限を解除する方向であるキー挿入方向の反対方向に移動するロックバーであることが好ましい。
この制限部材5であるロックバーは、スライダ10、ロックホルダ及びコンプレッション・ロック・スプリングを組み合わせて使用される。スライダ10は、制限部材5となるロックバーとの相互係合によりロックバーと共にキー挿入方向の前後にスライドする部材であることが好ましい。ロックホルダは、そのスライダ10をキー挿入方向の前後にスライドさせるスライドレールを有している。コンプレッション・ロック・スプリングは、ロックバー・ハウジング9bの内部においてキー挿入方向と平行に配置されたコイルスプリングであり、スライダ10を介してステアリング・シャフトの回転を制限する方向であるキー挿入方向にロックバー(制限部材5)を押し付けている。
制限解除カム6は、ロータ3の回動に連動し、かつ、電子キー2が初期位置からロック解除位置まで回転操作されたときに制限部材5を所定位置まで移動させるように形成されている。ここで、電子キー2の初期位置とは電子キー2の抜差動作が行われるオフ位置であり、ロック解除位置とは本実施形態であればアクセサリ位置よりも前方の回転位置である。また、制限部材5の所定位置とは、ステアリング・シャフトの回動制限が解除される位置である。
ここで、本実施形態の制限解除カム6は、図2に示すように、ロータ3と同心軸上に配置されており、係合するロータ3の回動を駆動源として、ロータ3と共に回動する円筒カムであることが好ましい。この場合、制限解除カム6は、円筒カムの側面にスロープ状に形成されたカム溝を有しており、制限部材5に連結したスライダ10(制限部材5に連結した部材)に設けられた突出部をカム溝に沿って移動させることにより、制限部材5をキー挿入方向の反対方向に移動させるように形成されていることが好ましい。
固定部材7は、制限解除カム6によって所定位置まで移動した制限部材5を所定位置において固定する部材である。所定位置とは、前述と同様、制限部材5におけるステアリング・シャフトの回動制限が解除される位置である。つまり、この固定部材7は、制限解除カム6によりスライダ10を介してキー挿入方向の反対方向に移動するロックバー(制限部材5)をロータ3に近接する位置(所定位置)に固定する部材である。
ここで、固定部材7は、図2に示すように、一端にフック部を有するロッキングレバーであることが好ましい。この固定部材7のフック部は、本実施形態においてはロックバーに連動するスライダ10(制限部材5に連動する連動要素)から水平に突出形成された係合部に係合するように形成されている。この係合部は、他の実施形態において制限部材5であったり、ロータ3であったり、ロータ3に連動する連動要素に形成されていてもよい。
また、本実施形態の固定部材7は、ロータ3と制限部材5との間においてその長手方向がキー挿入方向と平行に配置されていることが好ましい。その際、本実施形態の固定部材7のフック部が制限部材5側に向いており、係合可能な状態においてキー挿入方向の反対方向に移動するスライダ10(制限部材5の連動要素)の係合部に係合するように、本実施形態の固定部材7は形成されている。係合可能な状態とは、解除部材8により選択される固定部材7のフック部とスライダ10の係合部との2つの係合状態、すなわち、係合可能状態及び係合解除状態のうちの一方の状態である。
さらに、本実施形態の固定部材7は、その中央付近に設けられた回転支軸がキー挿入方向の直交方向の外側に移動自在となるように形成されていることが好ましい。この場合、ロックボディのロッキングレバー・ハウジング9cは、固定部材7が挿入される固定部材7配置孔と、その固定部材7配置孔において水平方向に対向する2個の切り欠きと、固定部材7配置孔の内部において弾性部材を内蔵する弾性部材配置孔とを有している。2個の切り欠きは、キー挿入方向の直交方向に延在しており、固定部材7の回転支軸をキー挿入方向の直交方向の外側に移動自在となるように支持していることが好ましい。
弾性部材は、固定部材7の一端に設けられたフック部をキー挿入方向の直交方向の外側に付勢する部材である。この弾性部材としては、特に指定はないが、経済性と弾性力との関係からコイルばねであることが好ましい。この場合、弾性部材は、固定部材7の他端とプレートカバーとの間に配置されており、固定部材7の他端をキー挿入方向の直交方向の内側に付勢することにより、回転支軸を介してフック部をキー挿入方向の直交方向の外側に付勢している。
解除部材8は、所定の条件を満たした場合、固定部材7が制限部材5に対して行っている固定を解除する部材である。所定の条件は以下の2つである。
第1の条件は、電子キー2がロック解除位置(例えばアクセサリ位置)から初期位置(例えばオフ位置)まで回転操作されることである。つまり、第1の条件とは、本実施形態のステアリングロック装置1を備える自動車のエンジンをその動作状態から停止状態に移行させ、電子キー2を抜き取る前までの電子キー2の回転操作である。初期位置からロック解除位置への回転操作は第1の条件において逆の回転操作となるため、第1の条件を満たしたことにはならない。
第2の条件は、第1の条件を満たした後、電子キー2がロータ3のキーシリンダ3aから規定距離だけ抜き取られることである。規定距離は任意の距離に設定することができるが、欧州法規に適合させるために、電子キー2が当接するキーシリンダ3aの端面からの規定距離を2mm以上に設定しておく。なお、電子キー2の抜取方向は、キー挿入方向と反対方向である。
ここで、本実施形態の解除部材8は、電子キー2の抜差動作に基づき固定部材7にレバー操作を行うことにより、固定部材7のフック部からスライダ10の係合部を取り除くように形成されていることが好ましい。これにより、解除部材8は、固定部材7による固定である係合を解除することができる。本実施形態の解除部材8により固定部材7にレバー操作を行う方法は様々に考えられるので、そのレバー操作法により解除部材8の形状や配置も種々考えられるが、本実施形態の解除部材8としては、以下のものが考えられる。
本実施形態の解除部材8は、図4に示すように、縦断面が傘形状又はきのこ形状のブロック形状に形成されたスライドピースであることが好ましい。この場合、解除部材8は、ロータ3においてキー挿入方向の直交方向に貫通した逆凸状断面の部品配置孔3bに配置されており、電子キー2の抜差動作に応じてそれがキー挿入方向の直交方向の外側若しくは内側に移動するように形成されている。また、解除部材8の傘部頂面はロータ3の円柱側面3cと同様の湾曲面を有しており、解除部材8の柄部はロータ3の部品配置孔3bに配置されたときにそれが部品配置孔3bから下方(内側)に突出し、ロータ3のキーシリンダ3aに挿入された電子キー2と当接する程度の長さに形成されている。
さらに、この解除部材8は、前述の通り、電子キー2が挿入されたときにキー挿入方向の直交方向の外側に移動するので、図5(b)から図6(b)の順に示すように、これを利用して固定部材7の他端をキー挿入方向の直交方向の外側に移動させ、その固定部材7の回転支軸を中心にフック部を直交方向の内側に移動させることにより、フック部がスライダ10(制限部材5の連動要素)の係合部に係合可能な状態になるように形成されていることが好ましい。また、この解除部材8は、前述の通り、電子キー2が抜き取られたときにキー挿入方向の直交方向の内側に移動するので、図6(b)から図5(b)の順に示すように、その移動及び弾性部材の弾性力を利用しながら、固定部材7の他端を直交方向の内側に移動させ、その回転支軸を中心にフック部を直交方向の外側に移動させることにより、フック部の係合を解除するように形成されていることが好ましい。
次に、図5から図9を用いて、第1の実施形態のステアリングロック装置1の固定部材7による固定機構及び解除部材8による解除機構を説明する。
電子キー2の挿入前においては、図5(a)及び(b)に示すように、スライドピース(解除部材8)がキー挿入方向(図の左方向)の直交方向(図の上下方向)の内側に移動し、ロータ3のキーシリンダ3aにスライドピースの柄部が露出している。また、ロッキングレバー(固定部材7)は、スライドピース(解除部材8)がキー挿入方向の直交方向の外側に移動していないため、ロッキングレバー(固定部材7)のフック部は外側に移動している。すなわち、ロッキングレバー(固定部材7)は係合解除状態にある。一方、制限解除カム6のカム溝に係合するスライダ10の突出部は、図5(c)に示すように、ロータ3から最も離れた位置にあるため、ロックバー(制限部材5)はステアリング・シャフトと係合する制限位置にある。
正規の電子キー2が挿入された状態(電子キー2の初期位置(オフ位置))においては、図6(a)及び(b)に示すように、ロータ3のキーシリンダ3aに露出したスライドピースの柄部が電子キー2と当接し、スライドピース(解除部材8)がキー挿入方向の直交方向の外側に移動する。また、ロッキングレバー(固定部材7)は、スライドピース(解除部材8)がキー挿入方向の直交方向の外側に移動したため、ロッキングレバー(固定部材7)のフック部がその内側に移動する。すなわち、ロッキングレバー(固定部材7)は係合可能状態にある。そして、図2に示した電子照合機4は、正規の電子キー2が挿入されると、ロータ3の回動を許可する。なお、この時点においてロータ3は回動していないため、図6(c)に示すように、制限解除カム6及びスライダ10の突出部に以前からの変化はない。
操作者により電子キー2がキー挿入方向を回転軸として回転され、それに伴ってロータ3が固定部材7の係合開始直前まで回動した状態においては、図7(a)及び(b)に示すように、ロッキングレバー(固定部材7)の端部との当接面が図4に示すようなスライドピース(解除部材8)の傘部頂面からロータ3の円柱側面3cに変化する。ロータ3の円柱側面3cは滑らかに湾曲しているため、ロッキングレバー(固定部材7)の状態はそのフック部がスライダ10の係合部に当接するまで変化しない。一方、ロータ3と連動する制限解除カム6は、図7(c)に示すように、カム溝を利用してスライダ10の突出部をキー挿入方向の反対方向(図の右方向)に移動させる。その結果、スライダ10と連結するロックバー(制限部材5)はステアリング・シャフトとの係合が解除される所定位置の付近にまで移動する。
固定部材7が係合する状態においては、図8(a)及び(b)に示すように、ロッキングレバーのフック部(固定部材7の一端)がスライダ10の係合部に係合する際、その固定部材7の他端とロータ3の円柱側面3c(他の部材)との当接点を支点として、フック部がキー挿入方向の直交方向の外側に移動しながらスライダ10の係合部に係合する。その際、固定部材7は、その回転支軸が図2に示した2個の切り欠きによりキー挿入方向の直交方向の外側に移動自在に支持されていることにより、固定部材7の回転支軸がフック部と共にキー挿入方向の直交方向の外側に移動する。
なお、固定部材7のフック部がスライダ10の係合部に係合するときのみ固定部材7の他端と当接するロータ3の円柱側面3c(他の部材)がキー挿入方向の直交方向の内側に移動するような構造を有している場合、固定部材7の回転支軸がフック部と共にキー挿入方向の直交方向の外側に移動する必要はない。
一方、ロータ3と連動する制限解除カム6は、図8(c)に示すように、カム溝を利用してスライダ10の突出部をキー挿入方向の反対方向の端にまで移動させる。その結果、スライダ10と連結するロックバー(制限部材5)は、ステアリング・シャフトとの係合が解除される所定位置まで移動する。
固定部材7が係合部との係合を終えた状態(電子キー2のロック解除位置(アクセサリ位置))においては、図9(a)及び(b)に示すように、ロッキングレバーのフック部(固定部材7の一端)がスライダ10の係合部に係合しているため、そのロッキングレバー(固定部材7)がスライダ10を介してロックバー(制限部材5)を固定している。制限解除カム6のカム溝もスライダ10の係合部をその端まで移動させたので、制限解除カム6がスライダ10を介してロックバー(制限部材5)を移動させることはない。これら一連の動作は不可逆なので、電子キー2を図9(a)から図5(a)の状態にまで反対に回転させたとしても、ロッキングレバー(固定部材7)が図9(b)から図5(b)の順に変化することはなく、係合状態が維持される。
電子キー2がロック解除位置(アクセサリ位置)から初期位置(オフ位置)に逆回転すると、ロックバー(制限部材5)に連結されたスライダ10の係合部とロッキングレバー(固定部材7)のフック部との係合を図9(b)のように維持したまま、電子キー2が図9(a)から図5(b)の状態にまで回転する。その際、ロータ3も反対方向に回動するため、ロッキングレバー(固定部材7)の他端との接触面がロータ3の円柱側面3cからスライドピース(解除部材8)の傘部頂面に変化する。そして、電子キー2が規定距離以上に抜き取られると、スライドピース(解除部材8)がロッキングレバー(固定部材7)の他端と共にキー挿入方向の直交方向の内側に移動し、ロッキングレバー(固定部材7)の回転支軸を中心にロッキングレバー(固定部材7)のキー挿入方向の直交方向の外側に移動する。これにより、スライダ10の係合部とロッキングレバー(固定部材7)のフック部との係合関係が、図9(b)から図4(b)の状態に戻り、その係合が解除される。それにあわせて、スライダ10の突出部も図4(c)の状態に戻る。
次に、第1の実施形態のステアリングロック装置1の作用を説明する。
第1の実施形態のステアリングロック装置1においては、図5(b)から図6(b)の順及び図5(c)から図6(c)の順に示したように、ロータ3のキーシリンダ3aに挿入された電子キー2になされる回転操作に応じて回動するロータ3に連動する制限解除カム6がスライダ10を介してロックバー(制限部材5)を所定位置まで移動させている。また、図6(b)に示すように、所定位置まで移動したロックバー(制限部材5)はロッキングレバー(固定部材7)により所定位置にて固定される。そして、解除部材8は、図9(b)、図4(b)の順に示すように、電子キー2がロータ3のキーシリンダ3aから規定距離だけ抜き取られたときに固定部材7が制限部材5に対して行っている固定を解除する。つまり、電子キー2と共に回動するロータ3に連動する制限解除カム6によって制限部材5を機械的に移動させており、かつ、電子キー2が規定距離だけ抜き取られた場合に制限部材5の固定が解除されて制限部材5がステアリング・シャフトに係合するので、ステアリング・シャフトに制限部材5を機械的にかつ欧州法規に準じて係合させることができる。
また、本実施形態のステアリングロック装置1においては、制限部材5にはキー挿入方向の反対方向に移動するロックバーを採用し、固定部材7にはそのロックバー(制限部材5)に連動するスライダ10(連動要素)に形成された係合部に係合するフック部を有するロッキングレバーを採用している。また、解除部材8は、電子キー2の抜差動作に基づき固定部材7にレバー操作を行って固定部材7のフック部から係合部を取り除くことにより、固定部材7による固定である係合を解除するように形成されている。これにより、上記の固定部材7及び解除部材8による簡易構造のフック機構を形成することができるので、そのフック機構によって制御部材に対する所定位置での固定及び所定位置からの固定解除を機械的かつ簡易的に行うことができる。
また、本実施形態のステアリングロック装置1においては、図4(b)から図9(b)に示すように、固定部材7の長手方向がキー挿入方向と平行、かつ、フック部が制限部材5側に向いており、解除部材8が電子キー2の抜差動作に応じて直交方向の外側若しくは内側に移動するスライドピースであることが好ましい。これにより、簡易構造かつ部品点数の少ないフック機構を上記の固定部材7及び解除部材8により実現することができる。
また、本実施形態のステアリングロック装置1においては、図8(b)に示すように、固定部材7の回転支軸がキー挿入方向の直交方向の外側に移動自在となるように形成されており、係合時に直交方向の外側に移動することが好ましい。これにより、フック部と係合部との係合時に固定部材7の他端と当接する部分を直交方向の内側に移動させることなくそれらを係合させることができる。
また、本実施形態のステアリングロック装置1においては、カム溝を利用して制限解除カム6が制限部材5をキー挿入方向の反対方向に移動させる円筒カムであることが好ましい。これにより、制限解除カム6の構造を簡素化することができる。
次に、第2の実施形態のステアリングロック装置1を説明する。
第2の実施形態のステアリングロック装置1は、第1の実施形態と同様、電子キー2、ロータ3、電子照合機4、制限部材5、制限解除カム6、固定部材7及び解除部材8を備えている。第2の実施形態と第1の実施形態との相違点は、図10(a)に示すように、主として固定部材7、弾性部材、解除部材8及びロータ3からなるフック機構の一部変更点であり、その他の構造については第1の実施形態と共通する。
ロッキングレバー(固定部材7)は、図10(a)に示すように、第1の実施形態と同様、ロータ3と制限部材5との間においてその長手方向がキー挿入方向と平行に配置されている。しかし、第1の実施形態とは異なり、ロッキングレバー(固定部材7)の一端に設けられたフック部がロータ3側に向くように配置されている。また、ロッキングレバー(固定部材7)は、制限部材5に連動するスライダ10に取り付けられていることにより、制限部材5と連動してキー挿入方向の反対方向に移動するように形成されている。
弾性部材は、図10(a)に示すように、第1の実施形態とは異なり、固定部材7のフック部をキー挿入方向の直交方向の内側に付勢するように配置されている。弾性部材としてコイルばねを採用することが好ましい点については第1の実施形態と同様である。
ロータ3は、図10(a)、(b)に示すように、固定係合ディスクを係合部の一部として有している。この固定係合ディスクは、キー挿入方向の反対方向に移動した固定部材7のフック部と係合する要素である。そして、この固定係合ディスクは、電子キー2の抜差動作が行われる電子キー2の初期位置以外の回転位置において固定部材7のフック部との係合を維持するため、図10(b)に示すように、キー挿入方向から見て扇形状に形成されている。
解除部材8は、キーシリンダ3aの側方においてロータ3の回転と連動するように配置されたキーフックの一部を兼用している。このキーフックは、電子キー2の初期位置以外の回転位置において電子キー2が抜き取られることを防止するために、その一端が電子キー2の係合溝2aと係合する形状に形成されている。解除部材8は、このキーフックを利用して形成されている。
つまり、解除部材8となるキーフックの他端は、ロータ3の固定係合ディスクと同一円周上に配置されている。また、解除部材8となるキーフックの他端は、図14に示すように、電子キー2の初期位置において電子キー2が抜き取られたときに、それが直交方向の内側に移動するように形成されている。
なお、キーフックの他端は、固定部材7のフック部との係合を解除する移動係合部として用いられている。この移動係合部は、ロータ3に形成された係合部の残部として用いられる。
次に、図10から図14を用いて、第2の実施形態のステアリングロック装置1の固定部材7による固定機構及び解除部材8による解除機構を説明する。
正規の電子キー2が挿入された状態(電子キー2の初期位置(オフ位置))においては、図10(a)、(b)に示すように、キーフックが電子キー2の係合溝2aと係合し、その他端がキー挿入方向(図の左方向)の直交方向(図の上下方向)の外側に移動する。これにより、ロッキングレバー(固定部材7)は、係合可能状態になる。そして、第1の実施形態と同様、図2に示した電子照合機4は、正規の電子キー2が挿入されると、ロータ3の回動を許可する。なお、この時点においてロータ3は回動していない。そのため、制限解除カム6及びスライダ10の突出部の移動はなく、ロータ3から最も離れた位置にあるため、ロックバー(制限部材5)はステアリング・シャフトと係合する制限位置にある。
操作者により電子キー2が回転され、それに伴ってロータ3が固定部材7の係合開始直前まで回動した状態においては、図11(a)及び(b)に示すように、ロータ3と連動する制限解除カム6がカム溝を利用してスライダ10の突出部をキー挿入方向の反対方向(図の右方向)に移動させる。その結果、スライダ10と連結するロックバー(制限部材5)はステアリング・シャフトとの係合が解除される所定位置の付近にまで移動する。一方、ロッキングレバー(固定部材7)はスライダ10と連動してキー挿入方向の反対方向(図の右方向)に移動するため、ロッキングレバー(固定部材7)のフック部はロータ3の固定係合ディスクと当接する直前まで近接する。
ロッキングレバー(固定部材7)が係合する状態においては、図12(a)及び(b)に示すように、ロータ3と連動する制限解除カム6がスライダ10の突出部を図12(b)の状態よりもさらにキー挿入方向の反対方向に移動させる。そして、スライダ10に連動するロッキングレバーのフック部(固定部材7の一端)がロータ3の固定係合ディスクに係合する際、そのロッキングレバー(固定部材7)の回転支軸を回転中心として、そのフック部がキー挿入方向の直交方向の外側に移動しながらロータ3の固定係合ディスクに係合する。
固定部材7が係合部との係合を終えた状態(電子キー2のロック解除位置(アクセサリ位置))においては、図13(a)及び(b)に示すように、スライダ10と連結するロックバー(制限部材5)が、ステアリング・シャフトとの係合が解除される所定位置まで移動する。また、ロッキングレバーのフック部(固定部材7の一端)がロータ3の固定係合ディスクに係合しているため、そのロッキングレバー(固定部材7)がスライダ10を介してロックバー(制限部材5)を固定している。制限解除カム6のカム溝もスライダ10の係合部をその端まで移動させたので、制限解除カム6がスライダ10を介してロックバー(制限部材5)を移動させることはない。これら一連の動作は不可逆なので、電子キー2を図13(b)から図10(b)の状態にまで反対に回転させたとしても、ロッキングレバー(固定部材7)が図13(a)から図10(a)の順に変化することはなく、係合状態が維持される。
電子キー2が図13に示したロック解除位置(アクセサリ位置)から図14に示した初期位置(オフ位置)に逆回転すると、ロックバー(制限部材5)に連結されたロータ3の固定係合ディスクとロッキングレバー(固定部材7)のフック部との係合を図13(a)のように維持したまま、電子キー2が図13(b)から図14の状態にまで回転する。その際、電子キー2の逆回転と共にロータ3も反対方向に回動するため、ロッキングレバー(固定部材7)のフック部の係合場所がロータ3の固定係合ディスクからキーフックの移動係合部(解除部材8)に変化する。そして、電子キー2が規定距離以上に抜き取られると、キーフックの移動係合部(解除部材8)がキー挿入方向の直交方向の内側に移動し、ロッキングレバー(固定部材7)のフック部から離間する。これにより、ロッキングレバー(固定部材7)のフック部の係合が、図14から図10(a)の状態に戻り、その係合が解除される。それにあわせて、スライダ10に連動したロックバー(制限部材5)も図10(a)の状態に戻る。
次に、第2の実施形態のステアリングロック装置1の作用を説明する。
第2の実施形態のステアリングロック装置1においては、図10(a)に示すように、固定部材7がキー挿入方向の反対方向に移動する制限部材5と連動するように形成されており、ロータ3の固定係合ディスクと係合するようになっている。また、解除部材8は、ロータ3の固定係合ディスクと同一円周上に配置された移動係合部を端部に有するキーフックを兼用している。そのため、簡易構造かつ部品点数の少ないフック機構を上記の固定部材7及び解除部材8により実現することができる。
すなわち、第1及び第2の実施形態のステアリングロック装置1によれば、電子キー2と共に回動するロータ3に連動する制限解除カム6によって制限部材5を機械的に移動させ、かつ、電子キー2が規定距離だけ抜き取られた場合に制限部材5の固定が解除されて制限部材5がステアリング・シャフトに係合するので、ステアリング・シャフトに制限部材5を機械的にかつ欧州法規に準じて係合させることができるなどの種々の作用を生じる。その結果、欧州法規を遵守しつつ、メカニカル・キーを有しない電子キー2を用いて機械的なステアリングロック機構を実現することができるという効果を奏する。
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
1…ステアリングロック装置
2…電子キー
2a…係合溝
3…ロータ
3a…キーシリンダ
3b…部品配置孔
3c…円柱側面
4…電子照合機
5…制限部材
6…制限解除カム
7…固定部材
8…解除部材
9a…ロータシリンダ
9b…ロックバー・ハウジング
9c…ロッキングレバー・ハウジング
10…スライダ

Claims (4)

  1. 電子照合に用いるIDコードを有するフォブ型の電子キーと、
    前記電子キーが挿入されるキーシリンダを有していると共に、前記キーシリンダに挿入された前記電子キーになされる回転操作に応じて回動するロータと、
    前記電子キーのIDコードを電子照合して所望の照合結果が得られた場合のみ前記ロータの回動を許可する電子照合機と、
    ステアリング・シャフトに係合して前記ステアリング・シャフトの回転を制限する制限部材と、
    前記ロータの回動に連動すると共に、前記電子キーの抜差動作が行われる初期位置からロック解除位置まで回転操作されたときに前記制限部材を前記ステアリング・シャフトの回動制限が解除される所定位置まで移動させるように形成されている制限解除カムと、
    前記制限解除カムによって前記所定位置まで移動した前記制限部材を前記所定位置において固定する固定部材と、
    前記電子キーが前記ロック解除位置から前記初期位置まで回転操作された後に前記キー挿入方向と反対方向において前記電子キーが前記ロータのキーシリンダから規定距離だけ抜き取られた場合に、前記固定部材が前記制限部材に対して行っている固定を解除する解除部材と
    前記固定部材の一端に設けられたフック部に対して前記キー挿入方向の直交方向の外側に付勢する弾性部材を備えており、
    前記制限部材は、前記キー挿入方向の反対方向に移動するロックバーであり、
    前記固定部材は、前記制限部材若しくは前記ロータ又はそれらのいずれか一方に連動する連動要素に形成された係合部に係合するフック部をその一端に有するロッキングレバーであり、前記ロータと前記制限部材との間においてその長手方向が前記キー挿入方向と平行、かつ、その前記一端に設けられた前記フック部が前記制限部材側に向くように配置されていると共に、そのフック部が係合可能な状態において前記キー挿入方向の反対方向に移動する前記制限部材若しくはその前記連動要素に設けられた前記係合部に係合するように形成されており、
    前記解除部材は、前記電子キーの抜差動作に基づき前記固定部材にレバー操作を行って前記固定部材のフック部から前記係合部を取り除くことにより、前記固定部材による固定である係合を解除するスライドピースであり、前記ロータにおいて前記キー挿入方向の直交方向に貫通した部品配置孔に配置されることにより前記電子キーの抜差動作に応じて前記直交方向の外側若しくは内側に移動すると共に、前記電子キーが挿入されたときには前記直交方向の外側に移動することにより前記固定部材の他端を前記直交方向の外側に移動させてその回転支軸を中心に前記フック部を前記直交方向の内側に移動させることにより前記フック部が前記制限部材若しくはその前記連動要素の前記係合部に前記係合可能な状態にし、かつ、前記電子キーが抜き取られたときには前記直交方向の内側に移動することにより前記弾性部材の弾性力を利用しながら前記固定部材の他端を前記直交方向の内側に移動させてその回転支軸を中心に前記フック部を前記直交方向の外側に移動させることにより前記フック部の係合を解除するように形成されている、
    ことを特徴とするステアリングロック装置。
  2. 前記固定部材は、その前記回転支軸が前記キー挿入方向の直交方向の外側に移動自在となるように形成されており、前記固定部材の一端にある前記フック部が前記係合部に係合する際に前記他端と他の部材との当接点を支点として前記固定部材の回転支軸が前記直交方向の外側に移動することにより前記回転支軸と共に前記直交方向の外側に移動した前記フック部が前記係合部に係合するように形成されている、
    ことを特徴とする請求項に記載のステアリングロック装置。
  3. 電子照合に用いるIDコードを有するフォブ型の電子キーと、
    前記電子キーが挿入されるキーシリンダを有していると共に、前記キーシリンダに挿入された前記電子キーになされる回転操作に応じて回動するロータと、
    前記電子キーのIDコードを電子照合して所望の照合結果が得られた場合のみ前記ロータの回動を許可する電子照合機と、
    ステアリング・シャフトに係合して前記ステアリング・シャフトの回転を制限する制限部材と、
    前記ロータの回動に連動すると共に、前記電子キーの抜差動作が行われる初期位置からロック解除位置まで回転操作されたときに前記制限部材を前記ステアリング・シャフトの回動制限が解除される所定位置まで移動させるように形成されている制限解除カムと、
    前記制限解除カムによって前記所定位置まで移動した前記制限部材を前記所定位置において固定する固定部材と、
    前記電子キーが前記ロック解除位置から前記初期位置まで回転操作された後に前記キー挿入方向と反対方向において前記電子キーが前記ロータのキーシリンダから規定距離だけ抜き取られた場合に、前記固定部材が前記制限部材に対して行っている固定を解除する解除部材と、
    前記固定部材の一端に設けられたフック部に対して前記キー挿入方向の直交方向の内側に付勢する弾性部材を備えており、
    前記制限部材は、前記キー挿入方向の反対方向に移動するロックバーであり、
    前記固定部材は、前記制限部材若しくは前記ロータ又はそれらのいずれか一方に連動する連動要素に形成された係合部に係合するフック部をその一端に有するロッキングレバーであり、前記ロータと前記制限部材との間においてその長手方向が前記キー挿入方向と平行、かつ、その前記一端に設けられた前記フック部が前記ロータ側に向くように配置されていると共に、前記キー挿入方向の反対方向に移動する前記制限部材と連動するように形成されており、
    前記ロータは、前記キー挿入方向の反対方向に移動した前記固定部材のフック部と係合し、かつ、前記電子キーの抜差動作が行われる前記電子キーの初期位置以外の回転位置において前記固定部材のフック部との係合を維持する固定係合ディスクを前記係合部の一部として有しており、
    前記解除部材は、前記電子キーの抜差動作に基づき前記固定部材にレバー操作を行って前記固定部材のフック部から前記係合部を取り除くことにより、前記固定部材による固定である係合を解除するキーフックであり、前記キーシリンダの側方において前記ロータの回転と連動するように配置されていると共に、前記電子キーの初期位置において前記電子キーが抜き取られたときに前記直交方向の内側に移動することにより前記固定部材のフック部との係合を解除する移動係合部を前記係合部の残部として前記ロータの固定係合ディスクと同一円周上に有している、
    ことを特徴とするステアリングロック装置。
  4. 前記制限解除カムは、前記ロータの回動を駆動源として前記制限部材又は前記制限部材に連結した部材に設けられた突出部をカム溝に沿って移動させることにより、前記制限部材を前記キー挿入方向の反対方向に移動させるように形成されている円筒カムである、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のステアリングロック装置。
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