JP2010137419A - インクジェット記録装置及びインクタンク - Google Patents

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丈明 島
Toshiro Sugiyama
敏郎 杉山
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力 小幡
Naoaki Wada
直晃 和田
Takashi Kawabata
隆 川端
Yohei Izumi
洋平 泉
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Abstract

【課題】インクジェット記録装置が小型化、構成の簡素化を図ると共に、製造コストを低減する。
【解決手段】記録ヘッド30に供給されるインクを貯蔵するインク袋体11と、回復ユニットの作動に伴って発生した廃インクを回収して貯蔵する廃インク袋体13とを備える。廃インク袋体13は、廃インクを取り入れる流入口14と、インク袋体11が内部に配置されて流入口14から廃インク又は空気が流入することによって内部圧力が上昇する密閉空間と、インク袋体11に密閉空間の内部圧力を伝達するための可撓性フィルムと、密閉空間の内部圧力が所定以上に達したときに密閉空間の内部の空気又は廃インクを排出する排出口15とを有する。また、排出口15から排出された廃インクを一時的に貯蔵する中継タンク43と、中継タンク43から廃インク袋体13の流入口14に廃インクを流入させるための廃インクチューブ45及び吸引選択弁53を備える。
【選択図】図2

Description

本発明はインクを吐出することで記録を行うインクジェット記録装置及び記録装置にインクを供給するインクタンクに関する。
プリンタ等で使われている記録方式のうち、吐出口(ノズル)からインクを吐出させて記録紙上に記録を行うインクジェット記録方式は、低騒音のノンインパクト記録方式で高密度かつ高速の記録動作が可能であるので、近年では広く採用されている。
一般的なインクジェット記録装置は、記録ヘッドを搭載するキャリッジを駆動する駆動手段と、記録紙を搬送する搬送手段と、これら駆動手段及び搬送手段を制御する制御手段とを備えている。
また、インクジェット記録装置には、記録ヘッドのノズル部分からインクを吐出させるエネルギーを発生するために、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いてインクを加圧するものや、レーザなどの電磁波を照射して発熱させこの発熱により発泡させるものがある。また、インクジェット記録装置としては、発熱抵抗体を有する電気熱変換体素子によって液体を加熱させ発泡させるものもある。その中でも熱エネルギーを利用してインク滴を吐出させる方式のインクジェット記録装置は、ノズルを高密度に配列させることができるので、高解像度の記録をすることが可能である。特に電気熱変換体素子をエネルギー発生素子として用いた記録ヘッドは、小型化が容易である。加えて、この記録ヘッドは、最近の半導体製造分野において技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術を応用し、その長所を十分に活用することにより、高密度実装化が容易で、かつ製造コストを低減できる。
このようなインクジェット記録装置においては、ノズルの目詰まりによる記録不良を防ぐために、ヘッドクリーニング手段を備えた回復装置が設けられている。
このヘッドクリーニング手段の一例としては、ゴムなどの弾性部材から構成されるキャップをよってノズル面全体を覆った状態で、キャップを介して吸引ポンプを用いてインクをノズルから吸引する構成がある。回復装置は、インクをノズルから吸引することによって、記録ヘッド及びインク供給流路の内部の高粘度インク、微細なごみやインク中の気泡を、インクと共にノズル先端から吸い出すように構成されている。ヘッドクリーニング手段の他の例としては、可撓性を有するワイパーブレードを用いてヘッド表面を払い拭きすることによって、ヘッド表面に付着した微細なごみや残余インクを取り除き、ヘッド表面を清掃する構成がある。
更に他の例としては、記録ヘッドが記録を行う直前に少量のインクを吐出して、安定した吐出特性を保つものである。記録装置内には、このような廃インクを収納するための廃インク回収装置が設けられている。上述のような吸引動作や払い拭き動作や予備吐出動作に伴って吐出口から排出されたインクは、廃インクとして装置内で処理される。また、縁無し記録時に被記録材の縁の外側へ吐出されたインクも、同様に廃インクとして処理される。
また、この廃インク回収装置をインクタンクと一体化することで、インクタンクに廃インクを回収する構成がある。例えば各記録ヘッドで排出された廃インクを一箇所に集めて、その時点で回収可能なインクタンクへ回収させる構成がある(特許文献1参照)。
また、これらキャリッジに搭載された記録ヘッドを往復動作させて記録するインクジェット記録装置は、インクタンクの交換頻度を減らすためにインクタンクの大容量化を図る必要がある。しかし、インクタンクと記録ヘッドとが一体化されたタイプでは、往復動作するキャリッジ上に搭載されるインクタンクなどの慣性が増大してしまう。このため、移動しない位置にインクタンクを配置し、キャリッジ上の記録ヘッドにチューブなどを接続してインクを供給する構成が知られている。
そして、このようなインクジェット記録装置には、インクタンク内のインクを記録ヘッドへ加圧ポンプによって加圧供給する加圧供給装置を備えるものがある。
上述したような吸引ポンプと、加圧ポンプとを共に備えたインクジェット記録装置では、装置全体の小型化を図ることが提案されている。例えばヘッド回復装置が有する吸引ポンプの廃インク排出側を、加圧供給装置の圧力室に接続することで、吸引ポンプの廃圧を利用してインクを加圧供給する構成がある(特許文献2参照)。
特開2004−130701号公報 特開2007−001259号公報
しかしながら、特許文献2における構成では、廃インクを回収するための廃インクタンクが必要になる。特に記録装置が業務用の大判プリンタである場合には、廃インク量が多いので廃インクタンクが満杯になり易く、交換可能な廃インクカートリッジが必要である。
また、特許文献1における構成では、廃インクをリザーバタンクに一旦貯めた後、リザーバタンクからインクタンク内の廃インク貯蔵部に排出するように構成されている。このため、この構成では、専用の廃インクカートリッジが不要になるが、廃インク排出用のポンプを備える必要がある。
また、インクを加圧供給するインクジェット記録装置は、加圧供給用ポンプ、ヘッド回復用ポンプ、廃インク排出用ポンプをそれぞれ備える必要があるので、記録装置が大型化、複雑化し、記録装置の製造コストの増加を招く問題がある。
そこで、本発明は、上述した課題を解決し、記録装置の小型化、構成の簡素化を図り、記録装置の製造コストを低減することができるインクジェット記録装置及びインクタンクを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、被記録材にインクを吐出して記録を行う記録手段と、記録手段に供給されるインクを貯蔵するインク貯蔵部と、記録手段のインク吐出特性を回復させるための回復手段と、回復手段の作動に伴って発生した廃インクを回収して貯蔵する廃インク貯蔵部と、を備える。廃インク貯蔵部は、回復手段から回収された廃インクを取り入れる流入口と、インク貯蔵部が内部に配置されて流入口から廃インク又は空気が流入することによって内部圧力が上昇する密閉空間と、インク貯蔵部に密閉空間の内部圧力を伝達するための圧力伝達部材と、密閉空間の内部圧力が所定以上に達したときに密閉空間の内部の空気又は廃インクを排出する排出口と、を有する。また、インクジェット記録装置は、排出口から排出された廃インクを一時的に貯蔵する一時貯蔵タンクと、一時貯蔵タンクから廃インク貯蔵部の流入口に廃インクを流入させるための廃インク流入手段と、を備える。
また、本発明に係るインクタンクは、被記録材にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置の記録手段にインクを供給するインクタンクにおいて、記録手段に供給するインクを貯蔵するインク貯蔵部と、記録手段のインク吐出特性を回復させるための回復手段の作動に伴って発生した廃インクを回収して貯蔵する廃インク貯蔵部と、を備える。廃インク貯蔵部は、回復手段から回収された廃インクを取り入れる流入口と、インク貯蔵部が内部に配置されて流入口から廃インク又は空気が流入することによって内部圧力が上昇する密閉空間と、インク貯蔵部に密閉空間の内部圧力を伝達するための圧力伝達部材と、密閉空間の内部圧力が所定以上に達したときに密閉空間の内部の空気又は廃インクを排出する排出口とを有する。
本発明によれば、回復手段で発生する圧力を、記録手段にインクを供給するための圧力として利用することが可能になるので、インクジェット記録装置の小型化、構成の簡素化を図り、製造コストを低減することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態のインクジェット記録装置の概略の構成を示す斜視図である。図1に示すインクジェット記録装置1は、記録ヘッド30の往復移動(主走査)と、被記録材としての記録紙、特殊紙、OHPフィルム等の記録用シートSを所定ピッチごとに搬送する搬送動作(副走査)とを繰り返して行うシリアル型の記録装置である。そして、インクジェット記録装置1は、これら主走査と副走査の動きと同期させながら記録ヘッド30から選択的にインクを吐出させ、記録用シートSにインクを付着させることで、文字や記号、画像等を形成する。
図1に示すように、記録手段としての記録ヘッド30は、2本のガイドレールに摺動自在に支持されてモータ等の駆動機構(不図示)によってガイドレールに沿って往復移動されるキャリッジ2に着脱可能に搭載されている。記録用シートSは、記録ヘッド30のインク吐出面に対向し、かつ、インク吐出面との距離を一定に維持するように、搬送ローラ3によってキャリッジ2の移動方向と交差する方向(例えばキャリッジ2の移動方向と直交する方向である矢印A方向)に搬送される。
記録ヘッド30は、それぞれ異なる色のインクを吐出するための複数のノズル列を有する。記録ヘッド30から吐出されるインクの色に対応して、複数の独立したインクタンク(メインタンク)10が、インク供給ユニット4に着脱可能に装着される。インク供給ユニット4と記録ヘッド30とは、それぞれインクの色に対応した複数のインク供給チューブ20によって接続されている。インクタンク10がインク供給ユニット4に装着されることで、インクタンク10内に収納された各色のインクを、記録ヘッド30の各ノズル列に独立して供給することが可能にされている。
記録ヘッド30の往復移動範囲内で、かつ、搬送される記録用シートSの通過範囲外の領域である非記録領域には、記録ヘッド30のインク吐出特性を回復させるための回復手段としての回復ユニット50が配置されている。この回復ユニット50は、記録ヘッド30のインク吐出面と対向して配置されている。また、回復ユニット50とは反対側の非記録領域や、記録領域の適当な位置(不図示)には、予備吐口41が設置されている。
(第1実施形態のインクジェット記録装置及びインクタンク)
次に、第1の実施形態のインクジェット記録装置のインク供給系の詳細な構成について図2を参照して説明する。図2は、図1に示すインクジェット記録装置1のインク供給経路を説明するための模式図であり、簡単に説明するために、2色のインクの経路のみについて示している。
図2に示すように、インクタンク10は、インク貯蔵部としての、可撓性フィルムで形成された可撓性容器であるインク袋体11と、廃インク貯蔵部としての、可撓性フィルムで形成された廃インク袋体13と、廃インク袋体13を覆うケース16とを有している。
廃インク袋体13は、回復ユニット50の作動に伴って発生した廃インクを回収して貯蔵する。廃インク袋体13は、内部に廃インク又は空気が流入することによって内部圧力が上昇する密閉空間(内部空間)を有しており、この密閉空間の内部にインク袋体11が配置されている。そして、インク袋体11を構成する可撓性フィルムが、このインク袋体11の内部に、密閉空間の内部圧力を伝達するための圧力伝達部材として働いている。したがって、圧力伝達部材は、インク袋体11から記録ヘッド30にインクを供給してインク袋体11内のインク貯蔵量が減ることに伴って廃インク袋体13内の廃インクの貯蔵可能容積が増える。
また、インクタンク10は、インク袋体11内のインク消費量を検出するインク消費量検出手段としてのインク消費量検出センサー(不図示)を有している。さらに、インクタンク10は、廃インク袋体13に流入した廃インク量を検出する廃インク量検出手段としての廃インク量検出センサー(不図示)を有している。また、インクタンク10には、インク消費量と廃インク量を記憶するためのメモリ17が設けられており、このメモリ17を介してインク供給ユニット4に装着されたときに記録装置本体とデータ通信が可能にされている。
また、インクタンク10は、インク袋体11内のインク消費量及び廃インク袋体13に流入した廃インク量が、インクジェット記録装置が有するインク消費量検出センサー及び廃インク量検出センサーによって検出されるように構成されてもよい。この構成の場合、インクタンク10のメモリ17には、インク消費量及び廃インク量が記憶される。
インク袋体11には、インク供給チューブ20にインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インク供給口12は、インクタンク10がインク供給ユニット4に装着されていないときに内部のインクを漏らさず、インク供給ユニット4に装着されたときインク供給チューブ20と密閉状態で接続されるように、ボール弁又はゴム栓(不図示)が設けられている。
廃インク袋体13には、記録ヘッド30から排出されて回復ユニット50から回収された廃インクを取り入れる流入口14が設けられている。この流入口14もインク供給口12と同様に構成されている。つまり、流入口14は、インクタンク10がインク供給ユニット4に装着されていないときに廃インクを漏らさず、インク供給ユニット4に装着されたときに廃インクチューブ(廃インク流路)45と密閉状態で接続されるように構成されている。この流入口14には、流入方向に連通可能な一方向弁としてのボール弁、又はゴム栓(不図示)が設けられている。
また、廃インク袋体13には、廃インク袋体13の密閉空間の内部圧力が所定以上に達したときに密閉空間の内部の空気又は廃インクを排出する排出口15が設けられている。この排出口15には、所定圧力で開放されるリリーフ弁(不図示)が設けられている。排出口15も、上述の流入口14と同様に構成されている。つまり、排出口15は、インクタンク10がインク供給ユニット4に装着されていないときに内部の廃インクを漏らさず、インク供給ユニット4に装着されたときに廃インク排出チューブ46と密閉状態で接続されるように構成されている。このため、排出口15には、ボール弁又はゴム栓(不図示)が設けられている。
そして、インクタンク10がインク供給ユニット4に装着されたときに、廃インク袋体13の流入口14は、排出口15よりも鉛直上方に位置するように設けられている。
廃インク排出チューブ46の端部には、排出連通選択手段としての選択弁44が設けられている。この選択弁44は、複数の廃インク排出チューブ46のいずれか1つを選択的に中継タンク43に連通させるように構成されている。選択弁44から中継タンク43までの間は、廃インクチューブ47を介して接続されている。
また、インクタンク10には、インクタンク10が有するインク消費量検出センサー及び廃インク量検出センサーによる検出結果に基づいて、選択弁44を制御する制御手段として制御回路(不図示)を有している。
一時貯蔵タンクとしての中継タンク43は、所定量の廃インクを一時的に貯蔵する容積を有している。この中継タンク43は、廃インクチューブ47と接続されると共に、予備吐口41から廃インクを導くための廃インクチューブ42と接続されている。また、中継タンク43は、上部が大気開放口48と接続されており、下部が吸引選択弁53に接続されている。中継タンク43には、廃インク量検出手段としての廃インク量検出センサーが設けられている。この廃インク量検出センサーとしては、例えば、重量センサー、電極を用いた通電センサー、光学的センサーなどのいずれが用いられてもよい。
記録ヘッド30は、その外周壁の一部が可撓膜31によって構成されている。可撓膜31は、インクの消費に伴う記録ヘッド30内部の圧力変化に応じて伸縮動作を行う。可撓膜31の伸縮動作は、可撓膜31に接続されたアーム32に伝えられ、さらにはアーム32の可撓膜31に接続された一端部と反対側の他端部に接続された弁33に伝えられる。弁33は、インク供給チューブ20と記録ヘッド30との接続部を開閉可能に設けられており、上述のような仕組みによって、記録ヘッド30内のインクの消費に伴って開閉動作される。
廃インクは、記録ヘッド30の特出動作の信頼性を保つために不可避的に発生するものである。廃インクは、回復ユニット50に設けられた吸引用のキャップ51に廃棄される廃インクと、予備吐口41に廃棄される廃インクとに大別することができる。キャップ51は、記録領域から外れた位置に設けられ、非記録動作時に記録ヘッド30のインク吐出面を保護・保湿するために使われる他、記録開始前や記録動作中の予備吐を受けたり、記録ヘッド30の吐出面を吸引回復したりするときに使われる。キャップ51は、廃インクチューブ52に接続されており、この廃インクチューブ52が、吸引選択弁53を介して、回復ユニット50が有する圧力発生手段としてのポンプ40と接続されている。ポンプ40は、可撓性チューブをコロで順次押圧することによって圧力を発生させるチューブポンプであり、正転で圧力を発生させ、逆転でコロの押圧を緩めインク流路を連通させるように構成されている。予備吐口41は、記録領域から外れたキャップ51とは反対側に設置される場合や、記録領域の適当な位置に設置される場合がある。予備吐口41に溜まった廃インクは、重力によって廃インクチューブ42を経由して中継タンク43に蓄えられる。
流入連通選択手段としての吸引選択弁53は、キャップ51と中継タンク43のどちらか一方を選択的に、廃インク袋体13に連通させるよう構成されている。ポンプ40の出口側の廃インクチューブ45は、複数のインクタンク10の各流入口14にそれぞれ接続されるように複数に分岐されている。したがって、インクジェット記録装置は、中継タンク43から廃インク袋体13の流入口14に廃インクを流入させるための廃インク流入手段としての、廃インクチューブ45及び吸引選択弁53を備えている。
図3は、第1の実施形態のインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
インターフェース104は、インクジェット記録装置1とホストコンピュータ105とを電気的に接続される。このインターフェース104は、ホストコンピュータ105からデータを受信したり、ステータスを送信したりする機能を有し、ホストコンピュータ105とのデータ送受信用通信ポートとして動作する。
図3に示すように、制御回路のバス106は、CPU103とその他の装置を電気的に接続する機能を有している。
タンク内不揮発性メモリ101は、インクタンク10内に設けられたメモリ17であって、インク供給ユニット4からインクタンク10が取り外されたときであっても、記憶された情報を保持し続けることが可能である。メモリ17であるタンク内不揮発性メモリ101には、インクタンクIDや消費インク量、回収された廃インク量などが記憶されている。
不揮発性メモリ102は、各種情報が保存記憶されている記憶素子であり、電力の供給が断たれても、記憶された情報を保持し続けることが可能である。本実施形態において、これらメモリは、記録ヘッド30から吐出されたインクの積算量や中継タンク43の廃インク蓄積量を記憶しておくための記憶手段として使用される。
モータ・ドライバ107は、記録動作を行うためのキャリッジモーター(記録ヘッドを動作させる)、紙送りモータ(記録用紙を動かし、給紙、排紙を行う)、回復モータ(記録ヘッドの回復動作を行う)等のモータ類を駆動制御するための制御回路である。
記録ヘッド制御部108は、記録用紙上に画像等を記録する記録ヘッド30を制御する。
交換型の記録ヘッドの場合、記録ヘッド毎に固有のヘッドIDを有しており、記録ヘッドが交換されたか否かがこのヘッドIDを比較することによって判別される。
また、記録ヘッド毎に、ヘッドランク(記録ヘッドの内部部材の発熱量)、温度センサー補正値(記録ヘッド内部の温度を示すセンサーのバラツキの補正値)等の個体差があり、これらはインクジェット記録装置の初期化動作を行う際にチェックされる。
RAM109(Random Access Memory)は、電力が供給されている間だけ情報を保持できる記憶素子であり、電力の供給が断たれると保持している情報は消滅してしまう。
ROM110(Read Only Memory)は、読み出しのみ可能な記憶素子であり、インクジェット記録装置の制御プログラムが記憶されており、これをCPU103で参照して制御動作を行う。
以下に回路の動作状況を説明する。
CPU103は、ROM110から制御プログラムを読み出し、プログラムに従って各制御装置の制御を実行する。インターフェース104は、ホストコンピュータ105から記録データを受信し、RAM109に書き込み、書き込まれたデータに基づいてCPU103は、モータ・ドライバ107、記録ヘッド制御部108の制御を行い、記録用紙上に記録データを記録する。
ポンプ制御部111は、図2中のポンプ40を制御するためのモジュールである。インクジェット記録装置の動作状況に応じ、CPU103によってポンプ制御部111は制御される。
中継タンク43には、中継タンク43内の廃インク量を検出する廃インク検出手段としての廃インク量センサー112が設けられている。この廃インク量センサー112を用いて、予備吐口41に予備吐出された廃インク量や、廃インク袋体13から排出された廃インク量が所定の閾値を超えたか否かの判定を行う。
流入制御手段としての選択弁制御部113は、図2に示した選択弁44を制御するためのモジュールである。選択弁44の開閉動作は、CPU103によって制御されている。
吸引選択弁制御部114は、図2に示した吸引選択弁53を制御するためのモジュールである。吸引選択弁53の開閉動作も、CPU103によって制御されている。
以下、図4及び図5に示すフローチャートを参照して、第1の実施形態のインクジェット記録装置の記録動作時におけるインクの加圧供給動作と、廃インクの回収動作とについて説明する。
記録動作を開始するために、まず記録ヘッド30にインクを供給する必要がある。図4は、記録動作前に所定の供給圧にするための記録前加圧動作を示す。
まず、ステップ201に示すように、タンク内不揮発性メモリ101から各インクタンク10内のインク量、廃インク量の情報を読み出し、ステップ202に示すように、廃インクを回収するインクタンク10を判定する。このとき、例えば、回収された廃インク量を消費インク量から引いた値が最も大きくなるインクタンク10に決定される。ステップ203に示すように、決定したインクタンク10の排出口15と中継タンク43とが連通されて、その他のインクタンク10が封止されるように、選択弁44を動作させる。
次に、ステップ204において、中継タンク43に設けられた廃インク量センサー112から廃インク量の値を読み出し、ステップ205において、廃インク量が閾値以上であるか否かを判定する。廃インク量が閾値以上である場合には、中継タンク43内に所定量以上の廃インクが貯留されているので、中継タンク43から廃インクを回収する必要がある。このため、ステップ206に示すように、中継タンク43と廃インク袋体13とを連通させるように吸引選択弁53を動作させ、ステップ207においてポンプ40を動作させる。そして、ステップ208において、ポンプ40を動作させたままで所定時間だけ待機する。中継タンク43内の廃インクは、ポンプ40で発生する圧力によって吸引排出され、複数に分岐された廃インクチューブ45を通って各廃インク袋体13に流入する。
そして、廃インク袋体13に廃インクが流入して、廃インク袋体13の内部圧力が所定圧力に達したときに、廃インクの回収が決定したインクタンク10の排出口15のリリーフ弁が開放される。このとき、各廃インク袋体13内は所定圧力で均一に加圧されているので、インク袋体11は外部から均一に加圧され、記録ヘッド30にインクを安定的に加圧供給できる。さらに、ポンプ40の駆動を続けることによって、廃インクは、廃インクの回収が決定されたインクタンク10の廃インク袋体13内に回収される。このような待機時間は、中継タンク43内の廃インクが十分に回収できる時間に設定する。廃インクの回収が終わった後、ステップ209でポンプ40を停止させて、ステップ210で各廃インク袋体13に回収された廃インク量を各タンク内不揮発性メモリ101に書き込む。
ステップ211において吸引選択弁53をキャップ51と連通させ、最後にステップ212でキャップ51を記録ヘッド30から離間させ、記録前加圧動作を終了し、記録動作を開始する。
また、ステップ205において廃インク量センサー112によって検出された値が閾値以下である場合には、ステップ213に移行し、ポンプ40とキャップ51とを連通させるように吸引選択弁53を動作させる。ステップ214でキャップ51を記録ヘッド30から離間させ、ステップ215においてポンプ40を動作させる。これにより、キャップ51から空気が吸引され、各廃インク袋体13内に空気が送り込まれる。ステップ216で所定時間ポンプ40が動作し続け、所定圧力に達したときに、廃インクの回収が決定したインクタンク10の排出口15のリリーフ弁が開放される。このとき、各廃インク袋体13内は均一に所定圧力で加圧されているので、インク袋体11は、外部から均一に加圧され、記録ヘッド30にインクを安定的に加圧供給できる。このような待機時間は、各廃インク袋体13内が均一に加圧されるような時間に設定する。最後に、ステップ217において、ポンプ40を停止させて記録前加圧動作を終了し、記録動作を開始する。
次に、図5を参照して上述した記録前加圧動作を終了した後の記録動作について説明する。
ステップ218で記録ヘッド30からインクを吐出して記録動作を開始する。記録動作中は、ステップ219に示すように、各色のインク吐出量と吐出位置(キャップ51、予備吐口、記録用紙上)を積算し、随時、タンク内不揮発性メモリ101に書き込んでいく。同時にステップ220、221において、キャップ51内のインク量が所定量に達した否か、ステップ223、224において、インク吐出量の総量が所定量に達したか否かがそれぞれ判定される。また、ステップ226、227において、中継タンク43内の廃インク量が所定量に達したか否かが判定される。
例えば、スッテプ221においてキャップ51内に吐出されたインク量が閾値を超えた場合には、キャップ51内からインクがこぼれないように吸引する必要がある。このため、ステップ222に移行して、ポンプ40とキャップ51とを連通させるように吸引選択弁53を動作させる。次に、廃インクを回収するインクタンク10を判定するために、ステップ229で各インクタンク10内のタンク内不揮発性メモリ101から情報を読み出し、ステップ230において、上述のように廃インクを回収するインクタンク10を決定する。ステップ231において決定されたインクタンク10の排出口15と中継タンク43とが連通され、その他のインクタンク10を封止するように選択弁44を動作させる。ステップ232においてポンプ40を動作させ、ステップ233でキャップ51内のインクを十分に吸引する時間だけポンプ40を動作させ続け、ステップ234においてポンプ40を停止する。ステップ235において、廃インク袋体13に回収された廃インク量の情報をタンク内不揮発性メモリ101に書き込む。
ステップ236において記録動作を続行すると判定された場合には、ステップ219に戻り、各色のインク吐出量と吐出位置(キャップ51、予備吐口、記録用紙上)を積算し、随時、タンク内不揮発性メモリ101に書き込んでいく。
例えば、ステップ224において消費インク量が閾値を超えた場合には、インク袋体11内のインク容量が少なくなり、加圧供給を行うための加圧力が低下するので、再加圧する必要がある。このとき、ステップ225に移行して、ポンプ40とキャップ51とを連通させるように吸引選択弁53を動作させる。以降は、上述と同様に所定圧力に達するまでポンプ40を動作させ続ける。
同様に、ステップ227において、中継タンク43内の廃インクが所定量に達したか否かを判定する。そして、廃インクのインク量が閾値を超えた場合には、ステップ228においてポンプ40と中継タンク43とを連通させるように吸引選択弁53を動作させる。以降は、上述と同様に廃インクが十分に回収されるまでポンプ40を動作させ続ける。
以上の動作を繰り返すことによって、記録動作中であっても記録ヘッド30へのインク供給動作と廃インクの回収動作とを同時に行うことができる。
ステップ236において記録動作が終了した場合、ステップ237において記録ヘッド30からのインクの吐出を止めて、ステップ238において、キャップ51内の廃インク量を検出する。ステップ239からステップ245において、上述と同様に回収するインクタンク10を決めてポンプ40を動作させて、廃インクを回収する。そして、ステップ238において検出された廃インク量を、ステップ246において廃インク量としてタンク内不揮発性メモリ101に書き込む。ステップ247においてポンプ40と中継タンク43とを連通させるように吸引選択弁53を動作させ、その後、ステップ248においてポンプ40を逆転させてチューブからコロを離す。これにより、廃インク袋体13と中継タンク43とが連通される。中継タンク43は、大気開放口48を有しているので、廃インク袋体13内の圧力が、流入口14、中継タンク43を通って大気開放口48から外部に開放される。このとき、流入口14は、排出口15の位置よりも鉛直上方に位置しているので、流入口14に廃インクが逆流することはほとんど無く、多少の廃インクの逆流が生じたとしても、廃インクが中継タンク43内に溜まるので、装置内部へ漏れ出ることがない。これにより、記録動作の終了後に、インク供給経路の加圧状態を解除することができる。
次に、ステップ249において中継タンク43とキャップ51とを連通させ、廃インクチューブ45側を封止するように吸引選択弁53を動作させる。これにより、廃インク袋体13から廃インクが逆流するのを防止できる。加えて、キャップ51を大気開放して、記録ヘッド30の吐出口をキャップ51で覆うキャッピングを行ったときに、キャップ51の変形による記録ヘッド30への微小な加圧も防止することができる。
最後に、ステップ250で記録ヘッド30の乾燥を防止するために、キャッピングを行って記録動作を終了する。
以上説明したように本実施形態によれば、回復ユニット50のポンプ40の動作によって、廃インクを回収すると同時にインク袋体11を加圧し、記録ヘッド30にインクを加圧供給する。したがって、本実施形態は、ポンプ40が、ヘッド回復用ポンプ、記録ヘッド30にインクを加圧供給するための供給用ポンプ、廃インク排出用ポンプとして兼用できるので、インクジェット記録装置全体の小型化、製造コストの低減を図ることができる。
また、実施形態によれば、廃インク貯蔵部としての廃インク袋体13がインクタンク10と一体に構成されているので、専用の廃インクタンクが不要になる。また、インク袋体11内のインクの使用に伴って廃インク貯蔵部としての廃インク袋体13の容量が増えていくので、インク貯蔵部及び廃インク貯蔵部のスペースが有効活用することができ、さらに記録装置の小型化を図ることができる。
また、廃インク袋体13の排出口15にリリーフ弁が設けられたことによって、センサーを用いて加圧力制御を行わなくても安定的にインクを加圧供給することができる。
また、廃インク袋体13のリリーフ弁から余分な圧力が排出されるときに廃インクが一緒に排出された場合であっても、中継タンク43に廃インクを一時的に貯蔵できるので、装置内のインク汚れや装置外へのインク漏れを防ぐことができる。さらに、排出口15の連通を選択するための選択弁44が設けられることによって、1つの廃インク袋体13に廃インク流入が集中することを防ぎ、複数のインクタンク10の各廃インク袋体13に最適にインクをそれぞれ振り分けることができる。
また、インクジェット記録装置にインクタンク10を取付けたときに、廃インクの流入口14の位置が排出口15の位置よりも高い位置に配置されている。このため、非記録時などに供給加圧を解除する場合に、回復ユニット50のポンプ40を解除して大気開放することで、廃インクが逆流せずに余分な空気が流入口14から排出することができる。
(第2実施形態のインクジェット記録装置及びインクタンク)
第2の実施形態のインクジェット記録装置のインク供給系の詳細な構成を、図6を参照して説明する。
なお、第2の実施形態において、各図を通して、第1実施形態の構成と同一部分又は対応する部分には、第1の実施形態と同一符号を付す。
図6は、図2と同様に、図1に示すインクジェット記録装置のインク供給経路を説明するための図であり、簡単に説明するために、2色のインクの経路についてのみ示している。構成は図2に示す第1実施形態とほぼ同じであるが、以下の部分が異なる。
インクタンク10の廃インク貯蔵部として、第1実施形態では可撓性フィルムによって形成された廃インク袋体13が用いられたが、ケース16に気密性を持たせることでケース16内部を廃インク貯蔵部23として構成している。また、メモリ17は、インクの残量検出を行うためのインク消費量を記憶し、回収インク量の管理を行わない。
また、本実施形態では、複数のインクタンク10の複数の排出口15に選択的に連通させるための排出連通選択手段として、選択弁44の代わりに、流路抵抗増加機構が排出口15に設けられている。この流路抵抗増加機構は、廃インクが排出されたときに流路抵抗を増加させることで、廃インクの流出を抑えるように構成されている。この流路抵抗増加機構としては、例えば図7に示すフロート弁が用いられる。
図7は、フロート弁を模式的に示す断面図である。図7に示すように、フロート部材151は、液体であるインクよりも比重が小さい材料からなり、インク液面の上昇と共に上方に移動する。フロート部材を形成する材料としては、例えば比重が0.93であるポリプロピレン(PP)が好ましいが、インク媒体の主成分である水よりも比重が小さい材料であれば他の材料が用いられてもよい。
フロート室152には、フロート部材151が収容されており、廃インク貯蔵部23と連通穴153を介して繋がっている。また、上部にはフロートシール部材154が設けられており、略中心に排出穴155が設けられている。フロートシール部材154は、フロート部材151とのシール性を高めるために、弾性を有するエラストマー樹脂やゴム材料などによって形成されることが望ましい。
排出穴155の上部には、リリーフ弁156及びリリーフバネ157が設けられており、リリーフバネ157の押圧力を受けてリリーフ弁156が排出穴155を封止している。
フロート室152に廃インクが流入しない場合、ポンプ40を動作させたときに、空気は、連通穴153からフロート室152に入り、排出穴155を通り、リリーフバネ157を押圧する。そして、所定圧力以上に達したときにリリーフバネ157が圧縮されて、リリーフ弁156が開放され、空気は排出口15から中継タンク43に排出され、廃インク貯蔵部23内を所定圧力に保つ。
廃インク貯蔵部23内に廃インクが回収され続けてフロート室152内に廃インクが流入したときに、フロート部材151は、インクに押し上げられてフロートシール部材154と密着する。フロート部材151とフロートシール部材154によって排出穴155は密閉され、ポンプ40を動作させ続けたときも廃インクは流出しない。所定圧力に達すると、複数ある他のインクタンク10のリリーフ弁156が開き、廃インクは、そのインクタンク10の廃インク貯蔵部23に回収される。上述のように廃インクは、自動的に回収可能なインクタンクに回収されていくので、第1の実施形態のように各廃インク袋体13に廃インクを均等に分配することができないが、回収された廃インク量の管理と、この廃インク量に基づいた制御とを行う必要がなくなる。
図8は、第2の実施形態のインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
第2の実施形態と第1の実施形態との相違点は、タンク内不揮発性メモリ101がインクの残量検出のためのものであり、回収廃インク量の管理を行わない点である。また、選択弁44を有していないので、選択弁制御部113を備える必要がない。また、中継タンク43内の廃インク量も検出する必要がないので、廃インク量センサー112も備えていない。
図9及び図10は、第2の実施形態のインクジェット記録装置の記録動作時におけるインクの加圧供給動作と廃インクの回収動作を示すフローチャートである。図9及び図10を参照して第2の実施形態における動作ついて説明する。
図9は、図4に示した第1の実施形態と同様に、記録前に所定の供給圧にするための記録前加圧動作を示す。
第1の実施形態とは異なり、回収された廃インク量の管理を行わないので、廃インクを回収するインクタンクを判別しない。まず、ステップ251で吸引選択弁53を中継タンク43と連通し、ステップ252からステップ254でポンプ40を動作させ、中継タンク43内の廃インクを空にするとともに廃インク貯蔵部23内を所定圧力まで加圧する。ステップ255で吸引選択弁53をキャップ51と連通させた後、ステップ256においてキャップ51を記録ヘッド30から離間させ、記録前加圧動作を終了する。
次に、図10を参照して上述した記録前加圧動作を終了した後の記録動作について説明する。
ステップ257で記録ヘッド30からインクを吐出して記録を開始する。記録動作中は、ステップ258に示すように、各色のインク吐出量と吐出位置(キャップ51、予備吐口、記録用紙上)を積算し、随時、タンク内不揮発性メモリ101に書き込んでいく。同時に、ステップ259、260においてキャップ51内のインク量が所定量に達した否か、ステップ261、262において、インク吐出量が総量の所定量に達したか否かを判断していく。このとき、中継タンク43内の廃インク量は検出されない。
ステップ259からステップ262においてインク量が各閾値以上になった場合、ステップ264からステップ266で、ポンプ40を所定時間動作させることでキャップ51内のインクを回収したり、適切な供給圧を与えたりする。本実施形態は、第1の実施形態と異なり、このときに回収するインクタンク10を判定したり、回収された廃インク量の情報をタンク内不揮発性メモリ101に書き込まない。
ステップ263において記録動作を続行する場合には、ステップ258に戻り、記録動作を続行する。ステップ263において記録動作が終了した場合、ステップ267において、記録ヘッド30からのインクの吐出動作を停止する。ステップ268からステップ270において、ポンプ40を動作させてキャップ51内に残った廃インクを回収する。
ステップ271において、ポンプ40と中継タンク43が連通するように吸引選択弁53を動作させ、その後、ステップ272においてポンプ40を逆転させて、チューブからコロを離す。これにより、廃インク貯蔵部23と中継タンク43とが連通される。中継タンク43は、大気開放口48を有しているので、廃インク貯蔵部23内の圧力が、流入口14、中継タンク43を通って大気開放口48から外部に放出される。このとき、流入口14の位置が排出口15の位置よりも鉛直上方に位置しているので、流入口14に廃インクが逆流することがほとんど無く、多少の廃インクの逆流が生じた場合であっても、廃インクは中継タンク43内に溜まるので、装置内部へ漏れ出ることがない。これにより、記録動作終了後、インク供給経路の加圧を解除することができる。
次に、ステップ273において中継タンク43とキャップ51とを連通し、廃インクチューブ45側を封止するように吸引選択弁53を動作させる。これにより、廃インク貯蔵部23から廃インクが逆流するのを防止できるとともに、キャップ51を大気開放してキャッピングを行ったときに、キャップ51の変形によって生じる記録ヘッド30への微小な加圧も防止することができる。
最後に、ステップ274において、記録ヘッド30の乾燥を防止するために、キャッピングを行って記録動作を終了する。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に回復ユニット50のポンプ40がインク供給用の加圧ポンプを兼ねるので、インクジェット記録装置の小型化を図ることができる。
また、廃インク貯蔵部23は、インクタンク10と一体に構成されているので、専用の廃インクタンクが不要になる。また、インク袋体11内のインクの使用に伴って廃インク貯蔵部23内の容量が増えていくので、インク貯蔵部及び廃インク貯蔵部23内のスペースを有効に活用でき、さらに記録装置の小型化を図ることができる。さらに、第1の実施形態では、廃インク貯蔵部が廃インク袋体13によって構成されたが、ケース16に気密性を持たせることによって廃インク袋体13を省くことができ、部品点数が削減され、インクタンク単体の製造コストを低減することができる。
また、廃インク貯蔵部23の排出口15にリリーフ弁が設けられることによって、センサーによる加圧力制御を行わなくても、安定的にインクを加圧供給することができる。
また、リリーフ弁から余分な圧力が排出されるときに、廃インクが一緒に排出された場合であっても、中継タンク43に廃インクを一時的に貯蔵できるので、装置内のインク汚れや装置外へのインク漏れを防ぐことができる。
さらに、排出口の連通を選択するための排出連通選択手段として、流路抵抗増加機構が設けられたことによって、1つの廃インク貯蔵部23が廃インクで満たされたときに、自動的に他の廃インク貯蔵部23に廃インクが振り分けられる。これにより、回収した廃インク量の管理や、それに基づいた回収のためのシーケンスなどの複雑な動作が必要なくなり、中継タンク43内の廃インク量センサー112を省き、タンク内不揮発性メモリ101の簡略化が図られる。これらによって、記録装置の製造コストを更に低減することが可能になる。
また、インク供給ユニット4にインクタンク10が取付けられたときに、廃インク貯蔵部23の流入口14の位置が排出口15の位置よりも高い位置に配置されている。このため、非記録動作時などの供給加圧を解除する場合に、ポンプ40を解除して大気開放することで、廃インクが逆流せずに余分な空気が流入口14から排出させることができる。
実施形態のインクジェット記録装置の概略の構成を示す斜視図である。 第1の実施形態のインクジェット記録装置のインク供給経路を示す概略図である。 第1の実施形態のインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態のインクジェット記録装置の記録動作前に所定の供給圧にするための記録前加圧動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態のインクジェット記録装置の記録前加圧動作を終了した後の記録動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態のインクジェット記録装置のインク供給経路を示す概略図である。 フロート弁を模式的に示す断面図である。 第2の実施形態のインクジェット記録装置の構成を表すブロック図である。 第2の実施形態のインクジェット記録装置の記録動作前に所定の供給圧にするための記録前加圧動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態のインクジェット記録装置の記録前加圧動作を終了した後の記録動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
4 インク供給ユニット
10 インクタンク
11 インク袋体
13 廃インク袋体
14 流入口
15 排出口
30 記録ヘッド
40 ポンプ
43 中継タンク
45 廃インクチューブ
50 回復ユニット
53 吸引選択弁
S 記録用シート

Claims (16)

  1. 被記録材にインクを吐出して記録を行う記録手段と、前記記録手段に供給されるインクを貯蔵するインク貯蔵部と、前記記録手段のインク吐出特性を回復させるための回復手段と、前記回復手段の作動に伴って発生した廃インクを回収して貯蔵する廃インク貯蔵部と、を備えるインクジェット記録装置において、
    前記廃インク貯蔵部は、前記回復手段から回収された前記廃インクを取り入れる流入口と、前記インク貯蔵部が内部に配置されて前記流入口から前記廃インク又は空気が流入することによって内部圧力が上昇する密閉空間と、前記インク貯蔵部に前記密閉空間の内部圧力を伝達するための圧力伝達部材と、前記密閉空間の前記内部圧力が所定以上に達したときに前記密閉空間の内部の空気又は前記廃インクを排出する排出口と、を有し、
    前記排出口から排出された前記廃インクを一時的に貯蔵する一時貯蔵タンクと、
    前記一時貯蔵タンクから前記廃インク貯蔵部の前記流入口に前記廃インクを流入させるための廃インク流入手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記回復手段は、前記記録手段からインクを吸引及び回収するための圧力発生手段を有し、
    前記廃インク流入手段は、前記一時貯蔵タンクと前記回復手段の一方を選択的に前記廃インク貯蔵部に連通させる流入連通選択手段を有し、前記圧力発生手段が発生する圧力によって前記一時貯蔵タンクの前記廃インクを前記廃インク貯蔵部に流入させる、請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記インク貯蔵部と前記廃インク貯蔵部が一体に構成されたインクタンクが着脱可能に設けられている、請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記圧力伝達部材は、前記インク貯蔵部を構成する可撓性容器であり、前記インク貯蔵部から前記記録手段にインクを供給して前記インク貯蔵部の貯蔵量が減ることに伴って前記廃インク貯蔵部の貯蔵可能容積が増える、請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記排出口には、所定圧力以上で開放されるリリーフ弁が設けられている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記インク貯蔵部が前記インクジェット記録装置に取り付けられた状態で、前記流入口は前記排出口よりも鉛直上方に位置している、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記記録手段にインクをそれぞれ供給する複数の前記インクタンクと、
    前記圧力発生手段と複数の前記インクタンクの前記流入口とをそれぞれ連通する廃インク流路と、を備え、
    前記廃インク流路は、複数に分岐されて前記複数のインクタンクの前記流入口にそれぞれ連通されている、請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記複数のインクタンクの前記排出口と前記一時貯蔵タンクとを選択的に連通させる排出連通選択手段が設けられた、請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記複数のインクタンクのそれぞれは、前記インク貯蔵部のインク消費量を検出するインク消費量検出手段と、前記廃インク貯蔵部に流入した廃インク量を検出する廃インク量検出手段と、前記インク消費量検出手段及び前記廃インク量検出手段による検出結果に基づいて前記排出連通選択手段を制御する制御手段と、を備える請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記一時貯蔵タンクに貯蔵された廃インク量を検出する他の廃インク量検出手段と、前記他の廃インク量検出手段によって検出された廃インク量に基づいて前記流入連通選択手段を制御する流入制御手段と、を備える、請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 被記録材にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置の記録手段にインクを供給するインクタンクにおいて、
    前記記録手段に供給するインクを貯蔵するインク貯蔵部と、前記記録手段のインク吐出特性を回復させるための回復手段の作動に伴って発生した廃インクを回収して貯蔵する廃インク貯蔵部と、を備え、
    前記廃インク貯蔵部は、前記回復手段から回収された前記廃インクを取り入れる流入口と、前記インク貯蔵部が内部に配置されて前記流入口から前記廃インク又は空気が流入することによって内部圧力が上昇する密閉空間と、前記インク貯蔵部に前記密閉空間の前記内部圧力を伝達するための圧力伝達部材と、前記密閉空間の前記内部圧力が所定以上に達したときに前記密閉空間の内部の空気又は前記廃インクを排出する排出口とを有することを特徴とするインクタンク。
  12. 前記インク貯蔵部と前記廃インク貯蔵部が一体に構成され、
    前記インクジェット記録装置に着脱可能に設けられている、請求項11に記載のインクタンク。
  13. 前記圧力伝達部材は、前記インク貯蔵部を構成する可撓性容器であり、前記インク貯蔵部から前記記録手段にインクを供給して前記インク貯蔵部の貯蔵量が減ることに伴って前記廃インク貯蔵部の貯蔵可能容積が増える、請求項11又は12に記載のインクタンク。
  14. 前記流入口には、流入方向に連通可能な一方向弁が設けられ、
    前記排出口には、所定圧力以上で開放されるリリーフ弁が設けられている、請求項11ないし13のいずれか1項に記載のインクタンク。
  15. 前記インクジェット記録装置に前記インクタンクが装着されたときに、前記流入口は、前記排出口よりも鉛直上方に位置している、請求項11乃至14のいずれか1項に記載のインクタンク。
  16. インクジェット記録装置によって前記インク貯蔵部のインク消費量と前記廃インク貯蔵部に流入した廃インク量とが検出され、
    前記インク消費量及び前記廃インク量を記憶する記憶手段を備える、請求項11乃至15のいずれか1項に記載のインクタンク。
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