JP2010137340A - ワークの回転対称的な面の旋削加工のための方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワークの回転対称的な面の旋削加工のための方法及び装置を改善して、該方法及び装置によって旋条の生じない旋削を高い切削能力で可能にする。
【解決手段】旋削加工されたワーク(10)を測定し、該ワークの許容公差から外れている寸法偏差のある場合に、ワークホルダーと工具(12)とをワークの直径の方向で前記寸法偏差の半分だけ互いに相対的に送り調節する。
【選択図】図1
【解決手段】旋削加工されたワーク(10)を測定し、該ワークの許容公差から外れている寸法偏差のある場合に、ワークホルダーと工具(12)とをワークの直径の方向で前記寸法偏差の半分だけ互いに相対的に送り調節する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ワークの回転対称的な面の旋削加工のための方法であって、前記ワークを旋削加工のために回転駆動し、少なくとも1つの工具の刃物を前記ワークに食い込ませ、前記工具を前記ワークに対して送り運動させ、前記刃物と前記ワークとの間の作用箇所を前記刃物の切刃に沿って移動させ、この場合に、前記刃物を、工具回転軸線を中心とした円弧線状の送り行程に沿って送り運動させ、前記刃物は工具回転軸線と同軸の螺線の形状を有している形式の旋削加工方法、並びにワークの回転対称の面の旋削加工のための装置であって、緊締された前記ワークの回転駆動部、刃物から成る工具、及び該工具の送り装置を備えており、前記送り装置により前記刃物は前記ワークに食い込ませられ、該食い込み部は前記刃物の切刃に沿って移動するようになっており、前記工具は工具回転軸線(工具旋回軸線)を中心として運動させられ、これによって前記刃物は円弧状の送り行程に沿って運動させられるようになっており、前記刃物の切刃は前記工具回転軸線と同軸の螺線の形状を有している形式の旋削装置に関する。
ワーク(工作物若しくは被削材)の回転対称的な面の切削加工は、一般的に回転運動(旋削加工)によって行われる。旋削加工においてワークは、Z軸線と称されるワーク回転軸線を中心として回転駆動されるようになっている。工具(ツール)は、半径方向でX軸線に沿って切り込み深さに送り調節される。ワークを回転させつつ、工具はZ軸線に対して平行な送り運動で移動させられるようになっている。このような旋削加工においては、生成された回転対称的な面は螺線状の表面構造を有し、該表面構造は旋条と称される。このような旋条は、モータ、伝動装置若しくは種々の機械の軸を、該軸と半径方向で接触するシールリング若しくは軸受によって密閉しようとする場合に不都合である。軸の回転方向に応じて、油はシール箇所で旋条を経て外側へ流れ、汚れや水分は内側へ送られてしまうことになる。
ワークの回転対称的な表面を形成する場合に、旋削加工に起因する旋条(刃物のノーズRによって生じる条線状溝)を避けたいという要求がある。さらに表面粗さに対する要求も課せられている。表面粗さの上限はシール部をできるだけ摩耗しないようにするという要求によって規定される。表面粗さの下限は、油及び潤滑剤を表面に付着させておき、シール部の潤滑を保証しかつシール部の過熱を避けるという要求によって規定される。
旋条のない表面は、例えば突切りバイト等を用いて旋削加工によって形成される。この場合には、工具の送りはZ軸線の方向で、つまり半径方向にのみ行われる。刃物は軸線方向の全幅でワークに食い込んでいるので、殊に、硬化されたワーク若しくは焼き入れされたワークの場合には旋削加工に高い切削力を必要とし、高い切削力はビビリを発生させ、ひいては表面品質若しくは表面粗さを低下させることになる。
工具を接線方向で、高い回転数で回転しているワークに向けて送り運動させる旋盤も知られており、複数の工具を設けてあり、各工具は順次に増大する切り込み深さでワーク内に切り込むようになっている。各切り込み深さは送り運動によって達成される。工具は直線状の工具支持体に配置され、若しくはディスク状の工具支持体の周囲に配置されている。この場合にも高い切削力で旋削加工を行うようになっている。工具を送り運動の方向に対して斜めに配置してある場合には、旋条構造を生ぜしめることになり、それというのは接線方向運動によって、刃物の切り込み深さは送りに伴って増大されるからである。さらに、刃物の直線的な切刃によっては円筒形の表面は旋削加工されない。
フライス加工も知られており、この場合にはワークは小さい回転数で駆動されるのに対して、フライス工具は高い回転数で回転させられる。フライス加工における典型的な切りくず生成、いわゆる粉破切りくず生成では、前述の要求に適った表面は加工成形され得ない。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19963897A1号明細書に記載の方法では、いわゆる接線方向旋削によって、旋条のない回転対称的な表面を形成しようとしている。工具の直線的な切刃から成る刃物は、ワークに対して接線方向に延びる平面内を直線的に送り運動されるようになっている。さらに刃物は、ワーク回転軸線に対して垂直な平面内での送り運動の場合に該送り運動の方向に対して斜めに配置されているか、送り運動はワーク回転軸線に対して斜めの平面内で行われ、かつ刃物は送り運動の方向に対して垂直に配置されている。工具の刃物の斜めの配置により、工具の送りに際して刃物とワークとの間の作用箇所(切り込み部)は、刃物の切刃に沿って移動するようになっている。しかしながら該公知の方法は、X軸線及びZ軸線の方向の送りのみを行う簡単な旋盤では実施され得るものではない。それというのは工具のY軸線に沿った接線方向での送りのための付加的な直線駆動部を必要とするからである。工具の接線方向の送り運動により、ワークの回転対称的な外周面の加工しか可能でない。
前述のすべての方法において問題として、殊に多くの数のワークを加工する場合に、切削加工されたワークの精度は例えば工具の摩耗によって低下している。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19963897A1号明細書
本発明の課題は、ワークの回転対称的な面の旋削加工のための方法及び装置を改善して、該方法及び装置によって旋条の生じない旋削を高い切削能力で可能にすることである。さらに旋削加工されたワークの高い精度を達成することである。
前記課題を解決するために、本発明の方法では、旋削加工されたワークを測定し、該ワークの許容公差から外れている寸法偏差のある場合に、ワークホルダーと工具とをワークの直径の方向で前記寸法偏差の半分だけ互いに相対的に送り調節するようになっており、本発明の装置では、ワークホルダーと工具とは、旋削加工されたワークの直径の方向での寸法偏差に合わせて該ワークの直径の方向で互いに相対的に送り調節(送り運動)されるようになっている。
本発明の基本技術思想では、ワークの回転対称的な面は、回転加工、つまり旋削加工によって形成され、この場合に旋削加工に用いられる刃物の形状は、フライスの刃物の形状、例えばシェルエンドミルやプレーンカッター等の刃物の形状に相当している。旋削加工の主運動、つまり切り込み運動は、ワークの回転によって生ぜしめられる。工具の刃物は円弧状の送りで運動させられ、つまり円弧状の送り行程(送り軌道)に沿って送り運動させられる。工具の刃物を円弧状に運動させるための回転軸線(旋回軸線)は、刃物の切刃を画定するための螺線の軸線と合致している。旋削加工中には、ワークは所定の切削速度で回転させられるのに対して、工具は極めて小さい送り速度で所定の円弧角度にわたって旋回させられるようになっており、前記円弧角度は、刃物の螺線形状の切刃の、回転軸線を中心とした半径の円弧線の方向での寸法によって規定された円弧角度に相当している。これにより旋削加工過程に際して、刃物の切刃は切刃の長さの一部分でのみワークに食い込む、つまりワーク内に侵入するようになっている。この食い込み部(刃物とワークとの間の作用箇所)は、刃物の円弧状の旋回運動(送り運動)に基づき該旋回運動中に刃物の軸線方向の全幅にわたって移動する。刃物は狭い領域でしかワークと係合していない、つまり狭い領域でしかワークに食い込んでいないので、幅の広い刃物の場合でも比較的に小さな切削抵抗しか生じないようになっている。
旋削加工されたワークの測定(後測定)によって該ワークの寸法精度を検出するようになっている。その結果、続いて旋削加工すべきワークにおいて寸法の偏差を修正することが可能であり、このためにも工具は、ワークの直径の方向に送り調節され、若しくは逆にワークは工具に対して相対的に送り調節される。このような手段により、ロット生産若しくは大量生産の際にも、旋削加工されたワークの寸法の高い精度を達成できるようになっている。
工具を保持しているスライダー若しくは工具ホルダーは、旋削加工されたワークの寸法偏差を取り除くために必要な値だけ送り調節される。このような手段は、続いて加工すべきワークを正確な寸法で製造するために、極めて簡単かつ迅速に実施可能な手段である。本発明の別の実施態様では、旋削加工された1つのワークを測定して、ワークホルダーと工具との間の相対的な必要な送り調節を行った後には、続く複数のワークは測定(後測定)されないままにされ、次いで再び1つのワークをその旋削加工の後に測定(後測定)するようになっている。本発明では、複数個置きにワークの測定を行うことによって手間を節減するようになっていてよい。複数のワークを1つの加工工程で旋削加工する場合には、各ワークは順次に測定されてよい。
硬化されたワークにおいても高い表面品質は得られるようになっている。工具を、加工中に位置固定の工具回転軸線を中心として旋回させるので、工具のY方向での付加的な直線送りは不要になっている。工具は有利には慣用の旋盤の工具ホルダー若しくは工具保持装置内でX軸線方向及びZ軸線方向で移動させられるようになっている。この種の旋盤は、駆動部の備えられた工具ホルダーを有しており、該工具ホルダーは工具用タレット内に配置されている。この場合に本発明では、工具は、駆動部付きの工具ホルダー内に装着されるようになっており、駆動部の回転数を工具の小さな旋回速度に減速するために、減速装置を設けてある。
本発明の実施態様では、工具は、ワークの回転対称的な外周面を加工成形するために、ワークの外周面に係合する、つまり食い込むようになっている。刃物を本発明では円弧に沿って運動させるようになっているので、ワークの内周面も加工成形される。このためには、刃物の円弧状の送り運動を規定する円弧の半径を、ワークの内周面の半径よりも小さくするだけでよい。刃物の切刃の螺線形状を規定する螺線は円筒面に沿って延びており、かつ工具回転軸線はワーク回転軸線に対して平行に延びている場合には、ワークの円筒形の外周面若しくは内周面を加工成形できる。ワークの回転対称的な円筒形の外周面若しくは内周面を加工成形すること可能である。このためには刃物は、該刃物の切刃が、円錐の外周面に沿って延びる螺線の形状を有するように構成されており、工具回転軸線とワーク回転軸線とは互いに平行に配置されている。別の実施態様では、切刃が直径の一定な円筒の外周面に沿って延びる螺線の形状を有している刃物を用いるようになっており、この場合には、工具回転軸線は、形成すべき円錐形の面の円錐角に依存してワーク回転軸線に対して傾斜させられている。
本発明に基づき、旋削加工されたワークの寸法を検出することにより、ワークの寸法に偏差のある場合には迅速に修正若しくは補正をできるようになっている。この場合に、ワークのためにホルダー、殊にスライダーを設けてあり、ホルダー若しくはスライダーは工具に対して相対的にワークの直径方向に送り調節されて位置決めされ、つまりロック(位置固定)されるようになっている。逆に工具のホルダー若しくはスライダーをワークに対して相対的にワークの直径方向に送り調節して位置決めすることもできる。
本発明の別の実施態様では、工具回転軸線はワーク回転軸線に対して垂直(直角)に配置されており、これによってワークの端部の面(端面若しくは平面)を旋削加工できるようになっている。刃物の切刃を規定(画定)している螺線のリードのリード角は、0°と90°との間の角度、有利には15°と45°との間の角度である。リードは正のリード角若しくは負のリード角で形成されていてよく、すなわち螺線は工具の旋回運動の方向に延びるか、工具の旋回運動と逆の方向に延びている。
刃物とワークとの間の作用箇所(食い込み部若しくは切りくず生成部)は、正のリード角若しくは負のリード角に応じて一方の軸線方向に若しくは他方の軸線方向に移動する。この場合には切削加工の切削力若しくは切削抵抗も一方の軸線方向に若しくは他方の軸線方向に作用し、これによってワーク応力に対する適合も可能である。
本発明の加工方法において、ワークの、刃物の幅よりも広い幅(大きな軸線方向の寸法)の面を旋削加工する場合には、工具の、Z軸線方向の送り、つまりワークの回転軸線の方向の送りを付加的に重畳(オーバーラップ)させるようになっている。
本発明の簡単な構成では、工具は、工具回転軸線を中心として旋回可能に支承された工具支持アーム(工具保持アーム)に配置されている。工具支持アームの旋回角度は、刃物の螺線状の切刃によって画定された円弧角度(刃物の円弧線方向の寸法)に相当している。工具支持アームの旋回角度は有利には、切りくず生成の前に行われる半径方向の送り調節に際して刃物とワークとの衝突を避けるため、並びに切りくず生成の終了の後の刃物とワークとの接触を確実に避ける、つまり切刃を切削行程から確実に走出させるために、両方の方向で所定の角度だけ拡大されている。換言すれば、工具は付加的に、刃物の半径方向の送り調節(送り量)に依存した進入角度、並びに刃物とワークとの接触を避けるための進出角度にわたって旋回させられるようになっている。
有利な実施態様では、ディスク状若しくは円板状の工具支持体を設けてあり、該工具支持体は工具回転軸線を中心として回転するようになっている。工具支持体の周囲に1つの工具を、若しくは円周方向に分配された複数の工具を設けてある。複数の工具を設ける場合には、各工具は互いに同一に形成されており、1つの工具の摩耗に際して新たな別の工具に切り換えるようになっている。
互いに異なる形状の複数の工具を設けることも可能であり、この場合には各工具を選択的に用いて、種々の形状の表面を旋削加工するようになっていてよい。
工具支持ディスクの周囲に複数の工具を設けてある場合にも、1つの加工行程中には複数の工具のうちの1つを用いるようになっており、工具支持ディスクは、該加工行程中には、使用中の工具の刃物の螺線状の切刃によって画定された円弧角度に相当する円弧角度(旋回角度)にわたってのみ旋回させられる。工具は、駆動ユニットを用いて旋盤の駆動可能な工具受容部(保持具、刃物台若しくはタレット等)に装着されるようになっている。
次に本発明を図示に実施例に基づき詳細に説明する。図面において、
図1は、ワークの外周面の旋削加工の原理を示す概略図であり、
図2は、ワークの内周面の旋削加工の原理を示す概略図であり、
図3は、図1及び図2の工具の端面及び側面を示す図であり、この場合に図3のaに示す工具の刃物の螺線状の切刃は正のリードで形成され、図3のbに示す工具の刃物の螺線状の切刃は負のリードで形成されており、
図4は、ワークの端部の面(端面)の旋削加工の原理を示す概略図であり、
図5は、本発明に基づく工具のための駆動ユニットの斜視図であり、
図6は、図5の駆動ユニットに装着可能な工具支持体(工具保持体)の斜視図である。
図1は、ワークの外周面の旋削加工の原理を示す概略図であり、
図2は、ワークの内周面の旋削加工の原理を示す概略図であり、
図3は、図1及び図2の工具の端面及び側面を示す図であり、この場合に図3のaに示す工具の刃物の螺線状の切刃は正のリードで形成され、図3のbに示す工具の刃物の螺線状の切刃は負のリードで形成されており、
図4は、ワークの端部の面(端面)の旋削加工の原理を示す概略図であり、
図5は、本発明に基づく工具のための駆動ユニットの斜視図であり、
図6は、図5の駆動ユニットに装着可能な工具支持体(工具保持体)の斜視図である。
図1には、ワーク10の円筒形の外周面の旋削加工作業を概略的に示してある。ワーク(工作物又は被削材)10は、慣用の旋盤に緊締されて、縦軸線A2を中心として回転駆動される。ワーク10の回転は切削加工の主運動であり、ひいては切削運動である。
図示を省略してあるものの、切削加工されたワークは測定され、許容公差を越える寸法である場合には、ワークホルダー(図示省略)と工具(ツール)とは、ワークの直径の方向、及び工具の軸線A1とワークの軸線A2との間をつなぐ結合面の方向で互いに相対的に調節され、つまり、軸線A1,A2間の間隔は相応に変化させられる。このようにして、ワーク10のロット生産作業(図1若しくは図2)中に、寸法精度は検出され、寸法精度を達成していない場合には加工と測定を繰り返すようになっている。
例えば、加工されたワーク10において寸法誤差を検出した場合には、ワークホルダー(被削材保持具)は、殊に工具12を保持する往復台(スライダー)は、所定の値(量)だけ調節される。逆の手段も可能であり、つまり、ワーク10のための保持具として往復台を設けて、該往復台を、工具12に対して相対的にワーク10の直径方向に調節して固定(ロック)することも可能である。
工具12は、工具回転軸線A1を中心として旋回可能に支承(保持)されている。工具回転軸線A1は図1に示す実施例ではワーク回転軸線A2に対して平行に延びている。図1の実施例では工具12は、工具回転軸線A1を中心として旋回可能に支承されていて駆動可能な工具支持アーム14と該工具支持アームの自由端部に配置された刃物16とによって形成されている。刃物16の切刃は、工具回転軸線A1からの半径R1の仮想の円筒の外周面に沿って延びる螺線の一部分を成すように形成されている。刃物の切刃を画定する前記螺線(弦巻線若しくはねじ巻き線)のリードは、0°と90°との間の角度βを有している。リード角βは、右ねじ若しくは左ねじの螺線に相応して、正に値(ポジティブ)若しくは負の値(ネガティブ)であってよい。刃物16は、軸線方向で、つまり工具回転軸線A1の方向で所定の幅bを有している。刃物16の切刃は、該切刃の螺線状の構造に基づき、リード角に相当する分だけ長くなっている。刃物16の切刃は、該切刃の螺線状の構成に基づき、直線ではなく、外側へ凸球面状に湾曲している。
ワーク10の回転対称的な円筒形の外周面18を生成(形成)するために、工具12はまず、図1に鎖線で示す出発位置(該出発位置は、本来必要な角度位置に対して所定の角度を成している)から、半径方向に、所望の切削深さ(旋削深さ=切り込み量)を達成するまで送られ、前記切削深さは、ワーク10の生成すべき表面(外周面)の半径R2に相当するものである。次いで一定の切削深さの旋削加工のために、ワーク10は旋削速度でワーク回転軸線A2を中心として図1において時計回りに回転駆動される。該旋削加工中に、工具12は、半径R1の円弧線によって規定された円弧状の送り行程(送り軌道)fに沿って運動(旋回)させられる。この場合に送り行程fに沿った運動の速度(送り速度)は、ワーク10の回転による旋削速度よりも著しく小さくなっている。工具12は、円弧状の送り行程(送り軌道)fの送り方向で、所定の円弧角にわたって運動(旋回)させられ、前記円弧角は、刃物16の、半径R1の円弧線の方向(周方向)の寸法(厚さ)を画定する円弧角に相当している。これによって、刃物16の切刃がワーク10内に食い込んでいる作用箇所(食い込み部若しくは切りくず生成部)は、刃物16の切刃に沿って、刃物16の切刃の、送り方向fで先行(前側)の端部から後行(後側)の端部へ、つまり図1において左側から右側へ軸線方向に移動するようになっている。このようにして、ワーク10の旋削加工は、刃物16の軸線方向の幅bに相当する軸線方向の幅lにわたって行われ、旋条のない外周面(被削面)18が形成される。
刃物16の軸線方向の幅bよりも大きな軸線方向の幅lの外周面18を形成する場合には、工具12に、Z方向、つまり工具回転軸線A1の方向の送りf′を付加的に与えることになる。
図2には、ワーク10の回転対称的な内周面20の旋削加工のための実施例を概略的に示してある。
工具12は、ワーク10の加工すべき内部の中空部(空洞)内に挿入されており、この場合に、工具回転軸線A1はワーク回転軸線A2に対して平行に延びている。
半径R1、つまり刃物16の円弧状の送り行程fの半径は、形成すべき回転対称的な内周面20の半径R2よりも小さくなっている。したがって、工具回転軸線A1はワーク回転軸線A2に対して半径R2と半径R1との間の差だけ軸線平行にずらされている。
半径R1、つまり刃物16の円弧状の送り行程fの半径は、形成すべき回転対称的な内周面20の半径R2よりも小さくなっている。したがって、工具回転軸線A1はワーク回転軸線A2に対して半径R2と半径R1との間の差だけ軸線平行にずらされている。
図2に示す実施例でも、工具12は加工位置から、所定の旋削角度(旋削送り行程角度)にわたって鎖線で示す出発位置(食い込み開始位置若しくは旋削開始位置)へ旋回させられている。次いで、工具12は旋削加工のために半径方向に送られて(切り込み量)、続いて、工具の刃物の切刃とワークとの間の作用箇所を前述のように刃物の切刃に沿って移動させつつ、旋削加工過程を行うようになっている。図2の実施例では加工を内周面20で行うので、旋削加工のためにワーク10は、工具12を時計回り方向で旋回させる場合に、ワーク回転軸線A2を中心として逆時計回り方向に回転駆動させられる。切削加工の終了の後に、工具12は有利には、工具とワーク10との接触を避けるために、旋削行程終端位置を越えてさらに旋回させられるようになっている。
図2に示す実施例でも、刃物16の円弧角度に相当する送り行程fにわたる工具12の旋回運動によって、回転対称的な円筒形の内周面20を形成するようになっており、該内周面の軸線方向の幅lは、刃物16の軸線方向の幅bに相当している。内周面の軸線方向の幅を大きくするためには、工具12に、Z軸線方向、つまりワーク回転軸線A2の方向の付加的な送りf′を与えるようになっている。換言すれば、刃物の幅より大きな幅の内周面を加工成形するためには、工具12は、Z軸線方向、つまりワーク回転軸線A2の方向の送りf′を付加的に与えられるようになっている。
図1及び図2の実施例から推測できるように、本発明は直径の一定な円筒面を形成するためにだけ用いられるものではなく、円錐面、つまり円錐外周面及び円錐内周面を形成するためにも用いられるものであり、このために2つの手段を考えることができる。
1つの例では工具回転軸線A1は、図1及び図2の実施例と同じように、ワーク回転軸線A2に対して平行に延びている。この場合に刃物16は、該刃物の切刃が直径の一定な円筒面に沿って延びているのではなく、円錐面に描かれた螺線の形状を有するように形成されている。
別の例では、刃物16の切刃が図1乃至図3の実施例と同じように、直径の一定な螺線の形状を有するように、つまり直径の一定な円筒面に描かれた螺線の形状を有するように形成されて成る工具12が用いられる。この場合には工具回転軸線A1は、形成すべき円錐面の円錐角度に依存して、ワーク回転軸線A2に対して傾けられている。
工具回転軸線A1をワーク回転軸線A2に対して90°にわたって傾けてある場合には、工具回転軸線A1とワーク回転軸線A2とは互いに垂直に交差しており、図4に概略的に示してあるように、ワーク10の端部の面(端面若しくは平面)22を旋削加工できるようになっている。
工具回転軸線A1とワーク回転軸線A2とを互いに直角に交差させてある場合には、所定の幅bの刃物16によって、ワーク回転軸線A2に対して垂直な半径方向の所定の幅lの環状の面を加工成形できるようになっており、該面の半径方向の幅lは刃物の前記幅に相当している。ワークの端部に加工成形されるべき面22の半径方向の大きな幅lは、ワーク回転軸線A1での工具12の付加的な送りf′によって得られるようになっており、つまり、刃物の幅より大きな幅lの面22を加工成形するためには、工具12は、ワーク回転軸線A2の方向の送りf′を付加的に与えられるようになっている。
工具回転軸線A1をワーク回転軸線A2に対して斜めに配置してある場合には、円錐形の面(端面)22を加工成形するようになっている。別の例において円錐形の面22は、前に述べてあるように、刃物の適切な形状付与によって成形されるようになっている。
図5及び図6に本発明の具体的な実施例を示してある。慣用の旋盤において、標準の工具用タレットは、フライス若しくはドリルのための駆動可能な少なくとも1つの工具受容部を備えている。該駆動可能な受容部に、図5に示す駆動ユニット24を装着するようになっている。この場合に駆動ユニット24は、取り付けフランジ26でもって工具用タレットに不動に組み付けられて、軸28を工具用タレットの駆動部に連結されるようになっている。工具用タレットの駆動部の回転数は、駆動ユニット24内に配置された伝動装置を介して、例えば80:1に減速される。減速された回転数で駆動可能な出力軸30に、図6に示すディスク状の工具保持体32を相対回動不能に組み付けるようになっている。工具保持体32は外周に工具12を保持しており、工具12は有利には交換可能な工具カセット34として形成されている。
複数の工具12をディスク状の工具保持体32の周囲に分配して設けることも可能である。この場合に各工具は互いに同一に形成されていて、1つの工具の摩耗に際して次の1つの工具を用いるようになっていてよい。互いに異なる形状の複数の工具12を工具保持体(工具ホルダー)の周囲に分配して設けることも可能であり、この場合に各工具はそれぞれ、互いに異なる形状の表面を切削加工するために用いられるようになっている。
形状の異なる各工具は、互いに異なるリードを有し、若しくは正のリード或いは負のリードを有し、或いは互いに異なる螺線形状を有していてよい。
10 ワーク、 12 工具、 14 工具支持アーム、 16 刃物、 18 外周面、 20 内周面
Claims (17)
- ワークの回転対称的な面の旋削加工のための方法であって、前記ワークを旋削加工のために回転駆動し、少なくとも1つの工具の刃物を前記ワークに食い込ませ、前記工具を前記ワークに対して送り運動させ、前記刃物と前記ワークとの間の作用箇所を前記刃物の切刃に沿って移動させ、この場合に、前記刃物を、工具回転軸線を中心とした円弧線状の送り行程に沿って送り運動させ、前記刃物は工具回転軸線と同軸の螺線の形状を有している形式のものにおいて、旋削加工された前記ワーク(10)を測定し、該ワークの許容公差から外れている寸法偏差のある場合に、ワークホルダーと工具(12)とを前記ワーク(10)の直径の方向で前記寸法偏差の半分だけ互いに相対的に送り調節することを特徴とする、ワークの回転対称的な面の旋削加工のための方法。
- 工具(12)を保持しているスライダー若しくは工具ホルダーを、旋削加工されたワークの寸法偏差のために必要な値だけ送り調節する請求項1に記載の方法。
- 旋削加工された1つのワーク(10)を測定して、必要に応じてワークホルダーと工具とを互いに相対的に送り調節した後に、複数のワークを測定しないままにして、1つのワークを旋削加工の後に再び測定する請求項1又は2に記載の方法。
- 円筒形の面を形成するために、工具回転軸線とワーク回転軸線とを互いに平行に配置し、刃物の切刃は、円筒の外周面に沿って延びる螺線の形状を有している請求項1に記載の方法。
- 円錐形の面を形成するために、工具回転軸線とワーク回転軸線とを互いに0°と90°との間の角度で配置し、刃物の切刃は、円筒の外周面に沿って延びる螺線の形状を有している請求項1に記載の方法。
- 円錐形の面を形成するために、工具回転軸線とワーク回転軸線とを互いに平行に配置し、刃物の切刃は、円錐の外周面に沿って延びる螺線の形状を有している請求項1に記載の方法。
- ワーク(10)の回転対称の面(18,20,22)の旋削加工のための装置であって、緊締された前記ワーク(10)の回転駆動部、刃物(16)から成る工具(12)、及び該工具(12)の送り装置を備えており、前記送り装置により前記刃物(16)は前記ワーク(10)に食い込ませられ、該食い込み部は前記刃物(16)の切刃に沿って移動するようになっており、前記工具(12)は工具回転軸線(A1)を中心として運動させられ、これによって前記刃物(16)は円弧状の送り行程(f)に沿って運動させられるようになっており、前記刃物(16)の切刃は前記工具回転軸線(A1)と同軸の螺線の形状を有している形式のものにおいて、ワークホルダーと前記工具(12)とは、旋削加工された前記ワーク(10)の直径の方向での寸法偏差に合わせて該ワーク(10)の直径の方向で互いに相対的に送り調節されるようになっていることを特徴とする、ワークの回転対称の面の旋削加工のための装置。
- ワーク(10)のためにホルダー若しくはスライダーを設けてあり、該ホルダー若しくはスライダーは、工具(12)に対して前記ワーク(10)の直径の方向に送り調節されるようになっている請求項7に記載の装置。
- 螺線は0°と90°との間、有利には15°と45°との間のリード角(β)を有している請求項7に記載の装置。
- 刃物(16)の切刃は、直径の一定な円筒の外周面に沿って延びる螺線の形状を有している請求項7から9のいずれか1項に記載の装置。
- 刃物(16)の切刃は、円錐の外周面に沿って延びる螺線の形状を有している請求項7から9のいずれか1項に記載の装置。
- 工具回転軸線(A1)とワーク回転軸線(A2)とは互いに平行に延びている請求項7から11のいずれか1項に記載の装置。
- 工具回転軸線(A1)はワーク回転軸線(A2)に対して0°と90°との間の角度で傾斜している請求項7から11のいずれか1項に記載の装置。
- 工具(12)は工具回転軸線(A1)を中心として所定の角度にわたって旋回させられるようになっており、該角度は少なくとも、刃物(16)の螺線状の切刃によって画定された円弧角度に相当している請求項7から13のいずれか1項に記載の装置。
- 工具(12)は付加的に、刃物(16)の半径方向の送り調節に依存した進入角度、並びに刃物(16)とワーク(10)との接触を避けるための進出角度にわたって旋回させられるようになっている請求項14に記載の装置。
- 刃物(16)の螺線状の送り行程の半径(R1)は、ワーク(10)の旋削加工すべき内周面の半径(R2)よりも小さくなっている請求項7から15のいずれか1項に記載の装置。
- 工具(12)は、駆動ユニット(24)を用いて旋盤の駆動可能な工具受容部に装着されるようになっている請求項7から16のいずれか1項に記載の装置。
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JP2008317469A JP2010137340A (ja) | 2008-12-12 | 2008-12-12 | ワークの回転対称的な面の旋削加工のための方法及び装置 |
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-
2008
- 2008-12-12 JP JP2008317469A patent/JP2010137340A/ja not_active Withdrawn
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