JP2010135847A - サセプタ、エピタキシャルウェーハの製造装置、およびエピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents
サセプタ、エピタキシャルウェーハの製造装置、およびエピタキシャルウェーハの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】サセプタ2Bは、エピタキシャルウェーハEPWを製造する際に基板ウェーハWが載置される。このサセプタ2Bは、基板ウェーハWが載置された際に基板ウェーハWおよび該サセプタ2の間で形成される空間部223と該サセプタ2外部とを連通する連通路20Bを有する。連通路20Bは、空間部223に面した開口、およびサセプタ2外部に面した開口がサセプタ2の厚み方向に平面的に干渉しないように形成されている。サセプタ2Bの側面部は、上方側から下方側に向うにしたがって断面積が縮小する段付き状に形成され、段差部26を有する。連通路20Bは、段差部26に形成され、空間部223およびサセプタ2B外部を連通する。
【選択図】図7
Description
このようなエピタキシャルウェーハでは、ゲッタリング効果の高い基板ウェーハ、すなわち、ドーパントを高濃度に含有した基板ウェーハ(p+、p++型等の基板ウェーハ)が多く用いられる。
しかしながら、このような基板ウェーハを用いた場合、エピタキシャル膜を気相成長させる際に基板ウェーハに赤外ランプ光等を照射することで該基板ウェーハを加熱するので、基板ウェーハ内のドーパントが外方拡散して気相中に放出され、放出されたドーパントがエピタキシャル膜内に取り込まれる現象、いわゆるオートドープ現象が発生する。このため、エピタキシャル膜面内においてドーパント濃度のバラつきが生じ、エピタキシャル膜外周部の抵抗率が低下して面内の抵抗率分布が均一化しない問題があった。
特許文献1または特許文献2に記載のサセプタは、基板ウェーハの載置面から該載置面に対向する裏面にかけて貫通孔が形成されたものである。このようにサセプタに貫通孔を形成することにより、エピタキシャル膜を気相成長させる際に基板ウェーハの裏面から外方拡散され気相中に放出されるドーパントは、サセプタの貫通孔を介してサセプタの下面側から放出される。このため、ドーパントが基板ウェーハの表面側に回り込むことを抑制でき、オートドープ現象の発生を抑制している。
したがって、エピタキシャルウェーハを製造するにあたって、エピタキシャルウェーハの信頼性を維持することが難しい、という問題がある。
なお、上述した断面積とは、サセプタを水平面で切断した際の断面積を意味する。
本発明によれば、少なくとも1つの連通路が空間部とサセプタ外部とを連通しているので、エピタキシャル膜を気相成長させる際に基板ウェーハの裏面から外方拡散して空間部内に放出されるドーパントを、連通路を介してサセプタ外部へと放出させることができる。このため、ドーパントが基板ウェーハの表面側に回り込むことを抑制でき、オートドープ現象の発生を効率的に抑制し、面内の抵抗率分布の一様なエピタキシャルウェーハを製造できる。
また、連通路は、空間部に面した開口、およびサセプタ外部に面した開口がサセプタの厚み方向に平面的に干渉しないように形成されている。すなわち、連通路は、サセプタの厚み方向に平面視で、空間部に面した開口からサセプタ外部に面した開口が見えないように形成されているので、連通路を介して赤外ランプ光等が基板ウェーハの裏面の一部に直接照射されることがない。このため、基板ウェーハの裏面全体の温度を均一化でき、基板ウェーハにスリップ転位が生じることなくかつ、厚みの一様なエピタキシャルウェーハを製造できる。
ところで、例えば連通路をサセプタの下面部に形成した場合には、連通路には赤外ランプ光等が直接照射されないので、連通路が形成される形成部位と連通路が形成されない非形成部位とに温度差が生じやすい。このため、サセプタにおいて、その面内方向に熱応力がかかることとなり、連通路の大きさ、および/または形成位置によっては、変形または破壊が生じる虞がある。
本発明によれば、連通路は、サセプタの側面部に形成され、すなわち、下面部には形成されていないので、サセプタの下面部に温度差が生じることがない。したがって、上述した熱応力によりサセプタの変形および破壊等が生じることがなく、エピタキシャルウェーハを製造する際に基板ウェーハを良好に支持でき、エピタキシャルウェーハを良好に製造できる。
なお、上述した断面積とは、サセプタを水平面で切断した際の断面積を意味する。
本発明によれば、製造装置は、上述したサセプタ、反応容器、および加熱装置を備えているので、上述したサセプタと同様の作用・効果を享受できる。
本発明によれば、上述したサセプタを用い、エピタキシャル膜を気相成長させる際に、サセプタの上面側に反応ガスを供給するとともに、サセプタの側面および/または下面側にパージガスを供給するので、基板ウェーハの裏面から外方拡散して空間部内に放出されるドーパントを、連通路を介してサセプタ外部に良好に放出させることができ、パージガスの流れにしたがって基板ウェーハから離隔した場所に容易に導くことができる。このため、ドーパントが基板ウェーハの表面側に回り込むことを抑制でき、面内の抵抗率分布の一様なエピタキシャルウェーハを製造できる。
また、上述したサセプタを用いることで、エピタキシャル膜を気相成長させる際に基板ウェーハの裏面の温度を均一化できるので、基板ウェーハにスリップ転位が生じることなくかつ、厚みの一様なエピタキシャルウェーハを製造できる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔エピタキシャルウェーハの製造装置の構成〕
図1は、本発明に係るエピタキシャルウェーハの製造装置1を模式的に示す断面図である。
製造装置1は、基板ウェーハW上にエピタキシャル膜EPを気相成長させてエピタキシャルウェーハEPWを製造する枚葉式の製造装置である。例えば、製造装置1は、ドーパントを高濃度に含有した基板ウェーハW(p+型、またはp++型のシリコン単結晶ウェーハ)上にエピタキシャル膜EP(例えば、p型のエピタキシャル膜)を気相成長させてエピタキシャルウェーハEPWを製造する製造装置として利用できる。なお、ドーパント濃度が高い基板ウェーハW上に低濃度のエピタキシャル膜EPを気相成長させてエピタキシャルウェーハEPWを製造する製造装置として利用する他、逆に、例えばp/p+型、あるいは、n/n+型のエピタキシャルウェーハEPWを製造する製造装置として利用してもよい。この製造装置1は、図1に示すように、サセプタ2と、反応容器3と、加熱装置4とを備える。
サセプタ2は、具体的には後述するが、基板ウェーハWが載置される部材であり、反応容器3内部に設置される。このサセプタ2としては、炭素基材の表面にSiC被膜をコーティングしたものを採用できる。
上側ドーム31および下側ドーム32は、石英等の透光性部材から構成され、平面視略中央部分が反応容器3の内部から外側に向けて窪む略凹状に形成されている。
ドーム取付体33は、上方および下方が開放された略筒状部材から構成され、上方側の開口部分および下方側の開口部分にて上側ドーム31および下側ドーム32を支持するものである。そして、ドーム取付体33に上側ドーム31および下側ドーム32を取り付けることで、図1に示すように、反応容器3内部に反応室3Aが形成される。
このドーム取付体33において、その側面には、図1に示すように、反応ガス供給管331、反応ガス排出管332、パージガス供給管333、およびパージガス排出管334が設けられている。そして、これら反応ガス供給管331、反応ガス排出管332、パージガス供給管333、およびパージガス排出管334は、反応室3Aおよび反応容器3外部を連通するように形成されている。
ここで、反応ガスとしては、エピタキシャル膜EPを気相成長させるための原料ガスの他、キャリアガスを混合させたものを採用できる。原料ガスとしては、気相成長させるエピタキシャル膜EPに応じたものを採用すればよく、例えば、シリコンソースであるSiHCl3およびボロンドーパントソースB2H6を水素ガスで希釈した混合反応ガスを採用できる。また、キャリアガスとしては、例えば水素を含んだものを採用できる。
ここで、パージガスとしては、種々のものを採用でき、例えば水素ガス等を採用できる。
サセプタ支持部本体341は、下側ドーム32の略中央部分から反応室3A内に突出する基部341Aと、基部341Aの上方側端部から、反応室3A内にてドーム取付体33の内側面に近接する方向に延出する3つの延出部341Bとを備える。そして、サセプタ支持部本体341は、3つの延出部341Bの先端部分が上方に向けて延出し、該先端部分にてサセプタ2の下面外周縁部分を3点で支持する。サセプタ支持部本体341がサセプタ2を支持することで、サセプタ2は、反応室3A内に水平状態で設置される。
なお、サセプタ支持部本体341の形状は、上述したものに限らず、延出部341Bを3つ以上形成してもよく、延出部341Bを基部341Aの上方側端部から放射状に拡がる平面視円形状となるように形成してもよい。
このウェーハ昇降部342は、回転軸Rを中心として回転自在に構成されているとともに、サセプタ支持部本体341に対して上下方向に進退自在に構成されている。そして、ウェーハ昇降部342が上下方向に進退移動することで、ピン状部材342Cの先端部分がサセプタ2の後述するピン挿通孔を介して基板ウェーハWに当接し、該基板ウェーハWを上下方向に移動させる。
すなわち、本実施形態の製造装置1は、該製造装置1へのウェーハ搬入、搬出を行う図示しない搬送治具とサセプタ2間の移載方式が、ウェーハ下面をピン状部材342Cにて支持してウェーハ昇降部342の進退移動によりウェーハを移載するタイプで構成されている。
なお、ウェーハ昇降部342を省略し、製造装置1へのウェーハ搬入、搬出を行う前記搬送治具とサセプタ2間の移載方式として、ベルヌイチャック方式または前記搬送治具の昇降方式によりウェーハを移載するタイプを採用してもよい。
図2は、サセプタ2の概略構成を示す図である。具体的に、図2(A)は、サセプタ2の上面図である。図2(B)は、サセプタ2の側面図である。図2(C)は、図2(A)におけるA−A線の断面図である。
サセプタ2は、図2に示すように、平面視略円盤形状を有し、内部に中空部21(図2(C))を有する中空部材で構成され、基板ウェーハWを全周に亘って支持する。
このサセプタ2において、その上面には、図2(A)または図2(C)に示すように、略中央部分に、基板ウェーハWの外形形状に応じた平面視円形状の凹部22が形成され、該凹部22内部に基板ウェーハWが設置される。
また、第2凹部222の底面には、図2(A)または図2(C)に示すように、外周に沿って、内部の中空部21に向けて貫通された複数の第1の連通孔23が形成されている。本実施形態では、外周に沿って計12個の連通孔23が形成されている。なお、連通孔23の数は、これに限らず、少なくとも1つの連通孔23が形成されていればよい。また、連通孔23は、後述するピン挿通孔25より小さな孔、例えば、2mm以下の径を有する孔で形成することが好ましい。さらに、複数の連通孔23は、等間隔で形成することが好ましい。
すなわち、上述した構成では、連通孔23,24、および中空部21により、空間部223(図3参照)およびサセプタ2外部を連通する複数の連通路20が形成される。また、連通孔23,24は、従来のようなサセプタの厚み方向に貫通する貫通孔と異なり、互いの開口がサセプタ2の厚み方向に平面的に干渉しない構成となっている。すなわち、連通孔23,24の一方の連通孔から他方の連通孔をサセプタ2の厚み方向から見た場合に平面視で他方の連通孔が見えない構成となっている。
次に、上述した製造装置1によるエピタキシャルウェーハEPWの製造方法を説明する。
図3は、エピタキシャルウェーハEPWの製造方法を説明するための図である。
先ず、上述したウェーハの移載方式により、図示しない搬送治具を移動させるとともにウェーハ昇降部342のピン状部材342Cを進退移動させることで、基板ウェーハWをサセプタ2の第1凹部221に載置する。
次に、加熱装置4を駆動し、基板ウェーハWを所望の成長温度に加熱する。
すなわち、反応ガス供給管331を介して、基板ウェーハWの表面上に水平に反応ガスを供給するとともに、パージガス供給管333を介して、サセプタ2の側面に形成された少なくとも1つの連通孔24を介してサセプタ2の中空部21内にパージガスを導入する。
具体的には、反応ガスの流量とパージガスの流量を制御することで、エピタキシャル膜EPの気相成長時に、図3に示すように、基板ウェーハWの上方側を反応ガスが流通する反応ガス流G1が形成され、基板ウェーハWの下方側、すなわち、サセプタ2内部にパージガスが流通するパージガス流G2が形成される。このようにして気相成長を実施することにより、基板ウェーハWの表面上にエピタキシャル膜EPが形成され、エピタキシャルウェーハEPWが製造される。
(1)サセプタ2は、空間部223、および該サセプタ2外部を連通する複数の連通路20を有しているので、エピタキシャル膜EPを気相成長させる際に、基板ウェーハWの裏面から外方拡散して空間部223内に放出されるドーパントPを、複数の連通路20を介してサセプタ2外部に放出させることができる。このため、ドーパントPが基板ウェーハWの表面側に回り込むことを抑制でき、オートドープ現象の発生を効率的に抑制できる。したがって、面内の抵抗率分布の一様なエピタキシャルウェーハEPWを製造できる。
(6)サセプタ2が基板ウェーハWを全周に亘って支持しているので、基板ウェーハWにスリップ転位が生じることを効果的に抑制できる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図4は、第2実施形態におけるサセプタ2Aの概略構成を示す図である。具体的に、図4(A)は、サセプタ2Aの上面図である。図4(B)は、サセプタ2Aの下面図である。図4(C)は、図4(A)におけるB−B線の断面図である。
サセプタ2Aは、図4に示すように、平面視円盤形状を有し、前記第1実施形態で説明したサセプタ2と同様の中空部21、凹部22(第1凹部221、第2凹部222を含む)、複数の連通孔23、および3つのピン挿通孔25を有し、基板ウェーハWを全周に亘って支持する。
また、このサセプタ2Aにおいて、複数の第2の連通孔24Aは、図4(B)に示すように、下面の外周端部近傍に外周に沿って所定間隔で形成されている。本実施形態では、外周に沿って計12個の連通孔24Aが形成されている。なお、連通孔24Aの数は、これに限らず、少なくとも1つの連通孔24Aが形成されていればよい。また、複数の連通孔24Aは、図4(C)に示すように、基板ウェーハWのサイズよりも外周側に位置するように形成することが好ましい。
すなわち、上述した構成では、連通孔23,24A、および中空部21により、前記第1実施形態と略同様に、第1凹部221に基板ウェーハWが支持された状態で基板ウェーハWと第2凹部222とで形成される空間部223(図5参照)およびサセプタ2外部を連通する複数の連通路20Aが形成される。また、連通孔23,24Aは、前記第1実施形態と同様に、従来のようなサセプタの厚み方向に貫通する貫通孔と異なり、互いの開口がサセプタ2Aの厚み方向に平面的に干渉しない構成となっている。すなわち、連通孔23,24Aの一方の連通孔から他方の連通孔をサセプタ2の厚み方向から見た場合に平面視で他方の連通孔が見えない構成となっている。
図5は、第2実施形態におけるパージガスの流通状態を説明するための図である。
エピタキシャル膜EPの気相成長時には、図5に示すように、反応ガス供給管331を介して基板ウェーハWの表面上に水平に反応ガスを供給し反応ガス流G1を形成するとともに、パージガス供給管333を介してサセプタ2Aの下面に水平にパージガスを供給しパージガス流G3を形成する。
(7)前記第1実施形態で説明したサセプタ2と比較して、連通孔24Aがサセプタ2Aの下面に形成されているので連通孔24Aの総開口面積を大きくとることができ、連通孔24Aを下面に形成した場合でも中空部21からサセプタ2A外部へと放出するドーパントPの排出効率を向上させることができる。
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図6は、第3実施形態におけるサセプタ2Bの概略構成を示す図である。具体的に、図6(A)は、サセプタ2Bの上面図である。図6(B)は、サセプタ2Bの下面図である。図6(C)は、図6(A)におけるC−C線の断面図である。
サセプタ2Bは、図6に示すように、平面視円盤形状を有し、基板ウェーハWを全周に亘って支持する。そして、その側面は、上方側から下方側に向かうにしたがって断面積が縮小する段付状に形成され、段差部26を有している。また、この段差部26は、図6(B)または図6(C)に示すように、下方側に向かうにしたがって、断面積が拡大するテーパ状に形成されている。
また、このサセプタ2Bには、図6に示すように、第2凹部222の底面、および段差部26を貫通する複数の連通路20Bが形成されている。
これら連通路20Bは、一端が第2凹部222の底面の外周側に形成されるとともに、他端が段差部26における基端部分に形成される。本実施形態では、第2凹部222の底面の外周に沿いかつ、段差部26全周に計12個の連通路20Bが形成されている。なお、連通路20Bの数は、これに限らず、少なくとも1つの連通路20Bが形成されていればよい。また、複数の連通路20Bは、等間隔で形成することが好ましい。さらに、これら連通路20Bは、第2凹部222の底面に形成される一端側がピン挿通孔25より小さな孔、例えば、2mm以下の径を有する孔となるように形成し、段差部26における基端部分に形成される他端側が一端側よりも大きな径を有する孔となるように形成することが好ましい。特に、これら連通路20Bにおける他端側を、サセプタ2Bの強度に問題が生じない範囲で、サセプタ2Bの肉厚に近い径を有する孔となるように形成することが好ましい。また、連通路20Bは、貫通孔とすることが好ましい。
すなわち、上述した構成では、連通路20Bにより、前記第1実施形態と略同様に、第1凹部221に基板ウェーハWが支持された状態で基板ウェーハWと第2凹部222とで形成される空間部223(図7参照)とサセプタ2B外部とが連通することとなる。また、連通路20Bは、前記第1実施形態と同様に、従来のようなサセプタの厚み方向に貫通する貫通孔と異なり、一端側の第2凹部222の底面に形成された開口と、他端側の段差部26に形成された開口とがサセプタ2Bの厚み方向に平面的に干渉しない構成となっている。すなわち、連通路20Bは、一端側の開口から他端側の開口をサセプタ2Bの厚み方向から見た場合に平面視で他端側の開口が見えない構成となっている。
図7は、第3実施形態におけるパージガスの流通状態を説明するための図である。
前記第1実施形態と同様に、反応ガスの流量とパージガスの流量を制御することで、エピタキシャル膜EPの気相成長時に、図7に示すように、反応ガス供給管331を介して基板ウェーハWの表面上に水平に反応ガスを供給し反応ガス流G1を形成するとともに、パージガス供給管333を介してサセプタ2Bの側面にパージガスを供給する。そして、サセプタ2Bの側面に供給されたパージガスの一部は、図7に示すように、パージガス供給管333側に形成された少なくとも1つの連通路20Bを介して空間部223内を流通し、他の連通路20Bを介してサセプタ2B外部に流通する。そして、図7に示すように、パージガス流G4が形成される。また、サセプタ2Bの側面に供給された他のパージガスは、図7に示すように、サセプタ2Bの下面に沿って流通する。そして、図7に示すように、パージガス流G5が形成される。
また、基板ウェーハWの裏面側から空間部223内に放出された他のドーパントPは、具体的な図示は省略するが、サセプタ2Bの下面に沿って流通するパージガス流G5により、パージガスを流入させる連通路20Bを除く他の連通路20Bを介して、サセプタ2B外部に引き込まれる。そして、パージガス流G5のパージガスとともに、パージガス排出管334を介して反応容器3外部に排出される。
(8)連通路20Bが第2凹部222の底面および段差部26を貫通するように形成されているので、連通路20Bを介して段差部26側からサセプタ2B外部に放出されるドーパントPがサセプタ2Bの上部側により基板ウェーハWの表面側にさらに回り込みにくい構造となる。このため、オートドープ現象の発生をさらに効率的に抑制できる。
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第3実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図8は、第4実施形態におけるサセプタ2Cの概略構成を示す図である。具体的に、図8(A)は、サセプタ2Cの上面図である。図8(B)は、サセプタ2Bの側面図である。図8(C)は、図8(A)におけるD−D線の断面図である。
サセプタ2Cは、その側面が略面一に形成されている点以外は、前記第3実施形態で説明したサセプタ2Bと同様であり、サセプタ2Bと同様の凹部22(第1凹部221および第2凹部222を含む)、3つのピン挿通孔25、および複数の連通路20Bを有し、基板ウェーハWを全周に亘って支持する。
このうち、第4実施形態における連通路20Bは、サセプタ2Cの側面、および第2凹部222の底面を貫通していることにより、前記第3実施形態で説明した連通路20Bよりも、水平方向の長さ寸法が長くなっている。
(10)サセプタ2Cの側面は、段差部26を有することなく略面一に形成されているので、前記第3実施形態で説明した連通路20Bよりも水平方向の長さ寸法の長い連通路20Bを形成できる。このため、パージガス供給管333から供給されるパージガスを、連通路20Bに導入しやすく、すなわち、空間部223内に流通させるパージガスの流量を多くできる。したがって、基板ウェーハWから気相中に放出されるドーパントPを、さらに容易にパージガス流G4に取り込むことができ、パージガス流G4,G5の流れにしたがって反応容器3外部により迅速に排出させることができる。
次に、本発明の第5実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第4実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図9は、第5実施形態におけるサセプタ2Dの概略構成を示す図である。具体的に、図9(A)は、サセプタ2Dの上面図である。図9(B)は、サセプタ2Dの側面図である。図9(C)は、図9(A)におけるE−E線の断面図である。
サセプタ2Dは、連通路20Dの形成位置以外は、前記第4実施形態で説明したサセプタ2Cと同様であり、サセプタ2Cと同様の凹部22(第1凹部221および第2凹部222を含む)、およびピン挿通孔25を有し、基板ウェーハWを全周に亘って支持する。
このうち、第5実施形態における第2凹部222の底面とサセプタ2Dの下面との間の厚み寸法は、図9(C)に示すように、前記第4実施形態で説明した第2凹部222の底面とサセプタ2Cの下面との間の厚み寸法よりも小さくなるように形成されている。
すなわち、上述した構成では、連通路20Dにより、前記第4実施形態と略同様に、第1凹部221に基板ウェーハWが支持された状態で基板ウェーハWと第2凹部222とで形成される空間部223(図10参照)とサセプタ2D外部とが連通することとなる。また、連通路20Dは、前記第1実施形態と同様に、従来のようなサセプタの厚み方向に貫通する貫通孔と異なり、一端側の第2凹部222の側壁に形成された開口と、他端側のサセプタ2Dの側面に形成された開口とがサセプタ2Dの厚み方向に平面的に干渉しない構成となっている。すなわち、連通路20Dは、一端側の開口から他端側の開口をサセプタ2Dの厚み方向から見た場合に平面視で他端側の開口が見えない構成となっている。
図10は、第5実施形態におけるパージガスの流通状態を説明するための図である。
前記第1実施形態と同様に、反応ガスの流量とパージガスの流量を制御することで、エピタキシャル膜EPの気相成長時に、図10に示すように、反応ガス供給管331を介して、基板ウェーハWの表面上に水平に反応ガスを供給し反応ガス流G1を形成するとともに、パージガス供給管333を介してサセプタ2Dの側面にパージガスを供給する。サセプタ2Dの側面に供給されたパージガスは、図10に示すように、パージガス供給管333側に形成された少なくとも1つの連通路20Dを介して空間部223内を屈曲することなく流通し、他の連通路20Dを介してサセプタ2D外部に流通する。そして、図10に示すように、パージガス流G6が形成される。
(11)複数の連通路20Dは、第2凹部222の側壁、およびサセプタ2Dの側面を貫通し、第2凹部222の底面と直線上に連続するように形成されているので、連通路20Dを介して空間部223内に導入させるパージガスをサセプタ2D内部において屈曲することなく円滑に流通させることができる。このため、パージガス流G6の流速が変化することがない。したがって、基板ウェーハWから気相中に放出されるドーパントPを、さらに一層容易にパージガス流G6に取り込むことができ、パージガス流G6の流れにしたがって反応容器3外部により迅速に排出させることができる。また、基板ウェーハWから気相中に放出されるドーパントPを、基板ウェーハW側に流出させることなく、サセプタ2D外部に排出させることができる。
前記各実施形態では、載置部は、凹部22で構成されていたが、これに限らず、第1凹部221を形成せずに基板ウェーハWを上面に直接載置する構成を採用してもよい。このような構成を採用した場合であっても、本発明の目的を十分に達成できる。
例えば、図11に示すように、第2凹部222の底面全体に亘って万遍なく、第1の連通孔23Aを形成する構成を採用してもよい。なお、図11では、一部の連通孔23Aのみに符号を付している。また、第2実施形態のサセプタ2Aに連通孔23Aを採用した場合には、該連通孔23Aの開口とサセプタ2Aの下面に形成される第2の連通孔24Aの開口とが、サセプタ2Aの厚み方向に平面的に干渉しないように形成すればよく、連通孔24Aも連通孔23Aと同様に、サセプタ2Aの下面全体に亘って万遍なく形成してもよい。
また、例えば、図12に示すように、第2凹部222の底面全体に第1の連通孔23Bを形成する、すなわち、1つのみ連通孔23Bを形成する構成を採用してもよい。なお、図12(A)は、前記第1実施形態のサセプタ2に連通孔23Bを採用した構成を示している。図12(B)は、前記第2実施形態のサセプタ2Aに連通孔23Bを採用した構成を示している。
上述したような図11および図12に示す構成では、エピタキシャル膜EPの気相成長時に、基板ウェーハWの裏面略全体から外方拡散し気相中に放出されるドーパントPを良好に中空部21に放出させることができる。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
2,2A,2B,2C,2D・・・サセプタ
3・・・反応容器
4・・・加熱装置
20,20A,20B,20D・・・連通路
21・・・中空部
23,23A,23B・・・第1の連通孔
24,24A・・・第2の連通孔
26・・・段差部
221・・・第1凹部
222・・・第2凹部
223・・・空間部
EP・・・エピタキシャル膜
EPW・・・エピタキシャルウェーハ
W・・・基板ウェーハ
Claims (4)
- 基板ウェーハの表面上にエピタキシャル膜を気相成長させてエピタキシャルウェーハを製造する際に前記基板ウェーハが載置されるサセプタであって、
前記基板ウェーハが載置された際に前記基板ウェーハおよび当該サセプタの間で形成される空間部と当該サセプタ外部とを連通する少なくとも1つの連通路を有し、
前記連通路は、前記空間部に面した開口、および当該サセプタ外部に面した開口が当該サセプタの厚み方向に平面的に干渉しないように形成され、
当該サセプタの側面部は、上方側から下方側に向うにしたがって断面積が縮小する段付き状に形成され、段差部を有し、
前記連通路は、前記段差部に形成され、前記空間部および当該サセプタ外部を連通することを特徴とするサセプタ。 - 請求項1に記載のサセプタにおいて、
前記段差部は、下方側に向うにしたがって、断面積が拡大するテーパ状に形成されていることを特徴とするサセプタ。 - 基板ウェーハの表面上にエピタキシャル膜を気相成長させてエピタキシャルウェーハを製造するエピタキシャルウェーハの製造装置であって、
請求項1または請求項2に記載のサセプタと、
前記サセプタが内部に設置され、前記基板ウェーハの表面上にエピタキシャル膜を気相成長させるための反応ガスを内部に供給可能とする反応容器と、
前記エピタキシャル膜を気相成長させる際に前記基板ウェーハを加熱するための加熱装置とを備えていることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造装置。 - 基板ウェーハをサセプタに載置し、前記サセプタ上の前記基板ウェーハを加熱しながら前記基板ウェーハに反応ガスを供給し、前記基板ウェーハの表面上にエピタキシャル膜を気相成長させてエピタキシャルウェーハを製造するエピタキシャルウェーハの製造方法であって、
前記サセプタは、前記基板ウェーハが載置された際に前記基板ウェーハおよび当該サセプタの間で形成される空間部と当該サセプタ外部とを連通する少なくとも1つの連通路を有し、
前記連通路は、前記空間部に面した開口、および当該サセプタ外部に面した開口が当該サセプタの厚み方向に平面的に干渉しないように形成され、
当該サセプタの側面部は、上方側から下方側に向うにしたがって、断面積が縮小する段付き状に形成され、段差部を有し、
前記連通路は、前記段差部に形成され、前記空間部および当該サセプタ外部を連通し、
前記エピタキシャル膜を気相成長させる際に、前記サセプタの上面側に反応ガスを供給するとともに、前記サセプタの側面および/または下面側にパージガスを供給することを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
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