JP2010138389A - 易分解性樹脂組成物の分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加水分解により酸を放出する脂肪族ポリエステルを含む易分解性樹脂組成物をより効率的に分解する方法の提供。
【解決手段】脂肪族ポリエステル(A)と、加水分解により酸を放出し、かつ、脂肪族ポリエステル(A)より分解速度が速い生分解性を有する脂肪族ポリエステル(B’)とを含む易分解性樹脂組成物を分解する方法であって、
(a) 脂肪族ポリエステル(A)の単体を緩衝液中で加水分解酵素によって分解する場合にその分解活性値を最大とする最大活性pH値を特定する工程、
(b) 前記最大活性pH値における分解活性値の30%以上の分解活性値を与える活性pH範囲を定める工程、及び
(c) 前記易分解性樹脂組成物を酵素反応液中で分解する工程であって、酵素反応液のpHが前記活性pH範囲の下限値以上、かつ、8.0未満に維持される、工程、
を含む、分解方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、易分解性樹脂組成物を効率的に分解する方法に関する。
包装資材として生分解性のポリ乳酸系樹脂組成物などの生分解性樹脂組成物が提案されている。これらの生分解性樹脂組成物を用いた包装容器などの分解は一般に容器表面から順次起こっており、容器全体が完全に分解するまでには相当の時間を必要とし、さらに、分解速度は樹脂の結晶性や分子配向といった樹脂内部の構造によって影響を受け、場所によって分解しやすいところ、分解しにくいところが存在するという問題もあったが、近年ではこれらの問題を解決するために様々な生分解性樹脂組成物が開発されており、例えば、加水分解により酸を放出する脂肪族ポリエステルを配合することによって生分解性が向上された易分解性樹脂組成物が報告されている(特許文献1)。
国際公開2008−038648号公報
しかしながら、上記のように加水分解により酸を放出する脂肪族ポリエステルを含む易分解性樹脂組成物を分解液中で酵素分解させる場合、時間の経過とともに分解速度が遅くなることが分かった。従って、本発明は、加水分解により酸を放出する脂肪族ポリエステルを含む易分解性樹脂組成物をより効率的に分解する方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、易分解性樹脂組成物を分解液中で分解すると時間の経過とともに酸触媒が放出されて分解液が低pHになるため生分解性樹脂の分解酵素の活性を充分に発揮できる条件にならない一方で、分解液のpHを上げた状態としても、分解酵素の分解活性は発揮されるものの易分解性樹脂組成物から放出された酸の酸触媒による効果が充分に得られないことを確認し、これに対応して、加水分解により酸を放出する脂肪族ポリエステルを含む易分解性樹脂組成物を酵素により分解する際に、前記酸による分解作用及び分解酵素による分解作用の両方を同時に充分に発揮できるようなpHが維持されるような条件下にある酵素分解液中で前記易分解性樹脂組成物を分解させることによって効率的な分解が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、生分解性を有する脂肪族ポリエステル(A)と、加水分解により酸を放出し、かつ、脂肪族ポリエステル(A)より分解速度が速い生分解性を有する脂肪族ポリエステル(B’)とを含む易分解性樹脂組成物を分解する方法であって、
(a) 脂肪族ポリエステル(A)の単体を緩衝液中で加水分解酵素によって分解する場合にその分解活性値を最大とする最大活性pH値を特定する工程、
(b)前記最大活性pH値における分解活性値の30%以上の分解活性値を与える活性pH範囲を定める工程、及び
(c)前記易分解性樹脂組成物を、加水分解酵素を含み、かつ、pHが前記活性pHの下限値以上、かつ、8.0未満である酵素反応液中で分解する工程であって、この分解工程中、前記酵素反応液のpHが、前記活性の下限値以上、かつ、8.0未満に維持される、工程
を含む、分解方法を提供する。
本発明によって、分解液中で、酸及び分解酵素の両方による分解作用により、易分解性樹脂組成物の分解速度を向上させることができる。
proKのポリ乳酸フィルム分解活性を示す。 proKの酵素液で易分解性樹脂組成物を分解した際のpHの経時変化を示す。 CLEのポリ乳酸フィルム分解活性を示す。 CLEの酵素液で易分解性樹脂組成物を分解した際のpHの経時変化を示す。
本発明において、易分解性樹脂組成物は、生分解性を有する脂肪族ポリエステル(A)と、加水分解により酸を放出し、かつ、脂肪族ポリエステル(A)より分解速度が速い生分解性を有する脂肪族ポリエステル(B’)とを含み、例えば国際公開2008−038648号公報に記載された易分解性樹脂組成物などが挙げられる。
生分解性を有する脂肪族ポリエステル(A)としては、例えばポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート・アジペート共重合体や上記脂肪族ポリエステルの共重合体、またポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルと上記脂肪族ポリエステルとの共重合体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記脂肪族ポリエスエル(A)の共重合体を形成する成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ビスフェノールA、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、アントラセンジカルボン酸などのジカルボン酸;グリコール酸、L-乳酸、D-乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、マンデル酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸;グリコリド、カプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、ポロピオラクトン、ウンデカラクトンなどのラクトン類などが挙げられる。
ブレンドするポリマーとしては、セルロース類、キチン、グリコーゲン、キトサン、ポリアミノ酸、澱粉などが挙げられる。なお、ポリ乳酸を用いる際の重合に用いられる乳酸は、L−体又はD−体のいずれかであってもよく、L−体とD−体の混合物であってもよい。
好ましい生分解性を有する脂肪族ポリエステル(A)としては、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。
生分解性を有する脂肪族ポリエステル(A)の分子量としては、特に制限されるものではないが、脂肪族ポリエステル(A)を含む易分解性樹脂組成物を用いて容器等を製造する際の機械的特性や加工性を考えると、重量平均分子量で5,000〜1,000,000の範囲が好ましく、10,000〜500,000の範囲がより好ましい。
脂肪族ポリエステル(B’)は、加水分解によって酸を放出し、かつ、脂肪族ポリエステル(A)より分解速度が速い生分解性を有する。ここで、本明細書では、分解速度が速い生分解性を有するとは、水溶液中で単体樹脂を酵素分解した場合に1日当たりに溶出してくる分解物の量(分解速度)が脂肪族ポリエステル(A)と比較して多い(速い)ことをいい、好ましくはその分解物の量(分解速度)が2倍以上であることをいう。本明細書では、便宜的に、脂肪族ポリエステル(A)より分解速度が速い生分解性を有する脂肪族ポリエステル(B’)のことを「易分解性脂肪族ポリエステル(B’)」という。
放出される酸としては、上記の条件を満たすものであれば特に限定はされないが、例えば0.005g/mlの濃度で水に溶解させたときのpHが4以下の酸、例えばpHが3以下の酸、pHが2以下の酸、例えばpHが1.5以下、pHが1.3以下、好ましくはpHが1.0以下の酸を加水分解により放出する酸を使用することができる。具体例としては、シュウ酸(pH 1.6)、マレイン酸、無水マレイン酸、グリコール酸(pH 2.5)等が挙げられるが、上記のうちシュウ酸、マレイン酸およびグリコール酸が好ましい。このような脂肪族ポリエステル(B’)を使用することによって脂肪族ポリエステル(A)が速く分解されるが、これは、脂肪族ポリエステル(B’)に水が浸入して溶出する際、溶出した酸成分がポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル(A)を加水分解して脂肪族ポリエステル(A)の内部に多数の亀裂を生じさせ、酵素が作用する表面積がさらに増加するためであると考えられる。脂肪族ポリエステル(B’)は加水分解時に酸を溶出し脂肪族ポリエステル(A)に亀裂を生じさせるのみでなく、脂肪族ポリエステル(B’)自身の溶出によっても脂肪族ポリエステル(A)の内部に空孔を生成させることが出来る。その結果より多くの酵素作用点が脂肪族ポリエステル(A)の内部に生成させることができ、分解速度をさらに上げることが出来る。
易分解性脂肪族ポリエステル(B’)の例としては、ポリオキサレート、ポリエチレンマレエート、ポリグリコール酸などが挙げられ、これらは共重合体、単独での使用、2種以上を組み合わせての使用でもよい。
共重合体を形成する成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ビスフェノールA、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、アントラセンジカルボン酸などのジカルボン酸;グリコール酸、L-乳酸、D-乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、マンデル酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸;グリコリド、カプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、ポロピオラクトン、ウンデカラクトンなどのラクトン類などが挙げられる。また本明細書では、ホモポリマー、共重合体、ブレンド体において、少なくとも一つのモノマーとしてシュウ酸を重合したポリマーをポリオキサレートとする。
この中で好ましい分解促進剤はポリオキサレート及びポリグリコール酸である。
易分解性脂肪族ポリエステル(B’)は脂肪族ポリエステル(A)中に分散して存在することが好ましい。易分解性脂肪族ポリエステル(B’)が水中で分解溶出した空隙に酵素が浸入して作用することができ、易分解性樹脂組成物の表面のみならず、内部からも易分解性樹脂組成物を分解し、これによって分解速度が速くなる。このような易分解性樹脂組成物としては、例えばポリ乳酸系樹脂中にポリオキサレートまたはポリグリコール酸を分散させて得られた易分解性樹脂組成物が挙げられる。
ここで、良好な分解速度を得るためには、易分解性脂肪族ポリエステル(B’)が脂肪族ポリエステル(A)中に均等かつ細かく分散して存在することが好ましい。脂肪族ポリエステル(A)中での分散性を向上させるために易分解性脂肪族ポリエステル(B’)に脂肪族ポリエステル(A)のモノマー成分を1種以上を重合させてもよい。
さらに、易分解性脂肪族ポリエステル(B’)は、極性が高い、即ち水への親和性が高いものであることが好ましい。このような易分解性脂肪族ポリエステル(B’)は加水分解速度が速くなるため、脂肪族ポリエステル(A)内部に多数の空孔が素早く生成して酵素の作用面積が増加し、その結果、脂肪族ポリエステル(A)の分解速度も速くなる。極性はFedors法から計算されるSP値(溶解度パラメーター)(Polym.Eng.Sci.,14,147-154(1974))などを指標とすることが可能であり、前記SP値は例えば場合22.0以上、23.0以上、24.0以上であればよく、25.0以上であることが好ましい。
本発明の方法により分解される易分解性樹脂組成物における、易分解性脂肪族ポリエステル(B’)の含有量は、易分解性脂肪族ポリエステル(B’)を含む易分解性樹脂組成物を用いて容器等を製造する際の機械的特性や加工性を考えると、好ましくは1〜30重量%であり、より好ましくは2〜20重量%である。
本発明の方法により分解される易分解性樹脂組成物は、生分解性を有する脂肪族ポリエステル(A)と易分解性脂肪族ポリエステル(B’)とを、常法により均一に混合することにより製造することができる。例えば、生分解性を有する脂肪族ポリエステル(A)と易分解性脂肪族ポリエステル(B’)とを、同時に単軸又は二軸押出し混練機に供給して溶融混合した後、ペレット化することにより本発明の易分解性樹脂組成物を製造することができる。溶融押出し温度としては、使用する生分解性を有する脂肪族ポリエステル(A)と易分解性脂肪族ポリエステル(B’)のガラス転移温度、融点、混合比率などを考慮して、当業者が適宜設定できるが、一般的には100〜250℃である。
本発明の方法により分解される易分解性樹脂組成物には、必要に応じて、公知の可塑剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、顔料、フィラー、充填剤、離型剤、帯電防止剤、香料、滑剤、発泡剤、抗菌・抗カビ剤、核形成剤などの添加剤を配合してもよい。また、生分解性を有する脂肪族ポリエステル(A)又は易分解性脂肪族ポリエステル(B’)以外の樹脂を、本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールなどの水溶性の樹脂の他、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体、酸変性ポリオレフィン、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステルゴム、ポリアミドゴム、スチレンーブタジエンースチレン共重合体などを配合することができる。また、易分解性脂肪族ポリエステル(B’)の分散性を向上させる目的で生分解性を有する脂肪族ポリエステル(A)と易分解性脂肪族ポリエステル(B’)の共重合体を配合してもよい。
本発明の方法により分解される易分解性樹脂組成物を用いた容器の製造には、それ自体公知の成型法を用いることができる。
例えば、樹脂の種類に応じた数の押出機を用いて、多層多重ダイを用いて押出成形を行うことで多層フィルム、多層シート、多層パリソン又は多層パイプ等が成形できる。また、樹脂の種類に応じた数の射出成形機を用いて、同時射出法や逐次射出法等の共射出成形によりボトル成型用の多層プリフォームを製造することができる。このような多層フィルム、パリソン、プリフォームをさらに加工することにより、本発明の方法に用いられる易分解性樹脂組成物を用いた容器を得ることができる。
フィルム等の包装材料は、種々の形態のパウチや、トレイ・カップの蓋材として用いることができる。パウチとしては、例えば、三方又は四方シールの平パウチ類、ガセット付パウチ類、スタンディングパウチ類、ピロー包装袋等が挙げられる。製袋は公知の製袋法で行うことができる。また、フィルム又はシートを、真空成形、圧空成形、張出成形、プラグアシスト成形等の手段に付することにより、カップ状、トレイ状等の包装容器が得られる。
多層フィルムや多層シートの製造には、押出コート法や、サンドイッチラミネーションを用いることができる。また、予め形成された単層及び多層フィルムをドライラミネーションによって積層することもできる。例えば、易分解性樹脂組成物/ポリ乳酸(シーラント)層から成る2層共押出フィルムに透明蒸着生分解性フィルムをドライラミネーションにより積層する、ドライラミネートにより積層したポリ乳酸/ポリグリコール酸の2層フィルムに易分解性樹脂組成物/ポリ乳酸(シーラント)の2層をアンカー剤を介して押出コートする方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、パリソン、パイプ又はプリフォームを一対の割型でピンチオフし、その内部に流体を吹込むことにより容易にボトルやチューブを成形できる。また、パイプ、プリフォームを冷却した後、延伸温度に加熱し、軸方向に延伸すると共に、流体圧によって周方向にブロー延伸することにより、延伸ブローボトル等が得られる。
本発明に使用される加水分解酵素としては、一般に生分解性樹脂を分解するものであれば特に限定はされず、当業者が任意のものを使用することができる。このような酵素としては例えばプロテアーゼ、セルラーゼ、クチナーゼ、リパーゼ等が挙げられる。例えば和光純薬工業株式会社製のプロテアーゼKや独立行政法人酒類総合研究所のリパーゼCS2を使用することが可能である。加水分解性酵素の量は当業者が適宜決定することが可能であり、例えば使用する酵素ごとの活性単位を基準として分解しようとする易分解性樹脂に対応して決定することができる。
本発明に使用される緩衝液として、一般にpHを安定化する目的で用いられる緩衝液であればとくに限定はされない。このような緩衝液としてはグリシン-塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリス-塩酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸-リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、グリシン-水酸化ナトリウム緩衝液などが挙げられる。また固体の中和剤でもよく、例えば炭酸カルシウム、キトサン、脱プロトンイオン交換樹脂などが挙げられる。緩衝液の濃度は当業者が適宜決定することが可能であり、例えば塩濃度として10mM〜100mMとした緩衝液を使用することができる。
本発明の工程(a)では、脂肪族ポリエステル(A)の単体を緩衝液中で加水分解酵素によって分解する場合にその分解活性値を最大とする最大活性pH値を特定する。脂肪族ポリエステル(A)の単体は、前述の易分解性樹脂組成物の成分である脂肪族ポリエステル(A)単独からなり、好ましくは分解の対象とする易分解性樹脂組成物と同じ形状のものが使用される。分解液の量、温度等のその他の条件は当業者が適宜設定することが可能であるが、好ましくは後述の工程(c)と同じに設定される。
この工程では、脂肪族ポリエステル(A)の単体の分解実験を、pHの値が異なる緩衝液を使用して複数回行い、前記脂肪族ポリエステル(A)の単体を分解する加水分解酵素の分解活性値が最大となる最大活性pH値を特定する。分解活性値は、例えば一定時間後の脂肪族ポリエステル(A)の分解量を基準として決定することが可能であるが、易分解性樹脂組成物の分解の態様に応じて変更してもよい。また、緩衝液のpHの設定値の数およびpH値の間隔は、分解の最適pHを特定するために必要な値を当業者が決定することができる。この工程に使用される各pHの緩衝液のpHは全pH領域にわたる必要は無く、また、その間隔は均等である必要は無く、通常想定される分解活性値のおおよそのピークを基準として当業者が適当な分布に設定することができる。
本発明の工程(b)では、前記最大活性pH値における分解活性値の30%以上の分解活性値を与えるpH範囲を定める。一般に、酵素の活性には、酵素の種類や反応条件等に応じて至適pHが存在し、その至適pHをピークとして山型の活性を示す。従って、工程(a)において、pHの変化に応じた分解酵素の活性のグラフを作成することにより、工程(a)で特定した最大活性pH値の分解活性値の30%以上の活性を示す活性pH領域を容易に決定することができる。なお、本発明における分解活性値は厳密に区切る必要は無く、分解活性値の絶対値や分解活性の分布に応じて、易分解性樹脂組成物を所望の程度にまで分解するのに必要な値を当業者が一定の幅を持って定めることができる。
通常、分解活性は、最大活性pH値の分解活性値の30%以上の分解活性を与えるpH領域内において発揮されるが、活性値2.7以上を示したpH5.0〜7.2の範囲外である後述の実施例4、5に示すように、分解活性値の30%以上の範囲を超える場合であっても分解性を有することがわかる。これは、易分解性樹脂組成物の加水分解により酸を放出する脂肪族ポリエステル(B’)による酸触媒効果によるものである。また、実施例4、5と比較例2を比較すると、分解液pH8.0では分解量が極端に低下し、酸を放出する脂肪族ポリエステル(B’)の酸触媒効果がpH8.0未満で発揮されることがわかる。
本発明の工程(c)では、前記易分解性樹脂組成物(すなわち、脂肪族ポリエステル(A)および脂肪族ポリエステル(B’)の両方を含む樹脂組成物)を、加水分解酵素を含み、かつ、pHが前記活性pHの下限値以上、かつ、8.0未満である酵素反応液中で分解し、ここで、この分解工程中、前記酵素反応液のpHが、前記活性pHの下限値以上、かつ、8.0未満に維持される。また、好ましくは、前記易分解性樹脂組成物の分解は、前記活性pHの範囲内、かつ、8.0未満に維持されて行われる。pHを前記活性pHの範囲内とすることにより加水分解酵素の作用を充分に得、かつ、同時にpHを8.0未満とすることにより、加水分解により放出する脂肪族ポリエステル(B’)が加水分解により放出するpHが2.0以下の酸による分解作用を充分に得ることが可能となり、これらの酸及び分解酵素の両方による分解作用により、易分解性樹脂組成物の分解速度を向上させることができる。
この工程においては、酵素反応液のpH値が上記のpH条件に維持される。即ち、易分解性樹脂組成物を酵素反応液中に入れた直後の反応開始時のpHだけでなく、この工程の全体にわたって、すなわち、易分解性樹脂組成物を所望の程度にまで分解するのに必要な時間の間、pHが上記のpH範囲内にある。ただし、pHが上記のpH範囲からわずかな時間外れることをも許容しないものではなく、易分解性樹脂組成物の分解に必要な時間を確保できる程度にpHの値が上記範囲にとなるように管理されていればよい。
pHを前記活性pHの下限値以上、かつ、8.0未満に維持する方法としては特に限定はされず、当業者が任意の方法で行うことが可能である。例えば所定の時間、例えば2日、3日の経過後に酵素分解液を交換したり、上記緩衝液の濃度を分解酵素の活性に影響しない範囲で調整したり、中和剤、例えば炭酸カルシウムを酵素分解液中に添加することにより行うことができる。
分解液中で易分解性樹脂を分解する際の温度は、酵素及び易分解性脂肪族ポリエステル(B’)が放出する酸が分解活性を示す温度であればよい。より好ましくは、0℃〜100℃である。さらに好ましくは、20℃〜70℃である。より具体的には、分解の温度は、例えば(易分解性脂肪族ポリエステル(B’)のガラス転移温度―5℃)<分解温度<酵素活性を示す温度の上限、を基準とすることができる。例えば、易分解性脂肪族ポリエステル(B’)としてポリエチレンオキサレートを使用した場合には例えば37℃の温度条件下で分解を促進することが可能であり、ポリグリコール酸を使用した場合には例えば45℃とすることにより分解を促進することができる。
ガラス転移温度は、例えば、セイコーインスツルメント株式会社製DSC6220(示差走査熱量測定)を用いて測定することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
使用した加水分解酵素の酵素液は以下のように調製した。
- proK(ProteinaseK)酵素液
Tritirachium album由来ProteinaseK(和光純薬工業株式会社)の粉末20mgを、50w/w%グリセリンを含む0.05MTris-HCl緩衝液(pH8.0)1mlに溶解させproK(ProteinaseK)酵素液を作成した。
- CLE酵素液
独立行政法人酒類総合研究所から提供を受けたリパーゼ活性653U/mL を示すCryptococcus sp. S-2由来リパーゼCS2(特開2004-73123)酵素液を用いた。リパーゼ活性は基質としてパラニトロフェニルラウレートを用い測定した。ここでリパーゼ活性の1Uとは1μmol/minのパラニトロフェノールをパラニトロフェニルラウレートから遊離させた時の酵素量で定義される。
(ガラス転移温度の測定)
ガラス転移温度(Tg)はセイコーインスツルメント株式会社製DSC6220(示差走査熱量測定)を用いて行った。測定条件は窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で0〜200℃まで測定した。サンプルは後述するPEOx、PEOx20とし、試料量5〜10mgとした。
ポリエチレンオキサレート (PEOx)(脂肪族ポリエステル(B’))の合成
マントルヒーター、攪拌装置、窒素導入管、冷却管を取り付けた300mLのセパラブルフラスコにシュウ酸ジメチル354g(3.0mol)、エチレングリコール223.5g(3.6mol)、テトラブチルチタネート0.30 gを入れ窒素気流下フラスコ内温度を110℃からメタノールを留去しながら170℃まで加熱し9時間反応させた。最終的に210mlのメタノールを留去した。その後内温150℃で0.1-0.5mmHgの減圧下で1時間攪拌し、内温170℃〜190℃で7時間反応後、粘度が上がり取り出した。合成物のηinhは0.12であった。
溶液粘度(ηinh)の測定は、120℃で一晩真空乾燥させた合成したポリエチレンオキサレートを用い、これをm-クロロフェノール/1,2,4-トリクロロベンゼン=4/1(重量比)混合溶媒に浸漬し、150℃で約10分溶解させ濃度0.4g/dlの溶液を作り、ついでウベローデ粘度計を用いて30℃で溶液粘度を測定した。(単位dl/g)
(ポリオキサレート(PEOx20)の合成)
シュウ酸ジメチル354g(3.0mol)の代わりにシュウ酸ジメチル94.5g(0.8mol)及びテレフタル酸ジメチル38.8g(0.2mol)を用いた以外は、上記PEOxの合成と同様の方法で合成した。
GPC測定により、重量平均分子量 (Mw)は20000であった。GPCには、東ソー株式会社製HLC−8120を用い、カラムとしてTSKgel SuperHM−H×2及びガードカラムとしてTSKguard column SuperH−Hを用いた。カラムオーブンの温度を40℃とし、溶離液としてクロロホルムを用い、流速を0.5ml/minとした。また、サンプル注入量は15μlとした。スタンダードはクロロホルムにポリスチレンを溶解させたものを用いた。サンプル調整はクロロホルムを溶媒として濃度5mg/mlとし、フィルターろ過したものを用いた。
(PEOx、PEOx20の性質)
モノマーであるシュウ酸は0.005g/ml濃度でpH1.6であり、PEOx、PEOx20は水溶液中で加水分解によりシュウ酸、またはシュウ酸オリゴマーを溶出する。
ポリオキサレートのモノマー含有量とガラス転移温度
Figure 2010138389
易分解性樹脂組成物フィルム(脂肪族ポリエステル(A)+脂肪族ポリエステル(B’))の作製
二軸押出機(テクノベル社製)を用いて溶融混練温度200℃でポリ乳酸(Natureworks社製)/PEOxまたはPEOx20=95/5質量%のマスターペレットを作製し、得られたペレットをラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、成膜温度200℃とし100μmの易分解性樹脂組成物フィルムに製膜した。
(実施例1)
(a) 生分解性フィルム(脂肪族ポリエステル(A)成分の単体)に対するプロテアーゼの酵素活性測定
proK酵素液12μlを加え分解液とした60mMリン酸緩衝液(pH4.7〜9.0の範囲で11種類)10mlに2cm×2cm(45mg)に切り出したポリ乳酸フィルム(厚さ100μm)を浸し、37℃100rpmで4日間振とうさせた。4日後の分解量(mg)をフィルム分解活性値とした。ここで4日後の分解量とは分解開始時のフィルム重量(mg)−4日後のフィルム重量(mg)である。またフィルム重量測定は乾燥機で45℃一晩乾燥させ測定した値である。各pHのリン酸緩衝液中におけるフィルム分解活性は以下の通りであった。
Figure 2010138389
(b) 活性pH範囲の特定
ポリ乳酸フィルムに対するプロテアーゼの最大活性値は、上記の表1およびこの内容を図示した図1の通り、pH6.0の60mMリン酸緩衝液を用いた場合の9.13であった。この最大活性値の30%以上である活性値2.7以上を示したpH5.0〜pH7.2を、プロテアーゼを使用する場合の活性pH範囲と定めた。
(c) 易分解性樹脂組成物(脂肪族ポリエステル(A)および脂肪族ポリエステル(B’)を含む樹脂組成物)の分解
proK酵素液12μlを加え分解液としたpH7.2、60mMリン酸緩衝液10mlに2cm×2cm(重量45mg)に切り出した易分解性樹脂組成物フィルム{脂肪族ポリエステル(B’)はPEOx}を浸し、37℃100rpmで7日間振とうさせた。pHの低下を避けるため、7日間を2日、2日、3日に分け、分解液を交換した。
(実施例2)
実施例1の工程(c)を、pH7.0、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例1と同じ条件で行った。(実施例1と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH5.0〜pH7.2である。)
(実施例3)
実施例1の工程(c)を、pH6.5、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例1と同じ条件で行った。(実施例1と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH5.0〜pH7.2である。)
(実施例4)
実施例1の工程(c)を、pH7.5、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例1と同じ条件で行った。(初期pH7.5は活性pH範囲(pH5.0〜pH7.2)の範囲外であるが、分解の工程全体は活性pHの下限値5.0以上、かつ、8.0未満で行われた。)
(実施例5)
実施例1の工程(c)を、pH7.8、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例1と同じ条件で行った。(初期pH7.8は活性pH範囲(pH5.0〜pH7.2)の範囲外であるが、分解の工程全体は活性pHの下限値5.0以上、かつ、8.0未満で行われた。)
(実施例6)
前記リン酸緩衝液の代わりに蒸留水と、中和剤としての炭酸カルシウム22.5mg(和光純薬工業株式会社)を加えたほかは実施例1の工程(c)と同様に行った。(実施例1と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH5.0〜pH7.2である。)最終のpHは6.5であった。
(比較例1)
実施例1の工程(c)を、pH9、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例1と同じ条件で行った。(実施例1と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH5.0〜pH7.2である。)
(比較例2)
実施例1の工程(c)を、pH8.0、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例1と同じ条件で行った。(実施例1と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH5.0〜pH7.2である。)
(比較例3)
proK酵素液12μlを加え分解液としたpH6.5、60mMリン酸緩衝液10mlに2cm×2cm(重量45mg)に切り出した易分解性樹脂組成物フィルムを浸し、37℃100rpmで7日間振とうさせた。酵素液の交換は行わなかった。(実施例1と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH5.0〜pH7.2である。)
(比較例4)
実施例1の工程(c)を、pH4.7、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例1と同じ条件で行った。(実施例1と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH5.0〜pH7.2である。)
実施例1〜3、6及び比較例1〜4のpHの変動を図2に、また易分解性樹脂組成物の分解の結果を下記の表2に示す。
Figure 2010138389
分解工程中に分解液のpHが酵素が活性を示すpH5〜7.2の範囲に常に入っている場合は○、それ以外は×とした。
酸触媒効果でpHが8以下の項目は○、8以上は×とした。
(実施例7)
(a) 生分解性フィルム(脂肪族ポリエステル(A)単体)に対するリパーゼCS2の酵素活性測定
CLE酵素液48μlを加え分解液とした60mMリン酸緩衝液(pH3.0〜8.0の範囲で11種類)10mlに2cm×2cm(45mg)に切り出したポリ乳酸フィルム(厚さ100μm)を浸し、37℃100rpmで4日間振とうさせた。4日後の分解量(mg)をフィルム分解活性値とした。ここで4日後の分解量とは分解開始時のフィルム重量(mg)−4日後のフィルム重量(mg)である。またフィルム重量測定は乾燥機で45℃一晩乾燥させ測定した値である。各pHのリン酸緩衝液中におけるフィルム分解活性は以下の通りであった。
Figure 2010138389
(b) 活性pH範囲の特定
ポリ乳酸フィルムに対するリパーゼCS2の最大活性値は、上記の表3およびこの内容を図示した図3の通り、pH7.0の60mMリン酸緩衝液を用いた場合の15であった。この最大活性値の30%以上である活性値4.5以上を示したpH4.4〜pH7.8を、リパーゼCS2を使用する場合の活性pH範囲と定めた。
(c) 易分解性樹脂組成物(脂肪族ポリエステル(A)および脂肪族ポリエステル(B’)を含む樹脂組成物)の分解
CLE酵素液48μlを加え分解液としたpH7.0、60mMリン酸緩衝液10mlに2cm×2cm(重量45mg)に切り出した易分解性樹脂組成物フィルム{脂肪族ポリエステル(B’)はPEOx}を浸し、37℃100rpmで7日間振とうさせた。pHの低下を避けるため、7日間を2日、2日、3日に分け、分解液を交換した。
(実施例8)
実施例7の工程(c)を、pH6.5、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例7と同じ条件で行った。(実施例7と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH4.4〜pH7.8である。)
(実施例9)
実施例7の工程(c)を、pH7.5、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例7と同じ条件で行った。(実施例7と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH4.4〜pH7.8である。)
(実施例10)
易分解性樹脂組成物フィルム{脂肪族ポリエステル(B’)はPEOx20}に代え、温度を45℃に代えた他は実施例7と同様に行った。初期のpHは7、終了時のpHは4.5であり、分解は活性pH範囲で行われた。
(比較例5)
実施例7の工程(c)を、pH8、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例7と同じ条件で行った。(実施例7と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH4.4〜pH7.8である。)
(比較例6)
実施例7の工程(c)を、pH9、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例7と同じ条件で行った。(実施例7と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH4.4〜pH7.8である。)
(比較例7)
実施例7の工程(c)を、pH4.7、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例7と同じ条件で行った。(実施例7と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH4.4〜pH7.8である。)
(比較例8)
実施例7の工程(c)を、pH3.7、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例7と同じ条件で行った。(実施例7と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH4.4〜pH7.8である。)
(比較例9)
実施例7の工程(c)を、pH3.0、60mMリン酸緩衝液を用いたほかは実施例7と同じ条件で行った。(実施例7と同じ易分解性樹脂組成物を使用したため、活性pH範囲の範囲も同じくpH4.4〜pH7.8である。)
(比較例10)
易分解性樹脂組成物フィルム{脂肪族ポリエステル(B’)はPEOx20}に代えた他は実施例7と同様に行った。初期のpHは7、終了時のpHは5.1であり、分解は活性pH範囲で行われた。
実施例7〜9及び比較例5〜9のpHの変動を図4に、また易分解性樹脂組成物の分解の結果を下記の表4に示す。
Figure 2010138389
分解工程中に分解液のpHが酵素が活性を示すpH4.4〜7.8の範囲に常に入っている場合は○、それ以外は×とした。
酸触媒効果でpHが8以下の項目は○、8以上は×とした。

Claims (5)

  1. 生分解性を有する脂肪族ポリエステル(A)と、加水分解により酸を放出し、かつ、脂肪族ポリエステル(A)より分解速度が速い生分解性を有する脂肪族ポリエステル(B’)とを含む易分解性樹脂組成物を分解する方法であって、
    (a) 脂肪族ポリエステル(A)の単体を緩衝液中で加水分解酵素によって分解する場合にその分解活性値を最大とする最大活性pH値を特定する工程、
    (b)前記最大活性pH値における分解活性値の30%以上の分解活性値を与える活性pH範囲を定める工程、及び
    (c) 前記易分解性樹脂組成物を、加水分解酵素を含み、かつ、pHが前記活性pHの下限値以上、かつ、8.0未満である酵素反応液中で分解する工程であって、この分解工程中、前記酵素反応液のpHが、前記活性pHの下限値以上、かつ、8.0未満に維持される、工程
    を含む、分解方法。
  2. 前記工程(c)の分解温度が、前記脂肪族ポリエステル(B’)のガラス転移温度−5℃以上である、請求項1記載の分解方法。
  3. 加水分解酵素がプロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼまたはクチナーゼである、請求項1または2記載の分解方法。
  4. 脂肪族ポリエステル(B’)が放出する酸がシュウ酸またはマレイン酸である、請求項1から3のいずれか1項記載の分解方法。
  5. 易分解性樹脂組成物が、ポリ乳酸系樹脂中にポリオキサレートを分散させて得られるものである、請求項1から4のいずれか1項記載の分解方法。
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